説明

駐輪場管理システム

【課題】無人または少人数で管理されている個別ロック式駐輪場における利用者の誤精算に対処でき、利用者の利便性と実施の容易性を重視した駐輪場管理システムを提供する。
【解決手段】ロック装置50の番号を間違えた精算を取り消して、再度ロック状態に戻すと共に、その際の支払い金額を記載した預かり証明を発行し、当該預かり証明を利用した次回以降の利用料金の割引処理によって支払い金額の払い戻しを可能とし、当該預かり証明は、料金精算装置20より割引コードを含んで領収証発行手段によって印字発行され、割引利用時は料金精算装置20のテンキー22Tより当該割引コードをキー入力して利用でき、データベースには割引コードの利用の有効無効を判定するステータスを記録し、精算取消ししたロック装置50の精算が正常に完了した場合にステータスが有効化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料で且つ個別ロック式の駐輪場に使用して好適な管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な自転車用の駐輪場では、自動車用のフラップ式駐車場などと比較すると簡素な料金体系を採用していることが多い。例えば、フラップ式駐車場では時間当たり数百円、または15分100円といった料金設定となっており、利用者の駐車時間に応じて料金が積算されるもので、利用者によって料金が異なる場合が多い。それに比べて駐輪場では、概ね数時間(2時間程度)までは無料、それ以降は当日内であれば1回100円、日をまたぐ場合には2回目以降の駐輪として料金が加算されるといった料金体系が多い。従って、定期券などを持っていない一時利用者のほとんどは無料か100円程度(最小単位額)で利用出来るような運用形態が多い。
【0003】
また、一般的な大型駐輪場では、上記の様な簡素で安価な料金で運用出来るように自治体や鉄道会社が運営している場合が多く、管理係員も数名でこなしており、特に夜間は無人或いは極少人数での巡回管理となる場合が多い。従ってそれを補うために料金精算機からはインターホンで管理センターなどへ24時間通話可能となっており、不慮の機器トラブルや利用者からの問い合わせに備えている。また、その様な運用で人件費を抑えないことには、鉄道駅近郊の一等地に大型の駐輪場を安価な料金で運営することなど不可能と言える。
【0004】
この種の駐輪場においては、毎日通勤通学するために定期券を購入し、駐輪場所も固定されている定期利用方法と、駐輪したいときだけ利用する一時利用方法に分かれるが、実際には一時利用といってもほとんど毎週5日間の通勤通学に利用しながら、習い事などでたまに普段とは異なるルートで帰宅する場合や、雨天にはバスを利用するつもりなどで、敢えて定期利用にしない利用者が多い。また、前述の様に安価な料金体系を採用しているため、定期利用料金との差がほとんど無いか、雨天を考慮すれば一時利用が得な場合もあり得る。
【0005】
この様な実態で日々の駐輪場利用がおこなわれているが、一時利用者は利用に慣れているもののいつも異なる場所(入口出口に近い場所を狙って)に駐輪しているため、その都度駐輪装置番号が異なるのが常である。その様な日々の利用のなかで、往々にして利用者は精算時に間違った番号で精算してしまうことがある。その場合、おおよその番号は記憶していたが、駐輪したときの番号確認間違いで隣の番号を覚えてしまい、その番号で精算したり、駐輪場所を目視確認してから精算したのに、目視した際に隣の番号と見誤ることもある。これは駐輪装置が収容能力を高めるために隙間無く整列されているため、間近まで行かないと番号を間違えるものいたしかたないと言える。
【0006】
間違って精算したことは、自身の自転車の駐輪場所に行って初めて解るもので、その時点では既に精算してしまっているため、隣の場所はロックが解除されているが、自分のは解除されていないといった状況になってしまう。その際に間違った利用者は近くに係員がいれば相談してロックを解除してもらったり、支払った精算額を返金してもらうことも可能であるが、前述の様に大型駐輪場で且つ夜間の出来事であれば、間違った利用者は泣く泣く別料金を支払って自身の自転車の駐輪装置を解錠させて退出することも少なくない。
【0007】
また、精算装置に具備されてインターホンで管理センターと通話して状況を説明しても、管理センター側からすれば、本当に間違って他の駐輪装置の精算をしてしまったのかを判断出来ない。そのために駐輪場側では初めから免責事項として、間違った精算の代金は返却しないといった利用規約を明示していることが多い。
【0008】
もし、利用者が悪意を持って間違ったと嘘の申告をし、管理センターが遠隔操作で申告された番号を解錠したりすると、タダで自分の自転車の装置を解錠して退出できる、または、他人の自転車を持ち出し出来る、といった不正が可能となり、その様な噂が蔓延すると不正を働こうとする輩が益々増えかねない。
【0009】
従って、駐輪場側(管理センター)としては、明確に間違いを証明できない限り、解錠して退出可能とする様なことは運用ルールとしておこなわないことが多い。
【0010】
さらに、大型の駐輪場においては、駐輪時に駐輪装置に自転車を適切に挿入しないで置いておくような不正を監視するために、一日に数回は係員が巡回しており、その様な駐輪状態を見つけると自転車を押し込んで自転車の前輪がロック装置の検知部に正常に検知され、適切に施錠されるようにしている。
【0011】
上述した各種の問題点を解決するために、駅周辺に通勤や通学者向けに整備された大型駐輪場の最新のシステムでは、自転車を個々にロックする個別式のロック装置を相当台数設置すると共に、その精算処理やロック解除処理をエリア毎やフロアー毎などの単位で設置されている料金精算装置で行う、といった形態のシステムが採用されている。その結果、駐輪場の管理業務も無人又は極力少人数で行える様になってきており、当初の設備投資金額は増額されていたとしても、人件費の抑制に繋がることで利用料金を低価格に設定できて、益々稼働率が高くなるといった好循環が期待されている。
【0012】
一方、最近では上記の様な無人や少人数で管理されている駐輪場における自転車の盗難対策や、他人による持ち出しを防ぐ目的として、暗証番号を利用するロック手段も実現されてきている。
【0013】
例えば、特許文献1の段落0115に記述されている様に、他人の自転車を誤って解錠しない様に、また他人に誤って若しくは意図的に自分の自転車のロックを解錠されない様に、駐輪ロック装置に自転車をロックさせた後で、料金精算装置側で暗証番号を登録し、他人にそのロック装置の精算や解錠が出来ない様にするシステムが提案されている。
【0014】
また、悪意のないケースとして、利用者自身が誤って料金精算装置に他人の自転車が駐輪してあるロック装置の番号を入力して料金を精算してしまい、駐輪場所に行って初めてその間違いに気づき、再度正しいロック装置の番号で精算し直し、間違った精算料金の分は係員を呼んで返金の処置をしてもらうか、若しくは、少額であれば自分の誤操作故に泣き寝入りしているといった状況も少なくない。
【0015】
そこで、例えば特許文献2に記載の「駐車場管理システム」においては、同様のケースが考えられるフラップ式駐車場において、駐車料金精算操作の途中で利用者の操作の誤りが訂正できる手段が記載されている。
【0016】
さらに、例えば特許文献3に記載の「駐車場の駐車位置確認システム」においては、やはりフラップ式駐車場において、料金精算時に利用者の入力した駐車位置番号に対応する駐車区画の画像を中央精算機の前面部の画像表示部に表示して、利用者の誤操作を防止する手法が記載されている。
【特許文献1】特開2001−328576号公報
【特許文献2】特開2002−133468号公報
【特許文献3】特開2006−39699号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところが従来のこの様なシステムでは、利用者の誤操作の機会を減少させる観点から様々な手段が考えられているものの、実際に利用者の利便性を維持しつつ、利用者が誤操作をしてしまった後の対応に関して、具体的には、利用者が暗証番号の登録をせずに駐輪して、精算時に自分の自転車のロック装置番号ではない番号で精算してしまった場合の救済措置に関しては、なんら解決策を見いだせないでいる。
【0018】
例えば上記特許文献1に記載の技術では、予め暗証番号の設定をおこなわないと精算時にロック解除できないが、朝の通勤時間帯の駐輪の際にいちいち暗証番号の設定登録をおこなう様なことは混雑を助長することにも繋がり、利用者にとって利便性の良い手段であるとは言えず、暗証番号登録の実施の普及・実施率の向上が期待出来ない。
【0019】
また、例えば上記特許文献2に記載の技術を駐輪場に応用することは可能であるが、実際に入力ミスをして精算を完了してしまった後の処置や救済措置に関しては、なんら考慮されていない。
【0020】
さらに、例えば上記特許文献3に記載の技術を駐輪場に応用することも可能であるが、個々のロック装置の状態を監視するカメラが、駅近隣の駐輪場の様に数百から数千台の収容能力を必要とされる場所に個々に設置することは、多大な設備コストが必要となり、全く現実的ではない。
【0021】
そこで本発明の技術的課題は、無人或いは少人数で管理されている有料駐輪場で使用して好適であると共に、利用者の誤操作に対処可能な救済手段が、利用者に手間をとらせずに簡単におこなえる様に配慮した駐輪場管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る駐輪場管理システムは、自転車の駐輪位置ごとに設けた個別ロック装置からロックを外して自転車を退出させるにあたって、駐輪料金精算装置に対して個別ロック装置の番号を入力して駐輪料金の精算をすませると、当該個別ロック装置のロックが外されて自転車の退出を可能にする駐輪場管理システムであって、間違った個別ロック装置番号を入力して駐輪料金の精算を済ませてしまった場合に、間違って精算を済ませた個別ロック装置の自転車検知状態が継続している間はいつでも、上記の駐輪料金精算装置を操作して、間違ってロックを外した個別ロック装置をロック施錠状態に戻すロック再施錠処理と、上記間違って精算を済ませた支払い金額が記録され、且つ、当該金額の払い戻しが可能な預かり証明を発行する払い戻し証明発行処理とを、実行可能に構成したことを特徴としている。
【0023】
(2) また、本発明の請求項2に係る駐輪場管理システムは、前記預かり証明は、駐輪料金精算装置より領収証発行手段を用いて、少なくとも割引コードとしてユニークな番号が印字されて発行されると共に、当該割引コードは次回以降の駐輪料金の精算の際に、上記駐輪料金精算装置のテンキーを用いて入力することにより、前記駐輪料金の割引利用が可能に構成されていることを特徴としている。
【0024】
(3) また、本発明の請求項3に係る駐輪場管理システムは、前記割引コードの駐車料金割引使用の有効・無効を判定するステータスと一緒に、預かり証明の内容を前記駐輪料金精算装置と通信可能に接続された他の装置か、若しくは、当該駐輪料金精算装置の記録装置のデータベースに記録し、この預かり証明を料金割引に使用する際に、そのステータスが利用無効を示していない場合に割り引き利用が可能と成ると共に、前記割引利用の有効・無効を判定するステータスは、預かり証明発行時点で利用無効の状態に成っていて、間違って料金精算を行った個別ロック装置の料金精算が正常に完了した時点で、上記の利用無効が解除されて、上記預かり証明の有効利用が可能に成ることを特徴としている。
【0025】
(4) また、本発明の請求項4に係る駐輪場管理システムは、前記預かり証明は、装置トラブルや釣銭切れのために利用者に対して釣銭を払い出せずに借金が発生した際には、その内容を示す印字と一緒に少なくとも割引コードとしてユニークな番号が印字されて発行されると共に、これ等装置トラブルや釣銭切れの場合の前記有効・無効を判定するステータスは、預かり証明発行時点から有効に成っていることを特徴としている。
【0026】
(5) また、本発明の請求項5に係る駐輪場管理システムは、前記個別ロック装置の番号を間違えて料金精算した際に、利用者が現金以外のカード式回数券若しくはプリペイドカードを使用して料金精算した場合には、前記の預かり証明に代えて有効・無効ステータスが判定可能な回数券の度数として上記のカード式回数券に記録するか、又は、有効・無効のステータスが判定可能な金額として上記のプリペイドカードに記録するか、若しくは、前記預かり証明の発行と合わせてこれ等回数券及びプリペイドカードへのカード記録を実施することを特徴としている。
【0027】
(6) さらに、本発明の請求項6に係る駐輪場管理システムは、前記有効・無効のステータスを、駐車場係員若しくは遠隔操作可能に接続した駐輪場管理センターのオペレーターによって、前記駐輪料金精算装置又はその他の管理PCから、当該ステータスが記録されているデータベースに対して一斉に有効化を実行するか、若しくは、タイマーによって有効化の自動実行が可能に構成されていることを特徴としている。
【0028】
上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、利用者は精算操作を完了してから間違ったロック装置の精算をしたことに気が付いた場合には、その精算を取消して支払い金額の払い戻しが可能であるために、利用者が泣き寝入りすることもなく、また、払い戻しには預かり証明が必要となるから、払い戻し可能であることを逆手にとった不正を行うことも出来ないため、利用者と駐輪場管理者双方にとってメリットのあるシステムとなる。
【0029】
また上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、利用者は精算取消時点で次回以降利用可能なユニークな番号から成る割引コードが印字された預かり証明(レシート)を入手でき、且つ、この預かり証明の発行には既存の料金精算装置の領収証発行手段(プリンタ)を用いるために、特にコストアップはなく、容易に実施可能となる。
【0030】
また、上記(3)で述べた請求項3手段によれば、悪意をもった利用者が不正に預かり証明を入手しても、利用無効ステータスにより使用出来ないようにブロックでき、不正な使用が不可能となる。さらに上記(3)で述べた手段によれば、間違って精算したとして一旦精算を取りやめたロック装置の精算が正常に終了したことで、割引コードの利用無効状態の解除(有効化)を自動的におこなうため、特に管理者の操作も必要でなく、駐輪場管理者としても利用者にとっての利便性を維持しつつ、不正な利用を防止でき、駐輪場側での損失を防止することが出来る。
【0031】
また上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、上記の預かり証明を誤精算以外のトラブル発生後の補填に利用できるため、利用者と駐輪場管理者双方にとってメリットがある。
【0032】
加えて上記(5)で述べた請求項5に係る手段によれば、利用者は預かり証明を保持せずに紛失・廃棄してもよく、利用者は次回以降も回数券やプリペイドカードといったカードを利用した通常の精算方法を続けていれば、料金の払い戻しがなにも意識しないでも実行されるため、頗る利便性がよい。
【0033】
さらに上記(6)で述べた請求項6に係る手段によれば、係員の巡回などによって不正な駐輪がない場合には、再精算前の精算取消されたロック装置であっても、ステータスの有効化が可能であり、それを一斉におこなえるため、管理側の作業が簡単であり、また、巡回スケジュールに合わせて自動で一斉に有効化を実行するようにプログラミングすれば、特別な操作すら不要となり得る。
【発明の効果】
【0034】
以上述べた如く、本発明に係る駐輪場管理システムによれば、仮に誤精算をしてしまった利用者にとっても、次回の利用時に料金の割引としてその払い戻しが可能であり、回数券やプリペイドカードといったカードを使用して精算した場合は、通常の精算動作のままで処理がなされるために利便性が良く、また、払い戻しのステータスの有効化を自動でおこなえるため、駐輪場の管理側としてもその取り扱いが容易であり、次回以降の料金の割引として払い戻すためのリピーターも増えて、駐輪場の利用率が向上することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下に、本発明に係る駐輪場管理システムの好適な実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明が実施された個別ロック式駐輪場の駐輪料金精算装置ならびに個別ロック装置の利用形態を示した斜視図であって、図中、10Nは各駅毎、或いは、図示しないその他の各種施設毎に設けた各駐輪場に設置される駐輪装置ユニットであって、図面にはその一部を示したに過ぎないが、図の様に自転車60の前輪61をロックする複数の個別ロック装置50(以下単にロック装置50という)が、連結部材50Tにより複数台分がセットになって取付けられて駐輪装置ユニット10Nを構成し、そのユニット10N毎に中継装置40を有し、中継装置40は埋設配線43によって駐輪料金精算装置20(以下単に精算装置20という)と接続されている。
【0036】
なお、その他複数のロック装置50…にも、各々中継装置40と連結部材50Tの中を通っている配線43により上述した精算装置20が接続されている。ロック装置50にはそれぞれ装置番号が明示されており、利用者が何番のロック装置50に自転車60をロックさせたかが解る様になっている。
【0037】
精算装置20には、通常は図1の様に中継装置40を介して複数のロック装置50…がセットになっているユニット10Nが、図示しない相当数接続されているが、図においてはその1セットのみを図示している。また、大型の駐輪場においては、フロアー毎や駐輪エリア毎に図の精算装置20も複数台数設置している場合が多い。なお、図1において50Hは各ロック装置50に設けた自転車前輪61の挿入口、52は前輪61のガイドレールである。
【0038】
上記精算装置20の前面には、液晶のドットマトリクスタイプの表示器21、テンキー22T、テンキー22Tと併設された複数種類の操作キー群22(以下単に操作キー22という)、定期券やカード式の回数券やプリペイドカードを挿入するカード挿入口20A、紙幣挿入口20B、コイン投入口20C、案内放送(操作ガイダンス)用のスピーカー30、係員呼出釦32とインターホン25、おつりや領収証などの取り出し口20Hが設けられている。
【0039】
図2は上記精算装置20と周辺装置の電気的構成を示したブロック図であり、精算装置20の内部には前述の前面に装着されている部材以外に、カードリーダー/ライター23、公衆網への外部通信部24、領収証プリンタ26、コインセレクタ27、紙幣リーダー29、構内通信部31などが、インターフェイス20Wに接続され、それらはバス20Zを介してメモリー20Yに記憶されたプログラムに従いCPU20Xによって制御される仕組みに成っている。
【0040】
また、前記中継装置40の内部には前記の配線43を介して精算装置20の構内通信部31と接続される通信部中継部41と、ロック装置制御部42を有しており、そこから複数のロック装置50…のロック機構部52と前輪検知部51がそれぞれ配線44により接続されている。更に、上記のメモリー20Yには、各種のシステムプログラムに加えて、前記請求項に記載した各手段を夫々実現するためのソフトウエアーが格納されている。
【0041】
なお、本発明に係る駐輪管理システムでは、自転車60を所定のロック装置50に駐輪する時に、利用者が任意の暗証番号を登録してロック装置50を施錠する一方、これを解錠して自転車60を退出(出庫)させる場合には、上記の暗証番号を入力しないと次の精算操作及び解錠操作に進めない仕組みも可能と成っていて、暗証番号によって他人によるロック装置50の解錠を阻止するように構成されている。しかし、暗証番号を間違って入力してしまったり、失念してしまう場合も多くあるため、本発明では暗証番号の登録は必須ではなく、暗証番号を登録しなくともロック装置50の施錠・解錠が可能な様に構成されている。
【0042】
次に、本発明の実施例に係わる駐輪管理システムの精算時の動作に関して、図3に説明した画面の表示内容と利用者の操作に対応して図4のフロー図とともに説明する。
【0043】
図3は上述した精算装置20の精算時の表示器21の画面表示と、キー装置、即ち、テンキー22Tと操作キー22の状態示し、図の様に表示器21の表示画面は液晶のドットマトリクスタイプの表示画面で構成されているため、文字・数字・枠線などが如何様にも表示可能になっている。その右横にはテンキー22Tと操作キー22が一体で「メンブレンスイッチ」や「シートスイッチ」などの名称で呼ばれるタッチ式のキー装置が装着されている。
【0044】
図3(1)は精算装置20の待機状態の画面21Aを示し、通常なにも操作しない時は常にこの画面が表示されている。枠線内は現在日付と時刻が表示されており、表示画面下部には利用者へのガイダンスとして、ロック装置50の精算または暗証番号の登録の場合は、まず装置番号を入力する様に案内表示がされている。
【0045】
操作の実施例として、朝の通勤通学時間帯に図1の「102」と表示されているロック装置50に自転車60を駐輪させた場合を想定して説明する。
利用者がテンキー22Tのいずれかのキーを押下した際に、図3(2)に示す装置番号入力画面21Bになって、利用者はそのままテンキー22Tで「102」を入力して「精算」キーを押下すると、
図3(3)の料金表示画面21Cになり、料金100円に対して利用者は例えば500円硬貨を投入したとすると、おつりが払い出されて精算が終了し、次いで、
図3(4)の精算終了の画面21Dになり、暫くすると図3(1)の待機画面21Aに戻って待機状態となる。
【0046】
これを図4のフローで再度順を追って説明すると、ステップS1で図3(1)の待機画面21Aの表示がされている状態で、ステップS2で何らかのキー入力があると、ステップS3で装置番号入力画面(図3(2))に移行して装置番号の入力を待ち、前述の様に精算キーが押されるとステップS4でその装置番号の履歴データベースXA(図7、図8)を読込み、ステップS5ではその装置番号のロック装置50の前輪検知部51の状態がON(前輪検知状態)であるか否かにより、今現在駐輪中かどうかを判断し、該当する装置番号の前輪検知部51の状態がONでなければ、S6に移行してエラーを画面に表示したり、アラームを出力したりして、その後ステップS2のキー入力画面に戻る。
【0047】
上記のステップS5で該当する装置番号で駐輪状態であればS7に移行し、さらにその装置番号の履歴データベースXAより読み込んだデータが精算前(精算済みでない)を示していれば、これは図8(1)の履歴データベースXAの詳細図で示した様に、該当する装置番(号)102の行のデータでは入(庫)年月日データ記録されているが、出(庫)年月日データ、(精算)料金、(精算時)受領額が記録されていなために精算前であると解り、ステップS8に進むが、もしこれらの中で利用料金、受領料金が記録されている場合は清算済みを示し、丸Aで示したルートに進むが、その詳細は後述する。
【0048】
ステップS8では操作キー22の精算キーか登録キーのどちらか押されたかを判断し、登録キーの場合は暗証番号の登録操作を利用者がおこなう場合の処理であり、ステップS16ですでに登録済みでなければステップS17で暗証番号登録処理をおこなうが、この処理の詳細は省略する。
【0049】
ステップS8で精算キーが押された場合は、ステップS9で暗証番号の登録の有無を判断し、図7(1)の履歴データベースXAに暗証番号が登録されているかどうかを読んで、暗証番号が登録されていればステップS10で暗証番号照合処理として利用者に暗証番号を入力させてそれを照合するが、この詳細も省略する。ステップS9で暗証番号が登録されていない場合、及び、ステップS10で暗証番号の照合が合っていれば、次のステップS11で料金支払い処理に移行し、料金支払い処理を終えたら、ステップS12で該当する装置番号のロック装置50に解除信号を送信する。
【0050】
なお、この際の精算が再精算だった場合、即ち、以前に間違って精算したとして一旦精算してロック装置50を解除したが、その後で後述する精算取消処理がおこなわれていた場合には、ステップS13が再精算でYESとして、ステップS15で図7(2)の割引データベースXBの修正をするが、再精算でない場合にはステップS14で前記図7(1)の履歴データベースXAに書込をして、処理を終了する。
【0051】
通常の精算処理で暗証番号の登録がなければ、図4のフローでスタートから終了まで真っ直ぐに進むルートを通って処理が進行するが、本発明の特徴としてステップS7とステップS13の処理があるので、この詳細を次に説明する。
【0052】
前述の精算処理のなかでステップS7で指定した装置番号のロック装置50のデータが<精算前?>でNOの場合、即ち精算済みであった場合は、図9に示した精算取消処理フローに移行する。
【0053】
図9において、まずステップS21で指定コード画面表示となり、これを図5(1)に示す。これは、精算取消を有効化するためのコードを入力して以下の操作に進むための暗証番号であるが、この指定コードに関しては、この実施例では事前に管理センターなどとインターホン25で通話して指示を受けるものであり、図5(1)で反転文字で示した様なガイダンスを表示することも有効である。
【0054】
ここで、指定コードを入力してステップS22で合致と判断されれば、ステップS23の取消確認画面表示として図5(2)の画面が表示される。また、同時に取り消した装置番号のロック装置50にロック信号が送信され、次いで図6(1)に示した預かり証明TZ1が領収証プリンタ26で作成されて、おつり/領収証取り出し口20Hに発行される。また、該当する装置番号の取消の履歴は図7(1)の履歴データベースXAに記録されて、さらに図7(2)の割引コードデータベースXBにもその内容が記録されて処理を終了する。
【0055】
なお、指定コードは毎回同じものである必要はなく、精算取消処理をおこなう時点でインターホン25で通話している管理センター側のPCなどで設定することで、毎回異なる指定コードとするのが望ましく、利用者が勝手に指定コードを入力しても図9のステップS27で予め設定した回数以上の間違いであれば処理を終了させ、図示しないが、再度同じロック装置50での取消は出来ない様にすることも可能であり、不正により他人のロック装置50の精算をすぐさま精算取消しするような悪戯などが出来ないように工夫されている。
【0056】
また、指定コードをインターホン25で通話して聞きだす運用の理由として、そもそも、誤精算の救済措置による預かり証明TZ1の発行処理自体が例外的な処理であるが、その操作方法は簡単であり充分インターホン25でガイダンス可能なものである。すなわち利用者はまずインターホン25で係員に対して間違いを申告し、その時点で前述の様に通常と同じ精算動作をして、その際に間違って精算したロック装置50の番号を入力すれば、すでに精算済みであるから丸Aのルートの精算取消処理に移行するため、そこでインターホン25の通話だけで利用者に管理センターから指定コード(例では四桁の数字)を指示することが可能であり、現場に係員が行かなくとも、遠隔地の管理センターなどからの指導で簡単に精算取消処理が可能となる。
【0057】
以上の様にして、間違って精算した料金が記載された預かり証明TZ1の例を図6に示す。図6(1)に示す様に預かり証明TZ1には精算額(預かり額TK)と、割引きコードTAと、必要であれば料金割引としての利用方法などの説明文TBが印字されたものが発行される。
【0058】
次に、この預かり証明TZ1を保持した利用者が、次回来場時に利用料金から利用料金の割引きで間違った精算料金を払い戻す処理を説明すると、図10に料金支払い処理のフローを示し、このフローは前述の図4のフローで、ステップS11の「料金支払い処理」で示した定形処理(サブルーチン)の詳細を示したものである。
【0059】
預かり証明TZ1を保持して料金割引に利用する利用者は、通常の様に精算処理を進めていき、図4のステップS11の「料金支払い処理」になった際に、図3(3)の画面下段に反転文字で記載されたように、払い戻しとして料金割引を利用の場合には、預かり証明TZ1に印字された割引コードTAを入力することが説明されている。
【0060】
これを図10のフローで示すが、図8(2)の割引コードデータベースXBの詳細とともに順をおって説明すると、ステップS31で上記図3(3)の料金表示画面となっており、そこで料金をステップS32で投入するか否か、或いはステップS38で割引コード入力するか否か、後述するカードを挿入するか否かが選択でき、利用者がテンキー装置22Tから割引コードを入力した場合には、ステップS38でその割引コードを割引コードデータベースXBと照合し、S40でその割引コードのデータが記録されており、且つ、割引コードデータベースXBの「ステータス」が「無効」でなければ、その割引コードに対応した「割引額」をステップS41で設定して、ステップS33の料金減算処理に移行する。
【0061】
次いで、ステップS34で残金が0でなければ再度料金投入することで料金が減算されて、ステップS35で釣銭払い出しを判断し、適宜ステップS36で釣銭払い出しをおこない、ステップS37の図3(4)と同様の精算終了画面を表示して、通常の精算ルートの処理に戻り、図4のステップS12のロック解除信号送信をおこない、ステップS13ではそれが一旦精算したあとで精算取消されたロック装置の<再精算?>でなければ、ステップS14の履歴データベースXAへの書込をおこなって終了する。
【0062】
なお、ステップS13の<再精算?>は後述する誤精算の取消処理をおこなった装置の最終的な状態を監視する部分であり、割引コードを入力する割引精算の処理は特に<再精算?>ではなく、通常の精算を意味するため、ここではS13はNOと判断される。
【0063】
この様にして割引精算を自動でおこなうことが可能となったが、この例では、割引額がその際の精算額よりも多かった場合には釣銭として払い戻すことになる。これを運用上で不可能として、一回の割引額の使用は精算額を上限としても良く、その場合に、使用仕切れなかった残額は、再度新しい預かり証明と共に、新しい割引コードを割り振って証明証を発行したり、或いは割引コードデータベースの残額を修正して次回に同じ割引コードで残額分の利用が可能とするなど、適宜運用方法を選択することが可能であり、本発明の実施バリエーションとして特に詳細は説明しないが、応用の範囲である。
【0064】
図7、図8は、実施例の駐輪場精算装置20のデータベースXA,XBの構成と、その詳細を示しているが、このデータベース(DB)は精算装置20のメモリー20Yに構築されているものでもよく、または外部通信部24を介して通信可能な図示しない駐輪場サーバーなどに構築されているものでもよい。さらに、駐輪場履歴データベースXAはサーバーに、割引コードデータベースXBは精算装置20に保存するなども可能であり、データの読み出し量とアクセススピードに応じて適宜構成することが可能である。
【0065】
また、図7(2)の割引コードデータベースXBにはステータスが書き込まれており、詳細は図8(2)の様に、各割引コード別にその精算内容の詳細と、割引額、前述の様に複数回利用できる場合には残額などとあわせて、ステータス、さらにはエラーコードなども記録されている。
【0066】
もし、前述の割引精算処理の際に、割引コードデータベースXBのステータスが「無効」だった場合には、図5(3)で反転文字で示す様に、その割引コードは無効であり現金で精算するような表示が出るようになっている。
【0067】
この割引コードの有効化に関して、図9の精算取消処理と図4の精算時のフローで再び説明すると、図9のステップS26で、精算取消により割引コードデータベースXBに記録される際には、すべてステータスが「無効」で書き込まれる。また、図8(1)の履歴データベースXAにおいても、割引コードが記録されている。
【0068】
図4のステップS13で精算処理をした番号が<再精算?>YESとなるのは、この様に履歴データベースXAに割引コードが記録され、割引コードデータベースXBにその詳細が記録された場合であり、すでに割引コードが記録されて出庫状態となった装置番号のデータが履歴に残っており、その番号と合致すると<再精算?>がYESとなり、そこでステップS15に移行して割引コードデータベースを修正するが、これは具体的には割引コードデータベースXBのステータスを「有効」に書換えることである。
【0069】
この様にして、一旦、利用者の間違いによる誤精算だとして精算を取消し、預かり証明を発行したロック装置50の番号で、その後で正常に精算(再精算)動作が終了したものは、自動的に割引コードの料金割引が使用出来るように、ステータスが「有効」と書き換わるようにした事柄が、本発明の請求項3のポイントであり、これにより、割引コードデータベースXBや履歴データベースXAを管理者側が書き換えたりしなくとも、自動的に有効化され、有効化された割引コードでの料金割引利用が可能となる。
【0070】
また、精算を取消したロック装置50での正常な精算(再精算)が終了しないうちは、料金割引利用を無効としているのは、不正に精算取消しを悪用し、例えば、一旦精算したロック装置50から自転車60を退出させ、その際にロック装置50の前輪検知部51を検知状態ONのままに誤判定するように、空き缶など挟んだ状態にして、自転車60が駐輪中であると偽り、割引コードを他のロック装置50をの精算に使用する、といった不正は、精算を取消したロック装置50の再精算が終了していればその様な不正は無かったと確定するが、まだ駐輪中で再精算前である場合には、不正でないと確定が出来ないため、自動的にステータスを「有効」とはせず、精算を取消したロック装置50が再精算されたときにすれば、不正は無かったと確定出来てステータスを有効化してもよいという理由である。
【0071】
これはまた、係員の巡回などが頻繁にはおこなわれない大型駐輪場であっても、自動でステータスが有効化されるため、いちいち係員が該当するロック装置50を確認しに行かなくとも、有効であると判断できるからであるが、係員の巡回が行われれば全てステータス「有効」に書き換える一斉有効化処理は、外部の管理PCなどからでも、または係員が巡回を終えて料金精算装置20で特定の操作することにより、適宜一斉有効化を実行することは可能であるから、本発明の請求項6のポイントでもある。
【0072】
これを自動実行タイマーで起動させ、係員の巡回スケジュールに合わせ、例えば必ず深夜に1回は見回りし、前述のような不正なロックの有無が確認できる場合など、日付をまたいだデータのステータスは、その時点で全て有効化するなどは、頗る実用的であり、誤精算して精算取消した利用者にとっても、誤精算したロック装置50の自転車60が放置状態であったとしても、翌日には割引精算が可能であるため、全ての利用者が翌日になれば再精算分の料金の割引を受けられるため、利便性がよく、利用者がステータス無効のままで苦情を寄せる様なこともなくなり、駐輪場側にとっても都合がよい。
【0073】
さらに、本発明の他の実施例として、本発明の構成を用いれば、仮に利用者の誤精算の場合以外でも、駐輪場側より利用者に返金する様な機会を、このシステムで代替することが可能となる。
【0074】
例えば、精算装置20の釣銭切れの状態の時に、利用者に図6(2)の様な釣銭一時預かり証TZ2を発行する。そこには係員や駐輪場管理センターが識別可能なエラーコードEAとともに、前述の料金割引利用が可能な割引コードEBが記載され、前述と同様な方法にて利用者から預かった金額ECを返金できる仕組みが構築出来る。これにより、駐輪場管理会社が利用者に対して現金を送付したり、係員を待機させて直接返金するなどの手間が必要なくなり、駐輪場管理コストの上昇を抑えつつ、様々なトラブルに対して利用者と駐輪場管理会社双方にとってメリットのあるシステムが実現する。
【0075】
また、この様な機器トラブルや釣銭切れの際の一時預かり証TZ2の発行時点では、利用者の誤操作によるものではないため、当初よりステータスを有効としておくことが可能であり、これは本発明の請求項4のポイントである。また、その様な場合の利用は、単に利用料金の割引だけではなく、料金精算装置20の釣銭払い出し機能を利用して、現金を払い戻す様な運用は当然可能であり、釣銭の範囲であるために利用者がこの機能と運用を悪用するようなこともない。
【0076】
加えて、本発明の他の実施例として、利用者がプリペイドカード式の回数券や料金プリペイドカードを使用している場合、上記の預かり証明TZ1,TZ2を発行せずに、当該カードに利用度数の返還や料金価値の返還を示すデータを記録することで、次回以降の利用時に払い戻しとして利用させることも可能である。また、その場合にも、追記して返還した分の度数または料金価値のデータに関しては、利用時に有効無効のステータスが照合され、前述の用に精算取消しをしたロック装置50で正規の精算(再精算)がおこなわれた場合に、ステータスが有効となることは、前述の預かり証明と同様の目的と効果を有している。
【0077】
この動作は上記図10のステップS43以降の動作で説明でき、さらに図11(1)と(2)には実施例のプリペイドカードPA、及び、プリペイド式の回数券PBのデータ構成を示す。これらは利用度数で減算されるか、利用料金の金額価値で減算されるかが異なるが、駐輪場用途であれば前述の様に駐輪料金が単純であるため、ほぼ「回数券」に特化して説明しても問題ない。
【0078】
ここで、図11(1)(2)とも、カードPA,PBにはそれぞれユニークな「券IDコード」を有しており、さらに、この駐輪場管理システムで利用するカードに特別にブロック13の「特別利用度数」が記録している。但し、この特別な「特別利用度数」は、通常のプリペイドカードのデータフォーマットで「予備」として空いている部分に記録する程度のデータであり、この発明の実施のために特別に用意する必要はない。
【0079】
利用者が普通に回数券PBで精算する場合には、まず図10のステップS43で回数券PBを挿入すると<カード挿入?>YESとなり、次のステップS44でカードデータの「券種別コード」から回数券PBと判断し、ステップS45で「特別利用度数」にデータが有ればYESとなりステップS48に進むが、通常はこの部分は何も記録されていないためNOとなり、ステップS46で残度数や有効期限が利用可能かどうか判断し、OKであればYESでステップS47で度数を1度数減算し、ステップS37に戻って精算処理を終了する。
【0080】
その際の精算は図7(1)及び図8(1)の履歴データベースXAの「種別」の欄に回数券での精算であることが記録されており、(例えば1は現金、2はプリペイド、3回数券)、図示しないが、その際の使用した券IDコードも履歴データベースXAに保存しておき、もしこの精算をが間違いだったとして取り消した場合、その後の正しいロック装置50の番号での精算の際にも同じ券IDコードが挿入されて精算した場合には、通常の度数減算に加えて、前述の「特別利用可能度数」に度数1を記録しておくことが可能である。
【0081】
その様にして「特別利用可能度数」に度数1が記録された回数券PBは、次回利用時には図11のステップS45の判断で<データ有り?>YESとなり、券IDコードを照合し、ステータスが有効であればその「特別利用可能度数」を使用して精算してそのデータを消去しておけばよい。
【0082】
なお、券IDコードと特別利用可能度数のステータスを紐付けしてデータの保管方法や更新方法などは、前述の「割引コードデータベース」の扱いと同様の仕組みであるため、特に説明しない。
【0083】
この様にして、カード式の回数券PBなどで精算している利用者にとっては、精算取消についてのみインターホン25での確認で指定コードを知る必要があるが、それ以降のステータス有効化や割引(特別度数の記録と利用)での利用方法などは、全く意識せずに通常と同じ方法で精算取消しした分の度数が利用でき、頗る使い勝手がよい。また、利用者の誤操作による料金支払いの払い戻し、返還、相殺の意味での割引使用・特別度数の利用により、今まで係員対応で手間の掛かっていた作業が不要となり、駐輪場側の人員削減の一助ともなり、利用者が手軽に駐輪場を利用する際の不都合や不便を極力排除した、利便性がよく不正利用が不可能な駐輪場管理システムが構築される。
【0084】
なお、本発明は特に駐輪場管理システムを例示してあるが、バイク用の駐車場への応用はもちろん、自動車のフラップ式駐車場にこの技術を利用することも可能であり、本発明の技術は自転車用用途に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明に係る駐車場管理システムに使用する料金精算装置の外観図。
【図2】図1に示した料金精算装置のブロック図。
【図3】図1に示した料金精算装置の通常精算時の画面表示例を示した説明図。
【図4】図1に示した料金精算装置による精算時のフロー図。
【図5】図1に示した料金精算装置の精算取消、振替精算エラーの画面表示例を示した説明図。
【図6】本発明で使用する預かり証明の例を示した構成図。
【図7】本発明におけるデータベースの構成図。
【図8】本発明におけるデータベースの詳細図。
【図9】本発明における精算取消処理のフロー図。
【図10】本発明ににおける料金支払い処理のフロー図。
【図11】本発明で使用するプリペイドカードと回数券のデータ構成図。
【符号の説明】
【0086】
10N 駐輪装置ユニット
20 駐輪料金精算装置
22T テンキー
50 ロック装置
60 自転車
TZ1,TZ2 預かり証明
XA 履歴データベース
XB 割引コードデータベース
PA プリペイドカード
PB 回数券

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の駐輪位置ごとに設けた個別ロック装置からロックを外して自転車を退出させるにあたって、駐輪料金精算装置に対して個別ロック装置の番号を入力して駐輪料金の精算をすませると、当該個別ロック装置のロックが外されて自転車の退出を可能にする駐輪場管理システムであって、
間違った個別ロック装置番号を入力して駐輪料金の精算を済ませてしまった場合に、間違って精算を済ませた個別ロック装置の自転車検知状態が継続している間はいつでも、上記の駐輪料金精算装置を操作して、間違ってロックを外した個別ロック装置をロック施錠状態に戻すロック再施錠処理と、上記間違って精算を済ませた支払い金額が記録され、且つ、当該金額の払い戻しが可能な預かり証明を発行する払い戻し証明発行処理とを、実行可能に構成したことを特徴とする駐輪場管理システム。
【請求項2】
前記預かり証明は、駐輪料金精算装置より領収証発行手段を用いて、少なくとも割引コードとしてユニークな番号が印字されて発行されると共に、当該割引コードは次回以降の駐輪料金の精算の際に、上記駐輪料金精算装置のテンキーを用いて入力することにより、前記駐輪料金の割引利用が可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記割引コードの駐車料金割引使用の有効・無効を判定するステータスと一緒に、預かり証明の内容を前記駐輪料金精算装置と通信可能に接続された他の装置か、若しくは、当該駐輪料金精算装置の記録装置のデータベースに記録し、この預かり証明を料金割引に使用する際に、そのステータスが利用無効を示していない場合に割り引き利用が可能と成ると共に、前記割引利用の有効・無効を判定するステータスは、預かり証明発行時点で利用無効の状態に成っていて、間違って料金精算を行った個別ロック装置の料金精算が正常に完了した時点で、上記の利用無効が解除されて、上記預かり証明の有効利用が可能に成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の駐輪場管理システム。
【請求項4】
前記預かり証明は、装置トラブルや釣銭切れのために利用者に対して釣銭を払い出せずに借金が発生した際には、その内容を示す印字と一緒に少なくとも割引コードとしてユニークな番号が印字されて発行されると共に、これ等装置トラブルや釣銭切れの場合の前記有効・無効を判定するステータスは、預かり証明発行時点から有効に成っていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の駐輪場管理システム。
【請求項5】
前記個別ロック装置の番号を間違えて料金精算した際に、利用者が現金以外のカード式回数券若しくはプリペイドカードを使用して料金精算した場合には、前記の預かり証明に代えて有効・無効ステータスが判定可能な回数券の度数として上記のカード式回数券に記録するか、又は、有効・無効のステータスが判定可能な金額として上記のプリペイドカードに記録するか、若しくは、前記預かり証明の発行と合わせてこれ等回数券及びプリペイドカードへのカード記録を実施することを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の駐輪場管理システム。
【請求項6】
前記有効・無効のステータスを、駐車場係員若しくは遠隔操作可能に接続された駐輪場管理センターのオペレーターによって、前記駐輪料金精算装置又はその他の管理PCから、当該ステータスが記録されているデータベースに対して一斉に有効化を実行するか、若しくは、タイマーによって有効化の自動実行が可能に構成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の駐輪場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−9438(P2009−9438A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171391(P2007−171391)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】