説明

駐車場管理システム

【課題】 駐車場に駐車中に充電を行った場合でも、ロック板の再上昇や駐車料金が多く精算されてしまうことを確実に防止することができ、充電を行う利用者にとって使い勝手を向上させることのできる駐車場管理システムを提供する。
【解決手段】 駐車場2を利用した際の駐車料金を精算するための精算機5と、駐車場2に設けられた車両1を駐車するための車室3と、車室3に設けられたコンセント23に駐車した車両1の電源プラグ22を接続して車両1の充電を行うための充電管理システムと、車室3に昇降自在に設置されたロック板4と、を備えており、精算機5は、コンセント23に電源プラグ22が接続されていると判断した場合に、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定してロック板4の昇降制御を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場管理システムに係り、特に、駐車場に駐車中に充電を行った場合でも、ロック板の再上昇や駐車料金が多く精算されてしまうことを確実に防止することができ、充電を行う利用者にとって使い勝手を向上させることを可能とした駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両を駐車するための駐車場には、駐車場の各車室に、精算機のみを備え、駐車中の車両のロックを行うためのロック板が設置された個別ロック方式の駐車場や、発券機および精算機を備えたゲート方式の駐車場が存在している。そして、個別ロック方式の駐車場においては、車両が車室に駐車したことを検出した場合に、ロック板を上昇させ、不正な出場を防止するとともに、駐車料金の精算が完了したら、ロック板を下降させて車両が出場できるようにしている。そして、料金の精算後一定時間が経過しても車両が出場しない場合には、駐車場を継続して利用するものと判断してロック板を再上昇させるようになっている。
【0003】
一方、近年、電気自動車が普及しつつあり、電気自動車に対する充電システムが開発されてきている。このような充電システムにおいては、例えば、電気自動車を駐車場に駐車させた際に、車両に対して充電することができるようにした技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3004231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1に記載の技術においては、例えば、電気自動車に設置された充電ケーブルの電源プラグを充電システムのコンセントに接続して充電を行うものであるが、個別ロック方式の駐車場の場合、充電ケーブルの電源プラグをコンセントに接続した状態で、精算を行った場合に、充電ケーブルの片付けなどに手間取ってしまい、その間にロック板が再上昇してしまうという問題があった。また、ゲート方式の駐車場においては、充電ケーブルを片付ける手間が掛かり、駐車時間が長くなり、駐車料金が多く精算されてしまうという問題を有している。その結果、充電を行う利用者にとっては、極めて使い勝手が悪かった。
【0006】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、駐車場に駐車中に充電を行った場合でも、ロック板の再上昇や駐車料金が多く精算されてしまうことを確実に防止することができ、充電を行う利用者にとって使い勝手を向上させることのできる駐車場管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る駐車場管理システムは、駐車場を利用した際の駐車料金を精算するための精算機と、
前記駐車場に設けられた車両を駐車するための車室と、
前記車室に設けられた給電側接続器に駐車した前記車両の受電側接続器を接続して前記車両の充電を行うための充電管理システムと、
前記車室に昇降自在に設置されたロック板と、
を備え、
前記精算機は、前記受電側接続器と前記給電側接続器とが接続されていると判断した場合に、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定して前記ロック板の昇降制御を行うものであることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記充電管理システムは、前記給電側接続器部分に設けられ前記受電側接続器との接続状態を保持するロック機構を備え、
前記精算機は、前記ロック機構のロック状態に基づいて前記受電側接続器と前記給電側接続器との接続状態を判断することを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1において、前記精算機は、給電側接続器に流れる待機電流値に基づいて前記受電側接続器と前記給電側接続器との接続状態を判断することを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、駐車場を利用した際の駐車料金を精算するための精算機と、
前記駐車場に設けられた車両を駐車するための車室と、
前記車室に設けられた給電側接続器に駐車した前記車両の受電側接続器を接続して前記車両の充電を行うための充電管理システムと、
を備え、
前記精算機は、前記受電側接続器と前記給電側接続器とが接続されていると判断した場合に、駐車時間からサービス時間を差し引いた時間に対して駐車料金の精算を行うものであることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記駐車場は、前記車室に昇降自在に設置されたロック板を備えた個別ロック方式の駐車場であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項4において、前記駐車場は、発券機を備えたゲート方式の駐車場であることを特徴とする。
【0013】
請求項7にかかる発明は、駐車場を利用した際の駐車料金を精算するための精算機と、
前記駐車場に設けられた車両を駐車するための車室と、
前記車室に設けられた給電側接続器に駐車した前記車両の受電側接続器を接続して前記車両の充電を行うための充電管理システムと、
前記車室に昇降自在に設置されたロック板と、
を備え、
前記精算機は、前記車両に充電が行われた場合に記憶されている充電履歴情報に基づいて、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定して前記ロック板の昇降制御を行うものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明によれば、精算機により、受電側接続器と給電側接続器とが接続されていると判断した場合に、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定してロック板の昇降制御を行うようにしているので、充電ケーブルを片付ける際に必要な時間を確保することができ、車両を出場させる意思があるにもかかわらず、ロック板が再上昇してしまうことを確実に防止することができ、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、充電管理システムにロック機構を設け、精算機により、ロック機構のロック状態に基づいて受電側接続器と給電側接続器との接続状態を判断するようにしているので、確実に受電側接続器と給電側接続器との接続状態を判断することができる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、精算機により、給電側接続器に流れる待機電流値に基づいて受電側接続器と給電側接続器との接続状態を判断するようにしているので、確実に受電側接続器と給電側接続器との接続状態を判断することができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、精算機により、受電側接続器と給電側接続器とが接続されていると判断した場合に、駐車時間からサービス時間を差し引いた時間に対して駐車料金の精算を行うようにしているので、充電ケーブルを片付ける際に時間が掛かっても、不要な駐車料金を精算されることがなく、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【0018】
請求項5に係る発明によれば、駐車場を、車室に昇降自在に設置されたロック板を備えた個別ロック方式の駐車場としているので、個別ロック方式の駐車場において、不要な駐車料金を精算されることがなく、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【0019】
請求項6に係る発明によれば、駐車場を、発券機を備えたゲート方式の駐車場としているので、ゲート方式の駐車場において、不要な駐車料金を精算されることがなく、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【0020】
請求項7に係る発明によれば、精算機により、車両に充電が行われた場合に記憶されている充電履歴情報に基づいて、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定してロック板の昇降制御を行うようにしているので、充電ケーブルを片付ける際に必要な時間を確保することができ、車両を出場させる意思があるにもかかわらず、ロック板が再上昇してしまうことを確実に防止することができ、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る駐車場管理システムの第1実施形態を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る駐車場管理システムを第1実施形態を示す精算機部分の概略構成図である。
【図3】本発明に係る駐車場管理システムの第1実施形態における充電管理システムの概略構成図である。
【図4】本発明に係る駐車場管理システムの第1実施形態の精算動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0023】
図1は本発明に係る駐車場管理システムの実施形態を示す概略図である。図1に示すように、本実施形態の駐車場管理システムは、例えば、電気自動車などのバッテリの電力で走行する車両1を駐車させるための駐車場2に適用されるものであり、この駐車場2は、複数の車室3を備えている。また、この駐車場2の各車室3には、駐車中の車両1のロックを行うためのロック板4が昇降自在に設置されており、駐車場2には、精算機5が設けられている。また、図2に示すように、精算機5の内部には、充電制御ユニット6が内蔵されている。
【0024】
次に、前記充電制御ユニット6を用いた充電管理システムの例を図3を参照して説明する。
【0025】
この充電管理システムは、図示しない外部電源からの電力が供給される分電盤7を備えており、分電盤7には、複数の漏電遮断器8が設置されている。また、駐車場管理システムは、充電制御ユニット6を備えており、この充電制御ユニット6には、充電の各種制御を行うための充電制御部9が設けられている。また、充電制御ユニット6には、駐車場2の利用者が充電予約の受付などの操作を行うための充電用キー入力部10が設けられており、充電制御ユニット6には、所定の表示を行う充電用表示部11が設けられている。
【0026】
さらに、充電制御ユニット6には、キー入力部10により入力された充電受付情報を充電リストとして記憶する充電用メモリ12が設けられている。この受付情報としては、本実施形態においては、車両1が駐車される車室番号が用いられる。さらに、充電制御ユニット6には、充電時間を計測する充電用タイマ13が設けられている。
【0027】
また、本実施形態においては、充電制御ユニット6には、所定の印刷を行うプリンタユニット14が設けられており、充電制御ユニット6には、プリンタユニット14に所定のカードを供給するためのカード処理機15が設けられている。さらに、充電制御部9には、後述する車室側充電ユニット16との間で信号の送受信を行うための通信部17が設けられている。
【0028】
また、駐車場2の各車室3には、それぞれ車室側充電ユニット16が配設されており、車室側充電ユニット16には、各種制御を行う車室側制御部19が設けられている。また、車室側充電ユニット16には、充電制御ユニット6との通信を行うための車室側通信部20が設けられており、この車室側通信部20と充電制御ユニット6の通信部17とは、制御用通信線21を介して接続されている。
【0029】
また、各車室側充電ユニット16には、車室3に駐車した車両1の受電側接続器としての電源プラグ22が差し込まれる給電側接続器としてのコンセント23が設けられている。本実施形態においては、コンセント23部分には、コンセント23部分を被覆するカバー部材24が設けられており、さらに、コンセント23部分には、車室側制御部19の制御信号により、カバー部材24を閉状態に保持するロック機構25が設けられている。このロック機構25は、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれた状態で、カバー部材24を閉状態に保持するものである。なお、カバー部材24を設けない場合には、ロック機構25として、コンセント23に差し込まれた電源プラグ22が抜けないように保持する機構で構成するようにしてもよい。
【0030】
また、車室側充電ユニット16には、コンセント23に電気的に接続された電力開閉器26が設けられており、電力開閉器26は、電源幹線27との接続を開閉するスイッチであり、分電盤7からの電源幹線27が漏電遮断器28を介して接続されている。また、車室側制御部19は、充電制御部9の通信部17から車室側通信部20を介して送られる充電ON信号に基づいて、電力開閉器26をON動作させるように構成されている。そして、電力開閉器26がON動作されると、電源幹線27とコンセント23とを接続してコンセント23に電源が供給されるように構成されている。また、電圧検知部29および電流センサ30によりコンセント23に送られる電圧値および電流値を検出して車室側制御部19に送るように構成されており、車室側制御部19は、電流センサ30による電流値が所定の値以下になったら、充電が完了したものとして電力開閉器26をOFF動作させるように構成されている。これにより、電源幹線27とコンセント23とが切り離され、電力が完全に供給されない状態となる。そして、車室側制御部19は、充電が完了した場合に充電制御部9にその旨を送信し、充電制御部9は、充電リストに基づいて、他の充電要求がある他の車室3の充電が可能となるように充電ON信号を出力して、充電される車室3を充電完了後に順次切り換えるように制御するものである。さらに、車室側充電ユニット16には、電圧検知部29、充電を停止させるための停止スイッチ31および充電中に点灯される充電ランプ32がそれぞれ設けられている。
【0031】
また、本実施形態においては、駐車場2の利用者がキー入力部10を操作して車室番号を入力して充電予約を行った場合に、車室番号とともに充電受付情報を充電リストとして充電用メモリ12に記憶させるように構成されている。そして、充電制御部9は、充電用メモリ12に記憶された充電リストから充電の対象となる車室番号を読み出し、この対象となる車室番号における充電が可能となるように充電ON信号を車室側充電ユニット16に出力するように構成されている。
【0032】
また、図2に示すように、精算機5は、駐車料金の精算やロック板4の昇降動作制御などを行うための精算制御部33を備えており、精算機5は、硬貨や紙幣などによる料金の支払いを行うための料金支払い部34を備えている。また、精算機5は、ロック板4が上昇している状態の時間を計測するタイマ35を備えており、精算機5は、このタイマ35による計測時間などを記憶するメモリ36を備えている。さらに、精算機5には、利用者が精算を行う際に駐車した車室3を指定するための番号入力部37が設けられており、精算機5には、番号入力部37により入力した車室番号や駐車料金などを表示するための表示部38が設けられている。なお、これらタイマ35、メモリ36、番号入力部37および表示部38は、充電制御ユニット6の充電用タイマ13、充電用メモリ12、充電用キー入力部10および充電用表示部11と兼用するようにしてもよい。
【0033】
そして、本実施形態においては、精算制御部33は、車両1が車室3に駐車したことを図示しないセンサなどの検出手段により検出した場合に、通信線39を介してロック板4を上昇させるように制御するものである。その後、精算制御部33は、タイマ35により駐車時間の計測を開始するように構成されている。一方、充電制御ユニット6は、カバー部材24によりコンセント23がロックされたことを確認した場合に、充電予約に従って充電を開始するように制御するとともに、ロック機構25がロックされている旨を精算制御部33に送るように構成されている。
【0034】
また、精算制御部33は、精算時には、タイマ35の駐車時間に基づいて駐車料金を算出し、利用者が支払いを完了した場合に、ロック板4を下降させて車両1が出庫できるように制御するものである。このとき、ロック板4のカバー部材24が閉じた状態である場合、すなわち、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている状態である場合は、充電ケーブルを片付ける時間を考慮して、ロック板4の再上昇時間にサービス時間αを加算した出車猶予時間を設定してロック板4の制御を行うように構成されている。精算制御部33のタイマ35は、ロック板4の下降時間の計測を行い、出車猶予時間の間に、車両1が出庫した場合には、ロック板4は下降した状態に保持するとともに、車両1が出庫しない場合には、出車猶予時間が経過した後に、ロック板4を再上昇させるように制御するように構成されている。なお、サービス時間αは、駐車場2の規模などに応じて管理者が任意に設定することができるものである。
【0035】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0036】
本実施形態においては、まず、利用者が駐車場2の車室3に車両1を駐車させ、車両1を検出したら、精算制御部33によりロック板4を上昇させるとともに、タイマ35により駐車時間の計測を開始する。また、車両1の充電を行う場合は、車室側充電ユニットのカバー部材24を開いて、コンセント23に、車両1の充電プラグを差し込んだ後、充電制御ユニット6において、充電予約の入力を行う。そして、充電制御ユニット6は、カバー部材24によりコンセント23がロックされたことを確認した場合に、充電予約に従って充電を開始するように制御するとともに、ロック機構25がロックされている旨を精算制御部33に送るようになっている。
【0037】
次に、精算処理の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0038】
駐車場2の利用者が精算機5の番号入力部37により駐車位置番号を入力したら(ST1)、駐車時間に基づいて駐車料金を算出し、表示部38に表示させる。そして、利用者が駐車料金の支払いを完了したら(ST2)、ロック板4を下降させるように制御する(ST3)。
【0039】
そして、ロック機構25がロックされたままであり、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている状態の場合には(ST4)、再上昇時間にサービス時間αを加算した出車猶予時間を設定する(ST5)。一方、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれていない場合には、再上昇時間を出車猶予時間として設定する(ST6)。その後、車両1が出庫した場合には(ST7)、そのまま終了し、車両1が出庫しない場合は、出車猶予時間が経過した後に(ST8)、ロック板4を再上昇させるものである(ST9)。
【0040】
以上述べたように、本実施形態においては、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれた状態で精算を行う際に、ロック板4の再上昇時間にサービス時間αを加算した出車猶予時間を設定するようにしているので、充電ケーブルを片付ける際に必要な時間を確保することができ、車両1を出場させる意思があるにもかかわらず、ロック板4が再上昇してしまうことを確実に防止することができ、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【0041】
なお、前記実施形態においては、ロック機構25のカバー部材24の開閉状態によりコンセント23に電源プラグ22が差し込まれているか否かを判断するようにしたが、例えば、コンセント23を流れる待機電流値を検出することにより、電源プラグ22が差し込まれているか否かを判断するようにしてもよい。すなわち、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている状態では、通常の充電電流より低い電流値の待機電流が流れていることから、待機電流値の有無を検出することにより、電源プラグ22が差し込まれているか否かを判断することができるものである。
【0042】
また、前記実施形態においては、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれているか否かで、サービス時間αを加算した出車猶予時間を設定するようにしたが、例えば、精算機5に充電中であることを選択することができる選択ボタンなどを設置し、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている場合に、利用者が選択ボタンを操作することにより、サービス時間αを加算した出車猶予時間を設定するようにしてもよい。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0044】
本実施形態においては、精算機5、充電管理システムの構成については、前記第1実施形態と同様であるための、図1および図2を参照して説明する。
【0045】
本実施形態においては、精算機5の精算制御部33は、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている場合に、タイマ35により計測した駐車時間から充電ケーブルの片付けなどに必要なサービス時間βを差し引いた時間に対して駐車料金を算出して精算するようにしたものである。その他の構成は、前記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
次に、本実施形態の精算動作について説明する。
【0047】
本実施形態においては、駐車場2の利用者が精算機5の番号入力部37により駐車位置番号を入力したら、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている状態の場合には、駐車時間からサービス時間βを差し引いた時間から駐車料金を算出し、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれていない場合には、通常の駐車時間から駐車料金を算出するようになっている。そして、駐車料金を表示部38に表示させて、利用者が駐車料金の支払いを完了したら、ロック板4を下降させるように制御するものである。
【0048】
以上述べたように、本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれた状態で精算を行う際に、駐車時間からサービス時間βを差し引いた時間から駐車料金を算出して精算を行うようにしているので、充電ケーブルを片付ける際に時間が掛かっても、不要な駐車料金を精算されることがなく、極めて使い勝手のよい駐車場管理システムを得ることができる。
【0049】
なお、前記各実施形態においては、駐車場2として、駐車場2の各車室3に、駐車中の車両1のロックを行うためのロック板4が設置されるとともに、精算機5が設けられたいわゆる個別ロック方式の駐車場2の例を示して説明したが、例えば、発券機および精算機5を備えたいわゆるゲート方式の駐車場2に適用するようにしてもよい。
【0050】
また、前記各実施形態においては、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれた状態で精算を行う際に、ロック板4の再上昇時間にサービス時間αを加算した出車猶予時間を設定するか、あるいは、コンセント23に電源プラグ22が差し込まれている状態の場合には、駐車時間からサービス時間βを差し引いた時間から駐車料金を算出するようにしたが、例えば、車両に充電した場合に、充電制御ユニット6により、充電履歴を記憶させておき、この充電履歴情報に基づいて、充電した車両について、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定するようにしてもよい。
【0051】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 車両
2 駐車場
3 車室
4 ロック板
5 精算機
6 充電制御ユニット
7 分電盤
8 漏電遮断器
9 充電制御部
10 充電用キー入力部
11 充電用表示部
12 充電用メモリ
13 充電用タイマ
14 プリンタユニット
15 カード処理機
16 車室側充電ユニット
17 通信部
19 車室側制御部
20 車室側通信部
21 制御用通信線
22 電源プラグ
23 コンセント
24 カバー部材
25 ロック機構
26 電力開閉器
27 電源幹線
28 漏電遮断器
29 電圧検知部
30 電流センサ
31 停止スイッチ
32 充電ランプ
33 精算制御部
34 料金支払い部
35 タイマ
36 メモリ
37 番号入力部
38 表示部
39 通信線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を利用した際の駐車料金を精算するための精算機と、
前記駐車場に設けられた車両を駐車するための車室と、
前記車室に設けられた給電側接続器に駐車した前記車両の受電側接続器を接続して前記車両の充電を行うための充電管理システムと、
前記車室に昇降自在に設置されたロック板と、
を備え、
前記精算機は、前記受電側接続器と前記給電側接続器とが接続されていると判断した場合に、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定して前記ロック板の昇降制御を行うものであることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
前記充電管理システムは、前記給電側接続器部分に設けられ前記受電側接続器との接続状態を保持するロック機構を備え、
前記精算機は、前記ロック機構のロック状態に基づいて前記受電側接続器と前記給電側接続器との接続状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記精算機は、給電側接続器に流れる待機電流値に基づいて前記受電側接続器と前記給電側接続器との接続状態を判断することを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
駐車場を利用した際の駐車料金を精算するための精算機と、
前記駐車場に設けられた車両を駐車するための車室と、
前記車室に設けられた給電側接続器に駐車した前記車両の受電側接続器を接続して前記車両の充電を行うための充電管理システムと、
を備え、
前記精算機は、前記受電側接続器と前記給電側接続器とが接続されていると判断した場合に、駐車時間からサービス時間を差し引いた時間に対して駐車料金の精算を行うものであることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項5】
前記駐車場は、前記車室に昇降自在に設置されたロック板を備えた個別ロック方式の駐車場であることを特徴とする請求項4に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記駐車場は、発券機を備えたゲート方式の駐車場であることを特徴とする請求項4に記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
駐車場を利用した際の駐車料金を精算するための精算機と、
前記駐車場に設けられた車両を駐車するための車室と、
前記車室に設けられた給電側接続器に駐車した前記車両の受電側接続器を接続して前記車両の充電を行うための充電管理システムと、
前記車室に昇降自在に設置されたロック板と、
を備え、
前記精算機は、前記車両に充電が行われた場合に記憶されている充電履歴情報に基づいて、精算後における再上昇時間にサービス時間を付加した出車猶予時間を設定して前記ロック板の昇降制御を行うものであることを特徴とする駐車場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−146055(P2012−146055A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−2874(P2011−2874)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】