説明

骨形成タンパク質複合体の新規投与形態

【課題】骨形成タンパク質複合体の新規投与形態を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも1種の不溶性カルシウム塩及び骨形成タンパク質と多糖類との少なくとも1種の複合体を含有する共沈物から成る骨形成組成物であって、前記共沈物は分割形態にある、骨形成組成物に関する。本発明はまた、本発明を実施するためのキットにも関する。本発明はまた、少なくとも1種の不溶性カルシウム塩及び骨形成タンパク質と多糖類との少なくとも1種の複合体を含有する、分割した形の共沈物の製造方法にも関する。本発明はまた、前記共沈物を含有する製剤、医薬品及び医療用具にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨形成製剤の分野に、より特に、骨形成タンパク質(Bone Morphogenetic Proteins)であるBMPファミリーに属する骨形成タンパク質の製剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
骨形成タンパク質(BMP)は、骨形成誘発の機構に伴う成長因子である。BMPは骨形成タンパク質(OP)としても知られており、1965年にUristにより最初に特定された(非特許文献1)。皮質骨から単離されるこれらタンパク質は、多種の動物の骨形成を誘発し得る(非特許文献1)。
【0003】
BMPは、翻訳後成熟の後に104ないし139残基の長さを有するプロペプチドの形態で発現する。それらは互いに大きな相同性の配列を有しており、且つ類似の三次元構造を有している。特に、それらは、所謂“システイン集団(cysteine knot)”を形成する分子内ジスルフィド架橋に包含される6個のシステイン残基を有している(非特許文献2及び3)。BMPのうちの数種は、ダイマーの形成に関与する分子間ジスルフィド架橋に包含される7番目のシステインを有している(非特許文献2)。
【0004】
それらの活性形態において、BMPは、Israel等により記載されるように、ホモダイマーとして及びヘテロダイマーとしてさえ会合する(非特許文献4)。ダイマー状BMPは、BMPR型の膜透過受容体と相互作用する(非特許文献5)。この認識は、特にSmadタンパク質を含有する一連の細胞内シグナル伝達を引き起こし、このことが標的遺伝子の活性化又は抑制化を誘発する。
【0005】
BMP1及び3を除いて、BMPは、間葉細胞(mesenchymal cell)を分化させるのに直接的な且つ間接的な役割を果しており、このことが骨芽細胞へのその分化を誘発する(非特許文献6)。それらはまた、走化性の特性を有し、且つ増殖、分化及び血管形成を誘発する。
【0006】
幾種かのヒト組換体BMP、特にrhBMP−2及びrhBMP−7は、ヒトの生体内での骨形成を誘発する能力を明らかに示しており、そして幾つかの医療用途のため承認されている。このように、ヒト組換体BMP−2、即ち国際的な一般名に従うとジボテルミンα(dibotermin alfa)は、米国ではインフーズ(InFuse)(登録商標)、そして欧州ではインダクトOs(InductOs)(登録商標)の名称で販売される製品中に配合されている。この製品は、腰椎融合に対して、及び“非結合”骨折に対する脛骨の骨再生に対して処方される。腰椎の融合のためのインフーズの場合、外科的処置はまず第一に、rhBMP−2溶液中にコラーゲンスポンジを浸し、その後、腰椎間に前もって移植された中空ケージ(LTケージ)にそのスポンジを置くことからなる。
【0007】
ヒト組換体BMP−7、即ち国際的な一般名に従うとエプトテルミンα(eptotermin alfa)は、BMP−2と同じ治療指標を有し、2つの製品、即ち脛骨の開裂骨折に対するOP−1インプラント(OP−1Implant)及び腰椎融合に対するOP−1パテ(OP−1Putty)の基盤を形成している。OP−1インプラントは、rhBMP−7及び0.9%生理的食塩水に吸収されるコラーゲンを含有する粉末からなる。得られたペーストはその後、外科的処置中に骨折部に適用される。OP−1パテは、一方がrhBMP−7及びコラーゲンを含み、他方がカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む、2種類の粉末の形態にある。外科的処置中に、CMCの溶液は0.9%生理的食塩水によって再構成され、そしてrhBMP−7及びコラーゲンと混合される。こうして得られたペーストは、治療部位に適用される。
【0008】
骨形成タンパク質の投与は、それらの不安定性、及び最少量の骨形成タンパク質を含有する骨形成製剤を得るのに生じる必要性のために大きな問題となっている。このことは、これらタンパク質の高濃度により生じる副作用を回避することであり、そしてこれらタンパク質のコストのためでもある。
【0009】
例えば、Seehermanによる見解において引用されている、多くの製剤が開発されてきており(非特許文献7)、そこにはデリバリー系の性質の重要性が強調されている。
【0010】
使用されるデリバリー系は、投与部位でのタンパク質の保持時間を増加させて、使用されるタンパク質量の全体的な放出を得、且つ投与部位外へ拡散し得る過度に突然の放出を回避し得なければならない。
【0011】
使用されるデリバリー系はまた、治療される部位における骨形成のためのマトリックスとして補助され得るべきである一方で、同時に、治療される部位でのこの骨形成の限界を定めなければならない。
【0012】
現時点で4種の材料:天然ポリマー、合成ポリマー、無機材料、及びこれら材料の混合物が、デリバリー系において使用されている。
【0013】
しかしながら、開発された系のいずれも、BMP投与量を有意に低減することは出来なかった。このことは、とりわけ、製剤中のタンパク質の不安定性か、或いは支持体の構造のための生体適合性に乏しいことと関連している。
【0014】
天然ポリマーとして、コラーゲン、ヒアルロナン、フィブリン、キトサン、アルギネート及び他の天然多糖類が使用されている。
【0015】
組換え体のコラーゲンをベースとしたスポンジは、この天然ポリマーの既知の欠点の殆どを克服し得るが、スポンジへの骨形成タンパク質の導入は、現時点では不満足である。
【0016】
ヒドロゲル形態にある他の天然多糖類は、ゲルの形に前もって架橋されないならば、あまりに急速に再吸収されるという欠点を本質的に有しており、それが前述のコラーゲンスポンジと同様の欠点を引き起こす。
【0017】
合成ポリマーに関しては、最も一般に使用されるものは、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PLG)及びそれらのコポリマー(PLGA)のような、ポリ(α−ヒドロキシ酸)ポリマーである。
【0018】
これらポリマーの主要な欠点は、それらの分解によるpHの低下であり、そしてそれらが引き起こし得る炎症反応である。
【0019】
無機材料に関しては、リン酸カルシウムと骨形成誘発タンパク質とを組み合わせたデリバリー系が開発されてきた。
【0020】
これらのうち、ヒドロキシアパタイト(HAP)及びリン酸三カルシウム(TCP)のようなリン酸カルシウムをベースとしたセラミックス、並びに“非セラミックス”のリン酸カルシウム、例えばリン酸カルシウムをベースとしたセメント(CPC)が言及されている。
【0021】
1970年台以降、M.Bohnerによる見解において回想されているように(非特許文献8)、リン酸カルシウムセラミックスは、骨再構成において価値あるものであり得ることが既知である。
【0022】
しかしながら、BMP−2の有効投与量は、コラーゲンスポンジ中よりもセラミック中の方がより高いことが認められている。ヒトの後側部融合の臨床的研究は(非特許文献9)、メドトロニック ソファモア社(company Medtronic Sofamor)により開発された製品である、BCP顆粒(60%HAP及び40%TCP)を用いたBMP−2投与量(40mg)が、リン酸カルシウムを含有しないコラーゲンスポンジ中(12mg)よりも高いことを報告している。
【0023】
この欠点を克服するために、非セラミック性のリン酸カルシウムのうちリン酸カルシウムセメントをベースとした非常に多数の系が開発されてきた。セメントは、Brown及びChowにより1980年台に発見され、下記の定義:“リン酸カルシウムセメントは、水溶液及び1種以上のリン酸カルシウムから成る。一緒に混合すると、リン酸カルシウム(群)は、溶解性の低いリン酸カルシウム塩として溶解し、そして沈澱する。沈澱の間、リン酸カルシウム結晶は、大きくなり、そして重なり合い、それがセメントの機械的剛性をもたらす” に対応している(非特許文献8)。
【0024】
Kimによる文献(非特許文献10)は、BMP−2と共にエテックス社(company Etex)により開発されたセメントである、α−BSMの使用を記載している。この新規製品は、実際に、マトリックスの骨形成誘発活性をもたらす。
【0025】
しかしながら、このマトリックスに導入されたBMP−2は、その活性の大部分を失い、このことにより、配合されるBMP−2量を増加させる必要がある。従って、コラーゲンスポンジ中に使用されるBMP−2の20μgの代わりに、BMP−2の40μgの投与量が、ラットの異所性骨の形成のモデルに使用される。
【0026】
事実の点で、セメントは2つの欠点を有している。第一に、それらの前駆体であるリン酸カルシウム(群)は、タンパク質と相容れない条件下にて予め合成されなければならない。従って、特許文献1は、α−BSMの化合物の1種である非晶質リン酸カルシウムの製造に必要な反応条件を記載している。この条件は、非常に多量の水酸化ナトリウムが使用されるため、タンパク質と相容れない。さらには、この生成物は、硝酸カルシウムのような毒性化合物が使用されるために厳格な精製を必要とする。
【0027】
特許文献2においてグラフティス社(company Graftys)により記載されているような他のセメント例が、ジクロロメタンがリン酸カルシウムの合成において使用されるためにタンパク質と相容れない条件下で、得られている。特許文献3においてリソファーム社(company Lisopharm)により記載されているセメントは、同様にタンパク質と相容れない水酸化カルシウムの存在下で得られている。
【0028】
さらには一般に、セメントの形成は、可溶性リン酸カルシウム塩を、反応させ得るように400℃を超える温度で処理された固体リン酸カルシウム塩と反応させることにより、得られる。これら2種の化合物間の反応は制御されず、主として発熱性であり、タンパク質をそのバルク中に封鎖する堅固な構造のセメントをもたらす。
【0029】
特許文献4においては、BMP−2の化学的安定性に害をなすか否かについて記載することなく、固体中の“反応性ホール”の存在について記載されている。
【0030】
形成された固体塊中のタンパク質の損失を低減させるために、セメントの所謂“堅固な”性質を低減し得る発泡性化合物を反応混合物に添加することが有利であることが、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】米国特許第5650176号明細書
【特許文献2】欧州特許第1891984号明細書
【特許文献3】米国特許第2009/0155320号明細書
【特許文献4】米国特許第563461号明細書
【非特許文献】
【0032】
【非特許文献1】Urist MR.Science 1965;150,893
【非特許文献2】Scheufler C.2004 J.Mol.Biol.1999;287,103
【非特許文献3】Schlunegger MP,J.Mol.Biol.1993;231,445
【非特許文献4】Israel DI,Growth Factors,1996,13(3−4),291
【非特許文献5】Mundy他 Growth Factors, 2004,22(4),233
【非特許文献6】Cheng H.,J.Bone and Joint Surgery,2003,85A 1544−1552
【非特許文献7】Seeherman,H.他,Spine 2002,27(16 Suppl.1),S16−S23
【非特許文献8】Bohner,M.,Injury 2000,31 Suppl.4,37−47
【非特許文献9】Boden,S.D.他,Spine 2002,27(23),2662−2673
【非特許文献10】Kim、H.D.他,Methods Mol Biol.2004,238,49−64
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
これら改良にもかかわらず、異所性ラットモデルの骨形成を達成するのに必要とされる量のタンパク質は高いままである、という事態は回避され得ていない。
【0034】
混合系に関し、それらは、これまで上記問題を克服し得ていない。
【0035】
概して、合成ポリマー、天然ポリマー或いはリン酸カルシウムセメント又はセラミックスのような無機材料の使用に関する従来記載の系は、骨修復の用途に課される基準を十分には満足していない。
【課題を解決するための手段】
【0036】
出願人は、その信用において、骨修復の用途に課される基準を満足し得る、骨形成タンパク質を可溶性カルシウム塩及び可溶性リン酸塩と接触させることから成る、新規方法を開発した。
【0037】
この新規方法は、一方では、タンパク質を沈澱させ得るが、存在する試薬との接触によるいかなる化学的分解をも回避し得、他方、タンパク質を、不溶性カルシウム塩、好ましくはリン酸カルシウムと共沈させ得る方法であって、前記共沈物は、セメントにおいて観察されるような固体塊中の損失を著しく抑える分割形態にある。
【0038】
このように、出願人は、少なくとも1種の不溶性カルシウム塩及び骨形成タンパク質と多糖類との少なくとも1種の複合体を含有する共沈物から成る新規骨形成組成物であって、前記共沈物は分割形態にある組成物を開発した。
【0039】
これら2つの事象の結合が、ずっと少ない量のタンパク質を含有する非常に骨形成的な製剤を得ることを可能にした。
【0040】
この新規組成物は従って、患者への投与後の副作用を低減させるための、主たる目的であるより少ないタンパク質量を包含するという利点を有する。
【0041】
さらには、これらタンパク質は非常に高価であるため、タンパク質量を低減することにより治療コストを低下させることを可能にする。
【0042】
少なくとも1種の骨形成タンパク質、可溶性の二価カチオン塩及びマトリックスを含有する骨形成組成物を記載及び特許請求している、参照によりその出願の大部分の内容が本願に組み込まれている、本出願人の名称での仮特許出願第61/129023号及び第61/129617号が既知である。
【0043】
少なくとも1種の骨形成タンパク質、少なくとも1種の血管形成タンパク質、可溶性二価カチオン塩、所望によりアニオン性多糖類及び所望によりマトリックスを含有する骨形成組成物を記載及び特許請求している、参照によりその出願の大部分の内容が本願に組み込まれている、本出願人の名称での仮特許出願61/129011号及び第61/129618号が既知である。
【0044】
本出願人は、少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体、可溶性の少なくとも二価のカチオン塩及びマトリックスを含有する骨形成組成物を記載及び特許請求している、大部分の内容が参照により本願に組み込まれている、仮特許出願第61/129616号及び第61/129012号を開示している。
【0045】
本出願人は、少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体、可溶性の少なくとも二価のカチオン塩及びヒドロゲルを形成するポリマーを含有する骨形成組成物を記載及び特許請求している、参照により内容の大部分が本願に組み込まれている、仮特許出願米国第61/193216号を開示している。
【0046】
少なくとも1種の骨形成タンパク質、可溶性の少なくとも二価のカチオン塩、及びヒドロゲルを形成するポリマーを含有する骨形成組成物を記載及び特許請求している、参照によりその大部分の内容が本願に組み込まれている、本出願人の名称での、2008年11月6日出願の、仮特許出願米国第61/193217号が既知である。
【0047】
本発明に関し、本出願人はまた、少なくとも1種の不溶性カルシウム塩及び骨形成タンパク質と多糖類との少なくとも1種の複合体を含有する、分割形態にある共沈物の製造方法をも開発した、
【0048】
本発明はまた、前記共沈物を含有する製剤、医薬品及び医療用具にも関する。
【0049】
この方法を利用するための、及び該共沈物を得るための組成物及びキットもまた、以下記載する本発明である。
【0050】
本共沈物は、
カルシウムイオン塩溶液の添加により、アニオン性ポリマーと骨形成タンパク質との複合体を沈澱させる段階、
与えられたpHにおける、不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物の添加により、カルシウムイオンを沈澱させる段階、
により与えられる共沈段階
により得られる。
【0051】
一の態様において、共沈物は同時沈澱により生じる。
【0052】
一の態様において、共沈物は、逐次沈澱により生じる。
【0053】
アニオン性ポリマーと骨形成タンパク質との複合体は、アニオン性多糖類溶液を骨形成タンパク質溶液に添加することにより得られる。
【0054】
一の態様において、カルシウム塩の沈澱は、可溶性リン酸塩溶液の添加により、リン酸カルシウムの形態で生じる。
【0055】
リン酸カルシウム塩が、pH及び複合体を構成するアニオン性多糖類及びタンパク質に応じて種々の固体相を有するため、共沈物の性質及び形態は、接触される溶液のpHに応じて変化し得る。
【0056】
本発明は、不溶化形態にある、骨形成タンパク質と多糖類との少なくとも1種の複合体、及び少なくとも1種の不溶性カルシウム塩から構成される共沈物であって、前記共沈物は分割形態にある共沈物に関する。
【0057】
一の態様において、共沈物はさらに、化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子を含有する。
【0058】
一の態様において、不溶性カルシウム塩は、単独で又は混合物として無水形態又は水和形態にあるオルトリン酸カルシウムから成る群より選択される。
【0059】
一の態様において、共沈物はまた、シュウ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムから成る群より選択される少なくとも1種の不溶性カルシウム塩を含有する。
【0060】
前記不溶性カルシウム塩は、カルシウムカチオンと、1、2又は3塩基性リン酸、カルボン酸多糖類、炭酸、水酸化物及び塩基により生じ得る可能なアニオンのようなアニオンイオンとの間に形成される混合塩であり得る。
【0061】
オルトリン酸カルシウムは、カルシウム塩によるリン酸の種々の酸性度の中和により生じる塩であり、文献によれば、pKa値は、25℃にて2.12ないし12.67の範囲である。
【0062】
主たる不溶性オルトリン酸カルシウムは、リン酸二カルシウムDCP、無水又は二水和リン酸オクタカルシウムOCP、リン酸三カルシウムTCP、リン酸カルシウムヒドロキシアパタイトHAP又はPCA、及びリン酸四カルシウムTTCPである。
【0063】
アニオン性ポリマー/骨形成タンパク質複合体は、出願人の名称でのPCT/EP2008/059832に記載される複合体から成る。
【0064】
それらは、仏国特許第0854621号及び第61/129616号に記載される可溶性カルシウム塩の添加により不溶化される。
【0065】
望ましい効果に応じて、共沈物は、所望により、予定の数値にpHを調節し得る塩基の存在中で得られる。
【0066】
それは、分割形態にある固体の化学組成物を得ること、とりわけ、組成物中に含有される骨形成タンパク質のデリバリーを制御することを可能にする。
【0067】
分割形態にあるこの固体の化学組成物は、室温条件下で自発的に得られ、そしてその分割状態は、生理学的な試験管内条件下で安定である。
【0068】
一の態様において、本発明は、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種の多糖類を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩、
d−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物
を含有する、骨形成インプラントを調製するためのキットを構成する。
【0069】
一の態様において、キットはまた、少なくとも1種の塩基を含有する付加的な組成物を含有する。
【0070】
一の態様において、第2の塩基が組成物b、c又はdに添加され得る。
【0071】
これら組成物の幾つかは、バイアル数を減らすために、共沈物の形成前に組み合わされ得る。
【0072】
一の態様において、骨形成タンパク質を含有する組成物はまた、複合体を形成するための多糖類を含有し得る。
【0073】
骨形成タンパク質を含有する組成物又は複合体を含有する組成物はまた、不溶性カルシウム塩を形成し得る可溶性アニオン塩及び/又は塩基を含有し得る。
【0074】
一の態様において、多糖類を含有する組成物はまた、不溶性カルシウム塩を形成し得る可溶性アニオン塩及び/又は塩基を含有し得る。
【0075】
一の態様において、可溶性カルシウム塩を含有する組成物はまた、塩基を含有し得る。
【0076】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類、及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物
d−少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0077】
この態様においては、組成物dの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物b及びcに添加され得る。
【0078】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物、
d−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物
を含有する。
【0079】
一の態様において、組成物cの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物b及びdに添加され得る。
【0080】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
d−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物
を含有する。
【0081】
一の態様において、組成物bの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物c及びdに添加され得る。
【0082】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
d−少なくとも1種の塩基を含有する組成物
含有する。
【0083】
この態様においては、組成物dの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物b及びcに添加され得る。
【0084】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
d−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0085】
この態様においては、組成物dの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物b及びcに添加され得る。
【0086】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
d−少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0087】
この態様においては、組成物dの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物b及びcに添加され得る。
【0088】
一の態様においては、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類、少なくとも1種の塩基及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物
を含有する。
【0089】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0090】
この態様においては、組成物cの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、その他の組成物に添加され得る。
【0091】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0092】
この態様においては、組成物cの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、組成物bに添加され得る。
【0093】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物
を含有する。
【0094】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物、
c−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物
を含有する。
【0095】
この態様においては、組成物bの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、その他の組成物に添加され得る。
【0096】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
c−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物
を含有する。
【0097】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
c−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0098】
この態様においては、組成物cの塩基と同一であるか又は相違し得る第2の塩基が、その他の組成物に添加され得る。
【0099】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物
を含有する。
【0100】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0101】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物
を含有する。
【0102】
一の態様において、キットは、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質/アニオン性多糖類複合体及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物、
b−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有する。
【0103】
一の態様において、少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物はまた、化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子を含有する。
【0104】
一の態様において、キットはまた、少なくとも1種の有機マトリックス又は無機マトリックス又は混合マトリックスを含有する。
【0105】
一の態様において、キットを構成する組成物は、水溶液である。
【0106】
一の態様において、キットを構成する組成物は、凍結乾燥物である。
【0107】
一の態様において、キットを構成する組成物の幾つかは、凍結乾燥物である。
【0108】
この態様においては、凍結乾燥物は、水又は溶液中のその他の組成物のうちの1つの溶液を用いて、反応前に再水和される。
【0109】
従って、例えば、凍結乾燥形態にある骨形成タンパク質を含有する組成物は、アニオン性多糖類を含有する溶液を用いて、又はアニオン性多糖類及び不溶性カルシウム塩を形成し得る可溶性アニオン塩及び/又は塩基を含有する溶液を用いて、再水和され得る。
【0110】
一の態様において、前記沈澱物を含有する製剤、医療用具及び医薬品は、水性懸濁液である。
【0111】
一の態様において、前記沈澱物を含有する医薬製剤及び医薬品は、凍結乾燥物である。
【0112】
この態様においては、凍結乾燥物は、使用前に、生理的食塩水又は血液を用いて再水和される。
【0113】
用語“骨形成タンパク質”とは、骨形成成長因子又はBMP単独で、或いは治療効果のあるBMP群(骨形成タンパク質(Bone Morphogenetic Proteins))より選択されるBMPとの組み合わせを意味する。
【0114】
より特に、骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα(dibotermin−alfa))、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα(eptotermin−alfa))、BMP−14及びGDF−5単独及び組み合わせからなる群より選択される。
【0115】
使用されるBMPは、当業者に既知の技術に従い得られるか、或いは、例えば、リサーチ ダイアグノスチック社(Research Diagnostic Inc.)(USA)のような供給者から購入される、組換え体ヒトBMPである。
【0116】
用語“化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子”とは、PDGF、とりわけPDGF−BB、VEGF又はFGF、とりわけFGF−2のようなタンパク質を意味する。
【0117】
一の態様において、骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα)、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα)、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子はPDGFである。
【0118】
一の態様において、組成物は、少なくともBMP−2及びPDGF−BBを含有する。
【0119】
一の態様において、組成物は、少なくともBMP−7及びPDGF−BBを含有する。
【0120】
一の態様において、組成物は、少なくともGDF−5及びPDGF−BBを含有する。
【0121】
一の態様において、骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα)、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα)、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子はVEGFである。
【0122】
一の態様において、骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα)、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα)、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子はFGFである。
【0123】
可溶性カルシウム塩は、アニオンが、塩化物イオン、D−グルコン酸イオン、ギ酸イオン、D−サッカリンイオン、酢酸イオン、L−乳酸イオン、グルタミン酸イオン及びアスパラギン酸イオンから成る群より選択される、カルシウム塩である。
【0124】
一の態様において、可溶性カルシウム塩は、塩化カルシウムである。
【0125】
“カルシウムイオンとの沈澱物を形成し得る可溶性アニオン塩”とは、アニオンが、リン酸イオンPO3−、リン酸水素イオンHPO2−及びリン酸二水素イオンHPOを包含するリン酸アニオンから成る群より選択される可溶性塩を意味する。
【0126】
一の態様において、シュウ酸アニオン、アスコルビン酸アニオン及び硫酸アニオンから成る群より選択される第2のアニオンがまた、リン酸アニオンを含有する組成物に添加される。
【0127】
カルシウムイオンとの沈澱物を形成し得る可溶性アニオン塩は、リン酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムから成る群より選択される。
【0128】
用語“アニオン性多糖類”とは、疎水性誘導体により官能化された多糖類群より選択される多糖類を意味する。
【0129】
一の態様において、多糖類は、特許出願仏国特許第08/55567号に記載される少なくとも1種のトリプトファン誘導体により官能化された、大部分が(1,4)型及び/又は(1,3)型及び/又は(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類誘導体群より選択される。
【0130】
これら多糖類は、大部分が(1,4)型及び/又は(1,3)型及び/又は(1,2)型のグリコシド結合から成る。それらは中性である、即ち、酸又はアニオン性官能基も、そして酸官能基も有していない。
【0131】
それらは、少なくとも1つのトリプトファン誘導体(Trp)によって官能化され、
前記トリプトファン誘導体は、酸官能基によるカップリングによって多糖類にグラフトされているか又は結合されており、前記酸官能基が、アニオン性多糖類の酸官能基及び/又は官能基Fを介して多糖類に結合しているリンカーRによって保有されている酸官能基となることを可能にしており、前記官能基Fは、リンカーRと、中性の又はアニオン性多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであり、
Fは、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基であり、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基を有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Trpは、トリプトファンのアミンと、R基により保有されている少なくとも1つの酸及び/又はアニオン性多糖類により保有されている1つの酸との間のカップリングにより生じるL−又はD−トリプトファン誘導体の残基である。
【0132】
本発明に従うと、少なくとも1種のトリプトファン誘導体により官能化された、大部分が(1,4)、(1,3)及び/又は(1,2)型のグリコシド結合を含有するアニオン性多糖類は、下記の一般式I:


[式中、
多糖類は、大部分が(1,4)及び/又は(1,3)及び/又は(1,2)型のグリコシド結合からなり、
Fは、リンカーアームRと、中性又はアニオン性多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基のいずれかを表し、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Trpは、トリプトファン誘導体のアミンと、R基により保有される少なくとも1つの酸及び/又はアニオン性多糖類により保有される少なくとも1つの酸との間のカップリングから生じるL−又はD−トリプトファン誘導体の残基を表し、
nは、Trpにより置換された基Rのモル分率であって、0.05ないし0.7であり、
oは、Trpにより置換された多糖類の酸官能基のモル分率であって、0.05ないし0.7であり、
iは、糖単位当りの基Rにより保有される酸官能基のモル分率であって、0ないし2であり、
jは、糖単位当りのアニオン性多糖類により保有される酸官能基のモル分率であって、0ないし1であり、
(i+j)は、糖単位当りの酸官能基のモル分率であって、0.1ないし2であり、
RがTrpにより置換されていない場合、基Rの酸(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属のカチオンであり、
前記多糖類がアニオン性多糖類である場合、多糖類の1つ以上の酸官能基(群)がTrpにより置換されておらず、その場合にそれらはカチオンにより塩化されており、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンであり、
前記多糖類は、中性pHにて両親媒性である。]
に対応する。
【0133】
一の態様において、Fは、エステル、カーボネート、カルバメート又はエーテルを表す。
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,4)型のグリコシド結合からなる。
一の態様において、大部分が(1,4)型のグリコシド結合からなる多糖類は、プルラン、アルギネート、ヒアルロナン、キシラン、ガラクツロナン及び水溶性セルロースからなる群より選択される。
一の態様において、多糖類はプルランである。
一の態様において、多糖類はアルギネートである。
一の態様において、多糖類はヒアルロナンである。
一の態様において、多糖類はキシランである。
一の態様において、多糖類はガラクツロナンである。
一の態様において、多糖類は水溶性セルロースである。
【0134】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,3)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,3)型のグリコシド結合から成る多糖類は、カードランである。
【0135】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,2)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類は、イヌリンである。
【0136】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,4)及び(1,3)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,4)及び(1,3)型のグリコシド結合から成る多糖類は、グルカンである。
【0137】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,4)及び(1,3)及び(1,2)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,4)及び(1,3)及び(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類は、マンナンである。
【0138】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、基Rが下記の基:


又はそれらのアルカリ金属カチオン塩より選択されることを特徴とする。
【0139】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、トリプトファン誘導体が、トリプトファン、トリプトファノール、トリプトファンアミド及び2−インドールエチルアミン及びそれらのアルカリ金属カチオン塩からなる群より選択されることを特徴とする。
【0140】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、トリプトファン誘導体が式II:


[式中、
Eは、直鎖状の又は枝分れ状のCないしCアルキル基、直鎖状の又は枝分れ状のCないしC20アルキルアリール基又はアリールアルキル基であり得る基である。]
で表されるトリプトファンエステルより選択されることを特徴とする。
【0141】
多糖類は、10ないし10000の重合度mを有し得る。
一の態様において、多糖類は、10ないし1000の重合度mを有する。
別の態様において、10ないし500の重合度mを有する。
【0142】
一の態様において、多糖類は、仏国特許第07/02316号明細書に記載される、トリプトファン及びトリプトファン誘導体のような疎水性アミノ酸によって官能化されたデキストラン群より選択される。
【0143】
本発明によれば、官能化されたデキストランは、下記の一般式III


[式中、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Fは、リンカーRと、中性の又はアニオン性の多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基のいずれかを表し、
AAは、アミノ酸のアミンと、R基により保有される酸との間のカップリングから生じる疎水性のL−又はD−アミノ酸残基を表し、
tは、グリコシド単位当りの置換基F−R−[AA]nのモル分率であって、0.1ないし2であり、
pは、AAにより置換されたR基のモル分率であって、0.05ないし1であり、そして、
RがAAにより置換されていない場合、基Rの酸(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンであり、
前記デキストランは、中性pHにて両親媒性である。]
に対応し得る。
【0144】
一の態様において、アルカリ金属カチオンはNaである。
一の態様において、Fは、エステル、カーボネート、カルバメート又はエーテルのいずれかである。
【0145】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、式IV:


で表されるカルボキシメチレートデキストラン又は対応する酸である。
【0146】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、式V:


で表されるデキストランのモノコハク酸エステル又は対応する酸である。
【0147】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、R基が下記の基:


又はそれらのアルカリ金属カチオン塩より選択されることを特徴とする。
【0148】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、疎水性アミノ酸が、トリプトファン、トリプトファノール、トリプトファンアミド及び2−インドールエチルアミン、及びそれらのアルカリ金属カチオン塩より選択されることを特徴とする。
【0149】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、トリプトファン誘導体が、上記定義された式IIで表されるトリプトファンエステルより選択されることを特徴とする。
【0150】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、式VI:


で表されるトリプトファンで変性されたカルボキシメチレートデキストランである。
【0151】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、式VII:


で表されるトリプトファンで変性されたモノコハク酸エステルである。
【0152】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、疎水性アミノ酸が、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン及びバリン、及びそれらのアルコール、アミド又は脱カルボキシル誘導体より選択されることを特徴とする。
【0153】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン及びバリン誘導体が、式VIII:


(式中、Eは、上記定義されたとおりである)
で表されるこれらアミノ酸のエステルより選択されることを特徴とする。
【0154】
一の態様において、本発明に従うデキストランは、疎水性アミノ酸が、フェニルアラニン、又はそのアルコール、アミド又は脱カルボキシル誘導体であることを特徴とする。
【0155】
デキストランは、10ないし10000の重合度mを有し得る。
一の態様において、デキストランは、10ないし1000の重合度mを有する。
別の態様において、デキストランは、10ないし500の重合度mを有する。
【0156】
一の態様において、多糖類は、仏国特許出願第08/05506号明細書に記載されるもののような、少なくとも1つがAhで表される疎水性アルコール誘導体により置換されたカルボキシル官能基を含む多糖類群より選択され:
前記疎水性アルコール(Ah)は、カップリングアームRを介してアニオン性多糖類にグラフトされているか又は結合されており、前記カップリングアームは、官能基F’を介してアニオン性多糖類に結合しており、前記官能基F’は、リンカーRのアミン官能基と、アニオン性多糖類のカルボキシル官能基との間のカップリング由来のものであり、前記カップリングアームは、カップリングアームのカルボキシル官能基、イソシアネート官能基、チオ酸又はアルコール官能基と、疎水性アルコールの官能基との間のカップリング由来の官能基Gによって疎水性アルコールに結合しており、未置換のアニオン性多糖類のカルボキシル官能基は、カルボン酸カチオンの形態にあり、該カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンであり、
F’は、アミド官能基を表し、
Gは、エステル官能基、チオエステル官能基、カーボネート官能基又はカルバメート官能基のいずれかを表し、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Ahは、疎水性アルコールのヒドロキシル官能基と、R基により保有される少なくとも1つの求電子性官能基との間のカップリングから生じる、疎水性アルコールの残基を表し、
カルボキシル官能基を含有する前記多糖類は、中性pHにて両親媒性である。
【0157】
疎水性アルコールによって部分的に置換されたカルボキシル官能基を含有する多糖類は、一般式IX:


[式中、
qは、F−R−G−Ahで置換された多糖類のカルボキシル官能基のモル分率であって、0.01ないし0.7であり、
F’、R、G及びAhは上記定義に対応し、そして多糖類のカルボキシル官能基がF’−R−G−Ahによって置換されていない場合、多糖類のカルボキシル官能基(群)は、カルボン酸カチオン又はカルボン酸カチオン群であって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンを表す]
で表されるカルボキシル官能基を含有する多糖類より選択される。
【0158】
一の態様において、カルボキシル官能基を含有する多糖類は、カルボキシル官能基を本来保有する多糖類であって、アルギン酸、ヒアルロナン及びガラクツロナンより選択される。
【0159】
一の態様において、一般式X:


[式中、
天然多糖類は、大部分が(1,6)及び/又は(1,4)及び/又は(1,3)及び/又は(1,2)型のグリコシド結合によって成る多糖類群より選択され、
Lは、リンカーQと、多糖類の官能基−OHとの間のカップリング由来の結合であって、エステル官能基、チオエステル官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基又はエーテル官能基を表し、
rは、多糖類の糖単位当りの置換基L−Qのモル分率を表し、
Qは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つのカルボキシル官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表す]
で表されるカルボキシル官能基を含有する多糖類は、カルボキシル官能基を本来含有する多糖類から、又は100の糖単位当り少なくとも15のカルボキシル官能基がグラフトされた中性多糖類から得られる合成多糖類である。
【0160】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,6)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,6)型のグリコシド結合から成る多糖類は、デキストランである。
【0161】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,4)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,4)型のグリコシド結合から成る多糖類は、プルラン、アルギネート、ヒアルロナン、キシラン、ガラクツロナン及び水溶性セルロースからなる群より選択される。
一の態様において、多糖類はプルランである。
一の態様において、多糖類はアルギネートである。
一の態様において、多糖類はヒアルロナンである。
一の態様において、多糖類はキシランである。
一の態様において、多糖類はガラクツロナンである。
一の態様において、多糖類は水溶性セルロースである。
【0162】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,3)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,3)型のグリコシド結合から成る多糖類は、カードランである。
【0163】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,2)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類は、イヌリンである。
【0164】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,4)及び(1,3)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,4)及び(1,3)型のグリコシド結合から成る多糖類は、グルカンである。
【0165】
一の態様において、多糖類は、大部分が(1,4)及び(1,3)及び(1,2)型のグリコシド結合から成る。
一の態様において、大部分が(1,4)及び(1,3)及び(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類は、マンナンである。
【0166】
一の態様において、本発明に従う多糖類は、Q基が以下の基:


より選択されることを特徴とする。
【0167】
一の態様において、rは0.1ないし2である。
一の態様において、rは0.2ないし1.5である。
【0168】
一の態様において、本発明に係るR基は、アミノ酸より選択されることを特徴とする。
一の態様において、アミノ酸は、α−アミノ酸より選択される。
一の態様において、α−アミノ酸は、天然のα−アミノ酸より選択される。
一の態様において、天然のα−アミノ酸は、ロイシン、アラニン、イソロイシン、グリシン、フェニルアラニン、トリプトファン及びバリンより選択される。
【0169】
一の態様において、疎水性アルコールは、脂肪アルコールより選択される。
一の態様において、疎水性アルコールは、4ないし18の炭素原子を含有する飽和又は不飽和アルキル鎖から成るアルコールより選択される。
一の態様において、脂肪アルコールは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、ブチルアルコール、オレイルアルコール及びラノリンより選択される。
一の態様において、疎水性アルコールは、コレステロール誘導体より選択される。
一の態様において、コレステロール誘導体は、コレステロールである。
一の態様において、疎水性アルコールAhは、トコフェロールより選択される。
一の態様において、トコフェロールは、α−トコフェロールである。
一の態様において、α−トコフェロールは、ラセミ体α−トコフェロールである。
一の態様において、疎水性アルコールは、アリール基を有するアルコールより選択される。
一の態様において、アリール基を有するアルコールは、ベンジルアルコール及びフェネチルアルコールより選択される。
【0170】
多糖類は、10ないし10000の重合度mを有し得る。
一の態様において、多糖類は、10ないし1000の重合度mを有する。
別の態様において、多糖類は、10ないし500の重合度mを有する。
【0171】
一の態様において、多糖類は、トリプトファンにより官能化されたデキストラン、オクタノールフェニルアラニネートにより官能化されたデキストラン、オクタノールグリシネートにより官能化されたデキストラン、ドデカノールグリシネートにより官能化されたデキストラン及びトリプトファンエチルエステルにより官能化されたデキストランから成る群より選択される。
【0172】
混合物中に存在する酸性化合物を中和するために、塩基が無機塩基又は有機塩基より選択される。
【0173】
無機塩基のうち、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0174】
有機塩基のうち、アミン及び脱プロトン化されたアミノ酸が挙げられる。
【0175】
有機塩基のうち、イミダゾール及びその誘導体、とりわけ、ヒスチジン、プロリン、エタノールアミン及びセリンが挙げられる。
【0176】
一の態様において、有機マトリックスは、修復を促進するために使用され得;精製され、滅菌され、且つ架橋された天然コラーゲンをベースとしたマトリックスより選択される。
【0177】
コラーゲンのような天然ポリマーは、細胞付着、移動及び分化を促進する細胞外マトリックス成分である。それらは、顕著に生体適合性であるという利点を有し、そして酵素消化機構によって分解される。コラーゲンをベースとしたマトリックスは、ウシ又はブタの腱又は骨から抽出される繊維状コラーゲンI型又はIV型から得られる。これらコラーゲンはまず精製され、その後架橋され、そしてその後滅菌される。
【0178】
それらはまた、自家骨の酸性媒体中の吸収により得られ、それにより、無機塩化した成分の大部分が除去されるが、コラーゲン又は成長因子を含む非コラーゲンタンパク質が保持される。これら脱無機塩化されたマトリックスはまた、カオトロピック剤を用いた抽出後に不活性形態で調製され得る。これらマトリックスは、本質的に、不溶性且つ架橋されたコラーゲンI型から成る。
【0179】
混合材料、例えばコラーゲンと無機粒子とを組み合わせる、マトリックスがまた使用され得る。これら材料は、強化された機械的特性を有する複合材料の形態であるか、又はコラーゲンがバインダーとして作用する“パテ”の形態であり得る。
【0180】
使用され得る無機材料は、主要な利点が骨の化学組成に非常に近い化学組成である、ヒドロキシアパタイト(HA)、リン酸三カルシウム(TCP)、二相性リン酸カルシウム(BCP)又は非晶質リン酸カルシウム(ACP)のような、リン酸カルシウムをベースとしたセラミックスを実質的に含有する。これら材料は、良好な機械的特性を有し、そして免疫学的に不活性である。これら材料は、粉末、顆粒又はブロックのような種々の形態であり得る。これらの材料は、それらの組成に応じて非常に種々の分解速度を有している。即ち、ヒドロキシアパタイトは非常にゆっくりと分解するが(数ヶ月)、リン酸三カルシウムはより迅速に分解する(数週間)。二相性のリン酸カルシウムは中間の吸収速度を有するために、この目的のために開発された。これらの無機材料は、主として骨誘導性として既知である。
【0181】
一の態様において、有機マトリックスは、架橋されたヒドロゲルである。
【0182】
架橋されたヒドロゲルは、ポリマー鎖を架橋することにより得られる。鎖間共有結合が有機マトリックスを定義する。有機マトリックスを構成するのに使用され得るポリマーは、Hydogels for biomedical applications(Adv.Drug Deliv.Rev,2002,43,3−12)なる表題の、Hoffmanによる概説に記載されている。
【0183】
一の態様において、インプラントは、非架橋ヒドロゲルを含有する。
【0184】
用語“非架橋ヒドロゲル”とは、多量の水又は生体液体を吸収し得る、親水性の三次元ポリマー網目構造を意味する(Peppas他,Eur.J.Pharm.Biopharm.2000,50,27−46)。このヒドロゲルは、物理学的相互作用から成り、そしてそれ故、ポリマー鎖の化学的架橋により得られない。
【0185】
ヒドロゲルを形成するポリマーのリストは非常に長く、且つ広いが、Hydogels for biomedical applications(Adv.Drug Deliv.Rev,2002,43,3−12)なる表題の、Hoffmanによる概説においては、完全なリストは与えられていない。これらポリマーは、合成ポリマー及び天然ポリマーである。ヒドロゲルを形成する多糖類をカバーする他の概説が、本発明に使用できるポリマーを選択することを可能にしている(Alhaique他,J.Control.Release,2007,119,5−24)。
【0186】
一の態様において、ヒドロゲルを形成するポリマーは、エチレングリコールと乳酸とのコポリマー、エチレングリコールとグリコール酸とのコポリマー、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリビニル酸、ポリアクリルアミド及びポリアクリル酸を包含する合成ポリマー群より選択される。
【0187】
一の態様において、ヒドロゲルを形成するポリマーは、ヒアルロン酸、ケラタン、プルラン、ペクチン、デキストラン、セルロース及びセルロース誘導体、アルギン酸、キサンタン、カラギーナン、キトサン、コンドロイチン、コラーゲン、ゼラチン、ポリリシン、フィブリン、並びに生物学的に許容され得るそれらの塩を包含する天然ポリマー群より選択される。
【0188】
天然ポリマーは、ヒアルロン酸、アルギン酸、デキストラン、ペクチン、セルロース及びその誘導体、プルラン、キサンタン、カラギーナン、キトサン、コンドロイチン、及び生物学的に許容され得るそれらの塩を包含する、ヒドロゲルを形成する多糖類群より選択される。
【0189】
一の態様において、天然ポリマーは、ヒアルロン酸、アルギン酸、及び生物学的に許容され得るそれらの塩を包含する、ヒドロゲルを形成する多糖類群より選択される。
【0190】
一の態様において、ヒドロゲルは、移植又は注射直前に製造され得る。
一の態様において、ヒドロゲルは、予備充填されたシリンジ中で製造され且つ保管されて、その後に移植又は注射され得る。
一の態様において、ヒドロゲルは、移植又は注射直前に凍結乾燥物の再水和によって製造され得るか、又は脱水形態で移植され得る。
【0191】
種々のマトリックスのうち、例えば、ヘリスタット(Helistat)(登録商標)(インテグラライフサイエンス,プラインスボロ(Integra LifeSciences,Plainsboro),ニュージャージー)、DBM(脱塩された骨マトリックス(Demineralized Bone Matrix))のようなコラーゲンスポンジ単独か、又は、他の有機材料、例えば、多糖類、グリセロール又はゼラチン、例えばオステオフィル(Osteofil)(登録商標)(メドトロニック(Medtronic))、アロマトリックス(Allomatrix)(登録商標)(ライト(Wright))、グラフトン(Grafton)(登録商標)(オステオテック(Osteotech))、DBX(登録商標)(MTF/シンセス(Synthes))、バイオセット(Bioset)(登録商標)(レジェネレーションテクノロジー(Regeneration Technologies))、無機相から成るマトリックス、例えばヴィトス(Vitoss)(登録商標)(オルチビスタ(Orthivista))、オステオセット(Osteoset)(登録商標)(ライト)、或いは、混合マトリックス、例えばマスターグラフト(MasterGraft)(登録商標)(メドトロニック)、ヒーロス(Healos)(登録商標)(デピュイ スパイン(Depuy Spine))、コピオス(CopiOs)(登録商標)(ジマー(Zimmer))、サンマックス コラーゲン ボーン グラフト マトリックス(サンマックス(Sunmax))との混合物として使用され得る。
【0192】
共沈物形成後の系は、液相と固体相の二相から成る。
【0193】
本明細書において、容量の概念が用いられている場合には、この二相から成る総量である。
【0194】
キットの種々の形態の組成物を一緒に混合した後に生じる生成物中の単位体積当りの量が下記に与えられ、混合マトリックス又は無機マトリックスが使用された場合のマトリックスから生じるカルシウムイオン又はリン酸イオンの量は含まない。
【0195】
一の態様において、単位体積当りの種々のタンパク質の総量は、得られた懸濁液1mL当り、0.01mgないし2mgであり、好ましくは0.05mgないし1.5mgであり、より好ましくは0.1mgないし1.5mgである。
【0196】
単位体積当りのリン酸塩の総量は、得られた懸濁液1mL当り、0.02mmolないし0.5mmolであり、好ましくは0.05ないし0.25mmolである。
【0197】
単位体積当りのカルシウムの総量は、単位体積当り、0.01mmolないし1mmolであり、好ましくは0.05ないし1mmolであり、そしてより好ましくは0.1mmolないし0.5mmolである。
【0198】
固体相中のカルシウムイオンのパーセンテージは、導入されるカルシウムイオンの60%ないし95%である。
【0199】
単位体積当りの多糖類の総量は、得られた懸濁液1mL当り、1ないし100mgであり、好ましくは2ないし40mgである。固体相中の多糖類のパーセンテージは、導入された多糖類の80%よりも高い。
【0200】
使用される塩基量は、リン酸イオンにより与えられるプロトンに対して、およそ0.1ないし2当量に対応する。
【0201】
使用される容量及び組成物数に応じて、開始組成物中に使用される量は、計算により決定され得る。このことは、キットの種々の態様のために行われる。
【0202】
一の態様において、脊椎用インプラントについては、骨形成成長因子の投与量は、0.01mgないし20mgであり、好ましくは0.05mgないし8mgであり、好ましくは0.1mgないし4mgであり、そしてより好ましくは0.1mgないし2mgであるが、文献中で一般に許容される投与量は、8ないし12mgである。
【0203】
一の態様において、脊椎用インプラントについては、血管形成成長因子の投与量は、0.05mgないし8mgであり、好ましくは0.1mgないし4mgであり、より好ましくは0.1mgないし2mgである。
【0204】
一の態様において、本発明に従う共沈物を含有するインプラントの処方について、3つのバイアルを含むキットが調製され、前記バイアルは、
第一に、凍結乾燥形態にある骨形成タンパク質の2ないし10mg、
第二に、0.15ないし0.50Mの濃度を有する、10ないし50mg/mLの濃度の多糖類とリン酸水素ナトリウムNaHPO及びリン酸二水素ナトリウムNaHPOの等モル混合物溶液2ないし6mL、
第三に、0.25ないし0.90Mの濃度の塩化カルシウム溶液の2ないし6mL
を含有する。
【0205】
一の態様において、第二のバイアルはまた、0.05ないし0.8Mの濃度の重炭酸ナトリウムを含有する。
【0206】
一の態様において、第二及び第三のバイアルはまた、0.02ないし0.2Mの濃度のヒスチジン溶液を含有する。
【0207】
一の態様において、第三のバイアルはまた、0.05ないし0.3Mの濃度でプロリン溶液を含有する。
【0208】
溶液は、移植と同時に、又は直前に、15ないし30mLの容量を有するコラーゲンスポンジに添加される。
【0209】
一の態様において、本発明に従う共沈物を含有するインプラントの処方について、
第一に、0.33ないし2mg/mLの濃度の骨形成タンパク質を含有する1ないし3mL容量、
第二に、5ないし15mg/mLの濃度の多糖類、並びに、0.05ないし0.15Mの濃度を有するリン酸水素ナトリウムNaHPO及びリン酸二水素ナトリウムNaHPOの等モル混合物を含有する1ないし3mL容量、
第三に、0.25ないし0.50Mの濃度の塩化カルシウムを含有する1ないし3mL容量
を含有する3種の溶液が一緒に混合される。
【0210】
一の態様において、0.20ないし0.4Mの濃度の重炭酸ナトリウム溶液が、得られた混合物に添加される。
【0211】
一の態様において、0.02ないし0.15Mの濃度のヒスチジン溶液が、得られた混合物に添加される。
【0212】
一の態様において、0.05ないし0.3Mの濃度のプロリン溶液が、得られた混合物に添加される。
【0213】
本発明に従う共沈物を含有する混合物はその後、凍結乾燥される。
【0214】
使用時には、それは、初期容量のおよそ35%までの注射水及び/又は血液を用いて再水和される。
【0215】
本発明はまた、例えば、骨欠損を充填するための、脊椎融合又は顎顔面の復元を行うための、或いは、骨折連結、特に偽関節の欠損を治療するための、移植による本発明の組成物の使用にも関する。
【0216】
本発明はまた、骨欠損、とりわけ骨粗鬆症により引き起こされるものの治療のための、及び経皮的に治療され得るあらゆる他の病状のための、注射による本発明の組成物の使用にも関する。
【0217】
本発明はまた、骨インプラントとしての本発明に従う組成物の使用にも関する。
【0218】
一の態様において、本組成物は、人工脊椎又は籠型脊椎融合の人工器官と組み合わせて使用され得る。
【0219】
本発明はまた、骨再構成における、本組成物を使用した治療方法及び外科的方法にも関する。
【0220】
これら種々の治療上の使用において、マトリックスの寸法及び骨形成成長因子の量は、治療部位の容量に依存する。
【0221】
本発明の種々の態様の例が下記に与えられる。
【0222】
キットの例を、限定されない例として与える。
【実施例】
【0223】
実施例1:5バイアルを含むキットの調製
キット1:5バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にあるポリマーを含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアル、及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある塩基を含有するバイアルを含む。
【0224】
実施例2:4バイアルを含むキットの調製
キット2:4バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にあるポリマーを含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアル、及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアルを含む。
【0225】
実施例3:4バイアルを含むキットの調製
キット3:4バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にあるポリマー及び可溶性リン酸塩を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアル、及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある塩基を含有するバイアルを含む。
【0226】
実施例4:4バイアルを含むキットの調製
キット4:4バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にあるポリマーを含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩及び塩基を含有するバイアル、及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアルを含む。
【0227】
実施例5:4バイアルを含むキットの調製
キット5:4バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質及びポリマーを含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアル、及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある塩基を含有するバイアルを含む。
【0228】
実施例6:3バイアルを含むキットの調製
キット6:3バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にあるポリマー及び可溶性リン酸塩を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩及び塩基を含有するバイアルを含む。
【0229】
実施例7:3バイアルを含むキットの調製
キット7:3バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にあるポリマー及び可溶性リン酸塩を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアルを含む。
【0230】
実施例8:3バイアルを含むキットの調製
キット8:3バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質とポリマーとの複合体を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩及び塩基を含有するバイアルを含む。
【0231】
実施例9:3バイアルを含むキットの調製
キット9:3バイアルのキットは、凍結乾燥形態又は溶液形態にある骨形成タンパク質とポリマーとの複合体を含有するバイアル、凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアル、及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアルを含む。
【0232】
実施例10:2バイアルを含むキットの調製
キット10:2バイアルのキットは、骨形成タンパク質と凍結乾燥されたポリマーとの複合体及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアル、並びに凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩を含有するバイアルを含む。
【0233】
実施例11:2バイアルを含むキットの調製
キット11:2バイアルのキットは、骨形成タンパク質と凍結乾燥されたポリマーとの複合体及び凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性リン酸塩を含有するバイアル、並びに凍結乾燥形態又は溶液形態にある可溶性カルシウム塩及び塩基を含有するバイアルを含む。
【0234】
ポリマーの合成例を、限定されない例として与える。
【0235】
実施例12:トリプトファンにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー1は、仏国特許出願第07/02316号明細書に記載の方法に従い、40kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス(Pharmacosmos))から得られた、L−トリプトファンのナトリウム塩により変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。トリプトファンにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式III中のtは、1.03である。トリプトファンにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式III中のpは、0.36である。
【0236】
実施例13:オクタノールフェニルアラニネートにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー2は、特許出願PCT/IB2009007054に記載の方法に従い、40kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス)から得られた、L−フェニルアラニンのオクタン酸エステルにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。L−フェニルアラニンのオクタン酸エステルにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式X中のrは、1.11である。L−フェニルアラニンのオクタン酸エステルにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式IX中のqは、0.09である。
製造最後におけるポリマー2の溶液は、30.45mg/mLであった。
【0237】
実施例14:オクタノールグリシネートにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー3は、仏国特許出願第08/05506号明細書に記載の方法に従い、40kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス)から得られた、L−グリシンのオクタン酸エステルにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。L−グリシンのオクタン酸エステルにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式X中のrは、1.09である。L−グリシンのオクタン酸エステルにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式IX中のqは、0.22である。
【0238】
実施例15:トリプトファンにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー4は、仏国特許出願第07/02316号明細書に記載の方法に従い、70kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス)から得られた、L−トリプトファンのナトリウム塩により変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。トリプトファンにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式III中のtは、1.14である。トリプトファンにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式III中のpは、0.41である。
【0239】
実施例16:オクタノールフェニルアラニネートにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー5は、仏国特許出願第08/05506号明細書に記載の方法に従い、40kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス)から得られた、L−フェニルアラニンのオクタン酸エステルにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。L−フェニルアラニンのオクタン酸エステルにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式X中のrは、1.12である。L−フェニルアラニンのオクタン酸エステルにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式IX中のqは、0.22である。
【0240】
実施例17:ドデカノールグリシネートにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー6は、仏国特許出願第08/05506号明細書に記載の方法に従い、40kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス)から得られた、L−グリシンのドデカン酸エステルにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。L−フェニルグリシンのドデカン酸エステルにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式X中のrは、1.04である。L−グリシンのドデカン酸エステルにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式IX中のqは、0.13である。
【0241】
実施例18:トリプトファンのエチルエステルにより官能化されたデキストランの製造
ポリマー7は、仏国特許出願第07/02316号明細書に記載の方法に従い、40kg/モルの質量平均分子量を有するデキストラン(ファルマコスモス)から得られた、L−トリプトファンのエチルエステルにより変性されたナトリウムデキストランメチルカルボキシレートである。トリプトファンのエチルエステルにより変性されていなくても、又は変性されていてもよいナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち、本願式III中のtは、1.09である。トリプトファンのエチルエステルにより変性されたナトリウムメチルカルボキシレートのモル分率、即ち式III中のpは、0.47である。
【0242】
実施例19:トリプトファンにより官能化されたデキストラン溶液の製造
水35.24g中にポリマー1の凍結乾燥物9.13g(水分含量およそ25%)を溶解することにより、ポリマー1の濃縮溶液を製造した。溶液を30分間攪拌した。乾燥抽出物中に決定したポリマー1の濃度は、162.9mg/gであった。密度は1.08であった。ポリマー1の濃度は従って、175.9mg/mLであった。
【0243】
実施例20:オクタノールフェニルアラニネートにより官能化されたデキストラン溶液の製造
水64g中にポリマー2の凍結乾燥物3.12g(水分含量14%)を溶解することにより、40mg/gのポリマー2溶液を製造した。
【0244】
実施例21:オクタノールグリシネートにより官能化されたデキストラン溶液の製造
水100g中にポリマー3の凍結乾燥物3.95g(水分含量4%)を溶解することにより、38mg/gのポリマー3溶液を製造した。
【0245】
骨形成タンパク質の溶液又は凍結乾燥物の例を、限定されない例として与える。
【0246】
実施例22:1mM HCl緩衝液中のrhBMP−2溶液
1mM HCl溶液の10mLを、凍結乾燥させたrhBMP−2の1.5mgに加えることにより、0.15mg/mLのrhBMP−2溶液の10mLを製造した。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0247】
実施例23:インフーズ(InFUSE)緩衝液中のrhBMP−2の溶液
水800mLを入れた1Lの目盛り付きフラスコ中に、5gのスクロース、25gのグリシン、3.72gのグルタミン酸、0.11gの塩化ナトリウム及び0.11gのポリソルベート80を溶解することにより、1Lのインフーズ緩衝液を製造した。この溶液のpHをその後、1N水酸化ナトリウム16.8mLを添加することにより4.5に調節した。インフーズ緩衝液を加えて、最終的に、標線まで目盛り付きフラスコを満たした。1mLインフーズ緩衝液を、凍結乾燥させたrhBMP−21.5mgに加えることにより、インフーズ緩衝液中の1.5mg/mLのrhBMP−2溶液の1mLを製造した。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通して無菌的に濾過した。
溶液をまた、凍結乾燥させることもできる。
【0248】
実施例24:10mM HCl緩衝液中のrhBMP−7の溶液
1mM HCl溶液の1mLを、凍結乾燥させたrhBMP−7の3.8mgに加えることにより、3.8mg/mLのrhBMP−7溶液を製造した。この溶液のpHは2.2であった。この溶液を室温にて15分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0249】
実施例25:pH3.5の5%ラクトース緩衝液中のrhBMP−7溶液
1M HClを添加することによりpHを3.5に設定した5%ラクトース溶液の7.8mLを、凍結乾燥させたrhBMP−7の30.3mgに加えることにより、3.8mg/mLのrhBMP−7溶液を製造した。この溶液を室温にて15分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0250】
実施例26:10mM HCl緩衝液中のrhGDF−5溶液
10mM HCl溶液の1mL溶液を、凍結乾燥させたrhGDF−5の1.5mgに加えることにより、1.5mg/mLのrhGDF−5溶液の1mLを製造した。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0251】
可溶性リン酸塩溶液の製造例を、限定されない例として与える。
【0252】
実施例27:リン酸ナトリウム溶液
目盛り付きフラスコ中で、無水リン酸水素ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウムの等モル混合物(シグマ(Sigma))から1Mリン酸ナトリウム溶液を製造した。この溶液を室温で30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
上記備蓄溶液から、さらに希釈したリン酸ナトリウム溶液を製造した。
【0253】
可溶性カルシウム塩溶液の製造例を、限定されない例として与える。
【0254】
実施例28:2M塩化カルシウム溶液
溶液1:目盛り付きフラスコ中で、無水又は水和塩化カルシウム(シグマ)から、2M塩化カルシウム溶液を製造した。この溶液を、室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0255】
実施例29:0.75M塩化カルシウム溶液
溶液2:前実施例に記載の2M塩化カルシウム溶液を希釈することにより、0.75M塩化カルシウム溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0256】
実施例30:0.75M酢酸カルシウム溶液
溶液3:目盛り付きフラスコ中で、酢酸カルシウム(シグマ)から、0.75M酢酸カルシウム溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0257】
実施例31:0.75Mグルコン酸カルシウム溶液
溶液4:目盛り付きフラスコ中で、グルコン酸カルシウム(シグマ)から、0.75Mグルコン酸カルシウム溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0258】
塩基溶液の例を、限定されない例として与える。
【0259】
実施例32:1Mヒスチジン溶液
溶液5:1L目盛り付きフラスコ中で、L−ヒスチジン(シグマ)155.2gを、標線に到達するのに必要な容量の脱イオン水中に溶解することにより、1Mヒスチジン溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0260】
実施例33:2Mプロリン溶液
溶液6:1L目盛り付きフラスコ中で、L−プロリン(シグマ)230.2g、10N水酸化ナトリウム200mL及び標線に到達するのに必要な容量の脱イオン水を加えることにより、2Mプロリン溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0261】
実施例34:2Mセリン溶液
溶液7:1L目盛り付きフラスコ中で、L−セリン(シグマ)210.2g、10N水酸化ナトリウム200mL及び標線に達するのに必要な容量の脱イオン水を加えることにより、2Mセリン溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上にて無菌的に濾過した。
【0262】
実施例35:2Mグリシン溶液
溶液8:1L目盛り付きフラスコ中で、L−グリシン(シグマ)150.1g、10N水酸化ナトリウム200mL及び標線に達するのに必要な容量の脱イオン水を加えることにより、2Mグリシン溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0263】
実施例36:2Mアラニン溶液
溶液9:1L目盛り付きフラスコ中で、L−アラニン(シグマ)178.2g、10N水酸化ナトリウム200mL及び標線に達するのに必要な容量の脱イオン水を加えることにより、2Mアラニン溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0264】
実施例37:2Mリシン溶液
溶液10:1L目盛り付きフラスコ中で、L−リシン(シグマ)292.4g、10N水酸化ナトリウム200mL及び標線に達するのに必要な容量の脱イオン水を加えることにより、2Mリシン溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0265】
水か又は前述のカルシウム塩溶液を用いて希釈することにより、これら種々の塩基のさらに低濃度の溶液を得た。
【0266】
実施例38:炭酸水素ナトリウム溶液
目盛り付きフラスコ中で、無水炭酸水素ナトリウム(シグマ)から1.2M炭酸水素ナトリウム溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
上記備蓄溶液から、さらに希釈した炭酸水素ナトリウム溶液を製造した。
【0267】
実施例39:TRIS溶液
目盛り付きフラスコ中で、超高純度のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(シグマ)から0.5Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの0.5M溶液を製造し、そして1M塩酸を用いてpH7.4に調節した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブラン上で無菌的に濾過した。
【0268】
ポリマー及び可溶性リン酸塩を含有する溶液の製造例を、限定されない例として与える。
【0269】
実施例40:ポリマー1及びpH6.5のリン酸ナトリウムを含有する溶液
溶液11:実施例15に記載される175.9mg/mLのポリマー1溶液の8.6mL、実施例27に記載の1Mリン酸ナトリウム溶液の17mL及び水11.9mLを混合することにより、40mg/mLのポリマー1溶液及び0.45Mリン酸塩を含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0270】
実施例41:ポリマー1及びリン酸ナトリウムを含有する溶液
溶液12:実施例15に記載される175.9mg/gのポリマー1溶液の5.5mL、実施例27に記載される1Mリン酸ナトリウム溶液の5.5mL及び滅菌水13.0mLを混合することにより、40mg/mLのポリマー1及び0.23Mのリン酸ナトリウムを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0271】
実施例42:ポリマー2及びpH6.5のリン酸ナトリム溶液を含有する溶液
溶液13:実施例20に記載の40mg/gのポリマー2溶液の10mL、実施例27に記載の1Mリン酸ナトリウム溶液の9mL及び水1mLを混合することにより、20mg/mLのポリマー2及び0.45Mリン酸塩を含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0272】
実施例43:ポリマー1、リン酸ナトリウム及び炭酸水素塩を含有する溶液
溶液14:実施例15に記載される175.9mg/gのポリマー1溶液の5.5mL、実施例27に記載される1Mリン酸ナトリウム溶液の5.5mL、実施例38に記載される備蓄溶液を希釈することにより得られた0.6M炭酸水素ナトリウム溶液の12.4mL及び滅菌水0.6mLを混合することにより、40mg/mLのポリマー1、0.23Mリン酸ナトリウム及び0.31M炭酸水素ナトリウムを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0273】
実施例44:ポリマー1、リン酸ナトリウム及びヒスチジンを含有する溶液
溶液15:実施例15に記載される175.9mg/gのポリマー1溶液の5.5mL、実施例27に記載される1Mリン酸ナトリウム溶液の5.5mL、実施例32に記載される備蓄溶液を希釈することにより得られた0.2Mヒスチジン溶液の10.8mL及び滅菌水2.2mLを混合することにより、40mg/mLのポリマー1、0.23Mリン酸ナトリウム及び0.09Mヒスチジンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0274】
実施例45:ポリマー2、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含有する溶液
溶液16:実施例13に記載される30.45mg/mLのポリマー2溶液3.45mL、実施例27において得られた1.2Mリン酸ナトリウム溶液の2.0mL、実施例38に記載される1.2M炭酸水素ナトリウム溶液の2.7mL及び滅菌水2.4mLを混合することにより、10mg/mLのポリマー2、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0275】
実施例46:ポリマー5、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含有する溶液
溶液17:実施例16に記載される36.87mg/mLのポリマー5溶液の1.3mL、実施例27において得られた1.2Mリン酸ナトリウム溶液の0.45mL及び実施例38に記載される1.2M炭酸水素ナトリウム溶液の0.6mLを混合することにより、20mg/mLのポリマー5、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0276】
実施例47:ポリマー6、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含有する溶液
溶液18:実施例17に記載されるポリマー6溶液の1.0mL、実施例27において得られた1.2Mリン酸ナトリウム溶液の0.45mL、実施例38に記載される1.2M炭酸水素ナトリウム溶液の0.6mL及び滅菌水0.3mLを混合することにより、20mg/mLのポリマー6、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0277】
実施例48:ポリマー7、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含有する溶液
溶液19:実施例18に記載される75.9mg/mLのポリマー7溶液の1.26mL、実施例27において得られた1.2Mリン酸ナトリウム溶液の0.45mL、実施例38に記載される1.2M炭酸水素ナトリウム溶液の0.6mL及び滅菌水0.06mLを混合することにより、40mg/mLのポリマー7、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0278】
骨形成タンパク質とポリマーとの複合体の製造例を、限定されない例として与える。
【0279】
実施例49:rhBMP−2/ポリマー1複合体の製造
溶液20:1.46mg/mLのrhBMP−2溶液の22μLを、60.0mg/mLのポリマー1溶液の267μL及び滅菌水の351μLに添加した。このrhBMP−2及びポリマー1の溶液はpH7.4であった。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0280】
実施例50:rhBMP−7/ポリマー1複合体の製造
溶液21:1.5mg/mLのrhBMP−7溶液50μLを、60.6mg/mLのポリマー1溶液の100μLと混合した。このrhBMP−7及びポリマー1の溶液はpH7.4であった。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0281】
実施例51:rhBMP−7/ポリマー2複合体の製造
溶液22:0.15mg/mLのrhBMP−7溶液50μLを、22.7mg/mLのポリマー2溶液の100μLと混合した。このrhBMP−7及びポリマー2の溶液はpH7.4であった。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0282】
実施例52:rhGDF−5/ポリマー2複合体の製造
溶液23:1.5mg/mLのrhGDF−2溶液50μLを、22.7mg/mLのポリマー2溶液を100μLと混合した。このrhGDF−5及びポリマー2の溶液はpH7.4であった。この溶液を4℃にて2時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0283】
実施例53:リン酸ナトリウム存在下でのrhBMP−2/ポリマー1複合体の製造
溶液24:rhBMP−2の7.85mgのみを含有するインフーズ緩衝液中のrhBMP−2凍結乾燥物の184.0mgを、実施例41に記載される溶液の19mLに入れた。該溶液を4℃にて2時間インキュベートした。得られた溶液は清澄であり、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0284】
実施例54:リン酸ナトリウム及び及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー1複合体の製造
溶液25:rhBMP−2の6.95mgのみを含有するインフーズ緩衝液中のrhBMP−2凍結乾燥物の165.5mgを、実施例43に記載される溶液の17.1mLに入れた。該溶液を4℃にて2時間インキュベートした。得られた溶液は清澄であり、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0285】
実施例55:リン酸ナトリウム及びヒスチジンの存在下でのrhBMP−2/ポリマー1複合体の製造
溶液26:rhBMP−2の6.95mgのみを含有するインフーズ緩衝液中のrhBMP−2凍結乾燥物の165.5mgを、実施例44に記載される溶液の17.1mLに入れた。該溶液を4℃にて2時間インキュベートした。得られた溶液は清澄であり、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0286】
実施例56:リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー1複合体の製造
溶液27:インフーズ緩衝液中の1.55mg/mLのrhBMP−2溶液の1.98mLを、174.7mg/gのポリマー1溶液の3.5mLに添加した。次に、0.74Mリン酸ナトリウム及び1.2M炭酸水素ナトリウム及び滅菌水0.28mLを含有する溶液の9.6mLをまた添加した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。該混合物の組成は、0.2mg/mLのrhBMP−2、40mg/mLのポリマー1、0.45Mのリン酸ナトリウム及び0.75Mの炭酸水素ナトリウムであった。
【0287】
実施例57:リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−7/ポリマー1複合体の製造
溶液28:10mMのHCl緩衝液中の3.69mg/mLのrhBMP−7溶液の1.71mLを、実施例15に記載される175.9mg/gのポリマー1溶液の3.4mLに添加した。次に、実施例27に記載される1Mリン酸ナトリウム溶液の3.3mL及び実施例38に記載される備蓄溶液を希釈することにより得られた0.6Mの炭酸水素ナトリウム溶液の7.5mL、滅菌水14.1mLを添加した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。該混合物の組成は、0.2mg/mLのrhBMP−7、20mg/mLのポリマー1、0.11Mのリン酸ナトリウム及び0.15Mの炭酸水素ナトリウムであった。
【0288】
実施例58:リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー2複合体の製造
溶液29:インフーズ緩衝液中のrhBMP−2の凍結乾燥物の65.2mgを、溶液16の10.5mL中に入れた。この溶液を室温にて1時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。該混合物の組成は、0.4mg/mLのrhBMP−2、10mg/mLのポリマー2、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムであった。
【0289】
実施例59:リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー5複合体の製造
溶液30:インフーズ緩衝液中のrhBMP−2の凍結乾燥物の25.7mgを、溶液17の2.4mL中に入れた。この溶液を室温にて1時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。該混合物の組成は、1.5mg/mLのrhBMP−2、20mg/mLのポリマー5、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムであった。
【0290】
実施例60:リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー6複合体の製造
溶液31:インフーズ緩衝液中のrhBMP−2の凍結乾燥物の24.8mgを、溶液18の2.4mL中に入れた。この溶液を室温にて1時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。該混合物の組成は、1.5mg/mLのrhBMP−2、20mg/mLのポリマー6、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムであった。
【0291】
実施例61:リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー7複合体の製造
溶液32:インフーズ緩衝液中のrhBMP−2の凍結乾燥物の25.6mgを、溶液19の2.4mL中に入れた。この溶液を室温にて1時間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。該混合物の組成は、1.5mg/mLのrhBMP−2、40mg/mLのポリマー7、0.23Mのリン酸ナトリウム及び0.31Mの炭酸水素ナトリウムであった。
【0292】
可溶性カルシウム塩及び塩基を含有する溶液の製造例を限定されない例として与える。
【0293】
実施例62:塩化カルシウム及びヒスチジンの溶液
溶液33:2M塩化カルシウム溶液の112.5mL、1Mヒスチジン溶液の120mL及び67.5mLの滅菌水を添加することにより、0.75M塩化カルシウム及び0.4Mヒスチジンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0294】
実施例63:塩化カルシウム及びプロリンの溶液
溶液34:2M塩化カルシウム溶液の112.5mL、2Mプロリン溶液の112.5mL及び75mLの滅菌水を添加することにより、0.75M塩化カルシウム及び0.75Mプロリンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0295】
実施例64:塩化カルシウム及びグリシンの溶液
溶液35:2M塩化カルシウム溶液の112.5mL、2Mグリシン溶液の112.5mL及び75mLの滅菌水を添加することにより、0.75M塩化カルシウム及び0.75Mグリシンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0296】
実施例65:塩化カルシウム及びアラニンの溶液
溶液36:2M塩化カルシウム溶液の112.5mL、2Mアラニン溶液の112.5mL及び75mLの滅菌水を添加することにより、0.75M塩化カルシウム及び0.75Mアラニンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0297】
実施例66:塩化カルシウム及びリジンの溶液
溶液37:2M塩化カルシウム溶液の112.5mL、2Mリジン溶液の112.5mL及び75mLの滅菌水を添加することにより、0.75M塩化カルシウム及び0.75Mリジンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0298】
実施例67:塩化カルシウム及びセリンの溶液
溶液38:2M塩化カルシウム溶液の112.5mL、2Mセリン溶液の112.5mL及び75mLの滅菌水を添加することにより、0.75M塩化カルシウム及び0.75Mセリンを含有する溶液を製造した。この溶液を室温にて30分間インキュベートし、そして0.22μmメンブランに通すことにより、無菌的に濾過した。
【0299】
BMP、ポリマー、可溶性カルシウム塩、可溶性リン酸塩及び/又は塩基を含有する注射用懸濁液の製造例を、限定されない例として与える。
【0300】
実施例68:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー2複合体の注射用懸濁液の製造
0.4mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、10mg/mLのポリマー2、即ちポリマー2の4mg、0.23Mのリン酸ナトリウム、即ち92μmol、及び0.31M炭酸水素ナトリウム、即ち124μmolを含有する溶液29の400μL、及び0.38M塩化カルシウム溶液の400μL、即ち153μmolを混合することにより、rhBMP−2/ポリマー2複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成懸濁液を得た。注射前に、得られた懸濁液を室温にて15分間保存した。該懸濁液は27本の標準規格注射針によって注射可能であった。
【0301】
実施例69:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下でのrhBMP−2/ポリマー1複合体の注射用懸濁液の製造
0.52mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の650μg、20mg/mLのポリマー1、即ちポリマー1の25mg、0.23Mのリン酸ナトリウム、即ち288μmol、及び0.31M炭酸水素ナトリウム、即ち388μmolを含有する溶液の1250μL、及び0.38M塩化カルシウム溶液の1250μL、即ち477μmolを混合することにより、BMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成懸濁液を得た。注射前に、得られた懸濁液を室温にて15分間保存した。該懸濁液は27本の標準規格注射針によって注射可能であった。
【0302】
BMP、ポリマー、可溶性カルシウム塩、可溶性リン酸塩及び/又は塩基を含有するインプラントの製造例を、限定されない例として与える。
【0303】
下記実施例に記載されるインプラントは、ヘリスタット(インテグラライフサイエンス,プラインスボロ,ニュージャージー)のような無菌の且つ架橋されたI型のコラーゲンスポンジを用いて製造された。該スポンジ容量は、用途に応じて様々であり、ラットの異所に対する用途には200μLであり、ウサギの脊椎融合用途については4.5mLであった。
【0304】
実施例70:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント1:溶液20の40μLを、無菌の200mm架橋コラーゲンスポンジ中に導入した。コラーゲンスポンジ中で溶液を30分間インキュベートし、その後、1.64Mの濃度の塩化カルシウム溶液の10μLを添加した。最終的に、リン酸ナトリウム(22.5mg/mL)の80μLと1N塩酸の10μLを混合することにより得られた0.053Mの濃度の中和されたリン酸ナトリウム溶液の90μLをスポンジに添加した。該スポンジをその後凍結し、そして無菌的に凍結乾燥した。スポンジ中のrhBMP−2投与量は2μgであった。
【0305】
実施例71:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント2:溶液20の40μLを、無菌の200mm架橋コラーゲンスポンジ中に導入した。コラーゲンスポンジ中で溶液を30分間インキュベートし、その後、6.85Mの濃度の塩化カルシウム溶液の10μLを添加した。最終的に、リン酸ナトリウム(93.8mg/mL)の80μLと1N塩酸の10μLを混合することにより得られた0.22Mの濃度の中和されたリン酸ナトリウム溶液の90μLをスポンジに添加した。該スポンジをその後凍結し、そして無菌的に凍結乾燥した。rhBMP−2投与量は2μgであった。
【0306】
実施例72:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びアスコルビン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/BMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント3:溶液20の40μLを、無菌の200mm架橋コラーゲンスポンジ中に導入した。コラーゲンスポンジ中で溶液を30分間インキュベートし、その後、1.64mg/mLの濃度の塩化カルシウム溶液の10μLを添加した。最終的に、0.41Mの濃度のアルコルビン酸ナトリウム溶液の80μLをスポンジに添加した。該スポンジをその後凍結し、そして無菌的に凍結乾燥した。rhBMP−2投与量は2μgであった。
【0307】
実施例73:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント4:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.325mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の650μg、64.5mg/mLのポリマー1、即ちポリマー1の129mg、及びpH7.4の0.18Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の2mLを、続いて、1.2M塩化カルシウム溶液の500μL、即ち塩化カルシウムの600μmolを、そして最後に、0.54M水酸化ナトリウム溶液の500μL、即ち水酸化ナトリウムの270μmolを添加した。このインプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、1mLの自家血液に浸した。
【0308】
実施例74:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント5:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.163mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の326μg、32.5mg/mLのポリマー1、即ちポリマー1の65mg、及びpH7.4の0.18Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の2mLを、続いて、1.2M塩化カルシウム溶液の500μL、即ち塩化カルシウムの600μmolを、そして最後に、0.54M水酸化ナトリウム溶液の500μL、即ち水酸化ナトリウムの270μmolを添加した。このインプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、1mLの自家血液に浸した。
【0309】
実施例75:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント6:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.081mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の162μg、16.3mg/mLのポリマー1、即ち32.5mg、及びpH7.4の0.18Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の2mLを、続いて、1.2M塩化カルシウム溶液の500μL、即ち塩化カルシウムの600μmolを、そして最後に、0.54M水酸化ナトリウム溶液の500μL、即ち水酸化ナトリウムの270μmolを添加した。このインプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、1mLの自家血液に浸した。
【0310】
実施例76:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー4複合体インプラントの製造
インプラント7:rhBMP−2/ポリマー4複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.040mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の80μg、8mg/mLのポリマー4、即ち16mg、及びpH7.4の0.18Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の2mLを、続いて、1.2M塩化カルシウム溶液の500μL、即ち塩化カルシウムの600μmolを、そして最後に、0.54M水酸化ナトリウム溶液の500μL、即ち水酸化ナトリウムの270μmolを添加した。このインプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、1mLの自家血液に浸した。
【0311】
実施例77:塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー4複合体インプラントの製造
インプラント8:rhBMP−2/ポリマー4複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.311mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の330μg、62.3mg/mLのポリマー4、即ち66mg、及びpH7.4の0.34Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の1060μLを、続いて、3.4M塩化カルシウム溶液の270μL、即ち920μmolを、そして最後に、1.37M水酸化ナトリウム溶液の270μL、即ち水酸化ナトリウムの370μmolを添加した。
【0312】
実施例78:塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー4複合体インプラントの製造
インプラント9:rhBMP−2/ポリマー4複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.151mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、30.2mg/mLのポリマー4、即ち32mg、及びpH7.4の0.34Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の1060μLを、続いて、3.4M塩化カルシウム溶液の270μL、即ち920μmolを、そして最後に、1.37M水酸化ナトリウム溶液の270μL、即ち水酸化ナトリウムの370μmolを添加した。
【0313】
実施例79:塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー4複合体インプラントの製造
インプラント10:rhBMP−2/ポリマー4複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.311mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の330μg、62.3mg/mLのポリマー4、即ち66mg、及びpH7.4の0.34Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolの溶液の1060μLを、そして最後に、1.7M塩化カルシウム溶液の540μL、即ち920μmolを添加した。
【0314】
実施例80:凍結乾燥させた塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント11:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.107mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、21.3mg/mLのポリマー1、即ち32mgの溶液の1500μLを、続いて、1.2M塩化カルシウム溶液の500μL、即ち塩化カルシウムの600μmolを、続いて、pH7.4の0.72Mリン酸ナトリウムの500μL、即ち360μmolを、そして最後に、0.54M水酸化ナトリウム溶液の500μL、即ち水酸化ナトリウムの270μmolを添加した。このインプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、1mLの自家血液に浸した。
【0315】
実施例81:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及びヒスチジンの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー4複合体インプラントの製造
インプラント12:rhBMP−2/ポリマー4複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.413mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の330μg、20.65mg/mLのポリマー4、即ち16.5mg、及びpH7.4の0.115Mリン酸ナトリウム、即ち92μmolの溶液の800μLを、そして最後に、0.3M塩化カルシウム溶液の800μL、即ち240μmol、及び0.2Mのヒスチジン、即ち160μmolを添加した。
【0316】
実施例82:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及びヒスチジンの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー4複合体インプラントの製造
インプラント13:rhBMP−2/ポリマー4複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.413mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の330μg、20.65mg/mLのポリマー4、即ち16.5mg、及びpH7.4の0.24Mリン酸ナトリウム、即ち192μmolの溶液の800μLを、そして最後に、0.4M塩化カルシウム溶液の800μL、即ち320μmol、及び0.4Mのヒスチジン、即ち320μmolを添加した。
【0317】
実施例83:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント14:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.2mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、40mg/mLのポリマー1、即ち32mg、pH7.4の0.45Mリン酸ナトリウム、即ち360μmol、及び0.75M炭酸水素ナトリウム、即ち600μmolの溶液の800μLを、そして最後に、0.75M塩化カルシウム溶液の800μL、即ち600μmolを添加した。
【0318】
実施例84:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント15:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.2mg/mLのBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、8mg/mLのポリマー1、即ち6.4mg、0.45Mリン酸ナトリウム、即ち360μmol、及び0.75Mの炭酸水素ナトリウム、即ち600μmolを含有する溶液の800μLを、そして最後に、0.75M塩化カルシウム溶液の800μL、即ち600μmolを添加した。
【0319】
実施例85:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント16:rhBMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋コラーゲンスポンジから、即ち4.52mLの容量のスポンジから得た。該スポンジに対し、0.2mg/mLのBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、20.6mg/mLのポリマー1、即ち16.5mg、0.24Mリン酸ナトリウム、即ち192μmol、及び0.75Mの炭酸水素ナトリウム、即ち600μmolを含有する溶液の800μLを、そして最後に、0.4M塩化カルシウム溶液の800μL、即ち320μmolを添加した。
【0320】
実施例86:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−7/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント17:0.071mg/mLのBMP−7、即ちBMP−7の5μg、31.3mg/mLのポリマー1、即ちポリマー1の1.5mg、pH7.4の0.24Mリン酸ナトリウム、即ち16.8μmol、及び0.4Mの炭酸水素ナトリウム、即ち28μmolの溶液の70μLを用いた、そしてその後の、0.4M塩化カルシウム溶液の70μL、即ち28μmolを用いた、円筒形の架橋I型コラーゲンスポンジの198μLの連続含浸後に、BMP−7/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを得た。このインプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、45μLの自家血液に浸した。
【0321】
実施例87:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−2/ポリマー2複合体インプラントの製造
インプラント18:rhBMP−2/ポリマー2複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを、2.25mLの容量の架橋されたコラーゲンスポンジから得た。該スポンジに対し、0.4mg/mLのrhBMP−2、即ちrhBMP−2の160μg、10mg/mLのポリマー2、即ち4mg、0.23Mリン酸ナトリウム、即ち92μmol、及び0.31Mの炭酸水素ナトリウム、即ち124μmolを含有する溶液29の400μLを、そして最後に、0.38M塩化カルシウム溶液の400μL、即ち153μmolを添加した。添加後、15分間、各々の溶液をスポンジと接触したままとした。これら浸漬時間後に、スポンジを移植のために準備した。
【0322】
実施例88:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhBMP−7/ポリマー3複合体インプラントの製造
インプラント19:0.41mg/mLのBMP−7含有溶液の800μL、即ちBMP−7の330μg、17.5mg/mLのポリマー3、即ちポリマー3の14mg、0.45Mリン酸ナトリウム、即ち360μmolを含有する溶液の800μL、そしてその後の、0.4M塩化カルシウム、即ち648μmol、及び0.61Mのプロリン、即ち488μmolを含有する溶液の800μLを用いた、架橋されたI型コラーゲンスポンジの4520μL容量の連続含浸後に、BMP−7/ポリマー3複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを得た。添加後、15分間、各々の溶液をスポンジと接触したままとした。これら浸漬時間後に、スポンジを移植のために準備した。
【0323】
実施例89:凍結乾燥された塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及びヒスチジンの存在下での、コラーゲンスポンジ/rhGDF−5/ポリマー2複合体インプラントの製造
インプラント20:0.5mg/mLのGDF−5、即ちGDF−5の750μg、20mg/mLのポリマー2、即ちポリマー2の30mgを含有する溶液の1500μL、そしてその後の、0.8M塩化カルシウム、即ち648μmol、及び0.38Mのヒスチジン、即ち285μmolを含有する溶液の750μLを用いた、架橋されたI型コラーゲンスポンジの4520μL容量の連続含浸後に、GDF−5/ポリマー2複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを得た。添加後、15分間、各々の溶液をスポンジと接触したままとした。これら浸漬時間後に、該スポンジを−80℃にて凍結し、そして凍結乾燥させた。移植30分前に、凍結乾燥させたスポンジの各々を、1.5mLの自家血液に浸した。
【0324】
耐圧縮性マトリックス(Compressive−Resistant Matrix)であるCRMを用いて、下記例に記載されるインプラントを製造した。この材料は、マスターグラフトマトリックス(MasterGraft Matrix)の名称の下でメドトロニックにより販売されている、I型ウシコラーゲンと、15%のヒドロキシアパタイト及び85%のβ−リン酸三カルシウムから成るリン酸カルシウム無機塩相とから成る混合マトリックスである。かかるマトリックス容量は、用途に応じて様々であり、ラットの異所に対する用途には140μLであり、ウサギの脊椎融合用途については5mLであった。
【0325】
実施例90:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、rhBMP−2/ポリマー2複合体を含有するCRMを囲むコラーゲンスポンジインプラントの製造
インプラント21:ラビットへの移植前に、インプラント16を用いて、5.0×1.0×1.0cm容量の乾燥CRM5.0mLの周りを包んだ。
【0326】
実施例91:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、CRM/rhBMP−2/ポリマー2複合体インプラントの製造
インプラント22:0.14mg/mLのBMP−2、即ちBMP−2の5μg、14mg/mLのポリマー2、即ちポリマー2の0.5mg、0.23Mのリン酸ナトリウム、即ち8μmol、及び0.31Mの炭酸水素ナトリウム、即ち11μmolの溶液の35μLを用いた15分間の、続いて、0.38M塩化カルシウム溶液の35μL、即ち13μmolを用いた15分間の、CRM140μL容量の連続浸漬後に、BMP−2/ポリマー2複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを得た。かかるCRMを移植のために準備した。
【0327】
実施例92:凍結乾燥された塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及びヒスチジンの存在下での、CRM/rhGDF−5/ポリマー2複合体インプラントの製造
インプラント23:0.86mg/mLのGDF−5、即ちGDF−5の30μg、14mg/mLのポリマー2、即ちポリマー2の0.5mg、0.23Mのリン酸ナトリウム、即ち8μmolの溶液の35μLを用いた15分間の、そしてその後の、0.34Mのヒスチジン溶液の17.5μL、即ち6μmol、を用いた15分間の、そして最後に、0.74M塩化カルシウム溶液の17.5μL、即ち13μmolを用いた15分間の、CRM140μL容量の連続浸漬後に、GDF−5/ポリマー2複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを得た。かかるCRMをその後−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。かかる凍結乾燥させたCRMを、移植30分前に、45μLの自家血液に浸した。
【0328】
実施例93:塩化カルシウム、リン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムの存在下での、CRM/rhBMP−2/ポリマー1複合体インプラントの製造
インプラント24:0.52mg/mLのBMP−2、即ちBMP−2の650μg、20mg/mLのポリマー1、即ちポリマー1の25mg、0.23Mのリン酸ナトリウム、即ち288μmol、及び0.31Mの炭酸水素ナトリウム、即ち388μmolの溶液の1250μLを用いた15分間の、そしてその後の、0.38Mの塩化カルシウム溶液の1250μL、即ち477μmolを用いた15分間の、CRM5.0mL容量の連続浸漬後に、BMP−2/ポリマー1複合体とリン酸カルシウム粒子との共沈物をベースとした骨形成インプラントを得た。かかるCRMを移植のために準備した。
【0329】
比較例1:20μgのrhBMP−2を含有するコラーゲンスポンジインプラントの製造
インプラント25:インフーズ型の緩衝液中の0.5mg/mLのrhBMP−2溶液の40μLを、無菌の200mm架橋コラーゲンスポンジ中に無菌的に導入した。移植前30分間、該溶液をコラーゲンスポンジ中のままとした。
インプラント25中のrhBMP−2投与量は20μgであった。
【0330】
比較例2:2μgのrhBMP−2を含有するコラーゲンスポンジインプラントの製造
インプラント26:インフーズ型の緩衝液中の0.05mg/mLのrhBMP−2溶液の40μLを、ヘリスタット型の無菌の200mm架橋コラーゲンスポンジ(インテグラライフサイエンス,プラインスボロ,ニュージャージー)中に無菌的に導入した。移植前30分間、該溶液をコラーゲンスポンジ中のままとした。
インプラント26中のrhBMP−2投与量は2μgであった。
【0331】
比較例3:5μgのrhBMP−7を含有するコラーゲンスポンジインプラントの製造
インプラント27:0.036mg/mLのBMP−7溶液の140μL、即ち5μgを用いて、円筒形の架橋I型のコラーゲンスポンジ198μLを浸漬した後、BMP−7をベースとした凍結乾燥された骨形成インプラントを得た。該インプラントをその後、−80℃にて凍結させ、そして凍結乾燥させた。該凍結乾燥スポンジを、移植前30分間、45μLの自家血液に浸した。
【0332】
比較例4:2.3mgのrhBMP−2を含有するコラーゲンスポンジインプラントの製造
インプラント28:寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋I型コラーゲンスポンジ、即ち4.52mL容量のスポンジを、1.45mg/mLのrhBMP−2溶液の1600μL、即ち2.3mgを用いて浸漬することにより、骨形成インプラントを得た。該溶液を、移植前30分間、コラーゲンスポンジ中のままとした。
【0333】
比較例5:1.3mgのrhBMP−2を含有するコラーゲンスポンジインプラントの製造
インプラント29:寸法5.02×2.54×0.35cmの架橋I型コラーゲンスポンジ、即ち4.52mL容量のスポンジを、0.80mg/mLのrhBMP−2溶液の1600μL、即ち1.3mgを用いて浸漬することにより、骨形成インプラントを得た。該溶液を、移植前30分間、コラーゲンスポンジ中のままとした。
【0334】
実施例94:種々の製剤の骨誘導力の評価
この実験の目的は、ラットにおける異所性の骨形成モデルにおける種々の製剤の骨誘導力を明らかにすることである。体重150ないし250gの雄ラット(Sprague Dawley OFA−SD,Charles River Laboratories France,B.p.109,69592 I’Arbresle)をこの実験のために使用した。
【0335】
鎮痛剤処理(ブプレノルフィン,テムゲシック(Temgesic)(登録商標),ファイザー株式会社,フランス国)を施した後に、外科的手段を行った。O−イソフルラン混合物(1−4%)の吸入により、ラットを麻酔した。広い背中部を刈ることによって毛皮を除去した。この背面部の皮膚を、ポビドン−ヨウ素溶液(ベテジン(Vetedine)(登録商標)溶液,ベトキノール(Vetoquinol),フランス)を用いて消毒した。
【0336】
右及び左の背面部の傍脊椎筋を剥き出しにするために、およそ1cmの傍脊椎切開を行った。トランス筋膜切開(transfascial incision)によって筋肉に到達した。各々のインプラントを、圧迫がそこに生じ得ないような方法で、窪みに置いた。ラット1匹当り4つのインプラントを移植した(1部位当り2つのインプラント)。その後、ポリプロピレン糸(プロレン4/0(Prolene4/0),エチコン(Ethicon),フランス)を用いてインプラントの開口を縫合した。非吸収性縫合糸を用いて皮膚を再び閉じた。その後、ラットをそれぞれのケージに戻し、それらの回復の間、観察し続けた。
【0337】
21日目に、チレタミン−ゾラゼパム(ゾレチル(ZOLETIL)(登録商標)25−50mg/kg,IM,バーバック(VIRBAC),フランス)の注射によって、ラットを麻酔した。
【0338】
その後、ペントバルビタール(ドレタール(DOLETHAL)(登録商標),ベトキノール(VETOQUINOL),フランス)の投与量を注射することによって、ラットを安楽死させた。その後、各々の部位の肉眼観察を行い、局所的な過敏症(炎症、壊死、出血)のいずれかの兆候、及び、骨及び/又は軟骨組織の存在をも記録し、そして以下のスケールに従い、等級分けした。 0:なし,1:微弱,2:並み 3:著しい,4:相当。
【0339】
各々インプラントをその移植部位から除去し、肉眼写真を撮った。その後、インプラントの寸法及び質量を決定した。その後、各々のインプラントを、緩衝した10%ホルムアルデヒド溶液中に保存した。
【0340】
結果:
この生体内実験は、ラット背面部の筋肉にインプラントを置いたことによる、rhBMP−2の骨誘導効果を測定することを可能にしている。非骨部位を異所性であるという。種々の実施例の結果を、下記表にまとめた。

【0341】
コラーゲンスポンジ中のrhBMP−2の20μg投与量(インプラント25,比較例1)によって、21日後に38mgの平均質量を有する骨化された外植片が得られた。
【0342】
コラーゲンスポンジ中のrhBMP−2の2μg投与量(インプラント26,比較例2)によっては、21日後にコラーゲンインプラントを見出し得るほどの十分ないかなる骨誘導力も有していなかった。
【0343】
rhBMP−2/ポリマー1複合体、塩化カルシウム及びリン酸ナトリウムの存在中において、コラーゲンスポンジ中に凍結乾燥された2μgのrhBMP−2の投与量(インプラント1,実施例70、及び、インプラント2,実施例71)によって、同じ投与量のrhBMP−2単独を用いたものとは対照的に、骨化された外植片を生じ得た。さらには、これら外植片は、rhBMP−2単独のものに相当する骨スコアよりも4倍大きい質量を有していた。従って、かかる製剤は、rhBMP−2の骨形成活性を改善し得た。
【0344】
同様の手法において、rhBMP−2/ポリマー1複合体及び塩化カルシウムを含有するコラーゲンスポンジに対するアスコルビン酸ナトリウムの添加(インプラント3,実施例72)によって、rhBMP−2単独のものに相当する骨スコアよりも、質量の点で4倍大きい骨化外植片が得られた。かかる製剤もまた、rhBMP−2の骨形成活性を改善し得た。
【0345】
実施例95:後側部融合における種々の製剤の骨誘導力の評価
この研究の目的は、ウサギ後側部融合モデルにおける種々の製剤の骨誘導力を明らかにすることである。かかる研究は、偽関節の誘導が望ましくないために、ニコチンによる処理を省略したことを除き、J.P.Lawrenceによる刊行物(Lawrence,J.P.他,Spine2007,32(11),1206−1213)に記載された実験プロトコルに従い、行った。
【0346】
脊椎融合を、移植された脊柱の触診により評価した。脊椎間の可動性の欠如は、融合と同義である。脊椎中の骨の存在を評価するために、脊柱をまた、12週間のマイクロCTにより解析した。種々のインプラントについて得られた結果を、下記表にまとめた。

【0347】
ウサギにおけるこれら後側部融合の研究から、リン酸カルシウム塩と共沈したBMP−2/ポリマー2複合体は、BMP−2単独に関するBMP−2単独の1.3mgと比べ4ないし8倍もBMP−2投与量を低減し得た。このことは、同様の融合結果を有する本願に従うこのモデルにおいて有効な投与量である。リン酸カルシウム塩と共沈したBMP−2/ポリマー複合体の場合において、0.16mgのBMP−2投与量においても、後側部融合が全てのウサギについて観察された。
【0348】
リン酸カルシウム塩と共沈したBMP−7/コポリマー複合体を含有するインプラントもまた、BMP−7の低投与量について、つまりインプラント当り0.33mgのBMP−7について、脊椎融合が見られた。かかる結果は、3.5mgのBMP−7投与量においてさえ、ウサギにおける100%の脊椎融合が達成されず、上記投与量は、研究されたもの(Yao,G.他,Spine2008,33(18),1935−1942)よりもずっと優れていることを示している。
【0349】
リン酸カルシウム塩と共沈したGDF−5/ポリマー複合体を含有するインプラントもまた、GDF−5の低投与量で、つまりインプラント当り750μgのGDF−5で、100%の脊椎融合を達成した。かかる結果は、2.5mgのGDF−5投与量においてさえ、ウサギにおける100%の脊椎融合が達成されず、上記投与量は、研究されたもの(Magit,David P.他,Spine2006,31(19),2180−2188)よりもずっと優れていることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不溶化形態にある骨形成タンパク質とアニオン性多糖類との少なくとも1種の複合体、及び少なくとも1種の不溶性カルシウム塩から成る共沈物であって、前記共沈物は分割形態にある、共沈物。
【請求項2】
前記不溶性カルシウム塩は、単独で又は混合物として無水形態又は水和形態にあるオルトリン酸カルシウムから成る群より選択される、請求項1に記載の共沈物。
【請求項3】
シュウ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び硫酸カルシウムから成る群より選択される少なくとも1種の不溶性カルシウム塩を含有する、請求項1又は2に記載の共沈物。
【請求項4】
前記不溶性カルシウム塩は、カルシウムカチオンイオンと、1、2又は3塩基性リン酸、カルボン酸多糖類、炭酸、水酸化物及び塩基により生じ得るアニオンのようなアニオンイオンとの間に形成される混合塩から成る群より選択される、請求項1に記載の共沈物。
【請求項5】
化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子をも含有する、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項6】
前記アニオン性多糖類は、疎水性誘導体によって官能化された多糖類から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項7】
前記アニオン性多糖類は、一般式IX:


(式中、
qは、F−R−G−Ahにより置換された多糖類のカルボキシル官能基のモル分率を表すものであって、0.01ないし0.7であり、
F’は、アミド官能基を表し、
Gは、エステル、チオエステル、カーボネート又はカルバメート官能基を表し、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Ahは、疎水性アルコールのヒドロキシル官能基と、R基により保有される少なくとも1つの求電子性官能基との間のカップリングから生じる、疎水性アルコールの残基を表し、
多糖類のカルボキシル官能基がF’−R−G−Ahにより置換されていない場合、多糖類のカルボキシル官能基(群)は、カルボン酸カチオン、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンのカルボキシレートを表し、
前記カルボキシル官能基を含有する多糖類は、中性pHにて両親媒性である。)
で表される、疎水性アルコールによって部分的に置換されたカルボキシル官能基を含有する多糖類から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項8】
前記カルボキシル官能基を含有する多糖類は、一般式X:


[式中、
天然多糖類は、大部分が(1,6)型及び/又は(1,4)型及び/又は(1,3)型及び/又は(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類群より選択され、
Lは、リンカーQと、前記多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基又はエーテル官能基であり、
rは、前記多糖類の糖単位当りのL−Q置換基のモル分率を表し、
Qは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つのカルボキシル官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表す]
で表される、100の糖単位当り少なくとも15のカルボキシル官能基がグラフトされた、カルボキシル官能基を天然に含有する多糖類から得られるか、又は中性多糖類から得られる合成多糖類であることを特徴とする、請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項9】
前記アニオン性多糖類は、
下記の一般式I:


[式中、
多糖類は、大部分が(1,4)及び/又は(1,3)及び/又は(1,2)型のグリコシド結合からなり、
Fは、リンカーアームRと、中性又はアニオン性多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基のいずれかを表し、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Trpは、トリプトファン誘導体のアミンと、R基により保有される少なくとも1つの酸及び/又はアニオン性多糖類により保有される少なくとも1つの酸との間のカップリングから生じるL−又はD−トリプトファン誘導体の残基を表し、
nは、Trpにより置換された基Rのモル分率であって、0.05ないし0.7であり、
oは、Trpにより置換された多糖類の酸官能基のモル分率であって、0.05ないし0.7であり、
iは、糖単位当りの基Rにより保有される酸官能基のモル分率であって、0ないし2であり、
jは、糖単位当りのアニオン性多糖類により保有される酸官能基のモル分率であって、0ないし1であり、
(i+j)は、糖単位当りの酸官能基のモル分率であって、0.1ないし2であり、
RがTrpにより置換されていない場合、基Rの酸(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属のカチオンであり、
前記多糖類がアニオン性多糖類である場合、多糖類の1つ以上の酸官能基(群)がTrpにより置換されておらず、その場合にそれらはカチオンにより塩化されており、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンであり、
前記多糖類は、中性pHにて両親媒性である。]
に対応する少なくとも1種のトリプトファン誘導体により官能化された、大部分が(1,4)、(1,3)及び/又は(1,2)型のグリコシド結合を含有するアニオン性多糖類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項10】
前記アニオン性多糖類は、下記の一般式III


(式中、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Fは、リンカーRと、中性の又はアニオン性の多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基のいずれかを表し、
AAは、アミノ酸のアミンと、基Rにより保有される酸との間のカップリングから生じる疎水性のL−又はD−アミノ酸残基を表し、前記疎水性のアミノ酸は、トリプトファン、トリプトファノール、トリプトファンアミド及び2−インドールエチルアミンのようなトリプトファン誘導体、及びそれらのアルカリ金属カチオン塩より選択されるか、或いは、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン及びバリン、及びそのアルコール、アミド又は脱カルボキシル化誘導体より選択され、
tは、グリコシド単位当りの置換基F−R−[AA]nのモル分率であって、0.1ないし2であり、
pは、AAにより置換された基Rのモル分率であって、0.05ないし1であり、
RがAAにより置換されていない場合、R基の酸(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンである)
で表される官能化されたアニオン性多糖類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項11】
前記骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα(dibotermin−alfa))、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα(eptotermin−alfa))、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1ないし10のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項12】
前記化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子は、PDGFである、請求項5ないし11のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項13】
少なくともBMP−2及びPDGF−BBを含有する、請求項6ないし12のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項14】
少なくともBMP−7及びPD−BBを含有する、請求項6ないし12のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項15】
少なくともGDF−5及びPDGF−BBを含有する、請求項6ないし12のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項16】
前記骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα)、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα)、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして前記化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子は、VEGFである、請求項6ないし12のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項17】
少なくとも、
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種の多糖類を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物、
d−不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物
を含有する、骨形成インプラントを調製するためのキット。
【請求項18】
少なくとも1種の塩基を含有する付加的な組成物をさらに含有する、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
組成物b、c又はdに添加され得る第2の塩基をさらに含有する、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
前記骨形成タンパク質を含有する組成物は、前記複合体を形成する多糖類をさらに含有し得る、請求項17ないし19のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項21】
前記複合体を含有する組成物は、不溶性カルシウム塩を形成し得るアニオンの可溶性塩及び/又は塩基をさらに含有し得る、請求項17ないし19のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項22】
前記多糖類を含有する組成物は、不溶性カルシウム塩を形成し得る可溶性アニオン塩及び/又は塩基をさらに含有し得る、請求項17ないし19のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項23】
前記可溶性カルシウム塩を含有する組成物は、塩基をさらに含有し得る、請求項17ないし19のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項24】
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類、少なくとも1種の塩基及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩を含有する組成物
を含有するキット。
【請求項25】
a−少なくとも1種の骨形成タンパク質を含有する組成物、
b−少なくとも1種のアニオン性多糖類及び不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物、
c−少なくとも1種の可溶性カルシウム塩及び少なくとも1種の塩基を含有する組成物
を含有するキット。
【請求項26】
前記アニオン性多糖類は、疎水性誘導体により官能化された多糖類から成る群より選択される、請求項17ないし25のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項27】
前記アニオン性多糖類は、一般式IX:


[式中、
qは、F−R−G−Ahで置換された多糖類のカルボキシル官能基のモル分率を表すものであって、0.01ないし0.7であり、
F’は、アミド官能基を表し、
Gは、エステル官能基、チオエステル官能基、カーボネート官能基又はカルバメート官能基のいずれかを表し、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Ahは、疎水性アルコールのヒドロキシル官能基と、R基により保有される少なくとも1つの求電子性官能基との間のカップリングから生じる、疎水性アルコールの残基を表し、
多糖類のカルボキシル官能基がF’−R−G−Ahにより置換されていない場合、多糖類のカルボキシル官能基(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンを表し、
前記カルボキシル官能基を有する多糖類は、中性pHにて両親媒性である。]
で表される、疎水性アルコールにより一部が置換されたカルボキシル官能基を含有する多糖類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項26に記載のキット。
【請求項28】
前記カルボキシル官能基を含有する多糖類は、一般式X:


[式中、
天然多糖類は、大部分が(1,6)型及び/又は(1,4)型及び/又は(1,3)型及び/又は(1,2)型のグリコシド結合から成る多糖類群より選択され、
Lは、リンカーQと、前記多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基又はエーテル官能基であり、
rは、前記多糖類の糖単位当りのL−Q置換基のモル分率を表し、
Qは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表す]
で表される、100の糖単位当り少なくとも15のカルボキシル官能基がグラフトされた、カルボキシル官能基を天然に含有する多糖類から得られるか、又は中性多糖類から得られる合成多糖類であることを特徴とする、請求項26に記載のキット。
【請求項29】
前記アニオン性多糖類は、下記の一般式I:


[式中、
多糖類は、大部分が(1,4)及び/又は(1,3)及び/又は(1,2)型のグリコシド結合からなり、
Fは、リンカーアームRと、中性又はアニオン性多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基のいずれかを表し、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Trpは、トリプトファン誘導体のアミンと、R基により保有される少なくとも1つの酸及び/又はアニオン性多糖類により保有される少なくとも1つの酸との間のカップリングから生じるL−又はD−トリプトファン誘導体の残基を表し、
nは、Trpにより置換された基Rのモル分率であって、0.05ないし0.7であり、
oは、Trpにより置換された多糖類の酸官能基のモル分率であって、0.05ないし0.7であり、
iは、糖単位当りの基Rにより保有される酸官能基のモル分率であって、0ないし2であり、
jは、糖単位当りのアニオン性多糖類により保有される酸官能基のモル分率であって、0ないし1であり、
(i+j)は、糖単位当りの酸官能基のモル分率であって、0.1ないし2であり、
RがTrpにより置換されていない場合、基Rの酸(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属のカチオンであり、
前記多糖類がアニオン性多糖類である場合、多糖類の1つ以上の酸官能基(群)がTrpにより置換されておらず、その場合にそれらはカチオン、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンにより塩化されており、
前記多糖類は、中性pHにて両親媒性である。]
に対応する、少なくとも1種のトリプトファン誘導体により官能化された、大部分が(1,4)型及び/又は(1,3)型及び/又は(1,2)型のグリコシド結合を含有するアニオン性多糖類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項26に記載のキット。
【請求項30】
前記アニオン性多糖類は、下記の一般式III


(式中、
Rは、枝分れ状であっても、及び/又は不飽和であっても、O、N及び/又はSのような1つ以上のヘテロ原子を含有していてもよく、そして少なくとも1つの酸官能基−COHを有する1ないし18個の炭素原子を含有する鎖を表し、
Fは、リンカーRと、中性の又はアニオン性の多糖類の−OH官能基との間のカップリング由来のものであって、エステル官能基、チオエステル官能基、アミド官能基、カーボネート官能基、カルバメート官能基、エーテル官能基、チオエーテル官能基又はアミン官能基のいずれかを表し、
AAは、アミノ酸のアミンと、基Rにより保有される酸との間のカップリングから生じる疎水性のL−又はD−アミノ酸残基を表し、前記疎水性のアミノ酸は、トリプトファン、トリプトファノール、トリプトファンアミド及び2−インドールエチルアミンのようなトリプトファン誘導体、及びそれらのアルカリ金属カチオン塩より選択されるか、或いは、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン及びバリン、及びそのアルコール、アミド又は脱カルボキシル化誘導体より選択され、
tは、グリコシド単位当りの置換基F−R−[AA]nのモル分率であって、0.1ないし2であり、
pは、AAにより置換された基Rのモル分率であって、0.05ないし1であり、
RがAAにより置換されていない場合、R基の酸(群)は、カルボン酸カチオンであって、前記カチオンは、好ましくはNa又はKのようなアルカリ金属カチオンである)
で表される官能化されたアニオン性多糖類からなる群より選択されることを特徴とする、請求項26に記載のキット。
【請求項31】
前記骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα(dibotermin−alfa))、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα(eptotermin−alfa))、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項17ないし30のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項32】
前記化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子は、PDGFである、17ないし30のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項33】
少なくともBMP−2及びPDGF−BBを含有する、請求項17ないし30のうちいずれか1項に記載の共沈物。
【請求項34】
少なくともBMP−7及びPD−BBを含有する、請求項17ないし30のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項35】
少なくともGDF−5及びPDGF−BBを含有する、請求項17ないし30のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項36】
前記骨形成タンパク質は、BMP−2(ジボテルミンα)、BMP−4、BMP−7(エプトテルミンα)、BMP−14及びGDF−5の単独、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、そして前記化学的吸引力及び血管形成力を有する少なくとも1種の成長因子は、VEGFである、請求項17ないし30のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項37】
前記可溶性カルシウム塩は、塩化カルシウム、D−グルコン酸カルシウム、ギ酸カルシウム、D−サッカリンカルシウム、酢酸カルシウム、L−乳酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム及びアスパラギン酸カルシウムから成る群より選択される、請求項17ないし36のうちいずれか1項にキット。
【請求項38】
前記可溶性カルシウム塩は、塩化カルシウムである、請求項17ないし36のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項39】
前記カルシウムイオンとの沈澱物を形成し得る可溶性アニオン塩は、アニオンが、リン酸イオンPO3−、リン酸水素イオンHPO2−及びリン酸二水素イオンHPOを包含するリン酸アニオンから成る群より選択される可溶性塩である、請求項17ないし38のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項40】
前記塩基は、無機及び有機塩基より選択される、請求項17ないし38のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項41】
前記無機塩基は、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムから成る群より選択される、請求項40に記載のキット。
【請求項42】
前記有機塩基は、アミン及び脱プロトン化されたアミノ酸から成る群より選択される、請求項40に記載のキット。
【請求項43】
前記有機塩基は、イミダゾール及びその誘導体から成る群より選択され、とりわけ、ヒスチジン、プロリン、エタノールアミン及びセリンである、請求項40に記載のキット。
【請求項44】
少なくとも1種の有機マトリックス又は無機マトリックス又は混合マトリックスをさらに含有する、請求項17ないし43のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項45】
前記マトリックスは、架橋ポリマーをベースとしたヒドロゲル及び/又はマトリックスから成る群より選択される有機マトリックスである、請求項44に記載のキット。
【請求項46】
前記ヒドロゲルは、ポリマー鎖の化学的又は物理的架橋により得られたヒドロゲルである、請求項45に記載のキット。
【請求項47】
前記架橋ポリマーは、架橋され且つ滅菌された精製天然コラーゲンである、請求項45に記載のキット。
【請求項48】
前記ヒドロゲルは、エチレングリコールと乳酸とのコポリマー、エチレングリコールとグリコール酸とのコポリマー、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリビニル酸、ポリアクリルアミド及びポリアクリル酸を包含する合成ポリマー群より選択される、請求項46に記載のキット。
【請求項49】
前記ヒドロゲルは、ヒアルロン酸、ケラタン、プルラン、ペクチン、デキストラン、セルロース及びセルロース誘導体、アルギン酸、キサンタン、カラギーナン、キトサン、コンドロイチン、コラーゲン、ゼラチン、ポリリシン、フィブリン、並びに生物学的に許容され得るそれらの塩を包含する天然ポリマー群より選択される、請求項45に記載のキット。
【請求項50】
前記キットを構成する組成物は、水溶液である、請求項17ないし50のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項51】
前記キットを構成する組成物は、凍結乾燥物である、請求項17ないし50のうちいずれか1項に記載のキット。
【請求項52】
カルシウムイオン塩溶液の添加により、前記アニオン性ポリマーと前記骨成長タンパク質との複合体を沈澱させる段階、
与えられたpHにおける、不溶性カルシウム塩を形成し得る少なくとも1種の可溶性アニオン塩を含有する組成物の添加により、カルシウムイオンを沈澱させる段階、
により与えられる共沈段階を含み、
前記アニオン性ポリマーと骨形成タンパク質との複合体は、前記アニオン性多糖類溶液を前記骨形成タンパク質溶液に添加することにより得られる、請求項1ないし16のうちいずれか1項に定義される共沈物の製造方法。
【請求項53】
前記カルシウム塩の沈澱は、可溶性リン酸溶液の添加により、リン酸カルシウムの形態で生じる、請求項52に記載の方法。

【公表番号】特表2012−509303(P2012−509303A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536920(P2011−536920)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際出願番号】PCT/FR2009/001332
【国際公開番号】WO2010/058106
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(508090088)
【Fターム(参考)】