説明

骨盤ベルト

【課題】腰部の自然の動きを極力抑制することなく、腰部異常発生時の治療、応急処置、発生の防止に役立つ腰椎ベルトを提供する。
【解決手段】伸縮性を有する多孔性基布からなる広幅の第一ベルト1と、第一ベルト1中央部で縫合された高い剛性率を持ったパッド部2ーCと両端部が第一ベルトよりも低い伸縮性基布のベルト2−A−1,2−A−2からなり、手軽に締め付け圧を調整できる機能を持った締め付けベルトからなる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は腰部の自然な動きを極力抑制することなく腰部異常発生時の治療、応急処置、異常発生の防止に役立つ腰椎ベルトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
腰痛の予防、治療に使用する腰椎帯として、腰椎と仙椎の間に生ずるずれの防止や、ずれた椎骨を元の位置に戻す為に腰部をしっかりと固定することが基本でした。最近は締めすぎによる障害、外力の変化に手軽に対応できる構造を意識した工夫が見られます。例として実公昭52−7115、特開平11−104159に記載がみられます。後者に記載されている腰痛帯は、中央部にパットが取りつけられた帯状本体部に端部が固定された一対の締め付けベルトを備え、上記帯状本体部をパットが背中側に来るように腰部に巻き、一対の締め付けベルトをパットの上を通って互いに反対向きに巻きまわして腰部に締め付けて装着するようにした腰椎帯です。装着に際しては、まず帯状本体部のパッドを腰椎の上にあて、腰部に巻いて面ファスナーによりその位置に仮固定する。
このとき、帯状本体部の少なくともパットの両側の部分が所定幅にわたり伸縮性にある材質で構成されているが、この部分に続いて両末端部までの両側の部分が所定幅にわたり伸縮性のない材質で構成されている。
続いて左右の締め付けベルトを引っ張って腰部の締め付けを行うとパットの両側に形成されている折り返し部分が互いに接近し、この折り返し部を除く帯状本体部全体が締め付けられ、この締め付けに費やされた締め付けベルトの長さは折り返し間の低下として現れてきます。この事は、連続的に締め付け圧を調整できることになる利点として考えますが、帯状本体部と背部との密着性を低下させ、又締め付け長の限界が生ずる可能があり治療ベルトとしての適用範囲を狭くしています。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の腰痛帯では腰痛の予防としての使用が主であり、急な腰痛に対して対応できない。本発明はこれとは全く異なる急な腰痛に対しても対応するために発明されたものであり、この観点で提案されたものは、いまだ存在しない。
【0004】
腰痛帯を装着すると、きつく締め付けることにより腰の支持の機能をもつが、きつく締めた場合に不規則な凹凸を生じ、腰部の支持力の若干の不均一を生じている。
【課題を解決するための手段】
伸縮性を有する多孔性基布からなる広幅の第一ベルト(1)と、多孔性基布からなる第一ベルトよりも低い伸縮性を有する(2−A−1、2)と(2−B−1、2)、そしてベルト中央部にあり、第一ベルトに縫合されているパッド(2−c)の3部分で構成された第2ベルト(2)を備え、急な腰痛時や腰部に負担のかかる環境下にある時に、図▲5▼にあるように、第1ベルトを巻いた状態から(2−A−2)と(2−B−2)の各ベルト端を、各々2個の矩形リングを経過して引っ張ることによって、両側の第一起点が体壁に沿って腹側に移動する。次に第二起点に力が加わり、(2−c)の両端が引っ張られ、軽い力で連続的な締め付け圧が変化できることを見いだし、本発明を完成した。
【発明実施の形態】
【0005】
以下図1〜3を参照にして、本発明に係る腰痛ベルトを具体的に説明する本発明に係る腰痛ベルトは腰部に巻かれる帯状本体部1とパッド部(2−c)・一対の締め付けベルト部(2−A−1、2)(2−B−1、2)からなる。
【0006】
まず、帯状本体部1は伸縮性がある材質で構成されており、図3で示すように本体部1には、両端に矩形リングが縫合されたパッド部(2−c)が上下端縫い付けられ、(7)、(8)ではポケットになっているシール部が縫合されている。(7)・(8)は、ポケット内にプラスチックの板を入れ帯状本体部の皺を発生しにくいように取り付けられている。また、帯状本体部1の端、6の裏面には面ファスナー(1−M−2)が縫合され、5の表面には(1−M−2)と経合する(2−M−1)が縫合されている。
【0007】
締め付けベルト(2−A−1、2)(2−B−1、2)はそれぞれの端部が(7),(8)に縫合されている。
矩形リング(3−1)・(4−1)が、パッド部(2−c)の両端に矩形リングを縫合しており、(2−A−1)・(2−B−1)は矩形リング(3−1)・(4−1)をそれぞれ挿通している。
又、締め付けベルト(2−A−2)は、遊端部表面に面ファスナー(2−M−1)を縫合しており、(2−B−2)遊端部裏面には面ファスナー(2−M−1)と経合する面ファスナー(2−M−2)が取り付けられている。
【0008】
次に図3を参照に装着する手順を説明する。まず、帯状本体部をパッドの位置が仙骨部にくるように腰部にあて、上前腸骨棘のやや下方に第2ベルト上端がくるように巻き(図4参照)、上記一対の締め付けベルトを締め付け装着する。前記帯状本体部は全体が伸縮性のある材質で構成され、その本体部中央に仙骨を保護する位置でパッド部が縫合されており、前記一対の締め付けベルトは、前記帯状本体部より低い伸縮性を持っている。
従来例であれば、余剰長さを吸収するため、帯状本体部の1部が2重折で作られておりますが、本発明では、帯状本体部が伸縮性を持っているため、締め付けベルトで締め付けても帯状本体部全体で余剰長さの分だけ収縮しますので皺になりにくく身体に密着させて締め付けることが可能である。
【発明の効果】
【0009】
本発明品は軽量で、取り付け操作が簡単です。日常生活でも着用の違和感がなく腰痛の緩和、アクシデント的負荷時の体の異常発生緩和の機能があります。
又締め付けベルト使用では身体に密着して簡単な操作で締め付け程度を連続的に調整することが可能です。腰痛の異なる症状、運動・作業の内容の違いに対応した広い対応性があります。軽量で携帯しやすく、腰痛の予防対策、急な腰痛に対しての応急対策としての使用が可能です。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有する多孔性基布からなる広幅の第一ベルト(1)と、高い剛性率からなり、第一ベルトと同一幅ベルト中央部にあり、第一ベルトに縫合されているパッド(2−c)と多孔性基布からなる第一ベルトよりも低い伸縮性を有する(2−A−1、2)と(2−B−1、2)の3部分から構成された第2ベルト(2)からなり、手軽に締め付け圧の調整が出来る骨盤ベルト。
【請求項2】
第2ベルトの中央部分は、幅両端で第1ベルトと縫合され、その左右端には矩形リング(3−1)、(4−1)が固定されているベルト中央部(2−c)と、一端が第一ベルトの有端部(5)(6)の所定の位置(7)(8)にテープで縫製され、もう一端が矩形リング(3−1)、(4−1)を貫通し、リング(3−2)(4−2)を固定している2枚のベルト(2−A−1)(2−B−1)と、(2−A−1)(2−B−1)のベルトと同様に、一端が第一ベルトの有端部(5)(6)の所定の位置(7)(8)にテープで縫製され、リング(3−2)(4−2)を貫通しているベルト(2−A−2)(2−B−2)、から構成されている請求項1に記載のベルト。
【請求項3】
第1ベルトのいずれかの端部(6)の裏面、第2ベルトの両端ベルト(2−B−2)の裏面、(2−A−2)の表面には、各々所定の面ファスナーが取り付けられている請求項1又は(2)に取り付けられている請求項1に記載の腰椎ベルト。

【公開番号】特開2012−61290(P2012−61290A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227954(P2010−227954)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(391028591)日進医療器株式会社 (5)
【Fターム(参考)】