説明

飽和炭化水素のアンモキシデーション法

【目的】 飽和炭化水素のアンモキシデーション法、即ち、アルカンをα,β−不飽和ニトリルを含有する混合物に転化する方法を提供する。本法は、プロパンをアクリロニトリル及びプロピレンを含有する混合物にアンモ酸化するのに特に適している。
【構成】 活性相がモリブデン及び酸素を含有する固体触媒の存在下にアルカンを気相でアンモ酸化する際し、活性相にアルカリ金属、Mn、Fe、U、La、Co、Ni、Zn、Ag、Cd、W、Zr、Pb、Te、Ga、Al、B、Nb及びTaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素も含める。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、飽和炭化水素のアンモキシデーション法、即ち、アルカンをα,β−不飽和ニトリルを含有する混合物に転化する方法に関する。
【0002】
【発明の背景】オレフィン特にプロピレンのアンモキシデーションに関して極めて多くの提案がなされていることは当業者には周知である。しかしながら、広範囲に利用可能である飽和炭化水素は経済上の面で極めて興味のある原料であるけれども、それらは、特にα,β−不飽和ニトリルを形成するためのこの種の反応において匹敵する反応性を示さないことも周知である。
【0003】飽和炭化水素のアンモキシデーションに遭遇する困難のうちの1つは、α,β−不飽和ニトリル(目標生成物)例えばプロパンで出発するときにはアクリロニトリルか、又はうまく利用することができる生成物(上記のニトリル及びオレフィン)例えばプロパンで出発するときにはアクリロニトリル及びプロピレンのどちらかに対する適正な選択性を確保しながらアンモニア及び(又は)炭化水素の燃焼を最少限にする又は抑制する条件下に飽和炭化水素を脱水素することができる触媒を見い出す必要性にある。
【0004】米国特許第3,365,482号には、ε−アルミナに付着されたモリブデンを基材としそして508℃においてアンチモンでドーピングした触媒を用いてイソブタン、空気、アンモニア及び水蒸気を含有するガス状混合物(1.0/4.5/1.0/12.5)で出発して特にイソブタンをメタクリロニトリルにアンモ酸化することが既に提案されている。メタクリロニトリルに対する選択性は、22%のイソブタン転化率の場合に49%に達する。
【0005】同じ触媒を用いて550℃においてプロパン/空気/アンモニア/水蒸気(1.0/4.7/0.67/12.8)のガス状混合物で出発すると、アクリロニトリルに対する選択率は、29%のプロパン転化率の場合に15%に低下する。
【0006】フランス特許第2,027,238号(米国特許第3,670,009号に一部分相当する)には、特に酸化錫、酸化ホウ素、酸化モリブデン及び酸化ケイ素よりなることができる固体触媒を用いて飽和炭化水素を500℃よりも高い温度でアンモ酸化するための気相法が提案されている。かくして、第12〜13頁の表の例IXでは、32%のプロパン転化率であるがしかしプロパン/アンモニア/空気反応混合物(1/1.2/12)を爆発範囲に置く操作条件の場合に、アクリロニトリルに対する選択率は35%である。
【0007】フランス特許第2,072,334号(英国特許第1,336,135号に相当する)には、特に酸化錫及び酸化モリブデン(90/10重量比)よりなることができる固体触媒を用いて500℃よりも低い温度においてガス状混合物中のアルカンの高い濃度でアルカンを接触アンモ酸化するための気相法が提案されている。しかしながら、良好な結果は、酸化アンチモン及び酸化バナジウムよりなる触媒を用いる場合に得られている。
【0008】フランス特許第2,072,399号には、特に酸化モリブデンを含めて酸化物の二成分系混合物であってよい固体触媒を用いて供給されるガス状混合物中のアルカン濃度を高くしてアルカンを気相で接触アンモ酸化するための方法が提案されている。特に、次の元素の組み合わせ、即ち、(Mo、Sb)、(Mo、Sn)、(Mo、V)、(Mo、Ti)、(Mo、Bi)が挙げられている。しかしながら、これらの対のどれも、モリブデンを含有しない組み合わせで得られるものよりも良好な結果を提供しない。また、得られるアクリロニトリル収率は極めて低い。錫及びチタンの酸化物を基にした触媒では、570℃においてプロパンのせいぜい1.7%がアクリロニトリルに転化されている。
【0009】フランス特許第2,119,492号(米国特許第3,746,737号及び英国特許第1,337,759号に相当する)には、モリブデン及びセリウムの酸化物を基にした二成分系組成物を使用することが提案されている。しかしながら、対(Mo、Ce)の性能は、ハロゲン又はハロゲン化合物の不在では不十分であるようである。
【0010】更に、この二成分系組成物(Mo、Ce)にテルル及びビスマスから選択される第三成分を添加することが提案されている(米国特許第3,833,638号参照)。この場合にも、触媒系の性能は、ハロゲン又はハロゲン化合物の不在下では不十分であるようである。その上、CH3 Brの存在下では、98%のプロパン転化率の場合でもプロパン/アンモニア/空気反応混合物(1/1.2/12)を爆発範囲に置く操作条件下ではアクリロニトリルに対する選択率は67%に達することが記載されている。
【0011】フランス特許第2,119,492号には、ビスマス及びモリブデンの酸化物を含有しそして必要ならば燐及びシリカを含有する固体触媒を用いてアルカンの気相アンモキシデーションを実施することが提案されている。この場合にも、触媒系の性能はハロゲン又はハロゲン化合物の不在下では不十分であるようであり、そして反応混合物は爆発範囲内にある。
【0012】これらの様々な欠点に直面して、バナジウム及び(又は)アンチモンを基にした固体触媒の使用に対して様々な平行した又は後続した研究が行われてきた。
【0013】ケミストリー・レターズ1989(第2,173〜2,176頁)において、著者は、プロパンの気相アンモキシデーションにおいて、モリブデン及びビスマスを含有しそしてシェーライト(灰重石)型の構造を示す多成分金属酸化物を試験している。比較的適切な温度が使用されているにもかかわらず燃焼生成物(CO、CO2 )の割合がすべての場合に極めて高く(少なくとも15%)、そして試験したいくらかの触媒組成物はそれらを爆発範囲又はそれに極めて近い範囲にある条件で使用するにもかかわらず所望の反応に対して活性をほとんど有しないようである。
【0014】ハロゲン化合物の存在は、装置の腐食を引き起こしがちであり、それ故に工業的方法では望ましくない。更に、多量のCO及びCO2 の同時発生は工業的規模では望ましくないことが明白である。更に、爆発範囲にある反応混合物の使用は、工業的規模ではあまり望ましくない。と云うのは、この方法は固定床で使用されるからである。
【0015】それ故に、うまく利用することができる生成物であって、α,β−不飽和ニトリル特にアクリロニトリルを含有する生成物の混合物を評価可能な選択率で得ることを可能にし、しかも炭素の酸化物の生成の結果としての原料の損失を減少するアルカンのアンモキシデーション法を利用可能にすることは極めて望ましいことが明らかである。
【0016】また、使用する固体触媒は製造するのが比較的簡単であり、しかもそれがハロゲン含有促進剤の不在下にそして必ずしも爆発範囲にないガス混合物の場合に活性であるような方法を利用可能にすることも極めて望ましいであろう。
【0017】
【発明の概要】それ故に、本発明の課題は、活性相がモリブデン及び酸素を含有する固体触媒の存在下にアルカンを気相でアンモキシデーションする方法において、活性相がアルカリ土類金属、Mn、Fe、U、La、Co、Ni、Zn、Ag、Cd、W、Zr、Pb、Te、Ga、Al、B、Nb及びTaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素も含有することを特徴とするアルカンの気相アンモキシデーション法である。
【0018】
【発明の詳細な記述】本発明に従えば、分子当り3〜12個の炭素原子を含有するアクリル飽和炭化水素は、すぐ上に特定化した活性相を有する触媒の存在下に気相でアンモニア及び酸素と反応される。
【0019】本法の範囲内では、ヘリウム、窒素及びアルゴンの如き反応条件下に不活性の希釈剤ガスを用いることも勿論可能である。同様に、ガス状反応混合物には水蒸気を広い範囲内で加えることができる。かくして、反応性ガス(飽和炭化水素、アンモニア、酸素)は、不活性希釈剤で且つ(又は)水蒸気で希釈することができる。この群では、水蒸気含量は、広い範囲内で特に0〜50%好ましくは3〜30%の間で変動することができる。本発明に従った方法の良好な使用では、反応性ガスの含量は少なくとも3%好ましくは少なくとも20%である。
【0020】反応性ガス中の飽和炭化水素、アンモニア及び酸素の各含量は広い範囲内で変動することができる。反応性ガス中の飽和炭化水素の含量は、好ましくは、5〜70%の間である。アンモニアのそれは好ましくは3〜50%の間であり、そして酸素のそれは好ましくは3〜45%の間である。
【0021】本発明に従った方法の良好な使用では、反応体混合物の組成は爆発範囲の外である。不活性希釈剤の不在下におけるプロパンのアンモキシデーションの場合には、組成(プロパン、酸素、アンモニア)は、添付図面に示される三成分系図ABC内に見られる四角形ABDEの中から選択されるのが有益である。
【0022】この三成分系図では、セグメントABは100%から0%のアンモニア含量を表わす。セグメントBCは100〜0%のプロパン含量を表わし、そしてセグメントCAは100〜0%の酸素含量を表わす。セグメントBCの内側に位置する点Dは、二成分系(プロパン−O2 )における45%のプロパン含量に相当する。セグメントACの内側に位置する点Eは二成分系(NH3 −O2 )における79%のアンモニア含量に相当する。
【0023】セグメントDEは、三成分系図を2つの部分、即ち、爆発範囲(1バール及び25℃で測定)が位置する三角形CDEと、ガス状反応体混合物の組成が有益下に選択されるところの四辺形ABDEとに区画する。
【0024】不活性希釈剤ガス及び(又は)水蒸気の存在下におけるプロパンのアンモキシデーションに関係する場合には、希釈剤ガス及び(又は)水蒸気が低い割合にあるときに三成分系混合物(プロパン、酸素及びアンモニア)の組成を測定してそれを上記の図形に位置づけることが適切であろう。
【0025】酸素の源として空気を使用するプロパンのアンモキシデーションに関係する場合には、組成(プロパン、空気及びアンモニア)は、添付した図2に示されるABC図の中に見られる四角形ABFCの内で選択されるのが有益である。
【0026】この第二図形では、セグメントABは、100〜0%のアンモニア含量を表わす。セグメントBCは100〜0%のプロパン含量を表わす。セグメントCAは100〜0%の空気含量を表わす。セグメントBCの内側に位置する点Fは、二成分系(プロパン−空気)における16%のプロパン含量に相当する。セグメントACの内側に位置する点Gは、二成分系(アンモニア−空気)における35%のアンモニア含量に相当する。
【0027】セグメントFGは、三成分系図を2つの部分、即ち、爆発範囲(1バール及び550℃で測定)が位置している三角形CFGと、ガス状反応体混合物の組成が有益下に選択されるところの四角形ABFGとに区画する。
【0028】この第二図形は、酸素−希釈剤ガス混合物が空気の酸素含量(=21%の酸素)に等しい酸素含量に相当する場合に、又はこの混合物が空気と比較して酸素が欠乏している場合に用いられる。
【0029】プロパンで出発すると、本質上プロピレン及びアクリロニトリルを含有する混合物が得られる。アクリロニトリルは大規模で工業的に製造される中間体であり、そしてプロピレンはアクリロニトリル及び当業者に周知の種々の他の中間体化合物の製造に通常使用される原料である。
【0030】イソブタンで出発すると、メタクリロニトリル及びイソブテン又はn−ブテンを含有する混合物が得られる。
【0031】本発明に従った方法は、プロパンのアンモキシデーションに特に適している。
【0032】使用する飽和炭化水素は工業等級のものであってよいけれども、それは、評価し得る量のエチレン系不飽和化合物を含有しない。かくして、使用するプロパンは、プロピレンをごく微量でしか含有しない。
【0033】本発明に従った方法は、気相反応の形態で実施される。従って、気相アンモキシデーション又は酸化反応を実施するための任意の適当な装置を用いることができる。本法は、連続的に又は非連続的に実施することができ、そして固定床又は流動床の使用を包含することができる。
【0034】反応温度は、一般には350〜550℃、好ましくは420〜510℃の間である。
【0035】反応混合物の全圧は、大気圧よりも高くても又はそれに等しくてもよい。これは、一般には1〜6バール、好ましくは1〜4バールの間である。
【0036】ガス流量は、空時速度が100〜36,000/h好ましくは200〜20,000/hの間になるように設定される。
【0037】もちろん、当業者は、製造の目的を考慮して温度、ガス流量、使用する触媒の正確な性状及び様々な他の反応パラメーターの間で妥協を見い出すことができよう。
【0038】本発明に従った方法では、活性相がモリブデン及び酸素を含有する固体触媒であって、しかも該活性相がアルカリ土類金属、Mn、Fe、U、La、Co、Ni、Zn、Ag、Cd、W、Zr、Pb、Te、Ga、Al、B、Nb及びTaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素をも含有するところの固体触媒が使用される。
【0039】本発明の範囲内で使用される触媒中の成分のうちの1つである活性相は、好ましくは先に規定した群から選択される少なくとも2種の元素を含有するモリブデン基材混合酸化物である。本法の範囲内で、良好な結果は、アルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ウラン及びランタンよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有するような活性相を使用することによって得ることができる。
【0040】問題の活性相は、モリブデン酸塩であるのが好ましい。好ましい活性相はマンガン、ウラニル、コバルト又は鉄のモリブデン酸塩である。
【0041】上記の群から選択される元素Mの割合は問題の活性相において広い範囲内で変動することができるけれども、その最少量は好ましくは相当するオルトモリブデン酸塩の形成の化学量論的量によって指図される。ある場合にはMの性状に応じて元素Mの割合を減少させることによって相当するモリブデン酸塩と酸化モリブデンとの混合物が得られる。
【0042】かくして、例えば、鉄に関して大過剰のモリブデン(Mo/Fe=10)は、Fe2(MoO4)3 とMoO3 との混合物の形成をもたらし、しかして本法においてのその性能はFe2(MoO4)3 で得られるよりも良好でないようである。
【0043】問題の活性相は、本発明に従った方法の範囲内で塊状形態で又は粒状形態で使用することができる。これらの相は、例えば押出又は粉砕された粉末又はビーズの形態で用いることができる。
【0044】また、これらは、不活性担体に付着させることができ又はそれを被覆することができる。担体の性状は厳密なものではないが、但し、それは選択された反応条件下に各反応体に対して化学的に不活性であるものとする。本発明に従った方法の範囲内で用いることができる触媒の製造に好適な担体の例としては、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、焼成粘土、カーボランダム、マグネシア、ケイ酸マグネシウム及びけいそう土を挙げることができる。この担体は、無孔質であるのが好ましくそして特に粒状形態の耐熱性酸化物を基にしたものであってよいが、最とも一般的に用いられる担体は粘土を基にしたものである。この担体は、例えば、直径が0.5〜6mmの不活性で固体の丈夫な粗い粘土ビーズよりなってよい。ビーズの直径の正確な値は、反応器において許容可能な圧力降下の函数として当業者によって選択されることができる。また、担体は、エナメル被覆によって無孔質にすることもできる。
【0045】また、担体はセラミック基体からなってもよいが、この基体はチャンネル又は導管を含むモノリシック型の不活性で剛性の構造体の形態にあるのが好ましい。かかる担体は、当業者に周知でありそして文献に広範囲に記載されている。用いるセラミック基体は、特に、主要物質としてコージーライト(きん青石)、アルミナ、ムライト、磁器及び炭化ホウ素又は炭化ケイ素を含有するものである。
【0046】被覆触媒を望むときには、活性相の量(これは広い範囲内で変動することができる)は、全体(担体+活性相)に対して実際には5〜35重量%好ましくは10〜15重量%の間である。
【0047】本発明に従った方法で用いられる触媒の製造は、それ自体知られた様々な方法で、例えば、元素成分の適当な塩を水中に又は他の溶剤中に混合し次いで蒸発乾固するか、又は水性アンモニアの如き塩基若しくは塩酸の如き酸を加えることによる沈殿か、又は適当な塩を混合した後に得られる懸濁液を噴霧することによって実施することができる。
【0048】最とも一般的に用いられる適当な塩は水溶性であり、そして後続の段階で熱によって分解させることができる陰イオン及び陽イオンを含有する。これらは、例えば、モリブデンの場合にはヘプタモリブデン酸アンモニウム、そして金属の場合にはアルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ウラン、ランタン等の硝酸塩又は塩化物である。
【0049】塩の混合物が一旦製造されると、いわゆる蒸発法によって前駆物質を得ることができる。得られた懸濁液中の水は、撹拌下に20〜100℃の温度でペーストを得るのに十分な時間加熱することによって蒸発除去される。次いで、撹拌及び加熱が停止される。
【0050】得られたペーストは、約2cmの厚さに流延された後に、空気中において約120℃で約15時間乾燥される。かくして得られた前駆物質は、次いで、粉砕しそして200〜1,000℃好ましくは400〜600℃で少なくとも30分間好ましくは少なくとも1時間焼成することができる。焼成は、特に約230℃における硝酸アンモニウムの発熱分解に関する危険のために温度を徐々に例えば1時間当り100〜200℃上昇させることによって行なうことができる。かくして冷却後に得られた活性相は、次いで、その粒度が約400μm を越えないようにして粉砕することができる。
【0051】また、前駆物質は、塩の混合の終了時に例えば水性アンモニア又は塩酸を添加して pHを約7で安定化しそして沈殿を行なうことからなる別法によって得ることができる。各種の物質の沈殿を完結させるために懸濁液を20〜100℃で約1時間加熱することが好ましい。
【0052】次いで、懸濁液はろ過されそして洗浄される。次いで、ろ塊は広げられてから乾燥され、そして蒸発法の範囲内で先に記載した条件に従って粉砕されそして焼成されて活性相を生成する。
【0053】固定床において本法の適用に有用なある種の触媒は、粉砕した中間又は最終の活性相をそれ自体公知の態様で被覆することによって得ることができる。この慣用法は、不活性であるがしかし粗いビーズの周囲に中間又は最終の活性相の層を付着させることよりなる。
【0054】ビーズは意図する量の活性相で一旦被覆されると、それらは、熱風を使用して70〜150℃で少なくとも30分間乾燥され、次いで300〜600℃好ましくは450〜500℃で焼成しようとする炉に少なくとも3時間導入される。
【0055】本発明に従った方法を固定床又は流動床に適用するのに有用なある種の触媒は、好ましくは非還元性の雰囲気中で噴霧乾燥するそれ自体公知の技術によって得ることができる。このような操作を使用しそして必要ならば次いで400〜1,100℃程度の温度で焼成すると、5〜700μm の直径を有する球状形態の粉末が得られる。流動床で使用する範囲内では、寸法が5〜100μm の粒子を少なくとも80重量%含む粉末が好ましい。
【0056】反応生成物は、任意の適当な手段によって流出ガス中において回収することができる。例えば、流出ガスは、未転化アンモニアを中和させるために希硫酸を収容する凝縮器を通すことができる。次いで、ガスは、アクリロニトリル、アセトニトリル及びシアン化水素酸、並びに主として未転化プロパン、プロピレン、軽質炭化水素そして場合によってはCO2 を含有する未凝縮蒸発を凝縮させるために冷却吸収塔を通すことができる。次いで、蒸留によってアセトニトリルからアクリロニトリル及びシアン化水素酸を分離することができ、そして回収したアクリロニトリル−シアン化水素酸混合物それ自体を次いで蒸留してシアン化水素酸からアクリロニトリルを分離することができる。
【0057】
【実施例】次の実施例は、本発明を単に例示するものである。
【0058】例1 モリブデン酸マグネシウムを基にした触媒の製造52.98gの(NH4)6 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し(得られた溶液の pH:5〜6)、そして79.3gの97%Mg(NO3)2 ・6H2 O(プロラボ社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸マグネシウムの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(b)を溶液(a)に加えた( pH=5)。混合物をホットプレートで加熱し、そして得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕しそして空気中において500℃で4時間焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される組成MgMoO4 を有し、そしてBET法によって測定した5m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(A)は、12重量%のMgMoO4 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0059】例2 モリブデン酸マンガンを基にした触媒の製造ユー・オズラン、アール・シー・ジル及びエム・アール・スミス各氏が J.Catal. 116、171−183(1989)に記載した操作手順を使用して、組成MnMoO4 の活性相を調製した。70.64gの(NH4)6 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして79.16gのMnCl2 ・4H2 O(プロラボ社の市販品)を400cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって塩化マンガンの溶液(b)を調製した。機械式撹拌機を備えた反応器において、溶液(a)を溶液(b)に滴下した。80℃への加熱を適用し、そして希塩酸又は水性アンモニア(両方ともプロラボ社の市販品)を3時間加えることによって pHを6に維持した。この物質を燒結ガラスで熱間ろ過し、そして1リットルの脱イオン水で洗浄した。次いで、得られた生成物を120℃で約15時間乾燥させ、乳鉢で粉砕しそして空気中において500℃で4時間焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される組成MnMoO4 を有し、そしてBET法によって測定した5m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(B)は、11重量%のMnMoO4 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0060】例3 モリブデン酸マンガンを基にした他の触媒の製造先の例に記載した如くして組成MnMoO4 の生成物(I)の20gを製造した。次いで、この生成物を20トンの圧力下に圧縮した。かくして、直径3cmで厚さが約0.5cmのタブレットが得られた。次いで、これらのタブレットを粉砕して粒度が0.3〜0.8cmの断片にし、これを触媒(C)とした。
【0061】例4 モリブデン酸ウラニルを基にした触媒の製造イー・ボーデス氏が State Thesis, Compiegne(1979)に記載した操作手順によって、組成UO2 MoO4 の活性相を調製した。35.32gの(NH4)6 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして100.43gのUO2(NO3)2 ・6H2 O(プロラボ社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸ウラニルの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において、溶液(a)を溶液(b)に加えた。100cm3 の脱イオン水を加え、混合物をホットプレートで加熱し、そして得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕しそして空気中において550℃で12時間焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される組成UO2MoO4 を有し、そしてBET法によって測定した2.7m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(D)は、11重量%のUO2 MoO4 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0062】例5 モリブデン酸カルシウムを基にした触媒の製造52.98gの(NH4)6 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして47.23gのCa(NO3)2 ・4H2 O(プロラボ社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸カルシウムの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(b)を溶液(a)に加えた。混合物の pH(初めに4.5)を、水性アンモニア(プロラボ社の市販品)の添加によって6.7に上げた。混合物をホットプレートで加熱し、そして得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕しそして空気中において500℃で7時間焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される組成CaMoO4 を有し、そしてBET法によって測定した5m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(E)は、11重量%のCaMoO4 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0063】例6 混成酸化モリブデンランタンを基にした触媒の製造35.32gの(NH46 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そしてLa23 として455g/lを含有する71.64cm3 のLa(NO33 (出所:ラ・ロッシェルにあるローヌ・プーラン社の工場)を200cm3 の脱イオン水で希釈することによって硝酸ランタンの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(b)を溶液(a)に加えた。混合物を濃硝酸の添加によって pH=1〜2に酸性化した。混合物をホットプレートで100〜110℃で加熱し、そして得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕しそして空気中において500℃で3時間焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される酸化ランタンと酸化モリブデンとの混合物よりなり、そしてBET法によって測定した6m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(F)は、9重量%のLaMoOx が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0064】例7 モリブデン酸鉄を基にした触媒の製造エス・ナス及びエス・シミズ両氏が J. Catal. 104、164−175(1987)に記載した操作手順によって組成Fe2 (MoO43 の活性相を調製した。52.98gの(NH46 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして80.8gのFe(NO33 ・9H2 O(プロラボ社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸鉄の溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(b)を溶液(a)に加えた。混合物の pHを水性アンモニア(プロラボ社の市販品)の添加によって7.5に調節した。混合物をホットプレートで加熱し、そして得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕し、空気中において500℃で1時間焼成し、再粉砕し、そして空気中において500℃で1時間再焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される組成Fe2(MoO43 を有し、そしてBET法によって測定した3.9m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(G)は、13重量%のFe2 (MoO43 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0065】例8 混成酸化モリブデン錫を基にした触媒の製造この触媒は、本発明の範囲内に入らないものである。35.32gの(NH46 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして45.13gのSnCl2 ・2H2 O(プロラボ社の市販品)を200cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸マグネシウムの溶液(b)を調製し、数滴の濃塩酸で酸性化した。撹拌機付き反応器において溶液(b)を溶液(a)に加えた。混合物を加熱し、そして水性アンモニア(プロラボ社の市販品)を中性 pHまで加えた。この物質を燒結ガラスでろ過し、そして100cm3 の脱イオン水で洗浄した。得られた生成物を120℃で約15時間乾燥させた。次いで、得られた生成物を乳鉢で粉砕しそして空気中において500℃で3時間焼成した。かくして製造した生成物(I)は、X線回折図によって確認される組成SnO2 −2MoO3 を有し、そしてBET法によって測定した26m2 /gの比表面積を有していた。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(H)は、11重量%のSnO2 −2MoO3 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0066】例9 モリブデン酸マンガン及びアルミナ(30−70重量%)を基にした触媒の製造26.47gの(NH46 Mo724・4H2 Oを120cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって溶液(a)を調製し、37.65gのMn(NO32 ・4H2 Oを60cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって溶液(b)を調製し、そして75.2gのアルミナを100cm3 の脱イオン水中に入れることによって懸濁液(c)を調製した。溶液(a)を懸濁液(c)に加え、次いで溶液(b)を加えた。撹拌を2時間実施し、そしてこの物質を蒸発乾固させた。次いでこれを120℃で乾燥させそして500℃で4時間焼成した。かくして生成物(I)を得た。生成物(I)の20gを平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる123gの不活性担体上に徐々に散布した。この粘土ビーズは、予め回転式ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、生成物(I)を再びビーズ上に散布した。これらの操作を、生成物(I)のすべてが被覆されるまで交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(J)は、11重量%のMnMoO4 −Al23 (30−70重量%)が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0067】例10 モリブデン酸マンガン及びシリカを基にした触媒の製造58.3gの(NH42 Mo27 及び8.2gのMoO3 を150cm3 の脱イオン水中に50〜60℃で溶解させることによって溶液(a)を調製した。100.4gのMn(NO32 ・4H2 Oを100cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって溶液(b)を調製した。室温で溶液(b)を溶液(a)に加えた。次いで、得られた31.9cm3 の溶液を40cm3 に増量したものを50gのシリカビーズに含浸させた。次いで乾燥を120℃で約15時間実施し、そして焼成を500℃で4時間実施した。かくして得た触媒(K)は、14.6重量%のMnMoO4 が付着したシリカよりなっていた。
【0068】アンモキシデーション試験のための一般的な操作手順触媒試料を測定ベンチにおいてヘリウムブランケット下に150℃の温度に10分間予熱し、次いでプロパン、アンモニア、酸素、水蒸気及びヘリウムを含有するガス流れにさらした。このガス流れの組成については各例で特定されている。また、1〜6バールの反応混合物の全圧についても各例で特定されている。ガス流量は100〜36,000/hの空時速度(HSV)を生じるように設定されたが、この正確な値については各例で示されている。プロパンアンモキシデーション試験の原理は次の通りである。
・触媒を温度T1 例えば300℃に加熱し、そして温度T1 で30分間の安定化後に気相クロマトグラフィーによって反応器を出る混合物の組成を測定する。
・入口温度T1 で試験した触媒で得られた転化率及び選択率の百分率は、次の関係式、即ち、プロパン転化率=転化したプロパン%/導入したプロパン%アクリロニトリル転化率=アクリロニトリルに転化したプロパン%/転化したプロパン%を使用して計算する。
・次いで、触媒を20℃ずつ増加して300から550℃に加熱し、そして40分毎に転化率及び選択率の百分率を測定する。
下記の実施例では、次の略語が使用されている。
DCC3H8=プロパン転化率SACN=アクリロニトリルに対する選択率SACN+C36 =アクリロニトリル及びプロピレンに対する選択率SCOX=一酸化炭素及び二酸化炭素に対する選択率
【0069】例11〜13 触媒(A)、(B)及び(D)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =11%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=46.5%結果及び特定の条件を次の表Iに記載する。
【0070】
【表1】


【0071】例14〜16 対照試験a:触媒(E)〜(H)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =30%NH3 =15%O2 =15%H2 O=20%He=20%結果及び特定の条件を次の表IIに記載する。
【0072】
【表2】


【0073】例17〜19 異なるプロパン分圧における触媒(A)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=510℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =11%又は19若しくは26%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=31.5%又は38.5若しくは46.5%結果及び特定の条件を次の表III に記載する。
【0074】
【表3】


【0075】例20〜23 異なる温度における触媒(B)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =19%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=38.5%結果及び特定の条件を次の表IVに記載する。
【0076】
【表4】


【0077】例24〜26 異なる空時速度における触媒(B)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=510℃全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =19%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=38.5%特定の条件及び得られた結果を次の表Vに記載する。
【0078】
【表5】


【0079】例27〜31 異なる温度における触媒(B)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=500/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =19%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=38.5%結果及び特定の条件を次の表VIに記載する。
【0080】
【表6】


【0081】例32〜36 異なる温度における触媒(C)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =19%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=38.5%得られた結果及び特定の条件を次の表VII に記載する。
【0082】
【表7】


【0083】例37〜39 異なるプロパン分圧における触媒(B)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=510℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =11%又は19若しくは26%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=31.5%又は38.5若しくは46.5%得られた結果及び特定の条件を次の表VIIIに記載する。
【0084】
【表8】


【0085】例40〜42 異なるアンモニア分圧における触媒(B)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=510℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =19%NH3 =4%又は7.5若しくは11%O2 =10%H2 O=25%He=35%又は38.5若しくは42%得られた結果及び特定の条件を次の表IXに記載する。
【0086】
【表9】


【0087】例43〜45 異なるプロパン分圧における触媒(D)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=510℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =11%又は19若しくは26%NH3 =7.5%O2 =10%H2 O=25%He=31.5%又は38.5若しくは46.5%得られた結果及び特定の条件を次の表Xに記載する。
【0088】
【表10】


【0089】例46〜48 異なるアンモニア分圧における触媒(D)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=510℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =19%NH3 =4%又は7.5若しくは11%O2 =10%H2 O=25%He=35%又は38.5若しくは42%得られた結果及び特定の条件を次の表X I に記載する。
【0090】
【表11】


【0091】例49〜51 異なる酸素分圧における触媒(F)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=490℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =20%NH3 =15%O2 =5%又は15若しくは25%H2 O=20%He=20%又は30若しくは40%得られた結果及び特定の条件を次の表X IIに記載する。
【0092】
【表12】


【0093】例52〜53 異なるアンモニア分圧における触媒(G)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=490℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =20%NH3 =5%又は25%O2 =5%H2 O=20%He=20%又は40%得られた結果及び特定の条件を次の表XIIIに記載する。
【0094】
【表13】


【0095】例54〜55 異なる酸素分圧における触媒(G)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
温度=475℃空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =20%NH3 =15%O2 =5%又は25%H2 O=20%He=20%又は40%得られた結果及び特定の条件を次の表X IVに記載する。
【0096】
【表14】


【0097】例56〜57 触媒(J)及び(K)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =48%NH3 =95%O2 =18%H2 O=20%He=5%得られた結果及び特定の条件を次の表X V に記載する。
【0098】
【表15】


【0099】対照試験b、c、d 異なる温度における触媒(H)の性能測定用いた操作条件は、次の通りである。
空時速度=1,000/h全圧=1.3バール反応混合物の組成C38 =20%NH3 =5%O2 =15%H2 O=20%He=40%得られた結果及び特定の条件を次の表X VIに記載する。
【0100】
【表16】


【0101】例58 モリブデン酸ウラニルを基にした触媒の製造次の操作手順に従って組成UMo10x の活性相を調製した。176.56gの(NH46 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を400cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして50.2gのUO2 (NO32 ・6H2O(プロラボ社の市販品)を50cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸ウラニルの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(a)に溶液(b)を加え、そして約80℃に加熱した。物質を80〜100℃において約2時間保ち、そして得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させたた。次いで、得られた生成物を空気中において500℃で4時間焼成した。かくして製造した生成物は、BET法によって測定して2.4m2 /gの比表面積を有していた。この生成物10gを、平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる65gの不活性担体上に徐々に散布した。この不活性担体は、予め回転ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、再びビーズに生成物を散布した。すべての生成物が被覆されるまで、これらの操作を交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(L)は、11.2重量%のUMo10x が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0102】例59 モリブデン酸コバルトを基にした触媒の製造次の操作手順に従って組成CoMoO4 の活性相を調製した。70.6gの(NH46 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を400cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして116.4gのCo(NO32 ・6H2 Oを150cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸コバルトの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(a)に溶液(b)を加え、そして沸騰まで加熱した。得られたペーストを120℃で約15時間乾燥させたた。次いで、得られた生成物を空気中において500℃で4時間焼成した。かくして製造した生成物は、BET法によって測定して7.7m2 /gの比表面積を有していた。この生成物10gを、平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる50gの不活性担体上に徐々に散布した。この不活性担体は、予め回転ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、再びビーズに生成物を散布した。すべての生成物が被覆されるまで、これらの操作を交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(M)は、11.7重量%のCoMoO4 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0103】例60 モリブデン酸コバルトを基にした触媒の製造次の操作手順に従って組成CoMoO4 の活性相を調製した。70.6gの(NH46 Mo724・4H2 O(メルク社の市販品)を400cm3 の脱イオン水中に溶解させることによってヘプタモリブデン酸アンモニウムの溶液(a)を調製し、そして116.4gのCo(NO32 ・6H2 Oを50cm3 の脱イオン水中に溶解させることによって硝酸コバルトの溶液(b)を調製した。撹拌機付き反応器において溶液(a)に溶液(b)を加え、そして沸騰まで加熱した。得られたペーストを燒結ガラスでろ過し、120℃で約15時間乾燥させたた。次いで、得られた生成物を空気中において500℃で4時間焼成した。かくして製造した生成物は、BET法によって測定して13m2 /gの比表面積を有していた。この生成物10gを、平均直径が4.8mmの粘土ビーズよりなる67gの不活性担体上に徐々に散布した。この不活性担体は、予め回転ペレタイザーに入れられそして10%濃度のグルコース水溶液で加湿された。ビーズの外部が乾燥するや否や、少量のグルコース溶液を吹き付けた。次いで、再びビーズに生成物を散布した。すべての生成物が被覆されるまで、これらの操作を交互に続けた。次いで、乾燥を120℃で2時間、そして焼成を480℃で6時間実施した。かくして得られた触媒(N)は、10重量%のCoMoO4 が付着した粘土ビーズよりなっていた。
【0104】例61〜65 異なる温度及び異なる反応混合物組成における触媒(L)の性能測定用いた操作条件は、空時速度=1,000/h全圧=1.3バールであった。反応混合物の組成、温度及び得られた結果を次の表X VII に記載する。
【0105】
【表17】


【0106】例66〜69 異なる温度及び異なる反応混合物組成における触媒(M)の性能測定用いた操作条件は、空時速度=1,000/h全圧=1.3バールであった。反応混合物の組成、温度及び得られた結果を次の表X VIIIに記載する。
【0107】
【表18】


【0108】例70〜73 異なる温度及び異なる反応混合物組成における触媒(N)の性能測定用いた操作条件は、空時速度=1,000/h全圧=1.3バールであった。反応混合物の組成、温度及び得られた結果を次の表X IXに記載する。
【0109】
【表19】


【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に従った反応混合物(プロパン、酸素及びアンモニア)の三成分組成図である。
【図2】本発明の方法に従った反応混合物(プロパン、空気及びアンモニア)の三成分組成図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 活性相がモリブデン及び酸素を含有する固体触媒の存在下にアルカンを気相でアンモキシデーションする方法において、活性相がアルカリ土類金属、Mn、Fe、U、La、Co、Ni、Zn、Ag、Cd、W、Zr、Pb、Te、Ga、Al、B、Nb及びTaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素も含有することを特徴とするアルカンの気相アンモキシデーション法。
【請求項2】 活性相が上記の群から選択される少なくとも2種の元素を含有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】 活性相がアルカリ土類金属、マンガン、鉄、コバルト、ウラン及びランタンよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する請求項1記載の方法。
【請求項4】 活性相がモリブデンを基材とする混合酸化物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】 活性相がオルトモリブデン酸塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】 活性相がマンガン、ウラニル、コバルト又は鉄のモリブデン酸塩であることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】 アルカンがプロパンであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】 反応が水蒸気の存在下に実施されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】 反応温度が350〜550℃の間であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】 全圧が1〜6バールの間であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】 空時速度が100〜36,000/hの間であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】 反応体ガス(飽和炭化水素とアンモニアと酸素との混合物)において飽和炭化水素含量が5〜70%の間であり、アンモニア含量が3〜50%の間であり、そして酸素含量が3〜45%の間であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】 ガス状混合物の組成が爆発範囲の外であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】 活性相の他に、固体触媒が担体を含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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