説明

飲料

【課題】ドリンクの希釈が起こらず、飲料中で氷を使用して、冷たい飲料を提供する。
【解決手段】ガラス172に入ったアルコール性または非アルコール性でもよいラガーないしシードルといった樽抜き飲料170は、水内容物および溶存ガス内容物を含む。この樽抜き飲料170は大気圧下での水の凝固点よりも低い温度に冷却されて源泉から吐出される。吐出温度は−1℃から−12℃までの範囲であってもよい。ガラス172に入ったこの飲料170は飲料中で核形成部分の形成を助長するために外部の励起エネルギー、例えば超音波にさらされてもよい。いずれにおいても溶存ガスが飲料から発泡すると水内容物から氷188A、188Bができる核形成部分の発生を引き起こし、その少なくとも一部は溶けかけの性質を有する。あぶく174もまた樽抜き飲料170の上に生じ、あぶく174の下に氷188A、188Bは位置して下に向かって飲料中で展開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料、飲料の製造法または給仕法、飲料中の目に見える表示の提供、および樽抜き飲料を供給するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連の飲料は、水分内容物および溶存ガス内容物を含有する。
【0003】
飲料はアルコール性飲料またはノンアルコール飲料であってよい。例えば、飲料はビール、シードル、フレーバー入りアルコール性飲料、例えばアルコール性レモネードまたは他のドリンクのアルコ−ポップスタイル(alco−pop style)またはいわゆる低アルコールドリンクであってよい。用語「ビール」は、ラガー、エール、ポーターおよびスタウトを包含し、ホップフレーバー、モルト処理および発酵に由来するアルコール内容物、水内容物、および溶存ガス内容物を含有する飲料が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ドリンクの希釈が起こらないので、消費者がより好ましいと考える手段により、飲料中で氷を使用して、冷たい飲料を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、飲料中に冷却用の氷が存在し続け、それによりドリンクがより長期間その冷たさを保持できるような飲料を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、飲料の上のあぶくが維持されるような(飲料があぶくを有する場合)飲料を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、氷が飲料中で面白い目に見える表示に成り得るような飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様において、上部開放容器中の飲料を提供し、前記飲料は水内容物および溶存ガス内容物を含有し、前記容器中で飲料は氷の上に泡のあぶくを有し、前記氷は水内容物の水から飲料中で形成される。
【0009】
容器は好適な任意の容器であってよく、例えばドリンク用の容器、例えばガラスであってよい。
【0010】
好ましくは氷の層があぶくと隣接し、あぶくと接している。好ましくは氷があぶくから離れて下方へ広がって突出し、あぶく領域をもたらす。氷の突出は、あぶくから直接、またはあぶくの下の氷の層から起こる。
【0011】
氷は、単一の固体マスよりもむしろ氷のたくさんの小さな結晶であるのが好ましい。氷は固体マスよりもむしろ半解けの特徴であることが好ましい。飲料中で1種以上の氷形成が起こってよい。微細な粉末状の氷が存在してよい。フレークの最長寸法が約1または約2mmまたは約3mmまたは約4mmまたはそれ以上のフレーク状の氷であってよい。
【0012】
白色または水の透明さとは異なる着色された飲料は、バンド、または異なる高さで横切るストライプを有していてよく、バンドは核形成の起こる白色層および核形成がほとんど起こらない白色層間に介在する飲料着色層であってよい。この効果は飲料容器、例えばガラス上に超音波を使用することにより達成される。白色バンドおよび介在する飲料着色バンドは実質的に同一厚さであってよい。
【0013】
飲料着色バンドで散在した白色バンドは、分単位よりは秒単位で存在してよく、典型的に1〜10秒、好ましくは約3〜6秒存在する。散在した白色バンド/飲料着色バンドは、実質的に飲料容器へ超音波を当てるのと同時に存在する。
【0014】
核形成手段は、容器の中での飲料中の氷結晶および/またはあぶくの形成を促進するために実施されてよい。核形成手段は、好ましくは飲料容器の下方部へ適度に超音波を当てることであるが、別の核形成誘導の形態であってもよい。例えば容器および/または分散タップ/ノズル(または飲料容器中へ挿入される物体)は、核形成を促進するために粗面/表面積の大きな表面を有してよく(例えば焼結表面、食刻表面、またはガラス等の基質材料表面)または核形成を誘導するために迅速かつ好適に圧力を降下させてよく、または機械的に攪拌してよく、または飲料は核形成を促進するために乱流するようにアレンジされていてよく、または可能な限り気体で飽和された液体部分を導入または注入してよく、または気体を別の方法で導入、または注入し、あるいはガラスを同様の方法で震動させてよく(例えば音波に曝露する、または容器を別の方法で震動させる)、または化学物質(例えばタブレット)または気泡を生じる装置を導入してよい(例えば化学物質ペレットは泡立つかまたは溶解し、気泡を放出する)。
【0015】
本発明の第2の態様において、上部開放容器中で飲料を冷たいまま維持する方法が提供され、前記飲料は水内容物および溶存ガス内容物を含有し、前記方法は上部開放容器中の飲料の中で飲料を冷却する効果を有する氷を形成することを含み、前記氷は前記水内容物の水から飲料中で形成される。
【0016】
本発明の第3の態様において、上部開放容器中の飲料の中で冷却用の氷を維持する方法を提供し、前記飲料は水内容物および溶存ガス内容物を含有し、ここで前記氷は水内容物の水から飲料中で形成され、前記方法は、飲料の上部に泡のあぶくをもたらし、容器中で氷はあぶくで覆われ、あぶくの上部から氷へ向かう熱に対して、あぶくは氷の上で上部保冷剤として機能する。
【0017】
本発明の第4の態様において、上部開放容器中で溶液上にあぶくを維持する方法を提供し、前記飲料は水内容物および溶存ガス内容物を含有し、前記方法は、飲料にあぶくをもたらし、前記水内容物の水から飲料中で氷を形成し、前記飲料中で、前記氷は、あぶくの下側から上側へあぶくを冷却する効果を有する。
【0018】
本発明の第5の態様において、飲料の上部開放容器を提供し、飲料は水内容物および溶存ガス内容物を含有し、飲料が容器中に分取される際にあぶくを形成することができ、飲料容器は多くの氷結晶から成る氷質に重なるあぶくを有し、該氷質は、飲料の容器中への分取時または分取後に飲料中で氷が形成されることにより生成される。
【0019】
有利には容器は透明または半透明の壁を有するかまたは少なくとも透明または半透明材料の窓を有する。
【0020】
好ましくは、氷質は実質的に容器の口幅に広がるか、または口幅を端から端まで完全に広がる。氷質は、あぶく含有領域または層中の実質的に均質な氷結晶を含有する。また、あぶくと接する氷結晶は実質的に均質でない。
【0021】
氷質は、あぶくから離れて広がる突出を有してよい。この突出は氷あぶく境界付近の氷よりも大きな氷のフレークを含有してよい。
【0022】
氷あぶく境界面の氷は突出部の氷フレークの手前で形成されてよい。
【0023】
飲料を超音波信号に課し、樽抜き飲料として容器へ移行する。樽抜き飲料が容器へ移行される前に、有利には直前に、飲料を、周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度へ冷却してよい。
【0024】
本発明の第6の態様において、上部開放容器中の樽抜き飲料を給仕する方法を提供し、前記飲料は水内容物および溶存ガス内容物を含有し、前記方法は、飲料を周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度に冷却し、冷却された飲料を前記容器へ移行し、前記冷却された飲料は超音波信号作用に曝されるかまたは他の氷および/または気体あぶく核形成法に課される。
【0025】
超音波信号は前記容器の外側から課せられ、かつ/または超音波信号は前記容器の内側で、冷却された飲料に課せられる。後者の場合、超音波エミッタ自体またはプローブに組み込んだものを、容器中の飲料の中に配置する。所望であれば、そこから飲料を容器へと移行する分取用の排出口またはノズルを、容器中の前記飲料へ前記超音波信号を提供する超音波エミッタとして機能できるように適合させてよい。このようなシグナルは、分取用排出口を通過する際に飲料へ課せられ、かつ/または容器中の飲料へ課せられる。
【0026】
超音波信号は容器へ移行された後だけでなく、移行中にも飲料へ課すことができる。例えば分取用または排出用ノズルからの排出中および/または排出後に飲料流へ超音波を当てることができる。
【0027】
超音波信号は20kHzから70kHzの周波数範囲である。例えば超音波信号は実質的に30kHzの周波数を有する。
【0028】
前記氷の塊は飲料中であぶくの下側から下方へ広がってよい。
【0029】
好ましくは、飲料を容器へ移行する前に容器を冷却しておく。容器を実質的に4℃の温度へ冷却してよく、または容器を4℃を下回る温度に冷却してよい。例えば容器は実質的に0℃の温度に冷却されてよい。
【0030】
移行前に、好ましくは移行の直前に、樽抜き飲料を実質的に−1℃から実質的に−12℃の範囲の温度に冷却してよく、実質的にこの温度範囲で容器へと移行させてよい。所望であれば、飲料を実質的に−4℃から実質的に−6℃の温度に冷却してよい。体積あたりのアルコール強度(abv)が高いほど、アルコール飲料の冷却温度は低くなる。約4.5%abvを有するラガー(または他のドリンク)では、約−5℃の分取温度を得ることを目的とする(または実質的に−4℃または実質的に−6℃)。
【0031】
好ましくは、容器は十分に透明な壁部分を有し、その壁部分を通して容器内容物を肉眼で見ることができる。従って容器はガラスのドリンク用容器であってよい。
【0032】
好ましくは、飲料は淡い色であり、例えば淡いビールの色である、所望であれば、飲料はラガー、またはシードルである。
【0033】
前記の溶解した気体は二酸化炭素を含有してよくかつ/または窒素を含有してよい。飲料、例えばアルコール飲料中に溶解した窒素内容物は、実質的に0百万分率(p.p.m.)から実質的に100p.p.m.の範囲であってよい。ある飲料、例えば特定のラガーでは、実質的に40p.p.m.である。溶解した二酸化炭素内容物は、0体積%に近似するかまたはそれ以上である。前記二酸化炭素は実質的に以下の任意のレベルであるか、任意の以下のレベルの間で定義された範囲である;0vols/vol、0.5vols/vol、1vols/vol、1.4または1.5vols/vol、2.0vols/vol、2.2または2.4vols/vol、3vols/vol、4vols/volsまたは5vols/volまたはそれ以上である。
【0034】
所望であれば、超音波信号を機械的または電気的に起こる可聴パフォーマンスおよび/または可視光表示と組み合わせてよい。可聴パフォーマンスは、音楽的サウンドまたはミュージカル・サウンドであってよい。可視光表示は光の可視フラッシュを含んでいてよい。
【0035】
所望であれば、視界から(少なくとも封入体の片側から)容器を隠すようにアレンジされた封入体中で飲料に超音波を課してよい。
【0036】
本発明の第7の態様において、水内容物および溶存ガス内容物を含有する飲料を供給し、ここで、飲む前に前記飲料を周囲雰囲気圧力下での水の凝固点を下回る温度まで冷却し、容器へ移行して周囲雰囲気圧力に曝露し、その際、前記容器中で前記気体が飲料から泡になって放出されかつ前記水内容物の少なくとも一部が氷になる。
【0037】
本発明の第8の態様において、樽抜き可能でありかつ水内容物および溶存ガス内容物を含有する飲料を提供し、ここで、飲む前に樽抜き飲料を周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度で、排出口から周囲雰囲気圧力へと開放された容器へ移行し、それにより前記気体が飲料から泡になって放出されかつ前記水内容物の少なくとも一部が氷になる。
【0038】
所望であれば、好ましくはドリンク用容器である容器は氷の形成を促進する形状または構成を有していてよい。例えば、容器は氷の形成を促進する核形性部位を提供する内表面を有してよい。前記表面は、少なくとも粗い表面部分を有してよい。少なくとも容器の壁部分は温度の変化により自動的に色が変化するように設定されていてよい。前記壁部分は、熱変色性材料を含有してよい。
【0039】
望ましくは、気体は非酸化気体である。このことは飲料の変質を回避または少なくとも遅延させる。気体は二酸化炭素および/または窒素を含む。飲料を冷却して飲料中に氷を形成することにより、少なくとも最初に、例えばラガー等の飲料から溶解した気体が放出される速度を減少させ、飲む際の感覚、味、風味または刺激を改良する。このことは(氷により維持される)飲料の低い温度と飲料中に保持されるより多くの気体量との組合せから成ると確信する。
【0040】
氷の存在は、容器が満たされた後、氷が飲料の全体に認識可能な速度で広がる際に特に美しい、面白くかつ魅力的な特性を提供できる。さらに面白さを加えるために、氷はその中に、氷および/または飲料の色とは対称的な1種以上の色のすじまたは領域を一カ所以上含有してよい。
【0041】
前記氷は半解けの特徴を有してよい。
【0042】
本発明の第9の態様において、水内容物および溶存ガス内容物を含有する樽抜き飲料の給仕法を提供し、前記方法は、樽抜き飲料を排出口から容器へ移行し、移行前に、飲料から前記の溶解した気体が損失されるのを阻害するような手段で飲料を貯蔵しまたは取り扱い、前記飲料を前記周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度まで冷却し、前記容器中で、前記気体が飲料から泡になって放出されかつ前記水の少なくとも一部が氷になる。
【0043】
本発明の第10の態様において、少なくともある程度透明な壁部分を有する容器内で目に見える表示または効果を提供する方法を提供し、前記方法は、水内容物および溶存ガス内容物を含む樽抜き飲料を供給し、樽抜き飲料を排出口から前記容器へと移行し、移行前に、飲料から前記の溶解した気体が損失されるのを阻害するような手段で貯蔵しまたは取り扱い、前記飲料を前記周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度まで冷却し、容器中の飲料の中で、目に見える表示および効果を起こし、前記の目に見える表示および効果には、前記気体の飲料からの発泡と、前記水の少なくとも一部が氷になることによる氷形成とが含まれる。
【0044】
氷の量および広がりが、実質的に飲料の上部から飲料の下方に向かって増加するように、容器中で氷形成を進行させることができる。
【0045】
容器の壁部分の少なくとも一部が、温度の変化により自動的に色変化してよい。前記壁部分は熱変色性材料を含有してよい。
【0046】
前記氷の形成を促進するために、容器内の飲料中へ器具を挿入してよい。例えば、器具は温度計またはマドラーであってよい。
【0047】
着色材料または染料を、飲料および/または氷の着色された少なくとも1カ所のすじまたは領域を形成するために使用でき、前記材料または染料の色は氷および/または飲料の色と対照的であり、それ故に肉眼で認識することができる。
【0048】
前記器具は、飲料および/または氷に着色材料または染料を添加するために使用することができる。
【0049】
1つの方法として、飲料を約−4℃で容器へ供給し、その後、容器中の飲料の温度を比較的迅速に少なくとも約−3℃まで上昇させてよい。
【0050】
本発明の第11の態様において、飲料を0℃より低く冷却するために適合された冷却手段、分取タップ、および飲料を分取タップへ運搬するために適合された配管を含む飲料分取装置を提供し、この設備では、飲料を気圧下に放置した場合および核形成手段を放置飲料に実施した場合に一般的に飲料中で氷が形成される点よりも低い温度に冷却された飲料を分取できるように、装置が適合されており、ここで、装置中の分取されていない飲料は凍結固体ではない。
【0051】
好ましくは、装置はポンプ手段を有し、飲料分取配管は、分取タップが閉じていた場合に分取タップを通り越して飲料が循環する部分を含有していてよく、冷却した未分取飲料が流れ続けるという事実は、氷が形成されて分取タップ部で目詰まりを起こすことを防止し易い。
【0052】
飲料は実質的に常に分取タップを通り越して(または分取タップが開いている場合には分取タップを通って)、別の方法であったら飲料が分取タップ部でまたは飲料分取用配管中で氷を形成するような温度で、流れ続けてよい。
【0053】
少なくとも1種の冷却手段に装備されかつ分取タップと連結した冷循環ループが存在するのが好ましく、循環ループ中の飲料は冷却手段により冷たく保たれ、循環ループ中に装備されたポンプ手段により循環し続ける。循環ループ中には複数の冷却機関が存在してよい(例えば熱交換器)。循環ループに付随する複数の分取タップが存在してよい。
【0054】
循環ループの上向きの飲料流を、循環ループの上向きの配管中で飲料が経験する温度および圧力条件下に、飲料中で氷が形成されるような温度まで冷却してよい。
【0055】
本発明の第12の態様において、樽抜き飲料の供給装置を提供し、前記装置は、飲料用熱交換器、排出口から供給するための前記熱交換器由来の冷たい飲料用飲料排出口、前記排出口への飲料の供給を制御するための開閉可能なバルブ、および飲料が前記ループ中を循環できるようにするための飲料循環ループを内包する。
【0056】
バルブが閉まっている時に飲料はループ中を循環できる。ループは前記飲料を循環させるためのポンプを含有するのが好ましい。
【0057】
飲料を循環させる目的は、凍結した飲料が排出口への飲料供給経路を遮断する危険性を軽減または回避することである。前記ループは、前記熱交換手段中に飲料流路を含んでいてよい。
【0058】
好ましい形態において、装置はドリンク・バーのカウンターに取り付け可能なユニットまたはディスペンサを含有でき、かつ熱交換手段および排出口を有している。
【0059】
飲料流路は、樽抜き飲料タンクと熱交換手段とを連結できる。流路は少なくともループ部分を有する。
【0060】
流路は複数の飲料ルートに分かれていてよく、ループは1つ以上のルートを有してよい。
【0061】
タンクと最初に述べた熱交換手段の間に位置するもの。飲料を第2の飲料冷却用熱交換手段で処理してよい。
【0062】
タンクは冷却されてよい。
【0063】
所望であれば、第2の熱交換手段は少なくともループの1カ所で機能してよい。
【0064】
第1および第2の熱交換手段に常用される冷却剤は熱交換手段を通って循環してよい。
【0065】
飲料冷却用熱交換手段は、前記タンクとループ間の飲料に対して機能してよい。
【0066】
本発明の特別な形態での1つの利点は、ドリンクの希釈が起こらないので、消費者がより好ましいと考えるであろう手段により、飲料中で氷を使用して、冷たい飲料を提供できるという点である。別の利点は、飲料中に冷却用の氷が存在し続け、それによりドリンクがより長期間その冷たさを保持できるような飲料を提供できることである。
【0067】
更なる利点は、飲料の上部のあぶくが、例えば6℃、または例えば4℃で、同様のまたは同一の分取装置を用いて分取された同一のビールが達成するよりも長期間に亘って保持されることである。また、本発明の一実施形態の別の利点は、氷がその中で面白い目に見える表示と成り得るようなビールを提供できることである。
【0068】
樽抜きシードルをグラスに入れて、任意の相当な時間あぶくが保持されるように、泡沫または泡のあぶくを維持した状態で給仕するのは極めて困難である。しかし、スパークラーを含有する容器からシードルを分取することによりあぶくを作り出すことができ、そのあぶくは速やかに消失する。スパークラーの使用はシードルの運搬速度を遅延させるので、一定体積を運搬するのに、スパークラーを使用しない場合よりも長い時間を要し、あぶくがやはり速やかに消失するので、スパークラーの使用は無意味であると考えて、時には許可無く容器からスパークラーを取り出してしまうこともある。
【0069】
別の目的は、容器、例えばドリンク用のグラスへ移された樽抜きシードルの上部のあぶくが、公知の方法で給仕されるシードルのあぶくよりも安定しかつ長時間保持されるような、溶存ガス内容物を含有する樽抜きシードルを給仕する方法を提供することである。
【0070】
本発明の第13の態様において、上部開放容器で樽抜きシードルを給仕する方法を提供し、ここで、前記シードルは水内容物および溶存ガス内容物を含有し、前記方法は、シードルを周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度まで冷却し、冷却されたシードルを前記容器へ移し、前記冷却したシードルを超音波信号処理に課すことを含む。
【0071】
シードルは、実質的に−1℃から実質的に−12℃の範囲の温度まで冷却してよい。例えばシードルは、実質的に−6℃に冷却してよい。体積あたりのアルコール強度が強いほど、シードルの冷却温度は低くなる。
【0072】
所望であれば、冷却したシードルを、スパークラーを通して分取排出口から供給できる。しかし、冷却されたシードルは、そこからシードルが供給される分取排出口中のオリフィス・プレートを通過してよい。
【0073】
上部開放容器は、シードルを入れる前に冷却するのが好ましい。容器は約4℃に冷却されてよく、または4℃を下回る温度に冷却されてよい。例えば容器は約0℃に冷却される。
【0074】
前記超音波信号は、実質的に20kHzから実質的に70kHzの範囲の周波数を有してよい。例えば、超音波信号は実質的に30kHzの周波数を有してよい。
【0075】
超音波信号を、前記容器の外部から前記容器へ課すことができる。
【0076】
超音波信号を、前記容器の内部で前記シードルへ課してよい。従って、超音波信号エミッタを容器中のシードル中に配置して、超音波信号を容器中のシードルに放射してよい。
【0077】
そこから冷却したシードルを前記容器へ移行する分取排出口は、前記超音波信号を処理するための超音波信号エミッタとして機能できるように適合されてよい。前記超音波信号を、分取排出口を通過して流れる前記シードルへ課してよい。
【0078】
溶存ガス内容物は二酸化炭素および/または窒素を含有してよい。二酸化炭素は実質的に0体積%またはそれ以上であってよく、および/または窒素含量は実質的に0百万分率(p.p.m.)またはそれ以上であってよく、例えば二酸化炭素含量は約1.8体積%でありかつ/または窒素含量は約18百万分率(p.p.m.)であってよい。
【0079】
本発明の第14の態様において、上部開放容器中のシードルを供給し、ここで前記シードルは溶存ガス内容物および水内容物を含有し、この際、前記シードルは氷の上に泡のあぶくを有し、前記氷は前記水内容物の水から形成される。本発明の前記第14の態様の前記シードルでは、前記あぶくおよび氷を、少なくとも部分的に、第13の態様に記載される方法を実施することで製造してよい。
【0080】
本発明の第15の態様において、上部開放容器中のシードルの上部にあぶくを維持する方法を提供し、ここで前記シードルは水内容物および溶存ガス内容物を含有し、前記方法は、シードル上部にあぶくをもたらし、前記水内容物の水から氷を形成し、前記容器中で、前記氷が前記あぶくで覆われた層を形成することを含む。本発明の第15の態様の前記方法では、前記あぶくおよび氷を、少なくとも部分的に、第13の態様に記載される前記方法を実施することで製造してよい。
【0081】
本発明の第16の態様において、上部開放容器中の飲料の給仕法を提供し、この方法は、水内容物を有する飲料を提供し、飲料を大気圧での水の凝固点を下回る温度に冷却し、冷却された飲料を上部開放容器に移し、容器中の飲料の中で核形成部位の形成を促進し、その部位では前記水内容物から飲料中で氷が形成される。
【0082】
飲料は、容器中で飲料から泡になって放出されかつ前記泡において前記核形成部位を作り出す、溶存ガス内容物を含有してよい。
【0083】
前記核形成部位の形成を促進するために飲料を超音波処理に課してよい。
【0084】
飲料は、前記核形成部位の形成に働くまたは促進する固体物質を含有してよい。
【0085】
本発明の第17の態様において、樽抜き飲料の供給装置を提供し、前記装置は、飲料冷却用熱交換器、排出口から供給するための前記熱交換器由来の冷たい飲料用飲料排出口、前記排出口への飲料の供給を制御するための開閉可能なバルブ、および飲料がループ中を循環できるようにするための飲料循環ループを内包し、前記熱交換器は冷却剤または冷水を、いずれも前記飲料を冷却するために含有する。
【0086】
熱交換器は、飲料を冷却できかつループ中を循環する飲料を加熱できる熱交換体を含有してよい。
【0087】
熱交換体は、ペルチエ効果を利用してよいので、電流の逆転は飲料の加熱を起こす。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】冷えた樽抜き飲料供給装置の略線図である。
【図2】飲用容器へ供給後の飲料における変化を連続的に説明する、図1の装置によって供給される樽抜き飲料で満たされた飲用容器の正面線図である。
【図3】飲用容器へ供給後の飲料における変化を連続的に説明する、図1の装置によって供給される樽抜き飲料で満たされた飲用容器の正面線図である。
【図4】飲用容器へ供給後の飲料における変化を連続的に説明する、図1の装置によって供給される樽抜き飲料で満たされた飲用容器の正面線図である。
【図5】供給される飲料を飲用容器に入れて供する際、その方法に加える部分的変更について説明する側面線図である。
【図6】供給される飲料を飲用容器に入れて供する際、その方法に加える部分的変更について説明する側面線図である。
【図7】供給される飲料を飲用容器に入れて供する際、その方法に加える部分的変更について説明する側面線図である。
【図8】図1の装置によって供給される飲料で満たされた飲用容器の正面線図であって、飲料に超音波信号を加えるために、容器が線図で表される装置上に置かれていることを示す正面線図である。
【図9】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図10】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図11】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図12】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図13】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図14】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図15】飲料に超音波信号が加えられ、飲料中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、飲料表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図16】飲料に超音波信号を加える別の方法を示す線図である。
【図17】飲料に超音波信号を加えるさらに別の方法を示す線図である。
【図18】1パイントのラガーが超音波によって励起された状態を示す図である。
【図19】図18で示した1パイントのラガーの、3分間放置後の図である。
【図20】冷えた樽抜きシードル供給装置の略線図である。
【図21】図20の装置によって供給されるシードルで満たされた飲用容器の正面線図であって、シードルに超音波信号を加えるために、容器が線図で表される(図8の装置に類似の)装置上に置かれていることを示す正面線図である。
【図22】シードルに超音波信号が加えられ、シードル中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、シードル表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図23】シードルに超音波信号が加えられ、シードル中に形成される氷に成長または変化が生じたすぐあとの、シードル表面のあぶくの成長に生じる変化を連続的に示す正面線図である。
【図24】シードルに超音波信号を加える別の方法を示す線図である。
【図25】シードルに超音波信号を加えるさらに別の方法を示す線図である。
【図26】冷えた樽抜き飲料供給装置の別の実施形態を示す略線図である。
【図27】図26の装置に加えたわずかな変更を示す図である。
【図28】冷えた樽抜き飲料供給装置の別の実施形態を示す略線図である。
【図29】冷えた樽抜き飲料供給装置の別の実施形態を示す略線図である。
【図30】冷えた樽抜き飲料供給装置の別の実施形態を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
以下、本発明を例示的なものとして添付の図面を参照しながら更に詳しく説明する。
【0090】
図1において、樽抜き飲料は金属製の小樽または大樽4にしこまれている。大樽4は、パブやナイト・クラブで知られている冷蔵室で保管することができ、かつ/または所望であれば、例えば水とエチレングリコールのチルド混合物がはいったタンクなどの、特定の冷えたエンクロージャ6にいれて保管することができる。前述のように、飲料は水分と溶存ガス分を含んでいる。この気体は、適切な非酸化気体であればいかなるの気体であってもよく、例えば二酸化炭素および/または窒素が挙げられる。飲料中の溶存ガスの量は、各種飲料において通常の知られている範囲内であればよく、また大樽4内の圧力および(後述する)サプライ装置の残留物も各種樽抜き飲料において通常の知られている範囲内であればよい。
【0091】
飲料はラガー、エール、ポーターまたはスタウトを含めたビールでも、シードルでもよい。溶解二酸化炭素含量は、実質的に1体積/体積または2体積/体積を上回ってよく、実質的に単位体積当たり2.2体積とすることができる、かつ/または溶存窒素含量は、実質的に25p.p.m.〜35p.p.m.とすることができる。所望であれば、二酸化炭素含量を、実質的に4体積/体積または5体積/体積とすることができる。アルコール含量は2.5%abvから6または7%abvの間、好ましくは4〜5%abv±1%abvとすることができる。
【0092】
飲料はフレーバータイプのアルコール飲料であってもよい。
【0093】
手動によって操作可能なバルブ10が開いているときにのみ実質的に動作するよう配置されたポンプ8は、飲料を、大樽4からパイプ12に沿って最終的にバルブ10およびバルブ10から飲料分配用放出口14まで押し出すよう備えられている。大樽4には、適当なサプライ16から、知られている方法で一面の非酸化/加圧気体(例えば二酸化炭素および/または窒素)が供給されており、その気体によってポンプ8の飲料抜き出しが容易になっている。
【0094】
飲料分配ユニットは概ね参照符号18で示され、断続線20が示すカバーを備えている。分配ユニットはドリンク・スタンドまたはその付近に取り付けることができ、例えばバーのカウンターの上に取り付けることもできるしまたはカウンターの中に組み込むこともできる。
【0095】
カバー20付近には、パイプ12が2本の流路22と24とに分岐しており、各流路はバルブ10に通じている。一方の流路は、配管22a、22b、22cならびに熱交換器28aおよび28b内の導管26で形成され、他方の流路は配管24a、24b、24cならびに熱交換機28cおよび28d内の導管26で形成される。
【0096】
冷却ユニット30は、冷却液流出管34と冷却液戻り管36を含むシステムによって、冷却液を直列に配置された熱交換器28の導管32内を循環させる。飲料パイプ22aおよび24aは、冷却液管34および36とともに知られた方法で束ねられ、パイソン38を形成する。熱交換器28は、平板熱交とすることができる。
【0097】
連続的に動作する循環ポンプ40は、流路22および24の間の、パイプ12とそれら流路との分岐点に隣接する位置まで延びている。その結果、流路22、24とポンプ40は循環循環ループ22、24、40を形成することになり、バブル10閉鎖時には飲料がその中を連続的に循環する。
【0098】
図1に示すように、飲料分配ユニット18において、熱交換器28はカバー20内にあるがバルブ10および放出口14はカバーの外側とすることができ、また循環ポンプ40と飲料パイプ22aおよび24aの一部を含む循環ループの一部もカバーの外側にあって、バーの周囲温度に曝しておくことができる。
【0099】
所望であれば、パイプ12を、知られた方法によって冷却液流出管44と冷却液戻り管46を含む別の冷却パイソン42に組み込み、冷却液を冷却ユニット48から同ユニットへと運ぶこともできる。
【0100】
概して言えば、飲料用装置、特に飲料分配ユニット18と熱交換器28によって提供される装置は、バルブ10開放時に放出口14から流出する飲料が、周囲大気圧下で氷の凝固点を下回る温度となるように飲料を冷却する。例えば、飲料は実質的に−1℃から実質的に−12℃の温度範囲で飲用容器または飲用グラス内に流出する。上記温度範囲は、実質的に−4℃から実質的に−6℃であればよい。約4.5%abvの飲料を使用する場合には−5℃の目標温度を目指すことになる。
【0101】
バルブ10閉鎖時には、飲料は自動的にループ22、24、40を循環することになり、従って飲料が停滞し、凍り始めて、バルブ10に通じるサプライ路をふさぐことはあり得ない。
【0102】
例えば各種ビールなどの、慣習的にあぶくを伴って供される樽抜き飲料の場合、放出口14が知られたオリフィス板または他のデバイスを含み、あわ立ちを促進するようにしてもよい。
【0103】
図2において、樽抜き飲料50が放出口14(図1参照)から飲用容器52(例えばグラス)に供給されると、同飲料は周囲大気圧および周囲温度に曝されて温度上昇を始め、例えば−3℃まで上昇する。するとほとんど間を置かずに、容器50の上端付近、飲料の上部液面上にスラグ程の氷54aが形成する。(本発明者等の考えによれば)この氷は、溶存ガスの泡形成によって生じた核部位が原因で形成される。飲料50があぶく56を備える場合、氷はそのあぶくの下に形成される。形成される氷またはその大部分は半解けの雪に近いことがあり、すでに飲料を形成している水によって形成される。図3の54b、図4の54cに示すように、スラグ程の氷は容器52を実質的に占有するまで成長する。氷の成長(1パイントグラス中)は1〜2分内で達成され、見た目に魅惑的であって、氷の成長と気体の発泡に基づく興味深い視覚的効果を生み出す。また別の興味深い視覚的効果は、図1の装置から飲料容器に供給される冷えた飲料が、冷やされていない飲料に較べて長時間容器の中で渦を巻くことである。
【0104】
氷の形成によって興味深い視覚的効果が生み出されるだけでなく、氷の存在によってドリンクはより長時間冷たい状態が保たれる。また、氷は飲料中の水分で形成されるため、氷によって飲料が薄められることがない。実際、アルコール飲料の場合、氷が形成されても容器内のアルコールの全体量は同じであるが、水分が氷に使われるため、残る液状飲料のアルコール強さは氷が解けるまで増すことになる。
【0105】
飲用容器52は、氷の形成を助長するように形づくられる。図5において、領域58(粗面を有する)は、核部位の形成を助長してさらなる氷スラグ54dの形成を促進し、氷スラグ54dは矢印Aで示すように上昇して飲料容器52の上端から発達しつつある氷スラグ54を大きくする。
【0106】
図6において、飲料50のボディー部でのさらなる氷54eの形成は、図6に示す細長い道具または棒60をボディー部に挿入することで助長され、また、核部位の発達をさらに促すような、下端および軸部にそれぞれ構造62および64を有するかきまぜ棒によって助長される。別の例では、ドリンクの温度が安全に飲める温度まで上昇しきっているかどうかを調べるのにも使用できる温度計本体を、棒60とすることもできる。このような道具を使って氷を押し動かすこともできる。
【0107】
図7において、氷54および飲料50に着色した領域または筋が示されている。これら着色形成物は、非毒性の食用着色材料または染料を飲料56中に放出することによって形成される。このような氷および飲料から浮き出て見える着色材料または染料は、前述のような道具によって飲料中に注入または導入することができる。
【0108】
飲料容器52は十分透明な壁面を有することが好ましく、それによって飲料50中の氷スラグ54の形成が観察でき、その変化する性質を視覚的に味わうことができる。
【0109】
飲料容器52は、温度変化に伴って自動的に色が変わるような材料(例えば熱変色性材料)で形成することができ、またそのような材料で形成した外表面を備えることができる。興味深い視覚的効果を添えることとは別に、特定の色を得ることによって、飲料が飲むに適した温度にあることを知ることもできよう。
【0110】
水分および溶存ガス分を有する飲料であればいかなる種類のものでも使用できるが、本発明の視覚的性質はラガーによって証明されると本発明者等は考える。
【0111】
図8において、樽抜き飲料70(例えばラガーなどのビール)は、送出口14(図1参照)から、例えば好ましくは比較的丈があって透明な壁面を有するグラスなどの飲用容器72に供給される。
【0112】
容器72は、飲料を収容する前に冷やしておくことが好ましい。容器72は、実質的に4℃以下まで冷やすことができる。例えば、知られているボトル冷却装置を使って容器72を実質的に4℃まで冷やすこともでき、また知られているグラス・フロスタを使って容器を実質的に0℃まで冷やすこともできる。あぶくは参照番号74で示されており、容器に全計測分量の飲料がはいっている時、例えば1パイントのビールがはいっている時には、容器72の上端より幾分下にあることが好ましい。
【0113】
冷たい飲料が冷えた容器72に注がれると直ちに(数秒後)、容器は、超音波発生装置80の皿部分78内の浅い水76中に置かれる。本発生装置において、皿78は超音波エミッタ84を含む底部分82にしっかり取り付けられている。エミッタ84は、実質的に20kHz〜70kHzの周波数範囲の超音波信号を放出するよう配置されている。例えば、飲料には上述の周波数範囲から選択された実質的に30kHzまたはそれ以外の周波数の超音波信号が加えられ、水層76は超音波を所望の時間供給する、ただし通常数秒という短時間であって、例えば実質的に1〜5秒間、さらに具体的には約3〜4秒間供給する。ユーザーが、例えばスイッチを押すまたは制御装置の設定を変えるなどして超音波適用時間を変えることができる。
【0114】
超音波信号を短時間(おそらく数秒〜約10秒間)適用した結果を図9に示すが、同図では、飲料を超音波信号に曝すことで、液状飲料全体にわたって相当密度かつ急激な多量の溶存ガスの泡86の塊の形成が促進されている。これによってあぶく74の高さが増すことになる。図10に示すように、あぶく74は容器72の外まで盛り上がることができる。気体の泡は核部位を形成し、あぶくの真下に氷の塊88Aがすばやく形成されるのを助長する。氷88Aは幾分半解けの雪のような性質をおびていることがある。図11に示すように、一定時間、半解けの雪88Aの塊は成長し、あぶく74は盛り上がるが、気体の泡はもはやそれほど多くない。それにもかかわらず、気体の泡は核部位として作用し、そこで飲料のボディーに氷88Bが形成されるのを助長する。この氷88Bは、例えばひとひらの雪のような薄片の性質を帯びており、上昇し、塊になって、半解けの雪状の氷の塊88Aの下面に薄片状の氷の塊88Cを形成する。図12および図13に示すように、一定時間氷の薄片の形成が続き、それらは上昇し、飲料70中で氷の塊88Cを下方に拡張する。
【0115】
図8に示す段階から図14に示す段階まで進むのに僅か1〜2分掛かるだけである、したがって気体発泡の増加、氷の形成および目に見える発達は相当迅速に起こっており、グラス72を通して観察するには興味深くかなり驚くべき現象といえる。
【0116】
ドリンク・バーにいる顧客向けイベントの劇場的効果、ドラマ的効果または驚嘆効果を高めるために、装置80の操作に、自動的に(または手動によって)発生する、例えばドラマチックな、または響きのよい、または旋律の豊かなサウンドを発する音響装置を使って機械的にあるいは電気的に生み出されるような可聴パフォーマンスを添えることができ、また、装置80の操作に、例えば目に見える光のきらめきなどの、イメージ豊かな光の表示を添えることもできよう。これらは例えば稲妻のきらめきをまねしてもよい。その場合、可聴パフォーマンスは雷鳴に似た音を含むことができる。
【0117】
所望であれば、超音波を加えるときには、容器72をバーにいる客の視界から隠してもよい。例えば、カウンター上またはその付近に置かれたエンクロージャの1側面のまたは複数の側面の視界から隠すことができ、そのエンクロージャを「マジック」またはマジシャンの箱もしくはキャビネットと称することもできよう。
【0118】
飲料は薄い色であることが好ましい。例えば、ラガーなどの薄く着色したビールが好ましい。
【0119】
飲料70中での氷形成は、興味をそそる光景であるというだけでなく、客に対して飲料が冷えていることを示し、また飲料がそれに含まれる水分以外の水でできた氷を添加することで薄められていないことを示すのにも役立つ。
【0120】
十分なあぶく74によって氷の断熱、特にあぶくの上方からの断熱が可能になり、それによって長時間の氷の持続が容易になり、結果として冷却効果期間の持続が容易になる。またあぶく74の下方の氷も、あぶくの存在の持続を容易にし、10分、15分、または最も好ましくは20分程も持続することがある。
【0121】
図15において、あぶく74は、例えば15分程の時間が経過すると、しぼみ始め(中心においてしぼみ始め、容器の壁面から離れ始め)るが、なおしぶとく残って氷を断熱し容器72内で飲料に魅力的なプレゼンテーション効果を与えている。
【0122】
超音波信号を加える別の方法を図16に示すが、同図においては、容器またはグラス72に図1の装置2によって飲料70が計量分配された後、ケーブル92を介して電力供給される超音波プローブ90が飲料中につけられ、エミッタ84Aが超音波信号を発する。プローブ90は、容器内に全計測分量の飲料が供給される前に、飲料中に挿入することもできる。
【0123】
図12において、飲料分配用放出口14は、例えば超音波エミッタ88Bを備えることによって、超音波プローブとして作用するよう配置されている。
【0124】
図12の超音波プローブ14は、ビールが容器72に向かってそこを通過する間に超音波信号を発することができ、かつ/または、計測分量の飲料が供給されている間にもしくはすでに供給されてしまった後に、図に示すように部分的に飲料に浸されて容器72内の飲料70中で超音波信号を発することができる。
【0125】
図18は、別のグラス172の(例えば1パイントの)飲料170、この場合ラガーが、例えば飲料の入ったグラスが図8に示したように冷却液(水)中に置かれ、その底部においてのみ超音波エミッタによって(矢印Xで示すように)励起されている状態を示す。図18は、約3秒間程度超音波によって励起した後のグラス172を示すものであるが、グラスは依然超音波によって励起されている状態であって、あぶく174が泡を形成し始めている状態である。図から分かるように、飲料170の全体積にくまなく及ぶ比較的小規模の全般的な泡形成に加え、グラス172の高さ方向およそ中間に位置する一連の水平の「白い縞」において活動が活発である。白い縞120の間には、白がやや薄い縞122、すなわち、より飲料の色すなわちラガーの色に近い縞が間隔をおいて配置されている。典型的な場合、2から4本の白いバンド120が見え、著しい泡形成は、それら「縞状の領域」120、122の上方および下方で起こる。
【0126】
縞120、122の形成によって、その縞が持続している数秒の間、飲料入りグラスには魅力的な外観が備わる。これらの縞は、超音波励起によってグラス172に定在波が形成されることと関連していると考えられており、またグラスの最も振動する領域を表すものと考えられている(この考えは推論にすぎず、限定的なものではない)。縞120、122は一般にグラスの高さ方向の中間の位置に形成するが、ぴったり中間というわけではなく、例えば上端から1/3〜2/5程下(または下端から同程度上)に位置する場合もある。
【0127】
図18のグラス172がボディー部126より狭い口124を有することに留意されたい。狭い口を有することでより深く、より長時間もつあぶくが形成されると考えられている。このことは、口の狭いグラスに入ったビールは、側面が垂直な容器または側面が外側に開いた容器に入れた場合と比べ、そのあぶくの露出表面積が小さいという事実と関連しているかもしれないし、あるいは関連がないかもしれない。
【0128】
本発明者等の試験によれば、最良の/より良い結果は半パイントの飲料に関してではなく、1パイントの飲料に関して得られることが分かる。このことは、半パイントの飲料に較べて1パイントの飲料の熱容量が大きいこと、また飲料の露出表面の体積比が大きくなればなる程、環境への露出の影響が小さくなり/局所的な環境への熱伝達効果が遅くなることと関連していると言えよう。
【0129】
図19は、約3分経過後(約10分経過後も別の方法で調べたが、3分経過後のグラス一杯のラガーの外観と10分経過後の外観の間にはほとんど変化がない)の図18に示した1パイントのラガーを説明する図である。あぶく14は、予想したよりは幾分深く、グラス172の上方に僅かに突き出ている。グラス172の直径の端から端にわたって、あぶくの下に延びる比較的薄い層の氷188A(約0.5〜数ミリメートル)があり、また澄んだビール中を恐らく2〜5cm程下方に延びた、垂れ下がるように突き出た薄片状の氷188Bがある。突起188Bは少なくとも3cm下方に延びていればよく、5cmがその長さの上限であると必ずしも考えるわけではない。突起188Bは概して中心にあるが、グラスの中心軸からははずれることがある。その先端はふもと(ふもととは、あぶく174に隣接する部分である)に較べて狭くなっている。
【0130】
このような氷を形成する飲料を作成することそれ自体が、新規なことであり、また消費者が望むような視覚的に他と区別される製品を提供することになる。
【0131】
さらに、グラス一杯の飲料を超音波励起する間に縞を作成することも、視覚的に他に見られない製品を作り出すことであり、また消費者に対して他と区別される製品提供方式を作り出すことになる。
【0132】
図20において、樽抜きシードルを供給する装置は参照符号202で表される。
【0133】
樽抜きシードルは小樽または大樽204にしこまれている。前述のように、シードルは水分と溶存ガス分を含んでいる。
【0134】
この気体は、適切な非酸化気体であればいかなる気体であってもよく、例えば二酸化炭素および/または窒素が挙げられる。シードル中の溶存ガスの量は、各種シードルにおいて通常の知られている範囲内であればよい。
【0135】
溶解二酸化炭素含量は、実質的に体積で1.8%、かつ/または溶解窒素含量は、実質的に18百万分率(p.p.m.)である。
【0136】
ポンプ206は、大樽204から逆止バルブ207を介しさらにパイプ208に沿って、それ自体知られている(図示せず)冷却済みパイソンの中にシードルを押し出すよう備えられており、パイプ208は、それ自体知られている遠隔冷却システム内に熱交換コイル210を含んでいる。パイプ208はチラー216の浴214内の冷却コイル212に通じており、同冷却コイルからは、パイプ208Aが、ドリンク・バーに備えられている分配放出口またはノズル220の(それ自体知られている)手動バルブ218に通じている。浴214は、例えばエチレングリコール50%/水50%のエチレングリコール/水冷却用混合物222を含んでいる。冷却用混合物222は、コンデンサ228、冷媒ポンプ230および膨張装置232を含む冷凍装置226の蒸発器224によって冷却される。ポンプ234は、パイプ208Aと共に別のパイソン238を形成する配管236によってを冷却混用混合物222を循環させる。
【0137】
大樽204内の最高圧力は、適当なサプライ240からの一面の非酸化/加圧気体(例えば二酸化炭素および/または窒素)によって知られている方法で付与され、その気体によってポンプ206のシードル抜き出しが容易になっている。
【0138】
大樽204の最高気体圧力は、実質的に206.84kN/m(301lbs/in)である。
【0139】
ポンプ206によって、パイプ208、208A内の圧力を実質的に517.12kN/m〜551.58kN/mバルブ(75から80lbs/in)とすることができる。通常ポンプ206は動作しておらず、したがってバルブ218が開放されると、パイプ208、208A内に蓄えられるポンプ圧力は、ポンプ制御装置(図示せず)のスイッチ244によってポンプ206を作動させ実質的に75から80lbs/inのポンプ出力圧を付与することによって認められる所定かつ所望の圧力以下まで低下する。チラー216は、放出口ノズル220に向かって通過するシードルを、実質的に−1℃から実質的に−12℃の範囲にある所定の温度、例えば−6℃まで冷却するよう配置されている。シードルは所定の温度でノズル220に到達し、ノズルから上面が開いた容器46(図2)、例えば飲用グラスなどの飲用容器中へ流れ出る。図20において、放出口ノズル220の開口から流れ出るシードルは、(それ自体知られている)スパークラ247内を通過する。上記スパークラ247の代わりに、またはそれに加えて、知られているオリフィス板をノズル220に取り付けることもできる。しかし所望であれば、オリフィス板およびスパークルのいずれも取り付けなくてよい。
【0140】
バルブ218が閉鎖されると、圧力スイッチ244は、パイプ208、208A内の圧力が所定の圧力を上回って蓄積されていることを観測し、制御装置がポンプ206のスイッチを切る。
【0141】
図21において、樽抜きシードル248は、送出口220(図20参照)から、例えば好ましくは比較的丈があって透明な壁面を有するグラスなどの飲用容器246に供給される。容器246は、シードルを収容する前に冷やしておくことが好ましい。容器246は、実質的に4℃以下まで冷やすことができる。例えば、知られているボトル冷却装置を使って容器を実質的に4℃まで冷やすこともでき、また知られているグラス・フロスタを使って容器を実質的に0℃まで冷やすこともできる。容器に全計測分量の飲料がはいっている時、例えば1パイントのシードルがはいっている時のあぶくを参照番号250で示す。
【0142】
冷たいシードル250が冷えた容器246に注がれると直ちに、容器は、超音波発生装置256の皿部分254内の浅い水252中に置かれる。本発生装置において、皿254は超音波エミッタ260を含む底部258にしっかり取り付けられている。エミッタ260は、実質的に20kHzから70kHzの周波数範囲の超音波信号を放出するよう配置されている。例えば、シードルには上述の周波数範囲から選択された実質的に30kHzまたはそれ以外の周波数の超音波信号が加えられ、水層252は超音波伝送経路または連結器を提供する。シードル250には所望の時間、超音波が加えられる、ただし通常数秒という短時間であって、例えば実質的に1から5秒間、さらに具体的には実質的に5秒間である
超音波信号を短時間適用した結果を図22に示す。同図において、超音波信号に曝したことによって、液状シードル248全体にわたって急激な溶存ガスの泡形成が促進され、形成された一部の泡252Aは比較的大きく、一方他の泡252Bは比較的小さくて波線状に集合し、くねくねと上方に移動する。これによってあぶく250の高さまたは深さが増すことになる。気体の泡は核部位を形成し、この核部位によって、シードル250内にはシードルの水分を原料とした氷が迅速に形成される。氷も上昇する。氷は半解けの雪のような性質をおびていることがあり、あぶく250の下方で塊になって、シードル内に図23に示すような半解け雪状の氷の塊262を形成する
図21に示す段階から図23に示す段階まで進むのに僅か1〜2分掛かるだけであり、したがって気体の発泡や、氷の形成および目に見える発達は相当迅速に起こっており、グラス246を通して観察するには興味深い現象といえる。
【0143】
シードル248中での氷形成は、興味をそそる光景であるというだけでなく、客に対してシードルが冷えていることを示し、またシードルがそれに含まれる水分以外の水でできた氷を添加することで薄められていないことを示すのにも役立つ。
【0144】
最も興味深い特徴の一つは、グラス一杯のシードルのあぶく250が相当時間持続すること、すなわち、知られている方法によってシードルに生じるあぶくに比べて数倍時間持続することである。あぶく250は20分程度持続することがある。その長時間持続の原因としては、(i)氷の塊262が液状シードル・ボディーから離れようとする気体に対してシールまたはバリヤとして作用していること、かつ/または(ii)氷262があぶく250を冷やしていることなどが考えられよう。
【0145】
超音波信号を加える別の方法を図24に示すが、同図においては、容器またはグラス246に図20の装置202によってシードル248が計量分配された後、ケーブル266を介して電力供給される超音波プローブ264がシードル中につけられ、エミッタ260Aが超音波信号を発する。プローブ264は、容器246内に全計測分量のシードルが供給される前に、シードル中に挿入することもできる。
【0146】
図25において、シードル分配用放出口220は、例えば超音波エミッタ260Bを備えることによって、超音波プローブとして作用するよう配置されている。図25の超音波プローブ220は、シードルが容器246に向かってそこを通過する間に超音波信号を発することができ、かつ/または、計測分量のシードルが供給されている間にもしくはすでに供給されてしまった後に、図に示すように部分的にシードルに浸されて容器246内のシードル248中で超音波信号を発することができる。
【0147】
図26を参照すると、装置302によって冷却された飲料は水を含有している。その飲料は溶解ガス分を有する可能性もあり、したがってたとえばガラスなどの容器へ飲料を供給する間に、たとえば前に記載したようにガスが泡立ち、氷の形成を促進するための核生成部位を形成する可能性があり、または他の手段が提供されて核生成体の形成が促進されるか、このような部位が提供される可能性がある。これはたとえば、分配または供給される行程において飲料に超音波を加えること、および/または分配または供給される前に、および/または分配または供給される地点に移動している飲料の流れに加えられる前に、および/または容器中に供給された飲料(このとき飲料は前記容器に送られているかまたは送られた直後である)に加えられる前に、核生成促進物質を飲料中に、たとえば粒子状物質の固体(サイズの細かいものであってよく、飲料中に含まれる)を提供することによる。飲料はアルコール性または非アルコール性であってよい。後者の場合、飲料はフルーツ・ジュースであってよい。フルーツ・ジュース中の核生成促進物質は果物の断片であってよく、たとえばオレンジ・ジュースでは、核生成促進物質はオレンジの果肉の片またはフレークを含んでよい。飲料がアルコール性の場合、それは溶解ガス分を有している可能性があり、たとえば前に開示したようにビールまたはシードルである可能性があり、またはたとえばスピリッツ、リキュール、泡立たないワインなど溶解ガス分をほとんどまたは全く有していない可能性がある。
【0148】
装置302では、適切な断熱材306で囲まれたインレット・ライン304に沿った知られている推進手段によって、適切な供給体(それ自体知られている)からの飲料が適切な冷却温度で供給される。この手段は、分配またはアウトレット・ノズルにおいて飲料の送達が必要とされるときに、アウトレット・ノズル312を含む飲料ディスペンサ310に所望の知られている体積の飲料を送達するための、知られている測定装置308を含む。飲料または生成物用インレット・ライン304は生成物用フロー・ライン314につながっており、これは冷却コイル316、ポンプ318およびクーラー322、たとえばペルティエ・クーラーを介した流れ通路320を含み、ディスペンサ310につながっている。クーラー322はフラッシュ・クーラーであってよい。ディスペンサ310が飲料用容器、たとえばグラス324に飲料を供給することを必要とされていないとき、飲料はディスペンサ310中の通路を通ることができ、そこから生成物用ライン314の他の連続部分に沿って、中央通路またはパイソンのチューブ326、または断熱材330を含むチューブ熱交換器328中のチューブ、および生成物用チューブ326で囲まれたチューブ332に続いていく。生成物用チューブ326からの出口端334では、生成物用流れ通路314が戻り止めバルブ336を通って、インレット・ライン304とフロー・ライン314の間の接合部338に続いている。
【0149】
生成物冷却コイル316はクーラー、または断熱タンク342、低温、たとえば実質的に0℃の水344、水浴を冷却する冷却剤を保有しておりマントル348中において氷で覆われている知られているコイル346、駆動型水撹拌手段350、および水冷却コイル352を含む水浴340の中にある。
【0150】
356において適切に断熱された水のインレット・ライン354上で適切な手段によって、熱転移目的の供給水が供給される。インレット・ライン354は接合部360を介して水の循環ライン358を供給し、ライン358は水冷却コイル352、ペルティエ・クーラー322を介して通路364に水を供給する駆動型水用ポンプ362を含む。通路364からは水用ライン314が、戻り止めバルブ366、およびパイソン302の外側チューブ332を介して接合部360に続く。ポンプ362とペルティエ・クーラー322の間で、水用ライン314が接合部368において、電気によって制御されるバルブ372を含む他の断熱されたライン370に分かれ、たとえばこのバルブはソレノイド・バルブであり、液滴回収機の上に立っているグラス324の外側で冷却水のジェットをスプレー冷却するための、内側に向いているジェットまたはノズル367を備えるU型マニホールド374、またはそこから回収された液体(水)をアウトレット380を通して排出することができるトレイ378への冷却水の供給をこのバルブが制御する。
【0151】
装置302は電気制御装置(図示せず)を含み、この装置が飲料を分配する用意ができている条件のとき、ポンプ318および362は連続的に作動することができる。望ましい所定の冷却第1温度でインレット・ライン304上に、適切な供給体からの飲料を供給することができる。分配の需要があるとき、たとえばディスペンサ310上のボタン381を押すことによって、制御装置はバルブ372を開くことができ、その結果冷却水がグラス324上にスプレーされてグラスを冷却する。数秒後、制御装置はディスペンサ310中の電気バルブ、たとえばソレノイド・バルブを開かせ、その結果ディスペンサはそこにポンプで送られ測定装置308によって決定された測定体積の飲料送達し、送達後にバルブは閉じる。ディスペンサが飲料を送達し始めたとき、または開始の前または後に、制御装置はバルブ372を閉じさせて、冷却水のノズル376への供給を停止させる。コイル316から出てくる飲料は、前記第1の所定の温度よりも低い第2の所定の望ましい温度に冷却される。ディスペンサ310に達する直前に、ペルティエ・クーラー322によって飲料がさらに低い所定の第3の温度に冷却され、実質的にこの温度で飲料がグラス324に入る。飲料は水を含み、前記第3の温度は水の凝固点よりも低い。ディスペンサ310がさらなる飲料の供給を自動的に停止させる(望ましい測定量は分配されているので)ときまたはその直後に、制御装置はバルブ372を数秒間、たとえば1または2秒再び開かせて、グラスの外側に冷却水を再びスプレーし、そのいかなる凝縮物の曇りも取り払うことができ、その結果グラス内に存在するものよりはっきりとした外観を与える。ディスペンサ310から飲料を送るのと同時または実質的にこの間に、飲料を実質的に前記第3の所定温度に冷却するために、ペルティエ・クーラー322のみを作動させることができる。
【0152】
グラス内では、飲料に刺激が与えられて核生成部位が引き起こされるかまたは作成され、そこで氷が形成されて目に見える表示(すなわち前に記載するもの)が生成される可能性がある。このような刺激とは、泡立つ溶解ガス分を飲料に加えること、および/または超音波の影響を飲料に与えること、および/または飲料を提供すること、または飲料にある種の核生成誘導手段、たとえば固形物質(無毒で食べられるものが好ましい)を加えることである。加える超音波は20から40kHzの範囲であってよい。ディスペンサ310は、ドリンク・バーのカウンターに備え付けることができるフォントの一部であってよい。いかなるフォントも客の横に取り付けて、グラス324の充填のより良い外観、およびそのなかでの発展を客に与えることができる。「side−on」によって、フォントの脚または柱部分が必ずしも客とグラスとの間にあるわけではないことが意味される。形成される氷の最大量は飲料体積の約25%までであってよいが、約10%までが満足のいくものであると考えられる。
【0153】
望むならば、前に記載したように、供給される飲料に超音波をかけることができる。一実施例では、超音波エミッタ382をノズル312上に取り付けることができる。ノズルは曲がっているか湾曲しているか、またはそうではない場合は供給される飲料を内側表面に対して向けるために、そのアウトレット端をグラス324の上側部分の内側表面に対して閉じることができるように向けられている。
【0154】
図27では、ノズル312のアウトレット端312Aを越えて超音波エミッタ382Aを配設して、超音波の影響を供給された飲料に与える。供給される飲料の流れの軸の周りにエミッタ382Aを配設することができ、それはたとえばリング、たとえばトーラスの形をとり、そこを少なくとも数種の飲料が通過する。エミッタとノズル312の間に固体、超音波伝達通路がない(または最小限のものがある)ように、(たとえばサポート・アーム383上に)エミッタ382Aを取り付けることができる。
【0155】
望むならば、飲料フロー・ライン314は電気的に操作されるバルブ384、たとえばソレノイド・バルブを含んでもよく、このバルブは制御装置によって操作されディスペンサ310が飲料を送達するとき閉められる。
【0156】
望むならば、無毒であり食べられるであろう着色物質を、ノズル376からグラス324上にスプレーされる水に加えることができ、その結果ガラス冷却水が魅力的な色および/または蛍光で現れる可能性がある。
【0157】
飲料がディスペンサ310から供給されていないときに、それを用意のできた分配状態に保つためには、フロー・ライン314の周囲にアイドル・モードで飲料を連続的に循環させることができ(ノズル312から供給されることなく飲料はディスペンサ310を通過する)、その結果、飲料がコイル316に戻るとき、パイソン・チューブ332中の水が飲料に熱を加えて、飲料の凍結を防ぐためにクーラー322によって引き起こされる前記第3の所定温度から飲料を暖める。飲料がアイドル・モードで循環しているとき、望むならばポンプ362を異なる速度、たとえばより低い速度で操作することができ、このときまでディスペンサ310は飲料を送達している。
【0158】
望むならば、アイドル・モードでは、ペルティエ・クーラー322中の電流を自動的に逆転させるために制御装置を配置することができ、後者はそこを通過する飲料に連続的または断続的にいくらか熱を加えて、飲料が凍結するチャンスを減らすことができる。望むならば、飲料フロー・ライン314は流れ検出手段および/または温度感知手段を含むことができ、したがって凍結状態の飲料が生じる場合、制御装置が作動して、飲料が凍結するチャンスを妨げるかまたは減らすために、そこを流れる飲料に逆に熱を加えるようにペルティエ・クーラー322を作動させる。
【0159】
水冷却コイル352から出ているフロー・ライン358中の水は、実質的に前記第2の所定温度であってよい。したがってアイドル・モードでは、パイソン328中の飲料および冷却水は実質的に同じ温度であってよい。
【0160】
一例として、実質的に6°から8℃の前記第1の所定温度でインレット・ライン304上に飲料(たとえば貯蔵庫からのもの)を供給することができる。コイル316を出ていく際に、飲料の第2の所定温度は実質的に0°から1℃(たとえば0.5℃±0.5℃)であってよい。コイル352から出てくる水も、実質的に0℃から1℃の温度であってよいが、熱のためにノズル376から実質的に2℃でピックアップが生じる可能性がある。装置302が飲料供給モードであるとき、ペルティエ・クーラー322は供給され分配ノズル312に分配される飲料を、実質的に−5.0℃(たとえば−4.5℃±0.5℃)の第3の所定温度に冷却する。飲料がディスペンサ310によって供給されているとき、パイソン328のチューブ332から出てくる水の温度は実質的に2.0℃であってよい。クーラー322のスイッチをオフにしたアイドル・モード下では、実質的に0°から1℃の温度で、ライン314中を飲料が循環する可能性がある。この例の中で指定する温度は、飲料がビール、たとえばラガーであるとき、適切である可能性がある。
【0161】
水浴340とクーラー322は、たとえばドリンク・バーのようにディスペンサ310の近くに配設されていることが好ましく、したがって水浴とディスペンサの間のフロー・ライン314の一部分は比較的短い。
【0162】
グラス324は、球形またはボール形の広い部分をその上側端に有する、たとえばチューリップ形のトール・グラスであってよい。あるタイプのグラスがノズル312の下に置かれる場合は、装置のみを使用して飲料を分配することができるように装置を配置することができ、そうでない場合は不具合のシステムが装置の飲料供給操作を妨げる。
【0163】
飲料、たとえば1パイントのビール、たとえばラガーを分配する際には、以下の手順に従うことができる。
【0164】
(1)ボタン382を押して、分配モードを開始させ、
(2)ノズル376からの冷却水をグラス324の外側に数秒間、たとえば約5秒間スプレーし、次いで
(3)グラスへの飲料の充填を開始し、冷却スプレーの添加を数秒間長く続け、
(4)冷却スプレーは止めるが、グラスへの所望量の飲料の充填は続け、
(5)充填の最後の数秒間に飲料に超音波を加え、
(6)充填を止めたときに、冷却水スプレーを1秒または2秒間再び加える。
【0165】
アイドル・モードでライン314中を循環している飲料の体積は所定の決まった体積よりも大きく、装置を設定してノズル312から飲料を分配する。
【0166】
図28から30を参照すると、装置402、502または602によって冷却される飲料は水を含有している。その飲料は溶解ガス分を有する可能性もあり、したがってたとえばガラスなどの容器へ飲料を供給する間に、たとえば前に記載したようにガスが泡立ち、氷の形成を促進するための核生成部位を形成する可能性があり、または他の手段が提供されて核生成体の形成が促進されるか、このような部位が提供される可能性がある。これはたとえば、分配または供給される行程において飲料に超音波を加えること、および/または前に記載したような核生成促進物質、たとえば粒子状物質の固体を飲料中に提供することによる。超音波の場合、その周波数は前に記載したものであってよく、前に記載した供給手順の方法および時間で加えられる。たとえば装置402、502または602は、それぞれが図26に関して前に記載したのと同様にアウトレット・ノズル312を有する以下に記載するディスペンサを有することができ、このディスペンサは図26に関して記載したのと同様に超音波エミッタ382を含み、または図28から30中のノズル312は図27に関して前に記載したのと同様に超音波エミッタと結びつき、その中の382Aで識別することができる。
【0167】
装置402、502または602はそれぞれ、飲料測定、バルブおよびポンプの操作を調整および制御するために、それぞれの電気制御装置を有することができる。
【0168】
図28を参照すると水浴が404で示され、氷のマントル408中に覆われている冷却コイル406によって、たとえば実質的に0℃に冷たく保たれている。この水浴は、望ましい限りは駆動型撹拌機410および水用ポンプ412も含む。グリコール浴414(水とエチレングリコールの混合物を含む浴)は冷却コイル416によって、たとえば実質的に−4.5℃に冷たく保たれ、駆動型撹拌機418および飲料用ポンプ420を含む。本質的によく知られている任意の適切な手段によって所望の低温で、インレット・ライン422上に溶解ガス分を有している可能性のあるドラフト飲料が供給され、この飲料は水浴404内の飲料冷却コイル424中で冷却される。飲料はビール、たとえばラガーであってよい。コイル424から冷却された飲料がライン426上を移動し、グリコール浴414中の他の飲料冷却コイル428に移る。コイル428から飲料がライン430および432上を移動し飲料用ポンプ420に移り、このポンプはライン434上の飲料を、アウトレット・ノズル312を有するフォントのディスペンサ436に送り、排出するためのアウトレット380を有する滴回収機378上の飲料用容器438、たとえばグラスに飲料を供給する。
【0169】
測定体積の飲料の送達が望ましいときは、ボタン440を押し制御装置を作動させて、大気圧での水の凝固点未満の所望の温度で、ディスペンサにノズル312を介して測定した体積を送達させる。飲料ディスペンサが必要とされないときは(アイドル・モード)、ディスペンサ436中の通過手段がポンプ420を循環させ(連続的であることが好ましい)、飲料は戻り止めバルブ444を含むライン434およびライン442を通り、グリコール浴414内の飲料用コイル446に移る。コイル446から、ライン448を介して飲料はポンプ420に戻る。望むならば、飲料用ライン434はクーラー450、たとえばフラッシュ・クーラーを含んでよく、これはペルティエ・クーラーであってよい。クーラー450は、飲料が所望の温度でディスペンサ436に達することを保証することができ、ペルティエ・クーラーの場合は、それを逆電流で操作して、アイドル・モードで循環している飲料がライン434、442中で凍結しないことを保証することができる。グラス438への飲料の送達が望ましいときは、ノズル376からスプレーされる冷たい水を、任意の所望の時間で制御装置の外側のグラスに加えて、バルブ372を開かせ水用ポンプ412からの水をライン452を介してマニホールド374に供給する。ポンプ412は連続的に作動することができる。バルブ372が閉じると、ライン454および戻り止めバルブ456を介して水浴中の冷却コイル458に水が戻ることができ、インレット・ライン460を介して適切な供給体によって上部の水が提供される。ポンプ412によってライン452、454の周囲で冷却水を循環させることができ、後者が提供される場合は456および458でクーラー450と接続することができる。
【0170】
図29を参照すると装置502では、バルブ372は通過手段を含むことができ、これはバルブが閉じてノズル376への冷水の供給を妨げるときに配置され、水をライン452からライン454に移し、望むならば水用ポンプ412によって水を連続的に循環させることができる。ここでも実質的に−4.5℃の温度であってよいグリコール浴414は、駆動型グリコール用ポンプ504を含む。飲料ディスペンサ506はアウトレット・ノズル312を備え、飲料ディスペンサ操作ボタン440は制御装置に接続している。ディスペンサ506はフォントの一部を形成しタンクすなわちチャンバ510も含み、このチャンバはライン514によってグリコール浴414内の飲料用コイル428と接続され、ライン516によってディスペンサ508に接続されているビール冷却コイル512を含む。このディスペンサ508は、ボタン440の操作に応答して開くとき、適切な知られている手段によって推進され、水の凝固点未満の所望の温度で所望の測定体積の飲料を自動的に分配することができる。チャンバ510をグリコール充填することによって飲料用コイル428は冷たく保たれ、グリコールはライン518に沿ったポンプ504によってグリコール・タンク414からポンプで送られ、ライン520を通ってグリコール・タンクに戻る。電気ヒータすなわち加熱用コイル522が、望ましいときにチャンバ内のグリコールを加熱するために、チャンバ510中に備えられている。
【0171】
チャンバ510中のグリコールの量は最小限であることが好ましい。飲料用コイル512中に、圧力観察手段を提供することができる。たとえば所定の値より高いか、および/または圧力上昇の所定の速度より大きな速度でのコイル512中の飲料の圧力の上昇によって、飲料中の氷形成を検出することができ、制御装置が応答して作動しグリコール循環用ポンプ504を止め、チャンバ510内のグリコールおよびコイル512中の飲料を加熱するために、ヒータ522がスイッチオンにされる。温度が上昇すると、観察される飲料の圧力が低下し、制御装置が応答し、ポンプ504を再スタートさせ、ヒータ522の電源を切る。
【0172】
望むならば、クーラー524、たとえばフラッシュ・クーラー(ペルティエ・クーラーであってもよい)をライン514内に提供して、飲料が分配されているとき、水の凝固点未満の所望の温度で飲料がディスペンサ508に達することを保証することができる。クーラー524がペルティエ・クーラーである場合は、望ましいときはそれを逆電流で操作して、飲料が凍結しコイル512をブロックすることはないことを保証することができる。水用ライン526および528によって、クーラー524を水用ライン452および454に接続することができる。
【0173】
図30を参照すると、たとえば実質的に0℃の温度の水浴404中の飲料用コイル424からの飲料は、ライン604および飲料用ポンプ606を介して、たとえば実質的に−4.5℃のグリコール浴414中の飲料用コイル608に移動し、そのコイルからクーラー612を含むライン610を介して飲料が供給され、飲料はフォントの一部を形成し飲料用アウトレットノズル312を提供する飲料用ディスペンサ614にも移動する。クーラー612はフラッシュ・クーラーであってよい。クーラー612は、グリコール用ポンプ618によってライン616を介してグリコールを供給するペルティエ・クーラーであってよい。そのグリコールはライン620上の浴414に戻る。ライン422上に供給される飲料は、たとえば水浴404中では実質的に0℃に、たとえばグリコール浴414中では実質的に−4.5℃に最初に冷却される。クーラー612からは、戻り止めバルブ623を含むライン622を介して、飲料がディスペンサ614に供給される。ディスペンサ614は通過手段と共に配置されており、ディスペンサ614がノズル312を通して飲料を供給していないときは、システム608、610、622、624の周りのポンプ606によって循環用のライン624に飲料が供給される。ボタン440を操作して制御装置を操作させると、装置はアウトレット・ノズル312を介して所定の測定体積の飲料を提供し、水の凝固点未満である飲料供給温度はクーラー612によって制御される。システム608、620、622、624の周りを循環している飲料が凍結する傾向があると検出される場合、このシステムに熱を加えることができる。たとえばクーラー612がペルティエ・クーラーである場合、そこへの電流が逆転して前記熱を提供することができる。グリコール浴414から出てくる飲料は実質的に−2℃の温度であってよく、これが飲料の再循環温度であってよい。クーラー612は、飲料がノズル312から供給されるとき、飲料を冷却するためにのみ作動することができる。
【0174】
図26から30に関して、より詳細には図26から27に関して前に記載した実施形態は、以下の特徴、特性または利点の任意のものまたはそれぞれを有することができる。
【0175】
(1)「アイドル・モード」では、ビールはループ中を連続的に循環する。アイドル・モードでは、ループ中のすべてのビールは約0℃である。再循環ポンプからペルティエ・クーラーへの「分配モード」では、ビールの温度は約0°であり、ペルティエ・クーラーは−5°付近(−5.5℃)までビールを冷却し、次いで非常に冷たいビールは分配用ソレノイドを通り、それが開いている場合はノズルから出るか、またはパイソン328に入り、そこでビールは再び約0℃に暖められ、ビールはループのごく一部分では−5.5℃であり、その部分が分配用ソレノイドを通る。この目的は安全なシステムを有することであり、この場合ビールが凍結する可能性はない。
【0176】
(2)分配システムは、「開始」ボタンを押すこと以外の手動による介在/保持/作業を必要としない。これによって、連続的な分配操作間の分配の整合性が得られ、必要とされるスキルが減る。
【0177】
(3)「開始」ボタンを押すと、氷浴からの水のジェットがグラスを冷却する。そのわずか後にペルティエ・クーラーのスイッチを入れ、約5または10秒後にソレノイド・バルブが開き、スイッチがオンになり、分配容器からビールが出る。1パイントまたは半パイントが分配されると、ソレノイドが閉じペルティエ・クーラーがスイッチ・オフになる。
【0178】
(4)自動再加熱によって、それぞれの分配サイクルの前にシステムを予測可能な安定状態に戻すことができる。クーラー340中ではグリコールは必要とされない。なぜなら、任意の充分な長さの時間だけビールを氷点下で保存することはないからである。
【0179】
(5)分配装置はユーザの横にあるはずであり、したがってユーザは良い外観を得ることができる。
【0180】
(6)ノズルの端から配置され、サイド・アーム383上に固定されているトロイダル・リング382Aを介して超音波を加えることができる。20から40kHzの超音波を加えることができる。
【0181】
(7)飲料の流れがグラスの中で作成されている飲料のメイン・ボディに結びつく前に、飲料の流れに超音波を加える。
【0182】
(8)飲料が環状超音波リング382Aを通過するときこぼれないことは驚きであるが、飲料は層状の流れを有し、表面張力効果が助力している可能性がある。
【0183】
(9)連続的な循環を分配してアイドル・モードでの凍結を避けるために、氷点下の温度まで飲料を冷却するためのペルティエ・クーラー。
【0184】
10.分配された飲料を受けるための冷却されたグラス、このグラスは冷たいものである必要があり、ガラスの熱容量によって氷の形成または目に見える表示が損なわれる可能性がある。
【0185】
11.循環している飲料の体積は、分配される測定体積(たとえば1パイント)よりも大きくてよく、したがって必要とされるときは飲料の適切なグラスを即座に分配することができる。
【0186】
12.グラスの冷却洗浄および飲料の分配は同時に進行するが、時間枠は重複している。
【0187】
(13)ビール、たとえばラガーの分配中は、実質的にクリアなラガーのボディがグラスの実質的に上部に存在する可能性があり、次いで超音波のフラッシュによってこのラガーのボディが曇り、核生成が開始される。分配の終期またはその付近で核生成が誘導される。
【0188】
(14)分配または供給サイクル中に、すなわち1つの分配または供給サイクルから他のサイクル中に、グラスのチリング、水のスプレーの色が変わる、すなわち変化する可能性がある。
【0189】
(15)システムは1分間当たり少なくとも2種類のドリンク(それぞれに関して30秒)を分配することができ、グラス時間の変化を可能にする。
【0190】
(16)1回の分配操作中、冷却水のスプレーが始まり、次いで止まり次いで再開する。冷却水の最後の噴出は、冷却効果ではなくクリーニング効果を得るためのものである。すなわち水の添加の最初の期間は、飲料が導入され始める前にグラスの温度を下げるためのものであり、次いで飲料分配がちょうど止まるときに、最終クリーニング/水のクリーニング添加がある。
【0191】
本発明の各種態様は以下の通りである。
1. 上部開放容器に入った飲料であって、前記飲料が水内容物および溶存ガス内容物を含み、前記容器内で前記飲料が氷を覆う泡沫のあぶくを有し、前記氷が飲料中で前記水内容物の水から形成される飲料。
2. 上部開放容器に入った飲料を冷たく保つ方法であって、前記飲料が水内容物および溶存ガス内容物を含み、前記方法が飲料に対して冷却効果を有する上部開放容器中の飲料の中での氷の形成を含み、前記氷が飲料中で前記水内容物の水から形成される方法。
3. 上部開放容器に入った飲料中で冷却氷を維持する方法であって、前記飲料が水内容物および溶存ガス内容物を含み、前記氷が飲料中で前記水内容物の水から形成され、前記方法が飲料の上への泡沫のあぶくの供給を含むことによって容器内で前記氷があぶくの上から氷に向かう熱に対抗して氷の上で断熱材として作用するあぶくで覆われる方法。
4. 上部開放容器に入った飲料中であぶくを維持する方法であって、前記飲料が水内容物および溶存ガス内容物を含み、前記方法が飲料の上への前記あぶくの供給および飲料中で前記水内容物の水からの氷の形成を含み、前記容器内で前記氷があぶくの上側部分の下からあぶくに対して冷却効果を有する方法。
5. 飲料が水内容物および溶存ガス内容物を含み、かつ飲料が容器内に注がれるときにあぶくを形成することが可能であり、飲料の容器が多くの氷結晶でできた氷構成物の上に重なったあぶくを有し、前記氷構成物が、容器に注がれたときまたは注がれた後の飲料中での氷の形成によって生じている飲料の上部開放容器。
6. 飲料が超音波信号の影響にさらされており、かつ飲料が容器に吐出される樽抜き飲料である、上記1または上記5に記載の飲料、または上記2から4のいずれか一つに記載の方法。
7. 樽抜き飲料が容器に吐出される直前に前記飲料が大気圧下での水の凝固点以下の温度まで冷却される、上記5または上記6に記載の飲料、または上記6に記載の方法。
8. 樽抜き飲料を上部開放容器に供給する方法であって、前記飲料が水内容物および溶存ガス内容物を含み、前記方法が大気圧下での水の凝固点以下の温度までビールを冷却することおよび冷却されたビールを前記容器に吐出することを含み、前記冷却された飲料が超音波信号の影響または他の氷および/または気泡の核形成手段の影響にさらされる方法。
9. 超音波信号が前記容器の外部から印加される、上記5から7のいずれか一つに記載の飲料、または上記8に記載の方法。
10. 超音波信号が冷えた飲料に対して前記容器の内部で印加される、上記5から9のいずれか一つに記載の飲料、または上記8または9に記載の方法。
11. 超音波信号発信器が容器内の飲料中に配置されて容器内の飲料に超音波信号を発信する、上記10に記載の飲料、または上記10に記載の方法。
12. 飲料が前記容器に吐出される吐出口ないしノズルが超音波発信器として作用して前述した超音波信号を供給するように構成される、上記9、10、または11のいずれか一つに記載の飲料、または上記9、10、または11のいずれか一つに記載の方法。
13. 前述した超音波信号が吐出口を流れる前述の飲料に印加される、上記12に記載の飲料、または上記12に記載の方法。
14. 超音波信号が20kHzから70kHzまでの範囲の周波数を有する、上記5から13のいずれか一つに記載の飲料、または上記6から13のいずれか一つに記載の方法。
15. 超音波信号が実質的に30kHzの周波数を有する、上記14に記載の飲料または方法。
16. 前記氷の塊が飲料中であぶくの下から下方に展開する、上記1、5、6、7、9から15のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4または8から14のいずれか一つに記載の方法。
17. 飲料が中に吐出される前に容器が冷却される、上記1、5、6、7、または9から16のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4または8から16のいずれか一つに記載の方法。
18. 容器が実質的に4℃の温度に冷却されるか、または容器が4℃よりも低い温度に冷却される、上記17に記載の飲料または方法。
19. 容器が実質的に0℃の温度に冷却される、上記17に記載の飲料または方法。
20. 飲料が実質的に−1℃と実質的に−12℃との間の温度に冷却される、上記7または上記7に添える場合の上記9から19のいずれか一つに記載の飲料、または上記8または上記8に添える場合の上記9から19のいずれか一つに記載の方法。
21. 飲料が実質的に−4℃と実質的に−6℃との間の温度に冷却される、上記20に記載の飲料または方法。
22. 容器が充分に透明な壁部分を有し、前記壁部分を通して容器の内容を見ることのできる、上記1、5、6、7、または9から21のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4までまたは8から21のいずれか一つに記載の方法。
23. 容器がガラスの飲用容器である、上記22に記載の飲料または方法。
24. 飲料が淡いビールの色を有する、上記1、5、6、7、または9から23のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4または8から23のいずれか一つに記載の方法。
25. 前述した溶存ガスが二酸化炭素および/または窒素を含む、上記1、5、6、7、または9から24のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4または8から24のいずれか一つに記載の方法。
26. 飲料中の溶存窒素内容物が実質的にゼロp.p.m.から実質的に100p.p.m.の範囲である、上記25に記載の飲料または方法。
27. 溶存二酸化炭素内容物が実質的にゼロ体積%またはそれ以上である、上記25または上記26に記載の飲料または方法。
28. 二酸化炭素が体積で実質的に2.2%または実質的に4%または実質的に5%である、上記27に記載の飲料または方法。
29. 超音波信号が機械的ないし電気的に発生する可聴パフォーマンスおよび/または可視光表示を伴なう、上記5から7のいずれか一つまたは上記6に添える場合の上記9から28のいずれか一つに記載の飲料、または上記8または上記8に添える場合の上記9から28のいずれか一つに記載の方法。
30. 可聴パフォーマンスが調子のよいまたは音楽的な音である、上記29に記載の飲料または方法。
31. 可視光表示が目に見える光の点滅を含む、上記29または上記30に記載の飲料または方法。
32. 飲料が囲いの中で超音波にさらされ、囲いは前記囲いの少なくとも1つの側から見て容器を隠すように配置される、上記6または上記7、または上記6に添える場合の上記9から32のいずれか一つに記載の飲料、または上記8または上記8に添える場合の上記9から31のいずれか一つに記載の方法。
33. 水内容物および溶存ガス内容物を含む飲料であって、飲用される前に前記飲料が大気圧下での水の凝固点よりも低い温度まで冷却され、飲用されるために大気圧下にさらされた容器に吐出され、前記容器内で前述のガスが飲料から発泡し、かつ前記水内容物の少なくとも一部が氷になる飲料。
34. 樽抜きで使用可能でかつ水内容物と溶存ガス内容物を含む飲料であって、飲用される前に樽抜き飲料が大気圧下での水の凝固点よりも低い温度で出口から大気圧下に開放された容器に流出することになって、それにより前述のガスが飲料から発泡し、かつ前記水内容物の少なくとも一部が氷になる飲料。
35. 前記容器が前記上部開放容器である、上記33と上記5から7または9から32のいずれか一つ、または上記34と上記5から7または9から32のいずれか一つに記載の飲料。
36. 前記容器が充分に透明な少なくとも1つの壁部分を有して前記壁部分を通して容器の内容を見ることのできる、上記35に記載の飲料。
37. 容器がガラスで作製される、上記35または上記36に記載の飲料。
38. 容器が前記氷の形成を促進するような形状または構成を有する、上記35から37のいずれか一つに記載の飲料。
39. 容器が、前記氷の形成を促進するような核形成部分を供給するように配置された内側表面を有する、上記35から38のいずれか一つに記載の飲料。
40. 前記表面が少なくとも1つのざらざらの表面部分を有する、上記39に記載の飲料。
41. 容器が、温度の変化で自動的に色を変えるように配置された少なくとも1つの壁部分を含む、上記35から40のいずれか一つに記載の飲料。
42. 前記壁部分が熱変色性材料を含む、上記41に記載の飲料。
43. 形成された氷がその中に氷および/または飲料の色と対比する1つまたは複数の色の縞または領域を1つまたは複数含む、上記33から42のいずれか一つに記載の飲料。
44. 水内容物と溶存ガス内容物を含む樽抜き飲料を供給する方法であって、前記方法が出口から上部開放容器に樽抜き飲料を流出させること、前記流出の前に飲料を前述した溶存ガスの飲料からの損失を妨げる方式で貯蔵ないし取り扱うこと、および前記飲料を前記大気圧下での水の凝固点よりも低い温度まで冷却することを含み、前記容器内で前述のガスが飲料から発泡して前記水の少なくとも一部が氷になる方法。
45. ある程度の透明度のある壁の少なくとも一部を有する上部開放容器内で目に見える表示ないし効果を供給する方法であって、前記方法が水内容物と溶存ガス内容物を含む樽抜き飲料を供給すること、出口から前記容器に樽抜き飲料を流出させること、前記流出の前に前述した溶存ガスの飲料からの損失を妨げる飲料の貯蔵ないし取り扱いをすること、および前記飲料を前記大気圧下での水の凝固点よりも低い温度まで冷却することを含み、目に見える表示ないし効果が容器内の飲料中に展開し、前記目に見える表示ないし効果が前述したガスの飲料からの発泡および前記水の少なくとも一部の氷への移行による氷の形成を含む方法。
46. 容器がある程度透明の壁部分を有する、上記44に記載の方法。
47. 容器がガラスを含む、上記44から46のいずれか一つに記載の方法。
48. 氷の形成が、飲料の実質的に上位の位置から飲料を通って下方に氷の量と範囲が増加するように容器内で展開する、上記44から47のいずれか一つに記載の方法。
49. 容器が、温度の変化で自動的に色を変える少なくとも1つの壁部分を有する、上記44から48のいずれか一つに記載の方法。
50. 前記壁部分が熱変色性材料を含む、上記49に記載の方法。
51。 容器が、氷の形成を助長するための形状ないし構成を含む、上記44から49のいずれか一つに記載の方法。
52. 容器が氷の形成を助長するために1つまたは複数の内部構成を有する、上記44から51のいずれか一つに記載の方法。
53. 容器の内側の壁の少なくとも一部が粗い生地を有する、上記52に記載の方法。
54. 容器が氷形成の上側層の下で飲料中のさらなる氷の形成を助長するように構成され、前記さらなる氷が上昇して前記上側層につながる、上記44から53のいずれか一つ記載の方法。
55. 前記氷の形成を助長するために器具が容器内の飲料中に挿入される、上記44から54のいずれか一つに記載の方法。
56. 前記器具が温度計である、上記55に記載の方法。
57. 前記器具がマドラーである、上記56に記載の方法。
58. 飲料および/または氷中で少なくとも1つの色の縞ないし領域を形成するために着色材料または染料が供給され、前記材料または染料の色が目に見えるように氷および/または飲料のそれと対比的である、上記44から57のいずれか一つに記載の方法。
59. 前記器具が着色材料または染料を飲料および/または氷に添加するために使用される、上記47から57のいずれか一つに添える場合の上記58に記載の方法。
60. 前記氷が溶けかけの氷を含む、上記1、5から7、または9から43のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4、8、9から32または44から59のいずれか一つに記載の方法。
61. 飲料冷却用熱交換手段、前記熱交換手段から冷えた飲料を流出させるための飲料出口、前記出口への飲料供給を制御するための開閉可能なバルブ手段、および飲料をループ内で循環させるための飲料循環ループを含む、樽抜き飲料を供給するための装置。
62. バルブ手段が閉じられると飲料が前記ループ内で循環する、上記61に記載の装置。
63. 前記ループが飲料をループ内で循環させるためのポンプ手段を含む、上記61または上記62に記載の装置。
64. 凍結飲料が出口への飲料供給径路を封鎖する危険性を低減または回避するように飲料が循環される、上記61から63のいずれか一つに記載の装置。
65. 前記ループが前記熱交換手段内の飲料流路を含む、上記61から64のいずれか一つに記載の装置。
66. ドリンクバーのカウンターに設置可能なユニットまたはディスペンサを含み、熱交換手段および出口を含む、上記61から65のいずれか一つに記載の装置。
67. 飲料流路が前記樽抜き飲料のリザーバを前記熱交換手段に接続する、上記61から66のいずれか一つに記載の装置。
68. 前記流路が前記ループの少なくとも一部を含む、上記67に記載の装置。
69. 前記流路が複数の飲料径路に分かれ、前記ループが前記径路の1つまたは複数を含む、上記67に記載の装置。
70. 前記リザーバと前記最初に述べた飲料冷却用熱交換手段との中間に、飲料が第2の飲料冷却用熱交換手段の影響にさらされる、上記67に記載の装置。
71. リザーバが冷却にさらされる、上記67に記載の装置。
72. 前記熱交換手段が第1の熱交換手段であり、第2の飲料冷却用熱交換手段が前記ループの少なくとも一部において作用するように供給される、上記61から67のいずれか一つに記載の装置。
73. 第1および第2の熱交換手段に共通した冷却剤がそれらを通って循環する、上記72に記載の装置。
74. 前記リザーバと前記ループの中間で飲料がさらなる飲料冷却用熱交換手段の影響にさらされる、上記67に記載の装置。
75. 装置が、前記出口から出現する飲料が大気圧下での水の凝固点よりも低い温度となるよう動作するように配列される、上記61から74のいずれか一つに記載の装置。
76. 装置が、前記出口から出現する飲料が実質的に−1℃と実質的に−12℃との間の温度となるよう動作するように配列される、上記61から74のいずれか一つに記載の装置。
77. 飲料が非アルコール性である、上記1、5から7、9から43または60のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4、8、9から32または44から60のいずれか一つに記載の方法、または上記61から76のいずれか一つに記載の飲料供給装置。
78. 飲料がアルコール性飲料である、上記1、5から7、9から43または60のいずれか一つに記載の飲料、または上記2から4、8、9から32または44から60のいずれか一つに記載の方法、または上記61から76のいずれか一つに記載の飲料供給装置。
79. 前記アルコール性飲料がビールである、上記78に記載の飲料、方法または装置。
80. 前記ビールがラガーである、上記76または上記77に記載の飲料、方法または装置。
81. 前記アルコール性飲料がシードルである、上記76に記載の飲料、方法または装置。
82. 上部開放容器に樽抜きシードルを供給する方法であって、前記シードルが水内容物および溶存ガス内容物を含み、前記方法がシードルを大気圧下での水の凝固点よりも低い温度まで冷却すること、および冷えたシードルを前記容器に吐出することを含み、前記冷えたシードルが超音波信号の影響にさらされる方法。
83. シードルが実質的に−1℃から実質的に−12℃までの範囲の温度に冷却される、上記82に記載の方法。
84. シードルが実質的に−6℃の温度に冷却される、上記83に記載の方法。
85. 冷えたシードルが発泡器を経由して吐出口から流出する、上記82から84のいずれか一つに記載の方法。
86. 冷えたシードルが、シードルの流出する吐出口内のオリフィス板を通過する、上記82から84のいずれか一つに記載の方法。
87. シードルを受ける前に上部開放容器が冷却される、上記82から86のいずれか一つに記載の方法。
88. 上部開放容器が実質的に4℃に冷却されるか、または4℃よりも低い温度に冷却される、上記87に記載の方法。
89. 上部開放容器が実質的に0℃に冷却される、上記88に記載の方法。
90. 前記超音波信号が実質的に20kHzから実質的に70kHzまでの範囲の周波数を有する、上記82から89のいずれか一つに記載の方法。
91. 超音波信号が実質的に30kHzの周波数を有する、上記90に記載の方法。
92. 超音波信号が前記容器の外部から前記容器に印加される、上記82から91のいずれか一つに記載の方法。
93. 超音波信号が前記容器の内部で冷えたシードルに印加される、上記82から91のいずれか一つに記載の方法。
94. 超音波信号の発信器が容器内のシードル中に超音波信号を発信するために容器内のシードル中に配置される、上記93に記載の方法。
95. 冷えたシードルがそこから前記容器に流出する吐出口または前記吐出口が超音波信号発信器として作用し、前述の超音波信号を発生するように構成される、上記93または94に記載の方法。
96. 前述の超音波信号が吐出口を流れる前述のシードルに印加される、上記95に記載の方法。
97. 溶存ガス内容物が二酸化炭素および/または窒素を含む、上記82から96のいずれか一つに記載の方法。
98. 二酸化炭素内容物が体積で実質的にゼロ%またはそれ以上であり、かつ/または窒素内容物が実質的にゼロp.p.m.またはそれ以上である、上記97に記載の方法。
99. 上部開放容器内のシードルであって、前記シードルが溶存ガス内容物と水内容物を含み、前記シードルが氷を覆う泡沫のあぶくを有し、前記氷がシードル中で前記水内容物の水から形成されるシードル。
100. 前記あぶくおよび氷が上記82から98のいずれか一つに記載の方法の実施によって少なくとも部分的に生じる、上記99に記載のシードル。
101. 上部開放容器内でシードル上にあぶくを維持する方法であって、前記シードルが溶存ガス内容物と水内容物を含み、前記方法がシードル上にあぶくを供給すること、およびシードル中で前記水内容物の水から氷を形成することを含み、前記容器内で前記氷が前記あぶくによって覆われる層を形成する方法。
102. 前記あぶくおよび氷が上記82から98のいずれか一つに記載の方法の実施によって少なくとも部分的に生じる、上記101に記載の方法。
103. 水内容物を有する飲料を供給すること、大気圧下での水の凝固点よりも低い温度まで飲料を冷却すること、冷えた飲料を上部開放容器に吐出すること、および容器内の飲料中で、前述の水内容物から飲料中に氷ができる核形成部分の形成を促進することを含む、上部開放容器に飲料を供給する方法。
104. 飲料が、容器内で飲料から発泡し、前述の気泡に前述の核形成部分を生じる溶存ガス内容物を含む、上記103に記載の方法。
105. 飲料が、核形成部分の形成を促進するために超音波の影響にさらされる、上記103または上記104に記載の方法。
106. 飲料が前述の核形成部分として作用するかまたはその形成を促進する固体物質を含む、上記103から105のいずれか一つに記載の方法。
107. 飲料冷却用熱交換手段、冷えた飲料を熱交換手段から流出させる飲料出口、前記出口への飲料供給を制御するための開閉可能なバルブ手段、および飲料をループ内で循環させるための飲料循環ループを含み、前記熱交換手段が前記飲料を冷却するための冷却器ないし冷水槽を含む、樽抜き飲料を供給するための装置。
108. 熱交換手段が飲料を冷却することができ、かつループを循環する飲料を加熱することもまたできる熱交換器を含む、上記107に記載の装置。
109. 熱交換器がペルチェ効果を使用し、それによって、それへの電流の逆転が飲料の加熱を引き起こすことを可能にする、上記108に記載の装置。
110. 実質的に添付の図面のうちの図1から19までまたは図20から25までを参照して説明した、上記1に記載の飲料。
111. 実質的に添付の図面のうちの図2と4、または図2から5まで、または図2から4までと6、または図2から4までと7、または図1から4まで、または図1から5まで、または図1、2から4までと6、または図1、2から4までと7、または図8から15まで、または図8から16まで、または図8から15までと17、または図1から8まで16まで、または図1と8から15までと17、または図17と19、または図21から23までまたは図22、23と24の図22から24まで、または図20から23まで、または図20と22から24まで、または図20と22、23と25を参照して説明したような、上部開放容器内で飲料を冷たく保つ方法。
112. 上部開放容器内の飲料中で冷却用氷を維持する方法であって、前記氷が飲料中で飲料の水内容物の水から形成され、前記方法が実質的に添付の図面のうちの図2から4まで、または図2から5までまたは図1、2から4までと7の図1、2から4までと6、または図8から15まで、または図8から16まで、または図8から15までと17、または図1、および8から15まで、または図1と8から16まで、または図1と8から15までと17、または図18と19、または図21から23まで、または図22から24まで、または図22、23および24、または図20から23までまたは図20と22から24まで、または図20と22、23と25を参照して説明したものである方法。
113. 実質的に添付の図面のうちの図2から4まで、または図2から5まで、または図2から4までと6、または図2から4までと7、または図1から4まで、または図1から5まで、または図1、2から4までと6または図1、2から4までと7、または図8から15まで、または図1と8から16まで、または図1と8から15までと17、または図18と19、または図21から23まで、または図22から23までまたは図22、23と24、または図20から23まで、または図20と22から24まで、または図20と22、23と25を参照して述べたような、上部開放容器内の飲料の上にあぶくを維持する方法。
114. 実質的に図2から4まで、または図2から5まで、または図2から4までと6、または図2から4までと7、または図1から4まで、または図1から5まで、または図1、2から4までと6、または図1、2から4までと7、または図8から15まで、または図8から16まで、または図8から15までと17、または図1、および8から15まで、または図1と8から16まで、または図1と8から15までと17、または図18と19、または図21から23まで、または図22から24まで、または図22、23と24、または図20から23まで、または図20と22から24まで、または図20と22、23と25を参照して述べたような、上部開放容器に樽抜き飲料を供給する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を0℃より低く冷却するために適合された冷却手段、分取タップ、および飲料を分取タップへ運搬するために適合された飲料分取配管を含む飲料分取装置であって、この設備では、飲料を気圧下に放置した場合に一般的に飲料中で氷が形成される点よりも低い温度に冷却された飲料を分取できるように、装置が適合するようにされており、ここで、装置中の分取されていない飲料は固体に凍結せず、そして、装置は飲料中の氷の核形成を生じるように超音波を発信するのに適合した超音波発信器を含む、前記分取装置。
【請求項2】
超音波発信器が、分取タップの分取ノズルまたは吐出口中に提供される、請求項1に記載の分取装置。
【請求項3】
超音波信号が20kHzから70kHzまでの範囲の周波数を有する、請求項1又は2に記載の分取装置。
【請求項4】
超音波信号が30kHzの周波数を有する、請求項3に記載の分取装置。
【請求項5】
前記冷却手段が、飲料を−4℃と−6℃との間に冷却するのに適合している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の分取装置。
【請求項6】
前記冷却手段が、飲料を−1℃と−12℃との間に冷却するのに適合している、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の分取装置。
【請求項7】
可視光表示を有する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の分取装置。
【請求項8】
ドリンクバーのカウンター上に設置可能なユニットまたはディスペンサを含み、熱交換手段および出口を含む、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の分取装置。
【請求項9】
分取配管がビールを含む、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の分取装置。
【請求項10】
分取装置に配置された直立型のガラスの外側上に水をスプレーするのに適合した水噴霧器に導く水用ラインを含む、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の分取装置。
【請求項11】
上部開放容器中の樽抜き飲料を給仕する方法であって、前記飲料は水および溶存ガス内容物を含有し、前記方法は、冷却装置を用いて、飲料を周囲雰囲気圧力での水の凝固点を下回る温度に冷却し、冷却された飲料を前記容器へ移行し、前記冷却された飲料は超音波信号作用に曝される、前記方法。
【請求項12】
超音波信号が前記容器の外側から課せられる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
超音波信号が前記容器の内側から課せられる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
超音波信号発信器が、容器中の飲料中に配置され、容器中の飲料中に超音波信号を発信する、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
飲料がそこから容器中に運搬される、分取ノズルまたは吐出口が、超音波信号を提供するための超音波発信器として機能するのに適合している、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の方法。

【請求項16】
超音波信号が、分取吐出口を通って流れている飲料に課せられる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
超音波信号が20kHzから70kHzまでの範囲の周波数を有する、請求項11ないし16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
超音波信号が30kHzの周波数を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
氷の塊が、飲料上の泡の下で、飲料中下方に展開する、請求項11ないし18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記冷却装置が、飲料を−1℃と−12℃との間に冷却する、請求項11ないし19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記冷却装置が、飲料を−4℃と−6℃との間に冷却する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
超音波信号が、可視光表示を伴う、請求項11ないし21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
飲料がビールである、請求項11ないし22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
水が上部開放容器の外側にスプレーされる、請求項11ないし23のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2009−242002(P2009−242002A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−142484(P2009−142484)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【分割の表示】特願2001−539060(P2001−539060)の分割
【原出願日】平成11年11月17日(1999.11.17)
【出願人】(506200430)クアーズ・ヨーロピアン・プロパティーズ・ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】