説明

高ハイト分割ダイレール

【課題】
手元にある高ハイト分割ダイレール1にて、上面に2連のV溝を有する分割式同芯2Vダイ2を、そのV溝が上型に対して芯出しして分割式同芯2Vダイ用ダイレール3に、分割式同芯2Vダイ2底面の凹溝と分割式同芯2Vダイ用ダイレール3の凸部を介して、着脱式に固定できるようになっているプレスブレーキにおいて、曲げ加工時にワーク4とダイホルダー底部5の干渉を手軽かつ確実に避け、加工コストの低減化を達成できるようにしたダイレールを提供する。
【解決手段】
本発明は上記プレスブレーキにおいて、既存の分割式同芯2Vダイ用ダイレール3と分割式同芯2Vダイ2との間に設置し、分割式同芯2Vダイ2上面をダイホルダー底部5に対して相対的に高くすることにより、容易かつ確実に干渉を避け、曲げ加工を可能とするよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材をV上に折り曲げるためのダイと、該ダイの上面にV溝を上型に対して芯出ししてダイレールに着脱式に固定できるように構成されるプレスブレーキに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ワークを鍵状に曲げる場合、ワーク端より製品の形状どおり曲げてしまうと、寸法によってはダイホルダー底部に干渉してしまい、曲げ加工を行うことが不可能なため、最初の一箇所目は一度45度程度曲げ、その後二箇所目を曲げてから再度一度目の曲げ部分を深く曲げるという、2度曲げを考慮する必要があり、曲げ工程の順序を考えながら曲げる必要があった。
【0003】
また別の方法として、可能であれば通常曲げる順序とは逆の順序で曲げるように、プレスブレーキの設定を変更するため再計算の必要があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記の2度曲げやプレスブレーキの設定変更は手間と労力を必要とするばかりでなく、作業の遅延となる原因となっていた。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、その目的とするところは、手間や労力をかけず簡単かつ短時間に作業することが可能となるダイレールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の問題を解決するため本発明は、上面に2連のV溝を有する分割式同芯2Vダイを、そのV溝が上型に対して芯出しして分割式同芯2Vダイ用ダイレールに、分割式同芯2Vダイ底面の凹溝と分割式同芯2Vダイ用ダイレールの凸部を介して、着脱式に固定できるようになっているプレスブレーキにおいて、前記分割式同芯2Vダイ用ダイレールと同様の凸部をもつ形状を備え、付加価値の高い板材の折り曲げに使用する分割式同芯2Vダイ用ダイについて、再度芯出しの調整をする必要が無いよう構成した。
【0007】
また、折り曲げ加工の際のダイのズレや倒れを防止するための押え金具を取り付けできるようダイレール側面にネジ穴を備えるよう構成した。
【0008】
さらに様々な幅を持つ前記分割式同芯2Vダイ用ダイに対応することが可能となるように、同様の幅のダイレールを揃え構成した。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明に係る上面に2連のV溝を有する分割式同芯2Vダイを、そのV溝が上型に対して芯出しして分割式同芯2Vダイ用ダイレールに、分割式同芯2Vダイ底面の凹溝と分割式同芯2Vダイ用ダイレールの凸部を介して、着脱式に固定できるようになっているプレスブレーキにおいて、折り曲げ加工時のワークとダイホルダー底部が干渉する際に手軽に利用が可能なことから、折り曲げ加工時の寸法によるワークの曲げの順序を考慮する必要が減少し、作業時間の短縮、ひいては加工コストの低減化に寄与できるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本願の組立状態を示す斜視図の図面代用写真、図2は本願の断面を表す図面代用写真、図3は従来のワークの干渉例の図面代用写真、図4は本願の実施例の図面代用写真である。
【実施例】
【0011】
図1および図2を参照するに、本願の高ハイト分割ダイレール1は、上部に分割式同芯2Vダイ2の底部に設けた凹溝と系合させるための凸条部を有し、底部には既存の分割式同芯2Vダイ用ダイレール3の凸部を介して、着脱式に固定できるように凹溝を設け、必要な際に容易に設置することが可能な構成としている。
【0012】
図3を参照するに、曲げ加工にてワーク端6がダイホルダー底部5に干渉してしまい、そのままでは曲げ加工が不可能な状態となる場合がある。
【0013】
前記の状態を解消するべく、図1および図3を参照するに、本願の高ハイト分割ダイレール1を既存の分割式同芯2Vダイ用ダイレール3と分割式同芯2Vダイ2の間に系合し、ワーク端6とダイホルダー底部5との干渉を避けることにより、容易に曲げ加工を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本願の高ハイト分割ダイレール1を備えておくことにより、曲げ加工時の手順の考慮や、手間および労力を減少することが可能となり、加工コストの低減化を達成できるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願の組立状態の斜視図の図面代用写真である。
【図2】本願の断面を示す図面代用写真である。
【図3】従来例を示す図面代用写真である。
【図4】本願の実施例を示す図面代用写真である。
【符号の説明】
【0016】
1 高ハイト分割ダイレール
2 分割式同芯2Vダイ
3 既存の分割式同芯2Vダイ用ダイレール
4 ワーク
5 ダイホルダー底部
6 ワーク端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に2連のV溝を有する分割式同芯2Vダイを、そのV溝が上型に対して芯出しして分割式同芯2Vダイ用ダイレールに、分割式同芯2Vダイ底面の凹溝と分割式同芯2Vダイ用ダイレールの凸部を介して、着脱式に固定できるようになっているプレスブレーキにおいて、前記分割式同芯2Vダイ用ダイレールと分割式同芯2Vダイとの間に設置し、分割式同芯2Vダイ上面をダイホルダー底部に対して相対的に高くすることを目的とすることを特徴とする分割ダイレール。
【請求項2】
折り曲げ加工をする際に、前記分割式同芯2Vダイのズレ、倒れを防止するための押え金具を取り付けるネジ穴をダイレール側面に備えた請求項1に記載の分割ダイレール。
【請求項3】
前記分割式同芯2Vダイの分割寸法に合わせ、様々な幅の寸法を設定することを特徴とする請求項1、2に記載の分割ダイレール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−194714(P2008−194714A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31395(P2007−31395)
【出願日】平成19年2月11日(2007.2.11)
【出願人】(505105453)
【Fターム(参考)】