説明

飼料製品および動物用薬品の着色

本発明は、動物飼料および動物用薬物を着色するための、プレート形態基材に基づいた、効果をもたらす顔料の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料製品および動物用医薬品を着色するためのフレーク形態基材に基づくエフェクト顔料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
機能的な用途のほかに、エフェクト顔料はまた、製品の視覚的向上のためにますます用いられつつある。食品および医薬品の分野に由来する製品を着色するための真珠光沢顔料または干渉顔料の使用が国際特許出願公開WO00/03609および同WO03/063616から知られている。魚用餌におけるTiO2/マイカ顔料の使用が国際特許出願公開WO98/56261に開示されている。エフェクト顔料がその対応する厳しい純度規制および品質規制のもとで製造される限り、エフェクト顔料を、飼料製品の可視化および識別性を改善するために動物飼料分野で用いることも可能である。
【0003】
本発明の目的は、動物に対して飼料の視覚的な引き寄せを増すことによって飼料量を増大することである。改善された飼料摂取により動物による飼料利用が改善される。このことはまた、利用されない飼料製品残留物の量を著しく低下させる。飼料製品残留物は、飼料区域や水場での微生物や残留物レベルの増加という形で不都合な影響を与えることがある。飼料製品残留物はまた、浄化および廃水処理のための費用の増加にも関連する。
【0004】
驚くべきことに、今回、エフェクト顔料が飼料製品と混合されると、動物による飼料摂取量を増大できることが見出されている。飼料製品の視覚的引き寄せの増大はさらには、動物による飼料のより容易な認識を可能にする。さらなる利点は、着色することにより、動物飼育者による、種々の有効成分添加物(例えば、ビタミン、酵素、微量元素、必須脂肪および/またはミネラル)を伴う飼料製品のより良好な可視化および識別が可能になるということである。このことは、個々の飼料製品の誤認または過剰投与から生じる危険性を減少させる。この方法は、また動物用医薬品の視覚的な識別および確認のために非常に好適である。
【0005】
エフェクト顔料によるこの視覚的な引き寄せの増大はまた、いわゆる引き寄せおよびおとり用の餌製品(例えば、釣り用の餌など)にも問題なく使用することができる。これは、動物が、この方法で着色された誘引性の餌、すなわちおとりによく気づくからである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、飼料(餌)製品および動物用医薬品におけるエフェクト顔料の使用に関する。
【0007】
着色するのに好適なすべての飼料製品および動物用医薬品を、エフェクト顔料を使用して視覚的に向上させることができる。飼料製品はすべての投与形態のものが可能であり、例えば、粉末、粒状物、ペレット、押し出し物、圧縮成型製品、発泡製品、顆粒、液体形態のものなどが可能である。好ましい飼料製品は、経口投与される飼料製品である。
【0008】
着色された動物用医薬品は、粉末物として、または圧縮形態(例えば、錠剤、糖衣錠、ゼラチンカプセル、坐薬)で、または液体形態(例えば、せき止め混合物)で投与することができる。
【0009】
着色される飼料製品はすべての飼料分野に由来し得る(例えば、魚用餌、ペットフード、肥育用飼料、高濃度飼料、鳥類および家禽の餌、ドッグフードおよびキャットフード、おとり用および誘引性の餌など)。着色される飼料製品は動物起源でも植物起源でもよい。好適な被覆組成物によって、例えば、穀粒、種子または他の成長した飼料製品をエフェクト顔料で表面に着色することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
好適なエフェクト顔料は、具体的には、1層または複数層の金属酸化物により被覆されたフレーク形態の基材に基づく顔料である。特に好ましい金属酸化物は、TiO2、Fe23およびFe34、さらには、BiOCl、SiO2およびAl23である。特に、TiO2層および/またはFe34層を有するエフェクト顔料を、天然若しくは天然同一染料、着色顔料または着色性の果実若しくは植物抽出物、FD&C着色剤およびD&C着色剤と組み合わせると、飼料製品が動物に対する視覚的誘引性を増大することの助けとなる。
【0011】
動物飼料分野で承認されている着色された顔料(例えば、純粋な二酸化チタンE171)とは対照的に、フレーク形態の基材に基づくエフェクト顔料は、着色される媒体に非常に容易に分散させることができる。さらに、この方法で着色された飼料製品は、光および水分に対する向上した保護によって区別される。具体的には、ビタミン調製品はより長い寿命を有する。
【0012】
飼料製品および動物用医薬品には、非常に少量のエフェクト顔料による場合でさえ、新規な注目させる色相と、同時に新規な特性がもたらされることが見出された。優れた結果が、飼料製品または動物用医薬品に基づいてわずかに0.01重量%〜50.0重量%(好ましくは0.05重量%〜40重量%、特に0.1重量%〜30重量%)のエフェクト顔料を用いて製品を着色したときに得られる。
【0013】
エフェクト顔料が製造時に飼料製品または動物用医薬品と直接に混合される場合、使用されるエフェクト顔料の量は好ましくは0.5重量%〜30重量%であり、特に1重量%〜20重量%であり、非常に特に好ましくは3重量%〜10重量%である。飼料製品の表面処理の場合、使用範囲は、着色溶液または被覆溶液に基づいて0.1重量%〜25重量%であり、好ましくは0.5重量%〜20重量%であり、特に1重量%〜15重量%である。種々のエフェクト顔料の混合物を飼料製品または動物用医薬品に加えることも可能である。
【0014】
好適なエフェクト顔料は、1層のみの金属酸化物層により被覆される顔料と、その基材が数層(2層以上)を有する顔料の両方である。
【0015】
本発明によるエフェクト顔料のための好適なベース基材は透明または半透明なフレーク形態の基材である。好ましい基材はフィロケイ酸塩である。特に好適なものは、動物飼料または動物用医薬品における使用のためのそれぞれの法的許容性に依存して、天然および/または合成のマイカ、タルク、カオリン、フレーク形態の酸化鉄または酸化アルミニウム、ガラスフレーク、SiO2フレーク、TiO2フレーク、フレーク形態の混合酸化物(例えば、FeTiO3、FeTiO5など)、グラファイトフレーク等の材料である。基材の大きさは、それ自体は重要ではなく、特定の用途に合わせることができる。一般に、比較的大きな基材は、改善されたきらきら光る効果、その結果として、動物が餌を取るためのより良好な可視化をもたらす。一般に、フレーク形態の基材は厚さが0.005μm〜10μmであり、特に0.05μm〜5μmである。厚さ以外の2つ寸法は通常、1μm〜600μmであり、好ましくは2μm〜400μmであり、特に5μm〜150μmである。
【0016】
ベース基材が1層のみの金属酸化物層により被覆される場合、層の厚さは好ましくは5nm〜500nmであり、特に20nm〜450nmであり、非常に特に好ましくは40nm〜350nmである。多層化された顔料、好ましくは2層、3層、5層または7層を含有するものの場合、層全体の厚さは1000nmを超えてはならない。
【0017】
1層を有する好適なエフェクト顔料は好ましくは、TiO2、Fe23、Fe34、またはTiO2/Fe23の混合物により被覆されたマイカフレーク、ガラスフレーク、Al23フレークである。TiO2、Fe23またはFe34により被覆された、マイカに基づくエフェクト顔料が特に好ましい。TiO2はアナターゼ型態種またはルチル型態種のいずれでもよい。
【0018】
好適な多層化顔料は、具体的には、多層被覆された基材に基づく顔料であり、これは、交互になった高屈折率酸化物層および低屈折率酸化物層を有するという事実によってしばしば区別される。
【0019】
特に好適なものは、少なくとも1つの層配列(A)(B)(A)を有する、多層被覆されたフレーク形態の基材に基づく多層化顔料であり、この場合、
(A)は、二酸化チタンおよび/または酸化鉄(好ましくはFe23)からなる高屈折率の被覆であり、そして
(B)は、屈折率nが1.8以下である、好ましくはSiO2および/またはAl23を含む低屈折率の被覆である。
【0020】
ベース基材上にそれぞれ存在する高屈折率または低屈折率の個々の層(A)および層(B)の厚さは、顔料の光学的性質のためには非常に重要である。強い光沢作用を有する多層化顔料については、個々の層の厚さは互いに正確に設定しなければならない。
【0021】
層(A)の厚さは一般には10nm〜500nmであり、好ましくは20nm〜400nmであり、特に30nm〜350nmである。層(B)の厚さは一般には10nm〜500nmであり、好ましくは20nm〜400nmであり、特に30nm〜350nmである。
【0022】
顔料は複数の同一でも異なってもよい層パッケージの組合せを含むことができるが、基材は好ましくは、1つだけの層パッケージ(A)(B)(A)により被覆される。着色力を強化するために、本発明による顔料は4つまでの層パッケージを含むことができ、しかし、この場合、基材上のすべての層の厚さは3μmを超えてはならない。好ましくは奇数の数の層が、フレーク形態の基材に適用され、この場合、高屈折率層が最も内側の層および最も外側の層の両方に存在する。3層の光学的干渉層を配列(A)(B)(A)で有する構築物が特に好ましい。好適な高屈折率層は、好ましくは、TiO2、Fe23および/またはFe34の層である。この場合のTiO2はルチル型態種でもアナターゼ型態種でもよい。
【0023】
被覆(B)に好適な無色の低屈折率材料は、好ましくは、飼料製品および動物用医薬品における使用の法的承認に対応して、金属酸化物または対応する酸化物水和物(例えば、SiO2、Al23、AlO(OH)、B23、MgF2、MgSiO3など)、あるいは、前記金属酸化物の混合物である。層(B)は、特に好ましくはSiO2層である。
【0024】
公知の多層化顔料は、正確に規定された厚さおよび平滑な表面を有する複数の高屈折率干渉層および低屈折率干渉層を、細かく分割されたフレーク形態の基材の表面に作製することによって比較的容易に調製することができる。
【0025】
金属酸化物層が、好ましくは、湿式の化学的方法によって被覆される基材に適用され、この場合、真珠光沢顔料の製造に開発された湿式の化学的な被覆方法を使用することが可能である。このタイプの方法が、例えば、ドイツ国特許DE1467468、同DE1959988、同DE2009566、同DE2214545、同DE2215191、同DE2244298、同DE2313331、同DE2522572、同DE3137808、同DE3137809、同DE3151343、同DE3151354、同DE3151355、同DE3211602、同DE3235017に記載されており、また当業者に知られている他の特許文献や他の刊行物にも記載されている。
【0026】
さらに、被覆は気相被覆によって流動床反応装置においても行うことができ、この場合、例えば真珠光沢顔料の製造のための欧州特許EP0045851および同EP0106235において提案されるプロセスを対応して使用することが可能である。
【0027】
エフェクト顔料の色相は、被覆量またはそれから生じる層の厚さを種々選択することによって非常に広い範囲で変化させることができる。特定の色相についての細かい調節を、量の純然たる選択以外に、視覚的制御または測定技術制御のもとで所望の色に近づけることによって達成することができる。
【0028】
飼料製品または動物用医薬品のための特に好ましいエフェクト顔料は下記のいずれかの層構造を有する。
基材+TiO2
基材+Fe23
基材+Fe34
基材+TiO2+SiO2+TiO2
基材+TiO2+SiO2+Fe23
基材+TiO2+SiO2+Fe34
基材+TiO2+Al23+TiO2
基材+TiO2+Al23+Fe23
基材+TiO2+Al23+Fe23
基材+Fe23+SiO2+TiO2
基材+Fe34+SiO2+TiO2
基材+Fe23+Al23+TiO2
基材+Fe34+Al23+TiO2
基材+SiO2+TiO2
基材+SiO2+Fe23、および
基材+SiO2+Fe34
【0029】
特に、上記のエフェクト顔料は、マイカフレークに、さらには、ガラスフレーク、SiO2フレークまたはAl23フレークに基づくものが好ましい。
【0030】
使用されるエフェクト顔料は、好ましくは、Fe23、マグネタイトおよび/またはTiO2により被覆された天然マイカフレークまたは合成マイカフレークである。
【0031】
特に好ましいエフェクト顔料は、TiO2、Fe23、Fe34、TiO2/Fe23またはTiO2/Fe34により被覆されるマイカフレークである。飼料製品分野のために承認されている天然若しくは天然同一染料、有機若しくは無機の着色顔料、または着色性の天然果実若しくは植物の抽出物を混合することにより、製品におけるエフェクト顔料の色彩効果に影響を及ぼすことが可能になり、同時に、新規な虹色の色彩効果を達成することが可能になる。
【0032】
エフェクト顔料のほかに、当業者に知られているすべての天然若しくは天然同一染料をさらなる着色成分として飼料製品または動物用医薬品と混合することができる。特に、この場合、E101、E104、E110、E124、E131、E132、E140、E141、E151、E160aに言及しなければならない。さらに、他の着色された顔料をフレーク形態のエフェクト顔料と混合することもまた可能である(例えば、E171、E172、E153など)。
【0033】
エフェクト顔料のほかに、飼料製品を基準とした色素の割合は、好ましくは、0.5重量%〜25重量%の範囲である。用いられる色素は同様に、果実抽出物および植物抽出物(例えば、ニンジン絞り汁、ビートの根の絞り汁、アメリカニワトコ果汁、ハイビスカス果汁、パプリカ抽出物、アロニア抽出物など)が可能である。
【0034】
飼料製品分野および動物用医薬品として承認されているエフェクト顔料が、例えば、メルク社からカンドリン(登録商標)の商品名で市販されている。
【0035】
着色される製品におけるすべての顔料の総濃度は、製品を基準として50重量%を超えてはならない。着色される製品におけるすべての顔料の総濃度は一般には、具体的な用途に依存する。
【0036】
様々な有効成分添加物(例えば、ビタミン、酵素、微量元素、タンパク質、炭水化物、必須脂肪および/またはミネラルなど)もまた、飼料製品および動物用医薬品に加えることができ、この場合、有効成分の総量は、飼料製品または動物用医薬品に基づいて25重量%を超えてはならない。有効成分または有効成分混合物の量は好ましくは0.01重量%〜20重量%である。
【0037】
製品は、エフェクト顔料またはエフェクト顔料混合物を、単独で、または他の顔料若しくは着色剤との組合せで、直接にまたは所望の混合比での水および/または有機溶媒の存在下で、同時または連続的に、その製造中または製造後に、成形(例えば、押し出し、ペレット化、発泡、造粒)の前または後に、着色される製品に加えることによって着色される。エフェクト顔料を粉体状の飼料製品混合物または目の粗い飼料製品混合物と混合することも同様に可能である。
【0038】
エフェクト顔料は、また、飼料製品または動物用医薬品を成形後に着色するために表面に適用することができる。この場合、エフェクト顔料は、一般に、適用媒体と混合され、続いて、好適な塗装および噴霧デバイスを使用して製品に適用される。その後、適用すなわち被覆組成物は、製品表面への顔料の対応する接着を確実にする。その後、製品表面が対応して着色される。
【0039】
製品マトリックス自体に配合されるとき、使用されるエフェクト顔料の量は好ましくは0.5重量%〜40重量%であり、特に1重量%〜30重量%である。飼料製品または動物用医薬品調製物の表面着色の場合には、使用される着色溶液または被覆溶液において使用される量は0.1重量%〜25重量%の範囲であり、特に1重量%〜15重量%の範囲である。エフェクト顔料が粉体状製品で使用されるとき、使用範囲は0.05重量%〜50重量%であり、特に2重量%〜10重量%である。
【0040】
被覆溶液は、好ましくは、水または有機溶媒(例えば、エタノールまたはイソプロパノールなど)を含む。被覆溶液に用いられる薄膜形成体は、好ましくは、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)である。セルロース誘導体を含み、水の代わりに、5重量%〜80重量%の好適な有機溶媒を含む適用溶液が特に好ましい。
【0041】
水性の被覆溶液と比較した場合、アルコール性またはアルコールを含む水性のセルロース含有適用溶液は下記の著しい適用利点を有する:
・噴霧適用時における、より冷たい乾燥用空気が使用できる。
・熱に敏感な製品(例えば、ビタミン含有飼料製品)をエフェクト顔料により着色することが非常に容易に可能である。
【0042】
着色のために好適であるとして挙げることのできる他の製品は、特に、すべてのタイプの飼料製品における被覆であり、特に、着色された糖被覆物およびセラック被覆物(アルコール性および水性)、オイル、脂肪、デンプンおよびワックスによる被覆物、アラビアゴムそ、セルロース誘導体(例えば、HPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース)による被覆物、デンプン誘導体およびアルブミン誘導体による被覆物、カラギーナンおよび被覆に好適であると当業者に知られている他の物質による被覆物である。エフェクト顔料は一般に、この場合には適用媒体と混合され、続いて、好適な適用デバイスおよび噴霧デバイスを使用して、または、手によって飼料製品に適用される。その後、適用組成物または被覆組成物は飼料製品または動物用医薬品の表面への顔料の対応する接着を確実にする。その後、飼料製品または動物用医薬品の表面が対応して着色される。
【0043】
適用溶液および被覆溶液は、好ましくは0.1重量%〜20重量%のエフェクト顔料を含み、特に2重量%〜15重量%のエフェクト顔料を含む。
【0044】
被覆のための好ましい乾燥粉末混合物は、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなど)、離型剤(例えば、レシチンまたはステアリン酸など)、光沢増強剤(例えば、マルトデキストリンおよび/またはデキストロースなど)、および、エフェクト顔料またはエフェクト顔料混合物を含む。このタイプの乾燥粉末混合物は、好ましくは、エフェクト顔料を粉末混合物に基づいて0.01重量%〜50重量%(特に0.5重量%〜40重量%)の量で含む。必要ならば、色素、香料、ビタミン、甘味剤などをこのような乾燥粉末混合物に加えることができる。
【0045】
被覆された飼料製品および動物用医薬品の場合、エフェクト顔料と、香気物質(粉末または液体の香気物質)、酸および/または甘味剤(例えば、アスパルテームなど)との組合せは、視覚的効果を強調するために、また、味覚の点でも可能である。
【0046】
したがって、本発明は、1種以上のエフェクト顔料を、単独で、あるいは他の顔料/顔料混合物または色素(天然物または天然同一物)との組合せで、着色剤として含む、飼料製品および動物用医薬品の分野に由来するすべての配合物に関連する。
【実施例】
【0047】
下記の実施例は、本発明を限定するのではなく、本発明を説明することを意図するものである。
【0048】
使用例:
実施例1:ブタ肥育用飼料のペレット化
飼料製品混合物:初期嵩密度0.61kg/dm3、初期水分含有量8.62%のブタ用の仕上がった飼料
プレス機: カール14−175実験室プレス機
ローラー数: 2
回転速度: 112rpm
ローラー速度: 0.73m/s
金型: 直径 175*27*3.0mm
ピッチ: 6.0
圧縮比: 1:9.0
ペレット化前のターボミキサーでのペレット化用混合物の調製:
10%のカンドリン(登録商標)シルバースパークル* メルク社
3%の水
87%の飼料製品混合物

100%のペレット化用混合物
*カンドリン(登録商標)シルバースパークル:粒子サイズが10μm〜150μmのTiO2被覆のマイカ顔料、メルク社製)
=>ペレット表面において明らかなわずかに銀色のきらきら光る色彩効果。
【0049】
実施例2:魚用餌押し出し物の着色
着色される出発材料:
市販の押し出し成型された魚用餌、粒子サイズ:4*4mm、初期嵩密度0.46kg/dm3、初期水分含有量4.2%
被覆システム: カール トトスプレー
魚用餌処理能: 900kg/h
適用懸濁液処理能: 9.0kg/k
噴霧割合: 1.0%
アトマイザー回転速度: 6000rpm
噴霧継続期間: 3分
適用懸濁液の調製:
91%の水
5%のセピフィルム050 セピック社
4%のカンドリン(登録商標)シルバースパークル メルク社

100%の適用懸濁液
懸濁液を実験開始の約1時間前に調製する。
【0050】
セピフィルム050は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに基づく薄膜形成システムである。
=>押し出し物の表面におけるきらきら光る銀色の色彩効果。
【0051】
実施例3:魚用餌押し出し物の着色
エフェクト顔料の割合を増やした実験2に類似する実験
適用懸濁液:
87%の水
5%のセピフィルム 050 セピック社
8%のカンドリン(登録商標)シルバースパークル メルク社

100%の適用懸濁液
=>押し出し物の表面におけるきらきらさが増した銀色の色彩効果。
【0052】
実施例4:魚用餌押し出し物の着色
エフェクト顔料の割合を更に増した実験2に類似する実験
適用懸濁液:
83%の水
5%のセピフィルム 050 セピック社
12%のカンドリン(登録商標)シルバースパークル メルク社

100%の適用懸濁液
=>押し出し物の表面におけるきらきらさが非常に強い銀色の色彩効果。
【0053】
実施例5:魚用餌押し出し物の着色
酸化鉄/マイカに基づくエフェクト顔料を用いた、実験3に類似する実験
適用懸濁液:
87%の水
5%のセピフィルム 050 セピック社
8%のカンドリン(登録商標)Red Sparkle* メルク社

100%の適用懸濁液
*カンドリン(登録商標)レッドスパークル:粒子サイズが10μm〜150μmのFe23被覆のマイカフレーク、メルク社製)
=>押し出し物の表面における魅力的なきらきら光る赤色の色彩効果。
【0054】
実施例6:ペットフード押し出し物(ハムスターの餌)の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてスプレーガンによって適用懸濁液を噴霧することによって行う。
スプレーガン: SATAミニジェットNR
ノズル直径: 1.0mm
圧縮空気: 3bar
コーティングパン: トライバール5l実験室用パン
温度制御可能な乾燥用空気供給を伴う被覆ライン
乾燥用空気の温度: 45℃
適用懸濁液の量: 6%(=60g/kg押し出し物)
適用懸濁液:
90%の水
5%のセピフィルム 050 セピック社
5%のカンドリン(登録商標)ゴールドラスタ* メルク社

100%の適用懸濁液
*カンドリン(登録商標)ゴールドラスタ:粒子サイズが10μm〜60μmの、TiO2およびFe23により被覆されたマイカフレーク、メルク社製)
=>押し出し物の表面における非常に誘引性の均一かつ金色の光沢効果。
【0055】
実施例7:鳥の餌の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてスプレーガンによって適用懸濁液を噴霧することによって行う。
スプレーガン: SATAミニジェット NR
ノズル直径: 1.0mm
圧縮空気: 3bar
コーティングパン: トライバール5l実験室用パン
温度制御可能な乾燥用空気供給を伴う被覆ライン
乾燥用空気の温度: 25℃
適用懸濁液の量: 3%(=30g/kg押し出し物)
適用懸濁液:
20%のCapol425 カウル社
77%のエタノール(96%) メルク社
3%のカンドリン(登録商標)ゴールドシマー* メルク社

100%の適用懸濁液
*カンドリン(登録商標)ゴールドシマー干渉性エフェクト顔料:粒子サイズが10μm〜60μmのTiO2被覆のマイカフレーク、メルク社製)
Capol425:エタノール性シェラック溶液
=>粒餌表面における非常に魅力的な均一かつ金色の真珠層光沢効果。
【0056】
実施例8:ペットフード押し出し物(ハムスターの餌)の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてカンドリン(登録商標)懸濁液を手により適用することによって行う。
【0057】
適用懸濁液:
40%のCapol425 カウル社
50%のエタノール(96%) メルク社
10%のカンドリン(登録商標)シルバースパークル* メルク社

100%の適用懸濁液
混合済みのカンドリン(登録商標)懸濁液を1段階または多段階でペレットに手によって適用する。製品表面における顔料の所望する分布の後、コーティングパンを停止させ、冷風または温風を使用して乾燥する。顔料がコーキングして固まることを防ぐために、コーティングパンのスイッチを、短時間、周期的にオンにする。
*カンドリン(登録商標)シルバースパークル:粒子サイズが10μm〜150μmのTiO2被覆のマイカ顔料、メルク社)
Capol425:エタノール性セラック溶液
=>ペレット表面におけるきらきら光る銀色の真珠層光沢効果。
【0058】
実施例9:魚用餌(発泡製品)の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてカンドリン(登録商標)懸濁液を手により適用することによって行う。
【0059】
適用懸濁液:
80%のクイックポリッシュ Aウォルフ社
10%のエタノール(96%) メルク社
10%のカンドリン(登録商標)ブラウンアンバー メルク社

100%の適用懸濁液
混合済みのカンドリン(登録商標)懸濁液を1段階または多段階でペレットに手によって適用する。製品表面における顔料の所望する分布の後、コーティングパンを停止させ、冷風または温風を使用して乾燥する。顔料がコーキングして固まることを防ぐために、コーティングパンのスイッチを、短時間、周期的にオンにする。
*カンドリン(登録商標)ブラウンアンバー:粒子サイズが10μm〜60μmのFe23被覆のマイカフレーク、メルク社)
クイックポリッシュ:アラビアゴム溶液
=>ペレット表面におけるきらきら光るブロンズ色の真珠層光沢効果。
【0060】
実施例10:魚用餌(発泡製品)の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてカンドリン(登録商標)懸濁液を手により適用することによって行う。
【0061】
適用懸濁液:
80%のクイックオイル Aウォルフ社
10%のエタノール(96%) メルク社
10%のカンドリン(登録商標)ゴールドラスタ* メルク社

100%の適用懸濁液
混合済みのカンドリン(登録商標)オイル懸濁液を1段階または多段階でペレットに手によって適用する。製品表面における顔料の所望する分布の後、コーティングパンを停止させ、冷風または温風を使用して乾燥する。顔料がコーキングして固まることを防ぐために、コーティングパンのスイッチを、短時間、周期的にオンにする。
*カンドリン(登録商標)ゴールドラスタ:粒子サイズが10μm〜60μmの、TiO2およびFe23により被覆されたマイカフレーク、メルク社)
クイックオイル:オイルおよびワックスに基づく艶出し剤
=>ペレット表面におけるきらきら光る金色の真珠層光沢効果。
【0062】
実施例11:ペットフード押し出し物(ハムスターの餌)の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてスプレーガンによって適用懸濁液を噴霧することによって行う。
スプレーガン: SATAミニジェット NR
ノズル直径: 1.0mm
圧縮空気: 3bar
コーティングパン: トライバール 5l実験室用パン
温度制御可能な乾燥用空気供給を伴う被覆ライン
乾燥用空気の温度: 35℃
適用懸濁液の量: 80%(=80g/kg押し出し物)
適用懸濁液:
60%の水
30%のエタノール(96%) メルク社
5%のアクアポリッシュ バイオグランド社
5%のカンドリン(登録商標)ティミロンスプレディドブルー* メルク社

100%の適用懸濁液
懸濁液を実験開始の約1時間前に調製する。
【0063】
アクアポリッシュは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに基づく薄膜形成システムである。
*カンドリン(登録商標)ティミロンスプレディドブルー:粒子サイズが10μm〜60μmの、マイカに基づく、TiO2、SiO2およびFe23により被覆された多層化顔料、メルク社製)
アクアポリッシュ:薄膜
=>押し出し物の表面における非常に魅力的な均一かつ青色の光沢効果。
【0064】
実施例12:魚用餌発泡物の着色
着色を、開放コーティングパンにおいてスプレーガンによって適用懸濁液を噴霧することによって行う。
スプレーガン: SATAミニジェットNR
ノズル直径: 1.0mm
圧縮空気: 3bar
コーティングパン: トライバール 5l実験室用パン
温度制御可能な乾燥用空気供給を伴う被覆ライン
乾燥用空気の温度: 45℃
適用懸濁液の量: 5%(=50g/kg押し出し物)
適用懸濁液:
91%の水
5%のオパドライ乾燥クリア コラーコン社
4%のロナスター(商標)ノーブルスパークス* メルク社

100%の適用懸濁液
*ロナスター(商標)ノーブルスパークス:粒子サイズが20μm〜200μmの、ホウケイ酸アルミニウムガラスに基づく、SiO2およびTiO2により被覆されたエフェクト顔料、メルク社製)
懸濁液を実験開始の約1時間前に調製する。
【0065】
オパドライ クリアは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースに基づく薄膜形成システムである。
=>製品表面における非常に魅力的なきらきら光る均一かつ銀色の光沢効果。
【0066】
実施例13:海水カニ用餌ペレットの着色
着色を回転コーティングパンにおける手による適用によって行う:
適用組成物は下記からなる:
10%のカンドリン(登録商標)シルバースパークル* メルク社
90%のコウバ300H ロダースクロクラン社
コウバ300Hは植物性脂肪である。これを約40℃〜45℃に加温する。カンドリン(登録商標)顔料を続いて加える。
【0067】
適用速度:所望する色彩効果に依存して1〜15%
*カンドリン(登録商標)シルバースパークル:粒子サイズが10μm〜150μmのTiO2被覆のマイカ顔料、メルク社製)
コウバ300H:植物に基づく食用脂肪
実施例14:海水カニ用餌ペレットの着色
着色を回転コーティングパンにおける手による適用によって行う:
適用組成物は下記からなる:
5%のカンドリン(登録商標)レッドスパークル メルク社
90%のコウバ300H ロダースクロクラン社
コウバ300Hは植物性脂肪である。これを約40℃〜45℃に加温する。カンドリン(登録商標)顔料を続いて加える。
【0068】
適用速度:所望する色彩効果に依存して1〜15%
*カンドリン(登録商標)Red Sparkle:粒子サイズが10μm〜150μmのFe23被覆のマイカフレーク、メルク社製)
コウバ300H:植物に基づく食用脂肪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーク形態基材に基づくエフェクト顔料の飼料製品および動物用医薬品を着色するための使用。
【請求項2】
前記基材が、天然および/または合成のマイカフレーク、タルク、カオリン、フレーク形態の酸化鉄または酸化アルミニウム、ガラスフレーク、SiO2フレーク、TiO2フレーク、フレーク形態の混合酸化物、あるいは、グラファイトフレークであることを特徴とする、請求項1に記載のエフェクト顔料の飼料製品および動物用医薬品を着色するための使用。
【請求項3】
前記基材が1層または複数層の金属酸化物層を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のエフェクト顔料の飼料製品および動物用医薬品を着色するための使用。
【請求項4】
前記基材が、TiO2、Fe23および/またはFe34により被覆されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の飼料製品および動物用医薬品を着色するための使用。
【請求項5】
多層化顔料が高屈折率層および低屈折率層を交互に有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項6】
前記エフェクト顔料が、
基材+TiO2
基材+Fe23
基材+Fe34
基材+TiO2+SiO2+TiO2
基材+TiO2+SiO2+Fe23
基材+TiO2+SiO2+Fe34
基材+TiO2+Al23+TiO2
基材+TiO2+Al23+Fe23
基材+TiO2+Al23+Fe23
基材+Fe23+SiO2+TiO2
基材+Fe34+SiO2+TiO2
基材+Fe23+Al23+TiO2
基材+Fe34+Al23+TiO2
基材+SiO2+TiO2
基材+SiO2+Fe23、および
基材+SiO2+Fe34
のいずれかの層構造を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項7】
前記飼料製品または前記動物用医薬品におけるエフェクト顔料の割合が0.01重量%〜50重量%であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項8】
エフェクト顔料が、天然若しくは天然同一染料、着色顔料または天然の着色用の植物若しくは果実の抽出物との組合せで用いられることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項9】
前記飼料製品および動物用医薬品の製造物には、エフェクト顔料と所望により他の顔料および/または着色剤とを含む、セルロース誘導体、セラック、オイル、ワックス、アラビアゴム、セルロース型物質、ポリメタクリレート、デンプンまたはアルブミンに基づく物質、脂肪および脂肪誘導体または糖からなる被覆がつけられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のエフェクト顔料の使用。
【請求項10】
前記エフェクト顔料またはエフェクト顔料混合物が、単独でまたは他の顔料若しくは着色剤との組合せで、直接にまたは所望の混合比の水および/若しくは有機溶媒の存在下で、同時または連続的に、その製造中または製造後に、成形前または成形後に、着色される製品に加えられるか、あるいは、前記飼料製品の表面または前記動物用医薬品調製物に適用されることを特徴とする、エフェクト顔料を使用して着色された飼料製品または動物用医薬品の製造方法。
【請求項11】
フレーク形態基材に基づくエフェクト顔料を着色剤として含む飼料製品および動物用医薬品。

【公表番号】特表2008−516618(P2008−516618A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537191(P2007−537191)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011207
【国際公開番号】WO2006/042744
【国際公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】