高周波加熱装置
【課題】2つのスイッチを1つのスイッチケースに組込むことにより小型化が可能になり、またスイッチ部品の共通利用を図ることにより部品点数を削減して低コスト化が可能になる。さらに、ドアの開閉に連動して傾動する接点切換え構造に設けることにより、高精度のスイッチの切換え性能が得られる電子レンジ用ドアスイッチを提供することを目的とする。
【解決手段】第1傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第1カムを介してスイッチケース内部の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第1スイッチと、第1傾動レバーの傾動時に、第1スイッチの接点部間を切換えるタイミングとは異なる別のタイミングで、該第1傾動レバーの内端部に形成した第2カムを介してスイッチケース内部の別の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第2スイッチと、第2傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第3カムを介してスイッチング操作する第3スイッチと、を設けた。
【解決手段】第1傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第1カムを介してスイッチケース内部の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第1スイッチと、第1傾動レバーの傾動時に、第1スイッチの接点部間を切換えるタイミングとは異なる別のタイミングで、該第1傾動レバーの内端部に形成した第2カムを介してスイッチケース内部の別の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第2スイッチと、第2傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第3カムを介してスイッチング操作する第3スイッチと、を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波加熱装置のドアの開閉に連動してスイッチング操作される複数のスイッチを効率よく組込んで小型化およびスイッチの切換え性能の向上を図った高周波加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、高周波加熱装置である電子レンジのドアスイッチ機構を例にとって説明すると、この電子レンジのドアスイッチ機構は、電子レンジを使用したときの安全性を考慮してラッチスイッチ、ドアスイッチ、モニタスイッチの3種類のスイッチを内蔵し、これらのスイッチをドアの開閉に連動して、時間差をつけてオン・オフ信号が得られるようにスイッチング操作をしている。
【0003】
例えば、電子レンジの前面開口部を開閉するドアの内面に取付けたドアキーを、電子レンジの本体側に取付けたマイクロスイッチなどのスイッチに対向させ、ドアの閉操作時にドアキーを本体側のスイッチに直接対応させてスイッチング操作している。
【0004】
ところが、この場合はスイッチの取付け位置のバラツキによって、各々のスイッチを動作させるタイミングがズレたり、ドアを勢いよく閉じたときの衝撃動作等でスイッチに過大な力が加わることがあり、このためにスイッチ特性を変動させる原因を誘起して正常なスイッチの動作が得られなくなる恐れがあった。
【0005】
また、電子レンジのドアの内面に取付けた2つの操作ピンを、本体側に対向する2つのレバーにそれぞれ対向させて配設し、ドアの開閉に応じて操作ピンおよびレバーを介した内部位置のマイクロスイッチをスイッチング操作するドアスイッチ機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−214147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、この場合は長いレバーを要するため、ドアスイッチ機構の全体が大型化し、また部品点数が多いためにコスト高になっていた。さらに、マイクロスイッチを使用した場合は、取付け方向により3個のマイクロスイッチの各端子の向きが、それぞれ異方向に向くため配線作業に手間がかかっていた。
【0008】
そこでこの発明は、2つのスイッチを1つのスイッチケースに組込むことにより小型化が可能になり、またスイッチ部品の共通利用を図ることにより部品点数を削減して低コスト化が可能になる。さらに、ドアの開閉に連動して傾動する接点切換え構造に設けることにより、高精度のスイッチの切換え性能が得られる電子レンジ用ドアスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、電子レンジの前面開口部を開閉するドアの開閉操作に応じて傾動する複数の傾動レバーの動きによって複数のスイッチを、時間差を付けてスイッチング操作する電子レンジ用ドアスイッチであって、第1傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第1カムを介してスイッチケース内部の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第1スイッチと、前記第1傾動レバーの傾動時に、前記第1スイッチの接点部間を切換えるタイミングとは異なる別のタイミングで、該第1傾動レバーの内端部に形成した第2カムを介して前記スイッチケース内部の別の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第2スイッチと、第2傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第3カムを介してスイッチング操作する第3スイッチとを設けたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、1つのスイッチケースに2つのスイッチを組込むことができ、特に第1傾動レバーの動きに連動させて2つのスイッチをオンオフするスイッチング動作ができるため、第1傾動レバーを2つのスイッチの共通部品として有効利用でき、コンパクトに製作できる。ことに、第1傾動レバーの内端部に形成した第1カムと第2カムをスイッチング操作部材に兼用させることができるため、第1傾動レバーは単一の部品でありながらレバー機能とカム機能とを有して、スイッチの部品点数を削減できる。また、部品点数の削減に伴うスイッチの小型化および低コスト化を図ることができる。
【0011】
また、第1傾動レバーが傾動する位置に対応させて、複数の接点部間を、時間差をつけて切換えるようにすれば、その切換えタイミングを所望のタイミングに設定できる。したがって、各スイッチに対しては傾動操作に伴う高精度のタイミングで接点部間の切換え操作ができる。
【0012】
前記導電接点片は弾性を有する板バネの導電片を用いればよく、導電接点片同士の接離に適した任意の弯曲形状あるいは屈曲形状にして、該導電接点片自体に弾性復帰力を持たせることができる。また、第1傾動レバーの傾動力に連動させて、各導電接点片の接点部間を押し拡げる方向と狭める方向とに弾性変位させれば、接点部間を確実に接離させることができる。また、導電接点片同士を摺接させるように構成すれば、接点部間の焼付き排除性能を得ることができるなど信頼性の高い安定した接点切換え構造が得られる。
【0013】
この発明の他の形態として、電子レンジの前面開口部を開閉するドアと対応する本体フレームの内側にスイッチベースを取付け、このスイッチベースに、前記ドアの開閉操作に応じて異なるタイミングで傾動する第1傾動レバーと第2傾動レバーを取付け、前記両傾動レバーの動きによって前記スイッチベースに搭載されている3個のスイッチを、時間差を付けてスイッチング操作する電子レンジ用ドアスイッチであって、前記第1傾動レバーの内端部には、スイッチケースに傾動自在に軸支される第1軸支部と、スイッチング操作用の第1カムと第2カムとを設け、該レバーの外端部には、前記ドアに取付けられたドアキーと対応する第1レバー受圧部を設け、前記第1カム側に向けて並列配置される複数の導電接点片を設け、前記第1傾動レバーの傾動時に前記第1カムに押圧されて弾性変位する第1導電接点片が第2導電接点片に接触して接点部間を切換える第1スイッチと、前記第2カム側に向けて並列配置される複数の導電接点片を設け、前記第1傾動レバーの傾動時に、前記第1スイッチの接点部間を切換えるタイミングとは異なる別のタイミングで、該第2カムが第3導電接点片に接していた第4導電接点片を押して離間させた後、該第4導電接点片を第5導電接点片に接触させて接点部間を切換える第2スイッチとの両スイッチをスイッチケースに内蔵して設け、前記第2傾動レバーの内端部には、前記スイッチベースに傾動自在に軸支される第2軸支部と、前記スイッチベースに搭載されている第3スイッチの押しボタンに加圧対応させる第3カムとを設け、該第2傾動レバーの外端部には、前記ドアキーと対応する第2レバー受圧部を設けて構成することができる。
【0014】
この場合も1つのスイッチケースに2つのスイッチを内蔵しているため、スイッチケースおよび第1傾動レバーを2つのスイッチの共通部品に利用できる。さらに、第1スイッチをオンオフするスイッチング動作と第2スイッチをオンオフするスイッチング動作との動作タイミングを、第1傾動レバーを傾動操作したときの各位置に正確に対応させることができる。例えば、第1傾動レバーの傾動操作時に、先に第1スイッチの接点部間を切換え、その後、少し遅れたタイミングで第2スイッチの接点部間を切換えるように設定できる。
【0015】
また、導電接点片の配設方向に際しても、第1傾動レバーの第1軸支部を中心に放射状に導電接点片を配設しているため、この第1軸支部を中心に傾動する該第1傾動レバーの第1カムと第2カムとを効率よく導電接点片に対応させることができる。
【0016】
この発明の他の形態として、前記第1スイッチと第2スイッチとの各々の導電接点片の外端部と、前記第3スイッチの外面に突出する端子の外端部とを同突出方向に揃えて構成することができる。
【0017】
この場合は、全スイッチの導電接点片や端子の各外端部を同方向に揃えて突出させることができるため配線作業が容易になり、配線工数の低減を図ることができる。ことに、端子の外端部を同方向の同高さに揃えて突出させれば、より一層、配線作業が容易になる。
【0018】
この発明の他の形態として、前記第1傾動レバーと第2傾動レバーは、レバーを軸支する軸支部からレバー外端部までの距離を長くとり、軸支部からレバー内端部までの距離を短くとって、前記各傾動レバーの軸支部を傾動支点とするレバー外端部側のレバー比をレバー内端部側のレバー比よりも大きく設定して構成することができる。
【0019】
この場合は、レバー外端部側のレバー比を大きく設定してあるため、てこの原理により軸支部を傾動支点とする該レバー外端部側からの傾動操作力が小さくても、レバー内端部側には十分な傾動操作力を伝えることができる。従って、第1傾動レバーと第2傾動レバーとは傾動時の負荷抵抗が小さく、滑らかな動きが得られる。
【0020】
この発明の他の形態として、前記スイッチケースに、前記第1傾動レバーを一体に組込んでなるスイッチユニットを構成することができる。
【0021】
このスイッチユニットは、スイッチケースと第1傾動レバーとの2部品でありながら単品として扱うことができ、スイッチベースへの組立が容易になる。また、2部品を単品として予め組立てておくことができるため取扱いや管理も容易になる。
【0022】
この発明の他の形態として、前記スイッチケースはケース本体とケースカバーとを組合せて構成し、前記ケース本体と同形状の凹部を前記スイッチベースのスイッチケース取付け面に形成することができる。
【0023】
この場合は、2つのスイッチを組込むスイッチ収納部としてのケース本体と同形状の凹部をスイッチベースに既に形成してあるため、ここにスイッチ構成部品を直接組込むことができ、スイッチベースの一部でケース本体を代用できる。そして、この凹部の開放面にケースカバーを取付ければスイッチケースを構成することができる。従って、ケース本体を省略でき、部品点数の削減につながる。
【0024】
この発明の他の形態として、前記スイッチケースはケース本体とケースカバーとを組合せて構成し、前記ケースカバーと同形状のカバー部を前記スイッチベースのスイッチケース取付け面に形成することができる。
【0025】
この場合は、スイッチベースにケースカバーと同形状のカバー部が既に形成されているため、ここにケース本体を取付けるだけでスイッチケースを構成することができる。この場合もスイッチベースの一部でケースカバーを代用できるため、ケースカバーを省略して部品点数を削減できる。
【0026】
この発明の他の構成として、食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、前記操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記扉の開閉動作に連動し第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、信号スイッチがショートスイッチを内蔵しているために、信号スイッチ用のマイクロスイッチと、ショートスイッチ用のマイクロスイッチと、を独立して備える必要がなくなって、簡潔な構造となるとともに、スペース的にも有利になって省スペース化を図ることができる。
【0028】
この発明の他の構成として、食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し第1操作ピン及び第2操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、前記第1操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記第2操作ピンの動作に連動して前記加熱室の前板に装着されたピンガイド及び前記スイッチ取付板に装着された第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、信号スイッチは、第1操作ピンの動作に連動し、加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーにより動作され、メインスイッチは、第2操作ピンの動作に連動し、加熱室の前板に装着されたピンガイド及びスイッチ取付板に装着された第2レバーにより動作される。そして、信号スイッチが、第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵している。そのために、第1レバーにより、信号スイッチおよびショートスイッチを異なる時期に作動させることを容易に設定できる。
【0030】
この発明の他の構成として、前記第1レバーを介して動作する前記信号スイッチと、前記ショートスイッチを内蔵したスイッチユニットは、前記加熱室の扉が開状態の場合、前記信号スイッチの接点がオフで、且つ前記ショートスイッチの接点がオン状態であり、前記加熱室の扉が閉じられると、前記第1レバーの第2操作部が前記ショートスイッチの可動接点部を押圧することで、前記ショートスイッチがオフからオンされた後に、第1レバーの第1操作部が前記信号スイッチの可動接点部を押圧してオンする構成としたことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、加熱室の扉が閉じられたときに、第1レバーの第2操作部がショートスイッチの可動接点部を押圧してオフからオンしてから、第1レバーの第1操作部が信号スイッチの可動接点部を押圧してオンするために、ショートスイッチのオフから、信号スイッチのオンまでの間に予め定められた時間を設定することにより、扉の閉状態が確定されてからでないと、加熱室が作動しないようにできる。
【0032】
この発明の他の構成として、前記スイッチユニットは、前記スイッチ取付板と、前記信号スイッチの接点部及び前記ショートスイッチの接点部を覆うスイッチカバーと、からなり、前記スイッチ取付板には、前記メインスイッチが装着され、且つ前記スイッチ取付板上に前記第1レバーの回転軸を設け、前記回転軸に前記第1レバーを挿入し、前記スイッチカバーで保持する構成としたことを特徴とする。
【0033】
この場合は、スイッチ取付板に対して、スイッチカバーが装着されることによりスイッチユニットが被覆され、回転軸に対して第1レバーが挿入されることにより第1レバーが支持されるために、スイッチ取付板への組付けのみによる作業になり、それによって、自動組み付けの構造を簡潔にすることができる。
【0034】
この発明の他の構成として、前記第1レバーからつたってきた液体の浸入を防止するために前記第1レバーの前記回転軸より前方に鍔を延ばしたことを特徴とする。
【0035】
この場合は、第1レバーをつたってきた肉汁や水滴等の液体は、回転軸より前方に延ばされた鍔によってスイッチユニット内に浸入することがなく、外部へ除去されるので、スイッチユニット内に液体が浸入せずに、接点の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。
【0036】
この発明の他の構成として、前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記第1レバーの前記回転軸より後方に前記スイッチユニット内部の接点部を設けたことを特徴とする。
【0037】
この場合は、スイッチユニット内部の接点部が回転軸より後方に配置されているために、第1レバーをつたってきた肉汁や水滴等の液体がスイッチユニット内に浸入することがないので、接点の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。
【0038】
この発明の他の構成として、前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記ショートスイッチの接点部を下側に設けたことを特徴とする。
【0039】
この場合は、ショートスイッチの接点部が下側に配置されているために、第1レバーをつたってきた肉汁や水滴等の液体の進行路から離れており、それによって、液体の浸入による影響を受け難くすることができる。
【0040】
この発明の他の構成として、前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装の色の違いにより示すインジケータを備えたことを特徴とする。
【0041】
この場合は、第1レバーとスイッチユニットとの外装の色を異なるようにすることで、接点のオン・オフ状態を確認することができる。
【0042】
この発明の他の構成として、前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装に設けた印により示すインジケータを備えたことを特徴とする。
【0043】
この場合は、第1レバーとスイッチユニットとに設けた印によって、接点のオン・オフ状態を確認することができる。
【0044】
この発明の他の構成として、前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの接続が誤配線されないようにするために前記スイッチユニットの外装の上側あるいは下側に突起を設けたことを特徴とする。
【0045】
この場合は、スイッチユニットの上側あるいは下側に設けた突起により、スイッチユニット内の信号スイッチおよびショートスイッチに接続されるコネクタが誤組み付けされないために、コネクタを確実に組み付けることができる。
【0046】
この発明の他の構成として、前記ショートスイッチに構成される接点の内の前記ショートスイッチと前記メインスイッチとでショート回路を構成する接点の片側を略R形状に形成したことを特徴とする。
【0047】
この場合は、ショート回路を構成する接点がショートする時に、接点の片側が略R形状に形成されているために、接点間で発生するアーク電流が均等に流れることにより、接点が飛散することがなくなり、確実にショート回路を形成することができる。
【0048】
この発明の他の構成として、前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板の接点操作部を略櫛歯形状に形成したことを特徴とする。
【0049】
この場合は、スイッチ取付板の接点操作部が略櫛歯形状に形成されているために、スイッチ取付板とスイッチカバーとが迷路状になっており、それにより、スイッチ取付板とスイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止することができる。
【0050】
この発明の他の構成として、前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板と前記第1レバーの接点操作部にグリス溜りを形成したことを特徴とする。
【0051】
この場合は、第1レバーの接点操作部に形成されたグリス溜りによって、第1レバーを可動させるためにできるスイッチ取付板とスイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止することができる。
【0052】
この発明の他の構成として、前記スイッチカバーを透明にしたことを特徴とする。
【0053】
この場合は、透明なスイッチカバーにより、内部の接点状態を直接確認することができる。
【0054】
この発明の他の構成として、前記スイッチユニットに内蔵された前記信号スイッチ及び前記ショートスイッチの接点同士は接触後にずれてワイピングするように構成されていることを特徴とする。
【0055】
この場合は、信号スイッチの接点同士およびショートスイッチの接点同士が接触時にずれてワイピングされるために、各接点が常に洗浄されて、アークを発生させないようにし、電流による接点の溶着を防止することができる。
【0056】
この発明の他の構成として、前記スイッチユニットに内蔵された前記ショートスイッチの接点片の弾性力により前記第1レバーを復帰させる構成としたことを特徴とする。
【0057】
この場合は、第1レバーはショートスイッチの接点片の弾性反発力によって復帰動作をするようにすれば、第1レバーに戻しばね等の復帰部材を内蔵する必要がなくなって、部品点数の減少を図ることができる。
【0058】
この発明の他の構成として、前記メインスイッチは前記第2レバーに対向し該第2レバーの回転軸を基準として第2レバーを操作する第2操作ピンあるいは第2操作キー側に配置したことを特徴とする。
【0059】
この場合は、メインスイッチが第2レバーの接線上に配置されるために、第2レバーは、メインスイッチに内蔵されるスイッチ戻し機構によって直接戻し動作を行うことができ、それによって、第2レバーに内蔵される戻しばね等を省略して、部品点数を減少することができる。
【0060】
この発明の他の構成として、前記第2レバーが押圧された際に前記第1レバーを押圧して、前記ショートスイッチがオフされた後に、前記メインスイッチをオンするための突起部を前記第2レバーに設けたことを特徴とする。
【0061】
この場合は、第2レバーの回動に伴い、突起部によって第1レバーを回動させてショートスイッチをオフした後に、メインスイッチをオンすることにより、ドアが開いている状態で第2レバーが強制的に押されても(故意に押されても)ショート回路中のヒューズが溶断しないようにできる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、1つのスイッチケースに2つのスイッチを組込むことができ、しかも第1傾動レバーの動きに連動させて両スイッチの接点部間をそれぞれ切換える共通部品として設けることができるため、部品点数を削減して低コスト化および小型化を図ることができる。また、第1傾動レバーの動きに連動する両スイッチの動作タイミングを任意にとれるため、信頼性の高い安定したスイッチの切換え性能が得られ、電子レンジに組込んだ場合に安全性の高いスイッチとして組込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下、本発明の高周波加熱装置に係る複数の好適な実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0064】
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本発明の第1実施形態である高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチ11は、縦長の基板を起立して設けたスイッチベース12の一壁面に、スイッチユニット13と、マイクロスイッチ(以下ラッチスイッチと称す)SW1を取付け、他壁面にラッチスイッチ機構14を取付けて構成している。
【0065】
上述のスイッチユニット13は、図3に示すように、スイッチケース15に逆L形状の第1傾動レバー16の下端部を組込んで一体に構成し、このスイッチケース15の内部に後述する第3スイッチであるモニタスイッチSW2と第1スイッチであるドアスイッチSW3との両スイッチを並列に組込んでいる。そして、両スイッチを操作するための第1傾動レバー16をスイッチケース15に突出させた状態で、該スイッチケース15をスイッチベース12の一壁面の上部に取付けている。
【0066】
このスイッチベース12の一壁面の上部には、第1〜第3円筒軸17a〜17cを突設し、またスイッチベース12の一壁面の下部には第4円筒軸17dを突設している。このうち、第1円筒軸17aをスイッチユニット13に挿通させた状態で、スイッチベース12の一壁面の上部に突出する数個の係止爪18にて、該スイッチユニット13の外周囲を抜止め係止し、これによりスイッチユニット13をスイッチベース12に一体に取付けている。
【0067】
上述の第1円筒軸17aをスイッチケース15の取付け方向に貫通して設けた挿通孔19に挿通させて、該スイッチケース15をスイッチベース12に位置決め固定して取付けている。
【0068】
また、第2円筒軸17bを第1傾動レバー16に開口した長孔20を挿通させて第1傾動レバー16の動きに支障がないようにし、同様に第3円筒軸17cも第1傾動レバー16が傾動する範囲を避けた位置に突出させている。さらに、第2円筒軸17b〜第4円筒軸17dは、その穴部がスイッチベース12を電子レンジの図示しない筐体への取付けに用いられる。
【0069】
さらに、スイッチベース12の一壁面の上部に傾動許容爪21を突設し、この傾動許容爪21に第1傾動レバー16の中間高さ位置に傾動方向に沿って開口した円弧形ガイド溝22が係合して傾動ガイドされる。
【0070】
上述の第1傾動レバー16は下端部が、後述するスイッチケース15の内部に組込まれて傾動自由に軸支され、この内部の軸支部を傾動支点に、該レバー上端部の第1レバー受圧部として突出する受圧突起23が後述するドアを閉じたときのドアキーからの外力を受けて傾動される。この軸支部を傾動支点に傾動したとき、該レバー16の下端面に形成した後述する第1カムと第2カムが後述するそれぞれのスイッチSW2,SW3のスイッチング操作を行う。
【0071】
一方、ラッチスイッチ機構14は、第2スイッチであるラッチスイッチSW1と、第2傾動レバー24とを組合せて構成される。ラッチスイッチSW1は、スイッチベース12の他壁面に突出する一対の取付け軸25に、該ラッチスイッチSW1に横貫した一対の貫通孔26を貫通させて軸支し、また上下一対の係合爪27にてラッチスイッチSW1をスイッチベース12に一体に係合固定している。
【0072】
上述の第2傾動レバー24はL形状を有し、そのL形状の屈曲位置に設けた軸支孔28を、図4に示すように、スイッチベース12の他壁面に突出する支点軸29に傾動自由に挿通させて軸支し、またスイッチベース12の他壁面の上部に突出する傾動許容爪30で該レバー24の傾動ガイド溝31に係合させて、第2傾動レバー24をスイッチベース12に抜止め支持している。
【0073】
さらに、第2傾動レバー24のL形状に形成された下端部に突出する第3カム32をスイッチベース12の横貫口33に貫通させて一壁面側に取付けられたラッチスイッチSW1の押しボタン34の上面に対向させて配置し、第2傾動レバー24の上端部に突出する第2レバー受圧部としての受圧片35が後述するドアキーからの外力(ドアを閉じたときの閉鎖力)を受けることに基づいて軸支孔28を傾動支点に傾動する。このとき、該レバー24の下端部に突出するスイッチ操作用の第3カム32が、ラッチスイッチSW1の押しボタン34を押圧してスイッチング操作を行う。また、押下解除に基づいて、この傾動レバー24は押しボタン34の復帰作用を受けて元の位置に傾動して戻り、ラッチスイッチSW1も元の状態に切換えられる。
【0074】
また、軸支孔28と同心円上の第2傾動レバー24に半円形に突出する傾動ガイド片36を、スイッチベース12の他壁面の下部に突出する傾動ガイド爪37で傾動ガイドして該レバー24を傾動ガイドしている。
【0075】
図5はスイッチユニット13の外観図を示し、スイッチケース15に第1傾動レバー16の下端部を組込んで一体に設けている。
【0076】
この場合、スイッチユニット13はスイッチケース15と第1傾動レバー16との2部品でありながら単品として扱うことができ、予めスイッチユニット13を個別に製作しておくことができるため、該スイッチユニット13ならびに電子レンジ用ドアスイッチの組立、製作および管理が容易になるほか品質を選択できる。例えば、ケース本体およびケースカバーを耐熱性に優れた熱硬化性樹脂を用い、スイッチベース12を安価な熱可塑性樹脂を用いるなど樹脂材料別に製作することができる。
【0077】
このスイッチケース15の内部は図6に示すように、第1傾動レバー16と、復帰バネ38と、第1〜第5端子T1〜T5と、これらを組込むケース本体39と、その開口面を覆う平板状のケースカバー40とから構成される。
【0078】
上述の第1傾動レバー16の下端部には、後述するケース本体39に組込まれて傾動自由に軸支される軸支孔41と、該レバー16を待機位置に付勢支持する環状の復帰バネ38を取付けるバネ取付け部42と、スイッチング操作用の第1カムC1と第2カムC2とを有している。
【0079】
ケース本体39は、片面を開放した凹部内面の上部の側面を一部レバー取付け用に開口し、その開口部43と対向する凹部内面に傾動支点軸44を突設し、ここに第1傾動レバー16の軸支孔41を挿通して傾動自由に取付け、この傾動支点軸44を傾動支点に第1傾動レバー16はスイッチング操作可能な範囲で傾動する。
【0080】
次に、スイッチユニット13の内部構造について具体的に説明する。図7および図8はケース本体39への組込み状態を示し、このケース本体39は中央部を上下方向に延びる仕切り板45で仕切って左右に空洞部46,47を有し、これらの空洞部46,47にドアスイッチSW3とモニタスイッチSW2とを、この順に並列配置している。また、その上方に第1傾動レバー16の第2カムC2と第1カムC1を対応させている。
【0081】
先ず、ドアスイッチSW3は、第1端子T1と、第2端子T2と、第2カムC2とから構成され、ケース本体39の下部一側(図中左側)に形成した圧入溝39a,39bに細長い直板状の導電性の板バネ片を用いた第1、第2端子T1,T2の下部を圧入固定している。これら2個の端子T1,T2はケース本体39の下面より配線用に外端部を整列して突出させ、内端部を接点用にケース本体39の内方の空洞部46に略平行状態に対峙させて取付けている。そして、第1端子T1の内端部には、前記第2カムC2が対向し、該第2カムC2の動きに応じて第1端子T1の内端部(自由端)側を第2端子T2の内端部(自由端)側に接触または離間させてオンオフする接点切換え構造を有している。
【0082】
モニタスイッチSW2は、第3端子T3と、第4端子T4と、第5端子T5と、第1カムC1とから構成され、ケース本体39の下部他側(図中右側)に形成した圧入溝39c〜39eに細長い直板状の導電性の板バネ片を用いた第3〜第5端子T3〜T5を圧入固定している。これら3個の端子T3〜T5はケース本体39の下面より配線用に外端部を整列して突出させ、内端部を接点用にケース本体39の内方の空洞部47に略平行状態に臨ませている。
【0083】
さらに、仕切り板45よりモニタスイッチSW2側の空洞部47に端子保持片48を延設し、この端子保持片48の圧入溝39fに第3端子T3の内端部を圧入固定している。この第3端子T3の内端部側に、内端部を階段状に形成した第4端子T4の屈曲部T41を接触させている。そして、この屈曲部T41の自由端側に第1カムC1が対応し、該第1カムC1の動きに応じて第4端子T4の自由端側を第3端子T3より離間させた後、第5端子T5の自由端側に接触させて接点を切換える接点切換え構造を有している。
【0084】
このように、第1端子T1と第4端子T4は、接点部間を切換える可動端子に該当し、後述する第1傾動レバー16の下面に形成された第1カムC1および第2カムC2の押圧力を受けて弾性変位する。また、第1〜第5端子T1〜T5は、第4端子T4を除いて同形状を有し、ケース本体39に圧入して取付ける向きが異なるだけで同一部品であるため、共用することができる。
【0085】
さらに、第1カムC1と第2カムC2との間の第1傾動レバー16にはストッパ溝49を切欠き形成しており、このストッパ溝49がその下方に対応する仕切り板45のストッパ部兼用に設けた頂部45aに係止されている。このストッパ溝49の溝長さによって第1傾動レバー16が傾動したときのカムの操作量を設定している。
【0086】
そして、ケース本体39の凹部に第1傾動レバー16と復帰バネ38と各端子T1〜T5を組込んだ後、ケース本体39の両側および頂部に突出する係止突起39gにケースカバー40の係止爪40aを係止させて接続することにより、ケース本体39の開放面を閉鎖して一体に連結する。
【0087】
次に、図9を参照して、電子レンジ用ドアスイッチ11の接点部間の切換え動作を説明する。
【0088】
通常、図9(A)に示すように、第1傾動レバー16の受圧突起23が押下されていないときは、第1傾動レバー16が復帰バネ38で付勢されて受圧突起23が押下可能な待機状態にある。このとき、モニタスイッチSW2側は第3端子T3に第4端子T4が接触した常閉接点に設定された導通状態にあり、第5端子T5とは非接触の常開接点に設定された非導通状態にある。
【0089】
また、ドアスイッチSW3側にあっては、第1端子T1と第2端子T2とは非接触の常開接点に設定された非導通状態にある。
【0090】
受圧突起23が外力を受け始めて、図9(B)に示すように、第1傾動レバー16の初期傾動時に、第1傾動レバー16と一体の第1カムC1が第4端子T4の自由端側を押して、第3端子T3との接点部間を離す方向に弾性変位させる。これにより、第3端子T3と第4端子T4との接点部間が離れて非導通になる。その後、同変位方向に対向する第5端子T5の接点部に第4端子T4が加圧接触して導通状態になる。
【0091】
さらに、第1傾動レバー16を傾動させると、図9(C)に示すように、続いて第2カムC2が第1端子T1の自由端側を加圧して弾性変位させる。この弾性変位に基づいて第1端子T1が対向する第2端子T2の接点部に加圧接触して導通状態になり、ドアスイッチSW3は閉に切換えられる。
【0092】
また、前記受圧突起23よりも後退した待機位置にあるラッチスイッチ機構14側の受圧片35は第1傾動レバー16に遅れて押されることになり、第1傾動レバー16、第2傾動レバー24の順におされて第2傾動レバー24が傾動したとき、第3カム32がラッチスイッチSW1の押しボタン34を押下する。
【0093】
そして、第1傾動レバー16の外力が除かれると、第1傾動レバー16は復帰バネ38の復帰力を受けて元の押下待機位置に戻り、両側の弾性変位されていた端子T1,T4も同様に弾性復帰して元の位置に戻り、接点部間は、図9(A)に示した元の待機状態に戻る。
【0094】
同じく、第2傾動レバー24側も略同時に外力が除かれて、第2傾動レバー24は押しボタン34の復帰力を受けて元の押下待機位置に戻り、接点部間はオンからオフに切換えられ、元の待機状態に戻る。
【0095】
このように、並列する一方のモニタスイッチSW2と他方のドアスイッチSW3とが、ユニットケース15内の両側の定位置に配置されるため、取付け位置のバラツキがなくなり、また両側のスイッチSW2,SW3は第1傾動レバー16の動きに伴う一方のモニタスイッチSW2の接点切換えタイミングと他方のドアスイッチSW3の接点切換えタイミングを異ならせた任意の接点の切換え構成が容易に得られる。
【0096】
このため、各スイッチに対しては傾動操作に伴う高精度のタイミングで接点部間の切換え操作ができる。
【0097】
また、1つのスイッチケース15に2つのスイッチSW2,SW3を組込むことができるため、共通部品として有効利用でき、コンパクトに製作できる。ことに、第1傾動レバー16は単一の部品でありながらレバー機能とカム機能とを有し、しかも1回の傾動操作で双方のスイッチSW2,SW3をスイッチング操作できる共通部品であるためスイッチの部品点数を削減することができる。
【0098】
さらに、図10にも示すように、モニタスイッチSW2とドアスイッチSW3との各々の端子T1〜T5の外端部と、ラッチスイッチSW3の下面に突出する端子T6,T7の外端部とを、同突出方向に揃えている。これにより、端子の向きと位置が配線作業に容易な配置構成がとれ、配線工数の低減を図ることができる。
【0099】
さらに、第1傾動レバー16と第2傾動レバー24は、レバーを軸支する軸支部からレバー外端部までの距離を長くとり、軸支部からレバー内端部までの距離を短くとって、各傾動レバー16,24の軸支部を傾動支点とするレバー外端部側のレバー比をレバー内端部側のレバー比よりも大きく設定している。
【0100】
このため、軸支部を傾動支点とする該レバー外端部側からの傾動操作力は、てこの原理により小さな力で、レバー内端部側に効率よく傾動操作力を伝えることができる。従って、第1傾動レバー16と第2傾動レバー24とは傾動時の負荷抵抗が小さく、滑らかな動きが得られる。
【0101】
図11はスイッチユニット13を備えた電子レンジ用ドアスイッチ11の組込み状態を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ11は電子レンジの縦開きドアのドアキー50と対向する本体フレーム51の上部に開口する上部窓52に第1傾動レバー16の受圧突起23を臨ませ、その下部に開口する下部窓53に第2傾動レバー24の受圧片35を臨ませて取付ける。
【0102】
これらと対向するドアキー50の対向面上部には上部爪54を、下部には下部爪55を突設し、ドアの開閉操作に伴って押圧される受圧突起23と受圧片35が進退してスイッチング操作される。
【0103】
この場合、スイッチング操作時(ドア閉鎖時)の外力を受ける方向と同方向に第1傾動レバー16の傾動方向を合せて取付けている(図においては水平方向)。これにより、外力を受けたときは、第1傾動レバー16が斜め下向きに押し下げられて傾動し、この第1傾動レバー16の傾動する動きに連動して両側のスイッチSW2,SW3は正確に接点が切換わる。
【0104】
図12は電子レンジ用ドアスイッチの電気回路図を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ11を構成する各スイッチSW1,SW2,SW3の端子は、図に示す如く、電子レンジの回路に接続されている。
【0105】
図13は電子レンジ用ドアスイッチ11を構成する各SW1,SW2,SW3のタイムチャートを示し、ラッチスイッチSW1とドアスイッチSW3は、電子レンジのドアが開放された押下待機状態のときは開状態を保ち、ドアが閉じられた押下操作時は閉信号が出力される。一方、モニタスイッチSW2は電子レンジのドアが開放されている押下待機状態FP(フリーポジション)のときは閉状態を保ち(第3端子T3と第4端子T4が導通)、ドアが閉じられて押下操作されたときは開となる(第4端子T4と第5端子T5が導通)。このときは、例えば出力された信号により電子レンジの調理ランプが点灯される。
【0106】
この電子レンジは、ラッチスイッチSW1およびドアスイッチSW3が閉になったとき、通電して調理可能に作動し、開になったとき作動を停止する。ところが、これらのSW1,SW3の接点部分に、仮に接点溶着などの不具合が生じると、ドアが開けられてもスイッチSW1,SW3の接点部間が開にならない場合が発生する恐れがある。このときは、電子レンジの電磁波を出力させて危険になるので最後にモニタスイッチSW2の常閉接点が閉になり、電源回路を短絡するためヒューズを溶断して電源を遮断する回路構成を有している。これにより、安全を確保している。
【0107】
図14は電子レンジ用ドアスイッチの他の実施の形態を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ141はスイッチベース142の一壁面に、ケース本体と同凹形状のスイッチ収納部143を形成し、このスイッチ収納部143にスイッチユニット144を構成する復帰バネ145と、第1〜第5端子T11〜T15と、第1傾動レバー146とを組付け、その開口面をケースカバー147で閉鎖して一体に組付けるようにしたものである。
【0108】
この場合は予めスイッチベース142に形成されたスイッチ収納部143にスイッチ構成部品を直接組込んで構成できるため、スイッチベース142の一部でケース本体を代用できる。この結果、部品点数の削減が図れる。
【0109】
図15は電子レンジ用ドアスイッチの他の実施の形態を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ151はスイッチベース152の一壁面に、ケースカバーと同形状のカバー部153を形成し、このカバー部153に、復帰バネ154と、第1〜第5端子T21〜T25と、第1傾動レバー155とを組込んだケース本体156組付けるようにしたものである。
【0110】
この場合もスイッチベース152にケースカバーと同形状のカバー部153が既に形成されているため、スイッチベース152の一部でケースカバーを代用できる。そして、ここにケース本体156を取付けるだけで、スイッチユニットを構成することができる。このため、ケースカバーを省略でき、部品点数を削減できる。
【0111】
上述のように、1つのスイッチケースにモニタスイッチとドアスイッチとの2つのスイッチを収納するだけでなく、第1傾動レバーを介して両スイッチをスイッチング操作することができるため、スイッチケースおよび第1傾動レバーを共通部品として利用できる。この結果、部品点数を削減して低コスト化、省スペース化および小型化を図ることができる。また、2つのスイッチは、スイッチケース内の定位置に配置するため取付け位置のバラツキがなくなり、また傾動動作に連動してスイッチング操作するため、スイッチ間の動作タイミングが正確であり、信頼性の高い安定したスイッチング操作ができる。
【0112】
(第2実施形態)
次に、図16〜23を参照して、本発明の高周波加熱装置の第2実施形態について説明する。図16は第2実施形態の高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチを一方の面から見た外観斜視図、図17は図16の電子レンジ用ドアスイッチを他方の面から見た外観斜視図、図18は図16に示す電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図、図19は図17に示す電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図、図20は図16に示す電子レンジ用ドアスイッチにおけるスイッチユニットの断面図、図21は回路構成における不具合例、図22は本発明の回路構成図、図23(a)〜(c),図24(a)〜(c),図25(a)〜(d)は動作説明図である。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0113】
図16に示すように、高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチ200は、スイッチ取付板201と、第1レバー203を組み込んだスイッチユニット202と、第2レバー204と、第2スイッチであるメインスイッチ205と、から構成されている。
【0114】
スイッチ取付板201には、その一方の面206の上方部に第1レバー203を取り付けるための突起207と、第1レバー203を回動自在に支持するための回転軸208と、が立設され、回転軸208を囲んで配置されたスイッチユニット固定部209に、回転軸208に第1レバー203が挿入されたスイッチユニット202が組み付けられている。また、突起207の後方に配置されたメインスイッチ固定部210にメインスイッチ205が組み付けられている。
【0115】
図17に示すように、スイッチ取付板201には、その他方の面211の中央部に第2レバー204を回動自在に支持するための回転軸212が立設され、第2レバー204に形成されたカム213が、中央部に形成された横孔214を挿通して一方の面206上に突出されている。
【0116】
図18に示すように、スイッチ取付板201は、スイッチユニット固定部209が、一方の面206上に突出する3個の係止爪215と、スイッチカバー216を囲むように突出形成されたリブ217と、を有する。スイッチユニット固定部209には、第1レバー203の長孔218が突起207に挿通され、第1レバー203の枢支孔219が回転軸208に挿通されたスイッチユニット202において、スイッチカバー216の外周に突出形成された3個の凸片220が係止爪215に係合することによって一体に取付けられている。このとき、第1レバー203は、円弧状ガイド孔221が一方の面206上に突出形成された傾動許容爪222に係合されることによって、スイッチ取付板201に抜け止めされて傾動ガイドされる。第1レバー203には、受圧突起223が突出形成されている。受圧突起223は、ドアを閉じた時にドアキーから与えられた外力によって第1レバー203を回動させる。このとき、スイッチ取付板201に対して、スイッチカバー216が装着されることによりスイッチユニット202が被覆され、突起207に対して第1レバー203が挿入されることにより第1レバー203が支持されるために、スイッチ取付板201への組付けのみによる作業になり、それによって、自動組み付けの構造を簡潔にすることができる。
【0117】
また、スイッチ取付板201は、メインスイッチ固定部210が、一方の面206上に突出する一対の取付け軸224と、上下一対の係合爪225と、を有する。メインスイッチ固定部210には、一対の取付け軸224に、メインスイッチ205に横貫した一対の貫通孔226を貫通させて軸支し、一対の係合爪225によってメインスイッチ205が一体に取付けられている。メインスイッチ205は第2レバー204の接線上に配置されている。そのために、第2レバー204は、メインスイッチ205に有する押しボタン227が復帰する際の反発力によって直接戻し動作を行うことができるので、戻しばね等を内蔵する必要がなくなって、部品点数を減少することができる。
【0118】
図19に示すように、スイッチ取付板201は、他方の面211上の回転軸212に、第2レバー204の枢支孔228が回動自在に組み付けられている。第2レバー204は、V字形状の外形に形成されており、一方の端部に受圧片229が形成され、他方の端部にカム213が形成されている。受圧片229は、ドアキーからの外力を受けることに基づいて第2レバー204を回動させるために、カム213によってメインスイッチ205の押しボタン227をオンさせる。第2レバー204は、円弧状ガイド孔230,円弧状ガイド突起231が、他方の面211上に突出形成された傾動許容片232,233に係合されることによって、スイッチ取付板201に抜け止めされて傾動ガイドされる。
【0119】
スイッチユニット202は、スイッチカバー216内に、第1レバー203の基部234が回動自在に収容されており、基部234の外周部に、第1,第2操作部235,236が径方向に突出形成されている。また、スイッチカバー216内に、第1スイッチである信号スイッチ250を構成する、常開可動接点端子251,固定接点端子252と、第3スイッチであるショートスイッチ253を構成する、第1固定接点端子254,常閉可動接点端子255,第2固定接点端子256が組み付けられている。信号スイッチ250とショートスイッチ253との動きは、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。スイッチカバー216は、透明に形成されても良い。そうすれば、内部の接点状態を直接確認することができる。
【0120】
第2レバー204には、突起部240が設けられている。突起部240は、受圧片229がドアキーからの外力を受けることにより押圧された際に、第1レバー203を押圧回動させることにより、ショートスイッチ253がオフした後に、メインスイッチ205をオンすることができる。
【0121】
ここで、スイッチユニット202が、信号スイッチ250とショートスイッチ253とを内蔵しているために、信号スイッチ用のマイクロスイッチと、ショートスイッチ用のマイクロスイッチと、を独立して備える必要がなくなって、簡潔な構造となるとともに、スペース的にも有利になって省スペース化を図ることができる。また、信号スイッチ250は、第1操作ピンの動作に連動し、加熱室側方に位置するスイッチ取付板201に装着された第1レバー203により動作され、メインスイッチ205は、第2操作ピンの動作に連動し、加熱室の前板に装着されたピンガイド及びスイッチ取付板201に装着された第2レバー204により動作される。そして、信号スイッチ250が、第1レバー203を介して動作するショートスイッチ250を内蔵している。そのために、第1レバー203により、信号スイッチ250およびショートスイッチ253を異なる時期に作動させることを容易に設定できる。また、加熱室の扉が閉じられたときに、第1レバー203の第1操作部235がショートスイッチ253の可動接点部を押圧してオフからオンしてから、第1レバー203の第2操作部236がショートスイッチ253の可動接点部を押圧してオンするために、ショートスイッチ253のオフから、信号スイッチ250のオンまでの間に予め定められた時間を設定することにより、扉の閉状態が確定されてからでないと、加熱室が作動しないようにできる。
【0122】
スイッチユニット202では、信号スイッチ250を構成する、常開可動接点端子251,固定接点端子252の接点部と、ショートスイッチ253を構成する、第1固定接点端子254,常閉可動接点端子255,第2固定接点端子256の接点部、が突起207,208より後方に配置されている。そのために、第1レバー203をつたってきた肉汁や水滴等の液体がスイッチユニット202内に浸入することがないので、接点部の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。また、ショートスイッチ253を構成する、第1固定接点端子254,常閉可動接点端子255,第2固定接点端子256の接点部が下側に配置されているために、第1レバー203をつたってきた肉汁や水滴等の液体の進行路から離れており、それによって、液体の浸入による影響を受け難くすることができる。また、ショートスイッチ253とメインスイッチ205とでショート回路を構成する接点部の片側が略R形状に形成されている。そのために、接点部がショートする時に、接点部の片側が略R形状に形成されているために、飛散することがなくなり、確実にショート回路を形成することができる。また、信号スイッチ250及びショートスイッチ253の接点部同士は接触後にずれてワイピングするように構成されている。そのために、信号スイッチ250の接点部同士およびショートスイッチ253の接点部同士が接触時にずれてワイピングされるので、各接点部が常に洗浄されて、アークを発生させないようにして漏れ電流を防止することができる。また、ショートスイッチ253の接点片の弾性力により第1レバー203が復帰される。これにより、第1レバー203に戻しばね等の復帰部材を内蔵する必要がなくなって、部品点数の減少を図ることができる。
【0123】
第1レバー203には、基部234の上方に、回転軸より前方に延ばされた鍔237が形成されている。また、基部234の下側に、グリス溜り238が外周に向けてL字形状に突出形成されている。鍔237は、第1レバー203をつたってきた肉汁や水滴等の液体が、スイッチユニット202内に浸入しないようにして、外部へ除去するために、スイッチユニット202内に液体が浸入せずに、接点の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。グリス溜り238は、第1レバー203を可動させるためにできるスイッチ取付板201とスイッチカバー216との隙間からの粉塵の侵入を防止するとともに、基部234に塗布されるグリスが接点側に流れ込まないようにする。
【0124】
ここで、第1レバー203とスイッチユニット202との外装の色の違いにより示すインジケータを備えるのが好ましい。そうすれば、信号スイッチ250とショートスイッチ253とを内蔵したスイッチユニット202の動作位置、特に、接点のオン・オフ状態を確認することができる。また、第1レバー203とスイッチユニット202との外装に設けた印により示すインジケータを備えても良い。そうすれば、接点のオン・オフ状態を確認することができる。また、スイッチユニット202の外装の上側あるいは下側に突起を設けても良い。そうすれば、スイッチユニット202内の信号スイッチ250およびショートスイッチ253に接続されるコネクタが誤組み付けされないために、コネクタを確実に組み付けることができる。
【0125】
図20に示すように、スイッチ取付板201のリブ217と、スイッチカバー216の端縁とは、略櫛歯形状に形成されている。そのため、スイッチ取付板201とスイッチカバー216の端縁とが迷路状になっているので、スイッチ取付板201とスイッチカバー216との隙間からの粉塵の侵入を防止することができる。
【0126】
従来、ドアが開いている状態で、例えば、細い針金等を用いて第2レバー204が強制的に押圧された場合、ドアは開状態にあるので、ショートスイッチ253はオン状態にあり、それによって、ヒューズが溶断する。これを解決するための手段として、1つは、図21に示すように、常閉のショートスイッチ253をメインスイッチ205およびリレー接点RL−1の下流側に並列に接続することが考えられる。しかし、このようにすると、メインスイッチ205が溶着した場合、第1レバー203が押し込まれてショートスイッチ253はオフした後に信号スイッチ250がオンしてリレー接点RL−1が閉じて電源回路が形成される。この状態で、調理スタートボタンが押されると、ドアが開いているのにマグネトロンが作動し、電磁波漏れが発生する。
【0127】
これに対し、図22に示すように、本発明では、ショートスイッチ253をメインスイッチ205とヒューズFの下流側に並列に接続し、リレー接点RL−1をショートスイッチ253とヒューズFとの接続点よりも下流側に直列に接続した。このような回路構成にすることにより、メインスイッチ205が溶着した場合にのみヒューズFを溶断させ、リレー接点RL−1が溶着した場合、第1レバー203が押し込まれてショートスイッチ253はオフするが、コンシールされた第2レバー204は押し込まれないために、メインスイッチ205はオフ状態を保ち、電源回路は形成されない。この状態で調理スタートボタンが押されてもマグネトロンは作動せずに、電波漏れを発生しないようにできる。これにより、ドアが開いている状態で第2レバー204が強制的に押されたとしても、第2レバー204に連動して第1レバー203を動作させて、ショートスイッチ253をオフすることができる。
【0128】
次に、図23(a)〜(c),図24(a)〜(c),図25(a)〜(d)を参照して動作を説明する。
【0129】
まず、図23(a)〜(c),図24(a)〜(c)を参照して通常の動作について説明する。
図23(a)に示すように、扉500が開いていると、第1レバー203および第2レバー204は復帰位置にあり、ショートスイッチ253がオン、信号スイッチ250がオフ、メインスイッチ205がオフである。扉500が閉じられてくると、第1レバー203の受圧突起223が押圧されるために、第1レバー203が回動を始める。
【0130】
図23(b)に示すように、扉500が閉じられてきても、第2レバー204は押圧されないために、第1レバー203のみが回動され、第1操作部235により常閉可動接点端子255が押圧されて第1固定接点端子255から離れてショートスイッチ253がオフされる。
【0131】
図23(c)に示すように、第2レバー204が押圧されないまま、第1レバー203のみが押圧されるので、第1操作部235により常閉可動接点端子255が押圧されて第2固定接点端子256に電気的に接続されてショートスイッチ253がオンされる。そして、第2操作部236によって信号スイッチ250の常開可動接点端子251が押圧され始める。
【0132】
図24(a)に示すように、第1レバー203の回動によって、第2操作部236に押圧された常開可動接点端子251が固定接点端子252に電気的に接続されて信号スイッチ250がオンされる。そして、扉500によって第2レバー204が押圧され始める。
【0133】
図24(b)に示すように、扉500の閉動作に伴い、ショートスイッチ253がオフされてから、信号スイッチ250がオンされた後に、第1レバー203とは独立して第2レバー204が回動されることにより、メインスイッチ205がオンされる。
【0134】
図24(c)に示すように、ショートスイッチ253がオフ、信号スイッチ250がオン、メインスイッチ205がオンで扉500が閉じられる。
【0135】
次に、図25(a)に示すように、扉500が開いている状態においては、第2レバー204は復帰位置A0にあり、ショートスイッチ253がオン、信号スイッチ250がオフ、メインスイッチ205がオフである。
【0136】
図25(b)に示すように、受圧片229が外力を受けて、第2レバー204が復帰位置A0から位置A1まで強制的に押圧回動されると、突起部240が第1レバー203を押圧回動させる。第1レバー203が回動されることで、第1操作部235がショートスイッチ253の常閉可動接点255を押動させるために、ショートスイッチ253がオフされる。
【0137】
図25(c)に示すように、第2レバー204がさらに押圧されて、位置A1から位置A2まで回動されると、メインスイッチ205がオンされる。
【0138】
図25(d)に示すように、第2レバー204がさらに押圧されて、位置A2から位置A3まで回動されると、第2レバー204は回動が終了される。このとき、メインスイッチ205はオンであり、信号スイッチ250はオフのままである。そのため、第2レバー204の回動に伴い、突起部240によって第1レバー203を回動させてショートスイッチ253をオフした後に、メインスイッチ205をオンする。これにより、ドアが開いている状態で第2レバー204が強制的に押されても(故意に押されても)ショート回路中のヒューズが溶断しないようにできる。
【0139】
なお、この発明の構成と、上述の実施の形態の構成との対応において、
この発明における第1実施形態の第1スイッチは、実施の形態のモニタスイッチSW2に対応し、
以下同様に、
第2スイッチは、ドアスイッチSW3に対応し、
第3スイッチは、ラッチスイッチSW1に対応し、
第1軸支部は、軸支孔41と傾動支点軸44に対応し、
第2軸支部は、軸支孔28と支点軸29に対応し、
第1レバー受圧部は、受圧突起23に対応し、
第2レバー受圧部は、受圧片35に対応し、
第1〜第5導電接点片は、第1〜第5端子T1〜T5,T11〜T15,T21〜T25に対応するも、
この発明は請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の実施の形態の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の第1実施形態の高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチの一壁面側を示す外観斜視図である。
【図2】電子レンジ用ドアスイッチの他壁面側を示す外観斜視図である。
【図3】電子レンジ用ドアスイッチを一壁面側から見た分解斜視図である。
【図4】電子レンジ用ドアスイッチを他壁面側から見た分解斜視図である。
【図5】スイッチユニットを示す外観斜視図である。
【図6】スイッチユニットの内部構造を示す分解斜視図である。
【図7】スイッチユニットの組込み状態を示す斜視図である。
【図8】スイッチユニットの内部の接点構造を示す正面図である。
【図9】スイッチユニットの接点切換え状態を示す動作説明図である。
【図10】第1傾動レバーと第2傾動レバーの傾動状態を示す斜視図である。
【図11】電子レンジ用ドアスイッチの組込み状態を示す要部斜視図である。
【図12】電子レンジ用ドアスイッチの電気回路図である。
【図13】電子レンジ用ドアスイッチのタイムチャートである。
【図14】他の実施の形態のスイッチベースにケース本体を代用させた状態を示す分解斜視図である。
【図15】他の実施の形態のスイッチベースにケースカバーを代用させた状態を示す分解斜視図である。
【図16】本発明の第2実施形態の高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチを一方の面から見た外観斜視図である。
【図17】図16の電子レンジ用ドアスイッチを他方の面から見た外観斜視図である。
【図18】図16に示した電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図である。
【図19】図17に示した電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図である。
【図20】図16に示した電子レンジ用ドアスイッチにおけるメインスイッチの断面図である。
【図21】回路構成における不具合例である。
【図22】本発明の回路構成図である。
【図23】(a)〜(c)は第2実施形態の動作説明図である。
【図24】(a)〜(c)は第2実施形態の動作説明図である。
【図25】(a)〜(d)は第2実施形態の動作説明図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波加熱装置のドアの開閉に連動してスイッチング操作される複数のスイッチを効率よく組込んで小型化およびスイッチの切換え性能の向上を図った高周波加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、高周波加熱装置である電子レンジのドアスイッチ機構を例にとって説明すると、この電子レンジのドアスイッチ機構は、電子レンジを使用したときの安全性を考慮してラッチスイッチ、ドアスイッチ、モニタスイッチの3種類のスイッチを内蔵し、これらのスイッチをドアの開閉に連動して、時間差をつけてオン・オフ信号が得られるようにスイッチング操作をしている。
【0003】
例えば、電子レンジの前面開口部を開閉するドアの内面に取付けたドアキーを、電子レンジの本体側に取付けたマイクロスイッチなどのスイッチに対向させ、ドアの閉操作時にドアキーを本体側のスイッチに直接対応させてスイッチング操作している。
【0004】
ところが、この場合はスイッチの取付け位置のバラツキによって、各々のスイッチを動作させるタイミングがズレたり、ドアを勢いよく閉じたときの衝撃動作等でスイッチに過大な力が加わることがあり、このためにスイッチ特性を変動させる原因を誘起して正常なスイッチの動作が得られなくなる恐れがあった。
【0005】
また、電子レンジのドアの内面に取付けた2つの操作ピンを、本体側に対向する2つのレバーにそれぞれ対向させて配設し、ドアの開閉に応じて操作ピンおよびレバーを介した内部位置のマイクロスイッチをスイッチング操作するドアスイッチ機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平11−214147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、この場合は長いレバーを要するため、ドアスイッチ機構の全体が大型化し、また部品点数が多いためにコスト高になっていた。さらに、マイクロスイッチを使用した場合は、取付け方向により3個のマイクロスイッチの各端子の向きが、それぞれ異方向に向くため配線作業に手間がかかっていた。
【0008】
そこでこの発明は、2つのスイッチを1つのスイッチケースに組込むことにより小型化が可能になり、またスイッチ部品の共通利用を図ることにより部品点数を削減して低コスト化が可能になる。さらに、ドアの開閉に連動して傾動する接点切換え構造に設けることにより、高精度のスイッチの切換え性能が得られる電子レンジ用ドアスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、電子レンジの前面開口部を開閉するドアの開閉操作に応じて傾動する複数の傾動レバーの動きによって複数のスイッチを、時間差を付けてスイッチング操作する電子レンジ用ドアスイッチであって、第1傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第1カムを介してスイッチケース内部の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第1スイッチと、前記第1傾動レバーの傾動時に、前記第1スイッチの接点部間を切換えるタイミングとは異なる別のタイミングで、該第1傾動レバーの内端部に形成した第2カムを介して前記スイッチケース内部の別の導電接点片を弾性変位させて接点部間を切換える第2スイッチと、第2傾動レバーの傾動時に、該レバーの内端部に形成した第3カムを介してスイッチング操作する第3スイッチとを設けたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、1つのスイッチケースに2つのスイッチを組込むことができ、特に第1傾動レバーの動きに連動させて2つのスイッチをオンオフするスイッチング動作ができるため、第1傾動レバーを2つのスイッチの共通部品として有効利用でき、コンパクトに製作できる。ことに、第1傾動レバーの内端部に形成した第1カムと第2カムをスイッチング操作部材に兼用させることができるため、第1傾動レバーは単一の部品でありながらレバー機能とカム機能とを有して、スイッチの部品点数を削減できる。また、部品点数の削減に伴うスイッチの小型化および低コスト化を図ることができる。
【0011】
また、第1傾動レバーが傾動する位置に対応させて、複数の接点部間を、時間差をつけて切換えるようにすれば、その切換えタイミングを所望のタイミングに設定できる。したがって、各スイッチに対しては傾動操作に伴う高精度のタイミングで接点部間の切換え操作ができる。
【0012】
前記導電接点片は弾性を有する板バネの導電片を用いればよく、導電接点片同士の接離に適した任意の弯曲形状あるいは屈曲形状にして、該導電接点片自体に弾性復帰力を持たせることができる。また、第1傾動レバーの傾動力に連動させて、各導電接点片の接点部間を押し拡げる方向と狭める方向とに弾性変位させれば、接点部間を確実に接離させることができる。また、導電接点片同士を摺接させるように構成すれば、接点部間の焼付き排除性能を得ることができるなど信頼性の高い安定した接点切換え構造が得られる。
【0013】
この発明の他の形態として、電子レンジの前面開口部を開閉するドアと対応する本体フレームの内側にスイッチベースを取付け、このスイッチベースに、前記ドアの開閉操作に応じて異なるタイミングで傾動する第1傾動レバーと第2傾動レバーを取付け、前記両傾動レバーの動きによって前記スイッチベースに搭載されている3個のスイッチを、時間差を付けてスイッチング操作する電子レンジ用ドアスイッチであって、前記第1傾動レバーの内端部には、スイッチケースに傾動自在に軸支される第1軸支部と、スイッチング操作用の第1カムと第2カムとを設け、該レバーの外端部には、前記ドアに取付けられたドアキーと対応する第1レバー受圧部を設け、前記第1カム側に向けて並列配置される複数の導電接点片を設け、前記第1傾動レバーの傾動時に前記第1カムに押圧されて弾性変位する第1導電接点片が第2導電接点片に接触して接点部間を切換える第1スイッチと、前記第2カム側に向けて並列配置される複数の導電接点片を設け、前記第1傾動レバーの傾動時に、前記第1スイッチの接点部間を切換えるタイミングとは異なる別のタイミングで、該第2カムが第3導電接点片に接していた第4導電接点片を押して離間させた後、該第4導電接点片を第5導電接点片に接触させて接点部間を切換える第2スイッチとの両スイッチをスイッチケースに内蔵して設け、前記第2傾動レバーの内端部には、前記スイッチベースに傾動自在に軸支される第2軸支部と、前記スイッチベースに搭載されている第3スイッチの押しボタンに加圧対応させる第3カムとを設け、該第2傾動レバーの外端部には、前記ドアキーと対応する第2レバー受圧部を設けて構成することができる。
【0014】
この場合も1つのスイッチケースに2つのスイッチを内蔵しているため、スイッチケースおよび第1傾動レバーを2つのスイッチの共通部品に利用できる。さらに、第1スイッチをオンオフするスイッチング動作と第2スイッチをオンオフするスイッチング動作との動作タイミングを、第1傾動レバーを傾動操作したときの各位置に正確に対応させることができる。例えば、第1傾動レバーの傾動操作時に、先に第1スイッチの接点部間を切換え、その後、少し遅れたタイミングで第2スイッチの接点部間を切換えるように設定できる。
【0015】
また、導電接点片の配設方向に際しても、第1傾動レバーの第1軸支部を中心に放射状に導電接点片を配設しているため、この第1軸支部を中心に傾動する該第1傾動レバーの第1カムと第2カムとを効率よく導電接点片に対応させることができる。
【0016】
この発明の他の形態として、前記第1スイッチと第2スイッチとの各々の導電接点片の外端部と、前記第3スイッチの外面に突出する端子の外端部とを同突出方向に揃えて構成することができる。
【0017】
この場合は、全スイッチの導電接点片や端子の各外端部を同方向に揃えて突出させることができるため配線作業が容易になり、配線工数の低減を図ることができる。ことに、端子の外端部を同方向の同高さに揃えて突出させれば、より一層、配線作業が容易になる。
【0018】
この発明の他の形態として、前記第1傾動レバーと第2傾動レバーは、レバーを軸支する軸支部からレバー外端部までの距離を長くとり、軸支部からレバー内端部までの距離を短くとって、前記各傾動レバーの軸支部を傾動支点とするレバー外端部側のレバー比をレバー内端部側のレバー比よりも大きく設定して構成することができる。
【0019】
この場合は、レバー外端部側のレバー比を大きく設定してあるため、てこの原理により軸支部を傾動支点とする該レバー外端部側からの傾動操作力が小さくても、レバー内端部側には十分な傾動操作力を伝えることができる。従って、第1傾動レバーと第2傾動レバーとは傾動時の負荷抵抗が小さく、滑らかな動きが得られる。
【0020】
この発明の他の形態として、前記スイッチケースに、前記第1傾動レバーを一体に組込んでなるスイッチユニットを構成することができる。
【0021】
このスイッチユニットは、スイッチケースと第1傾動レバーとの2部品でありながら単品として扱うことができ、スイッチベースへの組立が容易になる。また、2部品を単品として予め組立てておくことができるため取扱いや管理も容易になる。
【0022】
この発明の他の形態として、前記スイッチケースはケース本体とケースカバーとを組合せて構成し、前記ケース本体と同形状の凹部を前記スイッチベースのスイッチケース取付け面に形成することができる。
【0023】
この場合は、2つのスイッチを組込むスイッチ収納部としてのケース本体と同形状の凹部をスイッチベースに既に形成してあるため、ここにスイッチ構成部品を直接組込むことができ、スイッチベースの一部でケース本体を代用できる。そして、この凹部の開放面にケースカバーを取付ければスイッチケースを構成することができる。従って、ケース本体を省略でき、部品点数の削減につながる。
【0024】
この発明の他の形態として、前記スイッチケースはケース本体とケースカバーとを組合せて構成し、前記ケースカバーと同形状のカバー部を前記スイッチベースのスイッチケース取付け面に形成することができる。
【0025】
この場合は、スイッチベースにケースカバーと同形状のカバー部が既に形成されているため、ここにケース本体を取付けるだけでスイッチケースを構成することができる。この場合もスイッチベースの一部でケースカバーを代用できるため、ケースカバーを省略して部品点数を削減できる。
【0026】
この発明の他の構成として、食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、前記操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記扉の開閉動作に連動し第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする。
【0027】
この発明によれば、信号スイッチがショートスイッチを内蔵しているために、信号スイッチ用のマイクロスイッチと、ショートスイッチ用のマイクロスイッチと、を独立して備える必要がなくなって、簡潔な構造となるとともに、スペース的にも有利になって省スペース化を図ることができる。
【0028】
この発明の他の構成として、食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し第1操作ピン及び第2操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、前記第1操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記第2操作ピンの動作に連動して前記加熱室の前板に装着されたピンガイド及び前記スイッチ取付板に装着された第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、信号スイッチは、第1操作ピンの動作に連動し、加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーにより動作され、メインスイッチは、第2操作ピンの動作に連動し、加熱室の前板に装着されたピンガイド及びスイッチ取付板に装着された第2レバーにより動作される。そして、信号スイッチが、第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵している。そのために、第1レバーにより、信号スイッチおよびショートスイッチを異なる時期に作動させることを容易に設定できる。
【0030】
この発明の他の構成として、前記第1レバーを介して動作する前記信号スイッチと、前記ショートスイッチを内蔵したスイッチユニットは、前記加熱室の扉が開状態の場合、前記信号スイッチの接点がオフで、且つ前記ショートスイッチの接点がオン状態であり、前記加熱室の扉が閉じられると、前記第1レバーの第2操作部が前記ショートスイッチの可動接点部を押圧することで、前記ショートスイッチがオフからオンされた後に、第1レバーの第1操作部が前記信号スイッチの可動接点部を押圧してオンする構成としたことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、加熱室の扉が閉じられたときに、第1レバーの第2操作部がショートスイッチの可動接点部を押圧してオフからオンしてから、第1レバーの第1操作部が信号スイッチの可動接点部を押圧してオンするために、ショートスイッチのオフから、信号スイッチのオンまでの間に予め定められた時間を設定することにより、扉の閉状態が確定されてからでないと、加熱室が作動しないようにできる。
【0032】
この発明の他の構成として、前記スイッチユニットは、前記スイッチ取付板と、前記信号スイッチの接点部及び前記ショートスイッチの接点部を覆うスイッチカバーと、からなり、前記スイッチ取付板には、前記メインスイッチが装着され、且つ前記スイッチ取付板上に前記第1レバーの回転軸を設け、前記回転軸に前記第1レバーを挿入し、前記スイッチカバーで保持する構成としたことを特徴とする。
【0033】
この場合は、スイッチ取付板に対して、スイッチカバーが装着されることによりスイッチユニットが被覆され、回転軸に対して第1レバーが挿入されることにより第1レバーが支持されるために、スイッチ取付板への組付けのみによる作業になり、それによって、自動組み付けの構造を簡潔にすることができる。
【0034】
この発明の他の構成として、前記第1レバーからつたってきた液体の浸入を防止するために前記第1レバーの前記回転軸より前方に鍔を延ばしたことを特徴とする。
【0035】
この場合は、第1レバーをつたってきた肉汁や水滴等の液体は、回転軸より前方に延ばされた鍔によってスイッチユニット内に浸入することがなく、外部へ除去されるので、スイッチユニット内に液体が浸入せずに、接点の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。
【0036】
この発明の他の構成として、前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記第1レバーの前記回転軸より後方に前記スイッチユニット内部の接点部を設けたことを特徴とする。
【0037】
この場合は、スイッチユニット内部の接点部が回転軸より後方に配置されているために、第1レバーをつたってきた肉汁や水滴等の液体がスイッチユニット内に浸入することがないので、接点の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。
【0038】
この発明の他の構成として、前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記ショートスイッチの接点部を下側に設けたことを特徴とする。
【0039】
この場合は、ショートスイッチの接点部が下側に配置されているために、第1レバーをつたってきた肉汁や水滴等の液体の進行路から離れており、それによって、液体の浸入による影響を受け難くすることができる。
【0040】
この発明の他の構成として、前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装の色の違いにより示すインジケータを備えたことを特徴とする。
【0041】
この場合は、第1レバーとスイッチユニットとの外装の色を異なるようにすることで、接点のオン・オフ状態を確認することができる。
【0042】
この発明の他の構成として、前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装に設けた印により示すインジケータを備えたことを特徴とする。
【0043】
この場合は、第1レバーとスイッチユニットとに設けた印によって、接点のオン・オフ状態を確認することができる。
【0044】
この発明の他の構成として、前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの接続が誤配線されないようにするために前記スイッチユニットの外装の上側あるいは下側に突起を設けたことを特徴とする。
【0045】
この場合は、スイッチユニットの上側あるいは下側に設けた突起により、スイッチユニット内の信号スイッチおよびショートスイッチに接続されるコネクタが誤組み付けされないために、コネクタを確実に組み付けることができる。
【0046】
この発明の他の構成として、前記ショートスイッチに構成される接点の内の前記ショートスイッチと前記メインスイッチとでショート回路を構成する接点の片側を略R形状に形成したことを特徴とする。
【0047】
この場合は、ショート回路を構成する接点がショートする時に、接点の片側が略R形状に形成されているために、接点間で発生するアーク電流が均等に流れることにより、接点が飛散することがなくなり、確実にショート回路を形成することができる。
【0048】
この発明の他の構成として、前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板の接点操作部を略櫛歯形状に形成したことを特徴とする。
【0049】
この場合は、スイッチ取付板の接点操作部が略櫛歯形状に形成されているために、スイッチ取付板とスイッチカバーとが迷路状になっており、それにより、スイッチ取付板とスイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止することができる。
【0050】
この発明の他の構成として、前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板と前記第1レバーの接点操作部にグリス溜りを形成したことを特徴とする。
【0051】
この場合は、第1レバーの接点操作部に形成されたグリス溜りによって、第1レバーを可動させるためにできるスイッチ取付板とスイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止することができる。
【0052】
この発明の他の構成として、前記スイッチカバーを透明にしたことを特徴とする。
【0053】
この場合は、透明なスイッチカバーにより、内部の接点状態を直接確認することができる。
【0054】
この発明の他の構成として、前記スイッチユニットに内蔵された前記信号スイッチ及び前記ショートスイッチの接点同士は接触後にずれてワイピングするように構成されていることを特徴とする。
【0055】
この場合は、信号スイッチの接点同士およびショートスイッチの接点同士が接触時にずれてワイピングされるために、各接点が常に洗浄されて、アークを発生させないようにし、電流による接点の溶着を防止することができる。
【0056】
この発明の他の構成として、前記スイッチユニットに内蔵された前記ショートスイッチの接点片の弾性力により前記第1レバーを復帰させる構成としたことを特徴とする。
【0057】
この場合は、第1レバーはショートスイッチの接点片の弾性反発力によって復帰動作をするようにすれば、第1レバーに戻しばね等の復帰部材を内蔵する必要がなくなって、部品点数の減少を図ることができる。
【0058】
この発明の他の構成として、前記メインスイッチは前記第2レバーに対向し該第2レバーの回転軸を基準として第2レバーを操作する第2操作ピンあるいは第2操作キー側に配置したことを特徴とする。
【0059】
この場合は、メインスイッチが第2レバーの接線上に配置されるために、第2レバーは、メインスイッチに内蔵されるスイッチ戻し機構によって直接戻し動作を行うことができ、それによって、第2レバーに内蔵される戻しばね等を省略して、部品点数を減少することができる。
【0060】
この発明の他の構成として、前記第2レバーが押圧された際に前記第1レバーを押圧して、前記ショートスイッチがオフされた後に、前記メインスイッチをオンするための突起部を前記第2レバーに設けたことを特徴とする。
【0061】
この場合は、第2レバーの回動に伴い、突起部によって第1レバーを回動させてショートスイッチをオフした後に、メインスイッチをオンすることにより、ドアが開いている状態で第2レバーが強制的に押されても(故意に押されても)ショート回路中のヒューズが溶断しないようにできる。
【発明の効果】
【0062】
本発明によれば、1つのスイッチケースに2つのスイッチを組込むことができ、しかも第1傾動レバーの動きに連動させて両スイッチの接点部間をそれぞれ切換える共通部品として設けることができるため、部品点数を削減して低コスト化および小型化を図ることができる。また、第1傾動レバーの動きに連動する両スイッチの動作タイミングを任意にとれるため、信頼性の高い安定したスイッチの切換え性能が得られ、電子レンジに組込んだ場合に安全性の高いスイッチとして組込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
以下、本発明の高周波加熱装置に係る複数の好適な実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0064】
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本発明の第1実施形態である高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチ11は、縦長の基板を起立して設けたスイッチベース12の一壁面に、スイッチユニット13と、マイクロスイッチ(以下ラッチスイッチと称す)SW1を取付け、他壁面にラッチスイッチ機構14を取付けて構成している。
【0065】
上述のスイッチユニット13は、図3に示すように、スイッチケース15に逆L形状の第1傾動レバー16の下端部を組込んで一体に構成し、このスイッチケース15の内部に後述する第3スイッチであるモニタスイッチSW2と第1スイッチであるドアスイッチSW3との両スイッチを並列に組込んでいる。そして、両スイッチを操作するための第1傾動レバー16をスイッチケース15に突出させた状態で、該スイッチケース15をスイッチベース12の一壁面の上部に取付けている。
【0066】
このスイッチベース12の一壁面の上部には、第1〜第3円筒軸17a〜17cを突設し、またスイッチベース12の一壁面の下部には第4円筒軸17dを突設している。このうち、第1円筒軸17aをスイッチユニット13に挿通させた状態で、スイッチベース12の一壁面の上部に突出する数個の係止爪18にて、該スイッチユニット13の外周囲を抜止め係止し、これによりスイッチユニット13をスイッチベース12に一体に取付けている。
【0067】
上述の第1円筒軸17aをスイッチケース15の取付け方向に貫通して設けた挿通孔19に挿通させて、該スイッチケース15をスイッチベース12に位置決め固定して取付けている。
【0068】
また、第2円筒軸17bを第1傾動レバー16に開口した長孔20を挿通させて第1傾動レバー16の動きに支障がないようにし、同様に第3円筒軸17cも第1傾動レバー16が傾動する範囲を避けた位置に突出させている。さらに、第2円筒軸17b〜第4円筒軸17dは、その穴部がスイッチベース12を電子レンジの図示しない筐体への取付けに用いられる。
【0069】
さらに、スイッチベース12の一壁面の上部に傾動許容爪21を突設し、この傾動許容爪21に第1傾動レバー16の中間高さ位置に傾動方向に沿って開口した円弧形ガイド溝22が係合して傾動ガイドされる。
【0070】
上述の第1傾動レバー16は下端部が、後述するスイッチケース15の内部に組込まれて傾動自由に軸支され、この内部の軸支部を傾動支点に、該レバー上端部の第1レバー受圧部として突出する受圧突起23が後述するドアを閉じたときのドアキーからの外力を受けて傾動される。この軸支部を傾動支点に傾動したとき、該レバー16の下端面に形成した後述する第1カムと第2カムが後述するそれぞれのスイッチSW2,SW3のスイッチング操作を行う。
【0071】
一方、ラッチスイッチ機構14は、第2スイッチであるラッチスイッチSW1と、第2傾動レバー24とを組合せて構成される。ラッチスイッチSW1は、スイッチベース12の他壁面に突出する一対の取付け軸25に、該ラッチスイッチSW1に横貫した一対の貫通孔26を貫通させて軸支し、また上下一対の係合爪27にてラッチスイッチSW1をスイッチベース12に一体に係合固定している。
【0072】
上述の第2傾動レバー24はL形状を有し、そのL形状の屈曲位置に設けた軸支孔28を、図4に示すように、スイッチベース12の他壁面に突出する支点軸29に傾動自由に挿通させて軸支し、またスイッチベース12の他壁面の上部に突出する傾動許容爪30で該レバー24の傾動ガイド溝31に係合させて、第2傾動レバー24をスイッチベース12に抜止め支持している。
【0073】
さらに、第2傾動レバー24のL形状に形成された下端部に突出する第3カム32をスイッチベース12の横貫口33に貫通させて一壁面側に取付けられたラッチスイッチSW1の押しボタン34の上面に対向させて配置し、第2傾動レバー24の上端部に突出する第2レバー受圧部としての受圧片35が後述するドアキーからの外力(ドアを閉じたときの閉鎖力)を受けることに基づいて軸支孔28を傾動支点に傾動する。このとき、該レバー24の下端部に突出するスイッチ操作用の第3カム32が、ラッチスイッチSW1の押しボタン34を押圧してスイッチング操作を行う。また、押下解除に基づいて、この傾動レバー24は押しボタン34の復帰作用を受けて元の位置に傾動して戻り、ラッチスイッチSW1も元の状態に切換えられる。
【0074】
また、軸支孔28と同心円上の第2傾動レバー24に半円形に突出する傾動ガイド片36を、スイッチベース12の他壁面の下部に突出する傾動ガイド爪37で傾動ガイドして該レバー24を傾動ガイドしている。
【0075】
図5はスイッチユニット13の外観図を示し、スイッチケース15に第1傾動レバー16の下端部を組込んで一体に設けている。
【0076】
この場合、スイッチユニット13はスイッチケース15と第1傾動レバー16との2部品でありながら単品として扱うことができ、予めスイッチユニット13を個別に製作しておくことができるため、該スイッチユニット13ならびに電子レンジ用ドアスイッチの組立、製作および管理が容易になるほか品質を選択できる。例えば、ケース本体およびケースカバーを耐熱性に優れた熱硬化性樹脂を用い、スイッチベース12を安価な熱可塑性樹脂を用いるなど樹脂材料別に製作することができる。
【0077】
このスイッチケース15の内部は図6に示すように、第1傾動レバー16と、復帰バネ38と、第1〜第5端子T1〜T5と、これらを組込むケース本体39と、その開口面を覆う平板状のケースカバー40とから構成される。
【0078】
上述の第1傾動レバー16の下端部には、後述するケース本体39に組込まれて傾動自由に軸支される軸支孔41と、該レバー16を待機位置に付勢支持する環状の復帰バネ38を取付けるバネ取付け部42と、スイッチング操作用の第1カムC1と第2カムC2とを有している。
【0079】
ケース本体39は、片面を開放した凹部内面の上部の側面を一部レバー取付け用に開口し、その開口部43と対向する凹部内面に傾動支点軸44を突設し、ここに第1傾動レバー16の軸支孔41を挿通して傾動自由に取付け、この傾動支点軸44を傾動支点に第1傾動レバー16はスイッチング操作可能な範囲で傾動する。
【0080】
次に、スイッチユニット13の内部構造について具体的に説明する。図7および図8はケース本体39への組込み状態を示し、このケース本体39は中央部を上下方向に延びる仕切り板45で仕切って左右に空洞部46,47を有し、これらの空洞部46,47にドアスイッチSW3とモニタスイッチSW2とを、この順に並列配置している。また、その上方に第1傾動レバー16の第2カムC2と第1カムC1を対応させている。
【0081】
先ず、ドアスイッチSW3は、第1端子T1と、第2端子T2と、第2カムC2とから構成され、ケース本体39の下部一側(図中左側)に形成した圧入溝39a,39bに細長い直板状の導電性の板バネ片を用いた第1、第2端子T1,T2の下部を圧入固定している。これら2個の端子T1,T2はケース本体39の下面より配線用に外端部を整列して突出させ、内端部を接点用にケース本体39の内方の空洞部46に略平行状態に対峙させて取付けている。そして、第1端子T1の内端部には、前記第2カムC2が対向し、該第2カムC2の動きに応じて第1端子T1の内端部(自由端)側を第2端子T2の内端部(自由端)側に接触または離間させてオンオフする接点切換え構造を有している。
【0082】
モニタスイッチSW2は、第3端子T3と、第4端子T4と、第5端子T5と、第1カムC1とから構成され、ケース本体39の下部他側(図中右側)に形成した圧入溝39c〜39eに細長い直板状の導電性の板バネ片を用いた第3〜第5端子T3〜T5を圧入固定している。これら3個の端子T3〜T5はケース本体39の下面より配線用に外端部を整列して突出させ、内端部を接点用にケース本体39の内方の空洞部47に略平行状態に臨ませている。
【0083】
さらに、仕切り板45よりモニタスイッチSW2側の空洞部47に端子保持片48を延設し、この端子保持片48の圧入溝39fに第3端子T3の内端部を圧入固定している。この第3端子T3の内端部側に、内端部を階段状に形成した第4端子T4の屈曲部T41を接触させている。そして、この屈曲部T41の自由端側に第1カムC1が対応し、該第1カムC1の動きに応じて第4端子T4の自由端側を第3端子T3より離間させた後、第5端子T5の自由端側に接触させて接点を切換える接点切換え構造を有している。
【0084】
このように、第1端子T1と第4端子T4は、接点部間を切換える可動端子に該当し、後述する第1傾動レバー16の下面に形成された第1カムC1および第2カムC2の押圧力を受けて弾性変位する。また、第1〜第5端子T1〜T5は、第4端子T4を除いて同形状を有し、ケース本体39に圧入して取付ける向きが異なるだけで同一部品であるため、共用することができる。
【0085】
さらに、第1カムC1と第2カムC2との間の第1傾動レバー16にはストッパ溝49を切欠き形成しており、このストッパ溝49がその下方に対応する仕切り板45のストッパ部兼用に設けた頂部45aに係止されている。このストッパ溝49の溝長さによって第1傾動レバー16が傾動したときのカムの操作量を設定している。
【0086】
そして、ケース本体39の凹部に第1傾動レバー16と復帰バネ38と各端子T1〜T5を組込んだ後、ケース本体39の両側および頂部に突出する係止突起39gにケースカバー40の係止爪40aを係止させて接続することにより、ケース本体39の開放面を閉鎖して一体に連結する。
【0087】
次に、図9を参照して、電子レンジ用ドアスイッチ11の接点部間の切換え動作を説明する。
【0088】
通常、図9(A)に示すように、第1傾動レバー16の受圧突起23が押下されていないときは、第1傾動レバー16が復帰バネ38で付勢されて受圧突起23が押下可能な待機状態にある。このとき、モニタスイッチSW2側は第3端子T3に第4端子T4が接触した常閉接点に設定された導通状態にあり、第5端子T5とは非接触の常開接点に設定された非導通状態にある。
【0089】
また、ドアスイッチSW3側にあっては、第1端子T1と第2端子T2とは非接触の常開接点に設定された非導通状態にある。
【0090】
受圧突起23が外力を受け始めて、図9(B)に示すように、第1傾動レバー16の初期傾動時に、第1傾動レバー16と一体の第1カムC1が第4端子T4の自由端側を押して、第3端子T3との接点部間を離す方向に弾性変位させる。これにより、第3端子T3と第4端子T4との接点部間が離れて非導通になる。その後、同変位方向に対向する第5端子T5の接点部に第4端子T4が加圧接触して導通状態になる。
【0091】
さらに、第1傾動レバー16を傾動させると、図9(C)に示すように、続いて第2カムC2が第1端子T1の自由端側を加圧して弾性変位させる。この弾性変位に基づいて第1端子T1が対向する第2端子T2の接点部に加圧接触して導通状態になり、ドアスイッチSW3は閉に切換えられる。
【0092】
また、前記受圧突起23よりも後退した待機位置にあるラッチスイッチ機構14側の受圧片35は第1傾動レバー16に遅れて押されることになり、第1傾動レバー16、第2傾動レバー24の順におされて第2傾動レバー24が傾動したとき、第3カム32がラッチスイッチSW1の押しボタン34を押下する。
【0093】
そして、第1傾動レバー16の外力が除かれると、第1傾動レバー16は復帰バネ38の復帰力を受けて元の押下待機位置に戻り、両側の弾性変位されていた端子T1,T4も同様に弾性復帰して元の位置に戻り、接点部間は、図9(A)に示した元の待機状態に戻る。
【0094】
同じく、第2傾動レバー24側も略同時に外力が除かれて、第2傾動レバー24は押しボタン34の復帰力を受けて元の押下待機位置に戻り、接点部間はオンからオフに切換えられ、元の待機状態に戻る。
【0095】
このように、並列する一方のモニタスイッチSW2と他方のドアスイッチSW3とが、ユニットケース15内の両側の定位置に配置されるため、取付け位置のバラツキがなくなり、また両側のスイッチSW2,SW3は第1傾動レバー16の動きに伴う一方のモニタスイッチSW2の接点切換えタイミングと他方のドアスイッチSW3の接点切換えタイミングを異ならせた任意の接点の切換え構成が容易に得られる。
【0096】
このため、各スイッチに対しては傾動操作に伴う高精度のタイミングで接点部間の切換え操作ができる。
【0097】
また、1つのスイッチケース15に2つのスイッチSW2,SW3を組込むことができるため、共通部品として有効利用でき、コンパクトに製作できる。ことに、第1傾動レバー16は単一の部品でありながらレバー機能とカム機能とを有し、しかも1回の傾動操作で双方のスイッチSW2,SW3をスイッチング操作できる共通部品であるためスイッチの部品点数を削減することができる。
【0098】
さらに、図10にも示すように、モニタスイッチSW2とドアスイッチSW3との各々の端子T1〜T5の外端部と、ラッチスイッチSW3の下面に突出する端子T6,T7の外端部とを、同突出方向に揃えている。これにより、端子の向きと位置が配線作業に容易な配置構成がとれ、配線工数の低減を図ることができる。
【0099】
さらに、第1傾動レバー16と第2傾動レバー24は、レバーを軸支する軸支部からレバー外端部までの距離を長くとり、軸支部からレバー内端部までの距離を短くとって、各傾動レバー16,24の軸支部を傾動支点とするレバー外端部側のレバー比をレバー内端部側のレバー比よりも大きく設定している。
【0100】
このため、軸支部を傾動支点とする該レバー外端部側からの傾動操作力は、てこの原理により小さな力で、レバー内端部側に効率よく傾動操作力を伝えることができる。従って、第1傾動レバー16と第2傾動レバー24とは傾動時の負荷抵抗が小さく、滑らかな動きが得られる。
【0101】
図11はスイッチユニット13を備えた電子レンジ用ドアスイッチ11の組込み状態を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ11は電子レンジの縦開きドアのドアキー50と対向する本体フレーム51の上部に開口する上部窓52に第1傾動レバー16の受圧突起23を臨ませ、その下部に開口する下部窓53に第2傾動レバー24の受圧片35を臨ませて取付ける。
【0102】
これらと対向するドアキー50の対向面上部には上部爪54を、下部には下部爪55を突設し、ドアの開閉操作に伴って押圧される受圧突起23と受圧片35が進退してスイッチング操作される。
【0103】
この場合、スイッチング操作時(ドア閉鎖時)の外力を受ける方向と同方向に第1傾動レバー16の傾動方向を合せて取付けている(図においては水平方向)。これにより、外力を受けたときは、第1傾動レバー16が斜め下向きに押し下げられて傾動し、この第1傾動レバー16の傾動する動きに連動して両側のスイッチSW2,SW3は正確に接点が切換わる。
【0104】
図12は電子レンジ用ドアスイッチの電気回路図を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ11を構成する各スイッチSW1,SW2,SW3の端子は、図に示す如く、電子レンジの回路に接続されている。
【0105】
図13は電子レンジ用ドアスイッチ11を構成する各SW1,SW2,SW3のタイムチャートを示し、ラッチスイッチSW1とドアスイッチSW3は、電子レンジのドアが開放された押下待機状態のときは開状態を保ち、ドアが閉じられた押下操作時は閉信号が出力される。一方、モニタスイッチSW2は電子レンジのドアが開放されている押下待機状態FP(フリーポジション)のときは閉状態を保ち(第3端子T3と第4端子T4が導通)、ドアが閉じられて押下操作されたときは開となる(第4端子T4と第5端子T5が導通)。このときは、例えば出力された信号により電子レンジの調理ランプが点灯される。
【0106】
この電子レンジは、ラッチスイッチSW1およびドアスイッチSW3が閉になったとき、通電して調理可能に作動し、開になったとき作動を停止する。ところが、これらのSW1,SW3の接点部分に、仮に接点溶着などの不具合が生じると、ドアが開けられてもスイッチSW1,SW3の接点部間が開にならない場合が発生する恐れがある。このときは、電子レンジの電磁波を出力させて危険になるので最後にモニタスイッチSW2の常閉接点が閉になり、電源回路を短絡するためヒューズを溶断して電源を遮断する回路構成を有している。これにより、安全を確保している。
【0107】
図14は電子レンジ用ドアスイッチの他の実施の形態を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ141はスイッチベース142の一壁面に、ケース本体と同凹形状のスイッチ収納部143を形成し、このスイッチ収納部143にスイッチユニット144を構成する復帰バネ145と、第1〜第5端子T11〜T15と、第1傾動レバー146とを組付け、その開口面をケースカバー147で閉鎖して一体に組付けるようにしたものである。
【0108】
この場合は予めスイッチベース142に形成されたスイッチ収納部143にスイッチ構成部品を直接組込んで構成できるため、スイッチベース142の一部でケース本体を代用できる。この結果、部品点数の削減が図れる。
【0109】
図15は電子レンジ用ドアスイッチの他の実施の形態を示し、この電子レンジ用ドアスイッチ151はスイッチベース152の一壁面に、ケースカバーと同形状のカバー部153を形成し、このカバー部153に、復帰バネ154と、第1〜第5端子T21〜T25と、第1傾動レバー155とを組込んだケース本体156組付けるようにしたものである。
【0110】
この場合もスイッチベース152にケースカバーと同形状のカバー部153が既に形成されているため、スイッチベース152の一部でケースカバーを代用できる。そして、ここにケース本体156を取付けるだけで、スイッチユニットを構成することができる。このため、ケースカバーを省略でき、部品点数を削減できる。
【0111】
上述のように、1つのスイッチケースにモニタスイッチとドアスイッチとの2つのスイッチを収納するだけでなく、第1傾動レバーを介して両スイッチをスイッチング操作することができるため、スイッチケースおよび第1傾動レバーを共通部品として利用できる。この結果、部品点数を削減して低コスト化、省スペース化および小型化を図ることができる。また、2つのスイッチは、スイッチケース内の定位置に配置するため取付け位置のバラツキがなくなり、また傾動動作に連動してスイッチング操作するため、スイッチ間の動作タイミングが正確であり、信頼性の高い安定したスイッチング操作ができる。
【0112】
(第2実施形態)
次に、図16〜23を参照して、本発明の高周波加熱装置の第2実施形態について説明する。図16は第2実施形態の高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチを一方の面から見た外観斜視図、図17は図16の電子レンジ用ドアスイッチを他方の面から見た外観斜視図、図18は図16に示す電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図、図19は図17に示す電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図、図20は図16に示す電子レンジ用ドアスイッチにおけるスイッチユニットの断面図、図21は回路構成における不具合例、図22は本発明の回路構成図、図23(a)〜(c),図24(a)〜(c),図25(a)〜(d)は動作説明図である。なお、第1実施形態と同一または同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0113】
図16に示すように、高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチ200は、スイッチ取付板201と、第1レバー203を組み込んだスイッチユニット202と、第2レバー204と、第2スイッチであるメインスイッチ205と、から構成されている。
【0114】
スイッチ取付板201には、その一方の面206の上方部に第1レバー203を取り付けるための突起207と、第1レバー203を回動自在に支持するための回転軸208と、が立設され、回転軸208を囲んで配置されたスイッチユニット固定部209に、回転軸208に第1レバー203が挿入されたスイッチユニット202が組み付けられている。また、突起207の後方に配置されたメインスイッチ固定部210にメインスイッチ205が組み付けられている。
【0115】
図17に示すように、スイッチ取付板201には、その他方の面211の中央部に第2レバー204を回動自在に支持するための回転軸212が立設され、第2レバー204に形成されたカム213が、中央部に形成された横孔214を挿通して一方の面206上に突出されている。
【0116】
図18に示すように、スイッチ取付板201は、スイッチユニット固定部209が、一方の面206上に突出する3個の係止爪215と、スイッチカバー216を囲むように突出形成されたリブ217と、を有する。スイッチユニット固定部209には、第1レバー203の長孔218が突起207に挿通され、第1レバー203の枢支孔219が回転軸208に挿通されたスイッチユニット202において、スイッチカバー216の外周に突出形成された3個の凸片220が係止爪215に係合することによって一体に取付けられている。このとき、第1レバー203は、円弧状ガイド孔221が一方の面206上に突出形成された傾動許容爪222に係合されることによって、スイッチ取付板201に抜け止めされて傾動ガイドされる。第1レバー203には、受圧突起223が突出形成されている。受圧突起223は、ドアを閉じた時にドアキーから与えられた外力によって第1レバー203を回動させる。このとき、スイッチ取付板201に対して、スイッチカバー216が装着されることによりスイッチユニット202が被覆され、突起207に対して第1レバー203が挿入されることにより第1レバー203が支持されるために、スイッチ取付板201への組付けのみによる作業になり、それによって、自動組み付けの構造を簡潔にすることができる。
【0117】
また、スイッチ取付板201は、メインスイッチ固定部210が、一方の面206上に突出する一対の取付け軸224と、上下一対の係合爪225と、を有する。メインスイッチ固定部210には、一対の取付け軸224に、メインスイッチ205に横貫した一対の貫通孔226を貫通させて軸支し、一対の係合爪225によってメインスイッチ205が一体に取付けられている。メインスイッチ205は第2レバー204の接線上に配置されている。そのために、第2レバー204は、メインスイッチ205に有する押しボタン227が復帰する際の反発力によって直接戻し動作を行うことができるので、戻しばね等を内蔵する必要がなくなって、部品点数を減少することができる。
【0118】
図19に示すように、スイッチ取付板201は、他方の面211上の回転軸212に、第2レバー204の枢支孔228が回動自在に組み付けられている。第2レバー204は、V字形状の外形に形成されており、一方の端部に受圧片229が形成され、他方の端部にカム213が形成されている。受圧片229は、ドアキーからの外力を受けることに基づいて第2レバー204を回動させるために、カム213によってメインスイッチ205の押しボタン227をオンさせる。第2レバー204は、円弧状ガイド孔230,円弧状ガイド突起231が、他方の面211上に突出形成された傾動許容片232,233に係合されることによって、スイッチ取付板201に抜け止めされて傾動ガイドされる。
【0119】
スイッチユニット202は、スイッチカバー216内に、第1レバー203の基部234が回動自在に収容されており、基部234の外周部に、第1,第2操作部235,236が径方向に突出形成されている。また、スイッチカバー216内に、第1スイッチである信号スイッチ250を構成する、常開可動接点端子251,固定接点端子252と、第3スイッチであるショートスイッチ253を構成する、第1固定接点端子254,常閉可動接点端子255,第2固定接点端子256が組み付けられている。信号スイッチ250とショートスイッチ253との動きは、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。スイッチカバー216は、透明に形成されても良い。そうすれば、内部の接点状態を直接確認することができる。
【0120】
第2レバー204には、突起部240が設けられている。突起部240は、受圧片229がドアキーからの外力を受けることにより押圧された際に、第1レバー203を押圧回動させることにより、ショートスイッチ253がオフした後に、メインスイッチ205をオンすることができる。
【0121】
ここで、スイッチユニット202が、信号スイッチ250とショートスイッチ253とを内蔵しているために、信号スイッチ用のマイクロスイッチと、ショートスイッチ用のマイクロスイッチと、を独立して備える必要がなくなって、簡潔な構造となるとともに、スペース的にも有利になって省スペース化を図ることができる。また、信号スイッチ250は、第1操作ピンの動作に連動し、加熱室側方に位置するスイッチ取付板201に装着された第1レバー203により動作され、メインスイッチ205は、第2操作ピンの動作に連動し、加熱室の前板に装着されたピンガイド及びスイッチ取付板201に装着された第2レバー204により動作される。そして、信号スイッチ250が、第1レバー203を介して動作するショートスイッチ250を内蔵している。そのために、第1レバー203により、信号スイッチ250およびショートスイッチ253を異なる時期に作動させることを容易に設定できる。また、加熱室の扉が閉じられたときに、第1レバー203の第1操作部235がショートスイッチ253の可動接点部を押圧してオフからオンしてから、第1レバー203の第2操作部236がショートスイッチ253の可動接点部を押圧してオンするために、ショートスイッチ253のオフから、信号スイッチ250のオンまでの間に予め定められた時間を設定することにより、扉の閉状態が確定されてからでないと、加熱室が作動しないようにできる。
【0122】
スイッチユニット202では、信号スイッチ250を構成する、常開可動接点端子251,固定接点端子252の接点部と、ショートスイッチ253を構成する、第1固定接点端子254,常閉可動接点端子255,第2固定接点端子256の接点部、が突起207,208より後方に配置されている。そのために、第1レバー203をつたってきた肉汁や水滴等の液体がスイッチユニット202内に浸入することがないので、接点部の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。また、ショートスイッチ253を構成する、第1固定接点端子254,常閉可動接点端子255,第2固定接点端子256の接点部が下側に配置されているために、第1レバー203をつたってきた肉汁や水滴等の液体の進行路から離れており、それによって、液体の浸入による影響を受け難くすることができる。また、ショートスイッチ253とメインスイッチ205とでショート回路を構成する接点部の片側が略R形状に形成されている。そのために、接点部がショートする時に、接点部の片側が略R形状に形成されているために、飛散することがなくなり、確実にショート回路を形成することができる。また、信号スイッチ250及びショートスイッチ253の接点部同士は接触後にずれてワイピングするように構成されている。そのために、信号スイッチ250の接点部同士およびショートスイッチ253の接点部同士が接触時にずれてワイピングされるので、各接点部が常に洗浄されて、アークを発生させないようにして漏れ電流を防止することができる。また、ショートスイッチ253の接点片の弾性力により第1レバー203が復帰される。これにより、第1レバー203に戻しばね等の復帰部材を内蔵する必要がなくなって、部品点数の減少を図ることができる。
【0123】
第1レバー203には、基部234の上方に、回転軸より前方に延ばされた鍔237が形成されている。また、基部234の下側に、グリス溜り238が外周に向けてL字形状に突出形成されている。鍔237は、第1レバー203をつたってきた肉汁や水滴等の液体が、スイッチユニット202内に浸入しないようにして、外部へ除去するために、スイッチユニット202内に液体が浸入せずに、接点の腐食等、から起こりうる誤作動を回避することができる。グリス溜り238は、第1レバー203を可動させるためにできるスイッチ取付板201とスイッチカバー216との隙間からの粉塵の侵入を防止するとともに、基部234に塗布されるグリスが接点側に流れ込まないようにする。
【0124】
ここで、第1レバー203とスイッチユニット202との外装の色の違いにより示すインジケータを備えるのが好ましい。そうすれば、信号スイッチ250とショートスイッチ253とを内蔵したスイッチユニット202の動作位置、特に、接点のオン・オフ状態を確認することができる。また、第1レバー203とスイッチユニット202との外装に設けた印により示すインジケータを備えても良い。そうすれば、接点のオン・オフ状態を確認することができる。また、スイッチユニット202の外装の上側あるいは下側に突起を設けても良い。そうすれば、スイッチユニット202内の信号スイッチ250およびショートスイッチ253に接続されるコネクタが誤組み付けされないために、コネクタを確実に組み付けることができる。
【0125】
図20に示すように、スイッチ取付板201のリブ217と、スイッチカバー216の端縁とは、略櫛歯形状に形成されている。そのため、スイッチ取付板201とスイッチカバー216の端縁とが迷路状になっているので、スイッチ取付板201とスイッチカバー216との隙間からの粉塵の侵入を防止することができる。
【0126】
従来、ドアが開いている状態で、例えば、細い針金等を用いて第2レバー204が強制的に押圧された場合、ドアは開状態にあるので、ショートスイッチ253はオン状態にあり、それによって、ヒューズが溶断する。これを解決するための手段として、1つは、図21に示すように、常閉のショートスイッチ253をメインスイッチ205およびリレー接点RL−1の下流側に並列に接続することが考えられる。しかし、このようにすると、メインスイッチ205が溶着した場合、第1レバー203が押し込まれてショートスイッチ253はオフした後に信号スイッチ250がオンしてリレー接点RL−1が閉じて電源回路が形成される。この状態で、調理スタートボタンが押されると、ドアが開いているのにマグネトロンが作動し、電磁波漏れが発生する。
【0127】
これに対し、図22に示すように、本発明では、ショートスイッチ253をメインスイッチ205とヒューズFの下流側に並列に接続し、リレー接点RL−1をショートスイッチ253とヒューズFとの接続点よりも下流側に直列に接続した。このような回路構成にすることにより、メインスイッチ205が溶着した場合にのみヒューズFを溶断させ、リレー接点RL−1が溶着した場合、第1レバー203が押し込まれてショートスイッチ253はオフするが、コンシールされた第2レバー204は押し込まれないために、メインスイッチ205はオフ状態を保ち、電源回路は形成されない。この状態で調理スタートボタンが押されてもマグネトロンは作動せずに、電波漏れを発生しないようにできる。これにより、ドアが開いている状態で第2レバー204が強制的に押されたとしても、第2レバー204に連動して第1レバー203を動作させて、ショートスイッチ253をオフすることができる。
【0128】
次に、図23(a)〜(c),図24(a)〜(c),図25(a)〜(d)を参照して動作を説明する。
【0129】
まず、図23(a)〜(c),図24(a)〜(c)を参照して通常の動作について説明する。
図23(a)に示すように、扉500が開いていると、第1レバー203および第2レバー204は復帰位置にあり、ショートスイッチ253がオン、信号スイッチ250がオフ、メインスイッチ205がオフである。扉500が閉じられてくると、第1レバー203の受圧突起223が押圧されるために、第1レバー203が回動を始める。
【0130】
図23(b)に示すように、扉500が閉じられてきても、第2レバー204は押圧されないために、第1レバー203のみが回動され、第1操作部235により常閉可動接点端子255が押圧されて第1固定接点端子255から離れてショートスイッチ253がオフされる。
【0131】
図23(c)に示すように、第2レバー204が押圧されないまま、第1レバー203のみが押圧されるので、第1操作部235により常閉可動接点端子255が押圧されて第2固定接点端子256に電気的に接続されてショートスイッチ253がオンされる。そして、第2操作部236によって信号スイッチ250の常開可動接点端子251が押圧され始める。
【0132】
図24(a)に示すように、第1レバー203の回動によって、第2操作部236に押圧された常開可動接点端子251が固定接点端子252に電気的に接続されて信号スイッチ250がオンされる。そして、扉500によって第2レバー204が押圧され始める。
【0133】
図24(b)に示すように、扉500の閉動作に伴い、ショートスイッチ253がオフされてから、信号スイッチ250がオンされた後に、第1レバー203とは独立して第2レバー204が回動されることにより、メインスイッチ205がオンされる。
【0134】
図24(c)に示すように、ショートスイッチ253がオフ、信号スイッチ250がオン、メインスイッチ205がオンで扉500が閉じられる。
【0135】
次に、図25(a)に示すように、扉500が開いている状態においては、第2レバー204は復帰位置A0にあり、ショートスイッチ253がオン、信号スイッチ250がオフ、メインスイッチ205がオフである。
【0136】
図25(b)に示すように、受圧片229が外力を受けて、第2レバー204が復帰位置A0から位置A1まで強制的に押圧回動されると、突起部240が第1レバー203を押圧回動させる。第1レバー203が回動されることで、第1操作部235がショートスイッチ253の常閉可動接点255を押動させるために、ショートスイッチ253がオフされる。
【0137】
図25(c)に示すように、第2レバー204がさらに押圧されて、位置A1から位置A2まで回動されると、メインスイッチ205がオンされる。
【0138】
図25(d)に示すように、第2レバー204がさらに押圧されて、位置A2から位置A3まで回動されると、第2レバー204は回動が終了される。このとき、メインスイッチ205はオンであり、信号スイッチ250はオフのままである。そのため、第2レバー204の回動に伴い、突起部240によって第1レバー203を回動させてショートスイッチ253をオフした後に、メインスイッチ205をオンする。これにより、ドアが開いている状態で第2レバー204が強制的に押されても(故意に押されても)ショート回路中のヒューズが溶断しないようにできる。
【0139】
なお、この発明の構成と、上述の実施の形態の構成との対応において、
この発明における第1実施形態の第1スイッチは、実施の形態のモニタスイッチSW2に対応し、
以下同様に、
第2スイッチは、ドアスイッチSW3に対応し、
第3スイッチは、ラッチスイッチSW1に対応し、
第1軸支部は、軸支孔41と傾動支点軸44に対応し、
第2軸支部は、軸支孔28と支点軸29に対応し、
第1レバー受圧部は、受圧突起23に対応し、
第2レバー受圧部は、受圧片35に対応し、
第1〜第5導電接点片は、第1〜第5端子T1〜T5,T11〜T15,T21〜T25に対応するも、
この発明は請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、上述の実施の形態の構成のみに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の第1実施形態の高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチの一壁面側を示す外観斜視図である。
【図2】電子レンジ用ドアスイッチの他壁面側を示す外観斜視図である。
【図3】電子レンジ用ドアスイッチを一壁面側から見た分解斜視図である。
【図4】電子レンジ用ドアスイッチを他壁面側から見た分解斜視図である。
【図5】スイッチユニットを示す外観斜視図である。
【図6】スイッチユニットの内部構造を示す分解斜視図である。
【図7】スイッチユニットの組込み状態を示す斜視図である。
【図8】スイッチユニットの内部の接点構造を示す正面図である。
【図9】スイッチユニットの接点切換え状態を示す動作説明図である。
【図10】第1傾動レバーと第2傾動レバーの傾動状態を示す斜視図である。
【図11】電子レンジ用ドアスイッチの組込み状態を示す要部斜視図である。
【図12】電子レンジ用ドアスイッチの電気回路図である。
【図13】電子レンジ用ドアスイッチのタイムチャートである。
【図14】他の実施の形態のスイッチベースにケース本体を代用させた状態を示す分解斜視図である。
【図15】他の実施の形態のスイッチベースにケースカバーを代用させた状態を示す分解斜視図である。
【図16】本発明の第2実施形態の高周波加熱装置に用いられる電子レンジ用ドアスイッチを一方の面から見た外観斜視図である。
【図17】図16の電子レンジ用ドアスイッチを他方の面から見た外観斜視図である。
【図18】図16に示した電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図である。
【図19】図17に示した電子レンジ用ドアスイッチの分解斜視図である。
【図20】図16に示した電子レンジ用ドアスイッチにおけるメインスイッチの断面図である。
【図21】回路構成における不具合例である。
【図22】本発明の回路構成図である。
【図23】(a)〜(c)は第2実施形態の動作説明図である。
【図24】(a)〜(c)は第2実施形態の動作説明図である。
【図25】(a)〜(d)は第2実施形態の動作説明図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、
前記操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記扉の開閉動作に連動し第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項2】
食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し第1操作ピン及び第2操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、
前記第1操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記第2操作ピンの動作に連動して前記加熱室の前板に装着されたピンガイド及び前記スイッチ取付板に装着された第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項3】
前記第1レバーを介して動作する前記信号スイッチと、前記ショートスイッチを内蔵したスイッチユニットは、前記加熱室の扉が開状態の場合、前記信号スイッチの接点がオフで、且つ前記ショートスイッチの接点がオン状態であり、前記加熱室の扉が閉じられると、前記第1レバーの第2操作部が前記ショートスイッチの可動接点部を押圧することで、前記ショートスイッチがオフからオンされた後に、第1レバーの第1操作部が前記信号スイッチの可動接点部を押圧してオンする構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の高周波加熱装置。
【請求項4】
前記スイッチユニットは、前記スイッチ取付板と、前記信号スイッチの接点部及び前記ショートスイッチの接点部を覆うスイッチカバーと、からなり、前記スイッチ取付板には、前記メインスイッチが装着され、且つ前記スイッチ取付板上に前記第1レバーの回転軸を設け、前記回転軸に前記第1レバーを挿入し、前記スイッチカバーで保持する構成としたことを特徴とする請求項3記載の高周波加熱装置。
【請求項5】
前記第1レバーからつたってきた液体の浸入を防止するために前記第1レバーの前記回転軸より前方に鍔を延ばしたことを特徴とする請求項4記載の高周波加熱装置。
【請求項6】
前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記第1レバーの前記回転軸より後方に前記スイッチユニット内部の接点部を設けたことを特徴とする請求項4記載の高周波加熱装置。
【請求項7】
前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記ショートスイッチの接点部を下側に設けたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項8】
前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装の色の違いにより示すインジケータを備えたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項9】
前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装に設けた印により示すインジケータを備えたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項10】
前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの接続が誤配線されないようにするために前記スイッチユニットの外装の上側あるいは下側に突起を設けたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項11】
前記ショートスイッチに構成される接点の内の前記ショートスイッチと前記メインスイッチとでショート回路を構成する接点の片側を略R形状に形成したことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項12】
前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板の接点操作部を略櫛歯形状に形成したことを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項13】
前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板と前記第1レバーの接点操作部にグリス溜りを形成したことを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項14】
前記スイッチカバーを透明にしたことを特徴とする請求項4〜13のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項15】
前記スイッチユニットに内蔵された前記信号スイッチ及び前記ショートスイッチの接点同士は接触後にずれてワイピングするように構成されていることを特徴とする請求項3〜14のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項16】
前記スイッチユニットに内蔵された前記ショートスイッチの接点片の弾性力により前記第1レバーを復帰させる構成としたことを特徴とする請求項3〜15のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項17】
前記メインスイッチは前記第2レバーに対向し該第2レバーの回転軸を基準として第2レバーを操作する第2操作ピンあるいは第2操作キー側に配置したことを特徴とする請求項2〜16のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項18】
前記第2レバーが押圧された際に前記第1レバーを押圧して、前記ショートスイッチがオフされた後に、前記メインスイッチをオンするための突起部を前記第2レバーに設けたことを特徴とする請求項2〜17のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項1】
食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、
前記操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記扉の開閉動作に連動し第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項2】
食品を収納して加熱する加熱室と、前記加熱室に高周波を供給する高周波発生装置と、前記加熱室の開口面に対向し第1操作ピン及び第2操作ピンを有する開閉自在な扉と、前記加熱室の加熱を行うための電源回路が導通するようにそれぞれ切り替わる複数のスイッチを有し、
前記第1操作ピンの動作に連動し前記加熱室側方に位置するスイッチ取付板に装着された第1レバーを介して動作する信号スイッチと、前記第2操作ピンの動作に連動して前記加熱室の前板に装着されたピンガイド及び前記スイッチ取付板に装着された第2レバーを介して動作するメインスイッチと、を備え、前記信号スイッチは前記第1レバーを介して動作するショートスイッチを内蔵したことを特徴とする高周波加熱装置。
【請求項3】
前記第1レバーを介して動作する前記信号スイッチと、前記ショートスイッチを内蔵したスイッチユニットは、前記加熱室の扉が開状態の場合、前記信号スイッチの接点がオフで、且つ前記ショートスイッチの接点がオン状態であり、前記加熱室の扉が閉じられると、前記第1レバーの第2操作部が前記ショートスイッチの可動接点部を押圧することで、前記ショートスイッチがオフからオンされた後に、第1レバーの第1操作部が前記信号スイッチの可動接点部を押圧してオンする構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の高周波加熱装置。
【請求項4】
前記スイッチユニットは、前記スイッチ取付板と、前記信号スイッチの接点部及び前記ショートスイッチの接点部を覆うスイッチカバーと、からなり、前記スイッチ取付板には、前記メインスイッチが装着され、且つ前記スイッチ取付板上に前記第1レバーの回転軸を設け、前記回転軸に前記第1レバーを挿入し、前記スイッチカバーで保持する構成としたことを特徴とする請求項3記載の高周波加熱装置。
【請求項5】
前記第1レバーからつたってきた液体の浸入を防止するために前記第1レバーの前記回転軸より前方に鍔を延ばしたことを特徴とする請求項4記載の高周波加熱装置。
【請求項6】
前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記第1レバーの前記回転軸より後方に前記スイッチユニット内部の接点部を設けたことを特徴とする請求項4記載の高周波加熱装置。
【請求項7】
前記第1レバーからつたってきた液体の浸入による影響を受け難くするために前記ショートスイッチの接点部を下側に設けたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項8】
前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装の色の違いにより示すインジケータを備えたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項9】
前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの動作位置を、前記第1レバーと前記スイッチユニットとの外装に設けた印により示すインジケータを備えたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項10】
前記信号スイッチと前記ショートスイッチとを内蔵した前記スイッチユニットの接続が誤配線されないようにするために前記スイッチユニットの外装の上側あるいは下側に突起を設けたことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項11】
前記ショートスイッチに構成される接点の内の前記ショートスイッチと前記メインスイッチとでショート回路を構成する接点の片側を略R形状に形成したことを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項12】
前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板の接点操作部を略櫛歯形状に形成したことを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項13】
前記第1レバーを可動させるためにできる前記スイッチ取付板と前記スイッチカバーとの隙間からの粉塵の侵入を防止するために前記スイッチ取付板と前記第1レバーの接点操作部にグリス溜りを形成したことを特徴とする請求項4〜11のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項14】
前記スイッチカバーを透明にしたことを特徴とする請求項4〜13のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項15】
前記スイッチユニットに内蔵された前記信号スイッチ及び前記ショートスイッチの接点同士は接触後にずれてワイピングするように構成されていることを特徴とする請求項3〜14のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項16】
前記スイッチユニットに内蔵された前記ショートスイッチの接点片の弾性力により前記第1レバーを復帰させる構成としたことを特徴とする請求項3〜15のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項17】
前記メインスイッチは前記第2レバーに対向し該第2レバーの回転軸を基準として第2レバーを操作する第2操作ピンあるいは第2操作キー側に配置したことを特徴とする請求項2〜16のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【請求項18】
前記第2レバーが押圧された際に前記第1レバーを押圧して、前記ショートスイッチがオフされた後に、前記メインスイッチをオンするための突起部を前記第2レバーに設けたことを特徴とする請求項2〜17のいずれか一項記載の高周波加熱装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2009−85591(P2009−85591A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−14704(P2009−14704)
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【分割の表示】特願2005−506254(P2005−506254)の分割
【原出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月26日(2009.1.26)
【分割の表示】特願2005−506254(P2005−506254)の分割
【原出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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