説明

飲食品の甘味増強剤および甘味増強方法

【課題】飲食品の甘味増強剤、並びに甘味増強方法、甘味料低減方法、またその方法を使用した飲食品を提供すること。
【解決手段】長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体を飲食品に添加することにより、飲食品の甘味を増強させる方法と、甘味料を低減させる方法、並びに甘味料低減飲食品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲食品の甘味増強剤、並びに甘味増強方法、甘味料低減方法、またその方法を使用した飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
アラキドン酸(シス-5,8,11,14−エイコサテトラエン酸)は長鎖高度(多価)不飽和脂肪酸の一種であり動物の臓器および組織から得られるリン脂質中に存在する。これは必須脂肪酸でありプロスタグランジン、トロンボキサンチンおよびロイコトリエン等の合成の前駆体となる重要な化合物である。
【0003】
このようなアラキドン酸の機能に注目して、従来、アラキドン酸のような長鎖高度不飽和脂肪酸およびそのエステルを、栄養強化および各種生理的機能を付与する目的で油脂および食品等の各種組成物へ添加することが試みられてきた。
【0004】
特開平10-99048に記載の栄養強化組成物には、母乳に近い成分を実現する為に添加される成分の一種としてアラキドン酸が0.1〜10重量%含有されている。
また、特開平11-89513に記載のヒト乳脂肪に近似する合成脂質組成物には、アラキドン酸を含む長鎖n-6高度不飽和脂肪酸がトリグリセリドを構成する脂肪酸の一種として使用されている。
さらに、特開平10-70992および特開平10-191886にはアラキドン酸をトリグリセリドの形で豊富に含有する微生物由来の食用油脂が記載されており、この好適用途として、未熟児用調製乳、乳児用調製乳、幼児用食品、および妊婦用食品等が挙げられている。
【0005】
他のアラキドン酸の生理機能として、特開平9-13075では、アラキドン酸等の長鎖多価不飽和脂肪酸を含むグリセリドからなる血中脂質濃度を低減する作用のある油脂が記載されている。また特開平9-13076では、同じ構成から成る血小板凝集能を抑制する作用のある油脂が記載されている。
【0006】
一方で、食品分野における長鎖高度不飽和脂肪酸の利用例として調味料がある。特開2001-78702には、油脂とエキスを水中油型に乳化させることで、まろやかさ、後味、うま味が増強された調味料が開示されている。
また特許第3220155号には、乳脂肪以外の脂肪酸等の酸化によって得ることができる香味料組成物が開示されている。
【0007】
さらに米国特許第3689289号明細書(US3689289)には還元糖とアミノ酸およびアラキドン酸またはそのアラキドン酸メチルエステルを特定の条件化で加熱反応させることで人工的なチキンフレーバーを製造する方法が記載されている。また国際公開第WO2003/051139号パンフレットには還元糖とアミノ酸およびアラキドン酸を特定の条件化で加熱反応させることによる人工的なチキンフレーバーを製造する方法においてアラキドン酸をグリセリンエステルの形で使用することにより、精製したチキンフレーバーの香りに耐熱性や持続性が生じることが記載されている。
これらはいずれも糖とアミノ酸とアラキドン酸の3種の加熱反応物が人工的なチキン様の臭いを発現するものある。
【0008】
加えて、特開2002-95439号には、高度不飽和脂肪酸グリセリドを含有することを特徴とする調味料が開示されている。この発明の目的は、酸化劣化されやすい高度不飽和脂肪酸グリセリドの酸化安定性を高めることであり、その為に、大豆の発酵加工食品、魚介類の発酵加工食品若しくはトマト成分を主体とした調味料に高度不飽和脂肪酸グリセリドを含ませることを特徴とするものである。
【0009】
以上、先行文献には高度不飽和脂肪酸に関連する様々な機能、コク味の改善が示されているが、呈味性の改善に「甘味」もしくは「減甘味料効果」が含まれているとは、これらの文献で記載も示唆もされていない。
【0010】
その他アラキドン酸を用いる調味料に関しては、特許第3729272号、特開2006-34297号には、n-6系の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体から成るコク味増強剤が記載され、アラキドン酸等の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体を単独で食品に含有させるか、またはそれを特定の範囲で含有する植物油脂で加熱調理などの酸化処理をした場合に、食品のコク味が増し、味を引き立たす効果が得られることが見出された。
WO2005/004634には、長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体を分解しその分解物、およびその分解物の抽出物を食品に添加した場合に、食品のコク味が増す効果が得られることを見出している。
WO2005/046653では、長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体を食品に添加することでコク味増強の他に、食品の味または風味を向上させる様々な機能があることを見出している。
WO2005/046354では、長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体にコク味向上成分(α-トコフェロール、鉄分)を含むことで、コク味が一層向上することが示されている。
【0011】
【特許文献1】特開平10-99048号公報
【特許文献2】特開平11-89513号公報
【特許文献3】特開平10-70992号公報
【特許文献4】特開平10-191886号公報
【特許文献5】特開平9-13075号公報
【特許文献6】特開平9-13076号公報
【特許文献7】特開2001-78702号公報
【特許文献8】特許第3220155号公報
【特許文献9】米国特許第3689289号公報
【特許文献10】WO2003/051139号公報
【特許文献11】特開2002-95439号公報
【特許文献12】特許第3729272号公報
【特許文献13】特開2006-34297号公報
【特許文献14】WO2005/004634号公報
【特許文献15】WO2005/046653号公報
【特許文献16】WO2005/046354号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、飲食品の甘味増強剤、並びに甘味増強方法、甘味料低減方法、またその方法を使用した飲食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アラキドン酸等の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体を飲食品に添加することにより、飲食品の甘味を増強させ得ることを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、通常よりも少ない甘味料でより甘味が増強された飲食品、または同じ量の甘味料でより甘味が増強された飲食品を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明で「長鎖高度不飽和脂肪酸」とは、n-3系の長鎖高度不飽和脂肪酸の場合には炭素数が20以上かつ二重結合を3以上有する脂肪酸を意味し、n-6系の長鎖高度不飽和脂肪酸の場合には炭素数が18以上かつ二重結合を3以上有する脂肪酸を意味する。更に、n-3系およびn-6系の双方ともに炭素数が20〜24かつ二重結合を4〜6有する長鎖高度不飽和脂肪酸が好ましい。n-6系の長鎖高度不飽和脂肪酸の例としてアラキドン酸(AA)およびドコサテトラエン酸(DTA)を挙げることができ、特に、アラキドン酸が好適である。また、n-3系の長鎖高度不飽和脂肪酸の例として、ドコサヘキサエン酸(DHA)およびエイコサペンタエン酸(EPA)を挙げることができる。
アラキドン酸等の本発明で使用する長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体の由来に特に制限はなく、各種動植物、微生物、藻類等から得られたものが市販されており、当業者はこれら公知のものを適宜使用することができる。
これらの脂肪酸は単独で、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
【0016】
エステル体の構造およびその製造方法に特に制限はなく、これを構成するアルコール類としては、一価および多価アルコールを使用することができる。多価アルコールの中でも、安全性やコストの点から好ましいものの例としてグリセロールを挙げることができ、この場合にエステル体としてトリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、およびグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤形態を構成する。これらのエステル体を構成する脂肪酸中に本発明の長鎖高度不飽和脂肪酸以外の脂肪酸が含まれていても良い。
【0017】
本発明の甘味増強剤中の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体の含有量に特に制限はないが、含有量があまり少ないと所望の効果を得るために多量の甘味増強剤が必要とされ、その他の成分に由来する雑味の悪影響が生じる可能性もある。従って、本発明の甘味増強剤は、長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体を、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上含有するものである。
【0018】
本発明の甘味増強剤中には、上記長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体の他に、甘味増強剤の効果に悪影響を与えない限り、当業者に公知の他の任意成分、例えば、乳化剤、トコフェロール類、リン脂質、その他の脂肪酸、その他の脂肪酸より構成されるトリグリセリド、ジグリセリドおよびモノグリセリド等が含まれていても良い。
【0019】
なお、n-3系の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体の酸化処理の方法に特に制限はないが、その一例として加熱処理があげられる。加熱処理の方法に特に制限はないが、通常、40℃〜200℃において0.1時間〜240時間加熱する方法があり、好ましくは、80℃〜180℃において0.5時間〜72時間加熱する方法がある。
【0020】
また、n-6系の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体から成る甘味増強剤の効果を発揮するために酸化処理は必須ではないが、酸化処理することによって、その甘味増強剤としての効果が一層増す。更に、このような酸化処理は、本発明の長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体から成る甘味増強剤を含有する飲食品を加熱処理することによっても実施することができる。
【0021】
また本発明の甘味増強剤は、甘味料を含む飲食品に対する重量比で0.1ppm〜10,000ppm、好ましくは1.0ppm〜1,000ppm、より好ましくは1.0ppm〜500ppmの範囲で含有される。
【0022】
本発明に用いられる甘味料は、食用のものであれば、砂糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、ステビア、アスパルテームなど、どのようなものでも特に制限なく用いることができる。また、甘味料の量は、使用する食品に適した甘味濃度であれば、特に制限されることなく用いることができる。
【実施例】
【0023】
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではない。
【0024】
以下の実施例の結果を示した表における記号の意味は以下の通りである。
×:コントロールより甘味の強さが弱い
△:コントロールと甘味の強さが同等
○:コントロールより甘味の強さが強い
◎:コントロールより甘味の強さが明らかに強い

実施例、比較例の評価実験では以下を用いた。
コーン油:(株)J-オイルミルズ製
アラキドン酸トリグリセリド(以下、AATG):サントリー(株)製
SUNTGA40S(純度40%)
希釈AATG:AATGを0.5%濃度(重量%)になるようにコーン油で希釈したもの
希釈酸化AA:AATGを120℃で3時間酸化処理したものを0.5%濃度(重量%)
となるようにコーン油で希釈したもの
〔試験例1〕
【0025】
砂糖溶液での評価
比較例1 コーン油のみ(コントロール)
実施例1 希釈AATG
実施例2 希釈酸化AA
表1に示すように、比較例1〜実施例2と、水および砂糖を計量し、鍋で沸騰させた後、60℃で保温したものを、味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表2に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
【表2】

【0028】
表2の結果から、AATGおよび/または酸化AAを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。特に酸化AAの甘味増強効果が大きかった。
〔試験例2〕
【0029】
みりんでの評価
比較例2 コーン油のみ(コントロール)
実施例3 希釈AATG
実施例4 希釈酸化AA
みりん:宝酒造(株)製 タカラ本みりん
表3に示すように、比較例2〜実施例4と、水およびみりんを計量し、鍋で沸騰させた後、
60℃で保温したものを、味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表4に示す。
【0030】
【表3】

【0031】
【表4】

【0032】
表4の結果から、AATGおよび/または酸化AAを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。特に酸化AAの甘味増強効果が大きかった。
〔試験例3〕
【0033】
トマトケチャップでの評価
比較例3 コーン油のみ(コントロール)
実施例5 希釈AATG
実施例6 希釈酸化AA
トマトケチャップ:カゴメ(株)製
表5に示すように、比較例3〜実施例6と、水およびトマトケチャップを計量し、80℃に保温した湯浴内で攪拌した(約5分間)。これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表6に示す。
トマトケチャップ:カゴメ(株)製
【0034】
【表5】

【0035】
【表6】

【0036】
表6の結果から、AATGおよび/または酸化AAを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。特に酸化AAの甘味増強効果が大きかった。
〔試験例4〕
【0037】
コーンクリームスープでの評価
比較例4 コーン油のみ(コントロール)
実施例7 希釈AATG
実施例8 希釈酸化AA
スープ粉末:味の素(株)製 クノールカップスープ コーンクリーム
表7に示すように、比較例4〜実施例8と、スープ粉末を計量し、熱湯を添加して攪拌し、よく混合した後に、これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表8に示す。
【0038】
【表7】

【0039】
【表8】

【0040】
表8の結果から、AATGおよび/または酸化AAを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。特に酸化AAの甘味増強効果が大きかった。
〔試験例5〕
【0041】
ホイップクリームでの評価
比較例5 コーン油のみ(コントロール)
実施例9 希釈AATG
生クリーム:高梨乳業(株)製 北海道純正生クリーム47
表9に示すように、比較例4〜実施例9と生クリームを計量し、よく混合しながらホイップクリームを作製し、これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表10に示す。
【0042】
【表9】

【0043】
【表10】

【0044】
表10の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。
〔試験例6〕
【0045】
ケーキホイップでの評価(砂糖削減効果確認)
比較例6 コーン油のみ(コントロール)
実施例10 希釈AATG 糖分比:コントロール:実施例10=100%:100%
実施例11 希釈AATG 糖分比:コントロール:実施例11=100%:80%
実施例12 希釈AATG 糖分比:コントロール:実施例12=100%:約70%
ケーキホイップ:森永乳業(株)製
表11に示すように、比較例6〜実施例12とケーキホイップを計量し、よく混合しながらホイップクリームを作製し、これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表12に示す。
【0046】
【表11】

【0047】
【表12】

【0048】
甘味強度は実施例10、実施例11、実施例12の順であった。AATGを添加し砂糖を30%カットした実施例12においても比較例6(コントロール)と同等の甘味の評価を得た。これにより砂糖添加量が30%削減できる可能があるとの評価を得た。
〔試験例7〕
【0049】
シフォンケーキでの評価
比較例7 コーン油のみ(コントロール)
実施例13 希釈AATG
表13に示すように、比較例7〜実施例13と、グラニュー糖、薄力粉、卵を計量しよく混合しながらシフォンケーキを作製し、これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表14に示す。
【0050】
【表13】

【0051】
【表14】

【0052】
表14の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が増加するとの評価を得た。
〔試験例8〕
【0053】
アイスクリームでの評価
比較例8 コーン油のみ(コントロール)
実施例14 希釈AATG
生クリーム:高梨乳業(株)製 北海道純正生クリーム47
表15に示すように、比較例8〜実施例14と、グラニュー糖、生クリーム、卵をそれぞれ計量し、以下の手順でアイスクリームを作製した。(1)油脂と生クリームをハンドミキサーでホイップさせた。(2)卵は卵黄、卵白に分け、卵白のみでホイップされた。(3)卵黄はグラニュー糖とともに泡立てた。(1)〜(3)一緒にし、ゴムベラでまんべんなく混合した後、タッパーに入れ、冷凍庫で固化した。これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表16に示す。
【0054】
【表15】

【0055】
【表16】

【0056】
表16の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。
〔試験例9〕
【0057】
チョコレートクリーム(チョコレートスプレッド)での評価
比較例9 コーン油のみ(コントロール)
実施例15 希釈AATG
チョコレートスプレッド:明治乳業(株)製 チョコレートクリーム
表17に示すように、比較例9〜実施例15とチョコレートスプレッドを計量し、よく混合した。これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表18に示す。
【0058】
【表17】

【0059】
【表18】

【0060】
表18の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。
〔試験例10〕
【0061】
練りあんこでの評価
比較例10 コーン油のみ(コントロール)
実施例16 希釈AATG
練りあんこ:井村屋製菓(株)製 ねりあん
表19に示すように、比較例10〜実施例16と練あんこを計量しよく混合した。これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表20に示す。
【0062】
【表19】

【0063】
【表20】

【0064】
表20の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。
〔試験例11〕
【0065】
加糖練乳での評価
比較例11 コーン油のみ(コントロール)
実施例17 希釈AATG
加糖練乳:雪印乳業(株)製 雪印北海道コンデンスミルク
表21に示すように、比較例11〜実施例17と練乳を計量しよく混合した。これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表22に示す。
【0066】
【表21】

【0067】
【表22】

【0068】
表22の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が著しく増加するとの評価を得た。
〔試験例12〕
【0069】
乳飲料(カフェラッテ)での評価
比較例12 コーン油のみ(コントロール)
実施例18 希釈AATG
乳飲料:森永乳業(株)製 Mt.RAINIER
表23に示すように、比較例12〜実施例18と乳飲料を計量しよく混合した。これを味覚パネラー5人で官能評価を実施した。結果は、表24に示す。
【0070】
【表23】

【0071】
【表24】

【0072】
表24の結果から、AATGを添加することにより、明らかに甘味が増加するとの評価を得た。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体から成る甘味増強剤。
【請求項2】
長鎖高度不飽和脂肪酸および/またはそのエステル体が酸化処理されていることを特徴とする、請求項1に記載の甘味増強剤。
【請求項3】
長鎖高度不飽和脂肪酸がアラキドン酸である請求項1、2に記載の甘味増強剤。
【請求項4】
長鎖高度不飽和脂肪酸が微生物由来である請求項1〜3に記載の甘味増強剤。
【請求項5】
請求項1〜4に記載の甘味増強剤を添加することを特徴とする、飲食品の甘味増強方法。
【請求項6】
請求項5に記載された方法を用いて調味および/または調理された甘味増強飲食品。


【公開番号】特開2009−284859(P2009−284859A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142755(P2008−142755)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(302042678)株式会社J−オイルミルズ (75)
【Fターム(参考)】