説明

飲料缶用景品ケース

【課題】2本の缶に1つの景品を添付することができるように構成された飲料缶用景品ケースを提供する。
【解決手段】2本の飲料缶14を並べた状態で両飲料缶に形成された巻き締め部15を受容する長円形をなす缶結合部2と、該缶結合部と一体をなす景品収納部3とを有する飲料缶用景品ケース1において、互いに向き合う一対のウイング10を長円形の缶結合部の直線部分6にヒンジ結合し、一対のウイングを共に倒した時に両ウイングの端縁(斜辺部分11)が2本の飲料缶の巻き締め部に突き当たるようにしてなるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料缶に景品を添付して販売する際に用いられる飲料缶用景品ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
缶入り飲料の販売促進を目的として、特定の期間中だけ飲料缶に景品を添付するキャンペーンを行うことがある。このような場合のために飲料缶に景品を添付する手段が種々提案されている。例えば、開口部を有するケース本体と、このケース本体の開口部を開閉するキャップとで構成され、缶の外形輪郭に対応する円形をなし、かつ缶と同軸的に脱着可能に取付けられる点を特徴としたプレミアム用ケースが、特許文献1に提案されている。
【0003】
この従来技術においては、一般の自動販売機での販売に支障が生じないことが第1の条件であり、1つの景品を1つの缶に添付することができるように構成されている。
【特許文献1】特開平11−157543号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、この種のキャンペーンは、製品本体の販売価格を変更せずに景品を添付するのであるから、景品のコストが製品価格を直接圧迫することになるため、景品の質を高めるには限度がある。景品の質を高めるには、複数の缶に1つの景品を添付するようにして製品本体の価格に対する景品コストが占める割合を低減することが考えられるが、特許文献1に開示されているような従来のプレミアム(景品)用ケースでは、こうした要望に応えることはできなかった。
【0005】
本発明は、このような現状を打開すべく案出されたものであり、その主な目的は、2本の缶に1つの景品を添付することができるように構成された飲料缶用景品ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するため、本発明は、飲料缶に形成された巻き締め部15を2本の飲料缶14を並べた状態で受容する長円形をなす缶結合部2と、該缶結合部と一体をなす景品収納部3とを有する飲料缶用景品ケース1において、互いに向き合う一対のウイング10を長円形の缶結合部の直線部分6にヒンジ結合し、一対のウイングを共に倒した時に両ウイングの端縁(斜辺部分11)が2本の飲料缶の巻き締め部に突き当たるようにしてなることを特徴とするものとした。
【発明の効果】
【0007】
このような本発明によれば、2本の飲料缶を一まとめにして1つの景品収納ケースを取り付けることができる。特にウイングの端縁で2本の飲料缶の巻き締め部を同時に押さえ付けるので、2本の飲料缶に対する十分な結合力を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0009】
図1・2は、本発明に基づき構成された飲料缶用景品ケースの外観を示している。この景品ケース1は、透明、あるいは半透明の弾性に富む合成樹脂材で形成されており、開口面の外周輪郭が長円形をなす缶結合部2と、缶結合部2と一体に形成された直方体形をなす景品収納部3とからなり、輪郭が長円形をなす周壁の内面に適宜な間隔をおいて多数のリブ4が設けられ、全体に所定の剛性が与えられている。
【0010】
この景品ケース1が装着される飲料缶は、容器体の開口端縁と蓋体の外周縁とを互いに巻き締めて一体結合してなる例えばアルミニウム製のビール缶等であり、景品ケース1の缶結合部2は、飲料缶の巻き締め部の外径寸法と実質的に等しい内径寸法の半円形部分5を直線部分6で接続してなり、巻き締め部のみを受容するように、景品収納部3との間に段付き部7が形成されている。そして缶結合部2の内周面における開口面側には、飲料缶の巻き締め部の出っ張りに弾発的に結合するように、適宜な周方向間隔をおいて複数の突条8が形成されている。
【0011】
景品ケース1の缶結合部2の内周面とリブ4の突端との間には、缶結合部2の内周面との間に飲料缶の巻き締め部を弾発力を伴って保持するように、適宜な隙間9が開けられている。
【0012】
缶結合部2の直線部分6の互いに対向する開口側端縁には、概ね2等辺三角形をなすウイング10の底辺部分が、景品ケース1を形成する素材自体で形成された薄肉のヒンジ部で連結されている。これら一対のウイング10の2つの斜辺部分11は、装着対象となる飲料缶の曲率に合わせた円弧とされており、飲料缶の巻き締め部の出っ張りにその端縁が突き当たるようにされている。
【0013】
缶結合部2の直線部分6の内面には、各ウイング10の付け根部分に形成された切欠部12と弾発係合するように、ばね作用を持つ突起13が設けられている。
【0014】
このように構成された景品ケース1の飲料缶に対する結合は、図3に示すように、両ウイング10を立てた状態で缶結合部2の開放面を下向きにし(図3では逆さに見ている)、互いに外周面を接触させて並べた2本の飲料缶14の上端に缶結合部2を押し込むことにより、飲料缶14の巻き締め部15の出っ張りに缶結合部2の内周面の突条8を嵌合させることで行われる。
【0015】
景品ケース1を2本の飲料缶14の上面に被せたところで、缶結合部2の一対のウイング10を共に内向きに折りたたみ、ウイング10の付け根に形成された切欠部12と缶結合部2の直線部分6の内面に形成された突起13とを弾発係合させる。これにより、飲料缶14の外周面にウイング10の円弧状をなす斜辺部分11が当接し、前記した切欠部12と突起13との弾発係合によるウイング10の開き方向抵抗力とウイング10の斜辺部分11及び突条8の巻き締め部15に対する引っ掛かり力とにより、景品ケース1が飲料缶14に対して結合する。
【0016】
この景品ケース1は、例えば粘着テープなどで景品収納部3に景品を止め付けた状態で販売店に納入し、この景品が収納された景品ケース1を販売店で飲料缶14に任意に装着すれば良い。
【0017】
販売店で顧客が景品ケース1を把持して持ち上げた際に、飲料缶14が脱落しない程度の保持力を景品ケース1に与えることが好ましいが、本発明によれば、飲料缶14の巻き締め部15に対する景品ケース1の缶結合部2の結合長さをウイング10によって大きくすることができるので、このような要望に応えることが可能である。そしてこの景品ケース1によれば、2本の飲料缶14を同時に片手で持ち運ぶことができるので、運搬の利便性が高められるという副次的な効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の景品ケースのウイングを立てた状態を示す全体斜視図である。
【図2】本発明の景品ケースのウイングをたたんだ状態を示す全体斜視図である。
【図3】本発明の景品ケースを飲料缶に装着した状態を逆さにして示す全体斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 飲料缶用景品ケース
2 缶結合部
3 景品収納部
6 直線部分
10 ウイング
11 斜辺部分
14 飲料缶
15 巻き締め部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料缶に形成された巻き締め部を2本の飲料缶を並べた状態で受容する長円形をなす缶結合部と、該缶結合部と一体をなす景品収納部とを有する飲料缶用景品ケースであって、
互いに向き合う一対のウイングを前記缶結合部の直線部分にヒンジ結合し、
前記一対のウイングを共に倒した時に両ウイングの端縁が前記巻き締め部に突き当たるようにしてなることを特徴とする飲料缶用景品ケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−240660(P2006−240660A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57602(P2005−57602)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(502420438)株式会社ケンエレファント (3)
【Fターム(参考)】