説明

飲料

【課題】澄明なコラーゲンペプチド飲料の提供
【解決手段】従来濁りや沈殿が生じていた酸性ムコ多糖類配合の酸性コラーゲン飲料に、数平均分子量1500以下のコラーゲンペプチドを配合することで、澄明な清涼感あふれる飲料を作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性ムコ多糖とコラーゲンペプチドとを含有する飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
コラーゲンは、真皮、靭帯、腱、軟骨および骨などを構成する主要成分であり、近年、このコラーゲンが生体において種々の効果を有することが明らかになっている。また、このコラーゲンを加水分解して得られるコラーゲンペプチドは、コラーゲンと同様に、皮膚の張りや、関節の痛みの改善、血管老化の防止に効果があることなどが知られている。
【0003】
一方、酸性ムコ多糖類も、皮膚の真皮の主要成分である。酸性ムコ多糖類の1種であるコンドロイチン硫酸は、老化防止、関節痛の軽減と膝関節痛の改善、動脈硬化の予防と改善、骨粗しょう症の改善 、乾燥肌の改善などに効果があると言われている。
【0004】
酸性ムコ多糖類の1種であり、保水能力が非常に高いことで知られているヒアルロン酸には、経口摂取による肌の潤い、若返りが期待されており、さらにヒアルロン酸は、関節の痛みや肩凝り、疲れ目の改善などにも効果があると言われている。また、酸性ムコ多糖類の1種であるデルマタン硫酸はその美白効果が近年注目されている。
【0005】
以上の通り、コラーゲンペプチドも、酸性多糖類の1種である酸性ムコ多糖類も健全な身体の維持に有用な物質である。しかしながら、酸性多糖類とコラーゲンペプチドは水溶液中で反応し、濁りや沈殿物を生じることから、この2成分を含む水溶液では、濁りや沈殿物に起因する見栄えの悪さが問題となるケースがあった。
具体的には、当該水溶液が飲料であるケースが挙げられ、容器の底部に沈滞する混濁物質により、その商品価値が低下するという課題があった。
【0006】
このような不都合を解決するために、コラーゲンペプチドの分子量を4000以下にすることにより、コラーゲンペプチドと酸性多糖類との反応性を低減させるという技術が開示されている。(特許文献1および非特許文献1を参照)しかしながら、これらの技術では、酸性多糖類の1種である酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドを組み合わせた場合には、十分な効果が得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−51734号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】FOOD STYLE 21 Vol.12 No.11/2008 38−41
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドを含む濁りおよび沈殿の発生が極めて少ない飲料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸性ムコ多糖類と組合わせるコラーゲンペプチドとして、数平均分子量(Mn)1500以下かつ重量平均分子量(Mw)3000以下のコラーゲンペプチド(以下「低分子コラーゲンペプチド」と言うことがある。)を用いることにより、その両者を含む水溶液に濁りや沈殿が極めて発生しにくいことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドを含む濁りおよび沈殿の発生が極めて少ない飲料が提供され、その品質性能を損なうことなく、酸性ムコ多糖類やコラーゲンペプチドが有する各種機能の利点を享受することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)酸性ムコ多糖類、および、数平均分子量が1500以下かつ重量平均分子量が3000以下であるコラーゲンペプチドを含有する飲料。
(2)コラーゲンペプチドの等イオン点が7.0未満である前記第1項に記載の飲料。
(3)酸性ムコ多糖類が、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸およびデルマタン硫酸から選ばれた少なくとも1種である前記第1〜第3項の何れかに記載の飲料。
(4)pHが5.0以下である前記第1項に記載の飲料。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の飲料は、コラーゲンペプチドおよび酸性ムコ多糖類を含有する濁りおよび沈殿の発生が防止された飲料である。したがって本発明の効果は、特に、透明な飲料において明確に確認できる。即ち、本発明の態様に従うと、従来、酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドとを酸性条件下混合した場合に、一般的に観察されるような濁り若しくは沈殿が発生しにくいだけではなく、沈殿はないものの透明感に欠けるような状態の防止にも極めて有効である。
【0014】
本発明であれば、沈殿も濁りもない、透明な飲料とすることが可能であるため、消費者に対して品質や機能性ばかりではなく、清涼感を演出することが可能であり、それにより美的感覚に訴えることのできる商品価値の高い製品を提供することが可能である。
【0015】
本発明において使用される酸性ムコ多糖類は、従来の公知の何れの酸性ムコ多糖類であってもよい。例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸およびそれらの塩が挙げられる。1飲料に配合される酸性ムコ多糖類の種類は1種類でもよいが、何種類もの酸性ムコ多糖類を組み合わせて使用してもよい。酸性ムコ多糖類は天然物から抽出されたものでも、酸性ムコ多糖類を含む天然物として配合されてもよい。また、それ自身公知の何れかの手段によって人工的に合成されたものであってもよい。
【0016】
本発明に使用される酸性ムコ多糖類の含有割合は、5〜500mg/100ml(飲料)の範囲であることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
【0017】
本発明において使用されるコラーゲンペプチドとは、加水分解コラーゲンを意味し、天然コラーゲンを熱処理して変性させたゼラチンあるいは天然コラーゲンを酸、アルカリ、および/または酵素により加水分解したコラーゲンペプチド、あるいはこれらを化学的、酵素的に修飾したものの何れであってもよい。
【0018】
コラーゲンペプチドを分解していくとアミノ酸(分子量100程度)にまで分解される。コラーゲンペプチドとアミノ酸とは性状に違いがあり、コラーゲンペプチドの分子量はジペプチドの分子量から考えて150以上である。本発明に必須のコラーゲンペプチドの分子量の下限は、数平均分子量が500であり、重量平均分子量が600であることが好ましい。当該コラーゲンペプチドの分子量が500以上である場合、味に対する影響が少ない点で好ましい。
本発明に必須の低分子コラーゲンペプチドは、数平均分子量が1500以下であり、かつ重量平均分子量が3000以下のものである。好ましくは、数平均分子量1100以下かつ重量平均分子量2000以下のものである。
【0019】
コラーゲンの供給源は、牛、豚、馬および羊などの哺乳動物類、鶏、ガチョウ、七面鳥、鴨、家鴨などの鳥類または、鱈、鯉、鮫、平目および鱸などの魚類に由来するものであればよい。例えば、魚類に由来する場合、骨、皮および鱗などから調製されてよい。
【0020】
加水分解の方法や処理条件は、通常の加水分解コラーゲンの製造技術が適用できる。例えば特開昭52-68200号公報(酸やアルカリで化学的に処理する方法)、特開平05−093000号公報(酸やアルカリで化学的に処理する方法)、特開平05−125100号公報(プロテアーゼなど酵素を用いる方法)などに記載の方法を挙げることができる。
【0021】
本発明に必須の低分子コラーゲンペプチドには、分子量の分布があるが、分子量分布は小さい方が好ましく、Mw/Mnは2.0以下の範囲であることが好ましい。但し本発明の目的を阻害しない範囲であれば、より分子量の低いコラーゲンペプチドやアミノ酸が含まれていても構わない。分子量分布が小さければ、酸性ムコ多糖類との反応に起因する沈殿や濁りがより生じにくくなる。
【0022】
本発明に必須のコラーゲンペプチドの等イオン点は、7.0未満の範囲であることが好ましい。コラーゲンペプチドの等イオン点が低いほど、コラーゲンペプチドはプラスに帯電しにくいと考えられることから、マイナス荷電を持つ酸性ムコ多糖類との反応がより生じにくくなる。なお、本発明において等イオン点は2.0以上であることが好ましい。
等イオン点の制御方法は特に限定されるものではない。一般にコラーゲンの等イオン点は9前後であるが、加水分解前に、粗コラーゲンを石灰漬け、水酸化ナトリウム処理等のアルカリ処理を行うことにより、アミド基が脱離し、等イオン点を7.0未満とすることができる。また、酸処理コラーゲンでも、プロテアーゼ等の酵素を用いて低分子化することにより、等イオン点を7.0未満とすることが出来る。
【0023】
本発明に必須の低分子コラーゲンペプチドは粉末状態で飲料に添加することもできるし、溶液あるいは分散液の状態で飲料に添加することもできる。低分子コラーゲンペプチドの含有割合は、0.5g〜50g/100ml(飲料)の範囲であることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。また、コラーゲンペプチドと酸性ムコ多糖類の割合は1:1〜10000:1の範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明における飲料は、酸性ムコ多糖類単独またはその組み合わせと、低分子コラーゲンペプチドを含む飲料であればよい。本発明の飲料は、酸性ムコ多糖と低分子コラーゲンペプチドのみからなるものであってもよく、それら以外の第三成分を含むものであってもよい。第三成分は特に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲であれば何れのものであっても使用することが出来る。
第三成分としては、pH調整に用いるクエン酸、美容的効果が期待されるビタミンB、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類、エラスチン、コエンザイムQ10、ローヤルゼリー、グルコサミン、セラミド等があげられる。
本発明の飲料は、具体的には、緑茶、フルーツジュース、ミネラル補給用飲料、イオン補給用飲料、スポーツ飲料および水分補給用飲料、美容ドリンク、機能性ドリンクなどの清涼飲料水、並びに温製または冷製コンソメスープまたはお吸い物などのスープ類などを挙げることができる。また、酸性ムコ多糖類と低分子コラーゲンペプチドを含有する水溶液を、ある程度の硬度および/または粘度を有するゼリー状飲料に加工したものも本発明の飲料に含まれる。
本発明は、特に、透明であることが消費者に対して清涼感を与え、美観的にも味覚的にも良好な影響を与えることが予測されるような飲料に好適である。
【0025】
本発明の飲料は、そのpHが2〜5の範囲であることが好ましい。中性飲料およびアルカリ飲料では低分子コラーゲンペプチドを使用しなくても問題にはならない。本発明で特定しているコラーゲンペプチドの使用効果が顕著に確認できるpHはpH5以下の範囲である。
【実施例】
【0026】
本実施例においては、特段断りがない限り「%」は「重量%」である。
コラーゲンペプチドの製造例
(1)鱗の洗浄乾燥
フィーレ加工する際にマダイ1匹づつ水流ジェット式鱗剥離機にかけて、養殖マダイの鱗をSUS製網カゴで捕集した。この鱗を綺麗に洗浄して天日乾燥した。なお、鱗組成は窒素分析と灰分よりの測定でコラーゲン42.1%、カルシウムアパタイトを主成分とする化合物57.9%であった。
【0027】
(2)酸脱灰
乾燥鱗100g(水分15%)に0.6モル塩酸1,500mLを加え、2時間攪拌した。100メッシュ網にてろ過(脱灰溶液pH1.5)、残渣を1Lの水にて入れて15分間攪拌した、この水洗/ろ過処理を3回繰り返し粗コラーゲンを得た(3回目のろ過溶液pH2.3)。105℃で3hr乾燥させた絶乾鱗の粗コラーゲン収率は50%、窒素17.4%、残カルシウム0.12%、残リン酸分0.37%であった。ここでコラーゲン含有量は窒素×5.55(コラーゲン定数)で計算した。
(3)希アルカリ処理
酸脱灰に引き続き湿潤状態の粗コラーゲンに0.1%苛性ソーダ溶液を重量比で10倍量加え、水温25℃で45分間攪拌処理した。処理物を100メッシュの網でろ過、その後固形分を重量比で10倍量の水にて水洗浄/ろ過、この操作を2回繰り返した。(2回目の水洗液のpH6.9)
【0028】
(4)コラーゲンの酵素分解
希アルカリ処理粗コラーゲンに重量比で10倍量の水を加えて、90℃にて2時間攪拌し、粗コラーゲン溶液を得た(溶液のpH8.5)。未溶解分を含む粗コラーゲン溶液を55℃に冷却後、プロテアーゼNアマノG酵素(天野エンザイム(株)、商品名)を添加し、攪拌しつつ加水分解した。経時的にサンプリングおよび分子量測定を行い、求める数平均分子量(Mn)(試料A:2200、試料B:1800、試料C:1000、試料D:900、試料E:700、試料F:600、試料G:500)となるまで加水分解を行った。その後、85℃×15分加熱して酵素を失活させた。酵素の添加割合や攪拌時間等の反応条件は、求める数平均分子量毎に異なり、酵素の添加割合(粗コラーゲン溶液に含まれる粗コラーゲン重量に対する割合)は0.025%〜5.0%の範囲で、攪拌時間は3〜24時間の範囲で調節した。
この加水分解処理された粗コラーゲン溶液に、活性炭(フタムラ化学社製(商標)太閤S)を粗コラーゲンに対して0.4%の割合で加え、40℃×30分間攪拌処理し、次いで、その溶液を室温まで冷却後、珪藻土「昭和化学社製(商標)ラジオライトNo.100」を粗コラーゲンに対して0.5%の割合で添加した後ボデーフィードし、5mmの珪藻土プレコート層を通して吸引ろ過した。ろ液に再度、同量の活性炭を加えて珪藻土ろ過した。精製したコラーゲンペプチドを含む溶液をロータリーエバポレーターにて固形分が20%になるまで真空濃縮した。濃縮液を凍結乾燥し、乳鉢にて素早く粉末に粉砕し評価用サンプルとした。
【0029】
分析方法
(1)平均分子量の測定
製造例で得られたコラーゲンペプチドの平均分子量を、パギイ法20−2「平均分子量」に準じて測定した。パギイ法20−2「平均分子量」とは、高速液体クロマトグラフィーを用いたゲル濾過法によって、コラーゲン水溶液のクロマトグラムを求め、分子量分布を測定する方法である。具体的な操作は以下のとおりである。
1) 試料0.2gを100mlメスフラスコに取り、溶離液(0.1mol/lリン酸二水素カリウム溶液と0.1mol/lリン酸水素二ナトリウム溶液の等量混合液)を加え、1時間膨潤させた後、40℃で60分間加温して溶かす。室温まで冷却したあと、溶離液を標線まで加える。
2) 得られた溶液を溶離液で正確に10倍希釈し、検液とする。
3) 検液を用い、ゲル濾過法によってクロマトグラムを求める。
カラム:Shodex Asahipak GS 620 7G を2本直列
溶離液の流速:1.0ml/min
カラムの温度:50℃
検出方法:測定波長230nmの吸光度
4)保存時間を横軸にとり、対応した230nmの吸光度値を縦軸にして、試料の分子分布曲線を作成し、平均分子量を算出する。
【0030】
(2)等イオン点の測定
製造例で得られたコラーゲンペプチドの等イオン点をパギイ法8「等イオン点」に準じて測定した。パギイ法8「等イオン点」とは、pH計を用い、イオン交換樹脂により脱塩した検液の水素イオン濃度を測定する方法である。具体的な操作は以下のとおりである。
1) アンバーライト IR−120B 5mlとアンバーライト IRA−410 10mlを混合する。
2)混合した樹脂を純水で2回洗浄後、純水を入れ35℃に保温する。
3)保温した樹脂の水を切り、検液100mlを加え、35℃で20分以上撹拌する。
4)デカンテーション法により、検液からイオン交換樹脂を除去する。
5)検液の液温を35℃にしてpHを測定する。得られたpH値を等イオン点とする。
6)測定値は小数点以下2位にまとめる。
【0031】
以下に製造例で作製したコラーゲンペプチドの分析結果を記載する。
【0032】
【表1】

【0033】
実験例1
コラーゲンペプチド2.5g、コンドロイチン6硫酸ナトリウム(シグマ社製)0.1gを純水に溶かし、50mlにメスアップした。その際、50mlにメスアップした時のpHが4になるよう10%クエン酸ナトリウムを用いてpHを調節した。
濁りの有無を目視にて観察すると共に、720nmの吸光度を測定した。実験は何れも24℃〜25℃の室内の温度において行った。なおコラーゲンペプチドは製造例にて作製したものと市販品を用いた。
【0034】
【表2】

【0035】
表2に示した通り、Mn1500以下かつMw3000以下のコラーゲンペプチドは濁りを生じなかった。一方Mn1500以上かつMw3000以上のコラーゲンペプチドは濁りを生じた。また、Mn1500未満でも、Mw3000以上かつ等イオン点7.0以上のコラーゲンペプチドは少し濁りを生じた。
【0036】
実験例2
コラーゲンペプチド2.5g、ヒアルロン酸ナトリウム(Streptococcus equi sp.由来 Fluka製)0.1gを純水に溶かし、50mlにメスアップした。その際、50mlにメスアップした時のpHが4になるよう10%クエン酸ナトリウムを用いてpHを調節した。一晩冷蔵(設定温度4℃)後、沈殿の有無を観察した。
【0037】
【表3】

【0038】
表3に示した通り、Mn1500以下かつMw3000以下のコラーゲンペプチドは濁りも沈殿も生じなかった。一方Mn1500以上かつMw3000以上のコラーゲンペプチドは濁りまたは/および沈殿を生じた。また、Mn1500未満でも、Mw3000以上かつ等イオン点7.0以上のコラーゲンペプチドは沈殿を生じた。
【0039】
以上のように、酸性水溶液に酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドを配合した場合、Mn1500以下かつMw3000以下のコラーゲンペプチドは濁りも沈殿も生じなかった。
【0040】
実験例3
前記製造例1で得られた各コラーゲンペプチドおよび市販品のコラーゲンペプチドとコンドロイチン6硫酸ナトリウムとを下記処方で配合したドリンク(pH3.8)を製造し、濁りの有無を観察した。
【0041】
【表4】

【0042】
【表5】


これらの結果から酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドを含有した酸性飲料において、数平均分子量1500以下かつ重量平均分子量3000以下のコラーゲンペプチドを用いることにより、濁りを生じず、澄明で清涼感のあるドリンクが得られることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明により、酸性ムコ多糖類とコラーゲンペプチドを含有する水溶液であって、濁りおよび沈殿の発生が極めて少ない水溶液が提供され、当該水溶液が飲料である場合には、その品質性能を損なったりすることなく、酸性ムコ多糖類やコラーゲンペプチドが有する各種機能の利点を享受することができる。また、本発明の飲料は、通常のコラーゲンペプチドを添加した場合に比べ、清涼感あふれる飲料であり、コラーゲン添加飲料の用途および需要の拡大に貢献することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性ムコ多糖類、および、数平均分子量が1500以下かつ重量平均分子量が3000以下であるコラーゲンペプチドを含有する飲料。
【請求項2】
コラーゲンペプチドの等イオン点が7.0未満である請求項1に記載の飲料。
【請求項3】
酸性ムコ多糖類が、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸およびデルマタン硫酸から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3の何れかに記載の飲料。
【請求項4】
pHが5.0以下である請求項1に記載の飲料。

【公開番号】特開2010−263840(P2010−263840A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118379(P2009−118379)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(000002071)チッソ株式会社 (658)
【Fターム(参考)】