説明

駐車装置

【課題】 簡易な構成で、使い勝手のよい駐車装置を提供しようとする。
【解決手段】
従来の車両を駐車させる駐車装置にかわって、車両が自走して入庫または出庫する空間である入出庫空間と、前記入出庫空間と区別して区画され複数の車両を格納させる空間である駐車空間と、車両を前記駐車空間に設けられた所定の移動経路に沿って移動させることをできる車両移動機器と、車両を前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる車両昇降機器と、車両を前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる車両旋回機器と、を備えるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置に係る。特に、車両の向きを変更する構成に特徴のある駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を駐車させるための駐車装置が用いられる。
駐車装置の一例として、地下式駐車装置がある。地下式駐車装置は、ビル等の地下空間を駐車空間として利用する駐車装置である。
例えば、地下式駐車装置は、複数のパレットと入出庫空間と駐車空間と車両移動機器と車両昇降機器とで構成される。
パレットは、車両を搭載する上から見て略矩形の構造体である。
入出庫空間は、車両が自走して入庫して前記パレットに乗り込みまたは前記パレットから降りて出庫する空間である。一般に、入出庫空間は、ビルの1階に位置する。
駐車空間は、入出庫空間と区別して区画され複数のパレットを格納させる空間である。例えば、駐車空間は、入出庫空間の上方または下方に位置する。一般に、駐車空間は、ビル等の地階に位置する。
車両移動機器は、駐車空間の中で所定の循環経路に沿って移動させることをできる機器である。
車両昇降機器は、パレットを駐車空間と入出庫空間との間で昇降させる機器である。
【0003】
車両は自走して入出庫空間にあるパレットに乗り込む。
車両の乗ったパレットは、車両昇降機器により、入出庫空間から駐車空間に降下する。
車両の乗ったパレットは、車両移動機器により、駐車空間の中を所定の循環経路に沿って移動する。
車両の乗ったパレットが、駐車空間に置かれる。
【0004】
車両が呼びだされると、車両の乗ったパレットが、車両移動機器により、駐車空間の中を所定の循環経路に沿って移動する。
車両の乗ったパレットが、車両昇降機器により、駐車空間から入出庫空間に上昇する。
車両は自走して入出庫空間にあるパレットから降りる。
【0005】
車両を前進により入庫し、前進により出庫されることができると、使い勝手のよい駐車装置となる。
そのために、車両旋回機器が、入出庫空間に設けられる。
車両旋回機器が、入出庫空間の中で車両を垂直軸回りに旋回し、車両の向きを変える。
車両を旋回するには、入出庫空間の幅を広くする必要が有る。
【0006】
近年、ビルの地上部のスペースの多くを有効に利用するために、入出庫空間を小さくしたいという希望がある。
しかし、入出庫空間を小さくすると、車両を入出庫空間で旋回させることができなくなる。
入出庫空間を小さくして、ビルの地上部のテナントの利用できるスペースを可能な限り広くし、さらに、使い勝手のよい駐車装置を望まれる。
【0007】
【特許文献1】特開2001−32557号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で、使い勝手のよい駐車装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、車両が自走して入庫または出庫する空間である入出庫空間と、前記入出庫空間と区別して区画され複数の車両を格納させる空間である駐車空間と、車両を前記駐車空間に設けられた所定の移動経路に沿って移動させることをできる車両移動機器と、車両を前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる車両昇降機器と、車両を前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる車両旋回機器と、を備えるものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、入出庫空間が車両が自走して入庫または出庫する空間である。駐車空間が前記入出庫空間と区別して区画され複数の車両を格納させる空間である。車両移動機器が車両を前記駐車空間に設けられた所定の移動経路に沿って移動させることをできる。車両昇降機器が車両を前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる。車両旋回機器が車両を前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる。
その結果、入出庫空間に入庫した車両を駐車空間に移動させ、移動経路に沿って移動させて、駐車空間に駐車させる。駐車空間にある車両を、移動経路に沿って移動させ、入出庫空間に移動させる。この途中の駐車空間で、車両を垂直軸回りに旋回させるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、車両を搭載する上から見て略矩形の構造体である複数のパレットと、車両が自走して入庫して前記パレットに乗り込みまたは前記パレットから降りて出庫する空間である入出庫空間と、前記入出庫空間と区別して区画され車両の乗った複数のパレットを格納させる空間である駐車空間と、前記パレットを前記駐車空間に設けられた所定の循環経路に沿って移動させることをできる車両移動機器と、前記パレットを前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる車両昇降機器と、前記パレットを前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる車両旋回機器と、を備えるものとした。
【0012】
上記本発明の構成により、複数のパレットが車両を搭載する上から見て略矩形の構造体である。入出庫空間が車両が自走して入庫して前記パレットに乗り込みまたは前記パレットから降りて出庫する空間である。駐車空間が前記入出庫空間と区別して区画され車両の乗った複数のパレットを格納させる空間である。車両移動機器が前記パレットを前記駐車空間に設けられた所定の循環経路に沿って移動させることをできる。車両昇降機器が前記パレットを前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる。車両旋回機器が前記パレットを前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる。
その結果、入出庫空間に入庫した車両をパレットに乗せて駐車空間に移動させ、循環経路に沿って移動させて、駐車空間に駐車させる。駐車空間にある車両を、循環経路に沿って移動させ、入出庫空間に移動させる。この途中の駐車空間で、車両の乗ったパレットを垂直軸回りに旋回させるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明に係る車両を駐車させる駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
車両を入出庫空間と駐車空間との間で昇降させ、車両を駐車空間で垂直軸回りに旋回させ、車両を駐車空間の中で移動経路に沿って移動させ、複数の車両を駐車空間に駐車させる様にしたので、入出庫空間に入庫した車両を駐車空間に移動させ、移動経路に沿って移動させて、駐車空間に駐車させる。駐車空間にある車両を、移動経路に沿って移動させ、入出庫空間に移動させる。この途中の駐車空間で、車両を垂直軸回りに旋回させるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
車両を乗せたパレットを入出庫空間と駐車空間との間で昇降させ、パレットを駐車空間で垂直軸回りに旋回させ、パレットを駐車空間の中で移動経路に沿って移動させ、複数のパレットを駐車空間に駐車させる様にしたので、入出庫空間に入庫した車両をパレットに乗せて駐車空間に移動させ、循環経路に沿って移動させて、駐車空間に駐車させる。駐車空間にある車両を、循環経路に沿って移動させ、入出庫空間に移動させる。この途中の駐車空間で、車両を垂直軸回りに旋回させるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
従って、簡易な構成で、使い勝手のよい駐車装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組合わされた態様を含む。
【0015】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両旋回機器が車両を前記移動経路の中の特定位置で旋回させることをできる。
上記実施形態の構成により、駐車空間に設けられた前記移動経路を移動させる途中で車両を垂直軸回りに旋回できるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0016】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両昇降機器が車両を昇降させて前記移動経路の中の特定位置へ着底させることをでき、前記車両旋回機器が車両を前記特定位置で旋回させることをできる。
上記実施形態の構成により、車両を昇降させる際に、車両を駐車空間の中の前記移動経路の中の特定位置へ着底させて、車両を垂直軸回りに旋回できるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0017】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両昇降機器が、前記車両を支持する車両支持機構と前記車両が前記入出庫空間と前記移動経路の中の特定位置とに停止する様に該車両支持機構を昇降させる前記移動経路を間に挟んで設けられた1対の昇降駆動機構とを有し、前記車両旋回機器が、1対の前記昇降駆動機構の間に設けられ前記車両を前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる。
上記実施形態の構成により、1対のパレット支持機構が車両を支持し、1対の昇降駆動機構が前記移動経路を間に挟んで設けられ、前記車両が前記入出庫空間と前記特定位置とに停止する様に1対の該車両支持機構を昇降させ、前記車両旋回機器が1対の前記昇降駆動機構の間に設けられ、前記車両を前記特定位置で垂直軸回りに旋回させるので、車両昇降機器が車両を昇降させる際に、車両を垂直軸回りに旋回させ、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0018】
以下に、本発明の実施形態に係るパレットを持いた駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組合わされた態様を含む。
【0019】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両旋回機器が、前記循環経路から枝分かれした分岐経路の中の特定位置に位置する前記パレットを持ち上げる車両持ち上げ機構と該車両持ち上げ機構を垂直軸回りに回転させる旋回駆動機構とを有する。
上記実施形態の構成により、前記循環経路から枝分かれした分岐経路の中の特定位置でパレットを持ち上げて、パレットを垂直軸回りに回転するので、分岐経路でパレットに乗った車両の向きを変えてから循環経路に循環させることをでき、入出庫空間での車両の向きに任意に選択できる。
【0020】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両昇降機器が前記パレットを前記駐車空間の中の特定位置に着底させ、前記車両旋回機器が前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる。
上記実施形態の構成により、車両を乗せたパレットを駐車空間の中の特定位置に着底させたときに、パレットを垂直軸回りに旋回させるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0021】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両昇降機器が前記パレットを前記循環経路から枝分かれした分岐経路の中の特定位置に着底させ、前記車両旋回機器が前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる。
上記実施形態の構成により、パレットを循環経路に循環させ、車両を乗せたパレットを昇降する際に、駐車空間の中の分岐経路の特定位置に着底させ、パレットを垂直軸回りに旋回させるので、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0022】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記車両昇降機器が、前記パレットの対向する1対の辺を各々に支持する1対の車両支持機構と前記パレットが前記入出庫空間と前記駐車空間の中の特定位置とに停止する様に1対の該車両支持機構を昇降させる1対の昇降駆動機構とを有し、前記車両旋回機器が、1対の前記昇降駆動機構の間に設けられ前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる。
上記実施形態の構成により、1対の車両支持機構が前記パレットの対向する1対の辺を各々に支持し、1対の昇降駆動機構が前記パレットが前記入出庫空間と前記駐車空間の中の特定位置とに停止する様に1対の該車両支持機構を昇降させ、前記車両旋回機器が1対の前記昇降駆動機構の間に設けられ前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させるので、車両昇降機器が車両を乗せたパレットを昇降させる際に、車両を乗せたパレットを垂直軸回りに旋回させ、入出庫空間での車両の向きを任意に選択できる。
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0024】
最初に、本発明に係る駐車装置を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る駐車装置のB−B断面図である。図4は、本発明の実施形態に係る駐車装置のC−C断面図である。
以下では、説明の容易のために、パレットの水平移動と垂直移動とを繰り返して循環させる、いわゆる箱形循環式の駐車装置に本発明の構造を採用した場合を例に、説明する。
【0025】
駐車装置10は、車両を駐車させる駐車装置であって、複数のパレット20と入出庫空間30と駐車空間40と車両移動機器50と車両昇降機器60と車両旋回機器70とで構成される。
【0026】
パレット20は、車両を搭載する上から見て略矩形の構造体である。
パレット20は、構造部材21と4つの鍔付き車輪22と1対のラック部材23と連結部材(図示せず)とで構成される。
構造部材21は、上から見て略矩形になり所定の厚みを持った部材である。
4つの鍔付き車輪22は、構造部材21の1対の短辺側の側面に設けられる。
ラック部材23は、構造部材の下面に短辺に平行に設けられ、複数の円柱が所定の間隔で並んだものである。
ラック部材23は、後述する水平移動機構53のピニオンに噛み合わされる。
連結部材は、構造部材の長辺側の側面に設けられ、隣り合ったパレットの連結部材と連結する部材である。
【0027】
入出庫空間30は、複数の車両を格納させる空間である、
入出庫空間30は、車両が自走して入庫してパレット20に乗り込みまたはパレット20から降りて出庫する空間であってもよい。
例えば、入出庫空間30は、1台の車両が入り、運転手が乗り降り可能な隙間を持った幅寸法と奥行き寸法と高さ寸法を持った略6面体の空間である。
車両が出入りできる入出庫ゲート31が、入出庫空間30に設けられる。
【0028】
駐車空間40は、入出庫空間30と区別して区画され複数の車両を格納させる空間である。
駐車空間40は、車両の乗った複数のパレットを格納させる空間である。
駐車空間40は、入出庫空間30とは別に区画された空間である。例えば、駐車空間40は、入出庫空間30の下方または上方に区画される。
例えば、複数のパレットが横方向に並んで、2段に重なることをできる寸法の駐車空間40が地下に設けられる。
【0029】
車両移動機器50は、車両を駐車空間40に設けられた所定の移動経路Gに沿って移動させることをできる機器である。
車両移動機器50は、パレット20を駐車空間40に設けられた所定の循環経路G1に沿って移動させることをできる。例えば、移動機器Gは、循環経路G1と分岐経路G2とで構成される。循環経路G1は、無限ループ状になり循環する軌跡を描く経路である。分岐経路G2は、循環経路G1から分岐した経路である。
例えば、図1は、上下2段に重なった水平部である水平経路と水平経路の両端を垂直方向に延びて繋ぐ垂直部である垂直経路とで構成される循環経路G1を示している。分岐経路G2が、循環経路G1の一方の水平経路の端部から分岐している。
【0030】
例えば、車両移動機器50は、レール構造体51と垂直移動機構52と水平移動機構53とで構成される。
レール構造体51は、パレット20の鍔付き車輪22が転動する前後1対のレールを水平経路に沿って多段(例えば、2段)に設けた構造体である。パレット20は、レール構造体に案内され、短辺に沿う方向に移動できる。
垂直移動機構52は、レール構造体51の両端に設けられるもので、パレット20を垂直経路に沿って垂直に移動させる機構である。
図4は、垂直移動機構52の構成の例を示す。
例えば、垂直移動機構52は、上下に配したスプロケットに無限ループ状のチェーンを架け渡し、チェーンに移動式のレールを固定したものである。スプロケットを回転させると、チェーンが移動して、移動式のレールが上方または下方の一方へ移動する。パレット20が移動チェーンに乗っていると、パレット20を上方または下方の一方に移動させることをできる。
水平移動機構53は、パレット20をレール構造体51のレールに沿って水平移動させる機構である。例えば、水平移動機構53は、パレット20のラック部材23に噛みあうピニオンを持つ。ピニオンを回転させると、パレット20がレールに沿って水平移動する。
連結部材により互いに連結したパレット20をレール構造体51に乗せて、垂直移動機構52と水平移動機構53とを交互に作動させると、互いに繋がった複数のパレット20を循環経路G1に沿って循環して移動させることをできる。
【0031】
車両昇降機器60は、車両を駐車空間40と入出庫空間30との間で昇降させる機器である。
図3は、車両昇降機器60の構成の例を示す。
例えば、車両昇降機器60は、パレット20を駐車空間40と入出庫空間30との間で昇降させる。
車両昇降機器60が、車両を昇降させて駐車空間40の中の特定の位置である特定位置Xへ着底させることをできてもよい。
例えば、車両昇降機器60が、パレット20を駐車空間40の中の特定の位置である特定位置Xに着底させる。
車両昇降機器60が、車両を昇降させて移動経路Gの中の特定の位置である特定位置Xへ着底させることをできてもよい。
例えば、車両昇降機器60が、パレット20を循環経路G1から枝分かれした分岐経路G2の中の特定の位置である特定位置Xに着底させる。
【0032】
例えば、車両昇降機器60が、車両支持機構61と1対の昇降駆動機構62と1対の分離レール63と昇降機器架台64とで構成される。
車両支持機構61は、車両を支持する機構である。
車両支持機構61が、パレット20の対向する1対の辺を各々に支持する機構であっても良い。車両支持機構61は、後述する分離レール63を固定する車両支持機構ノックピン61pを設けられる。
昇降駆動機構62は、車両が入出庫空間30と駐車空間40の中の特定の位置である特定位置Xとに停止する様に車両支持機構61を昇降させる機器である。
例えば、昇降駆動機構62が、パレットが入出庫空間30と駐車空間40の中の特定の位置である特定位置Xとに停止する様に1対の車両支持機構を昇降させる。
分離レール63は、パレット20の鍔付き車輪22が転動可能であり、単体で分離可能になったレールである。
パレット20の鍔付き車輪22を分離レール63に乗せて、分離レール63を車両支持機構61の車両支持機構ノックピン61pが貫くと、車両支持機構61が分離レール63を介してパレット20を支持できる。
昇降機器架台64は、車両支持機構61と1対の昇降駆動機構62と1対の分離レール63とを支持する架台である。昇降機器架台64は、分離レール63を固定する昇降機器架台ノックピン64pを設けられる。
【0033】
車両旋回機器70は、車両を駐車空間40で垂直軸回りに旋回させる機器である。
例えば、車両旋回機器70は、パレット20を駐車空間40で垂直軸回りに旋回させる。
車両旋回機器70は、車両を特定位置Xで旋回させることをできてもよい。
例えば、車両旋回機器70が、パレット20を特定位置Xで旋回させる。
例えば、車両旋回機器70は、車両持ち上げ機構71と旋回駆動機構72とで構成される。
車両持ち上げ機構71は、循環経路G1から枝分かれした分岐経路G2の中の特定の位置である特定位置Xに位置するパレット20を持ち上げる機構である。
旋回駆動機構72は、車両持ち上げ機構71を垂直軸回りに回転させる機構である。
例えば、旋回駆動機構72は、車両持ち上げ機構71を垂直軸回りに180度だけ回転させる。
【0034】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用を、図をもとに説明する。
図5は、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図その1である。図6は、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図その2である。図7は、本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図その3である。
【0035】
最初に車両を駐車装置10へ入庫させる手順を説明する。
車両昇降機器60が、パレット20を入出庫空間30に位置させる。
車両が自走して入出庫空間30に入り、入出庫空間30にあるパレット20に乗り込む。
図5は、車両が入出庫空間30にあるパレット20に乗っている様子を示している。
車両昇降機器60が、車両を乗せたパレット20を下降させて特定位置Xに停止させる。
図7A〜Cは、パレット20が特定位置Xに下降する際のパレット20と車両支持機構61と分離レール63と昇降機器架台64との相対関係を示している。
図7のAは、車両支持機構61がパレットの乗った分離レール63を下から支持して下降する様子を示している。
車両支持機構61に設けられた車両支持機構ノックピン61pが、分離レール63を貫いて、パレット20の鍔付き車輪22を押さえて、転動を防止する。
図7のBは、パレットの乗った分離レール63が着底した様子を示している。パレット20の乗った分離レール63が、昇降機器架台64に当たる。パレット20の乗った分離レール63が、昇降機器架台64に乗る。
昇降機器架台ノックピン64pが、分離レール63に嵌合する。分離レール63は、昇降機器架台ノックピン64pにより昇降機器架台64に固定される。
依然として、車両支持機構61に設けられた車両支持機構ノックピン61pが、パレット20の鍔付き車輪22の転動を防止する。
【0036】
車両旋回機器70が、特定位置Xにあるパレットを旋回させる。
図6は、車両旋回機器70が車両を乗せたパレット20を旋回させる様子を示している。
車両持ち上げ機構71が、車両を乗せたパレット20を持ち上げる。パレット20の鍔付き車輪22が、分離レール63から上方へ離れる。
旋回駆動機構72が、車両を乗せたパレットを180度だけ旋回させる。
車両の前後が入れ替わる。
この時に、車両移動機器50が、パレット20を循環経路G1の特定位置Xの隣の位置に移動させる。
車両持ち上げ機構71が、車両を乗せたパレット20を下げる。パレット20の鍔付き車輪22が、分離レール63に乗る。
下降したパレット20が、循環経路G1の特定位置の隣の位置に位置するパレット20に連結部材を介して連結する。
【0037】
車両昇降機器60が、車両支持機構61をさらに下降させる。
図7のCは、車両支持機構61がさらに下降した様子を示している。
車両支持機構61がさらに下降し、車両支持機構61のノックピンが分離レール63から下方に引き抜かれる。パレット20の鍔付き車輪22が自由になり、パレット20が水平移動可能になる。
【0038】
水平移動機構53が互いに繋がった複数のパレット20を水平移動する。特定位置Xにあるパレット20が、分岐経路G2から循環経路G1へ引き込まれる。
水平移動機構53と垂直移動機構52とを交互に作動させると、車両を乗せたパレット20が循環経路G1を循環する。
水平移動機構53が、空のパレット20を循環経路G1から分岐経路G2へ送る。
空のパレット20が特定位置Xに位置する。
車両昇降機器60が、空のパレットを昇降させる、空のパレットが入出庫空間30に位置する。
空のパレットが、入出庫空間30に置かれる。
この状態により、次の車両の入庫を受け入れる準備が整う。
【0039】
次に、車両を出庫させる手順を説明する。
車両を入庫させる手順により空のパレット20を循環経路G1へ移動させる。このときに、車両旋回機器70を作動させない。
水平移動機構53と垂直移動機構52とを交互に作動させて、出庫させる車両の乗ったパレット20を特定位置Xの隣に移動させる。
水平移動機構53を作動させて、車両の乗ったパレット20を循環経路G1から分岐経路G2の特定位置Xへ移動させる。
車両の乗ったパレット20を特定位置Xへ位置させる。
【0040】
車両昇降機器60が、車両の乗ったパレット20を特定位置Xから入出庫空間30へ上昇させる。
車両を入庫させる際に、車両の前後を入れ替えているので、車両の前方が入出庫空間30の入出庫ゲートに向いている。
車両が、パレット20から降りて自走して入出庫空間30から出庫する。
【0041】
次に、本発明の構成を適用した駐車装置の例を説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る駐車装置のバリエーション図である。
図8のAは、駐車空間での車両の前後方向と入出庫空間での車両の前後方向とが平行であり、車両が前進して入庫し、前進して出庫するバリエーションを示している。
図8はAは、上記で説明したバリエーションである。
【0042】
図8のB、Cは、その他のバリエーションである。
図8のBは、駐車空間での車両の前後方向と入出庫空間での車両の前後方向とが直交しており、車両が前進して入庫し、前進して出庫するバリエーションを示している。
図8のCは、駐車空間での車両の前後方向と入出庫空間での車両の前後方向とが交差しており、車両が前進して入庫し、更新して出庫するバリエーションを示している。
この様にすると、車両を前進して入出庫空間30へ入れて、前進で出すことをでき、使い勝手がよく、入出庫空間30を小さな寸法にすることができる。
図8のB、Cのバリエーションを採用する場合、車両昇降機器は、パレット20の底部を直接に支持して昇降してもよい。
この様にすると、狭いまたは一方通行の道路から車両を入出庫空間に入出庫でき、入出庫空間30を小さな寸法にすることができる。
【0043】
上述の実施形態の駐車装置を用いれば、以下の効果を奏する。
入出庫空間30を地上に設け、駐車空間40を入出庫空間30の下の地下に設けた駐車装置において、車両が入庫させるときに、車両が入出庫空間30にあるパレット20に乗り込み、車両を乗せたパレット20を入出庫空間30から駐車空間40の特定位置Xに下降させ、特定位置Xで車両を乗せたパレット20を旋回させて、駐車空間40に設けた循環経路G1に沿ってパレット20を移動させて駐車空間に格納し、車両を出庫させるときに、車両を乗せたパレット20を循環経路G1に沿って移動させ分岐経路G2の特定位置Xに位置させ、パレット20を特定位置Xから入出庫空間30に上昇させ、車両がパレットから降りて入出庫空間から出庫する様にしたので、入出庫空間に入出庫する車両の前後の向きを任意に変化させることをでき、入出庫空間の寸法を可能な限り小さくすることをできる。
また、循環経路G1から分岐した分岐経路G2にある特定位置で車両を乗せたパレットを持ち上げて旋回させる様にしたので、駐車空間40の形状に合わせて、車両旋回機器70の取付位置を選択できる。
また、車両昇降機器60の昇降駆動機構62を分岐経路G2を挟んで設け、車両旋回機器70を車両駆動機構62の間に設けたので、車両昇降機器60と車両旋回機器70とを納める空間寸法を小さく出来る。
また、車両を乗せたパレット20を昇降させる際に、パレット20の鍔付き車輪22を分離レール63に乗せ、車両支持機構61の車両支持機構ノックピン61pが分離レール63を貫通して鍔付き車輪を固定する様にしたので、簡易な構造で車両昇降機器60がパレット20を支持できる。
【0044】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
本発明の構成をいわゆる箱形循環式の駐車装置に適用した例で説明したが、これに限定されず、例えは循環経路が複数の水平経路と複数の水平経路を組合わせたいわゆる水平循環式の駐車装置や、その他の駐車装置に適用できる。
また、車両旋回機器が車両を180度だけ旋回する例で説明したが、これに限定されず、例えば、90度、45度、その他の任意の角度だけ旋回させてもよい。
また、車両をパレットに乗せて取り扱う構成を例に説明したがこれに限定されず、例えば、パレットがなく、車両の車輪を支える構成で車両を取り扱っても良い。
また、車両旋回機器が車両昇降機器の昇降駆動機構の間に納まる構成を例に説明したが、これに限定されず、車両旋回機器と車両昇降機器とが違った位置に設けられていてもよい。
また、車両が入庫し駐車空間に格納する際に、車両を旋回させる例で説明したが、これに限定されず。例えば、車両を駐車空間から引き出し出庫させる際に、車両を旋回させてもよいし。車両が駐車空間で格納されている際に、車両を特定位置に移動させて旋回させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る駐車装置のB−B断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る駐車装置のC−C断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図その1である。
【図6】本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図その2である。
【図7】本発明の実施形態に係る駐車装置の作用説明図その3である。
【図8】本発明の実施形態に係る駐車装置のバリエーション図である。
【符号の説明】
【0046】
G 移動経路
G1 循環経路
G2 分岐経路
X 特定位置
10 駐車装置
20 パレット
21 構造部材
22 鍔付き車輪
23 ラック部材
30 入出庫空間
31 入出庫ゲート
40 駐車空間
50 車両移動機器
51 レール構造体
52 垂直移動機構
53 水平移動機構
60 車両昇降機器
61 車両支持機構
61p 車両支持機構ノックピン
62 昇降駆動機構
63 分離レール
64 昇降機器架台
64p 昇降機器架台ノックピン
70 車両旋回機器
71 車両持ち上げ機構
72 旋回駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車装置であって、
車両が自走して入庫または出庫する空間である入出庫空間と、
前記入出庫空間と区別して区画され複数の車両を格納させる空間である駐車空間と、
車両を前記駐車空間に設けられた所定の移動経路に沿って移動させることをできる車両移動機器と、
車両を前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる車両昇降機器と、
車両を前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる車両旋回機器と、
を備えることを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記車両旋回機器が車両を前記移動経路の中の特定位置で旋回させることをできる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記車両昇降機器が車両を昇降させて前記移動経路の中の特定位置へ着底させることをでき、
前記車両旋回機器が車両を前記特定位置で旋回させることをできる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記車両昇降機器が、前記車両を支持する車両支持機構と前記車両が前記入出庫空間と前記移動経路の中の特定位置とに停止する様に該車両支持機構を昇降させる前記移動経路を間に挟んで設けられた1対の昇降駆動機構とを有し、
前記車両旋回機器が、1対の前記昇降駆動機構の間に設けられ前記車両を前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項5】
車両を駐車させる駐車装置であって、
車両を搭載する上から見て略矩形の構造体である複数のパレットと、
車両が自走して入庫して前記パレットに乗り込みまたは前記パレットから降りて出庫する空間である入出庫空間と、
前記入出庫空間と区別して区画され車両の乗った複数のパレットを格納させる空間である駐車空間と、
前記パレットを前記駐車空間に設けられた所定の循環経路に沿って移動させることをできる車両移動機器と、
前記パレットを前記駐車空間と前記入出庫空間との間で昇降させる車両昇降機器と、
前記パレットを前記駐車空間で垂直軸回りに旋回させる車両旋回機器と、
を備えることを特徴とする駐車装置。
【請求項6】
前記車両旋回機器が、前記循環経路から枝分かれした分岐経路の中の特定位置に位置する前記パレットを持ち上げる車両持ち上げ機構と該車両持ち上げ機構を垂直軸回りに回転させる旋回駆動機構とを有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記車両昇降機器が前記パレットを前記駐車空間の中の特定位置に着底させ、
前記車両旋回機器が前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記車両昇降機器が前記パレットを前記循環経路から枝分かれした分岐経路の中の特定位置に着底させ、
前記車両旋回機器が前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記車両昇降機器が、前記パレットの対向する1対の辺を各々に支持する1対の車両支持機構と前記パレットが前記入出庫空間と前記駐車空間の中の特定位置とに停止する様に1対の該車両支持機構を昇降させる1対の昇降駆動機構とを有し、
前記車両旋回機器が、1対の前記昇降駆動機構の間に設けられ前記パレットを前記特定位置で垂直軸回りに旋回させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−328672(P2006−328672A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150436(P2005−150436)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)