説明

高分子粒子の製造方法

【課題】化学反応場が懸濁液の油滴に限定される化学反応系において、マイクロ波照射によって反応促進可能な、汎用性に優れる高分子粒子の製造方法を提供すること。
【解決手段】
油溶性オレフィンモノマーと、油溶性重合開始剤と、水に不溶又は難溶な両親媒性高分子と、水とを混合して、前記油溶性オレフィンモノマー、前記油溶性開始剤、前記両親媒性高分子を有し、表面に前記両親媒性高分子が存在する油滴を有する懸濁液を得る工程と、前記懸濁液の1L当たり1.0kW以上10.0kW以下のマイクロ波を照射することで、前記油滴中の該油溶性オレフィンモノマーを重合する工程と、を有することを特徴とする懸濁重合法による高分子粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
合成反応や分解反応、酸化還元反応等の化学反応系にマイクロ波を照射することによって、化学反応が促進され、反応速度を高められることが報告されている(特許文献1参照)。これらのマイクロ波照射を伴う化学反応は、現在、マイクロ波化学プロセスという技術領域に位置付けられ、研究がなされている。
一方、例えば懸濁重合のように、化学反応場が水中油滴型懸濁液(以下、懸濁液)の油滴に限定される化学反応系にマイクロ波を照射する場合、マイクロ波は分散媒である水に優先的に吸収され油滴に伝達されにくいため、化学反応を促進することは困難である。以下では、優先的に吸収されることを「優先吸収」とも記載する。
【0003】
非特許文献1は、磁性体内包粒子を得る目的で、フェライトを含むモノマー油滴にマイクロ波を照射すると、懸濁重合の重合速度を向上させ得ることを開示している。我々は、非特許文献1では、水以上にマイクロ波を吸収しやすいフェライトを用いることにより、懸濁重合の油滴にマイクロ波が優先吸収されるため、化学反応が促進されたと推察している。
【0004】
しかしながら、非特許文献1の効果は、磁性体内包粒子を目的とする場合にのみ効果を発揮する。例えば、有機染料や有機顔料を内包する着色粒子や、薬剤を内包するマイクロカプセル等、工業的に有用な高分子粒子を得る目的においては、フェライトのような金属類添加物は不純物であるため、非特許文献1を適用することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−250511号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】イー チャン,ルイジン リュウ,ユリン フ 及び ゴンケ リ(Yi Chang,Ruijin Liu,Yuling Hu,and Gongke Li)著,Analytical Chemistry,2009年,Vol.81,p.967−976,
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような理由から、例えば懸濁重合のように、化学反応場が懸濁液の油滴に限定される化学反応系を、マイクロ波照射によって促進可能な、汎用性に優れる高分子粒子の製造方法が求められており、本発明の解決しようとする課題はこの点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的は、下記構成により達成される。
すなわち本発明は、
油溶性オレフィンモノマーと、油溶性重合開始剤と、水に不溶又は難溶な両親媒性高分子と、水とを混合して、前記油溶性オレフィンモノマー、前記油溶性開始剤、前記両親媒性高分子を有し、表面に前記両親媒性高分子が存在する油滴を有する懸濁液を得る工程と、前記懸濁液の1L当たり1.0kW以上10.0kW以下のマイクロ波を照射することで、前記油滴中の該油溶性オレフィンモノマーを重合する工程と、を有することを特徴とする懸濁重合法による高分子粒子の製造方法、に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば懸濁重合のように、化学反応場が懸濁液の油滴に限定される化学反応系を、マイクロ波照射によって促進可能な、汎用性に優れる高分子粒子の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の高分子粒子の製造方法を示す図である。
【図2】本発明に用いられる冷却手段を備えたマイクロ波反応装置の第1、および第2の実施形態を示す図である。
【図3】本発明に用いられる冷却手段を備えたマイクロ波反応装置を示す図である。
【図4】マイクロ波の平均照射出力に対する反応促進の効果を示す図である。
【図5】本発明に用いられる両親媒性高分子を含有する懸濁液のマイクロ波吸収効率を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明における高分子粒子の製造方法について、図1を用いて説明する。
液体Aは、油溶性オレフィンモノマー10の中に油溶性重合開始剤11と水に不溶又は難溶な両親媒性高分子12が溶解した油性液体である。一方、液体Bは水13を主体とする水性液体である。懸濁工程にて、液体Aを液体Bに懸濁することにより、油滴14が液体Bに分散した懸濁液Cを得る。油滴14は液体Aから構成されるが、油溶性オレフィンモノマー10と液体Bの表面エネルギーを最小化することを駆動力として、両親媒性高分子12は、油滴14中の、特に、表面近傍に局在する。重合工程にて、懸濁液Cにマイクロ波を照射すると、油滴14の表面近傍に局在する両親媒性高分子12がマイクロ波を優先的に吸収し、結果として油滴14が優先的に加熱(以下、「優先加熱」とも記載する。)され、高分子粒子15が生成する。このように、両親媒性高分子12を用いることで生じる油滴14が優先加熱される現象(以下、「優先加熱現象」とも記載する。)が、油溶性重合開始剤11の分解を促進し、油溶性オレフィンモノマー10の重合速度の向上に寄与する。なお、図1の化学反応系において、便宜上、油溶性重合開始剤11を液体Aに含めて図示しているが、実際には液体Aに含まれることは必須でない。油溶性重合開始剤11は、マイクロ波の照射によって油溶性オレフィンモノマー10を重合させる際に油滴14の中に存在すれば良い。
【0012】
図1に示すように、本発明の最大の特徴は、水に難溶、又は不溶な両親媒性高分子を用いる点にある。懸濁重合のような、化学反応場が懸濁液の油滴に限定される化学反応系では、懸濁液を分散安定化する目的で、分散剤を使用する。本発明では、両親媒性高分子に対し、分散剤としての機能と、マイクロ波を優先吸収するための添加物としての機能の両方を付与することにより、汎用性に優れる高分子粒子の製造方法を提供することを可能としている。
【0013】
本発明で用いられる両親媒性高分子は、1本の高分子鎖の中に疎水性ユニットと親水性ユニットを有することを特徴とする。このような両親媒性高分子が、マイクロ波を優先吸収するための添加物として機能する理由は明確ではないが、我々は下記のように考察している。分子の配向の度合いが大きいほどマイクロ波の吸収効率が高まる。一方、油性液体と水性液体から形成される界面に両親媒性高分子を局在させる場合、両親媒性高分子は、分子中に含まれる極性基を界面に配向させる性質を有する。すなわち、界面における両親媒性高分子が分子配向を呈することによって、本発明における両親媒性高分子がマイクロ波を優先吸収する添加物としての機能を発揮すると推察される。
【0014】
上記推察の裏付けとして、本発明における両親媒性高分子を含有する懸濁液は、本発明における両親媒性高分子を含有しない懸濁液に比べ、マイクロ波の吸収効率が著しく高くなる現象を確認している。例えば、図5に示すように、本発明で用いられる両親媒性高分子1を含有する懸濁液と、両親媒性高分子を含有しない懸濁液のそれぞれに対して、10kW/lの定格マイクロ波を連続的に照射した際、後者と比較して前者の場合において著しく高いマイクロ波の吸収効率を観測した。一方、両親媒性高分子1をトルエンに溶解した液体は、トルエン単独に対してマイクロ波を照射した場合と比較して、マイクロ波吸収効率に顕著な差異は観測されない。このことからも、懸濁液界面における両親媒性高分子の分子配向が、マイクロ波の吸収効率向上に大きく寄与しているものと推察できる。
【0015】
本発明で用いられる両親媒性高分子の疎水性ユニットとは、溶解度パラメータ(以下、SP値とも記載する。)が20(MPa)1/2未満の化学構造単位である。具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン、スチレン、ジビニルベンゼン、クロロスチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、等のモノマーユニットの他、例えば、一般式1(a)〜(e)で示される繰り返し構造単位を例示することができる。ただし、本発明の目的を達成可能な範囲において、疎水性ユニットはこれらに限定されない。
【0016】
【化1】

【0017】
一方、本発明で用いられる両親媒性高分子の親水性ユニットとは、SP値が20(MPa)1/2以上の化学構造単位である。具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のモノマー構造を例示することができる。ただし、本発明の目的を達成可能な範囲において、親水性ユニットはこれらに限定されない。
【0018】
1本の両親媒性高分子について、疎水性ユニットと親水性ユニットの配置様式は、一般式2(a)に示すようにランダム的な配置であっても、一般式2(b)に示すようにブロック的な配置であっても、一般式2(c)に示すようにグラジエント的な配置であっても良い。ただし、ブロック的な配置の特殊な配置様式として、一般式2(d)に示すような疎水性ユニットの連続的な配置の片末端、或は両末端に1つの親水性ユニットを配置する場合、一般に、下記場合に限り両親媒性高分子として機能する。すなわち、両親媒性高分子が親水性ユニットとしてカルボン酸、リン酸、スルホン酸等の水和力の強い官能基を1種類以上有し、且つ重量平均分子量(Mw)が1000以上10000以下の場合である。
【0019】
【化2】

【0020】
前記一般式2(d)のような疎水性ユニットと親水性ユニットの特殊な配置様式を除き、本発明に用いられる両親媒性高分子の分子量は、重量平均分子量において1000以上1000000以下であることが好ましい。更に好ましくは3000以上1000000以下である。1000000を超えると分子内、或は分子間の絡まり合いにより、著しい粘性増加を生じ、懸濁工程が実施困難となることから好ましくない。また、1000未満である場合、単位時間あたりにおける界面への吸着頻度が十分でないため、マイクロ波の優先吸収を期待できない他、分散剤としての機能も低下するため好ましくない。重量平均分子量は、光散乱法、小角X線散乱法、沈降平衡法、拡散法、超遠心法や各種クロマトグラフィー等、従来公知の方法によって測定することが出来る。なお、本発明においては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用い、ポリスチレン換算にて重量平均分子量を測定した。
【0021】
本発明で用いられる両親媒性高分子は、親水性ユニットか疎水性ユニットのどちらか一方、或はその両方に、カルボニル基、ヒドロキシル基、エーテル基、アミノ基、シアノ基、チオカルボニル基、チオール基のような極性基を有することが好ましい。中でもカルボニル基は、分極率が大きく、双極子モーメントも大きいため、マイクロ波吸収に対して有利であることから特に好ましい。本発明における両親媒性高分子は、水に不溶、又は難溶であることを必須とする。両親媒性高分子が水溶性である場合、両親媒性高分子は懸濁液の水相に存在するため、本発明で意図する油滴の優先加熱現象を期待できない。また、両親媒性高分子が水溶性である場合、水相に僅かに分配する油溶性オレフィンモノマーを可溶化して副反応を生じる場合があり、好ましくない。
【0022】
両親媒性高分子の水溶性は、一般的な高分子化合物の溶解性試験によって判断される。具体的な方法は下記の通りである。任意pHに調製した水に、両親媒性高分子を3重量%になるように混合して混合液とし、25℃で、24時間振とうしてから24時間放置する。24時間放置後、均一溶液として存在する場合を可溶、ゲル又は粒状の外観を示す不完全溶解した状態を難溶、ゲル又は膨潤がなく、溶質に対する水の作用が認められない状態を不溶とする。
【0023】
本発明で用いられる油溶性オレフィンモノマーは、水と実質的に混和せず、水性溶剤と混合した際に界面を形成するモノマーである。油溶性オレフィンモノマーの水に対する溶解度は、常温(20℃)において3%(水100gに対して油溶性オレフィンモノマー3g)以下であることが好ましい。この条件を満たせば、懸濁工程において懸濁液を良好に形成できる。また、水を含有する化学反応系における適用性や、操作の簡便性等の観点から、ラジカル重合開始剤の開裂反応によって重合可能なラジカル重合性モノマーであることがより好ましい。重合性不飽和芳香族類や重合性カルボン酸エステル類は、有機溶剤との相溶性、懸濁液の安定性、重合反応の制御性等の点で有利である。具体的には、スチレン、クロロスチレン、α―メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸―n−ブチル等を油溶性オレフィンモノマーとして例示することができる。ただし、本発明の目的を達成可能な範囲において、油溶性オレフィンモノマーはこれらに限定されない。また、油溶性オレフィンモノマーは、1種類を用いても良いし、複数を適宜混合して用いても良い。
【0024】
本発明で用いられる油溶性重合開始剤は、20℃の水に対する溶解度が10重量%以下であり、反応温度において油溶性オレフィンモノマー中に溶解するものである。本発明の目的を達成可能な範囲において従来公知の重合開始剤を適用可能であるが、操作の簡便性や、水を含有する化学反応系において良好に機能するという観点から、ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。ラジカル重合開始剤として、具体的に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−メチルブタンニトリル)、1,1’−アゾビス−(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ(アゾビスニトリル)系の重合開始剤や、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、過酸化アセチル、過酸化ラウロイル、過酸エステル(例えばt−ブチルペルオクテート、α−クミルペルオキシピバレートおよびt−ブチルペルオクテート)等の過酸化物系の重合開始剤を例示することができる。ただし、本発明の目的を達成可能な範囲において、油溶性重合開始剤はこれらに限定されない。また、油溶性重合開始剤は1種類を用いても良いし、複数を適宜混合して用いても良い。
【0025】
本発明における懸濁工程は、例えば、高せん断型ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、薄膜旋回型高速ミキサー等、機械的エネルギー付与に基づく従来公知の攪拌・せん断装置を用いることで達成される。また、本発明における懸濁工程は、SPG(シラス多孔質ガラス)膜を利用する膜乳化法や、マイクロチャネル乳化法やマイクロ流路分岐乳化法等のマイクロリアクター等、界面化学的なメカニズムに基づく乳化方法によっても達成可能である。これらの方法は、単独で用いることも、或は複数を組み合わせて用いることもできる。また、懸濁工程は、本発明の目的を達成可能な範囲において、1段階で実施しても良いし、多段階で実施しても良い。
【0026】
本発明における懸濁工程においては、油滴の分散安定性を高める目的で、従来公知の界面活性剤や高分子分散剤、無機分散剤等を併用しても良い。中でも無機分散剤は、ブロッキング作用に基づく分散安定化効果が大きく、温度変化に対しても優れた安定性を示すことから好ましく適用することができる。また、無機分散剤を使用することは、目的物である高分子粒子の分離・精製を容易にすることができるという観点からも好ましい。このような無機分散剤として、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナ等が例示される。ただし、本発明の目的を達成可能な範囲において、無機分散剤はこれらに限定されない。
【0027】
本発明は、重合工程において、懸濁工程にて油溶性オレフィンモノマーと油溶性重合開始剤、両親媒性高分子、および水を含有する混合液を懸濁することにより得た懸濁液に対して、前記懸濁液の単位容量(1L)当たり、平均1.0kW以上10.0kW以下の出力のマイクロ波を照射する。1.0kW未満である場合、マイクロ波の大半が水に吸収されてしまい、重合反応を促進することができない。一方、10.0kWより大きい場合、重合反応の暴走等の問題が生じる可能性があり、化学反応系の制御性や、安全性の観点から好ましくない。
【0028】
本発明における重合工程において、高出力マイクロ波の照射により誘発される化学反応系の過剰加熱を抑制し、且つ高出力マイクロ波を連続的に照射することを目的として、従来公知の冷却手段を備えたマイクロ波反応容器を用いることができる。
【0029】
冷却手段を備える場合、マイクロ波反応容器は、図2(a)あるいは(b)の構成が好ましい。
【0030】
図2(a)は、冷却手段を備えたマイクロ波反応装置の第1の実施形態を示したものである。このマイクロ波反応装置では、懸濁液を収容するための反応容器22と、反応容器22に収容された懸濁液にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射手段23と、反応容器22に収容された懸濁液を冷却するための冷却手段21と、を備えている。
第1の実施形態は、冷却手段が反応容器の内部にある形態である。
マイクロ波の照射方向はどのような方向でもよく、一方向から照射されても、反応容器周囲から照射されてもよい。また、冷却手段は、反応容器の内部に収まる限り、複数個を備えていても良い。
【0031】
図2(b)は、本発明に用いられるマイクロ波反応装置の第2の実施形態を示したものである。このマイクロ波反応装置は、懸濁液を収容するための反応容器22と、反応容器22に収容された懸濁液にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射手段23と、反応容器22に収容された懸濁液を冷却するための冷却手段21と、を備えている。
【0032】
第2の実施形態は、冷却手段が反応容器の外部にある形態である。そして、本実施形態のマイクロ波反応装置における冷却手段21は、反応容器22と隣接して設けられるとともに、マイクロ波照射手段23から照射されるマイクロ波24の照射方向(図中矢印の伝搬方向)に対して反応容器22より下流側に位置する。
【0033】
図2(a)(b)のように、反応容器22と冷却手段21を配置することによって、高出力のマイクロ波24の照射から誘発される化学反応系の過剰加熱を抑制することができる。冷却手段を備えたマイクロ波反応装置を用いる場合、前記懸濁液に対して、前記懸濁液の単位容量(1L)当たり、平均1.5kW以上10kW以下の出力のマイクロ波を照射することが好ましい。マイクロ波照射による消費電力と反応促進効果の両方を考慮する場合、さらに好ましくは平均1.5kW以上5.0kW以下である。1.5kW未満である場合、冷却手段の近傍で温度が急激に低下する低温領域、更には冷温領域が生じることに起因する反応抑制効果が強く働くため、反応促進が観測されない。一方、10.0kWより大きい場合、重合反応の暴走等の問題が生じる可能性があり、化学反応系の制御性や、安全性の観点から好ましくない。
【0034】
また、本発明における重合工程においては、マイクロ波を照射するとともに、従来公知の方法による加熱や紫外線照射等、油溶性重合開始剤の開裂反応を促進するための何らかの手段を併用しても良い。
本発明におけるマイクロ波は、0.3GHz〜300GHzの周波数帯を用いることができる。現時点において、電波法による規制の観点から、家庭用の電子レンジに使用されている2.45GHz帯が最も利用しやすいが、本発明の目的を達成可能な範囲においてこれらの周波数帯に限定されない。
【実施例】
【0035】
以下、本発明における高分子粒子の製造方法の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0036】
(マイクロ波吸収効率の評価)
80gのイオン交換水に、0.8gのリン酸三カルシウムを添加し、ホモミキサーを用いて、室温下で10,000rpmにて攪拌し、水性液体を作製した。次いで、20gのトルエンに1.0gの被評価物質を溶解し、これを前記水性液体中に加え、ホモミキサーにて15分間攪拌(10,000rpm)して懸濁液を調製した。
【0037】
この懸濁液(20℃)に対して、出力200Wのマイクロ波を連続的に照射して70℃に達するまでの時間(昇温速度に相当)を観測した。被評価物質を加えないこと以外、上記と同様に調製した懸濁液に対しても、同様にマイクロ波を照射した場合の昇温速度を観測した。このとき、被評価物質を加えた懸濁液の方が、昇温速度が大きくなる場合(1.2倍以上)、被評価物質のマイクロ波吸収効率は高い、と評価した。一方、昇温速度が同等、もしくは低下する場合、被評価物質のマイクロ波吸収効率は低い、と評価した。
【0038】
(両親媒性高分子1の合成)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた500mLフラスコに、205gのビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物と100gのテレフタル酸を投入した。攪拌、窒素導入下、210℃で10時間縮合反応した。次いで、減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に冷却し、大量のメタノールを加えた後に析出物を濾別して40℃で減圧乾燥することにより、両親媒性高分子1(Mw:6000)を得た。両親媒性高分子1は水に不溶であった。また、両親媒性高分子1のマイクロ波吸収効率は高かった。
【0039】
(両親媒性高分子2の合成)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた500mLフラスコに100gのベンゼン、100gのスチレン、4.0gのメタクリル酸、0.2gのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を仕込んだ。攪拌、窒素導入下、60℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、析出物をろ過収集した。次いで、40℃で減圧乾燥することによって、疎水性ユニットとしてスチレン、親水性ユニットとしてメタクリル酸を有する両親媒性高分子2(Mw:35000)を得た。両親媒性高分子2は水に不溶であった。また、両親媒性高分子2のマイクロ波吸収効率は高かった。
【0040】
(両親媒性高分子3の合成)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた500mLフラスコに100gのベンゼン、90gのスチレン、10gのメタクリル酸メチル、5gのメタクリル酸、0.2gのAIBNを仕込んだ。攪拌、窒素導入下、60℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、析出物をろ過収集した。次いで、40℃で減圧乾燥することによって、疎水性ユニットとしてスチレン、メタクリル酸メチル、親水性ユニットとしてメタクリル酸を有する両親媒性高分子3(Mw:30000)を得た。両親媒性高分子3は水に不溶であった。また、両親媒性高分子3のマイクロ波吸収効率は高かった。
【0041】
(両親媒性高分子4の合成)
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた500mLフラスコに20gのトルエン、60gのメタノール、95gのスチレン、4.0gの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3.0gのラウリルパーオキサイドを仕込んだ。攪拌、窒素導入下、65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、析出物をろ過収集した。次いで、40℃で減圧乾燥することによって、疎水性ユニットとしてスチレン、親水性ユニットとして2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を有する両親媒性高分子4(Mw:7000)を得た。両親媒性高分子4は水に不溶であった。また、両親媒性高分子4のマイクロ波吸収効率は高かった。
【0042】
(水溶性高分子1の合成)
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた500mLフラスコに100gのアクリルアミド、100gのメタノール、0.2gのAIBNを仕込んだ。攪拌、窒素導入下、60℃で5時間溶液重合して冷却した後、内容物をフラスコから取り出し、析出物をろ過収集した。メタノールにて洗浄後、40℃で減圧乾燥することにより水溶性高分子1(Mw:30000)を得た。水溶性高分子1は水に可溶であった。また、水溶性高分子1のマイクロ波吸収効率は低かった。
【0043】
(実施例1)
〔水性液体の調製〕
80gのイオン交換水に、0.8gのリン酸三カルシウムを添加し、ホモミキサーを用いて、10,000rpmにて攪拌し、水性液体を作製した。
【0044】
〔懸濁工程〕
20gのスチレンに0.2gのAIBN、1.0gの両親媒性高分子1を溶解し、これを室温下で攪拌(10,000rpm)された前記水性液体中に加え、ホモミキサーにて15分間攪拌(10,000rpm)して懸濁液を調製した。
【0045】
〔重合工程〕
次いで、前記懸濁液を100ml丸底フラスコに入れ、30分間窒素バブリングした後、MicroSYNTH(マイルストーン社製)を用いて、マイクロ波を前記懸濁液に照射した。マイクロ波の照射出力は10.0kW/Lとした。照射開始後懸濁液の温度が80℃に到達したら照射を停止し、氷浴を用いて20℃まで急冷し、照射を再開して80℃に到達したら照射停止し、再度急冷する、という操作を繰り返すことにより、高分子粒子を得た。ここで、マイクロ波の実照射時間を積算した値を重合時間とした。[モノマーの転化率]vs[重合時間]のグラフを作成し、重合時間0分におけるプロットと重合時間30分におけるプロットを繋ぐ直線の傾き(重合速度に対応)を求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値(反応促進効果に対応)を表1に記載した。なお、モノマーの転化率は、意図しない副反応によって生じた副生成粒子を遠心分離やろ過等、従来公知の方法によって除去した後、重量法に基づいて見積もった。
【0046】
(実施例2)
実施例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子2に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0047】
(実施例3)
実施例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子3に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0048】
(実施例4)
実施例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子4に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0049】
(実施例5)
実施例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子2に変更し、スチレンをアクリル酸メチルに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例2における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0050】
(実施例6)
実施例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子2に変更し、スチレンをメタクリル酸メチルに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例3における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0051】
(実施例7)
実施例1のAIBNを過酸化ベンゾイル(BPO)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例4における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0052】
(実施例8)
実施例1のマイクロ波の照射出力を10.0kW/Lから5.0kW/Lに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0053】
(実施例9)
実施例1のマイクロ波の照射出力を10.0kW/Lから1.0kW/Lに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0054】
(冷却手段を備えたマイクロ波反応装置)
本実施例で用いたマイクロ波反応装置の概略図を図3に示す。マイクロ波照射装置31であるMicroSYNTH(マイルストーン社製)内に、冷却手段33、および34が挿入された反応容器32を設置した。
【0055】
反応容器32は、内径70mm、高さ190mmの円筒形で、材質がパイレックス(登録商標)のものを用いた。冷却手段33は、外径が26mmの円筒形で中空構造を有し、材質が石英のものを用いた。また、冷却手段34は、外形7mm、内径5mmの石英管を、懸濁液37との接触面積が大きくなるよう、冷却手段33の外周に沿って螺旋状に配置して用いた。冷却手段33および34の内部には、チューブ35にて外部接続した2つのチラー(CA−1310、東京理化器械社製)36によってそれぞれ所定温度に設定した水を内部循環させる構成とした。また、懸濁液37と攪拌子38を反応容器32に入れ、攪拌子38を回転させて懸濁液37を攪拌できる構成とした。なお、マイクロ波照射装置31は、懸濁液の温度を一定に保持するようにして、マイクロ波の照射出力を自動的に制御する機能を備えている。本実施例では、前記機能を利用し、前記チラーの設定温度を調節することによって、懸濁液37の温度を一定に保った状態でマイクロ波の照射出力を制御した。図3に図示していないが、懸濁液37の温度は、光ファイバーセンサ、あるいは赤外線センサによって測定した。なお、本実施例では、反応容器上部にアルミホイル39を巻きつけることにより、冷却手段33および34が直接的にマイクロ波を吸収しないよう工夫した。
【0056】
(実施例10)
実施例1と同様に調製した懸濁液を反応容器32へ入れ、撹拌子38を用いて懸濁液を撹拌しながら、30分間窒素バブリングした。その後、60分間、マイクロ波の平均照射出力が2.0kW/Lとなるよう、冷却手段33、冷却手段34を用いて懸濁液を冷却しながら、マイクロ波を連続的に照射することにより高分子粒子を得た。
[モノマーの転化率]vs[重合時間]のグラフを作成し、重合時間0分におけるプロットと重合時間60分におけるプロットを繋ぐ直線の傾き(重合速度に対応)を求め、比較例8における直線の傾きを1.0とした場合の相対値(反応促進効果に対応)を表2に記載した。また、[直線の傾きの相対値]vs[マイクロ波の平均照射出力]グラフを作成し、図4に結果を記載した。なお、モノマーの転化率は、意図しない副反応によって生じた副生成粒子を遠心分離やろ過等、従来公知の方法によって除去した後、重量法に基づいて見積もった。
【0057】
(実施例11)
実施例10のマイクロ波の平均照射出力を2.0kWから1.6kWへ変更した以外は実施例10と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例10と同様に直線の傾きを求め、比較例8における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表2、および図4に記載した。
【0058】
(実施例12)
実施例10のマイクロ波の平均照射出力を2.0kWから3.7kWへ変更した以外は実施例10と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例10と同様に直線の傾きを求め、比較例8における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表2、および図4に記載した。
【0059】
(実施例13)
実施例10のマイクロ波の平均照射出力を2.0kWから5.7kWへ変更した以外は実施例10と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例10と同様に直線の傾きを求め、比較例8における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表2、および図4に記載した。
【0060】
(実施例14)
実施例10のマイクロ波の平均照射出力を2.0kWから7.8kWへ変更した以外は実施例10と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例10と同様に直線の傾きを求め、比較例8における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表2、および図4に記載した。
【0061】
(比較例1)
〔水性液体の調製〕
80gのイオン交換水に、0.8gのリン酸三カルシウムを添加し、ホモミキサーを用いて、10,000rpmにて攪拌し、水性液体を作製した。
〔懸濁工程〕
20gのスチレンに0.2gのAIBN、1.0gの両親媒性高分子1を溶解し、これを室温下で攪拌(10,000rpm)された前記水性液体中に加え、ホモミキサーにて15分間攪拌(10,000rpm)して懸濁液を調製した。
【0062】
〔重合工程〕
次いで、前記懸濁液を100ml丸底フラスコに入れ、30分間窒素バブリングした後、加熱したオイルバス中にフラスコを浸漬して懸濁液を80℃に加熱することにより、高分子粒子を得た。[モノマーの転化率]vs[重合時間]のグラフを作成し、重合時間0分におけるプロットと重合時間30分におけるプロットを繋ぐ直線の傾き(重合速度に対応)を求めた。なお、モノマーの転化率は、意図しない副反応によって生じた副生成粒子を遠心分離やろ過等、従来公知の方法によって除去した後、重量法に基づいて見積もった。
【0063】
(比較例2)
比較例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子2に変更し、スチレンをアクリル酸メチルに変更した以外は、比較例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。比較例1と同様に直線の傾きを求めた。
【0064】
(比較例3)
比較例1の両親媒性高分子1を両親媒性高分子2に変更し、スチレンをメタクリル酸メチルに変更した以外は、比較例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。比較例1と同様に直線の傾きを求めた。
【0065】
(比較例4)
比較例1のAIBNをBPOに変更した以外は、比較例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。比較例1と同様に直線の傾きを求めた。
【0066】
(比較例5)
実施例1の両親媒性高分子1を親水性高分子1に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得ようと試みた。しかし、重合中に凝集塊が生じ、所望の高分子粒子は得られなかった。
【0067】
(比較例6)
実施例1の両親媒性高分子1をポリビニルアルコール(PVA;けん化度88%の水溶性の両親媒性高分子)に変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0068】
(比較例7)
実施例1のマイクロ波の照射出力を10.0kW/Lから0.7kW/Lに変更した以外は、実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。実施例1と同様に直線の傾きを求め、比較例1における直線の傾きを1.0とした場合の相対値を表1に記載した。
【0069】
(比較例8)
実施例1と同様の方法によって高分子粒子を得た。[モノマーの転化率]vs[重合時間]のグラフを作成し、重合時間0分におけるプロットと重合時間60分におけるプロットを繋ぐ直線の傾き(重合速度に対応)を求め、これを実施例10−14に対する基準値とした。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
上記実施例1−9及び実施例10−14により、本発明における両親媒性高分子を含む油溶性オレフィンモノマー懸濁液は、1.0kW〜10.0kW/Lのマイクロ波を照射することにより、重合速度が向上することが示された。
【符号の説明】
【0073】
10 油溶性オレフィンモノマー
11 油溶性重合開始剤
12 両親媒性高分子
13 水
14 油滴
15 高分子粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油溶性オレフィンモノマーと、油溶性重合開始剤と、水に不溶又は難溶な両親媒性高分子と、水とを混合して、前記油溶性オレフィンモノマー、前記油溶性重合開始剤、及び前記両親媒性高分子を有し、表面に前記両親媒性高分子が存在する油滴を有する懸濁液を得る懸濁工程と、
前記懸濁液の1L当たり1.0kW以上10.0kW以下のマイクロ波を照射することで、前記油滴中の該油溶性オレフィンモノマーを重合する重合工程と、
を有することを特徴とする懸濁重合法による高分子粒子の製造方法。
【請求項2】
前記重合工程は、冷却手段により冷却しながら行われることを特徴とする請求項1に記載の高分子粒子の製造方法。
【請求項3】
前記油溶性重合開始剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高分子粒子の製造方法。
【請求項4】
前記両親媒性高分子がカルボニル基を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の高分子粒子の製造方法。
【請求項5】
前記マイクロ波の周波数は、0.3GHz以上300GHz以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高分子粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−241376(P2011−241376A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23389(P2011−23389)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】