説明

骨固定装置およびモジュラーシステム

【課題】ロッキング装置を備えた骨固定装置を提供する。
【解決手段】骨固定装置は、骨または椎骨に係止されるシャンク(2)を含む固定要素(1)と、シャンクに接続される受け部(4)とを含み、受け部は、シャンクと反対側の第1の端部(5)およびシャンクに面する第2の端部(6)と、2つの端部を通る長手方向の軸(L)と、長手方向の軸と同軸であり第1の端部から受け部の少なくとも一部を通って延在するボア(7)と、ロッド(20)を受けるための実質的にU字型の窪み(10)とを含み、窪みは第1の端部の方向に延在する2つの自由な脚部(11,12)を形成し、脚部は雌ねじ(13)を備え、当該骨固定装置はさらに、受け部にロッドを固定するためのロッキング装置(30;50)と、外面の少なくとも一部の周縁に設けられ、受け部の第1の端部の上方に突き出る係合構造(38)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、骨または椎骨に係止されるシャンクと、当該シャンクに接続されロッドを受けるための受け部とを含む骨固定装置に関する。当該ロッドは、工具との係合のための係合構造を有するロッキング装置によってロックされる。当該係合構造は、ロッキング装置の外周に設けられている。係合構造は受け部の上方に突き出ているが、受け部を越えて横方向には突き出ていない。特に、この発明は多軸骨ねじに関し、当該ねじの頭部およびロッドは別個に固定することができ、サイズが小さい。
【背景技術】
【0002】
US6,224,598B1は、ロッド部材を骨ねじインプラントに固定するのに用いられるよう適合されたねじ付きプラグクロージャを開示する。当該クロージャは、円筒形のねじ山の形成された外面を有するプラグを含み、当該プラグは、使用中に医療用インプラントの1対のアーム間に受取られ、中心の同軸ボアがそのプラグを完全に貫通しており、当該中心のボアは、止めねじを受けるよう形作られた雌ねじ面を有している。プラグクロージャおよび止めねじは別個に取付けることができ、止めねじは、骨ねじに対する平行移動および回転運動に対してロッドを固定するために、当該ロッドを協働的に捕捉しロックするよう締められる。
【0003】
US2003/0100896A1は、シャンクと、ロッドへの接続のために当該シャンクに接続された受け部とを備えた骨固定装置を開示する。当該受け部は、2つの開いた脚部を形成しロッドを受けるためのU字型の断面を有する窪みを有する。雌ねじが当該開いた脚部に設けられている。脚部の雌ねじと協働する雄ねじおよび止めねじを備えたナット部材を含むロッキングアセンブリが設けられている。当該ナット部材は、ねじ工具との係合のためのスリットを一方の端部に有する。シャンクは受け部に回動可能に保持される球形の頭部を有しており、そして、ナット部材が締められる際に当該頭部に圧力を加える圧力要素が設けられている。止めねじを締めることにより、ロッドが受け部に固定される。こうして、ロッドおよび頭部は互いとは別個に固定され得る。雌ねじと、ナット部材の協働する雄ねじとは平らなねじ山として設計される。インプラントは、脚部の広がりを防ぐための外側リングまたはナットが不要なのでコンパクトに設計される。
【0004】
US6,063,090はロッキングアセンブリを備えた骨固定装置を開示する。当該ロッキングアセンブリは2つの部分、すなわち、妨害なしにインサートを介して球形の頭部を固定する引張ねじと、ロッドを固定する引張手段とを含む。
【0005】
US2006/0036244A1が開示する骨固定装置は、頭部およびロッドを別個に固定するためのキャップをロックする2つの部分を備えている。引張ねじは、工具との係合のための構造を備えた同軸の窪みを有する。
【特許文献1】US6,224,598B1
【特許文献2】US2003/0100896A1
【特許文献3】US6,063,090
【特許文献4】US2006/0036244A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ロッキング装置の外径は、さまざまな局面下では、所望の締付けトルクおよびねじ山の形によって決定される。さらに、骨固定装置の上方部分の全体寸法はロッキング装置の大きさによって決定される。ある応用例の場合、たとえば、幼児の脊柱側弯症を矯正するか
または脊柱の頚部領域において適用するために、ある骨固定装置と隣接する骨固定装置との間の距離を可能な限り短くすることが重要となる。
【0007】
この発明の目的は、公知の装置と同じ信頼性を有しているがロッド軸の方向において上方部分の寸法が著しく小さくなっているロッキング装置を備えた骨固定装置を提供することである。この目的は、請求項1に従った骨固定装置によって解決される。骨固定装置のさらなる展開例が従属請求項において提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に従った骨固定装置において用いられるロッキング装置は、当該ロッキング装置の上方部分における外面に設けられた、工具との係合ための構造を備える。このため、ロッド軸の方向における骨固定装置の大きさを低減させることができる。当該ロッキング装置では工具についてのアクセスし易さが改善されており、手術中の処置が容易になる。このようにサイズが小さくアクセスし易さが改善されている骨固定装置は、小児科手術への適用、または、利用可能な空間が限られているためにコンパクトなインプラントが必要とされる頚椎もしくは他の区域への適用に特に適している。ロッキング装置は、止め具により使用中の分解が防止されるように設計される。
【0009】
さらに、圧力要素を備えた一部分ロッキング装置と、この発明に従った二部分ロッキング装置とを有する既存の多軸骨ねじを向上させることができる。さらに、骨固定装置は、ロッキング装置を2通りに選択して使用できるという利点を有する。一部分ロッキング装置が選択された場合、頭部を多軸位置にロックし、同時にロッドを固定することができる。二部分ロッキング装置が選択された場合、頭部のロックとロッドの固定とを別個に行なうことができる。
【0010】
さらに、骨固定装置は、受け部の脚部が広がるのを防ぐのに外側ナットまたはリングを用いる必要がないので、サイズがコンパクトである。
【0011】
この発明のさらなる特徴および利点が、添付の図面に関連した実施例の記載から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
特に図1〜図3から分かるように、第1の実施例に従った骨固定装置は、骨ねじ(図示せず)を備えたシャンク2と頭部3とを有するねじ要素1を含む。当該実施例においては、頭部3は球体の一部の形状を有する。シャンクと反対側の面において、頭部3は工具との係合のための窪み3aを含む。ねじ要素1は、第1の端部5および第2の端部6を有し、ほぼ円筒形の構造である受け部4において受けられる。当該2つの端部は、長手方向の軸Lに対して垂直である。長手方向の軸Lと同軸にボア7が設けられており、当該ボア7は、第1の端部5から、第2の端部6からの所定の距離まで延在している。第2の端部6には開口部8が設けられており、その直径はボア7の直径よりも小さい。同軸ボア7は開口部8に向かって先細になっており、図示される実施例においては、先細になって球形部分9の形をとっている。しかしながら、当該部分9は、たとえば円錐形などの他の如何なる形であってもよい。
【0013】
受け部4はさらに、第1の端部5から始まり、第2の端部6から或る距離を隔てて第2の端部6の方に延在するU字型の窪み10を有する。このU字型の窪みにより、第1の端部5の方で終端する2つの自由な脚部11、12が形成される。雌ねじ13が脚部11、12の内面に設けられる。図示される実施例においては、雌ねじは、水平な上方および下方のねじ付きフランクを有する平らなねじ山である。
【0014】
さらに圧力要素14が設けられており、当該圧力要素14は、当該圧力要素14を受け部のボア7に差込んで軸方向に動かすことを可能にするような大きさの外径をもつ実質的に円筒形の構造を有している。圧力要素14は、第2の端部6に面しているその下方側において、頭部3と協働する窪み15を含む。当該窪み15は、頭部3の球形部分の輪郭に適合するよう球形であり得る。その反対側に、圧力要素14はU字型の窪み16を有しており、これによって2本の自由な脚部17、18が形成される。このU字型の窪みの横方向の直径は、直径Dを有し、受け部4に受けられるべきロッド20が窪み16に挿入され、そこで横方向に案内され得るように選択される。U字型の窪み16の深さはロッド20の直径Dよりも大きいので、脚部17、18は、ロッドの挿入時にロッド20の表面上方に延在する。圧力要素はさらに、脚部17、18の内側において上方端部に隣接した窪み21を含む。工具でねじ要素の頭部3にアクセスするためのボア19が圧力要素に設けられている。
【0015】
図3からわかるように、圧力要素17および受け部4は、圧力要素のU字型の窪み16と受け部のU字型の窪み10とが整列している位置において受け部内に圧力要素14を緩く保持するために、両側にそれぞれクリンプボア50、50aを有し得る。
【0016】
骨固定装置はさらにロッキング装置30を含む。当該ロッキング装置30は、特に図1〜図6に図示のとおり、第1のロッキング部材31および第2のロッキング部材32を含む。
【0017】
第1のロッキング部材31は、第1の端部33、第2の端部34、および実質的に円筒形の部分を有し、当該円筒形の部分の外面には雄ねじ35が設けられている。特に図4および図5に図示のとおり、雄ねじ35は、受け部4の雌ねじ13に適合する平らなねじ山である。第1のロッキング部材31はさらに、第1のロッキング部材全体を通って延在する軸方向のボア36を含む。当該軸方向のボア36は少なくともその一部に雌ねじ37を備えており、当該部分は、第1のロッキング部材のねじ山の形成された外面部分にほぼ対応している。雌ねじ37は、図示される実施例においてはメートルねじとして形成される。第1のロッキング部材31の雄ねじ35を備えたねじ山の形成された外面部分の軸方向の長さは、雄ねじ35が脚部11、12の雌ねじ13と協働するような長さである。
【0018】
第1のロッキング部材31は、その第1の端部33に隣接してまたはその第1の端部33の近傍において、円周に設けられる係合構造38を含む。当該係合構造38は多角形であり得る。図示される実施例における係合構造38の外径は、ロッキング部材の雄ねじ35の外径よりも大きい。このため、係合構造38は、第1のロッキング部材が締められる際に止め具を形成し得る。他方では、係合構造38の最大外径は、特に図2および図3からわかるように、両側の脚部間で測定される受け部の外径以下となる。したがって、係合構造38は、受け部4の外側輪郭を越えて横方向には突き出ない。最小外径は雌ねじ13の内径よりも大きい。係合構造38は、工具とのぴったりと合った係合に役立つものであり、多角形である必要はなく、他の形状であってもよい。たとえば、係合構造の外側輪郭は、三角形、正方形、星型、両側に2つの平坦な側部を備えた円形、または他の形状であってもよい。
【0019】
第1のロッキング部材31は、その第1の端部33に隣接した窪み40を含み、当該窪み40は、以下に記載の第2のロッキング部材の一部を収容する役割を果たす。第1のロッキング部材31の軸方向の全長は、図3に図示のとおり、組立てられた状態で、第1のロッキング部材31がその第2の端部34で圧力要素14の脚部17、18を押圧し、次いで、当該圧力要素14が頭部を押圧するような長さである。
【0020】
第2のロッキング部材32は、第1のロッキング部材31の同軸ボア36に捩じ込まれ
るねじである。一方側では、第2のロッキング部材32は、環状の肩部を備えたねじなし部分を含み、その外径は、第1のロッキング部材の窪み40の内径よりもわずかに小さく、このため、肩部41は窪み40に収容され得る。こうして、窪み40は、第2のロッキング部材32への捩じ込みのための止め具を形成する。さらに、第2のロッキング部材32は、工具との係合のために環状の肩部が設けられている端部に窪み42を含む。窪み42は、六角形の窪みとして形作られてもよく、または、星型に配置された軸方向の溝を有していてもよい。
【0021】
第2のロッキング部材32の軸方向の長さは、第2のロッキング部材32が第1のロッキング部材に挿入され、ロッキング装置が受け部の脚部の間に捩じ込まれる際に、第2のロッキング部材がロッド20を押圧するが圧力要素14には接触しないような長さである。図3からわかるように、圧力要素の窪み40の底部と第2のロッキング部材の下方側との間に隙間43がある。
【0022】
肩部41は、第2のロッキング部材を第1のロッキング部材と組立てて止め具を設けるために当該第2のロッキング部材を把持する役割を果たし得る。
【0023】
動作の際に、ねじ要素1、受け部4および圧力要素14をそれぞれ含み、通常予め組立てられている少なくとも2つの骨固定装置が、まず、骨に捩じ込まれる。
【0024】
その後、ロッド20が受け部4のU字型の窪み10に挿入される。次いで、予め組立てることのできる第1のロッキング要素31および第2のロッキング要素32を含むロッキング装置30が受け部4の脚部11と12との間に捩じ込まれる。次いで、第1のロッキング要素31は、当該第1のロッキング要素31が圧力要素の自由な脚部を押圧するまで、工具(図示せず)を係合構造38に適用することによって締められる。第1のロッキング部材31を締めることにより、圧力要素14がねじ要素1の頭部3に圧力を加えて、頭部3を角度のついた位置で受け部4内にロックする。係合構造38によってもたらされる止め具は、加えられる力を特定の値に制限する。
【0025】
頭部がロックされても、依然としてロッド20は受け部において摺動可能である。第2のロッキング部材32を締めることにより、第2のロッキング部材32が下方に移動し、ロッドを押圧して当該ロッドをその位置で固定する。ロッドに加えられる力は、窪み40の底部に当接する環状の肩部41によってもたらされる止め具を用いて十分に規定され得る。
【0026】
第1のロッキング部材の外周上に係合構造38を設けることにより、第1のロッキング部材の寸法をより小さくすることができ、特に、ねじ山の形成された外面部分の直径をより小さくできる。第1のロッキング部材31の外径をより小さくすることができれば、受け部の外径をより小さくすることができる。その結果、2つの骨固定装置間におけるロッド方向の距離をより短くすることができる。肩部41により、第2のロッキング部材の取扱が容易になる。
【0027】
骨固定装置の第2の実施例が図7〜図9aおよび図9bに示される。第1の実施例と同じ部分には同じ参照符号が付けられ、その説明は繰り返されない。第2の実施例に従った骨固定装置は一部分ロッキング装置50を含む。
【0028】
図7〜図9bに図示のとおり、一部分ロッキング装置は、受け部4の脚部11と12との間にねじ込むことのできる内ねじである。当該ねじのねじ山55は、この実施例においては、脚部に設けられる平らなねじ山と協働する平らなねじ山である。内ねじは、圧力要素14に面する側に突起51を有しており、その直径は、当該突起51が圧力要素に接触
せずにロッド20を押圧し得るような大きさである。一部分ロッキング装置50の長さおよび円筒形の突起51の長さは、図8に図示のとおり、締められた状態で、円筒形の突起51がロッドに接触し、一部分ロッキング装置の下面53と圧力要素14の脚部17、18との間に隙間52が存在するような長さである。一部分ロッキング装置50は、突起51の反対側において、工具とのために多角形を有し得る係合構造54を含む。係合構造54は、第1の実施例の二部分ロッキング装置30の第1のロッキング要素31の係合構造38と同様である。図9aに図示のとおり、外径Dは、脚部の領域においては受け部4の外径DRよりも小さい。図9bに図示のとおり、さらに小さいタイプのロッキング要素においては、外径D′は内側のねじ山DTの内径よりもわずかに大きいだけである。
【0029】
係合構造は受け部4の上方に突き出る。したがって、手術中に工具でロッキング要素を締めることが容易になる。というのも、係合構造には工具で容易にアクセスできるからである。
【0030】
骨固定装置の使用は、一部分ロッキング装置50が第1の実施例のロッキング装置30の代わりに用いられる点を除いては、第1の実施例の場合と同様である。この場合、一部分ロッキング装置50がロッドを押圧し、当該ロッドが圧力要素14を押圧して頭部3を受け部4に固定する。こうして、ロッドおよび頭部が同時に固定される。
【0031】
図10は骨固定装置の第3の実施例を示す。ここでは、主に圧力要素の形状が第2の実施例とは異なっている。他のすべての部分は同じである。圧力要素140は、ロッドの挿入時にロッドの上方に突き出ない短い脚部141、142を有する点で、第1および第2の実施例の圧力要素14とは異なっている。他のすべての特徴は圧力要素14の特徴と同じである。
【0032】
さらなる変形例においては、圧力要素140は、ロッドを受けるための窪みを有しておらず、脚部も備えていない。これは圧力ディスクとして形成され得る。さらなる変形例においては、一部分ロッキング要素30はロッドを押圧するための突起51を備えていない。
【0033】
図11は、一部分ロッキング要素を備えた既存の多軸骨ねじの改良品として用いられる、第1の実施例に従った骨固定装置のロッキング装置30と圧力要素14とを概略的に示す。公知の多軸骨ねじ200は、止めねじの形をした一部分ロッキング要素250と圧力ディスク214とを有する。二部分ロッキング装置(図示せず)を備えた公知の固定装置は、一部分ロッキング要素250を有する骨固定装置に比べて、受け部の外径がより大きくなるだろう。しかしながら、止めねじ250および圧力ディスク214を第1の実施例に従ったロッキング装置30および圧力要素14と置換えることにより、既存の骨固定装置200を向上させることができる。こうして、寸法が小さく、かつ、ロッドおよび頭部を別個に固定することができるといった利点を有する骨固定装置が提供される。
【0034】
図12は、第1、第2および第3の実施例の骨固定装置を含む、骨固定装置のモジュラーシステムを示す。圧力要素14が用いられる場合、一部分ロッキング装置および二部分ロッキング装置を交換可能に用いることができる。代替的には、一部分ロッキング装置は圧力要素14または140とともに用いることができる。
【0035】
外科医は、同じ骨固定装置とともに一部分ロッキング装置50または二部分ロッキング装置30のどちらを用いるべきかを選択することができる。ある応用例については、特に、迅速な固定が必要とされる場合には、頭部およびロッドを同時にロックするための一部分ロッキング装置が有利である。他の応用例については、頭部およびロッドを別個に固定することが有利である。外科医が同じ骨固定装置を用いることができ、所望のロッキング
装置を自由に選択できるので、別々の骨固定装置を利用可能にするために、別々の圧力要素を有する別々の受け部を備える必要はない。
【0036】
当該実施例の変形例が実現可能である。平らなねじ山の代わりに、他のねじ山形状が用いられてもよい。さらに、接合されたボールおよびソケットのように頭部3が開口部8の端縁によって保持される限り、頭部3が当たっている受け部4の部分10は球形でなくてもよく、他のいかなる形状であってもよい。さらなる変形例においては、受け部は、頭部を受け部の底部から、すなわち第2の端部から、挿入できるように設計される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の第1の実施例に従った骨固定装置を示す分解斜視図である。
【図2】組立てられた状態の骨固定装置を示す斜視図である。
【図3】ロッド軸に対して垂直な面で切断されている組立てられた状態の骨固定装置を示す断面図である。
【図4】第1の実施例に従ったロッキング装置を示す断面図である。
【図5】図4のロッキング装置を示す側面図である。
【図6】図4に従ったロッキング装置を示す上面図である。
【図7】第2の実施例に従った骨固定装置を示す分解斜視図である。
【図8】ロッド軸に対して垂直な面で切断されている、第2の実施例に従った組立てられた状態の骨固定装置を示す断面図である。
【図9a】図8の拡大部分を示す図である。
【図9b】小さな外径の係合構造を有するロッキング要素を備えた、図9aに示される部分を示す図である。
【図10】第3の実施例に従った骨固定装置を示す分解斜視図である。
【図11】既存の多軸骨ねじの改良品として用いられる、第1の実施例に従った骨固定装置のロッキング装置および圧力装置を概略的に示す図である。
【図12】第1、第2および第3の実施例の骨固定装置を含む、骨固定装置のモジュラーシステムを示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 ねじ要素、2 シャンク、3 頭部、4 受け部、5 第1の端部、6 第2の端部、7 ボア、L 長手方向の軸、8 開口部、10 U字型の窪み、11,12 自由な脚部、13 雌ねじ、14 圧力要素、20 ロッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定装置であって、
骨または椎骨に係止されるシャンク(2)を含む固定要素(1)と、
シャンクに接続される受け部(4)とを含み、前記受け部は、シャンクと反対側の第1の端部(5)およびシャンクに面する第2の端部(6)と、2つの端部を通る長手方向の軸(L)と、長手方向の軸と同軸であり、第1の端部から受け部の少なくとも一部を通って延在するボア(7)と、ロッド(20)を受けるための実質的にU字型の窪み(10)とを含み、前記窪みは、第1の端部の方向に延在する2つの自由な脚部(11,12)を形成し、前記脚部は雌ねじ(13)を備え、前記骨固定装置はさらに、
受け部にロッドを固定するためのロッキング装置(30;50)を含み、前記ロッキング装置は、雌ねじ(13)と協働する雄ねじ(35;55)を含み、前記骨固定装置はさらに、
外面の少なくとも一部の周縁に設けられ、受け部の第1の端部(5)の上方に突き出る係合構造(38;54)を含み、前記構造は工具とぴったり合った態様で係合可能であり、前記構造(38)の領域における前記第1のロッキング部材の最大外径は、受け部の雌ねじ(13)の内径よりも大きい、骨固定装置。
【請求項2】
係合構造(38;54)の外径は、前記脚部(11,12)の領域における受け部の外径よりも小さい、請求項1に記載の骨固定装置。
【請求項3】
前記固定要素は頭部(3)を含み、前記受け部(4)は、前記第2の端部に隣接した、前記頭部を回動可能に受けるための領域(9)を含む、請求項1または2に記載の骨固定装置。
【請求項4】
受け部(4)において頭部(3)とロッキング装置(30)との間に配置され、前記頭部に圧力を加えて頭部を受け部にロックするための圧力要素(14)をさらに含む、請求項3に記載の骨固定装置。
【請求項5】
前記圧力要素(14)はロッド(20)の少なくとも一部を受けるための実質的にU字型の窪み(16)を有し、窪みの深さはロッドの直径よりも大きい、請求項4に記載の骨固定装置。
【請求項6】
ロッキング装置(30)は、
第1のロッキング部材(31)を含み、前記第1のロッキング部材(31)は、その少なくとも一部上に、前記脚部上に設けられた雌ねじ(13)と協働する雄ねじ(35)を備え、第1の端部(33)および第2の端部(34)と、第1のロッキング部材を貫通する同軸ボア(36)と、前記ボアの少なくとも一部に設けられた雌ねじ(37)とを含み、前記第1のロッキング部材は係合構造(38)を備え、前記ロッキング装置(30)はさらに、
第2のロッキング部材(32)を含み、前記第2のロッキング部材は、その少なくとも一部に、第1のロッキング部材(31)の前記ボア(36)に設けられた雌ねじと協働する雄ねじを備えた外面を有する、請求項1から5のいずれかに記載の骨固定装置。
【請求項7】
前記第1のロッキング部材(31)は、ロッドを固定せずに頭部をロックするように設計され、前記第2のロッキング部材(32)はロッドを固定するように設計される、請求項6に記載の骨固定装置。
【請求項8】
ロッキング装置は、係合構造(38;54)を有する一部分ロッキング要素(50)を含む、請求項1から5のいずれかに記載の骨固定装置。
【請求項9】
一部分ロッキング要素は、ロッド(20)に面する側に突起(51)を有する、請求項8に記載の骨固定装置。
【請求項10】
圧力要素(14)は、前記頭部に圧力を加えるために、受け部(4)において頭部(3)とロッキング装置(50)との間に配置され、第2のロッキング装置(50)は、組立てられた状態で第2のロッキング装置(50)と圧力要素(14)との間に隙間(52)がもたらされるような大きさである、請求項8または9に記載の骨固定装置。
【請求項11】
前記係合構造(38;54)の外側輪郭は多角形または星形である、請求項1から10のいずれかに記載の骨固定装置。
【請求項12】
前記係合構造(38;54)の外径は、ロッキング装置(30;50)の雄ねじ(35;55)の外径よりも大きい、請求項1から11のいずれかに記載の骨固定装置。
【請求項13】
モジュラーシステムであって、
骨または椎骨に係止されるシャンク(2)を含む固定要素(1)と、
シャンクに接続される受け部(4)とを含み、前記受け部は、シャンクと反対側の第1の端部(5)およびシャンクに面する第2の端部(6)と、2つの端部を通る長手方向の軸(L)と、長手方向の軸と同軸であり、第1の端部から受け部の少なくとも一部を通って延在するボア(7)と、ロッド(20)を受けるための実質的にU字型の窪み(10)とを含み、窪みは第1の端部の方向に延在する2つの自由な脚部(11,12)を形成し、脚部は雌ねじ(13)を備え、前記モジュラーシステムはさらに、
受け部(4)において頭部(3)とロッキング装置(30)との間に配置され、前記頭部に圧力を加えて頭部を受け部にロックするための圧力要素(14)を含み、前記圧力要素(14)は、ロッド(20)の少なくとも一部を受けるための実質的にU字型の窪み(16)を有し、窪みの深さはロッドの直径よりも大きく、前記モジュラーシステムはさらに、
請求項6または7に記載の二部分ロッキング装置(30)、および、請求項8から10のいずれかに記載の一部分ロッキング装置(50)を含む、モジュラーシステム。
【請求項14】
二部分ロッキング装置(30)および一部分ロッキング装置(50)は交換可能に使用することができる、請求項13に記載のモジュラーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−155028(P2008−155028A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327360(P2007−327360)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(592232384)ビーダーマン・モテーク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクタ・ハフツング (57)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN MOTECH GMBH
【Fターム(参考)】