説明

飲食店用サービスシステム

【課題】人件費を抑制することができるとともに、お客様へ良質なサービスを提供することができる飲食店用サービスシステムを提供する。
【解決手段】発券機カメラ72から、食券を買ったお客様の発券機カメラ映像情報信号を受け、この発券機カメラ映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い、発券機カメラ人物特定情報信号を生成し、出力するとともに、追尾カメラ76からのお客様の追尾カメラ映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い追尾カメラ人物特定情報信号を生成し、そのお客様が着席するまで追尾し、着席したことを確認して、座席番号情報信号を生成し、この座席番号情報信号と発券機カメラ人物特定情報信号と追尾カメラ人物特定情報信号を紐付けして着席情報信号を生成し、それを出力する追尾サーバー74、およびメインサーバー40を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店用サービスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、役所、企業、電鉄の駅構内、アミューズメント施設等に設けられる食堂、レストラン等においては、人件費の抑制、発券の効率化等のために、入場者に対して予め自動券売機(以下、単に券売機と呼ぶ)により発券を行なうシステムを採用することが多い。また、利用者が券売機により食券を購入すると、その情報を厨房側に通知してパネルに表示し、調理の順番を自動的に管理するシステムも実現されている。
【0003】
また、人件費の抑制のため、セルフサービスの飲食店も増えてきており、例えば、特開2003−248869公報(特許文献1)では、メニューボタンを押して所定のメニューを購入してから料理が提供されるまでの顧客の待ち時間を短くできるとともに、料理の提供間違えなどのトラブルが発生するのを防ぐことができ、さらに厨房側と配膳側の夫々のモニタで必要な情報を画面表示することができる、セルフサービス飲食店用サービスシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2003−248869公報
【0004】
この特許文献1に開示されたセルフサービス飲食店用サービスシステムは、整理番号等を記憶可能な記憶カードを、メニューボタンを押すことにより発行する券売機、調理場およびホール内に設置され、上記券売機のメニューボタン操作により注文されたメニューおよび整理番号を所定位置に表示する厨房モニタおよび配膳モニタ、調理完了入力ないし配膳完了入力により上記厨房モニタおよび配膳モニタに表示された該当メニューを消し、整理番号を介して顧客に調理済みを知らせる手段を設けるとともに、顧客から前記記憶カードを受け取って端末機で読み取らせることにより、厨房モニタおよび配膳モニタから上記整理番号を消すようにしたことを特徴とするものである。
【0005】
このようなセルフサービス飲食店用サービスシステムによれば、効率よく調理ができ、しかも商品の提供間違いがないので、店側には、メリットが大きいものの、お客様はわざわざ調理場とお客様ホールを仕切るカウンターまで調理済みの商品を取りに行かなければならず、はなはだ面倒であるので、お客様へのサービスのため、セルフサービスへの切り替えを嫌う店が多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、人件費を抑制することができるとともに、お客様へ良質なサービスを提供することができる飲食店用サービスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題は、以下の(1)〜(10)の構成の本発明の飲食店用サービスシステムにより解決される。
(1)
整理番号情報および注文飲食物内容情報を担持した食券を、注文飲食物ボタンを押すことにより発行する発券機、
前記食券に担持された情報の信号である食券担持情報信号を出力する第1出力手段、
調理場内に設置された調理場モニタ、
食券を買ったお客様の映像を取得し,その映像情報信号を出力する発券機カメラ、
前記のお客様を着席するまで追尾するため、お客様ホール内に死角が無いように複数配置され、お客様の映像を取得し、その映像情報信号を出力する追尾カメラ、
前記発券機カメラからのそのお客様の発券機カメラ映像情報信号を受け、この発券機カメラ映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い、発券機カメラ人物特定情報信号を生成し、出力するとともに、前記追尾カメラからのお客様の追尾カメラ映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い追尾カメラ人物特定情報信号を生成し、そのお客様が着席するまで追尾し、着席したことを確認して、座席番号情報信号を生成し、この座席番号情報信号と発券機カメラ人物特定情報信号と追尾カメラ人物特定情報信号を紐付けして着席情報信号を生成し、それを出力する追尾サーバー、および
メインサーバーを備え、
このメインサーバーは、前記食券担持情報信号を入力し、それを記憶すると同時に、注文された注文飲食物および整理番号を前記調理場モニタに表示するとともに、前記追尾サーバーが出力した食券を買い終わった直後のそのお客様の発券機カメラ人物特定情報信号を入力し、前記食券担持情報信号とこの発券機カメラ人物特定情報信号を紐付けを行い、ついで
前記メインサーバーは、追尾サーバーからの前記着席番号情報信号を受け、この着席番号情報信号の発券機カメラ人物特定情報信号を該メインサーバーが記憶している前記食券担持情報信号に紐付けられた発券機カメラ人物特定情報信号に照らし、同一のとき前記着席情報信号の座席番号情報信号を、紐付けられた前記食券担持情報信号および発券機カメラ人物特定情報信号に紐付けると共に、前記調理場モニタに整理番号、注文飲食物内容および座席番号を関連付けて表示させ、
以上によりその注文飲食物をどこに配膳すべきかが分かるようにしたことを特徴とする飲食店用サービスシステム。
(2)
更に、エスコートタッチパネル端末を備え、
前記追尾カメラは、常時着席状態を監視しており、前記追尾サーバーは、追尾カメラからの監視映像信号から着席状態情報信号を生成し、それを前記メインサーバーに出力し、メインサーバーは、前記着席状態情報信号に前記座席番号情報を照らし、異常があったときその異常を前記エスコートタッチパネル端末のタッチパネルに表示するようにした上記(1)の飲食店用サービスシステム。
(3)
更に、お客様ホールに配置された各座席前テーブルおよび/またはカウンタに配置され、前記食券に担持された情報を読み取る読み取り手段、座席に対応した座席番号情報を記憶した記憶手段、前記読み取り手段が前記食券に担持された情報を読み取ったとき、前記記憶手段から当該座席の座席番号情報を読み出し、この座席番号情報と、前記読み取り手段が読み取った情報の内少なくとも整理番号情報とを紐付ける紐付け手段、およびこの紐付け手段により紐付けられた座席番号情報信号と整理番号情報信号を前記メインサーバーに出力する出力手段を備え、前記メインサーバーは、前記紐付け手段により紐付けられた座席番号情報信号と整理番号情報信号を、紐付けられた前記食券担持情報信号と発券機カメラ人物特定情報信号と座席番号情報信号に照らし、異常が無いかを判断する上記(1)または(2)の飲食店用サービスシステム。
(4)
前記異常があったとき、前記エスコートタッチパネル端末のタッチパネルに表示する上記(3)の飲食店用サービスシステム。
(5)
食券が、整理番号情報および注文飲食物内容情報をバーコードにより担持した(3)または(4)の飲食店用サービスシステム。
(6)
食券が、整理番号情報および注文飲食物内容情報をICタグにより担持した(3)または(4)の飲食店用サービスシステム。
(7)
前記調理場から各座席まで注文飲食物容器を搬送できるように延びる注文搬送路に注文飲食物を載置した注文飲食物容器トレイを配置して、該注文飲食物容器をお客様の座席まで搬送する注文搬送装置を更に備え、該注文搬送装置は注文搬送路上の注文飲食物容器が当該お客様の座席位置近傍にきたときに停止する停止手段を有する上記(1)(6)のいずれかに記載の飲食店用サービスシステム。
(8)
前記注文飲食物容器には少なくとも当該お客様の座席番号情報が入力されたICタグが付され、前記座席番号情報に基づいて停止手段が作動する上記(7)の飲食店用サービスシステム。
(9)
前記ICタグの情報読取手段は注文搬送路の始端近傍に設けられている上記(8)の飲食店用サービスシステム。
(10)
前記ICタグの情報読取手段は注文搬送路の長手方向に沿った各お客様の座席位置近傍に設けられている上記(8)の飲食店用サービスシステム。
(11)
前記注文飲食物容器には各容器毎に容器IDが付されており、注文飲食物容器が停止すべき当該お客様の座席番号情報が容器IDと対応して記憶され、該座席番号情報に基づいて停止手段が作動する上記(7)〜(10)のいずれかに記載の飲食店用サービスシステム。
(12)
前記容器IDの情報読取手段は注文搬送路の始端近傍に設けられている上記(11)の飲食店用サービスシステム。
(13)
前記容器IDの情報読取手段は注文搬送路の長手方向に沿った各お客様の座席位置に設けられている上記(11)の飲食店用サービスシステム。
(14)
更に、飲食店店舗の入口に、前記発券機カメラとは別の角度でお客様の映像を取得する入口店内カメラが設けられ、追尾サーバーは、この入口店内カメラおよび前記発券機カメラからのそのお客様の映像情報信号を受け、これらの映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い、これに基づき発券機カメラ人物特定情報信号を生成し、出力する上記(1)〜(13)のいずれかに記載の飲食店用サービスシステム。
【発明の効果】
【0008】
以上の構造をもつ、本発明の飲食店用サービスシステムによれば、整理番号と注文飲食物に加えて座席番号を調理場モニタに表示するようにして、その注文飲食物をどこに配膳すべきかが分かるようにしたことにより、セルフサービスでなく、お客様へ十分なサービスができると共に、いわゆる「もぎり」という作業が不要になるので、人件費を大幅に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】飲食店店舗の内部配置を示す平面図である。
【図2】本発明の実施の形態による飲食店用サービスシステムの機能を説明するためのブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態による飲食店用サービスシステムに使用される注文搬送装置の概要を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態による飲食店用サービスシステムについて説明する。
【0011】
図1は、飲食店店舗10の内部配置を示す図であり、符号12はお客様ホールを、符号14は調理場をそれぞれ示す。
【0012】
お客様ホール12の出入り口近傍には、食券Tを発行する発券機16が設置されている。この発券機16は、図2に示したように、CPU等からなる制御手段18、この制御手段18に接続されたメニューパネル20、前記制御手段18に接続された印刷・発券制御手段22およびこの印刷・発券制御手段22に接続された印刷・発券手段24を備えている。
【0013】
前記メニューパネル20は、液晶や有機EL等で構成され、メニュー(注文飲食物)内容(タッチキーの形で示されている)や投入された金額、釣り銭などを表示するものであり、タッチパネル形式となっている。メニューパネル20は、該メニューパネル20に表示されたメニューがお客様によってタッチされると、注文飲食物内容情報信号S1を出力する。
【0014】
前記印刷・発券手段24は、実際に食券Tを発行するものである。
【0015】
前記制御手段18は、前記メニューパネル20からの注文飲食物内容情報信号S1を入力し、その注文飲食物内容情報信号S1に連続した番号である整理番号情報を紐付け、新たに印刷・発券制御信号S2を形成し、それを印刷・発券制御手段22に出力する。
【0016】
印刷・発券制御手段22は、制御手段18からの印刷・発券制御信号S2を入力し、その印刷・発券制御信号S2に従って、表面には実際の注文飲食物内容(例えば、牛丼)や整理番号(例えば、0001234)が書き込まれ、裏面にはその注文飲食物内容および整理番号を表すバーコードB(1次元、2次元)が書き込まれた食券T(図1)を発行する。
【0017】
お客様ホール12内には、調理場14からお客様ホール12内部に延びる注文搬送装置30の注文搬送路32が設置され、その注文搬送路32を挟んで、その両側に4人掛けのテーブル34が複数設けられている。注文搬送路32の両側には、カウンタを配置してもよい。
【0018】
前記テーブル34のおのおのの表面には、食券センサー付き制御手段36−1、36−2、36−3、36−4・・・・・36−nが設けられている。この食券センサー付き制御手段は、その食券センサー付き制御手段が配置されている座席の座席番号情報を予め記憶している。食券センサーで、前記食券Tの裏面に表示されたバーコードBから注文飲食物内容情報および整理番号情報を読み取り、それらの情報と、その食券センサー付き制御手段が配置されている座席の座席番号情報を紐付けて、食券・座席情報信号S3を出力するものである。
【0019】
調理場14には、モニター付きメインサーバー40、タッチパネル式モニターを有する第1および第2調理用端末42,44、タッチパネル式モニターを有し、前記注文搬送装置30の各注文搬送路32における注文飲食物容器の搬送を制御する第1、第2および第3搬送制御手段46,48および50が配置されている。
【0020】
前記メインサーバー40は、CPU等からなる制御手段52を備えており、この制御手段52は、入出力制御手段53を介して、発券機16の制御手段18に接続されている。前記制御手段52には、調理用端末制御手段54および注文搬送装置制御手段56が接続されており、調理用端末制御手段54は入出力制御手段58を介して第1および第2調理用端末42,44に、注文搬送装置制御手段56は前記入出力制御手段58を介して第1、第2および第3搬送制御手段46,48および50にそれぞれ接続されている。
【0021】
図3は、注文搬送装置30の横断面図である。この注文搬送装置30は、前記した注文搬送路32を3本備えている。各注文搬送路32は、その中央に長手方向に延びるレール60を有している。そして、注文搬送路32の上には、搬送用トレイ62が注文搬送路32の長手方向に往復動可能に設置されている。この搬送用トレイ62は、モーター等を含む駆動手段(図示せず)により駆動され、この駆動手段は、第1、第2および第3搬送制御手段46,48および50により、その始動および停止が制御されるようになっている。いじょうにより、注文飲食物容器Dが載置された搬送用トレイ62は、自動的にそれを注文したお客様の座席(テーブル34)まで移動するようになっている。
【0022】
つぎに、以上説明した本発明の実施の形態による飲食店用サービスシステム10の実際の作動について説明する。
【0023】
先ず、お客様が、発券機16の金銭投入口からお金を入れ、メニューパネル20の所定のメニューキー(牛丼)をタッチすると、注文飲食物内容情報信号S1として牛丼情報信号が制御手段18に出力される。制御手段18は、この牛丼情報信号に、整理番号情報0001234(例えば、今月に入って1234番目のお客様)を紐付け、あらたに整理番号0001234・牛丼信号S2を形成し、これを印刷・発券制御手段22に出力する。
【0024】
印刷・発券制御手段22は、制御手段18からの整理番号0001234・牛丼信号S2を入力し、その整理番号0001234・牛丼信号S2に従って、表面には実際の注文飲食物内容である牛丼および整理番号である0001234が書き込まれ、裏面にはその注文飲食物内容である牛丼および整理番号である0001234を表すバーコードBが書き込まれた食券Tを発行する。
【0025】
また、前記の整理番号0001234・牛丼信号S2は、メインサーバー40にも送信される。制御手段52は、入出力制御手段53を介して前記整理番号0001234・牛丼信号S2を入力し、それを一時的に記憶するとともに、一方では、該整理番号0001234・牛丼信号S2を調理用端末制御手段54に出力する。
【0026】
調理用端末制御手段54は、上記整理番号0001234・牛丼信号S2を入出力制御手段58を介して入力し。その整理番号0001234・牛丼信号S2に従って、第1および第2調理用端末42,44のいずれかを作動制御して、そのタッチパネルに整理番号0001234・牛丼を表示させる。第1および第2調理用端末42,44のいずれかは、これと同時に、上記整理番号0001234・牛丼信号S2を記憶する。調理人は、タッチパネルの表示を見て、調理に取りかかる。
【0027】
一方、食券を手にしたお客様が、空いている好きなテーブル(ここでは、3番目のテーブルとし、符号を34−3とした)の座席に着席し、食券をバーコードBが記載されている側を下にして,食券センサー付き制御手段36−3の上に置くと、食券センサー付き制御手段36−3は、食券センサーでバーコードBを読み取り、お客様が着席している座席の座席番号情報を紐付けて、食券・座席情報信号S3である整理番号0001234・牛丼・座席3信号を出力する。
【0028】
制御手段52は、入出力制御手段53を介して前記の整理番号0001234・牛丼・座席3信号を入力し、この整理番号0001234・牛丼・座席3信号を調理用端末制御手段54に出力する。この調理用端末制御手段54は、入出力制御手段58を介して、第1および第2調理用端末42,44のいずれかに入力されている前記の前記の整理番号0001234・牛丼信号を前記の整理番号0001234・牛丼・座席3信号に置き換えるとともに、タッチパネルに整理番号0001234・牛丼・座席3を表示する。
【0029】
制御手段52は、並行して、整理番号0001234・牛丼・座席3信号を注文搬送装置制御手段56に出力する。この注文搬送装置制御手段56は、入出力制御手段58を介して前記の整理番号0001234・牛丼・座席3を第1搬送路制御手段に46に出力する。搬送路制御手段は、タッチパネルを有していることが好ましく、このタッチパネルに整理番号0001234・牛丼・座席3を表示する。
【0030】
調理者は、調理用端末のタッチパネルの表示(整理番号0001234・牛丼・座席3)と第1搬送路制御手段46のタッチパネルの表示(整理番号0001234・牛丼・座席3)を参照し、仕上がった注文飲食物容器Dの内容と座席を確認し、確認の上で注文飲食物容器Dを図の一番上の注文搬送路32の搬送用トレイ62上に置き、第1搬送路制御手段46のタッチパネルの表示(整理番号0001234・牛丼・座席3)にタッチする。
【0031】
すると、第1搬送路制御手段46は、注文飲食物容器Dが載置された搬送用トレイ62を、第1搬送路制御手段46の記憶手段が記憶している座席番号の所まで移動し、そして停止する。そして、お客様が、注文飲食物容器Dを受け取ると、搬送用トレイ62に元の位置まで戻る。お客様が注文飲食物容器Dを受け取ったかどうかは、搬送用トレイ62に重量センサー等を配しておき、それによって検知することができる。
【0032】
また、第1搬送路制御手段46のタッチパネルの表示(整理番号0001234・牛丼・座席3)がタッチされると、該タッチパネルの表示(整理番号0001234・牛丼・座席3)が消されると共に、全ての制御手段のタッチパネル(あるいはモニター)の前記の表示(整理番号0001234・牛丼・座席3)が消し込まれる。
以上により、店側としては、もぎり、配膳の必要がなくなり、その分の人件費が不要となり、かつお客様側としては、セルフサービスのようにいちいち配膳カウンターに行く必要がなくなり、便利である。
【0033】
上記した例では、整理番号や注文内容の情報を食券に担持させる方法として、バーコードを用いたが、食券の一部にICタグを配置し、これに上記情報を書き込むようにしてもよい。この場合には、食券センサー付き制御手段の食券センサーは、ICタグリーダーとする。
【0034】
また、上記した例では、搬送用トレイ62の所定位置での停止を搬送路制御手段により、搬送用トレイ62の駆動手段を制御することにより行うと説明したが、以下のような別の方法で実行してもよい。
【0035】
搬送路の各テーブル位置に搬送用トレイ62の停止手段を設けておき、また前記の注文飲食物容器に当該お客様の座席番号情報が入力されたICタグを付すとともに、各テーブルにICタグリーダーを設けておき、このICタグリーダーがICタグの情報を読み取り、その読み取った座席番号情報が、そのテーブルのものだったとき、前記の停止手段を作動して搬送用トレイ62を停止するようにしてもよい。
【0036】
前記注文飲食物容器には各容器毎に容器IDが付されており、注文飲食物容器が停止すべき当該お客様の座席番号情報が容器IDと対応して記憶され、該座席番号情報に基づいて停止手段が作動するようにしてもよい。
【0037】
前記ICタグの情報読取手段であるICタグリーダーは注文搬送路の始端近傍に設けられていてもよい。当該お客様の座席と上記の始端との距離を演算し、その演算した距離に基づいて搬送用トレイ62を停止するようにしてもよい。前記容器DのICタグリーダーは、注文搬送路の長手方向に沿った各お客様の座席位置に設けられていてもよい。
【0038】
このICタグリーダーは、食券センサーとしてのICタグリーダーが兼ねてもよい。
【0039】
お客様が着座した座席の特定は、次のようにしても良い。
【0040】
まず、店舗の入口には入口店内カメラ70が、そして発券機16には発券機カメラ72が配置されている。入口店内カメラ70は、お客様が入店したことを確認し、食券Tを買ったお客様の映像を取得し,その映像情報信号を出力するカメラである。
また、発券機カメラ72は、食券Tを買ったお客様の映像(特に顔)を取得し,その映像情報信号を出力するカメラである。
【0041】
上記入口店内カメラ70および発券機カメラ72は、追尾サーバー74に接続されており、
追尾サーバー74は、入口店内カメラ70からの映像情報信号を入力して、この映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い(例えば、身長、髪型、服装、色などによる)、店内カメラ人物特定情報信号を生成し、出力する。
また、そのお客様が発券機カメラ72の視界の中に入ったとき、そのお客様の映像情報信号を入力して、この映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い(例えば、そのお客様の顔の特徴)、発券機カメラ人物特定情報信号を生成し、出力する。後に詳細に説明するが、これらの店内カメラ人物特定情報信号および発券機カメラ人物特定情報信号は、上記メインサーバー40に送られ、メインサーバー40は、お客様が発券機カメラ72の視界から外れたとき、これらの信号を紐付け、お客様全体の人物特定情報信号とする。後のお客様の追尾においては、店内カメラからの情報信号をこのお客様全体の人物特定情報信号に照らし、特徴点が多く合致する人物を追尾すべきお客様と判定する。
【0042】
お客様ホール12内には、前記のお客様を着席するまで追尾するため、お客様ホール内に死角が無いように複数配置され、お客様の映像を取得し、その映像情報信号を出力する追尾カメラ76−1、76−2、76−3、76−4・・・・・・76−nが配置されている。
【0043】
これらの追尾カメラ76−1、76−2、76−3、76−4・・・・・・76−nは、上記発券機カメラ72と同様に追尾サーバー74に接続されている。追尾サーバー74は、入出力制御手段78、CPUで構成された制御手段80、およびこの制御手段80に接続された記憶手段82を備えており、追尾カメラ76−1、76−2、76−3、76−4・・・・・・76−nからの映像情報信号を入力し、上記発券機カメラ72からの映像情報信号の場合と同様に、この映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い(例えば、そのお客様の顔の特徴、身長、髪型、服装、色などによる)、店内カメラ人物特定情報信号を生成し、出力する。
【0044】
メインサーバー40は、そのお客様が、発券機カメラ72の視界から外れたとき、発券機カメラ人物特定情報信号および追尾カメラ人物特定情報信号を入力し、すでに入力している食券担持情報信号と紐付ける。
【0045】
上記追尾サーバー74は、上記したようにそのお客様が、発券機カメラ72の視界から外れた後、追尾カメラからの映像情報信号に基づきそのお客様が着席するまで追尾し、着席したことを確認して、座席番号情報信号を生成し、この座席番号情報信号と発券機カメラ人物特定情報信号と追尾カメラ人物特定情報信号を紐付けして着席情報信号を生成し、それを出力する。例えば、上記の例では、お客様は、テーブル34−3に着席したのであるから、追尾サーバー74は、追尾カメラ76−1、76−2、76−3の映像情報信号を受け、追尾カメラ76−3からの映像情報信号により、そのお客様がテーブル34−3に着席したことを確認して、上記着席情報信号を生成し、それをメインサーバー40に出力する。
【0046】
メインサーバー40は、追尾サーバーからの前記着席情報信号を受け、この着席情報信号の発券機カメラ人物特定情報信号を該メインサーバーが記憶している前記食券担持情報信号に紐付けられた発券機カメラ人物特定情報信号に照らし、同一のとき前記着席情報信号の座席番号情報信号を、紐付けられた前記食券担持情報信号および発券機カメラ人物特定情報信号に紐付けると共に、前記調理場モニタ42または44に整理番号、注文飲食物内容および座席番号を関連付けて表示させる。注文飲食物容器の搬送は、上記と同様である。
【0047】
上記メインサーバー40には、更に、エスコートタッチパネル端末84が接続されており、
前記追尾カメラは、常時着席状態を監視しており、前記追尾サーバーは、追尾カメラからの監視映像信号から着席状態情報信号を生成し、それを前記メインサーバーに出力し、メインサーバーは、前記着席状態情報信号に前記座席番号情報を照らし、異常があったときその異常を前記エスコートタッチパネル端末84のタッチパネルに表示するようになっている。
これにより、従業員は、以上着席状態を知ることができ、それを是正することができる。
【0048】
上記システムにおいては、上記の追尾カメラおよび追尾サーバーにより、お客様が、トイレに行った場合や、一旦着席したのち、席を替わった場合等も、対処できる。また、食券担持情報信号による着席番号情報と、追尾サーバーによる着席番号情報を組み合わせば、より正確に着席状態を管理することができる。
【符号の説明】
【0049】
10 飲食店店舗
12 お客様ホール
14 調理場
16 発券機
18 制御手段
20 メニューパネル
22 印刷・発券制御手段
24 印刷・発券手段
30 注文搬送装置
32 注文搬送路
34 テーブル
36−1、2、3、4・・・n 食券センサー付き制御手段
40 モニター付きメインサーバー
42 第1調理用端末
44 第2調理用端末
46 第1搬送制御手段
48 第2搬送制御手段
50 第3搬送制御手段
52 制御手段
53 入出力制御手段
54 調理用端末制御手段
56 注文搬送装置制御手段
58 入出力制御手段
60 レール
62 搬送用トレイ
70 入口店内カメラ
72 発券機カメラ
74 追尾サーバー
76−1,2,3,4・・・n 追尾カメラ
78 入出力制御手段
80 制御手段
82 記憶手段
84 エスコートタッチパネル端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
整理番号情報および注文飲食物内容情報を担持した食券を、注文飲食物ボタンを押すことにより発行する発券機、
前記食券に担持された情報の信号である食券担持情報信号を出力する第1出力手段、
調理場内に設置された調理場モニタ、
食券を買ったお客様の映像を取得し,その映像情報信号を出力する発券機カメラ、
前記のお客様を着席するまで追尾するため、お客様ホール内に死角が無いように複数配置され、お客様の映像を取得し、その映像情報信号を出力する追尾カメラ、
前記発券機カメラからのそのお客様の発券機カメラ映像情報信号を受け、この発券機カメラ映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い、発券機カメラ人物特定情報信号を生成し、出力するとともに、前記追尾カメラからのお客様の追尾カメラ映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い追尾カメラ人物特定情報信号を生成し、そのお客様が着席するまで追尾し、着席したことを確認して、座席番号情報信号を生成し、この座席番号情報信号と発券機カメラ人物特定情報信号と追尾カメラ人物特定情報信号を紐付けして着席情報信号を生成し、それを出力する追尾サーバー、および
メインサーバーを備え、
このメインサーバーは、前記食券担持情報信号を入力し、それを記憶すると同時に、注文された注文飲食物および整理番号を前記調理場モニタに表示するとともに、前記追尾サーバーが出力した食券を買い終わった直後のそのお客様の発券機カメラ人物特定情報信号を入力し、前記食券担持情報信号とこの発券機カメラ人物特定情報信号食券担持情報信号を紐付けを行い、ついで
前記メインサーバーは、追尾サーバーからの前記着席情報信号を受け、この着席情報信号の発券機カメラ人物特定情報信号を該メインサーバーが記憶している前記食券担持情報信号に紐付けられた発券機カメラ人物特定情報信号に照らし、同一のとき前記着席情報信号の座席番号情報信号を、紐付けられた前記食券担持情報信号および発券機カメラ人物特定情報信号に紐付けると共に、前記調理場モニタに整理番号、注文飲食物内容および座席番号を関連付けて表示させ、
以上によりその注文飲食物をどこに配膳すべきかが分かるようにしたことを特徴とする飲食店用サービスシステム。
【請求項2】
更に、エスコートタッチパネル端末を備え、
前記追尾カメラは、常時着席状態を監視しており、前記追尾サーバーは、追尾カメラからの監視映像信号から着席状態情報信号を生成し、それを前記メインサーバーに出力し、メインサーバーは、前記着席状態情報信号に前記座席番号情報を照らし、異常があったときその異常を前記エスコートタッチパネル端末のタッチパネルに表示するようにした請求項1の飲食店用サービスシステム。
【請求項3】
更に、お客様ホールに配置された各座席前テーブルおよび/またはカウンタに配置され、前記食券に担持された情報を読み取る読み取り手段、座席に対応した座席番号情報を記憶した記憶手段、前記読み取り手段が前記食券に担持された情報を読み取ったとき、前記記憶手段から当該座席の座席番号情報を読み出し、この座席番号情報と、前記読み取り手段が読み取った情報の内少なくとも整理番号情報とを紐付ける紐付け手段、およびこの紐付け手段により紐付けられた座席番号情報信号と整理番号情報信号を前記メインサーバーに出力する出力手段を備え、前記メインサーバーは、前記紐付け手段により紐付けられた座席番号情報信号と整理番号情報信号を、紐付けられた前記食券担持情報信号と発券機カメラ人物特定情報信号と座席番号情報信号に照らし、異常が無いかを判断する請求項1または2の飲食店用サービスシステム。
【請求項4】
前記異常があったとき、前記エスコートタッチパネル端末のタッチパネルに表示する請求項3の飲食店用サービスシステム。
【請求項5】
食券が、整理番号情報および注文飲食物内容情報をバーコードにより担持した請求項3または4の飲食店用サービスシステム。
【請求項6】
食券が、整理番号情報および注文飲食物内容情報をICタグにより担持した請求項3または4の飲食店用サービスシステム。
【請求項7】
前記調理場から各座席まで注文飲食物容器を搬送できるように延びる注文搬送路に注文飲食物を載置した注文飲食物容器トレイを配置して、該注文飲食物容器をお客様の座席まで搬送する注文搬送装置を更に備え、該注文搬送装置は注文搬送路上の注文飲食物容器が当該お客様の座席位置近傍にきたときに停止する停止手段を有する請求項1〜6のいずれかに記載の飲食店用サービスシステム。
【請求項8】
前記注文飲食物容器には少なくとも当該お客様の座席番号情報が入力されたICタグが付され、前記座席番号情報に基づいて停止手段が作動する請求項7の飲食店用サービスシステム。
【請求項9】
前記ICタグの情報読取手段は注文搬送路の始端近傍に設けられている請求項8の飲食店用サービスシステム。
【請求項10】
前記ICタグの情報読取手段は注文搬送路の長手方向に沿った各お客様の座席位置近傍に設けられている請求項8の飲食店用サービスシステム。
【請求項11】
前記注文飲食物容器には各容器毎に容器IDが付されており、注文飲食物容器が停止すべき当該お客様の座席番号情報が容器IDと対応して記憶され、該座席番号情報に基づいて停止手段が作動する請求項7〜10のいずれかに記載の飲食店用サービスシステム。
【請求項12】
前記容器IDの情報読取手段は注文搬送路の始端近傍に設けられている請求項11の飲食店用サービスシステム。
【請求項13】
前記容器IDの情報読取手段は注文搬送路の長手方向に沿った各お客様の座席位置に設けられている請求項11の飲食店用サービスシステム。
【請求項14】
更に、飲食店店舗の入口に、前記発券機カメラとは別の角度でお客様の映像を取得する入口店内カメラが設けられ、追尾サーバーは、この入口店内カメラおよび前記発券機カメラからのそのお客様の映像情報信号を受け、これらの映像情報信号に基づきそのお客様の人物特定を行い、これに基づき発券機カメラ人物特定情報信号を生成し、出力する請求項1〜13のいずれかに記載の飲食店用サービスシステム。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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