説明

高効率での大量の重灰流の抽出および冷却システム

本発明は、固体燃料ボイラによって生成される大量の重灰流に対しエネルギーを抽出し回収するシステムであって、通常、ボイラ設計者によって総燃焼空気の約1.5%の値で固定される、ボイラ煙道に入る空気流を増大させることなく、抽出された灰の最終温度を低下させることができるシステムに関する。冷却に必要な空気流が、ボイラ内で利用可能な最大量を超えると、システムは、灰自体によって生成される冷却環境の分離により、過剰な空気および場合により蒸気を、空気/煙交換機の空気側に入る、空気注入ダクトに送ることができる。冷却システムの環境の分離は、システムからの排出部までの灰の温度信号に基づいて自動的に実行される。冷却空気が灰を冷却するのに十分でない場合、霧状にされた水を追加することによって冷却効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、固体燃料ボイラによって生成される大量の重灰流の熱エネルギーを抽出し、冷却し、かつ回収するプラントおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
電気エネルギーを生成するための固体化石燃料に対する需要が増大し続けていることにより、高灰分の石炭または褐炭の燃焼もますます頻繁になっている。高出力ボイラ内での石炭または褐炭の燃焼には、未燃焼物質の割合が高いことが多い1時間当たり最大100トンもの重灰が大量に生成される。こうした量の乾式冷却または主に乾式の冷却には、熱生成出力が高い化石燃料の2倍または3倍にもなる大量の冷却空気流が必要となる。
【0003】
欧州特許第0471055B1号に示すように、いくつかの既知の灰の抽出および乾式冷却では、冷却空気は、灰との熱交換の影響下で加熱されると、ボイラにその底部から導入される。したがって、原則として、生成される灰の量が多いほど、空気との熱交換および未燃焼物質の燃焼の両方に対し、上述したように冷却空気によってボイラに供給される熱の回収が大きくなる。
【0004】
しかしながら、燃焼効率が、バーナまたは他の所定の空気入口ではなく底部から燃焼室内に導入される空気によって悪影響を受けないようにし、かつ/または窒素酸化物(NO)の生成に対する同様の望ましくない影響がないようにするために、ボイラの設計者は、この量を全燃焼空気の最大値1.5%に制限することを好む。
【0005】
上述したことに関して、既知の冷却システムは、重灰の乾式冷却または主に乾式の冷却と、関連する冷却空気の廃棄とに対し、特に前記灰が大量の流れで、未燃焼物質の含有量が高く、したがって高温である場合に、効果的にかつ効率的に実施することに成功していない。特に、前記冷却、熱エネルギーの回収および廃棄を得るのに成功したとしても、それらの達成に際し、プラントが極めて複雑になり、その結果、実施コストおよび処理コストが非常に高くなる。
【0006】
国際公開第2008/023393号(その開示内容はこの参照により本明細書に援用される)は、抽出された重灰を冷却するために必要な空気流が燃焼室に受け入れられる最大の流量を超えると、過剰な空気をヒュームダクトに送ることができ、これは、灰自体によってなされる冷却環境の圧力分離による。国際公開第2008/023393号ではさらに、場合により前記過剰な空気を導入する箇所は、上述したダクトの空気/煙交換器の上流または下流の位置に配置される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
国際公開第2008/023393号の潜在的なシステム限界は、圧力分離システムの下流で用いられる冷却空気に関連する熱含有量の損失と、空気導入箇所の下流で装置によって処理されなければならない煙の流れ全体の増大とにある。
【0008】
実際には、空気/煙交換器の下流に熱気を注入する場合、冷却空気の熱含有量は完全に喪失し、煙プロセスに必要な装置によって吸収される出力の増大に加えて、煙道の煙の全体的な温度が上昇することになる。
【0009】
熱気を交換器の上流でヒュームダクトに注入する場合、冷却空気が燃焼煙流より低い温度であるため、交換器に入る熱気流+煙の流れが増大し、それによって、装置の環境空気/煙熱交換の効率が悪化する。
【0010】
特に、上述した冷却空気は、約200℃の温度に達する可能性があり、したがって、上述したように、温度が約400℃である煙に冷却空気を注入することにより、結局のところ空気/煙交換器において非実利的となる可能性があり、実際に、空気/煙交換器の動作原理に基づき、煙の側に入る流れの熱含有量が増大する場合であっても、これは、わずかな部分の場合でない限り空気までうまく伝達されない。
【0011】
さらに、ヒュームダクト内に入る熱気(交換器の上流または下流で生成される)により、処理されるべき煙流の温度の全体的な上昇に加えて、空気/煙交換器の下流に配置された電気集塵装置が、設計データより高い全体的な流れを受け取ることになる。こうした状況が、注入速度の上昇により、特に灰の抵抗率の上昇によりもたらされる静電式選別機の効率の悪化を決定付ける。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の簡単な説明
先のセクションで示したことに基づき、本発明によって提起されかつ解決される技術的問題は、既知の技術に関連して上述した欠点をなくすことを可能にする装置および方法を提供することである。
【0013】
こうした問題は、請求項1によるプラントにより、かつ請求項22による方法により解決される。
【0014】
本発明の好ましい特徴は、上記請求項に従属する請求項にある。
【0015】
本発明は、以下に示す詳細な説明を考慮して完全に理解されるであろう重要な利点を提供する。
【0016】
主な利点は、本発明により、圧力遮断の下流の第2プラント部分において用いられる過剰な冷却空気に含まれる顕熱の回収を最大限にすることができるという事実にある。
【0017】
本発明で提案する構造は、実際には、冷却空気を、燃焼室に入る前に、空気/煙交換器に送られる環境空気流内に注入することを可能にする。交換器に入る前に高温の冷却空気と混合される環境空気は温度が上昇し、その効率的な予熱が実施される。この構造により、空気/煙加熱器の効率は略変化しないままであるとともに、その冷却空気の顕熱の回収が可能になる。本発明により、実際には、圧力分離の下流のプラント部分において冷却空気によって取得される顕熱の全回収が可能になり、同時に電気集塵装置の分離効率を低下させないように、電気集塵装置が横切る煙流およびその温度は変化しないままである。
【0018】
本発明はまた、国際公開第2008/023393号のシステムにすでに存在する利点を維持する、すなわち、底部から燃焼室内に導入される冷却空気に対して上述した1.5%の限界を超えることなく、灰の効率的な乾式冷却または主に乾式の冷却を得ることも可能である。
【0019】
本発明は、実際には、高灰分の石炭または褐炭からくる大量の重灰に対して適用する場合に、欧州特許第0471055B1号および国際公開第2008/023393号に記載されているシステムの熱回収の可能性を広げることにより、そうしたシステムの最適化を可能にする。
【0020】
以下に示す実施形態の詳細な説明を統合することにより、本発明は、通常、ボイラ設計者により総燃焼空気の約1.5%の値に固定されている、ボイラ煙道に入る空気流を増大させることなく、抽出される灰の最終温度を低下させることができる、固体燃料ボイラによって生成される大量の重灰流に対して、空気式または二重式、すなわち空気/水式抽出および冷却システムに関する。冷却に必要な空気流がボイラで許容可能な最大量を超えると、システムは、好ましくは灰自体によってなされる冷却環境の分離により、過剰空気を燃焼空気吸引ダクトに、好ましくは二次空気ダクトに送ることができる。
【0021】
本プラント構造、したがって冷却空気の接続ラインの集中し分散した負荷損失によれば、挿管された流体への正しい押込みを与えるように、直列に割り込むファンを提供することが有用であり得る。
【0022】
交換器に入る環境空気の温度の全体的な上昇により、煙と環境空気との間の温度差の低減はごくわずかであり、空気/煙加熱器の全体的な性能に対する影響もごくわずかである。
【0023】
冷却システムの環境の分離は、システムからの排出部における温度および/または灰流の信号に基づいて自動的に処理される。
【0024】
冷却空気が灰を冷却するのに十分でない場合、霧状の水を追加することによって冷却効率を向上させることができる。通常追加される水の量が、必要な場合は、排出部において、空気圧で粉砕され搬送されるのに好適な乾燥灰を得るために、注入された水の完全な蒸発を確実にするように、流量および灰の温度に基づいて注入される。
【0025】
好ましい構造に基づいて、使用する提案システムは、主に、
1.ボイラと、上述した特許、欧州特許第0471055B1号の目的のタイプの抽出機との間の遷移ホッパと、
2.上述した抽出機と、
3.灰粉砕機と、
4.たとえばホッパの形態である、粉砕機とコンベア−冷却器との間の遷移貯蔵器と、
5.場合によっては、灰をコンベア自体の上で再混合する機能が与えられた、好適なすき刃と、水を噴射するノズルとを備えた、上述したコンベア−冷却器と、
6.コンベア−冷却器(好ましくは、コンベア−冷却器の排出ケーシングの領域にある)と、場合によっては、冷却空気流に含まれる微細な灰を除去するサイクロン分離器と調整弁とを備える、ボイラが受入れ可能な最大冷却空気を超える冷却空気を除去するために環境空気を空気/煙交換器に注入する、システムの最も好適な箇所との間を接続する、パイプまたはダクトと、
7.ラインの集中し分散した負荷損失の絶対値が、冷却空気流入箇所に存在する負圧値より高い場合の、上述したパイプと直列する、場合により存在するファンと、
8.無制御でシステムに空気が入るのを同時に防止することにより灰の排出を可能にすることができる排出端装置(たとえば、弁または振動抽出機、あるいは単に別の搬送または貯蔵用の閉鎖装置との閉鎖接続)と、
9.システムが、灰の異常状態(大流量および/または高温度)のために、適切な灰の冷却を確保することができない場合に、流れ分流器の作動により、上記工程8の排出端装置に対する代替物として起動される、場合により存在する灰−水ミキサであって、
−湿り空気を工程6のパイプに排出する接続パイプまたはダクトと、
−外部空気の戻りを同時に防止することによりシステムからの灰排出を可能にすることができる、工程8に記載したものと等価の排出端装置と、
を備える灰−水ミキサと、
10.以下に動作を説明する部分で説明するように動作を行うことを確実にすることができる、調整および制御システムと、
によって構成される。
【0026】
本発明の他の利点、特徴および適用態様は、限定する目的ではなく例として示すいくつかの好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかとなろう。添付の図面の各図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】2つの冷却環境間の圧力分離と、第2プラント部分の空気/煙加熱器への環境空気注入ラインへの接続とを提供する動作モードにある、本発明のプラントの好ましい実施形態を例示する概略図を示す。
【図2】図1のプラントの2つの冷却環境の分離領域の縦断面での概略図を示す。
【図3】図2の線A−Aによる断面図を示す。
【図4】2つの冷却環境に前記分離を提供しない異なる動作モードにある、図1のプラントを例示する概略図を示す。
【図5】図4の線B−Bによる、図1のプラントの冷却空気用のノズルを備えた二重シャフトの連続ミキサの断面図を示す。
【図6】図5のミキサに依然として高温である灰を送る動作モードにある、図1のプラントを例示する概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
好ましい実施形態の詳細な説明
上述した図を参照すると、たとえば固体化石燃料熱電プラントで用いられるタイプの、本発明の好ましい実施形態による燃焼残留物を抽出し冷却するプラントが、全体として1で示されている。以下の説明でよりよく理解されるように、プラント1は、たとえば高灰分の石炭または褐炭の燃焼によって生成される大量の重灰流を処理することに特に適している。
【0029】
より説明を明確にするために、プラント1の種々の構成要素について、燃焼残留物の100で示す燃焼室(またはボイラ)の底部からの抽出から廃棄までのように、燃焼残留物が辿る経路を参照することによって、以下のように説明する。
【0030】
燃焼室100のすぐ下流に、またはよりよくは燃料室100の遷移ホッパ105のすぐ下流に、プラント1は、第1抽出および搬送ユニット、特に、主に高耐熱性の鋼によって実現される乾式抽出機9を提供する。前記抽出機9は、既知であり、かつたとえば参照により本明細書に援用される欧州特許第0252967号に記載されているタイプのものである。抽出機9は、上述した遷移ホッパ105を通って燃焼室100内を下方に沈降する重灰を収集する。
【0031】
抽出機9は、それ自体のケーシングの側壁に、外部冷却空気入口のための複数の穴を有しており、それらは、抽出機9自体の展開部に沿って実質的に均一に分散し、各々が10で示されている。前記入口10に、流れを調整する手段を備えることができ、または入口10を、作動状態または停止状態にすることができる。抽出機9は、追加の外部冷却空気入口19をさらに有することができ、それは好ましくは同様に自動弁または等価の流量調整手段によって調整され、実質的に抽出機9自体の端部に配置される。
【0032】
冷却空気は、入口10および19を介して抽出機9内に、燃焼室100内に存在する負圧の影響下でそれに対して向流で引き込まれる。より詳細には、遷移ホッパ105内に存在する負圧によって空気が入り、遷移ホッパの底面に、燃焼室100の制御システムによって調整される負圧(概して、大気圧より約300〜500Pa低い)がある。
【0033】
抽出機9の下流において、灰は、粉砕機3に供給され、粉砕機3は、熱交換面を増大させ、それによりこうした交換、したがって冷却の効率を向上させるように、灰の最も粗い断片を破砕する。
【0034】
粉砕機3の下流に、追加の外部冷却空気入口が設けられており、それは、17で示され、場合によっては、この場合もまた上述したもののような流量調整手段を備えている。この場合もまた、入口17から入る空気は、粉砕機3自体の中を第1抽出機9に沿って、燃焼室100に存在する負圧の影響下で、向流で供給される。前記冷却空気は、灰を冷却するためだけでなく、機械を冷却するためにも有用となる。
【0035】
図2および図3により詳細に示すように、粉砕機3の下流において、灰は、ホッパ/貯蔵器8によって第2鋼製ベルトコンベア−冷却器6へ搬送される。以下により詳細に説明するように、確定された条件下で、上述したプラント構造により、ホッパ8は貯蔵器のように動作し、抽出機9およびコンベア/冷却器6の2つの雰囲気の分離を確保するように灰を蓄積することができる。特に、前記蓄積がある場合、コンベア6は、燃焼室100の圧力速度に関連する抽出機の環境と、連通する領域の、異なる圧力速度に関連するコンベア/冷却器の環境との分離を確保する、材料の頭部の下で連続的に動作することにより、第2抽出機として正確に動作する。
【0036】
ホッパ8には、7で示す最大および最小レベルセンサ、およびコンベア6に入る初期部分に配置されたレイヤレベラー18もまた結合されている。
【0037】
コンベア冷却器6のベルトの速度指示に関連するレイヤ調整器18の位置指示は、冷却流体を調整するための温度指示とともに有用な、灰の体積流量に関する情報を提供する。
【0038】
コンベア6上で、第1抽出機9に対してすでに述べたものと同様に、灰は、抽出機6自体の側壁に配置された追加の入口11を通って外側から引き込まれた空気によって冷却され続け、同様に、それは、19に相当する追加の外部冷却空気入口を有することができ、それは好ましくはまた、自動弁または等価の流量調整手段によって調整され、コンベア6自体の実質的に初期部分に配置される。
【0039】
必要な場合、コンベア6上の冷却を、コンベア6のカバーの内側に配置された吐出ノズル12によって精巧に投入された水によって行うことができる。
【0040】
この時点で、プラント1に、特に空気入口10、11、17および19によりかつ水吐出ノズル12により実現される、二重式、すなわち空気・水冷却システムを備えることができることが理解されよう。
【0041】
プラント1は、燃焼残留物との熱交換後に加熱された冷却空気の一部を、空気/灰交換器102に結合された環境空気排出ダクト50内に供給する手段をさらに提供する。本実施形態では、前記供給手段はダクト51を備え、それは、復水を回避するように適切に断熱されかつ熱に関してトレースされ、選択的に調整することができるが、その展開部に沿って配置された自動弁150(または等価の手段)によって中断/使用可能にすることができる。
【0042】
より詳細には、ダクト51は、コンベア6(図1)および/または場合によってはミキサ2(図6)の排出領域を、空気/煙交換器への二次環境空気の吸引領域に接続するか、またはよりよくは接続することができる。したがって、好ましくは、ダクト51は、環境空気を空気/煙交換器102(空気側)に注入する二次空気ファン54に結合されたラインの上流で流出し、空気/煙交換器102は、燃焼空気を予熱することができ、概して、本発明に関連する燃焼プラント内に設けられる。既知であるように、こうした注入領域には、上述した空気ファン54かまたは等価の圧力制御手段によって負圧が提供される。
【0043】
交換機102は、一般にユングストロームと呼ばれるタイプのものであり得る。
【0044】
コンベア6および/またはミキサ2から出る冷却空気流に場合によっては存在する微細な灰を収集することができるサイクロン分離器55または等価の装置と、好適な調整弁150、59とを、ダクト51のラインに結合することができる。
【0045】
さらに、冷却空気の集中し分散した負荷損失が、ファン54の上流のダクトの注入箇所に提供される負圧、またはファン54での有効なヘッドより高い場合、ダクト51と直列にファン56があってもよい。
【0046】
一般に、冷却空気の最適な注入箇所は、環境から空気を取り込む燃焼空気ファンの吸引ダクトによって表され、それは、空気を空気/煙交換器に送出する。図1に示すように、交換機がトライセクタ(trisector)タイプである、すなわち、燃焼空気(一次および二次に分割される)に専用のそれぞれ61および62の2つの入口と、煙に専用の入口とを有する場合、冷却空気を注入する優先的な箇所は、上述したように、二次空気の吸引ダクトによって検出される。前記箇所は、実際には、一次ファン58の圧力レベルの方が二次ファンよりはるかに高く、従って圧送におけるエネルギー損失がより高いため、一次空気のファン58の吸引ラインに関連する方が好ましい。
【0047】
プラント構造によって、二次空気の吸引ラインへの接続が可能でない場合、一次空気ラインを選択することができるが、それにより、よりわずかな程度ではあるが、熱回収に関して利点が提供される。
【0048】
ファン(一次ファン58または二次ファン54)の上流に冷却空気を注入する利点により、ファンが常に同じ量の注入空気を処理し、したがって、動作変動がないことにもなる。
【0049】
代替実施形態では、冷却空気を、空気/煙交換器102の直接空気側に入るように送ることができる。
【0050】
所定の再混合手段、特にコンベアベルト6自体に対して固定され、この例ではすき刃のような形状である実質的に楔形の部材14が存在するため、コンベア6での灰冷却をより有効にすることができる。前記すき刃状の部材14は、コンベア6の展開部に沿って実質的に均一に分散され、灰の搬送部分に配置されている。上述したように、すき刃状の部材14は、ベルト上の搬送中に連続的に再混合を行い、空気および/または冷却水との熱交換に最大表面が利用可能であるように露出させることにより、灰をすく。
【0051】
コンベア6の下流に、自動分流弁16(または灰流を選択的に分流させる等価の手段)が設けられており、それは、冷却された灰を、外側に向いた排出手段13かまたはこの例では外部と連通し図5により詳細に示す連続ミキサ2に選択的に供給することができる。
【0052】
排出コンベア13には、入ってくる空気を制御して、外部からの空気が無制御に入らないようにする(または実施形態の変形では、システムを他の搬送または貯蔵用の閉鎖環境に接続する)装置(図示せず)が備えられている。
【0053】
水を含むミキサ2によって、必要な場合は、下流プロセスに適合する温度値に達するように、または灰に加湿して一定の搬送条件および廃棄条件下で粉末放出を低減するように、灰の冷却を完了することができる。ミキサ2には、同時に外気が無制御に戻らないようにすることにより、システムからの灰の排出を可能にすることができる手段を備えた、排出ケーシング21が備えられている。こうした装置を、たとえば、灰の重量によって変形した時に必要な最小通路部分に灰を排出することができる、2重クラペット(clapet)弁またはゴム板によって構成することができる。
【0054】
好ましい実施形態の変形に基づき、空気および蒸気がライン手段における弁59または均等物によりダクト51内に排出されるように、ミキサ2をダクト51に接続するパイプ66が設けられている。
【0055】
そして、プラント1は、この例では、コンベア6の端部または排出部に、かつ/または主抽出機9にまたはより好ましくはコンベア13の灰排出部に配置される、灰の温度センサならびに/あるいは体積流量および/または重量流量センサを備える。有利には、上述したタイプのセンサは、ホッパ/貯蔵器8にも設けられている。
【0056】
さらに前記ホッパ8には、ホッパ/貯蔵器における灰のレベルを制御するためにロードセルまたは等価の手段を設けることができる。
【0057】
さらに、ダクト51に配置された温度センサ手段を設けることができる。
【0058】
プラント1は、灰の量および温度に関連するプラント1の動作モードを制御することができる、前記センサ手段と通信する制御システムを備える。
【0059】
ここで、プラント1の動作モード、特に上述した制御手段によって制御されるプラント1の冷却システムの動作モードについてより詳細に説明する。
【0060】
まず、センサ手段によって提供される灰の温度および/または流量の値が、制御システムより事前設定され格納された値と比較され、こうした比較の結果に基づいて、プラント1の動作に対して最も好適な動作モードが確定される。温度および/または流量の測定を行う必要に関して、灰の温度の上昇は、通常、ここで考慮されるプラント1における灰の流量の増大に関連していることが留意されるべきである。
【0061】
開始工程のプラントは、すべての空気入口弁10、11、17および19を調整し、自動弁150を閉鎖することにより、図4に示すモードに構成され、それにより、燃焼空気の1.5%に対応する総空気量が、抽出機9およびコンベア6の両方において向流で灰を横切ることによりボイラ100のホッパ105から底部煙道を通って吸引され得る。
【0062】
こうした動作モードは、コンベア6の排出部における灰の温度が所定温度Tminimumに達するまで行われる。
【0063】
こうした動作モードでは、制御手段は、ホッパ8内に物質頭部が形成されないように、実質的に、コンベア6の灰の流量が抽出機9より大きくなるようにすることにより、抽出機9のベルトおよびベルト6のベルトの相対速度に対して作用する。
【0064】
値Tminimumを超えると、システムは、特に、ホッパ8内の灰の蓄積、したがって連続した灰の栓の形成を実行するように、コンベア6の速度を低減しかつ調整することにより、コンベア6の速度に作用し、さらに、抽出機9およびコンベア6のそれぞれに2つの異なる雰囲気を生成するように、ダクト51の弁150を開き、第1雰囲気は、ボイラに存在する圧力に連結され、第2雰囲気は、環境空気供給ダクト51に存在する圧力に連結される。
【0065】
前記動作モードでは、抽出機9およびホッパ8の空気入口弁10、19および17は、まず、下流の空気/煙交換器の動作に影響を与えないように計算された割合まで空気を追加し、その後、必要な場合は、所望の冷却に達するように水を追加することにより、ボイラおよび弁11および場合によっては後にコンベア6のノズル12に入ることができる冷却空気の全体の1.5%のみを抽出機に集中させるように、自動的に調整される。これに関して、冷却空気を注入する箇所を選択するために、ファン54は、ダクト51を通る冷却空気が増大する時、常に同じ空気量を処理し、環境から吸引される空気が低減することが留意されるべきである。
【0066】
前記環境分離構造では、入口10、17および19によって導入される主抽出機9に作用している冷却空気は、こうした向流抽出機を横切り、1.5%の制限内で燃焼室100に入る。1.5%を超える冷却空気は、コンベア6の入口11および存在する場合は19の均等物を通して外部から取り込まれコンベア6内を並流(equicurrent)で横切り、空気ファン54によって、場合によってはダクト51へのラインに配置された補助ファン56によって生成される負圧によって、場合によってはあり得る水の局所冷却によってもたらされた蒸気とともに、ダクト51を通して吸引される。
【0067】
このように、関連するエネルギーをボイラに戻すことにより、抽出機9のベルト上の場合によりあり得る未燃焼物質の場合によりあり得る最大燃焼が得られ、冷却水の介在を最小限まで低減することにより、コンベア6のベルト上での最大冷却が得られる。
【0068】
こうした動作モードを図1に例示する。
【0069】
上述した灰の頭部が存在する場合、最大および最小レベルセンサ7の検出に応じてコンベア6の速度を制御することにより、ロードホッパ8が空になることが回避される。特に、レベルが最小値に達すると、コンベア6が停止するまで速度が低減され、一方で最小レベルを超えると、コンベア6が再始動され、最大レベルに達すると、速度、したがってコンベア6のベルトの流れが増大する。
【0070】
本明細書で考慮する構造では、制御手段は、特にホッパ8における灰の温度と、コンベア6の前進速度とに関連する、所定センサ手段によって検出される利用可能な追加情報を有することができる。コンベアの前進速度は、抽出部分の(固定)値とともに、灰の体積流量を正確に規定する。抽出部自体において場合によりあり得る障害を回避するために、抽出レベルは、粉砕機3から出る灰片のサイズの好適な限界(margin)より高くなければならないことが明確にされなければならない。
【0071】
さらに、図6に例示するさらなる動作モードでは、プラント1を、たとえば燃料のタイプに応じて、または燃焼室100を清掃する作業により、非常の大量の灰流/温度(設計値よりもさらに高い)の場合にも処理することができる。この場合、灰の温度が値Tvery highより高いと想定され、プラント1は、最後に述べたような動作モードを提供し、分流弁16によってコンベア13ではなくミキサ2に、依然として高温の灰を排出する。
【0072】
ミキサ2では、灰が好適な湿度含有量(好ましくは約10%)の提供される最終温度(概しておよそ80℃)となるように、追加の水量を導入することにより、続く移動動作に粉末がないことを確実にすることができる。
【0073】
ミキサ2内のこうした冷却によって発生する蒸気がコンベア6に向かって再び上昇する(復水が発生する危険がある)ことを回避するために、コンベア6、ミキサ2およびダクト51の間に直接、上下反対の「Y字」接続を設けることができる。このそのように作成された構造により、コンベア・冷却器6から来る空気および場合によっては蒸気が、ミキサ2内に生成された蒸気に加わることにより、ヒュームラインを接続するダクトに向かう。設計条件が復水の形成および関連する灰の付着の危険を認識するべきである場合に好適に加熱することができるこの接続ダクト(ミキサ2と主ダクト51との間)には、復水の危険が依然として残っている。
【0074】
所定燃焼空気の温度および/または流量または量の前記事前固定値を、プラント1を扱う操作者が選択的に設定することができることが理解されよう。
【0075】
上述した動作モードは、プラント1を扱う可能性の単なる1つを構成することがさらに理解されよう。たとえば、より単純な動作モードにより、事前固定温度値に達した時に灰の頭部が生成され、必要な場合に、冷却空気および水の流れを適切に調整することによって残りの部分に対して操作が行われることが可能である。
【0076】
ここまで考慮したもののような一連の動作モードを、手動で、または操作・制御システムによって自動的に設定することができ、操作・制御システムは、灰の温度/流量値に基づいて、分離領域の形成、抽出機9およびコンベア6に入る空気流、場合により霧状の水の注入、および分流弁の起動に対して作用することにより、灰自体の冷却モードを確定する。
【0077】
概して、この時点で、プラント1は、全体的な動作の汎用性を有し、したがっていかなる灰の流れも、ボイラ100の底部からの冷却空気の過剰な量の導入に関連する問題なしに、実際的に扱うことができることが理解されよう。上述したように、非常に高い冷却空気流を導入し、ボイラ底部から環境空気注入ダクト内に導入するのに適していない追加の空気流を空気/煙交換器に供給することにより、かつ必要な場合はさらなる冷却水を追加する可能性により、こうした汎用性が得られる。
【0078】
この最後の態様に関する限り、好ましくは、プラント1は、その制御手段を通して、使用した水の量を適切に注入し、それにより、水が冷却プロセス中に完全に気化し、コンベア6の出口で、自動的に粉砕され搬送されるのに好適な実質的に乾燥した灰が得られるようにすることができる。これを、灰の最終温度を、約100℃を上回るように維持することにより得ることができる。霧状にされ噴射される水の流れは、一方で灰から除去される熱(ホッパ8内の温度と排出最終温度との間で要求される所定のエンタルピー変動に対する流れから生成)と、他方では水の気化熱と冷却空気におけるエンタルピーの変動との合計とを等しくする、熱平衡手段によって制御される。
【0079】
また、空気/煙交換器に環境空気注入ダクト内の冷却空気の一部を送ることにより、冷却空気に関連する最大熱回収が可能になり、本明細書で使用し上述した欧州特許第0471055B1号に記載されている乾式抽出機にすでに関連している性能上の利点を強化することができる、ということも理解されよう。
【0080】
また、すき刃状部材またはそれと等価の手段があることにより、ノズル12によって水冷却を選択的に作動させることができることとともに、灰温度を均一にすることができることも理解されよう。
【0081】
さらに、ダクト51に配置された温度センサによって、プラントパラメータのより完全な制御が可能になるだけでなく、さらに、冷却水から発生する蒸気によるダクト51全体における場合によりあり得る復水形成箇所を検証することができることが理解されよう。実際には、空気自体と霧状の水の量の温度が分かることにより、冷却空気の関連する湿度を容易に計算することができ、
一方で、湿度自体が、適切な有意な余裕をもって100%を下回り、
他方で、経路内に(すなわち、主にコンベア6のカバーにかつ接続ダクト51の表面に)存在する場合によりあり得る低温場所においても、空気中の含水量が、良好なシステム動作に対して問題となる結果となる可能性がある、復水の開始をもたらすようなものではない、
ということを検証することができる。
【0082】
システム内の復水の形成のいかなる危険も回避するために、追加の接続ダクト(または等価の手段)を、こうしたダクト上の外部空気入口を選択的に移動し、遷移ホッパ105から来る熱気と冷たい環境冷気との両方の流れを調整する弁を設けることにより、遷移ホッパ105とホッパ8の近くのコンベア6との間に設けることができる。これにより、システム内の空気の温度を、復水形成の危険がなくなるようなレベルまで上昇させることができる。ダクト51上に配置された上述した温度センサの検出に基づいて、入ってくる熱気および冷気の流れの上述した調整を行うことができる。
【0083】
最後に、上述した2つの環境への分離を、上述したものとは異なる装置によって得ることも可能であることが含まれよう。たとえば、抽出機9とコンベア6との間に、クラペット弁または等価の装置等の追加の装置を設けることができ、さらに、2つの環境の分離を、ホッパ/貯蔵器8の下に、環境を分離することができる必要な灰の頭部をホッパ内に生成することができるように、粉砕機3に関して可変流量の第2粉砕段を適用することによって得ることができる。
【0084】
本発明により、抽出機9の上に最大の外気の流れを送り、第2の抽出機6上の空気量(水を追加するため)、したがって煙の処理に必要なエネルギーを激減させることにより、効率的なエネルギー回収が可能になることが理解されよう。
【0085】
本発明の目的は、プラント1に関してここまで述べたような重灰のエネルギーを抽出し、冷却し、回収する方法でもある。
【0086】
ここまで、本発明について、好ましい実施形態を参照することによって説明してきた。同じ発明の核心に属する他の実施形態が存在する可能性があり、それらはすべて後述する特許請求の範囲の保護範囲内にあることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、エネルギー生成プラント内のたとえば固体化石燃料から発生する大量の重灰流のための、燃焼室に関連して使用することが可能なタイプの熱エネルギーの回収を伴う、重灰を抽出し冷却するプラント(1)であって、
(a)前記燃焼室(100)から来る重灰を抽出し搬送する抽出および搬送手段(9、6)と、
(b)前記抽出および搬送手段(9、6)に配置され、前記抽出および搬送手段(9、6)における冷却空気の供給を実行することができる、前記重灰を冷却する冷却システム(10、11、19、17、12)であって、全体的な配置構成が、前記冷却空気の少なくとも一部が前記燃焼室(100)内にその底部から導入され得るようなものである、冷却システム(10、11、19、17、12)と、
(c)前記抽出および搬送手段(9、6)の第1環境(9)と第2環境(6)との間の雰囲気の分離を実行することができる圧力遮断手段(8)であって、前記第1環境(9)が前記燃焼室(100)の雰囲気に接続され、前記第2環境(6)が、空気注入ダクト(50;57)により空気/煙交換器(102)またはその空気入口に接続されることが可能である圧力遮断手段(8)と、
(d)前記冷却空気の一部を、前記空気/煙交換器(102)への前記空気注入ダクト(50;57)内にまたは前記空気/煙交換器(102)の前記入口内に供給する手段(51)と、
(e)前記灰の温度および/または流量に応じて、前記環境の圧力遮断の起動を実行することができる制御手段と、
を具備するプラント(1)。
【請求項2】
前記冷却システム(10、11、17、19、12)が、空気・水による二重式であり、前記制御手段が、前記重灰の温度および/または流量に応じて水冷却の起動を実行することができる、請求項1に記載のプラント(1)。
【請求項3】
前記全体的な配置構成が、環境(9、6)の前記圧力分離条件の下で、前記冷却システム(10、11、17、19、12)が、前記第1環境(9)において重灰流に対し向流で、ならびに前記第2環境(6)において前記重灰流に対し並流で、冷却空気の供給を実行することができるような配置構成である、請求項1または2に記載のプラント(1)。
【請求項4】
前記制御手段が、前記抽出および搬送手段(9、6、13)にかつ/または前記圧力遮断領域(8)に配置された前記重灰の温度および/または流量のセンサを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項5】
前記重灰の前記温度および/または流量のセンサが、前記抽出および搬送手段(6、13)の終端域に配置される、請求項4に記載のプラント(1)。
【請求項6】
前記温度および/または流量センサが、前記重灰の排出部に配置される、請求項5に記載のプラント(1)。
【請求項7】
前記制御手段が、前記圧力遮断領域(8)に配置された負荷センサを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項8】
前記制御手段が、前記燃焼室(100)に前記底部から入る冷却空気流が、燃焼空気の所定の総量を超えず、好ましくは約1.0〜1.5%に等しいように、前記環境(9、6)の分離を実行することができる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項9】
前記供給手段(51)が、前記空気注入ダクト(50;57)を、前記冷却プロセスの実質的に下流で前記第2環境(6)に接続することができる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項10】
前記供給手段(51)が、空気ヘッドを増大させるためのファン(54、58)の上流で前記空気注入ダクト(50;57)内に流出する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項11】
前記供給手段(51)が、二次空気ファン(54)の上流で前記空気注入ダクト(50)内に流出する、請求項10に記載のプラント(1)。
【請求項12】
前記供給手段(51)に配置された、前記供給手段(51)から前記空気注入ダクト(50;57)内に導入される空気の流れを調整する手段(150)を具備する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項13】
前記圧力遮断手段が、必要な場合に前記環境分離(9、6)を実行するために前記制御手段によって制御される、前記供給手段(51)を中断/使用可能にする手段(150)を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項14】
前記制御手段が、前記供給手段(51)に配置された1つまたは複数の温度センサを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項15】
前記抽出および搬送手段が、前記燃焼室(100)のすぐ下流に配置されるかまたは配置可能な第1抽出ユニット(9)と、前記第1ユニット(9)の下流に配置された第2搬送ユニット(6)とを備え、前記圧力遮断手段(8)が、前記第1抽出ユニット(9)と前記第2搬送ユニット(6)との間に圧力分離をもたらすことができる、請求項1〜14のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項16】
前記制御手段が、前記抽出および搬送ユニット(9、6)の少なくとも一方の速度を制御することができる、請求項14または15に記載のプラント(1)。
【請求項17】
前記圧力遮断手段(8)が、前記2つの環境(9、6)の間に重灰の頭部を生成することができ、それら環境の前記圧力分離を実行することができる手段を備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項18】
前記圧力遮断手段が、前記頭部を生成する重灰を収容することができる貯蔵手段(8)を備える、請求項17に記載のプラント(1)。
【請求項19】
前記圧力遮断手段が、前記頭部を生成する重灰を収容することができるホッパ(8)を備える、請求項18に記載のプラント(1)。
【請求項20】
前記制御手段が、前記頭部に配置された1つまたは複数のレベルセンサ(7)を備える、請求項17〜19のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項21】
重灰の排出部に配置され、かつ重灰の冷却プロセスを完了することができる、重灰を混合する手段(2)と、冷却空気および場合により前記混合手段(2)からの蒸気を前記供給手段(51)に供給する手段と、を具備する、請求項1〜20のいずれか一項に記載のプラント(1)。
【請求項22】
特にエネルギー生成プラント内のたとえば化石燃料から発生する大量の重灰流に対して、燃焼室から出る重灰を抽出し冷却する方法であって、
(a)前記燃焼室(100、105)から前記重灰を抽出する工程と、
(b)抽出および搬送経路(9、6、13)に沿って冷却空気を供給し、冷却プロセスの下流で、前記冷却空気の少なくとも一部を前記燃焼室(100、105)にその底部から導入することにより、前記抽出および搬送経路(9、6、13)に沿って前記重灰を冷却する工程と、
(c)前記重灰の温度および/または流量に応じて、前記抽出および搬送経路に沿って配置された第1環境(9)と第2環境(6)との間の圧力遮断を選択的に起動する工程であって、前記第1環境(9)が前記燃焼室(9)のすぐ下流に配置され、前記第2環境(6)が、前記第1環境(6)の下流に配置され空気/煙交換器(102)の空気注入ダクト(50;57)または前記空気/煙交換器(102)の空気入口に接続されることが可能である、工程と、
(d)前記重灰の前記温度および/または流量に応じて、前記冷却空気の一部を、前記空気/煙交換器(102)の前記空気入口ダクト(50;57)内にまたは前記空気/煙交換器(102)の前記空気入口に供給する工程と、
を含む方法。
【請求項23】
前記冷却工程(b)が、空気・水の二重式であり、前記重灰の温度および/または流量に応じて水冷却の起動を実行する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記工程(b)が、前記第2環境(6)において水冷却の起動を実行する、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記冷却工程(b)が、環境(9、6)の前記圧力分離条件の下で、前記第1環境(9)において重灰流に対し向流で、ならびに前記第2環境(6)において前記重灰流に対し並流で、冷却空気の供給を実行する、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記抽出および搬送経路(9、6、13)においてかつ/または前記圧力遮断領域(8)において行われる、前記重灰の温度および/または流量の検出を実行する、請求項22〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記重灰の温度および/または流量の前記検出が、前記抽出および搬送経路(6、13)の終端域で行われる、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
温度および/または流量の前記検出が、前記重灰の排出部で行われる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記圧力遮断領域(8)で行われる負荷検出を実行する、請求項22〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記工程(c)において、前記燃焼室(100)に前記底部から入る冷却空気流冷却空気が、燃焼空気の所定の総量を超えず、好ましくは約1.0〜1.5%に等しいように、前記環境分離(9、6)が行われる、請求項22〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記空気/煙交換器(102)の前記空気注入ダクト(50)への前記供給が、実質的に前記冷却プロセスの下流で、前記第2環境(6)から開始して行われる、請求項22〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記空気/煙交換器(102)の前記空気注入ダクト(50;57)への前記供給が、空気ヘッドを増大させるファン(54、58)の上流で前記ダクト(50;57)への流出を提供する、請求項22〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記空気/煙交換器(102)の前記空気注入ダクト(50)への前記供給が、二次空気ファン(54)の上流で前記ダクト(50)への流出を提供する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記空気/煙交換器(102)における前記空気注入ダクト(50;57)に、または前記空気/煙交換器(102)の前記空気入口に供給される前記空気流の調整を実行する、請求項22〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記工程(c)において、前記圧力遮断が、前記空気/煙交換器(102)における前記空気注入ダクト(50;57)への、または前記空気/煙交換器(102)の前記空気入口への冷却空気の前記供給を中断/使用可能にする手段によって得られる、請求項22〜34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記空気/煙交換器(102)における前記空気注入ダクト(50;57)への、または前記空気/煙交換器(102)の前記空気入口への前記供給を実施することができる手段(51)において行われる温度検出を実行する、請求項22〜35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記抽出および搬送経路が、前記燃焼室(100)のすぐ下流に配置された第1抽出部(9)と、前記第1部(9)の下流に配置された第2搬送部(6)とを備え、前記工程(c)において、前記圧力遮断が、前記第1抽出部(9)と前記第2搬送部(6)との間で得られる、請求項22〜36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記工程(c)が、前記経路に沿った前記灰の抽出および/または搬送速度の制御を実行する、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
前記工程(c)が、前記2つの環境(9、6)の前記圧力分離を実行することができる、前記2つの環境(9、6)の間の重灰の頭部の生成を実行する、請求項22〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記工程(c)が前記頭部のレベル検出を実行する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記重灰の排出部で行われ、前記重灰の冷却プロセス完了することができる、重灰の混合と、冷却空気、および場合により前記空気注入ダクト(50;57)における前記混合によって採用されるかまたは生成された蒸気の供給とを実行する、請求項22〜40のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−511692(P2012−511692A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540308(P2011−540308)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/IB2009/055604
【国際公開番号】WO2010/067312
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(504027277)マガルディ インダストリエ ソシエタ ア レスポンサビリタ リミタータ (4)
【Fターム(参考)】