説明

高められた性能をもつプラスチックのクロージャー

性能を高め、そしてクロージャーの重量を低減するようになっているプラスチックのクロージャーが開示される。該クロージャーは特に、クロージャーの所望のフープ強度と封止性を提供する上部の保持部分と、適用中に付属容器上にクロージャーを誘導する機能を果たしながら軽量に形成されている下部の誘導部分、とを有する、成形材料の内側の螺旋ネジ山形成部を有する。該クロージャーは更に、比較的厚い外側領域と比較的薄い中央領域とを有する、段付きの上面の壁部分を備えることができる。クロージャーの不正開封防止帯は、高められた不正開封抵抗のための変形可能な自由縁の部分を有するようにさせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概括的に、飲料容器等に使用のためのような、重合体材料から形成されるプラスチッククロージャーに関し、そしてより具体的には、高められた不正開封抵抗性のみならずまた、重量を最少にしながら、高められた封止性および構造性能のために形成されたプラスチックのクロージャーに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性重合体材料から成形されるプラスチックのクロージャーは、飲料等の製品を容れる容器上への使用に対して市場で広く受け入れられてきた。圧縮成形または射出成形により効率的に形成することができるこのタイプのクロージャーは典型的には、付属容器にネジで適用するようになっており、また更に、容器の内容物を有効に封止するために容器に嵌合し、容器と協力するようになっている。このタイプのクロージャーは、外側のクロージャーシェルと内側の封止ライナーを有するいわゆる複合クロージャーとして、または、クロージャーシェル自体が付属容器と所望の封止共働を与えるようになっている、いわゆる「ライナーなし」のクロージャーとして形成することができる。
【0003】
前記のタイプのクロージャーは営業的に非常に成功してきたが、同時に、各成形クロージャーの形成に要する重合体材料の量を最少にしながら、このようなクロージャーの封止性と構造性能を高めることにより多用途の使用が促進される。
【0004】
前記のタイプのクロージャーのその他の望ましい特徴は、不正開封抵抗のためのクロージャーの形成、すなわち、付属容器からのクロージャーの部分的または完全な取り外しの、視覚的に識別可能なそして/または耳で聞こえる証拠を提供するように各クロージャーを形成する方法に関する。このタイプのクロージャーは典型的には、クロージャーの本体から容易に分離され得る、クロージャーの側壁またはスカート部分の切断部による不正開封の証拠を提供する。この分離可能な特徴はしばしば、不正開封防止帯と呼ばれる。不正開封防止帯は典型的にはクロージャーの本体の一部として成形されるが、複数の壊れやすい接合部分により少なくとも一部は取り外し可能にクロージャーに接合される。これらの接合部品(時にはリーダーまたはブリッジと呼ばれる)は、消費者による容器からのクロージャーの取り外しに伴って確実に破損し、破壊しまたは変形するように十分に弱いが、成形品としての取出し、輸送およびクロージャーの適用期間中の切断または破損を回避するのに十分な強度を提供するようになっている。
【0005】
不正開封防止帯のデザインの重要な態様は、クロージャーの不正開封防止帯を付属容器に非可逆的に適用させるが、クロージャーが一部または全体を取り外される時には、可視的に破損されるようになることが意図される特徴である。当業者は、典型的に「タブ」、「ウイング」または「ニブ」の形態で提供される「一方向」の特徴を熟知している。これらの特徴はクロージャー適用中に、典型的に「A」直径と呼ばれる容器上の嵌合特徴として「スナップ留め」または嵌合される。この「A」直径は、その下方にクロージャーの不正開封防止帯の「一方向」の特徴が保持される容器の首から、放射方向に外側に突き出すリングである。
【0006】
分離が消費者に明白であるように、分離された不正開封防止帯を、クロージャーの残りの部分から落下させるように、軸方向の逃げ(時には、「落下空間」と呼ばれる)を不正開封防止帯の開放端と「A」直径特徴との間に提供しなければならない。しかし、このようなデザインの欠点は、クロージャーと不正開封防止帯を、不正開封防止帯の不正開封防止機能を破壊するために不当な方法で操作することができることである。不正開封防止機
能を破る一つの方法は、不正開封防止帯と容器の「A」直径特徴の間の「落下空間」中の、不正開封防止帯の下に指の爪または道具を挿入し、そして次に、容器に対するクロージャーの相対的回転を伴い、または伴わずに、容器からクロージャーを外す、工程を伴う。この方法の操作により、特徴を引き出して、「A」直径特徴から引き離すか、あるいはそれらを弾き落とすか、または曲げて除く方法により、タブまたはウイングのような「一方向」特徴が破壊されるように、不正開封防止帯の開放端に十分な力を形成することができる。
【0007】
前記のデザインの考察を鑑みると、高められた不正開封抵抗性のみならずまた、高められた封止性および構造性能を示すプラスチックのクロージャーを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
発明の要約
本発明の原理を具体的に表すプラスチッククロージャーの態様は特に、高められた不正開封抵抗性のみならずまた、高められた封止性および構造性能をもつように形成された。本発明のクロージャーは特に、飲料容器等に対する有効な使用のために必要な封止性と構造性能をまだ達成しながら、それから形成される重合体材料の使用量を最少にするようになっている。クロージャーは更に、高められた不正開封抵抗性をもつようになっており、それにより更に飲料容器等に対する効率的で広範な使用を促進する。
【0009】
図示された態様に従うと、本発明のプラスチックのクロージャーは円盤形の上面の壁部分と、上面の壁部分から垂れ下がる環状のスカート部分とを備える。環状のスカート部分は特に、材料の必要量を最少にしながら、特にクロージャーの性能を高めるようになっている、成形材料の、内部の螺旋ネジ山構成物を有する。
【0010】
ネジ山形成部はとりわけ、約360°にわたりクロージャーの内部に連続的に延伸する上部の保持部分を有する。螺旋ネジ山形成部は更に、保持部分からクロージャーのスカート部分の開放端の方向に螺旋状に延伸する下部の誘導部分を有する。クロージャーの材料の必要量を最少にするために、ネジ山形成部の下部の誘導部分は、ネジ山形成部の上部の保持部分の断面積より小さい断面積を有する。好適な形態において、ネジ山形成部の下部の誘導部分は、クロージャーがそれに適用される付属容器内からの気体のガス抜きを促進するための、複数の、円周上に隙間を空けて配置された中断部を区画する。もっとも好適には、ネジ山形成部の下部の誘導部分により区画される、円周上に隙間を空けて配置された中断部は、クロージャーと容器の間の封止が開放される時に、付属容器により区画されるガス抜きの溝と実質的に整列するように円周上に配置される。
【0011】
図示された態様に従うと、ネジ山形成部の上部の保持部分は実質的に均一な断面積を有する。ネジ山形成部の上部の保持部分を、約360°だけ円周上に延伸するように形成することにより、クロージャーの閉鎖端に最も近いネジの部分は比較的強度が高く、硬く、望ましくはクロージャーの開放端に向かうネジ山形成部の下端に比較して、クロージャーのフープ強度を高める。ネジ山形成部の強化された部分は望ましくは、同時に、望ましくは十分な強度を保持しながらクロージャーの側壁の厚さと重量の減少を許しながら、クロージャーに対する過剰なトルクの適用によるネジ山形成部の剥離に抵抗するクロージャーの能力を高める。ネジ山形成部の比較的強力な保持部分は望ましくは、クロージャーの封止特徴と付属容器の上面との間の封止に対して圧力を維持するクロージャーの能力を高める。
【0012】
図示される態様において、付属容器とのクロージャーの封止嵌合は、クロージャーが適用される容器の内側面と封止嵌合するための、上面の壁部分から垂れ下がる内側の環状の
プラグ封止素子の提供により実施される。図示される態様に従うと、本発明のクロージャーは更に、クロージャーがそれに適用される容器の、外側に面する表面と嵌合するための、プラグ封止素子の外側の、上面の壁部分から垂れ下がる外側の環状封止素子を有する。
【0013】
この図示された配列により、外側の環状封止素子がクロージャーに対する主要な封止を提供し、外側の封止素子が、上面の壁部分とスカート部分との接合部におけるクロージャーの圧力ブロック領域と、完全に適用された状態における付属容器の仕上げ端との間に填め込まれる時に、その封止が形成される。外側の環状封止素子は柔軟な膜として働き、封止素子の外径が圧力ブロック面に対して圧迫する時に、封止素子の内径と容器の仕上げ端に封止物が形成される。
【0014】
クロージャーの内側の環状のプラグ封止素子がクロージャーと容器包装体に二次的封止を提供する。この二次的封止は上面の荷重ガス抜き中に重要である可能性があり、動的封止として働き、クロージャーの開放時のガス抜きにおいて重要な役割を果たす。二次的封止は好適には、望ましくはクロージャーの重量を軽減し、そして上面の荷重適用中に、より早急な嵌合を可能にするために、比較的短い、典型的なプラグ封止配列より短いサイズに形成される。短い封止側はまた望ましくは、クロージャー開放中に早期に付属容器内からガス抜きするように働き、それによりできるだけ早く気体圧力のガス抜きを補助する。
【0015】
本発明のクロージャーの好適な態様において、クロージャーの上面の壁部分は二種の異なる厚さの領域を有する。比較的厚い、外側の環状領域は概括的に、クロージャーの「肩」の部分に提供され、内側と外側の封止素子双方がそれから垂れ下がる上面の壁部分の領域を提供する。
【0016】
これに対し、上面の壁部分の、比較的薄い、中央の領域は、外側の環状領域の内側に位置する。比較的薄い領域と比較的厚い領域の中間の接合部または段付き部分は、クロージャーの上面の壁部分が内部の気体圧力の影響下で「中高そりを形成する」、すなわち外側に変形する時の変曲点として働く。比較的薄い領域は従来のクロージャーにより典型的に示される中高そりより大きく中高そりを形成する。それに対し、内部圧力は、上面のパネル中の段付き部分のために、比較的厚い上面のパネル領域の中高そりに対して最少の影響を有する。この配列により、クロージャーの封止は中高そりと内部圧力により最少の影響を受ける。上面の荷重を受けると、クロージャーのこの形態は上面のパネルの中央領域のみに撓みをもたらし、上面のパネルの比較的厚い外側の環状領域にはごく僅かな影響のみを有する。封止素子はまた、上面のパネルの形態により、最少の影響を受ける。これが望ましくは、従来の炭酸ソフトドリンクの気体圧力と上面の荷重のガス抜き性能において、均一な厚さをもつ、典型的な上面のパネルの形態よりも、性能の良い、軽量の上面パネルのデザインをもたらす。
【0017】
注目されるように、本タイプのクロージャーには、好適にはクロージャーの不当な操作に対して消費者に警告するための不正開封防止用の特徴が提供される。この目的のために本発明のクロージャーは、クロージャーのスカート部分から垂れ下がり、そして少なくとも一部は取り外し可能に接合された不正開封防止帯を有するようにさせることができる。不正開封防止帯は特に、環状の帯部分と、環状の帯部分の下端から垂れ下がる、比較的薄い、変形可能な不正開封防止リングを有する。不正開封防止リングは不正な操作を受けると容易に変形され、従って、不正開封防止帯を破壊する操作の、視覚により識別可能な証拠を与える。
【0018】
本発明のその他の特徴および利点は以下の詳細な説明、添付の図面および添付請求項から容易に明白になると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の原理を表すクロージャーの断面図である。
【図2】図2は図1に示されたクロージャーの一部の比較的拡大された、破断透視図である。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明は様々な形態の態様をもつ可能性があるが、本開示は本発明の例示として考慮され、図示される特定の態様に本発明を限定することは意図されないことを理解して、現在好適な態様が図に示され、以下に説明される。
【0021】
ここで図面において、本発明の原理を示すプラスチックのクロージャー10が示される。クロージャー10は当該技術分野で知られた圧縮成形または射出成形法により効率的に形成されることができ、適当な重合体の熱可塑性材料から形成することができる。更に詳述されるように、クロージャー10は、付属容器と共働して封止するようになっている一体型の、ライナーなしの形態で示されているが、本発明の特徴は外側のクロージャーの殻内に配置された別の封止用ライナーを有する、いわゆる複合クロージャー用に容易に適合させることができることは理解されると考えられる。
【0022】
図示された態様に従うと、クロージャー10は概括的にカップ型であり、上面の壁部分12と、上面の壁部分から垂れ下がる環状のスカート部分14とを備える。更に説明されるように、環状のスカート部分14は、クロージャーが適用されるビンまたはその他の容器の外部の螺旋ネジ山形成部とのネジ嵌合およびそれとの協力のために、その内面上に成形材料の螺旋ネジ山形成部を有する。
【0023】
付属容器からのクロージャー10の部分的または完全な取り外しの証拠を与えるために、クロージャーは、環状スカート部分14に少なくとも部分的に取り外し可能に接合された不正開封防止帯16を有する。図示される態様において、不正開封防止帯16は、内側に、複数の、円周上に隙間を空けて配置された比較的柔軟な突起または「ウイング」20が延伸する環状の帯部分18を有する。これらの突起は、クロージャーの取り外し中、突起がスカート部分14から不正開封防止帯16を少なくとも一部は取り外し可能に接合するように容器と協力するように、クロージャー10が容器に完全に適用された後に、付属容器と協力する。
【0024】
この目的のために、不正開封防止帯16とスカート部分14の間に脆弱な接合部が提供される。図示される態様において、脆弱な接合部は、スカート部分14の内面と不正開封防止帯16の環状の帯18の間に延伸する複数の、円周上に隙間を空けて配置されたリブ状のブリッジ22により提供される。スカート部分14と不正開封防止帯16は、その刻み線が、少なくとも一部は幾つかのブリッジ22中に延伸し、それによりブリッジがスカート部分と不正開封防止帯の間に所望の脆弱な接合部を与える、スカート部分と不正開封防止帯を分離するためにそれらの間に延伸する、円周上に延伸している刻み線24により相互から区別される。
【0025】
本発明に従うと、クロージャー10は、上部の保持部分26と、円周上に隙間を空けて配置された複数のネジセグメント28により提供される下部の誘導部分、とを有する成形材料の、螺旋内側ネジ山形成部を有する。クロージャー10のネジ山形成部は、同時にクロージャーを望ましくは減量させるようにしながら、ネジ山形成部の異なる部分がクロージャーの必要な性能の必要条件のために特別に形成された、という意味で、成形材料である。
【0026】
とりわけ、ネジ山形成部の上部の保持部分26は、約360°全体にわたりクロージャーの内部に連続的に延伸し、それにより、望ましくは、時にはフープ強度と呼ばれるクロージャーの強度と硬度を高める。クロージャーのこの強化された部分は望ましくは、同時に望ましくはクロージャーのスカート部分14の厚さと重量を軽減させながら、クロージャー適用中のような、クロージャーに対する過剰なトルクの適用によるネジの取り外しに抵抗するクロージャーの能力を増加する働きをする。ネジ山形成部の上部の保持部分は望ましくは、有効な封止のために、付属容器に対するクロージャーの圧力を維持するクロージャーの能力を高める働きをする。
【0027】
図示される態様に従うと、ネジ山形成部の上部の保持部分26は、クロージャー10の内面全体に、中断せずに連続的に延伸し、ネジ山形成部の上部の保持部分はその長さ全体にわたり実質的に均一な断面積を有する。
【0028】
本発明に従うと、クロージャー10の螺旋ネジ山形成部は更に、図示される態様においては、円周上に隙間を空けて配置されたネジ部分28により提供される、下部の誘導部分を有する。ネジ山形成部の下部の誘導部分は特に、上部の保持部分の断面積より小さい断面積を有し、従って、消費者による再適用中のみならずまた、最初の適用中のように、クロージャーが付属容器に適用される時に、下部の誘導部分に必要な誘導機能を実施させる。下部の誘導部分に、より小さい断面積を与えることにより、クロージャーの性能の特徴を損なうことなく、重量の軽減を望ましく達成する。
【0029】
図示された態様において、ネジ山形成部の下部の誘導部分のネジ部分28は、クロージャーが適用される付属容器内からのガス抜きを促進するための、複数の、円周上に隙間を空けて配置された中断部30を区画する。好適な形態において、ネジ山形成部の下部の誘導部分により区画される中断部30は、クロージャーと容器間の封止が開放される時に付属容器により区画されるガス抜き溝と実質的に整列して円周上に配置される。従って、中断部は開放時に容器内から気体が逃げる所望の通路を与え、従って最短時間に最大量の気体のガス抜きを促進する。
【0030】
従って、認められるように、ネジの中断部30は、クロージャーが、クロージャーの封止を開放することにより、捕捉された気体を解放する地点まで緩められるまで、どの中断部も働かないように配置されている。更に、ネジの中断部30は、それらが容器の仕上げ縁においてガス抜き体(すなわち中断部)と相互反応し、従って封止が開き始める回転角度において容器内の内部に捕捉された気体の逃げの最大の経路を与えると考えられる地点の近くに集まるような位置に配置される。同時に、中断部30は好適には、適用中に容器の仕上げネジ上にクロージャーを誘導する働きをする、ネジ山形成部の下部の誘導部分の、容量と質量を最小にするような位置に配置される。
【0031】
注目されるように、クロージャー10はいわゆるライナーなしクロージャーとして形成され、そして、この目的のために、別の封止ライナー等に頼ることなく、付属容器と封止嵌合を実施するための特徴を有する。クロージャー10はとりわけ、クロージャーがそれに適用される容器の内面と封止嵌合するための、クロージャーの上面の壁部分12から垂れ下がる内部の環状プラグ封止素子32を有する。クロージャー10は更に、クロージャーがそれに適用される容器の概括的に外側に面する面と嵌合するためのプラグ封止物32の外側に、上面の壁から垂れ下がる、外側の、環状封止素子34を有する。そのペンダント様の断面の形態のお陰で、時には「扁桃」封止物と呼ばれる、環状の、封止素子34はクロージャーのための主要封止として意図され、そして、概括的にクロージャーの上面の壁部分12とスカート部分14の接合部の内面に形成される圧力遮断領域36と協力して働く。封止素子34が圧力遮断領域36と付属容器の外面の間に捕捉されるこの封止形態は、クロージャーの上面の壁部分の内面に対して内部の気体圧力をかける炭酸ソフトドリ
ンクによる使用に対し、特に有効であることができる。このような圧力の適用に伴って、プラスチックのクロージャーは典型的には、このようなクロージャーの上面の壁部分が内部の気体圧力の影響下で常温流れまたは「クリープ」にさらされる時に、「中高そり」と呼ばれる効果を示す。本発明のクロージャー構成において、内部の気体圧力の影響下で、環状封止素子34は、付属容器と高められた封止嵌合にもたらされる。
【0032】
図示された態様に従うと、上面の壁部分12を、比較的厚い外側の環状領域38と、外側の環状領域38の内側に位置する比較的薄い中央領域40、とを有するようにさせることにより、クロージャー重量の軽減のみならずまた、高められた封止性が達成される。認められるように、環状のプラグ封止素子32と外側の環状封止素子34は、上面の壁部分12の比較的厚い環状領域38から垂れ下がる。
【0033】
この図示された態様により、比較的厚い環状領域38は、比較的薄いパネル領域が比較的厚い外側の領域の内側に配置されている、プラグ封止物32と外側の封止物34を支える「クロージャーの肩」に提供される。上面の壁部分の薄い領域と厚い領域の間の接合部または段付き部分42は、クロージャーが内部圧力により中高そりを形成する時の変曲点として働く。薄い領域は典型的な従来のクロージャーより大きく中高そりを形成する。内部の気体圧力は、上面の壁部分12における段付き部分42により、比較的厚いパネル領域の中高そりに対して最少の効果を有する。
【0034】
従って、上面のパネルのデザインを変えることは、中高そりと内部圧力によりクロージャーの封止に最少の影響を受けさせることができる。このデザインにより、上面の荷重が適用される時に、比較的厚い上面の壁領域には軽減された効果を伴って、上面の壁部分の中央の部分のみが撓む。従って、クロージャーの封止はまた、上面の壁部分のこのような撓みにより最少に影響を受ける。その結果、クロージャーの軽量の上面の壁の部分が、炭酸ソフトドリンクの圧力レベルを封止する事実と上面の荷重のガス抜き性能に伴って、上面の壁部分の均一な厚さを有する従来のクロージャーより、良好な封止性を与えること、が発見された。
【0035】
前記に認められるように、図示された態様のクロージャー10は不正開封防止帯16を有することにより不正開封防止用に形成される。しかし、不正開封抵抗性は、不正開封防止帯16の下端のクロージャーの自由縁で操作を行うことができる、クロージャーの不正操作により危うくされる可能性があることが認められている。
【0036】
従って、本発明に従うと、不正開封抵抗性は、不正開封防止帯の環状の帯部分18の下端から垂れ下がる、比較的薄い、変形可能な不正開封防止リング44の提供により高められる。不正開封防止リング44は、不正開封防止帯を破壊する操作の視覚的に識別可能な証拠を与えるために、容易に変形可能であるようになっている。
【0037】
不正開封防止リング44の提供により、クロージャーは、クロージャーの開放端に軸方向、放射方向または垂直方向の力がかかったことを使用者に明白に示す。不正開封防止リングの提供は、クロージャーの主要な不正開封防止の特徴を破壊する場合のあらゆる試みを、使用者に不可逆的に示す。不正開封防止リングは、色彩の変化または変形のいずれかにより、主要な不正開封防止の特徴を破壊する試み中にかけられる力が、明らかな、不可逆的な証拠を引き起こすような、半径方向の厚さに対する軸方向の長さの比率を有するようになっている。
【0038】
以上から、本発明の新規の考え方の真の精神と範囲から逸脱せずに、多数の修正および変更を実施することができることが認められると考えられる。本明細書に図示された特定の態様に関して、どんな限定も意図されず、推測されるべきでない。本開示は請求の範囲
内に入るすべてのこれらの修正物を添付請求項により網羅することが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の壁部分、および
前記上面の壁部分から垂れ下がる環状のスカート部分、
を備えて、
前記の環状のスカート部分は成形材料の、内側の螺旋ネジ山形成部を有し、前記ネジ山形成部は、約360度にわたりクロージャーの内部内に連続的に延伸する上部の保持部分を有し、また更に前記の保持部分から前記スカート部分の開放端の方向に螺旋状に延伸する下部の誘導部分を有し、
前記のネジ山形成部の前記の下部の誘導部分は、前記のネジ山形成部の前記の上部の保持部分の断面積より小さい断面積を有する、プラスチックのクロージャー。
【請求項2】
前記ネジ山形成部の前記の下部の誘導部分は、前記クロージャーが適用される付属容器内からの気体のガス抜きを促すための、円周上に隙間を空けて配置された複数の中断部を区画する、請求項1に記載のプラスチックのクロージャー。
【請求項3】
前記ネジ山形成部の前記の下部の誘導部分により区画される中断部、前記クロージャーと容器の間の封止が開放される時に付属容器により区画されるガス抜き溝との実質的整列のために円周上に配置されている、請求項2記載のプラスチックのクロージャー。
【請求項4】
前記ネジ山形成部の前記の上部の保持部分は実質的に均一な断面積を有する、請求項1に記載のプラスチックのクロージャー。
【請求項5】
前記クロージャーは、前記クロージャーが適用される容器の内面と封止嵌合するための、前記の上面の壁部分から垂れ下がる内側の環状のプラグ封止素子と、前記クロージャーが適用される容器の外側に面する表面と嵌合するための、前記プラグ封止素子の外側に、前記の上面の壁部分から垂れ下がる、外側の環状封止素子、とを有し、
前記クロージャーの前記の上面の壁部分は、前記の内側のプラグ封止素子と前記の外側の封止素子が垂れ下がる、比較的厚い外側の環状領域と、前記の外側の環状領域の内側に位置する比較的薄い中央領域、とを有する、請求項1に記載のプラスチックのクロージャー。
【請求項6】
前記クロージャーは、前記クロージャーの前記スカート部分から垂れ下がり、そして少なくとも一部は取り外し可能に接合された不正開封防止帯を有し、
前記不正開封防止帯は環状の帯部分と、前記の環状の帯部分の下方の縁から垂れ下がる比較的薄い、変形可能な不正開封防止リングとを有し、
前記不正開封防止用リングは、前記不正開封防止帯を破壊するための操作の、視覚的に識別できる証拠を提供するように変形可能である、請求項1に記載のプラスチックのクロージャー。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−516367(P2013−516367A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547290(P2012−547290)
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/062466
【国際公開番号】WO2011/082282
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(505279259)クロージヤー・システムズ・インターナシヨナル・インコーポレーテツド (14)
【氏名又は名称原語表記】Closure Systems International, Inc.
【Fターム(参考)】