説明

首掛けラベル付き容器

【課題】 本発明の課題は、装着された首掛けラベルが不用意に外れ難く、さらに、意匠性に優れた首掛けラベル付き容器を提供することである。
【課題手段】 本発明の首掛けラベル付き容器は、容器の首部22に装着された首掛けラベル1が、孔部31を有して向かい合う左右一対の押さえ片5L,5Rと、左右の押さえ片5L,5Rの各一側端部にそれぞれ連設され且つ左右の押さえ片5L,5Rの下面に配置された第1表示片61と、左右の押さえ片5L,5Rの各他側端部にそれぞれ連設され且つ左右の押さえ片5L,5Rの下面に配置された第2表示片62と、を有し、左右の押さえ片5L,5Rがそれぞれ上向き凸状に湾曲しており、第1表示片61及び第2表示片62の両側部が容器2の周方向に湾曲していると共に、第1表示片61及び第2表示片62の中央部が容器2の首部22に従って湾曲しつつ立ち上がっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の首部に首掛けラベルが装着された首掛けラベル付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消費者に対して宣伝広告効果を高める目的で、商品名、懸賞案内などの各種広告を表示した首掛けラベル(掛止ラベルとも呼ばれる)を、容器に装着することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1の図8等には、ラベルを容器の首部に装着することによって、第1基材によって形成される対向した2つの平坦状の立ち上げ面と、第2基材によって形成される対向した2つの平坦状の立ち上げ面からなる、計4面の立ち上げ面が立ち上がった首掛けラベル付き容器が開示されている。
また、特許文献2の図5等には、ラベルを容器の首部に装着することによって、広告を表示する2つの平坦状の開放板が容器の首部の側面に対向して立ち上がり、前記開放板が、湾曲状の枠部の剛性により、首部の両側面に押し付けられた首掛けラベル付き容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−62702号公報
【特許文献2】特開2002−140002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の首掛けラベル付き容器は、ラベルの2つの立ち上げ面の一部が容器の段部に係止されるので、不用意に抜け難く、さらに、容器の四方から立ち上げ面に表示された広告が見えるので好ましい。
しかしながら、特許文献1の首掛けラベル付き容器は、ラベルの各立ち上げ面の側端部がそれぞれ略直交しているので、全体として角張った感じを消費者に与える。特に、容器が全体的に略円筒状に形成されている場合、その容器の形状と首掛けラベルの角張った形状が適合せず、首掛けラベル付き容器全体の意匠性が低下する。
一方、上記特許文献2の首掛けラベル付き容器は、2つの開放板の正面から首掛けラベルを見た場合、この開放板に表示された広告が良好に見えるが、この開放板の面と平行な方向(開放板の横側)から首掛けラベルを見た場合、広告が良好に見えない。すなわち、良好に広告が見える方向が限定される問題点がある。
【0006】
本発明の第1の目的は、装着された首掛けラベルが不用意に外れ難く、さらに、意匠性に優れた首掛けラベル付き容器を提供することである。
本発明の第2の目的は、意匠性に優れ、容器の四方から広告が良好に見える首掛けラベル付き容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の首掛けラベル付き容器は、首掛けラベルの孔部から容器の上部に首掛けラベルを挿入して押し下げることにより、前記容器の首部に前記首掛けラベルが装着されており、前記首掛けラベルが、前記孔部を有して向かい合う左右一対の押さえ片と、前記左右の押さえ片の各一側端部にそれぞれ連設され且つ前記孔部を含んで前記左右の押さえ片の下面に配置された第1表示片と、前記左右の押さえ片の各他側端部にそれぞれ連設され且つ前記孔部を含んで前記左右の押さえ片の下面に配置された第2表示片と、を有し、容器に装着された状態において、前記左右の押さえ片がそれぞれ上向き凸状に湾曲しており、前記湾曲した左右の押さえ片によって前記第1表示片及び第2表示片の両側部が上方から押さえられることにより、前記第1表示片及び第2表示片の両側部が前記容器の周方向に湾曲していると共に、前記第1表示片及び第2表示片の中央部が前記容器の首部に従って湾曲しつつ立ち上がっている。
【0008】
上記首掛けラベル付き容器は、湾曲した左右の押さえ片によって、第1表示片及び第2表示片の両側部が上方から押さえられているので、湾曲した第1表示片及び第2表示片がそれぞれ容器の首部側に付勢されている。このため、第1表示片及び第2表示片の一部分が容器の首部に強く押さえ付けられ、装着された首掛けラベルが不用意に外れ難い。
さらに、上記首掛けラベル付き容器は、第1表示片及び第2表示片の両側部が容器の周方向に湾曲し、さらに、第1表示片及び第2表示片の中央部が容器の首部に従って湾曲しつつ立ち上がっている。このため、首掛けラベルの表示片が曲面的な形状をなし、意匠性に優れた首掛けラベル付き容器を提供できる。
【0009】
本発明の好ましい首掛けラベル付き容器は、前記左右の押さえ片の各中央部には、前記孔部側に延設された第3表示片及び第4表示片を有し、前記第3表示片と第4表示片が、湾曲した左右の押さえ片に追従して容器の首部に従って湾曲しつつ立ち上がっている。
かかる首掛けラベル付き容器は、前記第1表示片及び第2表示片に加えて、左右の押さえ片の各中央部に延設された第3表示片及び第4表示片が、容器の首部に従って湾曲しつつ立ち上がっているので、容器の四方から各表示片に表示された広告が見える。
また、前記第1表示片及び第2表示片と共に、第3表示片及び第4表示片も容器の首部に従って湾曲しているので、首掛けラベルの表示片全体が曲面的な形状をなし、意匠性に優れた首掛けラベル付き容器を提供できる。
【0010】
本発明の好ましい首掛けラベル付き容器は、前記第1表示片の上縁又は第2表示片の上縁の少なくとも何れか一方が、容器の首部に形成された段部に係止されている。
かかる首掛けラベル付き容器は、第1表示片の上縁又は第2表示片の上縁の少なくとも何れか一方が容器の首部に形成された段部に係止されているので、首掛けラベルが容器の上方に抜けて外れることを確実に防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の首掛けラベル付き容器は、装着された首掛けラベルが不用意に外れ難く、さらに、装着された首掛けラベルの表示片が曲面的な形状をなすため、意匠性に優れている。
本発明の好ましい首掛けラベル付き容器は、容器の四方から広告が良好に見える。このため、首掛けラベル付き容器の陳列時に、その向きを揃えなくても、首掛けラベルの表示片に表示された広告を消費者に見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る首掛けラベル付き容器の斜視図。
【図2】図1の首掛けラベル付き容器に使用された首掛けラベルの上面図。ただし、薄墨塗り部分は、接着部を示す(他の図も同様)。
【図3】同下面図。
【図4】同右側面図。
【図5】同首掛けラベルを容器に装着する直前の状態を表した斜視図。
【図6】変形例1に係る首掛けラベル付き容器の斜視図。
【図7】変形例1の首掛けラベル付き容器に使用された首掛けラベルの上面図。
【図8】変形例2に係る首掛けラベル付き容器の斜視図。
【図9】変形例2の首掛けラベル付き容器に使用された首掛けラベルの上面図。
【図10】図9のA−A線断面図。
【図11】変形例3に係る首掛けラベル付き容器の斜視図。
【図12】変形例3の首掛けラベル付き容器に使用された首掛けラベルの上面図。
【図13】図12のB−B線断面図。
【図14】変形例4に係る首掛けラベル付き容器の斜視図。
【図15】変形例4の首掛けラベル付き容器に使用された首掛けラベルの上面図。
【図16】同首掛けラベルの第1表示片及び第2表示片を開いた状態で表した上面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に於いて、10は、容器2の首部22に首掛けラベル1が装着された首掛けラベル付き容器を示す。
首掛けラベル1は、その孔部31を容器2の上部から挿入し、該ラベル1を押し下げることにより、容器2の首部22の所定位置に装着されている。
【0014】
容器2は、胴部21と首部22を有していれば特に限定されない。容器2としては、例えば、飲料などを入れるボトル型容器(例えば、PETボトルなど)、シャンプーなどを入れる容器などが挙げられる。
容器2の大きさや外形についても特に限定されないが、本発明の首掛けラベル1は、少なくとも首部22及び胴部21が円筒状である容器2に装着することが好ましい。本発明の首掛けラベル1は、装着時に、その表示片が曲面的な形状を成しているので、円筒状の首部22及び胴部21を有する容器2の形状に適合し、特に、意匠性に優れた首掛けラベル付き容器10を提供できる。
容器2の具体例としては、図1に示すように、収納空間を内部に有する円筒状の胴部21と、該胴部21の上方に形成され且つ胴部21から徐々に縮径した首部22と、該首部22の上部に着脱可能に取り付けられたキャップ部23と、該キャップ部23の下方に突設された鍔状のフランジ部24と、を有する容器が挙げられる。このフランジ部24の下方には、段部25が生じている。
ここで、本明細書において、容器の首部は、胴部の上方に形成された、胴部よりも小径の部分を意味する。容器の首部は、一般に、容器の肩部と呼ばれている部分をも含む。また、容器の段部は、首部に形成された凸部又は凹部を含む。
【0015】
未装着状態の首掛けラベル1は、図2〜図4に示すように、容器2の上部から挿入可能な孔部31を有する上側シート3と、前記上側シート3の孔部31を含んで上側シート3の下面に配置された下側シート4と、を有し、前記上側シート3の一方向両側端部と下側シート4の一方向両端側部が接着されている(この接着された部分を、接着部32という)。
上側シート3は、向かい合った左右一対の押さえ片5L,5Rと、該左右の押さえ片5L,5Rの中央部から孔部31側に延設された第3表示片63及び第4表示片64と、を有する。
下側シート4は、前記左右の押さえ片5L,5Rの各一側端部にそれぞれ連設され且つ孔部31を含んで左右の押さえ片5L,5Rの下面に配置された第1表示片61と、前記左右の押さえ片5L,5Rの各他側端部にそれぞれ連設され且つ孔部31を含んで左右の押さえ片5L,5Rの下面に配置された第2表示片62と、を有する。
【0016】
具体的には、上側シート3及び下側シート4は、所定の平面視形状(例えば、平面視略矩形状など)に形成されている。
上側シート3及び下側シート4の大きさは、特に限定されず、装着される容器2の大きさや形状に応じて適宜設定できる。例えば、上側シート3及び下側シート4がそれぞれ平面視略矩形状に形成される場合、両シートの縦×横は、30mm〜100mm×30mm〜100mm程度である。
上側シート3及び下側シート4は、適度な剛性と可撓性を有するシート材から構成されている。該シート材は、特に限定されず、紙、厚紙、合成紙、合成樹脂シート、合成樹脂発泡シート、これらの積層体、これらと他のシートの積層体などを用いることができる。好ましくは、前記シート材としては、合成紙、紙、合成樹脂シートが用いられる。紙を用いる場合には、その目付量が60〜150g/m程度のものが好ましい。合成紙又は合成樹脂シートを用いる場合には、その厚みが30μm〜150μm程度のものが好ましい。上側シート3及び下側シート4は、同一のシート材でもよいし、材質及び/又は厚みが異なるシート材でもよい。
【0017】
上側シート3のうち少なくとも第3表示片63及び第4表示片64の上面には、広告が表示されている(広告は、図示せず)。なお、この広告は、上側シート3の上面全体(第3表示片63及び第4表示片64の上面、左右の押さえ片5L,5Rの上面及び接着部32の上面)に表示されていてもよい。また、下側シート4のうち少なくとも第1表示片61及び第2表示片62の上面(上側シート3に重ねられた面)にも、広告が表示されている。なお、この広告は、下側シート4の上面全体に表示されていてもよい。
前記広告は、商品名、懸賞案内、商品説明などの任意の表示である。広告は、従来公知の印刷法でシートに施すことができる。
【0018】
上側シート3の面内の中央部には、例えば平面視略H字状の切り目が形成されている。この切り目は、上側シート3に孔部31を形成すると共に、左右一対の押さえ片5L,5R、第3表示片63及び第4表示片64を形成するためのものである。
該切り目は、上側シート3の中央部において一方向に伸びる第1切り目71と、第1切り目71の一端部から上側シート3の他方向左側端部側に伸びる第2切り目72と、第1切り目71の一端部から上側シート3の他方向右側端部側に伸びる第3切り目73と、第1切り目71の他端部から上側シート3の他方向左側端部側に伸びる第4切り目74と、第1切り目71の他端部から上側シート3の他方向右側端部側に伸びる第5切り目75と、からなる。
ただし、前記一方向は、上側シート3の任意の方向を意味し、前記他方向は、上側シート3の面内において、前記一方向と直交する方向をいう。例えば、上側シート3が、平面視矩形状に形成されている場合、前記一方向は、その縦辺又は横辺と平行な方向が好ましい。
前記各切り目の形状は、第3及び第4表示片63,64の形状に合わせて任意に設定できる。第3及び第4表示片63,64が立ち上がったときの負荷を小さくできることから、前記第2、第3、第4及び第5切り目72,73,74,75の端部(第1切り目71と連設していない側の端部)を弧状に形成することが好ましい。
【0019】
上側シート3の左側端部の中で切り目が形成されていない帯状の領域が、左押さえ片5Lであり、上側シート3の右側端部のうち切り目が形成されていない帯状の領域が、右押さえ片5Rである。また、上側シート3の中で第1切り目71、第2切り目72及び第4切り目74で区画された領域が、第3表示片63であり、上側シート3の中で第1切り目71、第3切り目73及び第5切り目75で区画された領域が、第4表示片64である。切り目において第3表示片63及び第4表示片64を押し上げることによって生じる開口が、孔部31である。
従って、帯状の左右の押さえ片5L,5Rは、両者の間に孔部31を有して向かい合っており、左押さえ片5Lの一方向中央部には、前記孔部31側に延設された第3表示片63を有し、右押さえ片5Rの一方向中央部には、前記孔部31側に延設された第4表示片64を有する。
【0020】
上側シート3の一方向両側端部と下側シート4の一方向両側端部は、所定幅帯状に接着されている。なお、接着は、接着剤を用いてもよいし、上側シート3及び下側シート4が溶剤接着可能なシート材で形成されている場合には、溶剤接着でもよいし、両者が熱シール可能なシート材で形成されている場合には、熱シールでもよい。なお、図2及び図3において、接着部32を判りやすく表すため、接着部32を薄墨塗りで示す。前記接着部32の接着幅は、特に限定されず、上側シート3及び下側シート4の大きさに応じて適宜設定できる。上側シート3が、例えば、縦4cm〜15cm、横4cm〜15cmの矩形状の場合、前記接着部32の幅は、3mm〜10mm程度が好ましい。
なお、上側シート3及び下側シート4が1枚のシート材を折り返して形成される場合には、前記接着部32は、設けられていなくてもよい。
【0021】
次に、下側シート4は、折り畳まれて上側シート3の下面に重ねられている。下側シート4は、両側端部の接着部32を除き、上側シート3の下面に重ねられているだけである(非接着)。下側シート4は、その一方向中央部において、他方向に延びる分断切り目41によって2つに分断されている。下側シート4の一方向一側端部から分断切り目41までの片が、第1表示片61であり、下側シート4の一方向他側端部から分断切り目41までの片が、第2表示片62である。従って、第1表示片61の端部(下側シート4の一方向一側端部)は、左右の押さえ片5L,5Rの各一側端部にそれぞれ連設されている。第1表示片61は、孔部31を含んで左右の押さえ片5L,5Rの下面に配置されている。具体的には、第1表示片61の中央部は、孔部31の下方に配置され、且つ、第1表示片61の両側部は、左右の押さえ片5L,5Rの下面に重ねられている。第2表示片62の端部(下側シート4の一方向他側端部)は、左右の押さえ片5L,5Rの各他側端部にそれぞれ連設されている。第2表示片62は、孔部31を含んで左右の押さえ片5L,5Rの下面に配置されている。具体的には、第2表示片62の中央部は、孔部31の下方に配置され、且つ、第2表示片62の両側部は、左右の押さえ片5L,5Rの下面に重ねられている。
【0022】
上記首掛けラベル1は、下記のようにして容器2の首部22に装着される。
図5に示すように、下側シート4を下に向け且つその分断切り目41を容器2の上部に当て、首掛けラベル1を押し下げることにより、第1表示片61及び第2表示片62が上方に押し出されると同時に孔部31が開き、さらに、左右の押さえ片5L,5Rが上向き凸状に湾曲すると共に第3表示片63及び第4表示片64が押し出される。
【0023】
首掛けラベル1は、装着状態において、図1に示すように、左右の押さえ片5L,5Rがそれぞれ上向き凸状に湾曲している。第1表示片61及び第2表示片62の両側部は、その上方から前記湾曲した左右の押さえ片5L,5Rによって押さえつけられている。押さえ片5L,5Rによって押さえられた第1表示片61及び第2表示片62の両側部は、容器2の首部22の周方向に湾曲し、これに追従して第1表示片61及び第2表示片62の中央部も容器2の首部22に従って湾曲して立ち上がっている。湾曲して立ち上がった第1表示片61及び第2表示片62は、容器2の首部22を挟んで向かい合っている。
また、左右の押さえ片5L,5Rの中央部にそれぞれ延設された第3表示片63及び第4表示片64は、湾曲した押さえ片5L,5Rにそれぞれ追従して容器2の首部22に従って湾曲しつつ立ち上がっている。湾曲して立ち上がった第3表示片63及び第4表示片64は、容器2の首部22を挟んで向かい合っている。また、第3表示片63及び第4表示片64は、第1表示片61(又は第2表示片62)に対して容器2の周方向に略90度ずれた位置において立ち上がり、第3及び第4表示片63,64の両側部上方が第1及び第2表示片61,62の両側部上方にそれぞれ重なっている。
さらに、第1〜第4表示片61〜64の各上縁は、容器2の段部25の下方に当たり、該段部25に係止されている。
【0024】
上記首掛けラベル付き容器10は、第1表示片61及び第2表示片62の両側部が容器2の周方向に湾曲し、さらに、第1表示片61及び第2表示片62の中央部が容器2の首部22を中心にして向かい合い、且つ首部22に従って湾曲しつつ立ち上がっている。かかる首掛けラベル付き容器10は、第1表示片61及び第2表示片62が曲面的な形状をなしているため、意匠性に優れている。特に、第3及び第4表示片63,64の両側部上方が第1及び第2表示片61,62の両側部上方にそれぞれ重なっているので、第1及び第2表示片61,62の両側部上方は、第3及び第4表示片63,64によって押さえられている。このため、第1及び第2表示片61,62は、全体的に曲面形状をなしており、より意匠性に優れている。
さらに、容器2の首部22の周方向に、互いに対向する第1〜第4表示片61〜64が湾曲して立ち上がっているので、首掛けラベル1の表示片全体が曲面的な形状をなしており、特に意匠性に優れている。かかる首掛けラベル付き容器10は、容器2の首部22の四方から第1〜第4表示片61〜64に表示された広告が見えるので好ましい。
【0025】
さらに、上記首掛けラベル付き容器10は、第1表示片61及び第2表示片62の両側部が左右の押さえ片5L,5Rによって上方から押さえられているので、湾曲した第1表示片61及び第2表示片62がそれぞれ容器2の首部22側に付勢されている。このため、第1表示片61及び第2表示片62の一部分が容器2の首部22に強く押さえ付けられ、装着された首掛けラベル1が不用意に外れ難い。特に、本実施形態の首掛けラベル付き容器10は、第1表示片61及び第2表示片62の上縁が、容器2の首部22に係止されているので、装着された首掛けラベル1が上方に抜けて外れることを防止できる。
これに加えて、第3及び第4表示片63,64には、孔部31側へ戻る力が作用しているため(装着前の状態に戻ろうとする力が作用しているため)、第3及び第4表示片63,64も容器2の首部22側に付勢されている。よって、第3及び第4表示片63,64の一部分が容器2の首部22に強く押さえ付けられ、装着された首掛けラベル1がより外れ難い。特に、第3及び第4表示片63,64の上縁が、図示したように、容器2の首部22に係止されているので、装着された首掛けラベル1が上方に抜けて外れる虞がない。
【0026】
なお、本発明の首掛けラベル付き容器は、上記実施形態に限られず、様々な態様に変更することができる。以下、本発明の首掛けラベル付き容器の各変形例を説明するが、主として上記実施形態と異なる構成及び効果について説明し、上記実施形態と同様の構成などについては、その説明を省略し、用語及び符号を援用することがある。
【0027】
(変形例1)
変形例1の首掛けラベル付き容器10を、図6に示す。
変形例1の首掛けラベル1は、上側シート3に形成された切り目の形状が上記実施形態と少し異なっている。すなわち、首掛けラベル1は、図7に示すように、第1切り目71の端部から延びる第2切り目72〜第5切り目75が、それぞれ平面視弧状に形成されている。本変形例1は、この点を除いて、上記実施形態と同様である。
【0028】
(変形例2)
変形例2の首掛けラベル付き容器10を、図8に示す。
変形例2の首掛けラベル1は、上側シート3に一対の三角状の切り抜き窓部が形成されている点で、上記実施形態と異なっている。すなわち、首掛けラベル1は、図9及び図10に示すように、上側シート3の面内に、頂点が接する一対の三角状の切り抜き窓部81,82が形成されている。この一対の切り抜き窓部81,82の左方の斜線で区画された領域が第3表示片63であり、一対の切り抜き窓部81,82の右方の斜線で区画された領域が第4表示片64である。第3表示片63は左押さえ片5Lに連設され、且つ第4表示片64は右押さえ片5Rに連設されていることは、上記実施形態と同様である。
【0029】
(変形例3)
変形例3の首掛けラベル付き容器10を、図11に示す。
変形例3の首掛けラベル1は、上側シート3の中央部に切り抜き窓部が形成されている点、上側シート3の左右の押さえ片5L,5Rの中央部外縁から延設された第3表示片63及び第4表示片64が左右の押さえ片5L,5Rの下面側に重ねられている点で、上記実施形態と異なっている。すなわち、首掛けラベル1は、図12及び図13に示すように、矩形状の上側シート3の面内中央部に、矩形状の切り抜き窓部83が形成されている。この切り抜き窓部83の左側の帯状領域が左押さえ片5Lであり、切り抜き窓部83の右側の帯状領域が右押さえ片5Rである。前記左右の押さえ片5L,5Rの外縁には、平面視台形状の第3表示片63及び第4表示片64が延設されている。この第3表示片63及び第4表示片64は、それぞれ左右の押さえ片5L,5Rの下面側に折り返され、下側シート4(第1表示片61及び第2表示片62)と押さえ片5L,5Rの間に配置されている。第3表示片63の端部及び第4表示片64の端部が互いに接するように、第3表示片63及び第4表示片64は折り返されている。なお、本変形例3の首掛けラベル1は、接着部は設けられていない。
【0030】
変形例1〜3の首掛けラベル付き容器10は、上記実施形態と同様に、首掛けラベル1が装着された状態において、上向き凸状に湾曲した左右の押さえ片5L,5Rによって第1表示片61及び第2表示片62の両側部が上方から押さえられ、第1表示片61及び第2表示片62の両側部が容器2の周方向に湾曲していると共に、第1〜第4表示片61〜64の中央部が容器2の首部22に従って湾曲しつつ立ち上がっている。
【0031】
(変形例4)
変形例4の首掛けラベル付き容器10を、図14に示す。
変形例4の首掛けラベル1は、上側シート3の中央部に切り抜き窓部が形成されている点、第1表示片61及び第2表示片62から延設された突出片部611,621が、左右の押さえ片5L,5Rの外縁よりも外方へ突出している点で、上記実施形態と異なっている。すなわち、首掛けラベル1は、図15に示すように、矩形状の上側シート3の面内中央部に、矩形状の切り抜き窓部84が形成されている。変形例4の首掛けラベル1は、上側シート3に第3表示片及び第4表示片が設けられていない。この上側シート3の一方向一側端部には、第1表示片61が延設され、上側シート3の一方向他側端部には、第2表示片62が延設されている。この第1表示片61及び第2表示片62は、平面視台形状に形成されている。第1表示片61及び第2表示片62は、左右の押さえ片5L,5Rの下面に重なるように、押さえ片5L,5Rの下面側に折り返されている(図16の展開図において、折り返し方向を矢印で示し、第1及び第2表示片と上側シートの折り目を二点鎖線で示す)。折り返された状態において、第1表示片61及び第2表示片62の両側部は、押さえ片5L,5Rに重なっている。第1表示片61及び第2表示片62の両側部には、押さえ片5L,5Rの外縁よりも外方に突出(延出)した突出片部611,621を有する。なお、本変形例4の首掛けラベル1は、接着部は設けられていない。
【0032】
変形例4の首掛けラベル付き容器10は、首掛けラベル1が装着された状態において、上向き凸状に湾曲した左右の押さえ片5L,5Rによって第1表示片61及び第2表示片62の両側部が上方から押さえられ、第1表示片61及び第2表示片62の両側部が容器2の周方向に湾曲していると共に、第1及び第2表示片61,62の中央部が容器2の首部22に従って湾曲しつつ立ち上がっている。また、第1及び第2表示片61,62から突出された突出片部611,621が、湾曲した第1及び第2表示片61,62に追従して容器2の首部22の周方向に湾曲している。なお、湾曲した突出片部611,612は、両片部の一部分が重なっていてもよいし(図14参照)、或いは、重なっていなくてもよい(図示せず)。変形例4の首掛けラベル1は、第3表示片63及び第4表示片64を有しないが、前記湾曲した突出片部611,621が第1表示片61に対して容器2の周方向に略90度ずれた位置において存在している。このため、第1及び第2表示片61,62並びにこれらの突出片部611,621に表示された広告が、容器2の四方から見える。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の首掛けラベル付き容器は、飲料、調味料、食品、化粧品、シャンプーなどのサニタリー品を収納する容器として利用でき、特に、販売促進キャンペーン用容器として好適である。
【符号の説明】
【0034】
1…首掛けラベル、2…容器、21…容器の胴部、22…容器の首部、25…容器の段部、3…上側シート、31…孔部、4…下側シート、5L,5R…左右の押さえ片、61…第1表示片、62…第2表示片、63…第3表示片、64…第4表示片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
首掛けラベルの孔部から容器の上部に首掛けラベルを挿入して押し下げることにより、前記容器の首部に前記首掛けラベルが装着された首掛けラベル付き容器であって、
前記首掛けラベルが、前記孔部を有して向かい合う左右一対の押さえ片と、前記左右の押さえ片の各一側端部にそれぞれ連設され且つ前記孔部を含んで前記左右の押さえ片の下面に配置された第1表示片と、前記左右の押さえ片の各他側端部にそれぞれ連設され且つ前記孔部を含んで前記左右の押さえ片の下面に配置された第2表示片と、を有し、
容器に装着された状態において、前記左右の押さえ片がそれぞれ上向き凸状に湾曲しており、前記湾曲した左右の押さえ片によって前記第1表示片及び第2表示片の両側部が上方から押さえられることにより、前記第1表示片及び第2表示片の両側部が前記容器の周方向に湾曲していると共に、前記第1表示片及び第2表示片の中央部が前記容器の首部に従って湾曲しつつ立ち上がっていることを特徴とする首掛けラベル付き容器。
【請求項2】
前記左右の押さえ片の各中央部には、前記孔部側に延設された第3表示片及び第4表示片を有し、前記第3表示片と第4表示片が、前記湾曲した左右の押さえ片に追従して前記容器の首部に従って湾曲しつつ立ち上がっている請求項1に記載の首掛けラベル付き容器。
【請求項3】
前記第1表示片の上縁又は第2表示片の上縁の少なくとも何れか一方が、容器の首部に形成された段部に係止されている請求項1又は2に記載の首掛けラベル付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−274951(P2010−274951A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128408(P2009−128408)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】