説明

香気物質としての4−アルキル置換ピリジン

【課題】新規な嗅覚的特性を持ち、香気物質の組成物に、特別な嗅覚的特徴および様相を与えることのできる、海洋性の芳香物質を提供することを目的とする。
【解決手段】1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジンおよび1種またはそれ以上の更なる香気または芳香物質を含み、好ましくは前記4-C8-C12-アルキルピリジンが、4-n-C8-C12-アルキルピリジンであり、および特に好ましくは4-n-オクチルピリジン、4-n-ノニルピリジン、4-n-デシルピリジン、4-n-ウンデシルピリジン、4-n-ドデシルピリジン、およびこれら物質の1種またはそれ以上の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、芳香-および/または香気物質の混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、以下の一般式(I)で表される幾つかの4-アルキルピリジン、これら4-アルキルピリジンを含有する香気(odiferous)物質の混合物および芳香物質の混合物、これら各物質の香気発生性または芳香物質(混合物)としての使用および対応する香付けされた製品に関するものである。
本発明に従って使用すべき4-C8-C12-アルキルピリジンは、以下の式(I)に相当する:
【0002】
【化1】

(I)
【0003】
Rは、8〜12個の炭素原子を持つ、分岐または分岐していないアルキル基を表す。
Rは、好ましくは8〜12個の炭素原子を持つ、分岐していないアルキル基である。即ち、本発明によれば、4-n-C8-C12-アルキルピリジンが好ましい。
【背景技術】
【0004】
香水工業において、海洋性香気物質に対する一般的な需要がある。というのは、消費者は、絶えず、水分に富む-新鮮な芳香特性を持つ、新たなかつモダンな香を求めているからである。海洋性香気特性を持つ香気物質は、大量に使用され、また香料、香気物質の混合物(香料組成物)において限りない変種を持ち、また極めて多岐に渡る応用分野を持つ香である。新しく、モダンな香味特性に対する消費者からの益々高まる要求の故に、香水工業において、芳香剤において新たな効果をもたらす香料に対する、絶え間ない要求があり、このようにして、新たなファッション傾向の創製が可能となる。水分に富む-新鮮な芳香を持つ化合物は、常に香料工業における重要かつ望ましい成分となっている。結局のところ、今日の海洋性香気物質は、多くの香水組成物において利用されている。
【0005】
多数の香水組成物の前記海洋性の嗅覚的特徴は、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(カロン(Calone) 1951TM)を基本とする。この古典的な海洋性の香気物質は、US 3,517,031に記載されている。
更なる古典的な海洋性の香気物質は、4-(4,8-ジメチル-3,7-ノナジエニル)-ピリジン(マリティマ(MaritimaTM)であり、これはUS 3,669,908およびDE 2,043,585に記載されている。
新規でモダンな香水組成物を製造するために、特別な嗅覚的特性を持つ、海洋性の香気物質に対する絶え間ない要求があり、前記香気物質は、複合的な海洋性の特性を持つ、新規でモダンな香水の組成の基本として利用するのに適している。海の典型的な匂い以外に、求められる前記海洋性の香気物質は、これらを嗅覚的特質および複雑性を持つものとする、更なる特徴並びに様相を呈するべきである。
【0006】
本発明を完成に導く、適当な海洋性の香気物質に対する検索は、以下のような論点によって妨げられた:
・嗅覚的認識のメカニズムに関する十分な知見がないこと;
・一方では、特別な嗅覚的認識と、他方では関連する香気物質の化学的な構造との間の関係が、十分に明らかにされていないこと;
・しばしば、既知香気物質を構成する構造に対する、正に最小限度の変更が、前記物質の嗅覚上の特徴における大きな変動をもたらし、またヒトの器官との相溶性を害する恐れがあること。
従って、適当な海洋性の香気物質に対する検索が成功するか否かは、この検索を行うヒトの直感に拠るところが大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、新規な嗅覚的特性を持ち、香気物質の組成物に、特別な嗅覚的特徴および様相を与えることのできる、海洋性の芳香物質を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
驚くべきことに、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは対応する4-n-アルキルピリジン、ここではとりわけ4-デシルピリジンが、上記目的を達成するのに適していることを見出した。
特に、抗生物質に関するUS 3,171,839またはRecueil des Travaux Chimiques des Pays-Bas et de la Belgique, 1953, 72, 513-521においては、4-デシルピリジンの製造が記載されている。更に、4-n-デシルピリジンは、例えばパリッシュケミカル社(Parish Chemical Company), Orem, Utah, USA (www.parishchemical.com, CAS No.1815-99-2を参照のこと)から製品番号1904の下に市販品として入手できる。
Helv. Chim. Act. 2007, 90, 1245におけるn-アルキルピリジンの嗅覚的特性に関連して、これら物質の幾つかが、「[...]は、水分に富むプロフィールを持つことができるが、この群の物質は、淀んで腐った水を想起させ、しばしば湿った犬という負の暗示を持つ」ものと論評された。
【0009】
炭素原子数8までの鎖長を持つ、多数の位置異性(regioisomeric)3-n-アルキルピリジンは、US 5,298,486およびEP 0 470 391並びにPerfumer & Flavorist, 1994, Vol. 19, 3月/4月, pp.19-27に記載されており、従って、3-n-オクチルピリジンの知覚的プロフィールは、「フルーティー、ジューシー、シーフード」として記載されている。
4-ヘプチルピリジンは、オレンジ類オイル中の1成分として単離されている(J. Agric. Food Chem. 1992, 40, 2236-2243)が、そこには、その嗅覚的な特徴については、何ら述べられていない。
Annales de Chimie, 1944, 19, 487-521のp.509において、4-トリデシルピリジンから出発して、4-n-アルキルピリジンのあらゆる高次の類似体が、「快適な香」を持つものと論評されている。
4-n-テトラデシルピリジン、4-n-ヘキサデシルピリジンおよび4-n-オクタデシルピリジンが、Eur. J. Org. Chem. 2004, 835-849において、「極めて不快な匂いを発する」物質として記載されている。
まとめると、4-C8-C12-アルキルピリジン、特に4-n-C8-C12-アルキルピリジン、とりわけ4-C10-アルキルピリジン、およびここでは特別に4-n-デシルピリジンの嗅覚的諸特性および香気物質の混合物における、これらピリジン類の利用並びにその効果は、全く未知であるということができる。
【0010】
驚いたことに、今や、本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、ここでは特に上記4-n-C8-C12-アルキルピリジンが、極めて明確な嗅覚的プロフィールを持ち、前記プロフィールが、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(カロン(Calone) 1951TM)および4-(4,8-ジメチル-3,7-ノナジエニル)-ピリジン(マリティマ(MaritimaTM)とは、明白に異なっていることが明らかとなった。
本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、ここでは特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンが、鎖長に従ってより高い強度および拡散性(部屋を横断する嗅覚的知覚作用)を持ち、これは、上記嗅覚的諸特性との組合せにおいて、全く固有のものである。
【0011】
各化合物の嗅覚的な説明は、以下の通りである:
4-n-オクチルピリジン:
オゾンの匂いを持つ極めて強力な海洋性(水様)の香気を持つ。僅かにブチレート状の様相及び海草の印象を与える。また、特にアルデヒドおよびオゾン特性との組合せで、前記オゾンの特徴が、残香において支配的に残される。
【0012】
4-n-ノニルピリジン
海の明確な香気を持ち;臭気知覚過程の全段階において、強力で、印象的な海洋性(水様)の匂いを持ち、この匂いの特徴は殆ど変化しない。藻類の香を想起させ、僅かにヘーゼルナッツの様相を呈する。著しく強力でかつ拡散性である。
【0013】
4-n-デシルピリジン
本明細書に記載される全ての化合物の中で、4-n-デシルピリジンが、最強の芳香性を持つものである。これは、特に香料研究者によって高い評価を受け、かつ求められた価値ある海洋性の特色によって特徴付けられ、これは心情的特色として、香水開発の中心を占める。更に、オゾン、バターのジアセチルの様相およびオレンジ皮の(香の)残存(エコー)のような付随する匂いをも示すことができる。
【0014】
4-n-ウンデシルピリジン
マンダリンが僅かに残存(エコー)する、アルデヒド-様の匂いとの組合せで、海洋性の特徴を示す。極めて強力に水様(watery)でかつ直線的(linear)である。オゾンおよび脂肪アルデヒドの僅かな兆候のあるマリン-フローラル芳香を持つ。
【0015】
4-n-ドデシルピリジン
海洋性(水様)の匂い、海草を思い起こさせる香を持つ。新鮮でオゾン様であるが、例えば4-n-デシルピリジン程には強力でない。クエン酸の様相が、ナッツ-粉末状の匂いと併合されている。
【0016】
他の香気物質との混合物において、本発明による4-n-アルキルピリジンおよび特に上記4-n-デシルピリジンは、また少ない用量で、香気物質混合物の香の強度を高め、かつ香気物質の混合物の一般的な嗅覚的知覚をまろやかにし、しかも前記混合物により一層の放散性および新鮮さ並びに自然さを与えることをも可能とする。
【0017】
要約すると、結局のところ、本発明による以下の化合物および混合物は、驚くべき嗅覚的な特性を持つ:
・1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む、香気または芳香物質の混合物;
・1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンおよび1種またはそれ以上の更なる香気または芳香物質を含む、香気または芳香物質の混合物。
【0018】
上で論じたものと密接に関連する本発明の一局面は、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンの使用、または海洋性香気または芳香物質として、または海洋性香気または芳香物質の混合物として、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む、(上で特徴付けられたような)香気または芳香物質の混合物に関する。
【0019】
海洋性香気を伝え、強化しまたは改善するための、本発明による対応する方法においては、知覚的に有効な量の4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジン、または4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含有する、香気または芳香物質の混合物を、ある製品と接触させ、あるいは前記製品と混合する。
【0020】
従って、本発明によれば、芳香物質の混合物および芳香物質の混合物(芳香油)が提供され、これらは、1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジンおよび1種またはそれ以上の更なる香気または芳香物質を含む。ここで、前記4-C8-C12-アルキルピリジンは、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンである。前記4-C8-C12-アルキルピリジンに関して特に好ましいものは、4-n-オクチルピリジン、4-n-ノニルピリジン、4-n-デシルピリジン、4-n-ウンデシルピリジン、4-n-ドデシルピリジン、および1種またはそれ以上のこれら物質の混合物から選択される。前記4-C8-C12-アルキルピリジンとして特に好ましいものは、4-n-デシルピリジン自体、またはこれと1種またはそれ以上の更なる4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは1種またはそれ以上の更なる4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む混合物である。本発明による前記芳香および香気物質の混合物は、上記利点を達成することを可能とし、および特に価値ある海洋性香気または与えるべき水様の特徴を持つ混合物を得ることを可能とする。
【0021】
前記4-C8-C12-アルキルピリジンは、またこれらの物質を含む製品において、その利点をもたらす。従って、本発明によれば、芳香を付与されあるいは香付けされた製品も提供され、前記製品は上記の如く、本発明による芳香および/または香気物質の混合物(芳香油)を含有する。ここでは、便宜上、少なくとも1種の前記4-C8-C12-アルキルピリジンは、前記物質各々の本発明の利点としての嗅覚的な印象を生ぜしめるのに、感覚的に十分な量で存在する。特に、前記1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジンが、水様の香を生成するのに十分な量で存在することが適当である。
【0022】
嗅覚的な印象を生ぜしめるのに感覚的に十分な量は、当業者によれば、前記製品の他の成分を考慮して、前記4-C8-C12-アルキルピリジン各々との関連で、無嗅覚症でない8名の分析者からなるパネルにより、容易に決定することができ、ここでは様々な濃度の4-C8-C12-アルキルピリジンを含む前記製品の対応する検体が、各場合において、周囲温度にて、所定の感覚的特徴の存在につき、前記パネルの各構成員により、3回に渡りテストされる。その最小濃度は、前記パネル構成員の少なくとも4名が、前記所定の感覚的特徴が存在するものと証言した場合に、達せられる。このようなパネルテストは、香水研究者および香りの研究者にとって馴染み深いものであり、また日常的なおよび標準的な方法において利用されている。
【0023】
本発明によって提供される前記製品(特に、本発明により香付けされた製品)は、好ましくは少なくとも1種の4-n-C8-C12-アルキルピリジンおよび特に好ましくは4-n-デシルピリジン単独またはこれと1種またはそれ以上の更なる4-C8-C12-アルキルピリジン、特に4-n-C8-C12-アルキルピリジンとを一緒に含む。好ましい濃度および更なる香気物質を、以下において更に詳しく説明する。
【0024】
US 3,171,839は、4-ピコリン(4-メチルピリジン)由来の、多数の4-アルキルピリジン(特に、4-C10-および4-C11-アルキルピリジン)の製造、およびエタノール中でこれら4-アルキルピリジンを水添することにより、対応する4-アルキルピリジンを製造することについて記載している。このような合成混合物は、本発明の意味における芳香または香気物質の混合物ではない。
【0025】
(i) 本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジンおよび(ii) 4-ピコリンを含有する、本発明による芳香または香気物質の混合物は、好ましくない。
【0026】
(i) 本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジンおよび(ii) 水添により得ることのできる4-アルキルピリジンを含む、本発明による芳香または香気物質の混合物も、同様に好ましいものではない。
【0027】
本発明による原理は、1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジン、特に4-n-C8-C12-アルキルピリジンの、以下の目的のための使用をも含む:
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・香気物質混合物の香の強度を高め;
・香気物質の混合物の放散性、鮮度および/または自然さを伝え、改善しまたは強化し;
・香気物質の混合物の香をまろやかにし;
・香気物質または香気物質の混合物の香または風味を増強しおよび/または改善し、および/またはこれら物質または混合物の永続性または拡散性を高める。
【0028】
上記目的にとって特に好ましいものは、4-n-デシルピリジンおよび4-n-デシルピリジンを含有する上記本発明による芳香および香気物質の混合物である。
従って、本発明によれば、更に
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・香気物質混合物の香の強度を高め;
・香気物質の混合物の放散性、鮮度および/または自然さを伝え、強化し、または改善し;
・香気物質の混合物の香をまろやかにし;
・香気物質または香気物質の混合物の香または風味を増強しおよび/または改善し、あるいはこれら物質または混合物の永続性または拡散性を高める方法であって、
【0029】
或る製品と、知覚的に有効な量の、1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンとを接触させ、好ましくは混合する工程を含む、前記方法が提案される。
【0030】
本発明による香気および芳香物質の組成物、特に芳香油は、好ましくは以下に列挙する物質から選択され、好ましくは2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種、10種またはそれ以上の香気物質を含む:
Steffen Arctander, 「パーヒューム&フレーバーケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)」,著者により刊行, モンクレール(Montclair), N. J. 1969; H. Surburg, J. Panten, 「コモンフレーグランス&フレーバーマテリアルズ(Common Fragrance and Flavor Materials)」,第5版,ウイリー(Wiley)-VCH,ワインハイム(Weinheim)2006において述べられている一般的な物質。
【0031】
4-C8-C12-アルキルピリジンおよび特に4-n-C8-C12-アルキルピリジンと組合せることのできる、香気物質は以下の通りである:
【0032】
天然の原料物質由来の抽出物、例えば精油、芳香ロウ成分、無水物、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ剤、例えばアンバーグリスチンキ剤;アミリス油;アンゲリカ(種子)油;アンゲリカ(根)油;アニス(aniseed)油;カノコソウ油;バジル油;ツリーモス(tree moss)乾燥品(absolute);ベイ油;アーモアズ(ヨモギ属植物)油;ベンゾエ(benzoe)レジノイド;ベルガモット油;蜜蝋乾燥品;カンバタール油;アーモンドオイル;キダチハッカ油;ブチュ葉油;カブルーバ(cabreuva)油;杜松油;ショウブ油;ショウノウ油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カッシア油;カシー乾燥品;カストリウム乾燥品;ヒマラヤスギ葉油;ヒマラヤスギウッド油;ゴジアオイ油;シトロネラオイル;レモンオイル;コパイババルサム;コパイババルサムオイル;コリアンダー(コエンドロ)オイル;木香油;ヒメウイキョウ油;サイプラス(セイヨウヒノキ属)油;ダバナ(davana)油;イノンド(weed)油;イノンド(種子)油;若芽水(eau de brouts)無水物;オークモス(oak moss)乾燥品;エレミオイル;エストラゴンオイル;ユーカリシトロネラール(citriodora)オイル; ユーカリ油;ウイキョウ油;モミの葉油;ガルバヌムオイル;ガルバヌム樹脂;ゼラニウム油;グレープフルーツ油;ユソウボク材油(グアヤック樹脂油);ガージャンバルサム; ガージャンバルサムオイル;ヘリクリサム(helichrysum)乾燥品;ヘリクリサム油;ジンジャーオイル;アイリス根乾燥品;アイリス根油;ジャスミン乾燥品;ショウブ油;ブルーカミツレ油;ローマンカミツレ油;ニンジン種子油;カスカリラ油;松葉油;スペアミント油;キャラウェー油;ラブダナム油;ラブダナム乾燥品; ラバンジン(lavandin)乾燥品;ラバンジンゆ;ラベンダー乾燥品;ラベンダー油;レモングラス油;ロバージ(せり科レビスチカム族)油;ライム油蒸留物;ライム圧搾油;リナロエ油;リットシーキュベバ(Litsea cubeba)油;ゲッケイジュ葉油;メース油;マヨラナ油;マンダリン油;マッソワ(massoi)(樹皮)油;ミモザ乾燥品;アムブレットシードオイル;ジャコウチンキ;オニサルビア油;ナツメグ油;ミルラ乾燥品;ミルラ油;ギンバイカ油;クローブ葉油;クローブ蕾油;ネロリ油;ニュウコウ乾燥品;ニュウコウ油;オポパナックス油;オレンジ花乾燥品;橙皮油;ハナハッカ油;パルマローザ(palmarosa)油;パチョリ油;エノ油;ペルーバルサム油;パセリ葉油;パセリ種子油;プチグレン油;ペパーミント油;ペッパーオイル;ピメント油;パイン油;ペニロイアル油;ローズ乾燥品;ロジウム油;ローズ油;ローズマリー油;ダルマチアセージ油;スパニッシュセージ油;ビャクダン油;セロリ種子油;スパイク油;スターアニス油;蘇合香樹油;センジュギク油;モミの葉油;茶木油;テレビン油;タイム油;トルーバルサム;トンカ豆乾燥品;チュベローズ乾燥品;バニラ抽出液;バイオレット葉乾燥品;クマツズラ油;ベチベル油;杜松油;ワイン澱(wine lees)油;ヨモギ油;冬緑油;イランイラン油;ヒソップ油;霊猫香乾燥品;シナモン葉油;シナモン樹皮油;およびこれらの画分またはこれらから単離された成分;
【0033】
炭化水素、例えば3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギフォレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエンを含む群から選択される、個々の芳香剤;
【0034】
脂肪族アルコール、例えばヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチルヘプタノール、2-メチルオクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-および(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールおよび3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オールを含む群から選択されるもの;
【0035】
脂肪族アルデヒドおよびそのアセタール、例えばヘキセナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナール-ジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセタルデヒドを含む群から選択されるもの;
【0036】
脂肪族ケトンおよびそのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オンを含む群から選択されるもの;
【0037】
脂肪族硫黄-含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオールを含む群から選択されるもの;
脂肪族ニトリル、例えば2-ノネンニトリル、2-トリデセンニトリル、2,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリルを含む群から選択されるもの;
【0038】
脂肪族カルボン酸およびそのエステル、例えば(E)-および(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-および(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)-および(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルイソバレレート、エチル-2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル-(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル-2-オクチネート、メチル-2-ノニネート、アリル-2-イソアミルオキシアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエートを含む群から選択されるもの;
【0039】
非-環式テルペンアルコール、例えばシトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロオール、ラバンズオール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロオール、テトラヒドロゲラニオール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネートおよび3-メチル-2-ブテノエートを含む群から選択されるもの;
【0040】
非-環式テルペンアルデヒドおよびケトン、例えばゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラールおよび7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチルおよびジエチルアセタールを含む群から選択されるもの;
【0041】
環式テルペンアルコール、例えばメントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピネン-4、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロオールオキサイド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアイオール、およびこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネートおよび3-メチル-2-ブテノエートを含む群から選択されるもの;
【0042】
環式テルペンアルデヒドおよびケトン、例えばメントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、カンファー、フェンコン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、γ-ダマスコン、δ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、ノオトカトン、ジヒドロノオトカトン、α-シネンサール、β-シネンサール、アセチル化シダー材油(メチルセドリルケトン)を含む群から選択されるもの;
【0043】
環状アルコール、例えば4-t-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-(Z2,Z5,E9)-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールを含む群から選択されるもの;
【0044】
環式脂肪族アルコール、例えばα,3,3-トリメチルシクロ-ヘキシルメタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンタン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オールを含む群から選択されるもの;
【0045】
環状および環式脂肪族エーテル、例えばシネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、α-セドレンエポキサイド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]-トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキサイド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサンを含む群から選択されるもの;
【0046】
環状ケトン、例えば4-t-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチル-シクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロ-ヘキサノン、4-t-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノンを含む群から選択されるもの;
【0047】
環状脂肪族アルデヒド、例えば2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドを含む群から選択されるもの;
【0048】
環状脂肪族ケトン、例えば1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、t-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトンを含む群から選択されるもの;
【0049】
環状アルコールのエステル、例えば2-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-t-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-t-ペンチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-または-6-インデニル-イソブチレート、4,7-メタノオクタヒドロ-5-または-6-インデニルアセテートを含む群から選択されるもの;
【0050】
環式脂肪族カルボン酸のエステル、例えばアリル-3-シクロヘキシル-プロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、メチル-2-ヘキシル-3-オキシシクロペンタンカルボキシレート、エチル-2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキサンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキサンカルボキシレート、エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテートを含む群から選択されるもの;
【0051】
芳香族炭化水素、例えばスチレンおよびジフェニルメタンを含む群から選択されるもの;
芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノールを含む群から選択されるもの;
【0052】
芳香脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル、例えばベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、1-フェニルエチルアセテート、α-取りクロロメチルベンジルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテートを含む群から選択されるもの;
【0053】
芳香脂肪族エーテル、例えば2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセタルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセタルデヒドジエチルアセタール、ヒドラトロプアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセタルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシンを含む群から選択されるもの;
【0054】
芳香族および芳香脂肪族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、フェニルアセタルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドラトロプアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセタルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-t-ブチルフェニル)プロパナール、3-(4-t-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレン-ジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナールを含む群から選択されるもの;
【0055】
芳香族および芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-t-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-t-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチル-エチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトンを含む群から選択されるもの;
【0056】
芳香族および芳香脂肪族カルボン酸およびそのエステル、例えば安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、cis-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル-3-フェニルグリシデート、エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデートを含む群から選択されるもの;
【0057】
窒素原子-含有芳香族化合物、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-t-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-t-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、5-フェニル-3-メチル-2-ペンテノニトリル、5-フェニル-3-メチルペンテノニトリル、メチルアンスラニレート、メチル-N-メチルアンスラニレート、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールとメチルアンスラニレートのシッフ塩基、2-メチル-3-(4-t-ブチルフェニル)プロパナールまたは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒド、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec.-ブチルキノリン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、4-(4,8-ジメチル-3,7-ノナジエニル)-ピリジンを含む群から選択されるもの;
【0058】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えばエストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレジルフェニルアセテートを含む群から選択されるもの;
【0059】
ヘテロ環式化合物、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オンを含む群から選択されるもの;
ラクトン、例えば1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-およびtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-およびtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン-1,12-ドデカンジオエート、エチレン-1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンを含む群から選択されるもの;
【0060】
本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含有する上記芳香油は、液体形状で、香付けのための溶媒で希釈しまたは希釈しない状態で使用することができる。このための適当な溶媒は、特にエタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、トリエチルシトレートおよびイソプロピルミリステートである。これらの溶媒は、香付けの際の佐剤であり、また(本発明の意味において)香気物質であると理解すべきではない。
【0061】
幾つかの4-アルキルピリジンの混合物または溶液としては、例えばエタノール(Langmuir, 2001, 1054-1059)またはメタノール(US 4,555,520およびジャーナルオブソリッドステートケミストリー(Journal of Solid State Chemistry), 1987, 69, 145-152)中の溶液または混合物が知られている。
しかし、これら溶媒、特にエタノールまたはメタノールが、芳香および/または香気物質であると認められる場合には、本発明による芳香および/または香気物質の混合物は、これら溶媒に加えて、1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジンと、更に1種またはそれ以上の香気または芳香物質を含む。
【0062】
香気物質および芳香物質の混合物において、特に芳香油組成物において、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンの全使用量は、通常0.000001〜5質量%なる範囲、好ましくは0.00001〜2質量%なる範囲、および特に好ましくは0.0001〜1質量%なる範囲内にある。上記各使用量の範囲は、前記香気物質または芳香物質の混合物全体に対するものである。
本発明の更なる局面に従う少ない用量を用いる態様においては、本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンは、香または風味を改善しおよび/または増強するための、以下に述べる低濃度において特に適している。即ち、これらは所謂効能促進剤または強化剤として機能し得る。
【0063】
本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンが、主として、香気物質の混合物および芳香物質の混合物、特に芳香油組成物に、より一層高い強度、新鮮さ、放散性および/またはまろやかさを与え、および/または(前記香気物質および芳香物質の混合物に含まれる他の香気または芳香物質の)幾つかの匂い、特に花様、果実様、海洋性または苔様の香を演出する上での匂いを高めるために使用される場合、4-n-C8-C12-アルキルピリジンの全体としての割合は、好ましくは極めて低く、また好ましくは、各場合において前記香気物質または芳香物質の混合物全体に対して、0.00001〜1質量%なる範囲、好ましくは0.0001〜0.1質量%なる範囲および特に好ましくは0.001〜0.01質量%なる範囲にある。
前記好ましい濃度範囲内において、前記各組成物における前記さらなる成分に依存して、比較的低い濃度が選択され、幾つかの場合においては、上記の特徴的な芳香特性は、依然として運び去られていない。
【0064】
本発明のこの局面に関連して、本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンが、香味発生性または芳香物質に対する効能促進剤として使用できることを既に述べた。前記花様、果実様、海洋性または苔様の匂いの一種、その複数またはその全てについて、香および/または風味を改善しおよび/または増強(促進)するための対応する方法は、以下の段階を含む:
・花様、果実様、海洋性または苔様の匂いの一種、複数または全てを持つ、1種またはそれ以上の香味発生性または芳香物質と、所定量の前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンとを、前記花様、果実様、海洋性および/または苔様の匂いの1種またはそれ以上を生成する、前記香味発生性または芳香物質の嗅覚的および/または芳香的印象を、知覚的に改善しおよび/または増強するのに十分に混合する段階。
【0065】
他の海洋性香気物質を用いて、本発明に従って使用すべき4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンと混合することによって、嗅覚的に興味深い更なる組合せおよび効果を得ることができ、特にカロン(Calone 1951TM)またはマリティマ(MaritimaTM)との組合せにおいて、多岐に渡る海の匂いを達成することができる。
本発明に従って使用すべき4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンによる、花様の香気または芳香物質の嗅覚的な増強は、特に、ジャスミン、ローズ、スズラン、バイオレット、ゼラニウム、モクレン、アイリス、スイセン、フリージア、ボローニア、チュベローズ、クチナシ、およびヒヤシンスを指向する、花様の香または風味を持つ香気または芳香物質において観測される。
【0066】
本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンと有利に組合せることのできる、花様の香気または芳香物質は、好ましくはヒドロキシシトロネラール、メトキシシトロネラール、シクラメンアルデヒド[2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール]、1-(4-イソプロピル-シクロヘキシル)エタノール[ムゲタノール(MugetanolTM)]、4-t-ブチル-α-メチルジヒドロシンナムアルデヒド[リリアル(LilialTM)]、cis-ヘキサヒドロクミニルアルコール[メイオール(MayolTM)]、3-[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]プロパナール[ブルゲオナール(BourgeonalTM)]、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパナール[マジャントール(MajantolTM)]、3-メチル-3-(3-メチルベンジル)-ブタン-2-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール[フルローザ(FlorosaTM)]、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール[ヘリオフォーラル(HeliofolalTM)]、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキサンカルボアルデヒド[ライラル(LyralTM)]、4-(オクタヒドロ-4,7-メタノ-5H-インデン-5-イリデン-ブタナール[デュピカル(DupicalTM)]、ベルンアルデヒド(vernaldehyde)、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキサンカルボアルデヒド[ベルトムガール(VertomugalTM)]、オクタヒドロ-5-(4-メトキシブチリデン)-4,7-メタノ-1H-インデン[ムゴフロア(MugoflorTM)]、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール[フリージオール(Freesiol(登録商標))]、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノ[フェメック(PhemecTM)]、2,2-ジメチル-3-フェニル-1-プロパナール[ムゲット(Muguet)アルコール]、プロファルネソール(profarnesol)、ジヒドロファルネソール、ファルネソール、ネリオリドール(neriolidol)、ヒドロキシシトロネラールジメチルアセタール、ヘキシルベンゾエート、ゲラニオール、ネロール、リナロオール、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロリナロオール、エチルリナロオール、ゲラニルチグリネート、フェニルエチルアルコール(2-フェニルエチルアルコール)、シトロネロール、ローズオキサイド、2-メチル-5-フェニルペンタノール[ローザフェン(Rosaphen)]、3-メチル-5-フェニルペンタノール[フェノキサノール(Phenoxanol)]、メチルジヒドロジャスメート[高cis-含有率のヘディオン(HedionTM)、ヘディオン(HedioneTM)]、2-ヘプチルシクロペンタノン[プロジャスモン(Projasmon) P]、cis-ジャスモン、ジヒドロジャスモネート、シンナミックアルコール(3-フェニル-2-プロペン-1-オール)、ジヒドロシンナミックアルコール(3-フェニルプロパノール)、2-メチル-4-フェニル-1,3-ジオキソラン[ジャシンタフロア(Jacinthaflor(登録商標))]、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)からなる群から選択される。
【0067】
本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンによる、果実様の香気または芳香物質の嗅覚的強化は、特にリンゴ、パイナップル、キイチゴ、イチゴ、バナナ、ブルーベリー、ナシ、グレープフルーツ、メロン、アンズ、サクランボ、バニラ、オレンジ、レモン、セイヨウナシ、ライム、キャラメルおよびココナッツを指向する、果実様の香または風味を持つ、香気または芳香物質において観測される。
【0068】
本発明に従って使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンと有利に組合せることのできる、果実様の香気または芳香物質は、好ましくは2-メチル-酪酸エチルエステル、4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデート、酪酸イソアミルエステル、酢酸イソアミルエステル、酢酸-n-ブチルエステル、酪酸エチルエステル、3-メチル-酪酸エチルエステル、n-ヘキサン酸エチルエステル、n-ヘキサン酸アリルエステル、エチル-2-trans-4-cis-デカジエノエート、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキサン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、ヘキサナール、3Z-ヘキセナール、n-デカナール、n-ドデカナール、シトラール、リモネン、バニリン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトールおよびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0069】
幾つかの用途に対して、担体上に吸着された、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む芳香油を使用することが有利であり、これは、前記製品中での前記香気物質の優れた分散性および使用の際の制御放出性両者を保証する。このような担体は、多孔質無機材料、例えば軽質硫酸塩(light sulfate)、シリカゲル、ゼオライト、石膏、クレイ、クレイ顆粒、ガス状の(花から抽出される)芳香ロウ成分等、および有機材料、例えば木材、セルロースを主成分とする材料、糖またはプラスチック、例えばPVC、ポリビニルアセテートまたはポリウレタンであり得る。
他の用途に対しては、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む前記芳香油を、マイクロカプセル化した状態、包接錯体として噴霧乾燥された状態で、または押出製品として使用し、またこの形状で、香付けすべき前記(一次)製品に添加することが有利である。
このような改良された芳香油の諸特性は、幾つかの場合には、より指向性の香気放出の観点から、適当な材料による所謂被覆によって、更に最適化される。前記被覆のためには、好ましくはワックス状の合成物質、例えばポリビニルアルコールが使用される。
【0070】
前記芳香油のマイクロカプセル化は、例えばカプセル材料、例えばポリウレタン-状の材料またはソフトゼラチンの助けにより、所謂コアセルベート法を利用して行うことができる。噴霧乾燥された芳香油は、例えば前記芳香油を含有するエマルションまたは分散液を噴霧乾燥することにより製造することができ、ここでは、その担体物質として、変性デンプン、タンパク質、デキストリンおよび食用ガムを使用することができる。包接錯体は、例えば水等の適当な溶媒に、前記芳香油およびシクロデキストリンまたはウレア誘導体の分散物を導入することによって製造することができる。押出製品は、適当なワックス状物質と共に前記芳香油を溶融し、必要によっては、イソプロパノール等の適当な溶媒中にこれを押出、次いで固化させることにより得ることができる。
【0071】
本発明による、4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む前記芳香油は、濃縮状態、溶液または、例えば香料抽出物、香水、オードトワレ、アフターシェーブ剤、オーデコロン、髭剃り前製品、スプラッシュコロンおよび香付けされた清涼化拭取り製品用の、および香付け酸、アルカリおよび中性清浄化剤、例えばフロアクリーナー、窓クリーナー、洗浄液、浴用および衛生製品用クリーナー、洗浄剤、固体および液体WCクリーナー、粉末およびフォーム形状にあるカーペットクリーナー、液状洗浄剤、粉末洗浄剤、クリーニング用前処理剤、例えば漂白剤、柔軟剤および染み取り剤、布地用コンディショナー、クリーニング石鹸、クリーニング錠剤、消毒薬、液体またはゲル形状にあるまたは固体担体に適用される表面消毒薬および空気清涼化剤、エーロゾルスプレイ、ワックスおよび研磨剤、例えば家具研磨剤、フロアワックス、クリーム状靴磨きおよび個人用衛生剤、例えば固体および液体石鹸、シャワーゲル、シャンプー、シェービングソープ、シェービングフォーム、浴用オイル、水中油型、油中水型および水中油中水型の化粧学的エマルション、例えばスキンクリームおよびローション、フェースクリームおよびローション、日焼け防止クリームおよびローション、日焼け手当用クリームおよびローション、ハンドクリームおよびローション、足用クリームおよびローション、脱毛クリームおよびローション、アフターシェーブクリームおよびローション、褐色化(人工日焼け)クリームおよびローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプレイ、ヘアゲル、ヘアローション、ヘアリンス、永続的または半-永続的髪染め剤、整髪剤、例えばコールドパーマ掛けおよび毛髪平滑化剤、ヘアトニック、ヘアクリームおよびローション、デオドラントおよび発汗防止剤、例えば腋窩スプレイ、ロールオン、デオドラントスティック、デオドラントクリームまたは装飾的化粧料製品等の製造のための、他の改良された形状で使用することができる。
【0072】
上記の香付けした製品は、好ましくは、各場合において前記香付けした製品の全量に対して、0.1〜6質量%なる範囲、好ましくは0.2〜4質量%なる範囲、好ましくは0.3〜3質量%なる範囲の、本発明により使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンを含む、本発明による前記芳香油の含有率を持つ。
本発明により使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは前記4-n-C8-C12-アルキルピリジン、または本発明による香気または芳香物質の混合物と、組合せることのできる好ましい物質は、以下に列挙するものである:
【0073】
保存剤、研磨剤、皮膚老化防止剤、抗菌剤、抗-小胞炎剤、フケ防止剤、抗炎症剤、刺激防止剤、刺激抑制剤、抗-微生物剤、酸化防止剤、アストリンゼン、発汗抑制剤、防腐剤、静電防止剤、バインダー、バッファー、担体材料、キレート剤、細胞刺激剤、クレンジング剤、手当剤、脱毛剤、界面活性剤、デオドラント、発汗防止剤、柔軟剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム-形成剤、定着剤(揮発保留剤)、起泡剤、フォーム安定剤、発泡防止用物質、発泡促進剤、防黴剤、ゲル化剤、ゲル-形成剤、ヘアケア剤、ヘアセット剤、縮毛矯正剤、水分付与剤、モイスチャライジング物質、保湿物質、漂白剤、強化剤、汚れ除去剤、蛍光増白剤、含浸剤、汚れ防止剤、減摩剤、潤滑剤、モイスチャライジングクリーム、軟膏、不透明化剤、可塑剤、被覆剤、研磨、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、リオイリング(re-oiling)剤、減摩剤、シリコーン、皮膚平滑化剤、皮膚クレンジング剤、皮膚手当剤、皮膚治癒剤、皮膚光沢付与剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、保温剤、皮膚加温剤、安定剤、UV-吸収剤、UVフィルタ、洗浄剤、布地用コンディショナー、懸濁剤、皮膚日焼け剤、増粘剤、ビタミン、オイル、ワックス、脂質、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ-または多価不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ-脂肪酸、液化剤、色素、色彩-保護剤、顔料、腐食防止剤、芳香剤、香味付与物質、香気物質、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒またはシリコーン誘導体。
【0074】
前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンは、更に高い(固有の)結合性、極めて低い嗅覚的閾値、高い拡散性、良好な永続性および極めて良好な定着特性により特徴付けられる。カロン(Calone 1951TM)またはマリティマ(MaritimaTM)と比較して、本発明により使用すべき前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンは、酸化性試薬(例えば、漂白溶液中で)に対して良好な安定性、および極めて低い閾値および驚くべき拡散性を持つ。前記4-C8-C12-アルキルピリジン、特に前記4-n-C8-C12-アルキルピリジン、ここではとりわけ4-n-デシルピリジンは、従って空気-清涼化剤、シャンプー、漂白剤および洗浄剤並びに布地用コンディショナーにおいて使用するのに、特に適している。
【実施例】
【0075】
上記の諸特性を例示するために、以下のようにして、マリティマ(MaritimaTM)と4-n-デシルピリジンとを、空気中での拡散性および閾値につき比較した。
【0076】
拡散性に関する実施例:
0.5gのテストすべき前記香気物質各々を、ペトリ皿に秤取り、蓋で密閉した。このペトリ皿を、前記テスト対象の前方50cmの位置に配置した(この距離は、前記テストを開始する前にテーブル上にマークした)。
次いで、前記蓋を前記ペトリ皿から取外し、前記テスト対象により同時にストップウォッチをスタートさせた。前記テスト対象は、彼がその香を認識した際に即座に時間の計測を停止させた。前記テスト対象は、1=無臭から、9=極めて強力までのスケールに基いて、前記サンプルの香の強度を評価した。前記計測時間および前記強度をテストシートに記録した。
【0077】
前記テスト対象は、各サンプルにつき3回評価を行った。前記結果が妨害されないことを確実にするために、全ての窓およびドアを閉めておく必要がある。テストに使用した部屋の温度は、常温(20-25℃)とした。前記テスト対象は、テストすべきサンプルに関して無嗅覚症に罹患してはいない。一般に、最低8名の参加者が、前記サンプルを評価した。
【0078】
【表1】

【0079】
空気中での閾値に関する実施例:
テストすべき前記香気物質を、既定のサンプル採取装置内で蒸発させ、次いで知覚閾値に関して感覚的に評価した。このサンプル採取装置は、サンプルバッグおよびガス流出口を含む。規定量の前記所定の香気物質を、前記バッグに吹入れた。前記サンプルで満たした後の平衡化時間は、周囲温度にて約18時間であり、次いで前記バッグの内容物を、一定のガス流により、前記テスト対象に提示した。前記テスト対象は、最初に識別可能な嗅覚的印象を受けた際に、応答ボタンを押した。前記香気閾値濃度は、次の希釈段階において、前記嗅覚的印象を、前記応答ボタンを繰返し押すことにより確認された場合に、達成される。前記サンプルの濃度を、前のサンプルと次のサンプルとの間で、ファクタ2だけ高めた。
空気中での前記閾値の評価値は、標準値に対して測定され、また一般に8名のテスト対象が、この感覚的評価に関与した。前記参加者は、検討すべきサンプルに関して無嗅覚症に罹患してはいない。
【0080】
【表2】

【0081】
付着容量とも呼ばれる、前記(固有の)結合は、ある化合物が基質に結合する能力を意味する。拡散性とは、前記テスト部屋を介する前記香気物質の伝達が知覚される速度を意味する。永続性とは、通常水性相から基質によって吸収される容量、あるいはまた洗浄または濯ぎ工程後に、基質上に残留する容量を意味する。この効果は、それ自体、特に基質、例えば皮膚、毛髪および紡織繊維(例えば、綿、ウール、リネン、合成繊維)上で現れる。定着材(固定性)として作用し得るという特徴は、対応する化合物が、他の香気物質において、接着強度を発生することを意味する。これは、例えば蒸気圧低下、または嗅覚増強(例えば、閾値の低下)によって起こり得る。
本発明による前記4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは前記4-n-C8-C12-アルキルピリジンおよび上記混合物の、香気物質の組成物に及ぼす、以上説明した効果は、特に、使用中の時間の経過に伴う前記嗅覚的な変化の比較において、明らかとなる。
【0082】
以下の実施例は、本発明を説明するものである。特に述べない限り、全てのデータ、特に量および百分率は、質量基準によるものである。
以下の実施例では、以下の略号を使用する:BA=ベンジルアルコール;BB=ベンジルベンゾエート;DEP=ジエチルフタレート;DPG=ジプロピレングリコール;IPM=イソプロピルミリステート;CRIST=結晶性;TEC=トリエチルシトレート。
【0083】
実施例1:4-n-デシルピリジンの例を利用する、様々な4-n-アルキルピリジンの製造
160gの4-ピコリンを、1600mLのテトラヒドロフラン中に1000mLのリチウムジイソプロピルアミド(1.8M)を分散した溶液中に、-50℃にて20分間で滴下した。次いで、この処方物を、-20℃にて1時間攪拌した。400mLのテトラヒドロフラン中に330gのノニルブロミドを溶解した溶液を、-50℃にて2時間で滴下し、更に1時間攪拌し、この処方物を、次いで室温に復帰させた。600mLの水を添加し、生成する相を分離し、その有機相を蒸留した。
純度99.3%を持つ181gの4-n-デシルピリジンを単離した。これは、51%なる理論的収率に相当した。
【0084】
4-オクチルピリジン
【0085】
【化2】

【0086】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 0.88 (t, J = 6.9 Hz, 3 H), 1.22-1.36 (m, 10 H), 1.57-1.67 (m, 2 H), 2.59 (m, 2 H), 7.10 (m, 2 H), 8.48 (dd, J = 1.6 Hz, J = 4.4 Hz, 2 H) ppm;および
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 14.09 (CH3), 22.65 (CH2), 29.19 (2 × CH2), 29.37 (CH2), 30.31 (CH2), 31.84 (CH2), 35.26 (CH2), 123.91 (2 × CH), 149.62 (2 × CH), 151.77 (C) ppm。
MS: m/z (%) = 191 (8) [M+], 162 (4), 148 (6), 134 (4), 120 (6), 106 (82), 93(100), 65 (9)
【0087】
4-ノニルピリジン
【0088】
【化3】

【0089】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.21-1.36 (m, 12 H), 1.56-1.68 (m, 2 H), 2.59 (m, 2 H), 7.10 (m, 2 H), 8.48 (dd, J = 4.4 Hz, J = 1.6 Hz, 2 H) ppm;
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 14.11 (CH3), 22.67 (CH2), 29.19 (CH2), 29.29 (CH2), 29.41 (CH2), 29.49 (CH2), 30.32 (CH2), 31.88 (CH2), 35.26 (CH2), 123.92 (2 × CH), 149.62 (2 × CH), 151.78 (C) ppm;
MS: m/z (%) = 205 (8) [M+], 190 (2), 176 (3), 162 (7), 148 (4), 134 (2), 120(6), 106 (100), 93 (65), 65 (7)
【0090】
4-デシルピリジン
【0091】
【化4】

【0092】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3 H), 1.22-1.35 (m, 14 H), 1.57-1.67 (m, 2 H), 2.59 (m, 2 H), 7.10 (m, 2 H), 8.47 (dd, J = 4.4 Hz, J = 1.6 Hz, 2 H) ppm;
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 14.11 (CH3), 22.69 (CH2), 29.19 (CH2), 29.31 (CH2), 29.41 (CH2), 29.53 (CH2), 29.58 (CH2), 30.31 (CH2), 31.90 (CH2), 35.26 (CH2), 123.92 (2 × CH), 149.61 (2 × CH), 151.79 (C) ppm;
MS: m/z (%) = 219 (6) [M+], 204 (4), 190 (5), 176 (7), 162 (7), 148 (5), 134(2), 120 (8), 106 (100), 93 (47), 77 (3)
【0093】
4-ウンデシルピリジン
【0094】
【化5】

【0095】
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 0.88 (t, J = 6.7 Hz, 3 H), 1.22-1.35 (m, 16 H), 1.57-1.66 (m, 2 H), 2.59 (m, 2 H), 7.10 (m, 2 H), 8.47 (dd, J = 1.6 Hz, J = 6.0 Hz, 2 H) ppm;
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ = 14.12 (CH3), 22.70 (CH2), 29.20 (CH2), 29.34 (CH2), 29.41 (CH2), 29.53 (CH2), 29.62 (CH2), 29.63 (CH2), 30.31 (CH2), 31.92 (CH2), 35.26 (CH2), 123.92 (2 × CH), 149.62 (2 × CH), 151.78 (C) ppm;
MS: m/z (%) = 233 (11) [M+], 218 (4), 204 (5), 190 (6), 176 (3), 162 (6), 148 (4), 134 (2), 120 (6), 106 (100), 93 (41), 65 (5)
【0096】
実施例2:芳香油組成物および処方例
実施例2.1:洗浄用粉末
【0097】
【表3】

【0098】
上記洗浄粉末用の芳香油:
【0099】
【表4】

【0100】
0.3%の芳香油P1およびP2を、洗浄用粉末(粉末洗浄剤)に添加した場合に、以下のような結果を得た:芳香油P2における0.01%なる割合の4-n-デシルピリジンは、スズランおよび果実様の匂いを、全く例外的な程度(促進効果)までの増強をもたらした。4-n-デシルピリジンを含む前記組成物は、より新鮮な全体としての放散性を示した。
【0101】
実施例2.2:石鹸
【0102】
【表5】

【0103】
上記石鹸のための芳香油:
【0104】
【表6】



【0105】
1.2%の各芳香油C1およびC2を、石鹸に添加した場合、その効果は極めて明白である:前記芳香油C2における0.07%なる割合の4-n-デシルピリジンは、新鮮な特徴の大幅な強化をもたらし、また前記組成物全体により高い放散性および能力を与える。更に、前記石鹸の基本の香は、前記芳香油C2によって、有意に、より良好に隠蔽される。
【0106】
実施例2.3:万能(あらゆる用途に適う)クリーナー
【0107】
【表7】

【0108】
上記万能クリーナー用の芳香油:
【0109】
【表8】



【0110】
前記芳香油0.3%を、あらゆる用途に適うクリーナーに添加した場合、以下の結果が得られた:0.005%なる割合の4-n-デシルピリジンは、新鮮な中心的匂い(fresh head note)の明確な強化と組み合わされた、海洋性-苔様の匂いの著しい強化をもたらした。この匂いの拡散性もまた高められている。
【0111】
実施例2.4:シャンプー
【0112】
【表9】

【0113】
上記真珠光沢をもつシャンプー用の芳香油:
【0114】
【表10】

【0115】
前記芳香油S2における、0.05%なる割合の4-デシルピリジンは、(前記シャンプー中に前記芳香油0.5%を添加した際に)果実のモモ/アンズ様の特性を強化し、またこの全体としての組成物に、更にエキゾチックでトロピカルな果実風味を与えた。その上、この組成物は、全体としてより調和のとれた、かつまろやかなものであると考えられた。
【0116】
実施例2.5:シャワーゲル
【0117】
【表11】

【0118】
上記シャワーゲル用の芳香油:
【0119】
【表12】

【0120】
前記芳香油D2における0.02%なる割合の4-デシルピリジン(前記シャワーゲル中、0.5%なる前記芳香油の添加量において)は、前記芳香油組成物の、水様の新鮮な主たる匂いを促進(増強)し、また前記芳香性であり、森林性の、男性らしい香に、より高い能力および豊かさを与えた。
【0121】
実施例2.6:良質の芳香剤
【0122】
【表13】



【0123】
芳香油F2における、0.001%なる比率の4-デシルピリジン(エタノール中、12%なる前記芳香油の添加量において)は、透明で、新鮮な主たる匂いを増強し、また上記男性らしい芳香剤に、より大きな放散性を与えた。
【0124】
実施例2.7:布地用コンディショナー
【0125】
【表14】

【0126】
上記布地用コンディショナー様の芳香油:
【0127】
【表15】

【0128】
前記布地用コンディショナーにおける、前記芳香油W2の0.6%なる濃度において、そこに含まれる10%なる割合の4-デシルピリジンは、新鮮な花様の香を与える組成の調和をもたらし、また望ましいバイオレットの特徴を大幅に高めた。
【0129】
実施例2.8:透明なデオドラントスティック(処方物A、B)またはデオドラントクリームスティック(処方物C、D)
【0130】
【表16】

PPG:ポリプロピレングリコール
【0131】
実施例2.9:ロール-オン制汗剤
【0132】
【表17】

【0133】
実施例2.10:発汗防止剤スティック
【0134】
【表18】

【0135】
実施例2.11:エーロゾルスプレイ
【0136】
【表19】

【0137】
各場合において、上記各成分を一緒に混合した後に得られる混合物を、プロパン-ブタン混合物(2:7)と共に、2:3なる質量基準の比にて、エーロゾル容器に充填した。
【0138】
実施例2.12:O/W型ローション
【0139】
【表20】

【0140】
実施例2.13:UV保護性を有するヘアコンディショナー
【0141】
【表21】

【0142】
実施例2.14:光防御(日焼け防止)スプレイ
【0143】
【表22】

【0144】
製法
部分A:攪拌しつつ、前記ララケアA-200を、その他の成分に溶解した。
部分B:前記原料物質全て(ペムレンを除き)を秤量し、また加熱により前記結晶性物質を溶解した。前記ペムレンを次に分散させた。この部分Bを、前記部分Aに添加し、1分間に渡り均一化させた。
部分C-E:これらを添加し、ウルトラチュラックス(Ultra Turrax)を用いて、更に1-2分間に渡り均一化させた。
【0145】
実施例2.15:光防御(日焼け防止)用ソフトクリーム(W/O)、光防御ファクタ(SPF) 40
【0146】
【表23】

【0147】
製法
部分A:約85℃まで加熱した。
部分B:約85℃まで加熱(酸化亜鉛を除く;酸化亜鉛を、ウルトラチュラックスを用いて分散させた)した。
部分Aに部分Bを添加した。攪拌しつつ冷却させた。
部分C:これを上記混合物に添加し、次いで均一化させた。
【0148】
実施例2.16:光防御(日焼け防止)用ミルク(W/O)
【0149】
【表24】

【0150】
製法
部分A:約85℃まで加熱した。
部分B:約85℃まで加熱した。この部分Bを前記部分Aに添加した。攪拌しつつ冷却した。
部分C:これを、上記混合物に添加し、次いで均一化させた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジンおよび1種またはそれ以上の更なる香気または芳香物質を含み、好ましくは前記4-C8-C12-アルキルピリジンが、4-n-C8-C12-アルキルピリジンであり、および特に好ましくは4-n-オクチルピリジン、4-n-ノニルピリジン、4-n-デシルピリジン、4-n-ウンデシルピリジン、4-n-ドデシルピリジン、およびこれら物質の1種またはそれ以上の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、芳香および/または香気物質の混合物。
【請求項2】
4-C8-C12-アルキルピリジンとして、4-n-デシルピリジンを、場合により1種またはそれ以上の更なる4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは1種またはそれ以上の更なる4-n-C8-C12-アルキルピリジンと共に含有する、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
知覚的に有効な混合物中に、前記4-C8-C12-アルキルピリジンを含み、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・前記混合物の強度を高め;
・前記混合物の放散性、鮮度および/または自然さを伝え、改善しまたは増強し;
・前記混合物の香をまろやかにし;
・香気物質または香気物質の混合物の香または風味を増強しおよび/または改善し、あるいはこれら物質または混合物の永続性または拡散性を高める、
請求項1または2記載の混合物。
【請求項4】
前記芳香または香気物質の混合物全量に対して、それぞれ、合計量が、0.000001〜5質量%なる範囲、好ましくは0.00001〜2質量%なる範囲および特に好ましくは0.0001〜1質量%なる範囲において前記4-C8-C12-アルキルピリジンを含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の混合物。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の混合物、好ましくは4-n-デシルピリジンを含有する混合物を含むことを特徴とする、香付けされたまたは芳香が付与された製品。
【請求項6】
知覚的に有効な量で、前記混合物を含み、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・香気物質の香の強度を高め;
・前記製品の香の放散性、鮮度および/または自然さを伝え、改善しまたは増強し;
・前記製品の香をまろやかにし;
・香気物質または香気物質の混合物の香または風味を増強しおよび/または改善し、あるいはこれら物質または混合物の永続性または拡散性を高める、
請求項5記載の製品。
【請求項7】
前記製品が、化粧品、および家庭用製品、好ましくはシャンプー、布地用コンディショナーおよび/または洗浄用粉末から選択される、請求項5または6記載の製品。
【請求項8】
1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジン、特に1種またはそれ以上の4-n-C8-C12-アルキルピリジンの、
・香および/または風味、好ましくは花様、果実様、海洋的および/または苔様匂いの内の複数または全部を、改善しおよび/または強化(増強)し;
・海洋的香を、伝え、強化しまたは改善し;
・香気物質混合物の香の強度を高め;
・香気物質混合物の香の放散性、鮮度および/または自然さを、伝え、改善しまたは強化し;
・香気物質混合物の香をまろやかにし;
・香気物質または香気物質の混合物の香または風味を増強しおよび/または改善し、あるいはこれら物質または混合物の永続性または拡散性を高めるための、
使用。
【請求項9】
4-n-オクチルピリジンの、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・オゾンの匂いを持つ海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;および/または
・海草様香を伝え、強化しまたは改善するための、
請求項8記載の使用。
【請求項10】
4-n-ノニルピリジンの、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・藻類に付随する匂いを有する海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・ヘーゼルナッツ状の様相を有する海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;および/または
・香気物質の混合物、好ましくは海洋的香を有する香気物質の混合物の拡散性を高めるための、
請求項8記載の使用。
【請求項11】
4-n-デシルピリジンの、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・オゾンの匂い、バターのジアセチルの様相、および/またはオレンジ類皮の模倣、反映を伴う、海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;および/または
・香気物質の混合物、好ましくは海洋的香を持つ香気物質の混合物の拡散性を高めるための、
請求項8記載の使用。
【請求項12】
4-n-ウンデシルピリジンの、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・マンダリンに付随する匂い、オゾンに付随する匂い、および/または脂肪アルデヒドに付随する匂いを持つ、海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;および/または
・香気物質の混合物、好ましくは海洋的香を持つ香気物質の混合物の拡散性を高めるための、
請求項8記載の使用。
【請求項13】
4-n-ドデシルピリジンの、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・海草に付随する匂い、クエン酸の様相および/またはナッツ-粉末の匂いを持つ、海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;および/または
・香気物質の混合物、好ましくは海洋的香を持つ香気物質の混合物の拡散性を高めるための、
請求項8記載の使用。
【請求項14】
製品における、
・海洋的香を伝え、強化しまたは改善し;
・香気物質混合物の香の強度を高め;
・香気物質の混合物の放散性、鮮度および/または自然さを伝え、強化しまたは改善し;
・香気物質の混合物の香をまろやかにし;
・香気物質または香気物質の混合物の香または風味を増強しおよび/または改善し、あるいはこれら物質または混合物の永続性または拡散性を高める、方法であって、
各場合において、前記方法が、
知覚的に有効な量の、1種またはそれ以上の4-C8-C12-アルキルピリジン、好ましくは4-n-C8-C12-アルキルピリジンと、前記製品とを接触させ、好ましくは混合する工程、
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項15】
前記4-C8-C12-アルキルピリジンが、4-n-デシルピリジンであり、あるいはこれを含む、請求項14記載の方法。