説明

駆動装置及びロボット装置

【課題】従来と比して一段と耐衝撃性を向上させる。
【解決手段】固定軸21Aに枢支されたギア22と、回転テーブル24との間に、当該ギア22の回転軸方向及び当該回転テーブル24の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリング25を設けたことで、回転テーブル24に加わる衝撃を当該カップリング25とギア22及び回転テーブル24との摺動により吸収して、当該衝撃が直接固定軸21Aに加わることを防止することができるので、当該固定軸21Aが回転テーブル24に加えられた衝撃により折れてしまうことを防ぐことができ、かくして、従来と比して一段と耐衝撃性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駆動装置及びロボット装置に関し、例えば、モータの駆動力をギアを介して回転体に伝達することで回転体を回転させる駆動装置及びロボット装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの駆動力をギアを介して回転体に伝達することで回転体を回転させる駆動装置は、様々な分野で利用されている。例えば、デジタルスチルカメラには、レンズを移動させる機構として、このような駆動装置が利用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここで、従来の駆動装置について簡単に説明する。図1においてZ1は、従来の駆動装置を示す。この駆動装置Z1は、ベースZ2の所定位置に固定軸Z3が突設され、この固定軸Z3に対して、ギアZ4が回転自在に枢支されている。さらにこの固定軸Z3には、ギアZ4の上に重なるようにして回転体Z5が回転自在に枢支され、このギアZ4と回転体Z5とがネジZ6により固定されている。
【0004】
そして、この駆動装置Z1は、例えばベースZ2側に取り付けられたモータ(図示せず)の駆動力によりギア4を回転させることで、このギア4に固定された回転体Z5を回転させるようになされている。つまりこの駆動装置Z1は、モータの駆動力をギア4を介して回転体Z5に伝達することで、回転体Z5を回転させるようになされている。
【特許文献1】特開2005−300760公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような駆動装置Z1を、例えば、ベースZ2側と回転体Z5側とのそれぞれに回路部(図示せず)を有するロボット装置などに利用する場合、ベースZ2側の回路部と回転体Z5側の回路部との間で信号を送受する手段が必要となる。そこで、例えば、ベースZ2側から回転体Z5側に所定のケーブルを通すことで、ベースZ2側の回路部と回転体Z5側の回路部とを接続する方法が考えられる。
【0006】
ここで、ケーブルに対するねじれや引っ張りなどを極力抑えてケーブル破損を防止するには、回転体Z5の回転軸となる固定軸Z3の軸心部分に貫通孔をあけ、この貫通孔にケーブルを通すことが望ましい。
【0007】
一方で、この固定軸Z3は、回転体Z5の回転軸でもあり、回転体Z5に対する衝撃を直接受けることになることから、十分な強度が要求される。
【0008】
しかしながら、上述したように、ケーブルを通す貫通孔を固定軸Z3の軸心部分にあけると、固定軸Z3の強度が著しく低下する。この結果、回転体Z5に対して衝撃がくわえられると、固定軸Z3が間単に折れてしまう恐れがあった。
【0009】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来と比して一段と耐衝撃性を向上させた駆動装置及びロボット装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため本発明においては、ベースの所定位置に突設された固定軸と、当該固定軸に枢支され、駆動部の駆動力により回転するギアと、当該ギアと回転体との間に設けられ、当該ギアの回転を当該回転体に伝達するとともに、当該ギアの回転軸方向及び当該回転体の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリングとを設け、ベースから回転体までを貫くように、固定軸の軸心部分、カップリングの軸心部分及び回転体の軸心部分のそれぞれに貫通孔を穿設するようにした。
【0011】
このように、固定軸に枢支されたギアと、回転体との間に、当該ギアの回転軸方向及び当該回転体の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリングを設けたことで、回転体に加わる衝撃をカップリングの摺動により吸収して、当該衝撃が直接固定軸に加わることを回避することができるので、固定軸にケーブル用の貫通孔が穿設されていようとも、当該固定軸が回転体に加えられた衝撃により折れてしまうことを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、固定軸に枢支されたギアと、回転体との間に、当該ギアの回転軸方向及び当該回転体の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリングを設けたことで、回転体に加わる衝撃を当該カップリングの摺動により吸収して、当該衝撃が直接固定軸に加わることを回避することができるので、固定軸にケーブル用の貫通孔が穿設されていようとも、当該固定軸が回転体に加えられた衝撃により折れてしまうことを防ぐことができ、かくして、従来と比して一段と耐衝撃性を向上させた駆動装置及びロボット装置を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0014】
(1)音楽ロボット装置の外観構成
図2(A)及び(B)並びに図3において、1は全体として本発明を適用した音楽ロボット装置を示す。かかる音楽ロボット装置1は、例えば全体として略楕円体状の装置筺体(以下、これを楕円体状筐体とも呼ぶ)2を有している。
【0015】
楕円体状筐体2は、中央の略樽型形状の部分でなる筐体中央部3の互いに対向する一対の端部のうち、一方の端部(以下、これを右側端部とも呼ぶ)側に略円錐台形状の部分でなる第1の筐体回動部(以下、これを右側回動部とも呼ぶ)4が設けられている。
【0016】
また楕円体状筐体2は、筐体中央部3の他方の端部(以下、これを左側端部とも呼ぶ)側に、略円錐台形状の部分でなる第2の筐体回動部(以下、これを左側回動部とも呼ぶ)5が設けられている。
【0017】
さらに楕円体状筐体2は、右側回動部4の右側に、略ドーム形状の部分でなる第1の筐体開閉部(以下、これを右側開閉部とも呼ぶ)6が設けられている。
【0018】
さらにまた楕円体状筐体2は、左側回動部5の左側に、略ドーム形状の部分でなる第2の筐体開閉部(以下、これを左側開閉部とも呼ぶ)7が設けられている。
【0019】
ところで、以下の説明では、楕円体状筐体2の中心点P1から当該楕円体状筐体2表面の最も遠い右側及び左側の両頂点P2、P3を結ぶ仮想の直線でなる線分(すなわち、楕円体の長軸)を水平回動軸線L1とも呼ぶ。
【0020】
そして右側回動部4は、筐体中央部3の右側端部に対し、水平回動軸線L1を中心にして例えば320度の回転角度範囲で軸回り一方向D1及びこれとは逆の軸回り他方向に回動可能に枢支されている。
【0021】
また左側回動部5は、筐体中央部3の左側端部に対し、水平回動軸線L1を中心にして例えば320度の回転角度範囲で軸回り一方向D1及び軸回り他方向に回動可能に枢支されている。
【0022】
さらに図4に示すように、右側開閉部6は、右側回動部4に対し開閉機構部8を介して所定の回転角度範囲で開閉可能に取り付けられている。
【0023】
この場合、右側開閉部6は、例えば右側回動部4の外壁右側縁部4Aに対し開口縁部6Aを当接させる基準の回転角度から、当該外壁右側縁部4Aに対し開口縁部6Aを略80度等となる所定の回転角度までの回転角度範囲内で任意の角度に開くようになされている。
【0024】
実際に右側開閉部6は、開閉機構部8の内部に収納されたモータ(図示せず)により駆動され開閉し得るようになされている。
【0025】
一方、左側開閉部7は、左側回動部5に対し開閉機構部9を介して所定の回転角度範囲で開閉可能に取り付けられている。
【0026】
この場合、左側開閉部7は、例えば左側回動部5の外壁左側縁部5Aに対し開口縁部7Aを当接させる基準の回転角度から、当該外壁左側縁部5Aに対し開口縁部7Aを略80度等となる所定の回転角度までの回転角度範囲内で任意の角度に開くようになされている。
【0027】
実際に左側開閉部7は、開閉機構部9の内部に収納されたモータ(図示せず)により駆動され開閉し得るようになされている。そして左側開閉部7は、右側開閉部6とは独立して開閉し得るようになされている。
【0028】
また右側回動部4は、右側端部4Bが山形に突出し、頂上部分に孔部4Cが穿設された筒状に形成されている。
【0029】
そして右側回動部4の内部には、ステレオ用の一対の第1及び第2のスピーカ10及び11のうち、右チャンネル用の第1のスピーカ(以下、これを右スピーカとも呼ぶ)10がドーム形状の振動板の正面を孔部4Cから突出させて収納されている。
【0030】
従って右側開閉部6は、開閉機構部8を介して回転して、開口縁部6Aを右側回動部4の外壁右側縁部4Aに当接させて閉じた場合、右スピーカ10の振動板を外部から隠すことができる。
【0031】
また右側開閉部6は、開閉機構部8を介して回転して、開口縁部6Aを右側回動部4の外壁右側縁部4Aから離間させるように開いた場合、右スピーカ10の振動板を外部に露出させるようになされている。
【0032】
一方、左側回動部5も、左側端部5Bが山形に突出し、頂上部分に孔部5Cが穿設された筒状に形成されている。
【0033】
そして左側回動部5の内部には、右スピーカ10と同様構成及び同様形状でなる左チャンネル用の第2のスピーカ(以下、これを左スピーカとも呼ぶ)11がドーム形状の振動板の正面のみを孔部5Cから突出させて収納されている。
【0034】
従って左側開閉部7は、開閉機構部9を介して回転して、開口縁部7Aを左側回動部5の外壁左側縁部5Aに当接させて閉じた場合、左スピーカ11の振動板を外部から隠すことができる。
【0035】
また左側開閉部7は、開閉機構部9を介して回転して、開口縁部7Aを左側回動部5の外壁左側縁部5Aから離間させるように開いた場合、左スピーカ11の振動板の正面を外部に露出させるようになされている。
【0036】
また図5に示すように、右側回動部4は、左側回動部5とは独立して回動し得るようになされている。
【0037】
そして右側回動部4は、右側開閉部6の開閉動作からも独立して回動し得るようになされている。また左側回動部5も、左側開閉部7の開閉動作とは独立して回動し得るようになされている。
【0038】
これに加えて図2(A)及び(B)並びに図3に示すように、筐体中央部3の右側端部には、円環形状の右側車輪12が水平回動軸線L1を中心にして軸回り一方向D1及び軸回り他方向に回動可能に枢支されている。
【0039】
また筐体中央部3の左側端部には、右側車輪12と同様形状(すなわち、円環形状)の左側車輪13が水平回動軸線L1を中心にして軸回り一方向D1及び軸回り他方向に回動可能に枢支されている。
【0040】
この場合、右側車輪12は、筐体中央部3の最大外径よりも大きい所定外径を有している。また左側車輪13は、右側車輪12と同様の外径を有している。
【0041】
これにより右側車輪12及び左側車輪13は、共に軸回り一方向D1及び軸回り他方向に回動して楕円体状筐体2を自走させ得るようになされている。
【0042】
また右側車輪12及び左側車輪13は、互いに独立して回動し得るようになされている。よって右側車輪12及び左側車輪13は、楕円体状筐体2を旋回やその場での回転のように、種々のパターンで走行させ得るようになされている。
【0043】
また筐体中央部3内には、内壁中央の所定位置にバッテリ等でなる重り14が固定されている。
【0044】
そして筐体中央部3は、楕円体状筐体2の中心点P1から右側端部(すなわち、右側車輪12)までの長さと、当該楕円体状筐体2の中心点P1から左側端部(すなわち、左側車輪13)までの長さとがほぼ等しい所定長さに選定されている。
【0045】
さらに右側回動部4及び左側回動部5は、互いに同じ形状でなり、互いの幅がほぼ等しい所定幅に選定されている。
【0046】
さらにまた右側開閉部6及び左側開閉部7も、互いに同じ形状でなり、それぞれ開口縁部6A及び7Aから表面の頂点P2及びP3までの幅がほぼ等しい所定幅に選定されている。
【0047】
すなわち楕円体状筐体2は、当該楕円体状筐体2の中心P1を通り、水平回動軸線L1を垂線とする仮想平面(図示せず)に対し左右が面対称に形成されている。
【0048】
このため楕円体状筐体2は、机の天板や床等に載上される場合、筐体中央部3の最大外形部分の外周面を当該床等の表面から僅かに離間させ、かつ水平回動軸線L1を床等の表面と平行にした姿勢で右側車輪12及び左側車輪13により支持される。
【0049】
因みに、以下の説明では、楕円体状筐体2が載上される机の天板や床等をまとめて床とも呼ぶ。
【0050】
これに加えて楕円体状筐体2は、筐体中央部3内の重り14により当該筐体中央部3の重心が中心点P1から内壁寄りにずれている。
【0051】
このため楕円体状筐体2は、床に載上された場合、重り14を鉛直下側に位置させた(すなわち、重り14部分でなる重心を床の表面に極力近づけた)姿勢(以下、これを基準姿勢とも呼ぶ)となる。
【0052】
そして筐体中央部3内の重り14は、重さが比較的重く選定されている。従って楕円体状筐体2は、右側車輪12及び左側車輪13によって支持された状態で床に載上された場合、右側開閉部6及び左側開閉部7がそれぞれ独立して任意の角度に開かれても、右側及び左側等に傾くことなく基準姿勢を維持することができる。
【0053】
また楕円体状筐体2は、右側開閉部6及び左側開閉部7がそれぞれ独立して開かれた状態で右側回動部4及び左側回動部5がそれぞれ独立して回転しても、右側及び左側等に傾くことなく基準姿勢を維持することができる。
【0054】
さらに上述のように、楕円体状筐体2は、重り14によって筐体中央部3の重心が中心点P1から内壁寄りにずれている。
【0055】
このため楕円体状筐体2は、床の上を自走する場合も筐体中央部3自体が水平回動軸線L1を中心にして軸回り一方向D1や軸回り他方向へ回転することを抑制し得るようになされている。
【0056】
さらに楕円体状筐体2は、重り14が比較的重いため、自走する際に右側開閉部6及び左側開閉部7がそれぞれ独立して任意の角度に開かれても、右側及び左側等にはほとんど傾くことなく基準姿勢をほぼ維持することができる。
【0057】
また楕円体状筐体2は、自走する際に右側開閉部6及び左側開閉部7がそれぞれ独立して開かれた状態で右側回動部4及び左側回動部5がそれぞれ独立して回転しても、右側及び左側等にほとんど傾くことなく基準姿勢をほぼ維持することができる。
【0058】
ところで筐体中央部3の表面には、基準姿勢で鉛直上側となる位置に、指や手等が接触したことを検知するための接触検知センサ15が設けられている。
【0059】
また右側車輪12の右側には、光を発する環状の右側発光部16が設けられている。さらに左側車輪13の左側にも、右側発光部16と同様構成の、光を発する環状の左側発光部17が設けられている。
【0060】
そして右側発光部16及び左側発光部17は、それぞれ全体や一部分、また発光色等のように発光状態を可変して発光し得るようになされている。
【0061】
(2)回動機構部の構成
次に、筐体中央部3に対して右側回動部4及び左側回動部5を回動させる回動機構部について説明する。ちなみに、音楽ロボット装置1は、筐体中央部3に対して右側回動部4を回動させる回動機構部と左側回動部5を回動させる回動機構部とを別々に有しているが、これらは同一構成であるので、ここでは右側回動部4を回動させる回動機構部を例に説明する。
【0062】
図6に示すように、筐体中央部3に対して右側回動部5を回動させる回動機構部20は、筐体中央部3の右側端部に設けられている。ちなみに、図6に示す右側車輪12は、タイヤ部分が外されホイールが露出している状態である。回動機構部20は、図7に示すように、筐体中央部3の右側回動部4側の端部(すなわち樽の口部分)を塞ぐようにこの右側端部に固定された略円盤形状のベース21を有している。
【0063】
このベース21には、右側回動部4側の面(これを単に回動部側の面とも呼ぶ)に、回動部側に垂直に突き出た固定軸21Aが形成されている。この固定軸21Aは、その軸心部分に貫通孔21Bが穿設されてなり、全体として円筒状の形状をなしている。この固定軸21Aの軸心を通る直線が水平回動軸線L1となる。また貫通孔21Bは、ベース21の筐体中央部3側の面(これを単に筐体中央部側の面とも呼ぶ)まで突き抜けるようになされている。
【0064】
さらに図7にくわえて図8(A)にも示すように、この固定軸21Aに対して、略円盤形状でその高さが固定軸21Aとほぼ一致するギア22が回転自在に枢支されている。このギア22は、その軸心部分に、軸孔22Aが穿設されてなり、この軸孔22Aに固定軸21Aが通されることで、固定軸21Aに対して回転自在に枢支されるようになされている。
【0065】
このギア22には、その外周面を覆うように歯22Bが形成されており、この歯22Bに、図示しないモータの駆動軸の回転を伝達するギアの歯が噛み合わさることで、モータの駆動に応じて回転するようになされている。
【0066】
さらにこのギア22には、回動部側の面に、軸孔22Aの淵から外周面に架けて、半径方向に第1の溝22Cが形成されている。さらにこの回動部側の面には、軸孔22Aから見て第1の溝22Cとは逆側に、軸孔22Aの淵から外周面に架けて、半径方向に第2の溝22Dが形成されている。つまりギア22の回動部側の面には、第1の溝22Cと第2の溝22Dとが、間に軸孔22Aを挟んで中心を通る一直線(つまり直径を表す直線)上に形成されている。さらにこのギア22の回動部側の面には、軸孔22Aの近傍に、回動部側に突き出た凸部22Eが形成されている。
【0067】
くわえて、ベース21には、図7にくわえて図8(B)にも示すように、ギア22の外周面及び回動部側の面を覆うギアカバー23が取り付けられている。このギアカバー23は、ギア22の回動部側の面を覆う部分に、ギア22の軸孔22A及びその周囲(第1の溝22C及び第2の溝22Dの一部と凸部22Eが含まれる)を露出させる円形の露出孔23Aが設けられ、全体として略円筒形状をなしている。
【0068】
さらにこの露出孔23Aの淵部には、その所定位置に、中心に向けて突き出たストッパ23Bが形成されている。このストッパ23Bは、ギア22が軸回り一方向D1または軸周り他方向に所定量回転したときにギア22の凸部22Eと当接することで、それ以上同方向にギア22が回転するのを防ぐようになされている。実際上、ギア22の軸回り一方向D1及び軸周り他方向の回転角度は、このストッパ23Bにより約320度に制限される。
【0069】
さらにギア22と右側回動部4の中央部側の端部(すなわち円錐台形の底面部分)に固定される略円盤形状の回転テーブル24との間に、ギア22の回転を回転テーブル24に伝達するための(つまり右側回動部4に伝達するための)カップリング25が設けられている。ここで、回転テーブル24は、ベース21とほぼ同径であるとする。
【0070】
このカップリング25は、図7にくわえて図9(A)にも示すように、円盤の軸心部分に貫通孔25Aが穿設されたリング形状でなり、その外径がギアカバー23の露出孔23Aの径より所定量小さく、その内径(つまり貫通孔25Aの径)が固定軸21Aの内径(つまり貫通孔21Bの径)とほぼ同じ大きさになるよう選定されている。そしてこのカップリング25は、貫通孔25Aが固定軸21Aの貫通孔21Bと繋がるように、ギアカバー23の露出孔23Aに収められる。
【0071】
このカップリング25には、ギア22と対向する面(これをギア対向面とも呼ぶ)に、貫通孔25Aの淵から外周面に架けて、半径方向に第1の凸部25Bが形成されている。さらにこのギア対向面には、貫通孔25Aから見て第1の凸部25Bとは逆側に、貫通孔25Aの淵から外周面に架けて、半径方向に第2の凸部25Cが形成されている。つまりカップリング25のギア対向面には、第1の凸部25Bと第2の凸部25Cとが、間に貫通孔25Aを挟んで中心を通る一直線(つまり直径を表す直線)上に形成されている。
【0072】
そしてこのカップリング25は、第1の凸部25Bがギアカバー23の露出孔23Aから露出しているギア22の第1の溝22Cに対して摺動自在に嵌め込まれ、第2の凸部25Cが露出孔23Aから露出している第2の溝22Dに対して摺動自在に嵌め込まれる。これによりこのカップリング25は、ギア22と連結して軸回り一方向D1及び軸周り他方向に回転し得るとともに、ギア22に対してその径方向に摺動し得る。
【0073】
さらにこのカップリング25には、回転テーブル24と対向する面(テーブル対向面とも呼ぶ)に、貫通孔25Aの淵から外周面に架けて、半径方向に第3の凸部25Dが形成され、さらに貫通孔25Aから見て第3の凸部25Dとは逆側に、貫通孔25Aの淵から外周面に架けて、半径方向に第4の凸部25Eが形成されている。つまりカップリング25のテーブル対向面には、第3の凸部25Dと第4の凸部25Eとが、間に貫通孔25Aを挟んで中心を通る一直線(つまり直径を表す直線)上に形成されている。
【0074】
ここで、第3の凸部25D及び第4の凸部25Eは、これらを結ぶ直線が、第1の凸部25B及び第2の凸部25Cを結ぶ直線と直角に交わるように位置している。
【0075】
一方で、回転テーブル24には、図7にくわえて図9(B)及び図10に示すように、筐体中央部側の面の中央部分に、筐体中央部側に垂直に突き出た固定軸24Aが形成されている。この固定軸24Aは、その軸心部分に貫通孔24Bが穿設された円筒状の形状でなり、その外径がカップリング25の外径と同じ大きさで、その内径(つまり貫通孔24Aの径)がカップリングの25の内径(つまり貫通孔25Aの径)と同じ大きさになるよう選定されている。
【0076】
さらにこの固定軸24Aは、筐体中央部側の端部の面、つまりカップリング25と対向する面(これをカップリング対向面とも呼ぶ)に、貫通孔24Bの淵から外周面に架けて、半径方向に第1の溝24Cが形成されている。さらにこのカップリング対向面には、貫通孔24Bから見て第1の溝24Cとは逆側に、貫通孔24Bの淵から外周面に架けて、半径方向に第2の溝24Dが形成されている。つまり固定軸24Aのカップリング対向面には、第1の溝24Cと第2の溝24Dとが、間に貫通孔24Bを挟んで中心を通る一直線(つまり直径を表す直線)上に形成されている。
【0077】
そしてこの回転テーブル24は、貫通孔24Bがカップリング25の貫通孔25Aと繋がるようにして、第1の溝24Cにカップリング25の第3の凸部25Dが摺動自在に嵌め込まれ、第2の溝24Dにカップリング25の第4の凸部25Eが摺動自在に嵌め込まれる。これにより、この回転テーブル24は、カップリング25と連結して軸回り一方向D1及び軸周り他方向に回転し得るとともに、カップリング25に対してその径方向に摺動し得る。
【0078】
このように、カップリング25は、ギア22の回転を、回転テーブル24に伝達することで、回転テーブル24を、ギア22の回転に応じて軸回り一方向D1及び軸周り他方向回転し得るようになされている。また、回転テーブル24は、ギア22と同様、軸回り一方向D1及び軸周り他方向の回転角度が、約320度に制限される。
【0079】
ちなみに、水平回動軸線L1をZ軸とした場合、ギア22に対してカップリング25が摺動する方向はX軸方向、回転テーブル24に対してカップリング25が摺動する方向はY軸方向で表すことができる。
【0080】
上述したように、回動機構部20は、主として、ベース21に固定された固定軸21Aと、この固定軸21Aに回転自在に枢支されたギア22と、ギア22と回転テーブル24との間に設けられ、ギア22の回転を回転テーブル24に伝達するカップリング25とで構成される。
【0081】
そして、この回動機構部20は、ギア22の軸心、カップリング25の軸心及び回転テーブル24の軸心が、水平回動軸線L1と一致するように、ギア22とカップリング25、及びカップリング25と回転テーブル24が連結されてなり、これによりギア22の回転に応じて回転テーブル24を(つまり右側回動部4を)軸回り一方向D1及び軸回り他方向に回転させることができるようになされている。
【0082】
さらにこの回動機構部20は、カップリング25が、ギア22に対してその径方向に摺動自在に連結されるとともに、回転テーブル24に対してその径方向(この場合、ギア22に対して摺動する方向に直角となる径方向)に摺動自在に連結されてなり、これにより例えば回転テーブル24(つまり右側回動部4)に対してその径方向に衝撃がくわえられたとしても、この衝撃がカップリング25とギア22及び回転テーブル24との摺動により吸収され、結果として、ギア22及びギア22を枢支する固定軸21Aにその衝撃がくわわることを回避することができる。
【0083】
またこの回動機構部20は、このように回転テーブル24にくわえられた衝撃が固定軸21Aにくわわることを回避することができるので、固定軸21Aに貫通孔21Bが穿設されていても、固定軸21Aがその衝撃により折れてしまうことを防ぐことができる。
【0084】
ゆえに、この回動機構部20と回転テーブル24には、耐衝撃性を確保しつつ、その軸心部分に、ケーブルCbを通すための貫通孔(固定軸21Aの貫通孔21B、カップリング25の貫通孔25A及び回転テーブル24の貫通孔24B)を穿設することができる。
【0085】
これにより音楽ロボット装置1は、このケーブルCbを介して、筐体中央部側の回路部と回動部側の回路部を電気的に接続することができ、例えば、筐体中央部側の回路部から回動部側の回路部に音声信号送ることで、この音声信号に基づく音声を右スピーカ10から出力することができる。
【0086】
ここまで説明した機構(これを回動機構とする)にくわえて、この回動機構部20には、回転テーブル24の回転のガタつきを抑えるように、回転テーブル24を支持する機構(これを回転支持機構とする)を有している。この回転支持機構は、図11及び図12に示すように、ベース21と回転テーブル24との間に設けられた回転リング30と、ベース21の回動部側の面の中心から所定距離の円周上(ただし固定軸21Aに枢支されたギア22の外周面より外側)に配された3つの径方向ベアリング31A、31B及び31Cと、3つの軸方向ベアリング32A、32B及び32Cとで構成される。
【0087】
因みに、図11に示す回動機構部20は、その回転支持機構を簡単に説明するために簡略化したものである。
【0088】
回転リング30は、略円筒状でなり、その外径が回転テーブル24の径とほぼ同じ大きさで、その内径がベース21の回動部側の面の径方向ベアリング部31A、31B及び31C並びに軸方向ベアリング32A、32B及び32Cが配された円周の直径とほぼ同じで、且つその高さが回転テーブル24の筐体中央部側の面からベース21の回動部側の面までの距離とほぼ等しくなるように選定されている。
【0089】
さらにこの回転リング30は、回転テーブル24側の端部の面、つまり回転テーブル24と対向する面に軸方向にネジ孔30Aが穿設されている。一方、回転テーブル24にも、その周縁部に軸方向に貫通するネジ孔24Eが穿設されている。そして回転テーブル24と回転リング30は、それぞれのネジ孔24E及びネジ孔30Aの位置を合わせるようにして、これらネジ孔24E及びネジ孔30Aに回転テーブル24の回動部側の面からネジScが通されることにより固定される。
【0090】
ここで、ネジ孔24Eとネジ孔30Aの位置は、回転テーブル24の軸心と回転リング30の軸心とが一致するように選定されている。
【0091】
さらにこの回転リング30には、ベース21側の端部に、図12及び図12中のJ1−J2断面となる図13に示すように、中心に向けて突出した略円環状の凸部30Bが形成されている。この凸部30Bは、外周部30Cと、その内側に突出した環帯部30Dとで構成されている。さらに環帯部30Dは、水平回動軸線L1を中心軸として厚さd12Bでなる扁平な円筒状に形成されており、上底面30D2及び下底面30D3をいずれも水平回動軸線L1に対しほぼ垂直としている。
【0092】
そしてこの回転リング30は、このような凸部30Bが、径方向ベアリング31A、31B及び31C並びに軸方向ベアリング32A、32B及び32Cにより支持されることで、全体として水平回動軸線L1を中心に回転自在に支持されるようになされている。したがって、この回転リング30に固定された回転テーブル24も、水平回動軸線L1を中心に回転自在に支持されることになる。
【0093】
ここで、以下、説明の都合上、音楽ロボット装置1における右方向を上に向けるよう回転した状態、すなわち水平回動軸線L1が上下に渡る状態にあるものとし、水平回動軸線L1を回転中心軸線L1とも呼ぶ。また径方向ベアリング31A、31B及び31Cはいずれも同形状であるため、代表して径方向ベアリング31Aについて説明する。同様に、軸方向ベアリング32A、32B及び32Cも全て同形状であるため、代表して軸方向ベアリング32Aについて説明する。
【0094】
図14に示すように、径方向ベアリング31Aは、略円筒形状の管状部31A1における上下方向の中央部分に、当該管状部31A1よりも径が大きい当接部31A2が設けられている。また径方向ベアリング31Aは、管状部31A1を上下に貫通する貫通孔31AHが設けられている。
【0095】
図12中のJ1−J2断面となる図15に示すように、径方向ベアリング31Aは、ベアリング軸32Aにより貫通孔31AHを介してベース21に対し回転自在に取り付けられるようになされている。
【0096】
径方向ベアリング31Aは、ベース21に取り付けられた際、ベアリング軸33Aの上端に設けられた平板部33A1の下面と当該径方向ベアリング31Aの上面との間に所定の間隔gv1を形成し、また当該径方向ベアリング31Aの下面とベース21の上面との間に所定の間隔gv2を形成するようになされている。
【0097】
また径方向ベアリング31Aは、貫通孔31AHの内径がベアリング軸33Aの軸径よりも僅かに大きくなるようになされており、当該貫通孔31AHにベアリング軸33Aが挿通された状態で間隔gh1を形成し得るようになされている。
【0098】
これにより径方向ベアリング31は、抵抗を殆ど受けることなくベアリング軸33Aを回転軸として回転し得るようになされている。因みに径方向ベアリング31は、間隔gv1及びgv2並びに間隔gh1にグリス等の潤滑剤が塗布されており、これによりスムーズに回転し得るようになされている。
【0099】
また径方向ベアリング31Aは、当接部31A2の周側面により回転リング30における環帯部30Dの内周面30D1(図13)と当接するようになされている。このため径方向ベアリング31Aは、駆動部(図示せず)の駆動力により回転リング30が回転中心軸線L1を中心に回転されると、当該回転リング30における環帯部30Dの内周面30D1から当接部31A2の周側面に対し回転方向への力が伝達され、ベアリング軸33Aを回転軸として回転する。
【0100】
さらに径方向ベアリング31Aは、回転リング30に対し外径側から外力F1が加えられたとしても、ベース21に固定されたベアリング軸33Aにより軸支された状態を維持し、当該回転リング30を径方向(すなわち外径方向又は内径方向)へ支え得るようになされている。
【0101】
回動機構部20は、上述したように、径方向ベアリング31A、31B及び31Cをベース21(図12)の上面に、それぞれ回転中心軸線L1からほぼ等距離となり、且つ径方向ベアリング31A、31B及び31Cの互いの距離もほぼ等距離となるような位置に取り付けている。
【0102】
すなわち径方向ベアリング31A、31B及び31Cは、回転リング30を内側から3点でそれぞれ外径方向へ支持しており、これにより回転リング30のいずれの部分に対し内径方向への外力が加えられた場合であっても、当該回転リング30を支えることができる。
【0103】
かくして回動機構部20は、径方向ベアリング31A、31B及び31Cにより回転中心軸線L1を回転の中心に保ったまま回転リング30を回転させることができる。
【0104】
一方、軸方向ベアリング32Aは、図16に示すように、略円筒状の管状部32A1における上端部及び下端部に、当該管状部32A1よりも半径が大きいそれぞれ略円板状の
フランジ部32A2及び32A3が設けられている。また軸方向ベアリング32Aは、管状部32A1並びにフランジ部32A2及び32A3を上下に貫通する貫通孔32AHが設けられている。
【0105】
フランジ部32A2の下面には、周囲よりも下方へ隆起した当接突起32A4が突設されている。またフランジ部32A3における上面のうちフランジ部32A2の当接突起32A4と対向する位置には、周囲よりも上方へ隆起した当接突起32A5が突設されている。因みに当接突起32A4及び突起32A5における辺部分及び角部分には、それぞれ丸め処理が施されている。
【0106】
さらにフランジ部32A3の下面には、下方へ突出した固定突起32A6が突設されている。またフランジ部32A2の上面には、固定突起32A6と対応する形状の切欠部32A7が穿設されている。
【0107】
軸方向ベアリング32Aは、図12中のK1−K2断面となる図17に示すように、取付部材34Aにより貫通孔32AHを介してベース21に対し取付固定されるようになされている。このとき軸方向ベアリング32Aは、ベース21に設けられた取付孔21HAに固定突起32A6が嵌ることにより、径方向ベアリング31Aの場合とは異なり、取付部材34Aを中心に回転されることはない。
【0108】
また取付部材34Aは、上側の円板部34A1が比較的大きな半径を有する円板状に形成されており、当該円板部34A1によりフランジ部32A2における上面の大部分を覆うように当接している。
【0109】
すなわち軸方向ベアリング32Aは、ベース21に対し上下方向へ移動されることなく完全に固定された状態で取り付けられるようになされている。
【0110】
また軸方向ベアリング32Aは、当接突起32A4と32A5との間隔が回転リング30における環帯部30Dの厚さd12Bよりも僅かに広くなるようになされている。このため軸方向ベアリング32Aは、図17に示したように、当接突起32A4と32A5との間に環帯部30Dを挟むように挿通させ得るようになされている。
【0111】
このとき軸方向ベアリング32Aは、当接突起32A4と環帯部30Dの上底面30D2との間に所定の間隔gv1を形成すると共に、当接突起32A5と環帯部30Dの下底面30D3との間に所定の間隔gv2を形成する。
【0112】
この間隔gv1及び間隔gv2は、回転リング30が回転される際に、環帯部30Dが当接突起32A4及び32A5との間で殆ど摩擦抵抗を生じること無く、且つ必要最小限の距離となるようになされている。
【0113】
これにより軸方向ベアリング32Aは、ベース21に対する回転リング30の軸方向(すなわち回転中心軸線L1に沿った上方向又は下方向)への最大の移動幅を間隔gv1及び間隔gv2の和(以下、これを合計間隔gvs2と呼ぶ)に抑えることができる。
【0114】
ところで径方向ベアリング31A(図15)は、上述したようにベアリング軸33Aとの間隔gv1及びベース21との間隔gv2を有しているため、最大で間隔gv1及びgv2を加算した距離だけ軸方向に移動し得る、すなわちガタを有することになる。
【0115】
しかしながら回転支持機構30は、軸方向ベアリング32Aにより回転リング30の軸方向への移動範囲を規制しているため、径方向ベアリング31Aにおける軸方向のガタつきの影響を受けることがない。
【0116】
因みに当接突起32A4及び32A5の表面、並びに環帯部30Dの上底面30D2及び下底面30D3にそれぞれグリス等の潤滑剤が塗布されており、互いに接触した際の抵抗を軽減するようになされている。
【0117】
また軸方向ベアリング32Aは、フランジ部32A2の下面において当接突起32A4を所定高さだけ下方へ隆起させているため、当接突起32A4以外の部分を環帯部30Dの上底面30D2から十分に離隔させることができる。
【0118】
同様に軸方向ベアリング32Aは、フランジ部32A3の上面において当接突起32A5を所定高さだけ上方へ隆起させているため、当接突起32A5以外の部分を環帯部30Dの下底面30D3から十分に離隔させることができる。
【0119】
さらに軸方向ベアリング32Aは、管状部32A1の環帯部30Dと対向する部分を、当該環帯部30Dの内周面30D1からある程度離隔させるようになされている。
【0120】
すなわち軸方向ベアリング32Aは、当接突起32A4及び32A5により環帯部30Dと当接する可能性はあるものの、他の部分を当該環帯部30Dに当接させないようになされている。
【0121】
この結果、軸方向ベアリング32Aは、回転リング30を上下方向に殆ど移動させることなく、且つ回転時に摺動抵抗を殆ど発生させることなく支持することができる。
【0122】
かくして回動機構部20は、回転リング30を径方向ベアリング31A、31B及び31Cにより径方向(すなわち内周方向又は外周方向)に支持し、且つ軸方向ベアリング32A、32B及び32Cにより軸方向(すなわち回転中心軸線L1に沿った上方向又は下方向)に支持することができる。
【0123】
またこの回転リング30には回転テーブル24が固定されているので、結果として、回動機構部20は、この回転リング30を支持することにより、回転テーブル24を支持することができる。すなわち回動機構部20は、ベース21に対する回転テーブル24の位置を保ったまま回転中心軸線L1を中心として回転テーブル24を自在に回転させることができる。
【0124】
また、ここまで説明したように、回動機構部20は、回転テーブル24を、軸心部分で連結されるカップリング25と、軸心部分から所定距離の円周上に配された複数の径方向ベアリング31(31A〜31C)及び軸方向ベアリング32(32A〜32C)とで支持することにより、例えば、従来のように、中央の固定軸だけで回転テーブル24を支持する場合と比して、回転テーブル24のガタつきを格段と低減させることができる。
【0125】
ここで、このように複数の径方向ベアリング31(31A〜31C)及び軸方向ベアリング32(32A〜32C)で回転テーブル24を支持する場合、回転テーブル24の軸心と、回動機構部20の軸心とを正確に合わせることが難しく、これらの軸心がずれてしまう可能性がある。
【0126】
このような場合でも、回動機構部20は、カップリング25の摺動によりそのずれを吸収することができるので、各部に機械的な負荷をかけることなく回転テーブル24を回転させることができる。
【0127】
このように、回動機構部20は、その回動機構及び回転支持機構により、従来と比して一段と、耐衝撃性及び回転安定性を向上し得るようになされている。
【0128】
(3)回転可能な状態の維持
回動機構部20は、上述したようにベース21に対し回転リング30を介して回転テーブル24を自在に回転させるのみでなく、この回転可能な状態を極力維持し得るようになされている。
【0129】
(3−1)環帯部の変形への対応
回動機構部20の径方向ベアリング31Aは、上述したようにベアリング軸33Aを介してベース21に取り付けられており、回転リング30に対し外力が加わると当該ベアリング軸33Aに支えられて当該回転リング30を径方向に支えることになる。
【0130】
ここで音楽ロボット装置1(図3)が、例えば移動中に壁面等に衝突した際に、右側回動部4及び左側回動部5に対して比較的大きな衝撃が加えられる恐れがある。また音楽ロボット装置1は、ユーザに把持されて持ち運ばれる場合もあり、このとき当該ユーザの不注意等により床等に落下される恐れがある。この場合も、音楽ロボット装置1の右側回動部4及び左側回動部5に比較的大きな衝撃が加えられる恐れがある。
【0131】
このような場合、音楽ロボット装置1は、例えば右側回動部4の回転テーブル24に固定された回転リング30に加えられた外力F1を環帯部30Dから径方向ベアリング31Aに加え、その反力F2を径方向ベアリング31Aから回転リング30の環帯部30Dに加えることになる。
【0132】
このとき回転リング30の環帯部30Dは、当該環帯部30Dの強度と径方向ベアリング31Aの強度との関係等により、図18(A)に示すように、外周方向へ僅かに陥没すると共に、上下方向へ僅かに隆起するよう塑性変形する可能性がある(以下、隆起した部分を隆起部30DRと呼ぶ)。
【0133】
ここで、本実施の形態による回動機構部30の回転支持機構と比較するために、従来の回転支持機構U1について図19及び図20を用いて説明する。
【0134】
図19に示す従来の回転支持機構U1は、略円板状のベースU2に対しほぼ垂直をなす仮想的な回転中心軸線L1を回転中心として、ベースU2よりも径が大きい略円環状の回転体U3を回転させるようになされている。
【0135】
回転ベアリングU4A、U4B及びU4Cは、ベースU2に対しそれぞれ回転中心軸線L1とほぼ平行なベアリング軸U5A、U5B及びU5Cにより回転自在に取り付けられている。なおベアリング軸U5A、U5B及びU5Cは、その上端部分が円板状に形成されており、当該上端部分とベースU2との間で回転ベアリングU4A、U4B及びU4Cの軸方向(すなわち上方向又は下方向)への動きを規制するようになされている。
【0136】
なお、回転ベアリングU4A、U4B及びU4Cはいずれも同形状に形成されているため、以下では回転ベアリングU4Aを中心に説明する。
【0137】
図19中のN1−N2断面となる図20に示すように、回転ベアリングU4Aは、略円筒状でなる中心部U4A1の上側及び下側にそれぞれ略円板状のフランジ部U4A2及びU4A3が設けられている。
【0138】
さらに回転ベアリングU4Aの上端部及び下端部には、中心部U4A1よりも小径の略円筒状でなる上端部U4A4及び下端部U4A5が設けられており、ベアリング軸U5Aの上端部U5A1及びベースU2と接触面積を小さくすることにより回転ベアリングU4Aの回転摩擦を抑えスムーズに回転させるようになされている。
【0139】
またこの回転支持機構U1は、回転体U3及び回転ベアリングU4A等をスムーズに回転させる為に、互いに摺動する部分を完全に密着させるのではなく、ある程度の間隔(いわゆる遊び)を設けている。
【0140】
具体的に回転支持機構U1は、回転ベアリングU4Aの上端部U4A4とベアリング軸U5Aの上端部U5A1との間隔gv1、回転ベアリングU4Aの下端部U4A5とベースU2との間隔gv2、並びに回転ベアリングU4Aのフランジ部U4A2及びU4A3と回転体U3との間隔gv3及びgv4を設けている。
【0141】
このような従来の回転支持機構U1において、回転リング30に相当する回転体U3に対し同様に外力F1が加えられた場合を想定する。すなわち回転体U3は、回転リング30と同様に環帯部U3Bが塑性変形し隆起部U3BRが形成されたものとする(図18(A))。
【0142】
このとき従来の回転ベアリングU4Aは、当該隆起部U3BRにおける上下方向への隆起量の合計値が間隔gv3及びgv4の加算値と同等以上であれば、図18(B)に示すように、フランジ部U4A2及びU4A3の間に隆起部U3BRを当接させ、或いは干渉させる恐れがある。この結果、回転ベアリングU4Aは、摩擦抵抗等により回転体U3の回転を阻害してしまうことになる。
【0143】
これに対し本実施の形態による回動機構部20の回転支持機構では、上述したように、回転ベアリングU4Aに代わる径方向ベアリング31A(図14)及び軸方向ベアリング32A(図16)の組み合わせにより回転リング30を支持している。
【0144】
径方向ベアリング31Aは、図15に示したように、回転リング30の環帯部30Dに対し内周面30D1(図13)に当接するものの、上底面30D2及び下底面30D3には近接しない構造となっている。
【0145】
このため径方向ベアリング31Aは、図18(C)に示すように、環帯部30Dの上底面30D2及び下底面30D3に隆起部30DRが形成されていることによる影響を何ら受けることなく、ベアリング軸33Aを中心に回転することができる。
【0146】
また軸方向ベアリング32Aは、図17に示したように、回転リング30の環帯部30Dにおける上底面30D2及び下底面30D3のうち比較的外周寄りの部分に当接するよう当接突起32A4及び当接突起32A5を設けており、その他の部分は環帯部30Dからある程度の間隔をとるようになされている。
【0147】
因みに軸方向ベアリング32Aは、想定され得る隆起部30DRの大きさ等が考慮された上で、フランジ部32A2及び32A3の間隔等が設定されている。
【0148】
このため軸方向ベアリング32Aは、図18(D)に示すように、環帯部30Dに隆起部30DRが形成されていたとしても、フランジ部32A2及び32A3を隆起部30DRに当接又は干渉させることがない。
【0149】
この結果、回動機構部20の回転支持機構は、環帯部30Dに隆起部30DRが形成されたとしても、当該隆起部30DRを径方向ベアリング31A及び軸方向ベアリング32Aのいずれにも当接或いは干渉させることなく、回転リング30を回転自在に支持し続けることができる。
【0150】
(3−2)ベアリングの傾きへの対応
回動機構部20の径方向ベアリング31A(図15)及び軸方向ベアリング32A(図17)は、上述したように、それぞれベアリング軸33A及び取付部材34Aによりベース21に対して取り付けられている。
【0151】
ここで径方向ベアリング31A及び軸方向ベアリング32Aは、貫通孔31AH及び32AHの中心軸がそれぞれ回転中心線軸L1とほぼ平行になるよう、すなわちベアリング軸33A及び取付部材34Aの軸部分がそれぞれ回転中心線軸L1とほぼ平行になるよう、ベース21に取り付けられることを前提としている。
【0152】
しかしながら回動機構部20では、取付加工精度の低さや異物の介在、或いは上述した外力等の影響により、ベアリング軸33A及び取付部材34Aの軸部分がそれぞれ回転中心線軸L1に対して傾いてしまう可能性がある。
【0153】
ここで、本実施の形態による回動機構部20の回転支持機構と比較するために、従来の回転支持機構U1(図19)により回転体U3を回転自在に支持する場合おいて、ベアリング軸U5Aが理想的な取付状態(図20)から傾いた状態を想定する。
【0154】
従来の回転支持機構U1は、図20に示したように、回転体U3の環帯部U3Bと回転ベアリングU4Aのフランジ部U4A2及びU4A3とが近接する部分の径方向に関する長さ(以下これを近接長さw1と呼ぶ)が比較的長くなっている。これは、フランジ部U4A2及びU4A3が回転ベアリングU4Aと一体に回転する構造上、環帯部U3Bと対向する部分の近接長さw1が当該環帯部U3Bの最内周側まで至ってしまうことによるものである。
【0155】
この回転支持機構U1では、ベアリング軸U5Aが理想的な取付状態から所定角度θだけ傾いた場合、図21(A)に示すように、環帯部U3Bの最内周側上端部分が回転ベアリングU4Aの中心部U4A1に当接する。さらに回転支持機構U1では、環帯部U3Bの最内周側下端部分がフランジ部U4A3の上面に当接し、フランジ部U4A2の下面最外周側が環帯部U3Bの上面に当接することになる。
【0156】
すなわち回転ベアリングU4Aは、フランジ部U4A2及びU4A3により環帯部U3Bに対し上下双方から当接し力を加えることになる。
【0157】
かくして従来の回転支持機構U1は、回転ベアリングU4Aが角度θだけ傾くと、当該回転ベアリングU4Aにより回転体U3の回転を妨げることになる。
【0158】
これに対し本実施の形態による回動機構部20の回転支持機構では、図21(B)に示すように、ベアリング軸33Aが当該角度θだけ傾いた場合、環帯部30Dにおける内周面30D1の上端部分が径方向ベアリング31Aの当接部31A2と部分的に当接し、他に当接する部分がない。すなわち径方向ベアリング31Aは、回転リング30の回転を妨げることはない。
【0159】
また軸方向ベアリング32Aは、図17に示したように、環帯部30Dとの接触抵抗を軽減する観点から、当接突起32A4及び32A5と環帯部30Dとが互いに近接する部分の径方向に関する長さ(以下これを近接長さw2と呼ぶ)を従来の回転支持機構U1における近接長さw1よりも短くするようになされている。
【0160】
因みに軸方向ベアリング32Aは、回転することなくベース21に対して固定されているため、従来の回転ベアリングU4Aと異なり、フランジ部32A2及び32A3の一部分に設けた当接突起32A4又は32A5のみにより環帯部30Dと当接し得るようになされている。
【0161】
かかる近接長さw同士の関係により、軸方向ベアリング32Aは、図21(C)に示すように、取付部材34Aが角度θだけ傾いたとしても、当接突起32A4及び32A5が環帯部30Dに全く当接しないか、或いは当接突起32A4及び32A5のいずれか一方が当該環帯部30Dに軽く当接するだけで済む。
【0162】
すなわち軸方向ベアリング32Aは、フランジ部32A2及び32A3の当接突起32A4及び32A5により環帯部30Dに対し殆ど力を加えることがない。
【0163】
かくして回動機構部20は、径方向ベアリング31A及び軸方向ベアリング32Aの少なくとも一方が角度θだけ傾いたとしても、回転リング30の回転、つまり回転テーブル24の回転を妨げることがない。
【0164】
このように回動機構部20の回転支持機構は、従来の回転支持機構U1において回転ベアリングU4Aが回転体U3の回転を妨げるような角度θだけ、径方向ベアリング31A及び軸方向ベアリング32Aの少なくとも一方が傾いたとしても、回転テーブル24を回転可能に支持することができる。
【0165】
(3−3)回転リングに対する軸方向の外力への対応
また回動機構部20の軸方向ベアリング32Aは、図17に示したように、取付部材34Aおよびベース21によって上下から挟まれるように、ベース21に対して取付固定されている。
【0166】
径方向ベアリング32Aのフランジ部32A2は、上述したように、取付部材34Aの円板部34A1によりその大部分が上方から覆われることにより、当該円板部34A1における中心部分から最外周近傍までを上方から支えられていることになる。
【0167】
このため軸方向ベアリング32Aは、仮に回転リング30に対し上方への外力が加えられた場合、当接突起32A4を介してフランジ部32A2に上方への力が加えられるものの、取付部材34Aの円板部34A1によって支えられていることにより、当該フランジ部32A2がこの力を受け止めきれずに折れるといった破損を未然に防止できる。
【0168】
またフランジ部32A3は、上述したように、その下面のほぼ全部分がベース21に当接しており、下方から支えられていることになる。
【0169】
このため軸方向ベアリング32Aは、仮に回転リング30に対し下方への外力が加えられた場合、当接突起32A5を介してフランジ部32A2に下方への力が加えられるものの、ベース21によって支えられていることにより、当該フランジ部32A3がこの力を受け止めきれずに折れるといった破損を未然に防止できる。
【0170】
因みに径方向ベアリング31A(図15)は、仮に回転リング30に対し上方又は下方への外力が加えられたとしても、当該外力を受けることなく、当接部31A2に対し環帯部30Dの内周面30D1を上方又は下方へ滑らせることができるため、破損される危険性はない。
【0171】
このように回動機構部20の軸方向ベアリング32Aは、回転リング30に上方又は下方への(すなわち軸方向の)外力が加えられたとしても、取付部材34Aの円板部34A1及びベース21の支持によりフランジ部32A2及び32A3の破損を防止し得るようになされている。
【0172】
ここまで説明したように、回動機構部20の回転支持機構は、ベース21に対し回転中心軸線L1を中心に回転する回転リング30の内側に、薄型円筒状の環帯部30Dを設ける。
【0173】
また回動機構部20は、環帯部30Dの内周面30D1と当接すると共に当該回転中心軸線L1とほぼ平行な回転軸を中心にそれぞれ回転する径方向ベアリング31A、31B及び31Cにより回転リング30を径方向に支持する。
【0174】
さらに回動機構部20は、環帯部30Dの上底面30D2及び下底面30D3を上下双方向から僅かな間隔gv1及びgv2を介して支持する軸方向ベアリング32A、32B及び32Cにより回転リング30を軸方向に支持する。
【0175】
従って回動機構部20は、ベース21に対し中心回転軸線L1を中心にして回転リング30を自在に回転させ得ると共に、当該回転リング30の軸方向への変位幅を合計間隔gvs2に抑えることができる。
【0176】
ここで従来の回転支持機構U1(図19及び図20)は、軸方向に関しベースU2に対する回転体U3の変位幅が合計間隔gvs1(間隔gv1、gv2、gv3及びgv4の和)であった。これに対し回動機構部20は、軸方向ベアリング32Aがベース21に対して固定されているため、回転リング30の軸方向への変位幅(つまり回転テーブル24の軸方向への変位幅)を合計間隔gvs2(間隔gv1及びgv2の和)に抑えることができる。
【0177】
すなわち回動機構部20は、従来の回転支持機構U1と同様に回転リング30を回転自在に支持しながら、回転リング30の軸方向へのがたつきを従来の回転支持機構U1よりも格段に低減することができる。つまり、回動機構部20は、回転リング30に固定された回転テーブル24を、従来の回転支持機構U1と同様に回転自在に支持しながら、軸方向へのがたつきを従来の回転支持機構U1よりも格段に低減することができる。
【0178】
また回動機構部20は、軸方向ベアリング32Aのフランジ部32A2及び32A3において、環帯部30Dの上底面30D2及び下底面30D3における外径側部分のみに当接し得る位置に当接突起32A4及び32A5を設けている。このため回動機構部20は、外部からの衝撃等により当該環帯部30Dの内周側が塑性変形し隆起部30DR(図18(A))が形成された場合であっても、当接突起32A4及び32A5を当該隆起部と干渉させることなく、回転リング30(つまり回転テーブル24)をスムーズに回転させることができる。
【0179】
これにより回動機構部20は、例えば音楽ロボット装置1が移動中に壁面等に衝突し、或いはある程度の高さから落下され右側回動部4に対し大きな衝撃が加えられて、環帯部30Dの内径側に隆起部30DRが形成されたとしても、当該右側回動部4の回転機能を維持することができる。
【0180】
さらに回動機構部20は、軸方向ベアリング32Aをベース21に対して固定したことにより、回転ベアリングU4が回転する従来の回転支持機構U1における近接長さw1よりも当接突起32A4及び32A5の近接長さw2を短くすることができる。このため回動機構部20は、従来の回転支持機構U1では回転体U2の回転を妨げてしまうような角度θ(図21(A))だけ軸方向ベアリング32Aがベース21に対し傾けられている場合でも、当該軸方向ベアリング32Aを環帯部30Dに強く当接させ又は干渉させることがないため、回転リング30(つまり回転テーブル24)を自在に回転させることができる。
【0181】
また従来の回転支持機構U1では、回転ベアリングU4Aを自在に回転させるために径方向に関する回転ベアリングU4Aとベアリング軸U5Aとの間隔ghを有しており、この間隔ghと間隔gv3及びgv4との相乗効果によりベースU2に対し回転ベアリングU4Aが傾きを有してしまう可能性もあった。
【0182】
これに対し回動機構部20では、ベース21に対し軸方向ベアリング32Aを隙間無く固定しているため、このような傾きが生じる可能性を排除することができる。
【0183】
さらに従来の回転支持機構U1(図20)では、回転ベアリングU4Aの回転摩擦を抑えるべく、上端部U4A4及び下端部U4A5とベアリング軸U5Aの上端部U5A1及びベースU2と接触面積を小さくしている。これにより従来の回転支持機構U1は、回転体U3に対し上方又は下方への力が加えられた際に、中心部U4A1に対するフランジ部U4A2又はU4A3の接続部分に過大な力が加わり破損してしまう恐れがあった。
【0184】
これに対し回動機構部20では、軸方向ベアリング32Aを回転させる必要がなく、当該軸方向ベアリング32Aにおけるフランジ部32A2及び32A3の大部分を取付部材34A及びベース21により上方及び下方から当接し支持している。このため回動機構部20は、回転リング30(つまり回転テーブル24)に上方又は下方への(すなわち軸方向の)外力が加えられたとしても、当該フランジ部32A2及び32A3の破損を未然に防止することができる。
【0185】
(4)音楽ロボット装置の回路構成
【0186】
次に、図22を用いて、音楽ロボット装置1の回路構成について説明する。かかる音楽ロボット装置1は、当該音楽ロボット装置1全体を統括的に制御する制御部40を有している。
【0187】
また音楽ロボット装置1は、駆動部41を介して可動部42を駆動制御すると共に、発光部43を制御する駆動制御部44も有している。
【0188】
この場合、音楽ロボット装置1の可動部42とは、上述した右側回動部4、左側回動部5、右側開閉部6、左側開閉部7、右側車輪12、左側車輪13である。また音楽ロボット装置1の発光部43とは、上述した右側発光部16及び左側発光部17である。
【0189】
ここで駆動部41は、右側回動部4、左側回動部5、右側開閉部6、左側開閉部7、右側車輪12、左側車輪13をそれぞれ個別に駆動する6個のモータを有している。また駆動部41は、これら6個のモータそれぞれについて出力軸の回転を検出するためのロータリエンコーダ等でなる6個の回転検出センサも有している。
【0190】
そして駆動制御部44は、音楽データをもとに生成された音楽ロボット装置1を動かすためのロボット動きデータに基づいて駆動部41の個々のモータをそれぞれ駆動制御する。これにより駆動制御部44は、駆動部41の個々のモータによって、対応する右側回動部4、左側回動部5、右側開閉部6、左側開閉部7、右側車輪12、左側車輪13を駆動する。
【0191】
さらに音楽ロボット装置1は、入力部45として、上述した接触検知センサ15と共に、例えば筐体中央部3に収納され楕円体状筐体2に生じる加速度を検出する加速度センサ46を有している。
【0192】
この場合、接触検知センサ15は、ユーザの指等が接触すると、当該指等が接触している間だけ接触検知信号を駆動制御部44に送出する。
【0193】
そして駆動制御部44は、接触検知センサ15から接触検知信号が与えられると、その接触検知信号に基づいて、接触検知センサ15に対する指等の接触状態を判別する。
【0194】
因みに駆動制御部44が判別する接触検知センサ15への指等の接触状態とは、例えば、接触検知センサ15を指先で軽くたたくような単独の接触や2回以上の連続的な接触、また指等が接触したままの状態等である。
【0195】
また加速度センサ46は、例えば常時、楕円体状筐体2に生じる互いに直交する3軸(X軸、Y軸及びZ軸)それぞれの加速度を、X軸検出加速度値、Y軸検出加速度値及びZ軸検出加速度値として検出している。
【0196】
そして加速度センサ46は、そのX軸検出加速度値、Y軸検出加速度値及びZ軸検出加速度値を加速度検出信号として駆動制御部44に送出している。
【0197】
この場合のX軸は、例えば、楕円体状筐体2の水平回動軸線L1と並行又は一致する軸であり、楕円体状筐体2に対する左右方向と並行な軸でもある。またZ軸は、楕円体状筐体2が基準姿勢の際の鉛直方向と並行な軸であり、楕円体状筐体2に対する上下方向と並行な軸でもある。さらにY軸は、水平回動軸線L1、及び楕円体状筐体2が基準姿勢の際の鉛直方向とそれぞれ直交する軸であり、楕円体状筐体2に対する前後方向と並行な軸でもある。
【0198】
駆動制御部44は、楕円体状筐体2が水平な床に載上され静止した状態でのX軸、Y軸、Z軸それぞれの加速度をX軸基準加速度値、Y軸基準加速度値及びZ軸基準加速度値として、例えば内部のメモリに予め記憶している。
【0199】
因みに、以下の説明では、これらX軸基準加速度値、Y軸基準加速度値及びZ軸基準加速度値をまとめて基準加速度値とも呼ぶ。
【0200】
そして駆動制御部44は、加速度センサ46から加速度検出信号が与えられると、その加速度検出信号と基準加速度値とに基づいて、楕円体状筐体2の状態を判別する。
【0201】
因みに駆動制御部44が判別する楕円体状筐体2の状態とは、例えば、楕円体状筐体2が床の上に置かれて静止している状態や床の上で動いている状態、ユーザにより手で持たれて所定方向へ振り動かされている状態等である。
【0202】
駆動制御部44は、入力部45から接触検知信号や加速度検出信号が入力されると、そのときの接触検知センサ15に対する指等の接触状態と楕円体状筐体2の状態との組み合せに応じて、ユーザによる音楽ロボット装置1への命令の入力の有無を判別する。
【0203】
また駆動制御部44は、ユーザにより音楽ロボット装置1に命令が入力されたときには、その命令の種類も判別する。そして駆動制御部44は、ユーザにより命令が入力されると、どのような命令が入力されたかを制御部40へ通知する。
【0204】
因みに音楽ロボット装置1は、接触検知センサ15に対する指等の接触状態と楕円体状筐体2の状態との組み合せにより、音楽データの再生命令や、再生する音楽データの選択命令等のように種々の命令を入力させ得るようになされている。
【0205】
制御部40は、駆動制御部44から種々の命令の入力が通知されると、これに応じて音楽ロボット装置1全体を制御すると共に、種々の処理を実行する。
【0206】
また制御部40は、無線通信部47を介してパーソナルコンピュータのような情報処理装置(図示せず)と無線通信すると、当該情報処理装置を主体とし自己を従属的に機能させるようにして各種処理を実行し得るようにもなされている。
【0207】
制御部40は、例えば情報処理装置から圧縮符号化されている音楽データと、これに対応するロボット動きデータとが転送されると、これら音楽データ及びロボット動きデータを無線通信部47によって受信して取り込む。
【0208】
そして制御部40は、その音楽データ及びロボット動きデータを記憶部48に送出する。これにより制御部40は、記憶部48に対し、これら音楽データ及びロボット動きデータを対応付けて記憶する。
【0209】
このようにして制御部40は、記憶部48に対し、複数の音楽データをそれぞれロボット動きデータと対応付けて記憶し得るようになされている。
【0210】
また制御部40は、例えば音楽ロボット装置1が床の上に置かれた状態でユーザにより再生命令が入力されると、記憶部48から音楽データを読み出して復号等の再生処理を施しながら、右スピーカ10及び左スピーカ11等を有する出力部49に送出する。
【0211】
これにより制御部40は、音楽データに基づく音楽を右スピーカ10及び左スピーカ11から出力してユーザに聴かせることができる。
【0212】
ここで、例えば制御部40が筐体中央部3に設けられた回路部の一部であり、また出力部49が右側回動部4及び左側回動部5に設けられた回路部の一部である。つまり、上述した回動機構部20の軸心部分を通るケーブルCbは、この制御部40と出力部49とを接続するようになされている。
【0213】
またこのとき制御部40は、記憶部48から、音楽データの再生に合わせて当該音楽データに対応するロボット動きデータも読み出しながら駆動制御部44に送出する。
【0214】
駆動制御部44は、制御部40から与えられたロボット動きデータに基づいて駆動部41を制御する。これにより駆動制御部44は、駆動部41を介して可動部42としての右側回動部4、左側回動部5、右側開閉部6、左側開閉部7、右側車輪12及び左側車輪13を駆動する。
【0215】
また駆動制御部44は、かかるロボット動きデータに基づいて発光部43としての右側発光部16及び左側発光部17を制御する。
【0216】
これにより制御部40は、出力部49から音楽を出力(すなわち、放音)させている間、例えば当該音楽の曲調に同期させて可動部42を順次所定の動きパターンで動かし、また発光部43を順次所定の発光パターンで発光させる。
【0217】
このようにして制御部40は、音楽をユーザに聴かせながら、例えば、その音楽に合わせて、あたかも音楽ロボット装置1全体を踊っているかのように動かしてユーザに見せることができる。
【0218】
(5)動作及び効果
以上の構成において回動機構部20は、カップリング25が、固定軸21Aに枢支されたギア22に対してその径方向に摺動自在に連結されるとともに、回転テーブル24に対してその径方向(ギア22に対して摺動する方向に対して直角となる径方向)に摺動自在に連結されることで、例えば回転テーブル24に対してその径方向に衝撃がくわえられたとしても、この衝撃がカップリング25とギア22及び回転テーブル24との摺動により吸収され、結果として、ギア22及びギア22を枢支する固定軸21Aにその衝撃がくわわることを回避することができる。
【0219】
この結果、回動機構部20は、固定軸21Aに貫通孔21Bが穿設されているにも関わらず、つまり固定軸21A自体の強度は低くても、この固定軸21Aが回転テーブル24にくわえられた衝撃により折れてしまうことを防ぐことができる。
【0220】
したがって、この回動機構部20と回転テーブル24には、耐衝撃性を十分確保しつつ、その軸心部分に、ケーブルCbを通すための貫通孔(固定軸21Aの貫通孔21B、カップリング25の貫通孔25A及び回転テーブル24の貫通孔24B)を穿設することができる。
【0221】
さらに、回動機構部20は、ベース21と回転テーブル24との間に設けられ、回転テーブル24に固定された回転リング30を、ベース21の回動部側の面の中心から所定距離の円周上に配された径方向ベアリング31(31A〜31C)及び軸方向ベアリング32(32A〜32C)とにより回転軸方向及び径方向に支持するようにした。
【0222】
これにより、回動機構部20は、この回転リング30に固定された回転テーブル24を回転軸方向及び径方向に支持することができる。この結果、回動機構部20は、例えば、従来のように、中央の固定軸だけで回転テーブル24を支持する場合と比して、回転テーブル24のガタつきを格段と低減させることもできる。
【0223】
以上の構成によれば、固定軸21Aに枢支されたギア22と、回転テーブル24との間に、当該ギア22の回転軸方向及び当該回転テーブル24の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリング25を設けたことで、回転テーブル24に加わる衝撃を当該カップリング25とギア22及び回転テーブル24との摺動により吸収して、当該衝撃が直接固定軸21Aに加わることを防止することができるので、固定軸21AにケーブルCb用の貫通孔21Bを穿設しても、当該固定軸21Aが回転テーブル24に加えられた衝撃により簡単に折れてしまうことを防ぐことができ、かくして、従来と比して一段と耐衝撃性を向上させることができる。
【0224】
(6)他の実施の形態
なお、上述した実施の形態では、ロボット装置としての音楽ロボット装置1及び駆動装置としての回動機構部20に本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、回動部を有する他のロボット装置や電子機器などに本発明を適用してもよい。
【0225】
また、上述した実施の形態では、カップリング25側に凸部を設け、ギア22側及び回転テーブル24側に溝を設けるようにして、カップリング25とギア22及び回転テーブル24とを摺動自在に連結するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、ギア22側及び回転テーブル24側に凸部を設け、カップリング25側に溝を設けるようにして、カップリング25とギア22及び回転テーブル24とを摺動自在に連結するようにしてもよい。要は、カップリング25とギア22及び回転テーブル24とを摺動自在に連結する構成であればよい。
【0226】
さらに、上述した実施の形態では、回動機構部20及び回転テーブル24に穿設された貫通孔に音声信号を送るケーブルCbを通すようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、音声信号を送るケーブルCbと、駆動部41の駆動を制御する制御信号を送るケーブルとをまとめたハーネスを通すようにしてもよいし、この他種々の信号を送受するケーブルを通すようにしてもよい。すなわち本発明は、この貫通孔の利用を限定するものではない。
【0227】
さらに、上述した実施の形態では、回転テーブル24と回転リング30とがネジScにより固定されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、あらかじめ回転テーブル24と回転リング30とが回転体として一体成型されていてもよい。
【0228】
さらに、上述した実施の形態では、回転テーブル24の回転角度、つまり右側回動部4及び左側回動部5の回転角度を、軸回り一方向D1及び軸回り他方向に約320度に制限するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ギア22の凸部22E及びギアカバー23のストッパ23Bの位置や大きさを適宜選定することにより、任意の角度に制限するようにしてもよい。
【0229】
さらに、上述した実施の形態では、回転リング30の内周側に凸部30Bを設け、さらにこの凸部30Bよりも内径側に径方向ベアリング31A及び軸方向ベアリング32Aを設けるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、回転リング30の外周側に凸部30B、径方向ベアリング31A及び軸方向ベアリング32Aを設けるようにしても良い。
【0230】
例えば図12と対応する部分に同一符号を付した図23に示すように、回動機構部100は、ベース101に対し、当該ベース101とほぼ直交する回転中心軸線L1を中心に回転リング102を回転させるようになされている。回転リング102の外周側には、凸部30Bに対応する凸部102Bが形成されている。
【0231】
さらにベース41には、図24に示すように、回転リング102の凸部102Bの環帯部102Cにおける外周面と当接する径方向ベアリング31A、31Bおよび31Cが設けられると共に、環帯部102Cの上底面及び下底面を上下方向から支持する軸方向ベアリング32A、32B及び32Cが設けられている。
【0232】
かかる構成により、回動機構部100は、回動機構部20と同様に、回転リング30を自在に回転させ得ると共に軸方向への移動幅を抑えることができる。
【0233】
さらに、上述した実施の形態では、3つの径方向ベアリング31A、31B及び31Cと、3つの軸方向ベアリング32A、32B及び32Cとにより環帯部30Dを介して回転リング30を回転自在に支持するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、それぞれ任意数の径方向ベアリング及び軸方向ベアリングにより環帯部30Dを介して回転リング30(つまり回転テーブル24)を回転自在に支持するようにしても良い。
【0234】
具体的には、例えば回転リング30に加わると想定される外力に応じて径方向ベアリング及び軸方向ベアリングを増設することにより、各径方向ベアリング及び軸方向ベアリングに加わる力を分散することができる。また、径方向ベアリング及び軸方向ベアリングの配置については、必ずしも互いに等間隔とする必要はなく、例えば音楽ロボット装置1の全重量が恒常的に加えられる、当該音楽ロボット装置1の下方に当該径方向ベアリング及び軸方向ベアリングを配置する等しても良い。
【0235】
因みに、径方向ベアリングに関しては、3以上の任意数であり、回転中心軸線L1を内部に有する多角形を構成するよう配置されていれば、回転リング30の位置を一定に保つことができる。しかしながら、4以上とした場合には、高度な位置精度が要求されることになるため、製造工程の省力化等の観点から、回動機構部20のように3つとすることが望ましいと考えられる。
【0236】
また軸方向ベアリングに関しても、同様に3以上の任意数であれば良いものの、同様の理由から、回動機構部20のように3つとすることが望ましいと考えられる。
【0237】
さらに、上述した実施の形態では、径方向ベアリング31Aの当接部31A2よりも管状部31A1の外径を小さくすることにより、ベース21及びベアリング軸33Aとの接触抵抗を低減するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意の外径、或いは任意の形状としても良い。また、当接部31A2の軸方向(上下方向)の幅は、必ずしも環帯部30Dの内周面30D1における軸方向の幅に揃える必要はなく、異なっていても良い。
【0238】
すなわち径方向ベアリングは、少なくとも環帯部30Dの内周面30D1と当接しながら、回転リング30の回転中心軸線L1とほぼ平行な回転軸を中心に回転し得るようになされていれば良い。
【0239】
さらに、上述した実施の形態では、軸方向ベアリング32Aを管状部32A1の上下両端に円板状のフランジ部32A2及び32A3をそれぞれ設け、当該フランジ部32A2及び32A3の互いに対向する内面に当接突起32A4及び32A5をそれぞれ設け、取付部材34によりベース21に取付固定されるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、他の種々の形状としても良い。
【0240】
軸方向ベアリングは、例えば当接突起32A4及び32A5がそれぞれ環帯部30Dの内周側部分にも当接するようになされていても良く、また当接突起32A4を有する部材と当接突起32A5を有する部材とを別体に構成し、当接突起32A4と32A5とが互いに対向しないように配置する等しても良い。
【0241】
すなわち軸方向ベアリングは、少なくとも2つの当接突起が環帯部30Dの上底面及び下底面にそれぞれ近接し、両者の軸方向に関する距離が環帯部30Dの厚さd12B(図13)よりも僅かに大きくなされ、且つベース21に対して固定されていれば良い。
【0242】
さらに上述した実施の形態では、取付部材34Aにより軸方向ベアリング32Aをベース21に固定するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば取付部材34Aに代えてビス等を用い、軸方向ベアリング32Aの上方若しくはベース21の下方からねじ止めし、或いはベース21に対し軸方向ベアリング32Aを融着や接着等により固定する等、種々の手段により軸方向ベアリング32Aをベース21に固定するようにしても良い。この場合、軸方向ベアリング32Aは、フランジ部32A2及び32A3における上下方向(軸方向)の厚さを増加することにより強度を保つ等すれば良い。
【0243】
さらに上述した実施の形態では、ベース21の略円盤形状とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、当該ベース21が任意の形状であっても良い。この場合、ベース21は、少なくとも回転リング30が回転する際に当該回転リング30と干渉せず、且つ径方向ベアリングを回転リング30の環帯部30Dと当接しながら回転し得るよう支持し、さらに軸方向ベアリングを固定できれば良い。
【0244】
さらに、上述した実施の形態では、回動機構部20の回転支持機構として、径方向に支持する径方向ベアリング31と、軸方向に支持する軸方向ベアリング32とを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、回転テーブル24の回転を支持し得るものであれば、この他種々のベアリングを用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0245】
本発明は、回転体を回転させる機構を有するロボット装置や電子機器に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0246】
【図1】従来の駆動装置の構成を示す略線図である。
【図2】本実施の形態による音楽ロボット装置の外観構成を示す略線図である。
【図3】音楽ロボット装置の背面構成を示す略線図である。
【図4】右側開閉部及び左側開閉部の開閉の様子を示す略線図である。
【図5】右側回動部及び左側回動部の回動の様子を示す略線図である。
【図6】回動機構部の構成(1)を示す略線図である。
【図7】回動機構部の構成(2)を示す略線図である。
【図8】回動機構部の構成(3)を示す略線図である。
【図9】回動機構部の構成(4)を示す略線図である。
【図10】回転テーブルの構成(筐体中央部側の面)を示す略線図である。
【図11】回動機構部の構成(5)を示す略線図である。
【図12】回動機構部の構成(6)を示す略線図である。
【図13】回転リングの構成を示す略線図である。
【図14】径方向ベアリングの構成示す略線図である。
【図15】径方向ベアリングによる回転リングの支持の説明に供する略線図である。
【図16】軸方向ベアリングの構成を示す略線図である。
【図17】径方向ベアリングによる回転リングの支持の説明に供する略線図である。
【図18】環帯部の変形による各ベアリングとの干渉の説明に供する略線図である。
【図19】従来の回転支持機構の構成を示す略線図である。
【図20】従来の回転ベアリングによる回転体の支持の説明に供する略線図である。
【図21】ベアリングの傾斜と環帯部との干渉の説明に供する略線図である。
【図22】音楽ロボット装置の回路構成を示す略線図である。
【図23】他の実施の形態による回転支持機構の構成(1)を示す略線図である。
【図24】他の実施の形態による回転支持機構の構成(2)を示す略線図である。
【符号の説明】
【0247】
1……音楽ロボット装置、2……楕円体状筐体、3……筐体中央部、4……右側回動部、5……左側回動部、20……回動機構部、21……ベース、21A……固定軸、21B……貫通孔、22……ギア、22A……軸孔、22C……第1の溝、22D……第2の溝、24……回転テーブル、24A……固定軸、24B……貫通孔、24C……第1の溝、24D……第2の溝、25……カップリング、25A……貫通孔、25B……第1の凸部、25C……第2の凸部、25D……第3の凸部、25E……第4の凸部、30……回転リング、31……径方向ベアリング、32……軸方向ベアリング、40……制御部、41……駆動部、49……出力部、Cb……ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースの所定位置に突設された固定軸と、
上記固定軸に枢支され、駆動部の駆動力により回転するギアと、
上記ギアと回転体との間に設けられ、当該ギアの回転を当該回転体に伝達するとともに、当該ギアの回転軸方向及び当該回転体の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリングとを具え、
上記ベースから上記回転体までを貫くように、上記固定軸の軸心部分、上記カップリングの軸心部分及び上記回転体の軸心部分のそれぞれに貫通孔が穿設されている
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
さらに、
上記ベースの上記固定軸の軸心を中心とする円周上に設けられ、上記回転体の回転を支持する複数のベアリングとを
具えることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
上記複数のベアリングは、
上記回転体を、当該回転体の回転軸方向に支持する軸方向ベアリングと、当該回転体の回転軸方向に垂直な径方向に支持する径方向ベアリングとの組み合わせでなる
ことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
ベースと、
上記ベースに対して回転する回転体と、
上記回転体を回転させるための駆動力を発生する駆動部と、
上記ベースの所定位置に突設された固定軸と、
上記固定軸に枢支され、上記駆動部の駆動力により回転するギアと、
上記ギアと回転体との間に設けられ、当該ギアの回転を当該回転体に伝達するとともに、当該ギアの回転軸方向及び当該回転体の回転軸方向のそれぞれに対して垂直に摺動自在なカップリングとを具え、
上記ベースから上記回転体までを貫くように、上記固定軸の軸心部分、上記カップリングの軸心部分及び上記回転体の軸心部分のそれぞれに貫通孔が穿設されている
ことを特徴とするロボット装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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