高周波発振器
【課題】高周波信号の周波数調整範囲を拡大して、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができるようにする。
【解決手段】カプラ13から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ3と、電圧制御発振器17から出力された制御信号にしたがって光周波数シフタ3により周波数がシフトされたレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ4と、カプラ11から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ5とを設ける。
【解決手段】カプラ13から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ3と、電圧制御発振器17から出力された制御信号にしたがって光周波数シフタ3により周波数がシフトされたレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ4と、カプラ11から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ5とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ミリ波やマイクロ波などの高周波信号を発振することができる高周波発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高周波発振器では、伝送路として、光ファイバ等を用いて長距離化することで、低位相雑音化を実現している。
しかし、周囲の環境温度の変動によって光ファイバの熱収縮が生じ、信号周波数が変動することがある。
以下の特許文献1には、信号周波数の安定化を実現している高周波発振器が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている高周波発振器は、レーザ光源と、光変調器と、光電変換器と、増幅器と、遅延器とから構成されている。
以下、この高周波発振器の動作を簡単に説明する。
光変調器は、後述する遅延器から与えられる変調信号にしたがって、レーザ光源から発生されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を光電変換器に出力する。
光電変換器は、光変調器から出力された強度変調後のレーザ光を高周波信号(電気信号)に変換し、その高周波信号を外部に出力するとともに、その高周波信号を増幅器に出力する。
【0004】
遅延器は、移相器として動作するものであり、光電変換器から高周波信号を受けると、その高周波信号の位相を調整し、位相調整後の高周波信号を変調信号として光変調器に与える。
これにより、信号周波数の安定化が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−351951号公報(図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の高周波発振器は以上のように構成されているので、光電変換器から出力された高周波信号の位相を調整して、位相調整後の高周波信号を変調信号として光変調器に与えることで、信号周波数の安定化を実現することができる。しかし、周囲の環境温度の変動が大きい場合、光ファイバの熱収縮に伴う高周波信号の位相シフト量が、遅延器で調整可能な量を超えてしまって、周波数の安定化を図ることができなくなることがある課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、高周波信号の周波数調整範囲を拡大して、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができる高周波発振器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る高周波発振器は、レーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光源から発生されたレーザ光を分岐する第1のレーザ光分岐手段と、第1の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、基準発振器から発振された基準信号の周波数と高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、第1の制御信号を第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、レーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光源から発生されたレーザ光を分岐する第1のレーザ光分岐手段と、第1の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、基準発振器から発振された基準信号の周波数と高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、第1の制御信号を第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを設けるように構成したので、高周波信号の周波数調整範囲が拡大され、その結果、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1による高周波発振器を示す構成図である。
【図2】レーザ光源1から発生されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図3】光周波数シフタ3による周波数シフトを示す説明図である。
【図4】光周波数シフタ4による周波数シフトを示す説明図である。
【図5】光周波数シフタ5による周波数シフトを示す説明図である。
【図6】光カプラ6により合波されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図13】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図15】この発明の実施の形態2による高周波発振器を示す構成図である。
【図16】レーザ光源61から発生されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図17】レーザ光源61により強度変調されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図18】光フィルタ62により周波数fc’−fm’が抑圧されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図19】光分波器63により伝送される周波数fc’のレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図20】光分波器63により伝送される周波数fc’+fm’のレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図21】この発明の実施の形態2による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図22】この発明の実施の形態3による高周波発振器を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波発振器を示す構成図である。
図1において、レーザ光源1は周波数fcのレーザ光を発生し、そのレーザ光を光カプラ2に出力する光源である。
光カプラ2は例えば光ファイバによってレーザ光源1と接続されており、レーザ光源1から出力されたレーザ光を2つに分岐して、一方のレーザ光を光周波数シフタ3に伝送し、他方のレーザ光を光周波数シフタ4に伝送する光学部品である。なお、光カプラ2は第1のレーザ光分岐手段を構成している。
【0012】
光周波数シフタ3は例えば光ファイバによって光カプラ2と接続されており、カプラ13から出力された制御信号(第3の制御信号)にしたがって光カプラ2により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトし、周波数fc+fsのレーザ光を光周波数シフタ4に出力する処理を実施する。なお、光周波数シフタ3は第3の光周波数シフタを構成している。
光周波数シフタ4は例えば光ファイバによって光周波数シフタ3と接続されており、電圧制御発振器17から出力された制御信号(第1の制御信号)にしたがって光周波数シフタ3から出力されたレーザ光の周波数をシフトし、周波数fc−Δfのレーザ光を光カプラ6に出力する処理を実施する。なお、光周波数シフタ4は第1の光周波数シフタを構成している。
図1の例では、光周波数シフタ4が光周波数シフタ3の後段に配置されているが、光周波数シフタ4が光周波数シフタ3の前段に配置されていてもよい。
【0013】
光周波数シフタ5は例えば光ファイバによって光カプラ2と接続されており、カプラ11から出力された制御信号(第2の制御信号)にしたがって光カプラ2により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトし、周波数fc+fmのレーザ光を光カプラ6に出力する処理を実施する。なお、光周波数シフタ5は第2の光周波数シフタを構成している。
光カプラ6は例えば光ファイバによって光周波数シフタ4,5と接続されており、光周波数シフタ4から出力された周波数fc−Δfのレーザ光と光周波数シフタ5から出力された周波数fc+fmのレーザ光とを合波し、合波後のレーザ光を光ファイバ7に伝送する光学部品である。なお、光カプラ6はレーザ光合波手段を構成している。
【0014】
光ファイバ7は光カプラ6から出力されたレーザ光をO/E変換器8に伝送する伝送路である。
光電変換器であるO/E変換器8は光ファイバ7により伝送されたレーザ光を直接検波(自乗検波)することで、そのレーザ光を電気信号であるRF信号(高周波信号)に変換する処理を実施する。なお、O/E変換器8は光電変換手段を構成している。
バンドパスフィルタ9は例えば同軸ケーブル等の電線ケーブルによってO/E変換器8と接続されており、O/E変換器8により変換されたRF信号の信号成分のうち、予め設定された所定の通過帯域以外の周波数帯域の信号成分やスプリアスを遮断して、所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを通過させる処理を実施する。
【0015】
カプラ10はバンドパスフィルタ9を通過してきたRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号をカプラ11に出力して、他方のRF信号を周波数調整部14に出力する部品である。
カプラ11はカプラ10から出力された一方のRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号を制御信号として光周波数シフタ5に与えて、他方のRF信号を外部に出力する部品である。
なお、カプラ10,11は高周波信号分岐手段を構成しており、カプラ11は第1の外部出力手段を構成している。
【0016】
基準発振器12は周波数fsの基準信号を発振し、その基準信号をカプラ13に出力する発振器である。
カプラ13は基準発振器12から発振された基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えて、他方の基準信号を周波数差検出部15に出力する部品である。なお、カプラ13は基準信号分岐手段を構成している。
【0017】
周波数調整部14はカプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数fsとの比率と同一の比率で、カプラ10から出力された他方のRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する処理を実施する。なお、周波数調整部14は周波数調整手段を構成している。
周波数差検出部15はカプラ13から出力された基準信号の周波数fsと周波数調整部14から出力されたRF信号の周波数との周波数差を検出する処理を実施する。なお、周波数差検出部15は周波数差検出手段を構成している。
【0018】
電圧印加部16は周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加する処理を実施する。
電圧制御発振器17は電圧印加部16により印加された電圧値にしたがって発振周波数が制御され、光周波数シフタ4の制御信号として、制御された周波数のRF信号を生成する処理を実施する。
なお、電圧印加部16及び電圧制御発振器17から制御信号生成手段が構成されている。
【0019】
次に動作について説明する。
レーザ光源1は、周波数fcのレーザ光を発生し、そのレーザ光を光カプラ2に出力する。
光カプラ2は、レーザ光源1から出力されたレーザ光を受けると、そのレーザ光を2つに分岐して、一方のレーザ光を光周波数シフタ3に伝送し、他方のレーザ光を光周波数シフタ4に伝送する。
【0020】
光周波数シフタ3は、光カプラ2から周波数fcのレーザ光を受けると、カプラ13から出力された制御信号にしたがって、そのレーザ光の周波数をシフト(基準発振器12から発振された基準信号に応じた分周波数シフト)し、周波数fc+fsのレーザ光を光周波数シフタ4に出力する。
光周波数シフタ4は、光周波数シフタ3から周波数fc+fsのレーザ光を受けると、電圧制御発振器17から出力された制御信号にしたがって、そのレーザ光の周波数をシフト(電圧制御発振器17から出力された制御信号に応じた分周波数シフト)し、周波数fc−Δfのレーザ光を光カプラ6に出力する。
【0021】
光周波数シフタ5は、光カプラ2から周波数fcのレーザ光を受けると、カプラ11から出力された制御信号にしたがって、そのレーザ光の周波数をシフト(カプラ11から外部に出力されたRF信号に応じた分周波数シフト)し、周波数fc+fmのレーザ光を光カプラ6に出力する。
光カプラ6は、光周波数シフタ4から出力された周波数fc−Δfのレーザ光と光周波数シフタ5から出力された周波数fc+fmのレーザ光とを合波し、合波後のレーザ光を光ファイバ7に伝送する。
【0022】
O/E変換器8は、光ファイバ7により伝送されたレーザ光が入力されると、そのレーザ光を直接検波(自乗検波)することで、そのレーザ光を電気信号であるRF信号に変換する。
バンドパスフィルタ9は、O/E変換器8がレーザ光をRF信号に変換すると、そのRF信号の信号成分のうち、予め設定された所定の通過帯域以外の周波数帯域の信号成分やスプリアスを遮断して、所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを通過させてカプラ10に出力する。
【0023】
カプラ10は、バンドパスフィルタ9を通過してきたRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号をカプラ11に出力して、他方のRF信号を周波数調整部14に出力する。
カプラ11は、カプラ10から出力された一方のRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号を制御信号として光周波数シフタ5に与えて、他方のRF信号を外部に出力する。
【0024】
基準発振器12は、周波数fsの基準信号を発振し、その基準信号をカプラ13に出力する。
カプラ13は、基準発振器12から出力された基準信号を受けると、その基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えて、他方の基準信号を周波数差検出部15に出力する。
【0025】
周波数調整部14は、カプラ10により分岐された他方のRF信号を受けると、カプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数fsとの比率と同一の比率で、カプラ10から出力されたRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する。
周波数差検出部15は、カプラ13から出力された基準信号の周波数fsと周波数調整部14から出力されたRF信号の周波数との周波数差を検出する。
【0026】
電圧印加部16は、周波数差検出部15が周波数差を検出すると、その周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加することで、電圧制御発振器17の発振周波数を制御する。
電圧制御発振器17は、電圧印加部16により印加された電圧値に対応する周波数のRF信号を発振し、そのRF信号を制御信号として、光周波数シフタ4に与える。
【0027】
ここで、カプラ11により分岐されたRF信号が制御信号として光周波数シフタ5に与えられることにより、帰還回路が構成される。
この帰還回路において、回路全体の損失よりも大きくなるように帰還ゲインを設定することにより、図1の高周波発振器では、バンドパスフィルタ9で設定されている所定の周波数で発振を始める。
また、周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する制御信号が光周波数シフタ4に与えられることにより、図1の高周波発振器の外部に出力されるRF信号が調整される。
【0028】
次に、この実施の形態1における高周波発振器の効果について説明する。
この種類の高周波発振器では、例えば、レーザ光の伝送路として、長い光ファイバを用いることで、発振ループを容易に長距離化させることができる。これにより、発振のQ値が高められて、低位相雑音特性が得られるという利点がある。
ただし、長い光ファイバを用いることで、環境温度変化に伴うファイバ長変動を要因とする位相変化を生じることがある。
マイクロ波移相器を搭載すれば、ファイバ長変動による位相変化を補償することができるが、市販のマイクロ波移相器の位相調整量は、通常1周期(360度)程度である。このため、これ以上の位相調整を行うには複数のマイクロ波移相器を搭載する必要があり、高コスト化や大型化などを招くことになる。
【0029】
そこで、この実施の形態1では、光変調を行う光周波数シフタ4を実装し、光周波数シフタ4の周波数を電圧制御発振器17によって変化させることで、発振周波数を制御している。
市販の光周波数シフタとしては、例えば、超音波等の音響波を音響光学素子に加えることで、入力光の周波数をシフトさせるAO変調器(Acoust Optic Modulator:AOM)があり、数10MHz〜100MHz程度の周波数シフトが可能である。また、電圧制御発振器17についても、数10MHz〜100MHz程度の周波数シフトは十分可能である。
これにより、マイクロ波移相器の位相調整量に限定されることなく、周波数制御が可能になる効果が得られる。
【0030】
以下、高周波発振器の効果を分かりやすく説明するため、高周波発振器内の各構成部における光スペクトル模式図を時系列で示し、周波数の流れについて説明する。
ここでは、光周波数シフタ3と光周波数シフタ4として、上述したAOMを用いるものとする。
AOMは、上述したように、音響波を加えることで、回折された光を周波数シフトさせるものであり、一般的に回折光の生じる方向が音響波の進行方向と同じ場合は、光の周波数が高い方向にシフトし、回折光が音響波の進行方向と逆の場合は、光の周波数が低い方向にシフトする。
以下の説明では、光周波数シフタ3が、周波数が高くなる方向にシフトし、光周波数シフタ4が、周波数が低くなる方向にシフトするものとする。ただし、光周波数シフタ3が、周波数が低くなる方向にシフトしても構わないし、光周波数シフタ4が、周波数が高くなる方向にシフトしても構わない。
【0031】
なお、レーザ光源1から発生されるレーザ光の周波数はfc、基準発振器12から発振される基準信号の周波数はfs、電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数はfs+Δf、シフト信号の周波数fmとする。
シフト信号の周波数fmは、カプラ11から外部に出力されるRF信号と同一の周波数であり、高周波発振器内の全ループ長の逆数に比例して発振しうるモード(以下、「発振モード」と称する)のうち、バンドパスフィルタ9の通過帯域透過において、通過率が最も高い発振モードで発振したときの信号の周波数である。
【0032】
このとき、レーザ光源1から発生されたレーザ光のスペクトルは、図2に示すように、周波数fcで光信号が得られる。
次に、このレーザ光が光カプラ2で分岐された後、光周波数シフタ3で周波数シフトされると、図3に示すように、光信号の周波数がfcからfc+fsにシフトされる。
さらに、光周波数シフタ4で周波数シフトされると、図4に示すように、光信号の周波数がfc+fsからfc−Δfにシフトされる。
【0033】
一方、レーザ光源1から発生されたレーザ光が光カプラ2で分岐された後、光周波数シフタ5で周波数シフトされると、図5に示すように、光信号の周波数がfcからfc+fmにシフトされる。
その後、光周波数シフタ4と光周波数シフタ5のレーザ光が光カプラ6で合波されると、図6に示すように、周波数fc−Δfの光信号と周波数fc+fmの光信号とが得られる。
この光信号が光ファイバ7を通過してO/E変換器8に到達すると、O/E変換器8では、直接検波によって、2つの光信号のビート周波数で、電気信号であるRF信号に変換される。
【0034】
したがって、環境温度変化に伴うファイバ長変動によって、例えば、図1の高周波発振器の発振信号が−Δf変動した場合、周波数差検出部15が−Δfを検出する。
周波数差検出部15が−Δfを検出すると、電圧印加部16が、電圧制御発振器17から周波数fs+Δfの制御信号が発生されるような電圧値を電圧制御発振器17に印加することで、−Δfの周波数変動が自動的に補正され、外部に出力されるRF信号の周波数を安定化させることができる。
【0035】
また、従来の高周波発振器が用いているマイクロ波移相器の位相シフト量は、上述したように1周期(360度)程度である。
ここで、fm=10GHz、高周波発振器の全体の発振ループ長を1000mと仮定する。
なお、10GHzの周波数fmを実現するためのマイクロ波移相器としては、例えば、Lithium Niobate(LN)を用いた光SSB変調器が知られている。また、発振ループ長は1000m程度の光ファイバ7を用いることで容易に実現可能である。
このとき、10GHz、位相シフト量360度の移相器で調整できるファイバ長変動は、例えば、ファイバ屈折率を1.5、光速を3.0×108[m/s]とすると、以下の式(1)のように計算することができる。
【0036】
一方、この実施の形態1のように、電圧制御発振器17と光周波数シフタ4を用いて、周波数補正を行うものとして、その周波数シフト量(前述のΔfに相当)を10MHzとすると、このシフト量で調整可能なファイバ長変動は、以下の式(2)のように計算することができる。
式(1)と式(2)から明らかなように、この実施の形態1の高周波発振器では、従来の高周波発振器よりも、調整可能なファイバ長変動量が50倍に広がることが分かる。
このため、この実施の形態1の高周波発振器では、従来の高周波発振器よりも、周波数調整範囲が広範囲になる。
【0037】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、レーザ光を発生するレーザ光源1と、レーザ光源1から発生されたレーザ光を分岐する光カプラ2と、カプラ13から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ3と、電圧制御発振器17から出力された制御信号にしたがって光周波数シフタ3により周波数がシフトされたレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ4と、カプラ11から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ5と、光周波数シフタ4により周波数がシフトされたレーザ光と光周波数シフタ5により周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力する光カプラ6と、光カプラ6から出力されたレーザ光をRF信号に変換するO/E変換器8と、O/E変換器8により変換されたRF信号の信号成分のうち、予め設定された所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを通過させるバンドパスフィルタ9と、バンドパスフィルタ9を通過してきたRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号をカプラ11に出力して、他方のRF信号を周波数調整部14に出力するカプラ10と、カプラ10から出力された一方のRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号を制御信号として光周波数シフタ5に与えて、他方のRF信号を外部に出力するカプラ11と、基準信号を発振する基準発振器12と、基準発振器12から発振された基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えて、他方の基準信号を周波数差検出部15に出力するカプラ13と、カプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数との比率と同一の比率で、カプラ10から出力された他方のRF信号の周波数を調整する周波数調整部14と、カプラ13から出力された基準信号の周波数fsと周波数調整部14から出力されたRF信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出部15と、周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加する電圧印加部16と、電圧印加部16により印加された電圧値にしたがって発振周波数が制御され、光周波数シフタ4の制御信号として、制御された周波数のRF信号を生成する電圧制御発振器17とを設けるように構成したので、RF信号の周波数調整範囲が拡大され、その結果、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができる効果を奏する。
【0038】
この実施の形態1では、レーザ光源1からO/E変換器8に至る伝送路(レーザ光源1と光カプラ2の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ3の間の伝送路、光周波数シフタ3と光周波数シフタ4の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ5の間の伝送路、光周波数シフタ4と光カプラ6の間の伝送路、光周波数シフタ5と光カプラ6の間の伝送路、光カプラ6と光ファイバ7の間の伝送路及び光ファイバ7とO/E変換器8の間の伝送路)が光ファイバであるため、高周波発振器の小型化が可能になり、また、高い信頼性が得られる。
また、取り扱いが容易となり、高い配置自由性を有するなどの効果が得られる。
ただし、この実施の形態1では、レーザ光源1からO/E変換器8に至る伝送路の全てが光ファイバであるものに限るものではなく、その伝送路の一部又は全部が、例えば、空間などの他の伝送路であってもよい。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0039】
この実施の形態1では、O/E変換器8と光周波数シフタ5の間に、バンドパスフィルタ9、カプラ10及びカプラ11が配置されているものを示したが、O/E変換器8と光周波数シフタ5の間であれば、バンドパスフィルタ9、カプラ10及びカプラ11の配置順序は問わない。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0040】
この実施の形態1では、光カプラ2がレーザ光を2つに分岐し、カプラ10,11がRF信号を2つに分岐し、カプラ13が基準信号を2つに分岐するものを示したが、光カプラ2及びカプラ10,11については、高周波発振器が発振するための条件及び電圧制御発振器17で周波数制御可能となるための条件を満たしていれば、どのような分岐比でも構わない。
また、カプラ11については高周波発振器が発振するための条件を満たしていれば、どのような分岐比でも構わない。カプラ13については周波数差検出部15で周波数差を検出するための条件を満たしていれば、どのような分岐比でも構わない。
このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0041】
この実施の形態1では、カプラ11がRF信号を外部に出力しているものを示したが、図7に示すように、第2の外部出力手段である光カプラ21を光ファイバ7上に配置し、光カプラ21が光カプラ6から出力されたレーザ光を2つに分岐し、一方のレーザ光をO/E変換器8に出力して、他方のレーザ光を外部に出力するようにしてもよい。
これにより、周波数fmだけ離れている2つの光信号を同時に取り出すことができる効果を奏する。
例えば、外部に出力されたレーザ光を光ファイバ等で長距離伝送させた後、O/E変換器等を用いて、そのレーザ光をRF信号に変換し、そのRF信号を同軸ケーブル等の電気信号伝送路で、同様の距離を伝送させる場合と比べて、低損失で伝送できるメリットが生じる。
【0042】
図7の例では、光カプラ21がO/E変換器8の前段に配置されているものを示しているが、光カプラ6とO/E変換器8の間であれば、どの位置に光カプラ21が配置されていてもよい。
また、高周波発振器が発振するための条件を満たしていれば、光カプラ21の分岐比は、どのような分岐比でも構わない。
このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0043】
この実施の形態1では、カプラ10により分岐されたRF信号がカプラ11に入力されるものを示したが、図8に示すように、電気信号であるRF信号を増幅するアンプ31(増幅器)をカプラ10とカプラ11の間に配置するようにしてもよい。
このように、アンプ31を配置することで、外部に出力するRF信号を増幅することができるとともに、レーザ光のパワーが低くても、発振が得られる効果を奏する。
図8の例では、アンプ31をカプラ10とカプラ11の間に配置しているが、O/E変換器8から光周波数シフタ5に至る伝送路、基準発振器12から光周波数シフタ4に至る伝送路、基準発振器12から光周波数シフタ3に至る伝送路及びカプラ10から周波数差検出部15に至る伝送路であれば、どの位置にアンプ31を配置してもよい。また、アンプ31を複数配置してもよい。これらのことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0044】
この実施の形態1では、光カプラ6とO/E変換器8が光ファイバ7で接続されているものを示したが、図9に示すように、レーザ光を増幅する光アンプ32が光ファイバ7上に設けられていてもよい。
このように、光アンプ32を配置することで、外部に出力するRF信号を増幅することができるとともに、レーザ光のパワーが低くても、発振が得られる効果を奏する。
図9の例では、光アンプ32を光ファイバ7上に設けているが、レーザ光源1からO/E変換器8に至る伝送路(レーザ光源1と光カプラ2の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ3の間の伝送路、光周波数シフタ3と光周波数シフタ4の間の伝送路、光周波数シフタ4と光カプラ6の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ5の間の伝送路、光周波数シフタ5と光カプラ6の間の伝送路、光カプラ6とO/E変換器8の間の伝送路)であれば、どの位置に光アンプ32を配置してもよい。また、光アンプ32を複数配置してもよい。これらのことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0045】
この実施の形態1では、カプラ10により分岐されたRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する周波数調整部14を設けているものを示したが、図10に示すように、周波数調整部14の代わりに、カプラ13により分岐された基準信号の周波数を調整し、周波数調整後の基準信号を周波数差検出部15に出力する周波数調整部41を設けるようにしてもよい。
この周波数調整部41は、カプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数fsとの比率と同一の比率で、その基準信号の周波数を調整し、周波数調整後の基準信号を周波数差検出部15に出力するものである。
図1の周波数調整部14よりも、周波数調整部41の方が低コストで小型であるような場合には、高周波発振器の低コスト化や小型化を図ることができる効果を奏する。
このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0046】
この実施の形態1では、カプラ10により分岐されたRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する周波数調整部14を設けているものを示したが、基準信号の周波数fsとシフト信号の周波数fmが同一である場合には、図11に示すように、周波数調整部14や周波数調整部41を実装する必要がない。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0047】
この実施の形態1では、周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加する電圧印加部16を設けているものを示したが、周波数差検出部15から周波数差に対応する電圧値が出力される場合には、図12に示すように、電圧印加部16を実装する必要がない。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0048】
この実施の形態1では、カプラ13が基準発振器12から出力された基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えるものを示したが、図13に示すように、カプラ13の代わりに、光周波数シフタ3に与える制御信号として周波数シフト信号を発生する周波数シフト信号発生器51を設けるようにしてもよい。
このように、周波数シフト信号発生器51を設けることで、周波数シフト信号発生器51から発生される周波数シフト信号の周波数と電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数との差の絶対値がΔfである場合、上述したΔfの周波数調整の動作が可能となり、従来の高周波発振器よりも周波数調整範囲が広範囲になる効果が得られる。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0049】
この実施の形態1では、光周波数シフタ3及びカプラ13が実装されているものを示したが、図14に示すように、光周波数シフタ3及びカプラ13が実装されていなくてもよい。
電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数がΔfである場合、上述したΔfの周波数調整の動作が可能となり、従来の高周波発振器よりも周波数調整範囲が広範囲になる効果が得られる。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0050】
実施の形態2.
図15はこの発明の実施の形態2による高周波発振器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーザ光源61はレーザ光を発生するとともに、カプラ11により分岐されたRF信号が変調信号として与えられると、その変調信号にしたがってレーザ光を強度変調する光源である。
光フィルタ62はレーザ光源61により強度変調されたレーザ光のうち、予め設定された所定の通過帯域以外の帯域のレーザ光を遮断し、所定の通過帯域に含まれているレーザ光だけを光分波器63に出力する処理を実施する。
光分波器63は光フィルタ62を通過してきたレーザ光のうち、所定の通過帯域に含まれるレーザ光と含まれないレーザ光とに分波する処理を実施する。なお、光分波器63はレーザ光分波手段を構成している。
【0051】
上記実施の形態1では、レーザ光源1と光カプラ2が実装されているものを示したが、図15に示すように、レーザ光源1と光カプラ2の代わりに、レーザ光源61、光フィルタ62及び光分波器63が実装されていてもよい。
【0052】
以下、この実施の形態2における高周波発振器の効果において、上記実施の形態1で記載していない点について説明する。
図15の例では、レーザ光源61がカプラ11から出力されたRF信号を変調信号として入力して、複数のレーザ光成分を発生させているため、上記実施の形態1における光カプラ2や光周波数シフタ5が不要になり、低コスト化や小型化を図ることができる効果が得られる。
【0053】
ここで、上述した効果を分かりやすく説明するため、高周波発振器内の各構成部における光スペクトル模式図を時系列で示し、周波数の流れについて説明する。
ただし、基準信号の周波数はfs、電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数はfs+Δf、レーザ光源61から発生されるレーザ光の周波数はfc’、カプラ11から出力される変調信号の周波数(外部に出力されるRF信号の周波数と同一)はfm’とする。
【0054】
また、レーザ光源61は、直接強度変調が可能なレーザとして、例えば、半導体レーザ(Laser Diode:LD)を用いるものとする。
さらに、光フィルタ62は、周波数fc’以上の帯域を通過させるハイパスフィルタを用いるものとする。
また、光分波器63は、周波数fc’+fm’/2未満の帯域に含まれるレーザ光については光周波数シフタ3に伝送し、fc’−fm’/2以上の帯域に含まれるレーザ光については光カプラ6に伝送するものとする。
【0055】
このとき、レーザ光源61から発生されたレーザ光のスペクトルは、図16に示すように、周波数fc’で光信号が得られる。
次に、カプラ11から出力された変調信号で、このレーザ光が強度変調されると、図17に示すように、周波数fc’の両側に周波数fc’+fm’と周波数fc’−fm’のレーザ光が生成される。
なお、fc’+2fm’等の高調波成分については、周波数fc’+fm’や周波数fc’−fm’の強度と比べて十分に小さいことから、ここでは無視することにする。
【0056】
その後、これらのレーザ光が光フィルタ62に伝送されると、図18に示すように、fc’−fm’のレーザ光が抑圧され、周波数fc’と周波数fc’+fm’のレーザ光のみが通過される。
さらに、これらのレーザ光が光分波器63に伝送されると、図19及び図20に示すように、光分波器63によって周波数fc’のレーザ光と周波数fc’+fm’のレーザ光が分離されることで、周波数fc’のレーザ光が光周波数シフタ3に伝送され、周波数fc’+fm’のレーザ光が光カプラ6に伝送される。
【0057】
ここで、図19のスペクトルは、図1の高周波発振器において、光カプラ2から光周波数シフタ3に伝送されるスペクトルに対して、レーザ光の周波数がfcからfc’に変更されただけの違いである。
また、図20のスペクトルは、図1の高周波発振器において、光周波数シフタ5から光カプラ6に伝送されるスペクトルに対して、レーザ光の周波数がfc+fmからfc’+fm’に変更されただけの違いである。
光カプラ6以降の構成及び動作も図1の高周波発振器と同一であることから、図15の高周波発振器では、図1の高周波発振器と同様の効果を得ることができる。
【0058】
図15の例では、光フィルタ62がハイパスフィルタであるものを示したが、光フィルタ62がハイパスフィルタであるものに限るものではなく、例えば、周波数fc’以下の帯域を通過させるローパスフィルタを用いても、Δfの符号を反転させて使用すれば、同様の効果が得られる。
また、光分波器63については、周波数fc’+fm’のレーザ光が光周波数シフタ3に伝送され、周波数fc’のレーザ光が光カプラ6に伝送された場合でも、Δfの符号を反転させて使用すれば、同様の効果が得られる。
【0059】
この実施の形態2では、レーザ光源61の後段に光フィルタ62を設けているものを示しているが、レーザ光源61として、例えば、SSB変調できるようなレーザ光源を用いている場合には、変調で発生する片方のレーザ光を抑圧する必要がないため、図21に示すように、光フィルタ62を実装する必要がない。
【0060】
実施の形態3.
図22はこの発明の実施の形態3による高周波発振器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーザ光源71は周波数fcのレーザ光を発生し、そのレーザ光を光周波数シフタ5に出力する光源である。
この実施の形態1では、レーザ光源1が第1のレーザ光源を構成し、レーザ光源71が第2のレーザ光源を構成している。
【0061】
上記実施の形態1では、光カプラ2が、レーザ光源1から出力されたレーザ光を2つに分岐して、一方のレーザ光を光周波数シフタ3に伝送し、他方のレーザ光を光周波数シフタ5に伝送するようにしているが、レーザ光源1の他にレーザ光源71を設けて、レーザ光源71がレーザ光を光周波数シフタ5に伝送することで、光カプラ2を不要にしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0062】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 レーザ光源(第1のレーザ光源)、2 光カプラ(第1のレーザ光分岐手段)、3 光周波数シフタ(第3の光周波数シフタ)、4 光周波数シフタ(第1の光周波数シフタ)、5 光周波数シフタ(第2の光周波数シフタ)、6 光カプラ(レーザ光合波手段)、7 光ファイバ、8 O/E変換器(光電変換手段)、9 バンドパスフィルタ、10 カプラ(高周波信号分岐手段)、11 カプラ(高周波信号分岐手段、第1の外部出力手段)、12 基準発振器、13 カプラ(基準信号分岐手段)、14,41 周波数調整部(周波数調整手段)、15 周波数差検出部(周波数差検出手段)、16 電圧印加部(制御信号生成手段)、17 電圧制御発振器(制御信号生成手段)、21 光カプラ(第2の外部出力手段)、31 アンプ(増幅器)、32 光アンプ、51 周波数シフト信号発生器、61 レーザ光源、62 光フィルタ、63 光分波器(レーザ光分波手段)、71 レーザ光源(第2のレーザ光源)。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ミリ波やマイクロ波などの高周波信号を発振することができる高周波発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高周波発振器では、伝送路として、光ファイバ等を用いて長距離化することで、低位相雑音化を実現している。
しかし、周囲の環境温度の変動によって光ファイバの熱収縮が生じ、信号周波数が変動することがある。
以下の特許文献1には、信号周波数の安定化を実現している高周波発振器が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている高周波発振器は、レーザ光源と、光変調器と、光電変換器と、増幅器と、遅延器とから構成されている。
以下、この高周波発振器の動作を簡単に説明する。
光変調器は、後述する遅延器から与えられる変調信号にしたがって、レーザ光源から発生されたレーザ光を強度変調し、強度変調後のレーザ光を光電変換器に出力する。
光電変換器は、光変調器から出力された強度変調後のレーザ光を高周波信号(電気信号)に変換し、その高周波信号を外部に出力するとともに、その高周波信号を増幅器に出力する。
【0004】
遅延器は、移相器として動作するものであり、光電変換器から高周波信号を受けると、その高周波信号の位相を調整し、位相調整後の高周波信号を変調信号として光変調器に与える。
これにより、信号周波数の安定化が実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−351951号公報(図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の高周波発振器は以上のように構成されているので、光電変換器から出力された高周波信号の位相を調整して、位相調整後の高周波信号を変調信号として光変調器に与えることで、信号周波数の安定化を実現することができる。しかし、周囲の環境温度の変動が大きい場合、光ファイバの熱収縮に伴う高周波信号の位相シフト量が、遅延器で調整可能な量を超えてしまって、周波数の安定化を図ることができなくなることがある課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、高周波信号の周波数調整範囲を拡大して、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができる高周波発振器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る高周波発振器は、レーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光源から発生されたレーザ光を分岐する第1のレーザ光分岐手段と、第1の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、基準発振器から発振された基準信号の周波数と高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、第1の制御信号を第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを設けたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、レーザ光を発生するレーザ光源と、レーザ光源から発生されたレーザ光を分岐する第1のレーザ光分岐手段と、第1の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって第1のレーザ光分岐手段により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、基準発振器から発振された基準信号の周波数と高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、第1の制御信号を第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを設けるように構成したので、高周波信号の周波数調整範囲が拡大され、その結果、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1による高周波発振器を示す構成図である。
【図2】レーザ光源1から発生されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図3】光周波数シフタ3による周波数シフトを示す説明図である。
【図4】光周波数シフタ4による周波数シフトを示す説明図である。
【図5】光周波数シフタ5による周波数シフトを示す説明図である。
【図6】光カプラ6により合波されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図8】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図10】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図12】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図13】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図14】この発明の実施の形態1による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図15】この発明の実施の形態2による高周波発振器を示す構成図である。
【図16】レーザ光源61から発生されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図17】レーザ光源61により強度変調されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図18】光フィルタ62により周波数fc’−fm’が抑圧されたレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図19】光分波器63により伝送される周波数fc’のレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図20】光分波器63により伝送される周波数fc’+fm’のレーザ光のスペクトルを示す説明図である。
【図21】この発明の実施の形態2による他の高周波発振器を示す構成図である。
【図22】この発明の実施の形態3による高周波発振器を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による高周波発振器を示す構成図である。
図1において、レーザ光源1は周波数fcのレーザ光を発生し、そのレーザ光を光カプラ2に出力する光源である。
光カプラ2は例えば光ファイバによってレーザ光源1と接続されており、レーザ光源1から出力されたレーザ光を2つに分岐して、一方のレーザ光を光周波数シフタ3に伝送し、他方のレーザ光を光周波数シフタ4に伝送する光学部品である。なお、光カプラ2は第1のレーザ光分岐手段を構成している。
【0012】
光周波数シフタ3は例えば光ファイバによって光カプラ2と接続されており、カプラ13から出力された制御信号(第3の制御信号)にしたがって光カプラ2により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトし、周波数fc+fsのレーザ光を光周波数シフタ4に出力する処理を実施する。なお、光周波数シフタ3は第3の光周波数シフタを構成している。
光周波数シフタ4は例えば光ファイバによって光周波数シフタ3と接続されており、電圧制御発振器17から出力された制御信号(第1の制御信号)にしたがって光周波数シフタ3から出力されたレーザ光の周波数をシフトし、周波数fc−Δfのレーザ光を光カプラ6に出力する処理を実施する。なお、光周波数シフタ4は第1の光周波数シフタを構成している。
図1の例では、光周波数シフタ4が光周波数シフタ3の後段に配置されているが、光周波数シフタ4が光周波数シフタ3の前段に配置されていてもよい。
【0013】
光周波数シフタ5は例えば光ファイバによって光カプラ2と接続されており、カプラ11から出力された制御信号(第2の制御信号)にしたがって光カプラ2により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトし、周波数fc+fmのレーザ光を光カプラ6に出力する処理を実施する。なお、光周波数シフタ5は第2の光周波数シフタを構成している。
光カプラ6は例えば光ファイバによって光周波数シフタ4,5と接続されており、光周波数シフタ4から出力された周波数fc−Δfのレーザ光と光周波数シフタ5から出力された周波数fc+fmのレーザ光とを合波し、合波後のレーザ光を光ファイバ7に伝送する光学部品である。なお、光カプラ6はレーザ光合波手段を構成している。
【0014】
光ファイバ7は光カプラ6から出力されたレーザ光をO/E変換器8に伝送する伝送路である。
光電変換器であるO/E変換器8は光ファイバ7により伝送されたレーザ光を直接検波(自乗検波)することで、そのレーザ光を電気信号であるRF信号(高周波信号)に変換する処理を実施する。なお、O/E変換器8は光電変換手段を構成している。
バンドパスフィルタ9は例えば同軸ケーブル等の電線ケーブルによってO/E変換器8と接続されており、O/E変換器8により変換されたRF信号の信号成分のうち、予め設定された所定の通過帯域以外の周波数帯域の信号成分やスプリアスを遮断して、所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを通過させる処理を実施する。
【0015】
カプラ10はバンドパスフィルタ9を通過してきたRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号をカプラ11に出力して、他方のRF信号を周波数調整部14に出力する部品である。
カプラ11はカプラ10から出力された一方のRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号を制御信号として光周波数シフタ5に与えて、他方のRF信号を外部に出力する部品である。
なお、カプラ10,11は高周波信号分岐手段を構成しており、カプラ11は第1の外部出力手段を構成している。
【0016】
基準発振器12は周波数fsの基準信号を発振し、その基準信号をカプラ13に出力する発振器である。
カプラ13は基準発振器12から発振された基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えて、他方の基準信号を周波数差検出部15に出力する部品である。なお、カプラ13は基準信号分岐手段を構成している。
【0017】
周波数調整部14はカプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数fsとの比率と同一の比率で、カプラ10から出力された他方のRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する処理を実施する。なお、周波数調整部14は周波数調整手段を構成している。
周波数差検出部15はカプラ13から出力された基準信号の周波数fsと周波数調整部14から出力されたRF信号の周波数との周波数差を検出する処理を実施する。なお、周波数差検出部15は周波数差検出手段を構成している。
【0018】
電圧印加部16は周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加する処理を実施する。
電圧制御発振器17は電圧印加部16により印加された電圧値にしたがって発振周波数が制御され、光周波数シフタ4の制御信号として、制御された周波数のRF信号を生成する処理を実施する。
なお、電圧印加部16及び電圧制御発振器17から制御信号生成手段が構成されている。
【0019】
次に動作について説明する。
レーザ光源1は、周波数fcのレーザ光を発生し、そのレーザ光を光カプラ2に出力する。
光カプラ2は、レーザ光源1から出力されたレーザ光を受けると、そのレーザ光を2つに分岐して、一方のレーザ光を光周波数シフタ3に伝送し、他方のレーザ光を光周波数シフタ4に伝送する。
【0020】
光周波数シフタ3は、光カプラ2から周波数fcのレーザ光を受けると、カプラ13から出力された制御信号にしたがって、そのレーザ光の周波数をシフト(基準発振器12から発振された基準信号に応じた分周波数シフト)し、周波数fc+fsのレーザ光を光周波数シフタ4に出力する。
光周波数シフタ4は、光周波数シフタ3から周波数fc+fsのレーザ光を受けると、電圧制御発振器17から出力された制御信号にしたがって、そのレーザ光の周波数をシフト(電圧制御発振器17から出力された制御信号に応じた分周波数シフト)し、周波数fc−Δfのレーザ光を光カプラ6に出力する。
【0021】
光周波数シフタ5は、光カプラ2から周波数fcのレーザ光を受けると、カプラ11から出力された制御信号にしたがって、そのレーザ光の周波数をシフト(カプラ11から外部に出力されたRF信号に応じた分周波数シフト)し、周波数fc+fmのレーザ光を光カプラ6に出力する。
光カプラ6は、光周波数シフタ4から出力された周波数fc−Δfのレーザ光と光周波数シフタ5から出力された周波数fc+fmのレーザ光とを合波し、合波後のレーザ光を光ファイバ7に伝送する。
【0022】
O/E変換器8は、光ファイバ7により伝送されたレーザ光が入力されると、そのレーザ光を直接検波(自乗検波)することで、そのレーザ光を電気信号であるRF信号に変換する。
バンドパスフィルタ9は、O/E変換器8がレーザ光をRF信号に変換すると、そのRF信号の信号成分のうち、予め設定された所定の通過帯域以外の周波数帯域の信号成分やスプリアスを遮断して、所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを通過させてカプラ10に出力する。
【0023】
カプラ10は、バンドパスフィルタ9を通過してきたRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号をカプラ11に出力して、他方のRF信号を周波数調整部14に出力する。
カプラ11は、カプラ10から出力された一方のRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号を制御信号として光周波数シフタ5に与えて、他方のRF信号を外部に出力する。
【0024】
基準発振器12は、周波数fsの基準信号を発振し、その基準信号をカプラ13に出力する。
カプラ13は、基準発振器12から出力された基準信号を受けると、その基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えて、他方の基準信号を周波数差検出部15に出力する。
【0025】
周波数調整部14は、カプラ10により分岐された他方のRF信号を受けると、カプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数fsとの比率と同一の比率で、カプラ10から出力されたRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する。
周波数差検出部15は、カプラ13から出力された基準信号の周波数fsと周波数調整部14から出力されたRF信号の周波数との周波数差を検出する。
【0026】
電圧印加部16は、周波数差検出部15が周波数差を検出すると、その周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加することで、電圧制御発振器17の発振周波数を制御する。
電圧制御発振器17は、電圧印加部16により印加された電圧値に対応する周波数のRF信号を発振し、そのRF信号を制御信号として、光周波数シフタ4に与える。
【0027】
ここで、カプラ11により分岐されたRF信号が制御信号として光周波数シフタ5に与えられることにより、帰還回路が構成される。
この帰還回路において、回路全体の損失よりも大きくなるように帰還ゲインを設定することにより、図1の高周波発振器では、バンドパスフィルタ9で設定されている所定の周波数で発振を始める。
また、周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する制御信号が光周波数シフタ4に与えられることにより、図1の高周波発振器の外部に出力されるRF信号が調整される。
【0028】
次に、この実施の形態1における高周波発振器の効果について説明する。
この種類の高周波発振器では、例えば、レーザ光の伝送路として、長い光ファイバを用いることで、発振ループを容易に長距離化させることができる。これにより、発振のQ値が高められて、低位相雑音特性が得られるという利点がある。
ただし、長い光ファイバを用いることで、環境温度変化に伴うファイバ長変動を要因とする位相変化を生じることがある。
マイクロ波移相器を搭載すれば、ファイバ長変動による位相変化を補償することができるが、市販のマイクロ波移相器の位相調整量は、通常1周期(360度)程度である。このため、これ以上の位相調整を行うには複数のマイクロ波移相器を搭載する必要があり、高コスト化や大型化などを招くことになる。
【0029】
そこで、この実施の形態1では、光変調を行う光周波数シフタ4を実装し、光周波数シフタ4の周波数を電圧制御発振器17によって変化させることで、発振周波数を制御している。
市販の光周波数シフタとしては、例えば、超音波等の音響波を音響光学素子に加えることで、入力光の周波数をシフトさせるAO変調器(Acoust Optic Modulator:AOM)があり、数10MHz〜100MHz程度の周波数シフトが可能である。また、電圧制御発振器17についても、数10MHz〜100MHz程度の周波数シフトは十分可能である。
これにより、マイクロ波移相器の位相調整量に限定されることなく、周波数制御が可能になる効果が得られる。
【0030】
以下、高周波発振器の効果を分かりやすく説明するため、高周波発振器内の各構成部における光スペクトル模式図を時系列で示し、周波数の流れについて説明する。
ここでは、光周波数シフタ3と光周波数シフタ4として、上述したAOMを用いるものとする。
AOMは、上述したように、音響波を加えることで、回折された光を周波数シフトさせるものであり、一般的に回折光の生じる方向が音響波の進行方向と同じ場合は、光の周波数が高い方向にシフトし、回折光が音響波の進行方向と逆の場合は、光の周波数が低い方向にシフトする。
以下の説明では、光周波数シフタ3が、周波数が高くなる方向にシフトし、光周波数シフタ4が、周波数が低くなる方向にシフトするものとする。ただし、光周波数シフタ3が、周波数が低くなる方向にシフトしても構わないし、光周波数シフタ4が、周波数が高くなる方向にシフトしても構わない。
【0031】
なお、レーザ光源1から発生されるレーザ光の周波数はfc、基準発振器12から発振される基準信号の周波数はfs、電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数はfs+Δf、シフト信号の周波数fmとする。
シフト信号の周波数fmは、カプラ11から外部に出力されるRF信号と同一の周波数であり、高周波発振器内の全ループ長の逆数に比例して発振しうるモード(以下、「発振モード」と称する)のうち、バンドパスフィルタ9の通過帯域透過において、通過率が最も高い発振モードで発振したときの信号の周波数である。
【0032】
このとき、レーザ光源1から発生されたレーザ光のスペクトルは、図2に示すように、周波数fcで光信号が得られる。
次に、このレーザ光が光カプラ2で分岐された後、光周波数シフタ3で周波数シフトされると、図3に示すように、光信号の周波数がfcからfc+fsにシフトされる。
さらに、光周波数シフタ4で周波数シフトされると、図4に示すように、光信号の周波数がfc+fsからfc−Δfにシフトされる。
【0033】
一方、レーザ光源1から発生されたレーザ光が光カプラ2で分岐された後、光周波数シフタ5で周波数シフトされると、図5に示すように、光信号の周波数がfcからfc+fmにシフトされる。
その後、光周波数シフタ4と光周波数シフタ5のレーザ光が光カプラ6で合波されると、図6に示すように、周波数fc−Δfの光信号と周波数fc+fmの光信号とが得られる。
この光信号が光ファイバ7を通過してO/E変換器8に到達すると、O/E変換器8では、直接検波によって、2つの光信号のビート周波数で、電気信号であるRF信号に変換される。
【0034】
したがって、環境温度変化に伴うファイバ長変動によって、例えば、図1の高周波発振器の発振信号が−Δf変動した場合、周波数差検出部15が−Δfを検出する。
周波数差検出部15が−Δfを検出すると、電圧印加部16が、電圧制御発振器17から周波数fs+Δfの制御信号が発生されるような電圧値を電圧制御発振器17に印加することで、−Δfの周波数変動が自動的に補正され、外部に出力されるRF信号の周波数を安定化させることができる。
【0035】
また、従来の高周波発振器が用いているマイクロ波移相器の位相シフト量は、上述したように1周期(360度)程度である。
ここで、fm=10GHz、高周波発振器の全体の発振ループ長を1000mと仮定する。
なお、10GHzの周波数fmを実現するためのマイクロ波移相器としては、例えば、Lithium Niobate(LN)を用いた光SSB変調器が知られている。また、発振ループ長は1000m程度の光ファイバ7を用いることで容易に実現可能である。
このとき、10GHz、位相シフト量360度の移相器で調整できるファイバ長変動は、例えば、ファイバ屈折率を1.5、光速を3.0×108[m/s]とすると、以下の式(1)のように計算することができる。
【0036】
一方、この実施の形態1のように、電圧制御発振器17と光周波数シフタ4を用いて、周波数補正を行うものとして、その周波数シフト量(前述のΔfに相当)を10MHzとすると、このシフト量で調整可能なファイバ長変動は、以下の式(2)のように計算することができる。
式(1)と式(2)から明らかなように、この実施の形態1の高周波発振器では、従来の高周波発振器よりも、調整可能なファイバ長変動量が50倍に広がることが分かる。
このため、この実施の形態1の高周波発振器では、従来の高周波発振器よりも、周波数調整範囲が広範囲になる。
【0037】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、レーザ光を発生するレーザ光源1と、レーザ光源1から発生されたレーザ光を分岐する光カプラ2と、カプラ13から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ3と、電圧制御発振器17から出力された制御信号にしたがって光周波数シフタ3により周波数がシフトされたレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ4と、カプラ11から出力された制御信号にしたがって光カプラ2により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる光周波数シフタ5と、光周波数シフタ4により周波数がシフトされたレーザ光と光周波数シフタ5により周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力する光カプラ6と、光カプラ6から出力されたレーザ光をRF信号に変換するO/E変換器8と、O/E変換器8により変換されたRF信号の信号成分のうち、予め設定された所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを通過させるバンドパスフィルタ9と、バンドパスフィルタ9を通過してきたRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号をカプラ11に出力して、他方のRF信号を周波数調整部14に出力するカプラ10と、カプラ10から出力された一方のRF信号を2つに分岐し、一方のRF信号を制御信号として光周波数シフタ5に与えて、他方のRF信号を外部に出力するカプラ11と、基準信号を発振する基準発振器12と、基準発振器12から発振された基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えて、他方の基準信号を周波数差検出部15に出力するカプラ13と、カプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数との比率と同一の比率で、カプラ10から出力された他方のRF信号の周波数を調整する周波数調整部14と、カプラ13から出力された基準信号の周波数fsと周波数調整部14から出力されたRF信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出部15と、周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加する電圧印加部16と、電圧印加部16により印加された電圧値にしたがって発振周波数が制御され、光周波数シフタ4の制御信号として、制御された周波数のRF信号を生成する電圧制御発振器17とを設けるように構成したので、RF信号の周波数調整範囲が拡大され、その結果、周囲の環境温度の変動が大きい場合でも、信号周波数の安定化を実現することができる効果を奏する。
【0038】
この実施の形態1では、レーザ光源1からO/E変換器8に至る伝送路(レーザ光源1と光カプラ2の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ3の間の伝送路、光周波数シフタ3と光周波数シフタ4の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ5の間の伝送路、光周波数シフタ4と光カプラ6の間の伝送路、光周波数シフタ5と光カプラ6の間の伝送路、光カプラ6と光ファイバ7の間の伝送路及び光ファイバ7とO/E変換器8の間の伝送路)が光ファイバであるため、高周波発振器の小型化が可能になり、また、高い信頼性が得られる。
また、取り扱いが容易となり、高い配置自由性を有するなどの効果が得られる。
ただし、この実施の形態1では、レーザ光源1からO/E変換器8に至る伝送路の全てが光ファイバであるものに限るものではなく、その伝送路の一部又は全部が、例えば、空間などの他の伝送路であってもよい。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0039】
この実施の形態1では、O/E変換器8と光周波数シフタ5の間に、バンドパスフィルタ9、カプラ10及びカプラ11が配置されているものを示したが、O/E変換器8と光周波数シフタ5の間であれば、バンドパスフィルタ9、カプラ10及びカプラ11の配置順序は問わない。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0040】
この実施の形態1では、光カプラ2がレーザ光を2つに分岐し、カプラ10,11がRF信号を2つに分岐し、カプラ13が基準信号を2つに分岐するものを示したが、光カプラ2及びカプラ10,11については、高周波発振器が発振するための条件及び電圧制御発振器17で周波数制御可能となるための条件を満たしていれば、どのような分岐比でも構わない。
また、カプラ11については高周波発振器が発振するための条件を満たしていれば、どのような分岐比でも構わない。カプラ13については周波数差検出部15で周波数差を検出するための条件を満たしていれば、どのような分岐比でも構わない。
このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0041】
この実施の形態1では、カプラ11がRF信号を外部に出力しているものを示したが、図7に示すように、第2の外部出力手段である光カプラ21を光ファイバ7上に配置し、光カプラ21が光カプラ6から出力されたレーザ光を2つに分岐し、一方のレーザ光をO/E変換器8に出力して、他方のレーザ光を外部に出力するようにしてもよい。
これにより、周波数fmだけ離れている2つの光信号を同時に取り出すことができる効果を奏する。
例えば、外部に出力されたレーザ光を光ファイバ等で長距離伝送させた後、O/E変換器等を用いて、そのレーザ光をRF信号に変換し、そのRF信号を同軸ケーブル等の電気信号伝送路で、同様の距離を伝送させる場合と比べて、低損失で伝送できるメリットが生じる。
【0042】
図7の例では、光カプラ21がO/E変換器8の前段に配置されているものを示しているが、光カプラ6とO/E変換器8の間であれば、どの位置に光カプラ21が配置されていてもよい。
また、高周波発振器が発振するための条件を満たしていれば、光カプラ21の分岐比は、どのような分岐比でも構わない。
このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0043】
この実施の形態1では、カプラ10により分岐されたRF信号がカプラ11に入力されるものを示したが、図8に示すように、電気信号であるRF信号を増幅するアンプ31(増幅器)をカプラ10とカプラ11の間に配置するようにしてもよい。
このように、アンプ31を配置することで、外部に出力するRF信号を増幅することができるとともに、レーザ光のパワーが低くても、発振が得られる効果を奏する。
図8の例では、アンプ31をカプラ10とカプラ11の間に配置しているが、O/E変換器8から光周波数シフタ5に至る伝送路、基準発振器12から光周波数シフタ4に至る伝送路、基準発振器12から光周波数シフタ3に至る伝送路及びカプラ10から周波数差検出部15に至る伝送路であれば、どの位置にアンプ31を配置してもよい。また、アンプ31を複数配置してもよい。これらのことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0044】
この実施の形態1では、光カプラ6とO/E変換器8が光ファイバ7で接続されているものを示したが、図9に示すように、レーザ光を増幅する光アンプ32が光ファイバ7上に設けられていてもよい。
このように、光アンプ32を配置することで、外部に出力するRF信号を増幅することができるとともに、レーザ光のパワーが低くても、発振が得られる効果を奏する。
図9の例では、光アンプ32を光ファイバ7上に設けているが、レーザ光源1からO/E変換器8に至る伝送路(レーザ光源1と光カプラ2の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ3の間の伝送路、光周波数シフタ3と光周波数シフタ4の間の伝送路、光周波数シフタ4と光カプラ6の間の伝送路、光カプラ2と光周波数シフタ5の間の伝送路、光周波数シフタ5と光カプラ6の間の伝送路、光カプラ6とO/E変換器8の間の伝送路)であれば、どの位置に光アンプ32を配置してもよい。また、光アンプ32を複数配置してもよい。これらのことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0045】
この実施の形態1では、カプラ10により分岐されたRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する周波数調整部14を設けているものを示したが、図10に示すように、周波数調整部14の代わりに、カプラ13により分岐された基準信号の周波数を調整し、周波数調整後の基準信号を周波数差検出部15に出力する周波数調整部41を設けるようにしてもよい。
この周波数調整部41は、カプラ11から外部に出力されたRF信号の周波数と基準発振器12から発振された基準信号の周波数fsとの比率と同一の比率で、その基準信号の周波数を調整し、周波数調整後の基準信号を周波数差検出部15に出力するものである。
図1の周波数調整部14よりも、周波数調整部41の方が低コストで小型であるような場合には、高周波発振器の低コスト化や小型化を図ることができる効果を奏する。
このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0046】
この実施の形態1では、カプラ10により分岐されたRF信号の周波数を調整し、周波数調整後のRF信号を周波数差検出部15に出力する周波数調整部14を設けているものを示したが、基準信号の周波数fsとシフト信号の周波数fmが同一である場合には、図11に示すように、周波数調整部14や周波数調整部41を実装する必要がない。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0047】
この実施の形態1では、周波数差検出部15により検出された周波数差に対応する電圧値を電圧制御発振器17に印加する電圧印加部16を設けているものを示したが、周波数差検出部15から周波数差に対応する電圧値が出力される場合には、図12に示すように、電圧印加部16を実装する必要がない。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0048】
この実施の形態1では、カプラ13が基準発振器12から出力された基準信号を2つに分岐し、一方の基準信号を制御信号として光周波数シフタ3に与えるものを示したが、図13に示すように、カプラ13の代わりに、光周波数シフタ3に与える制御信号として周波数シフト信号を発生する周波数シフト信号発生器51を設けるようにしてもよい。
このように、周波数シフト信号発生器51を設けることで、周波数シフト信号発生器51から発生される周波数シフト信号の周波数と電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数との差の絶対値がΔfである場合、上述したΔfの周波数調整の動作が可能となり、従来の高周波発振器よりも周波数調整範囲が広範囲になる効果が得られる。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0049】
この実施の形態1では、光周波数シフタ3及びカプラ13が実装されているものを示したが、図14に示すように、光周波数シフタ3及びカプラ13が実装されていなくてもよい。
電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数がΔfである場合、上述したΔfの周波数調整の動作が可能となり、従来の高周波発振器よりも周波数調整範囲が広範囲になる効果が得られる。このことは、以降の他の実施の形態においても当てはまることである。
【0050】
実施の形態2.
図15はこの発明の実施の形態2による高周波発振器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーザ光源61はレーザ光を発生するとともに、カプラ11により分岐されたRF信号が変調信号として与えられると、その変調信号にしたがってレーザ光を強度変調する光源である。
光フィルタ62はレーザ光源61により強度変調されたレーザ光のうち、予め設定された所定の通過帯域以外の帯域のレーザ光を遮断し、所定の通過帯域に含まれているレーザ光だけを光分波器63に出力する処理を実施する。
光分波器63は光フィルタ62を通過してきたレーザ光のうち、所定の通過帯域に含まれるレーザ光と含まれないレーザ光とに分波する処理を実施する。なお、光分波器63はレーザ光分波手段を構成している。
【0051】
上記実施の形態1では、レーザ光源1と光カプラ2が実装されているものを示したが、図15に示すように、レーザ光源1と光カプラ2の代わりに、レーザ光源61、光フィルタ62及び光分波器63が実装されていてもよい。
【0052】
以下、この実施の形態2における高周波発振器の効果において、上記実施の形態1で記載していない点について説明する。
図15の例では、レーザ光源61がカプラ11から出力されたRF信号を変調信号として入力して、複数のレーザ光成分を発生させているため、上記実施の形態1における光カプラ2や光周波数シフタ5が不要になり、低コスト化や小型化を図ることができる効果が得られる。
【0053】
ここで、上述した効果を分かりやすく説明するため、高周波発振器内の各構成部における光スペクトル模式図を時系列で示し、周波数の流れについて説明する。
ただし、基準信号の周波数はfs、電圧制御発振器17から出力される制御信号の周波数はfs+Δf、レーザ光源61から発生されるレーザ光の周波数はfc’、カプラ11から出力される変調信号の周波数(外部に出力されるRF信号の周波数と同一)はfm’とする。
【0054】
また、レーザ光源61は、直接強度変調が可能なレーザとして、例えば、半導体レーザ(Laser Diode:LD)を用いるものとする。
さらに、光フィルタ62は、周波数fc’以上の帯域を通過させるハイパスフィルタを用いるものとする。
また、光分波器63は、周波数fc’+fm’/2未満の帯域に含まれるレーザ光については光周波数シフタ3に伝送し、fc’−fm’/2以上の帯域に含まれるレーザ光については光カプラ6に伝送するものとする。
【0055】
このとき、レーザ光源61から発生されたレーザ光のスペクトルは、図16に示すように、周波数fc’で光信号が得られる。
次に、カプラ11から出力された変調信号で、このレーザ光が強度変調されると、図17に示すように、周波数fc’の両側に周波数fc’+fm’と周波数fc’−fm’のレーザ光が生成される。
なお、fc’+2fm’等の高調波成分については、周波数fc’+fm’や周波数fc’−fm’の強度と比べて十分に小さいことから、ここでは無視することにする。
【0056】
その後、これらのレーザ光が光フィルタ62に伝送されると、図18に示すように、fc’−fm’のレーザ光が抑圧され、周波数fc’と周波数fc’+fm’のレーザ光のみが通過される。
さらに、これらのレーザ光が光分波器63に伝送されると、図19及び図20に示すように、光分波器63によって周波数fc’のレーザ光と周波数fc’+fm’のレーザ光が分離されることで、周波数fc’のレーザ光が光周波数シフタ3に伝送され、周波数fc’+fm’のレーザ光が光カプラ6に伝送される。
【0057】
ここで、図19のスペクトルは、図1の高周波発振器において、光カプラ2から光周波数シフタ3に伝送されるスペクトルに対して、レーザ光の周波数がfcからfc’に変更されただけの違いである。
また、図20のスペクトルは、図1の高周波発振器において、光周波数シフタ5から光カプラ6に伝送されるスペクトルに対して、レーザ光の周波数がfc+fmからfc’+fm’に変更されただけの違いである。
光カプラ6以降の構成及び動作も図1の高周波発振器と同一であることから、図15の高周波発振器では、図1の高周波発振器と同様の効果を得ることができる。
【0058】
図15の例では、光フィルタ62がハイパスフィルタであるものを示したが、光フィルタ62がハイパスフィルタであるものに限るものではなく、例えば、周波数fc’以下の帯域を通過させるローパスフィルタを用いても、Δfの符号を反転させて使用すれば、同様の効果が得られる。
また、光分波器63については、周波数fc’+fm’のレーザ光が光周波数シフタ3に伝送され、周波数fc’のレーザ光が光カプラ6に伝送された場合でも、Δfの符号を反転させて使用すれば、同様の効果が得られる。
【0059】
この実施の形態2では、レーザ光源61の後段に光フィルタ62を設けているものを示しているが、レーザ光源61として、例えば、SSB変調できるようなレーザ光源を用いている場合には、変調で発生する片方のレーザ光を抑圧する必要がないため、図21に示すように、光フィルタ62を実装する必要がない。
【0060】
実施の形態3.
図22はこの発明の実施の形態3による高周波発振器を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
レーザ光源71は周波数fcのレーザ光を発生し、そのレーザ光を光周波数シフタ5に出力する光源である。
この実施の形態1では、レーザ光源1が第1のレーザ光源を構成し、レーザ光源71が第2のレーザ光源を構成している。
【0061】
上記実施の形態1では、光カプラ2が、レーザ光源1から出力されたレーザ光を2つに分岐して、一方のレーザ光を光周波数シフタ3に伝送し、他方のレーザ光を光周波数シフタ5に伝送するようにしているが、レーザ光源1の他にレーザ光源71を設けて、レーザ光源71がレーザ光を光周波数シフタ5に伝送することで、光カプラ2を不要にしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0062】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 レーザ光源(第1のレーザ光源)、2 光カプラ(第1のレーザ光分岐手段)、3 光周波数シフタ(第3の光周波数シフタ)、4 光周波数シフタ(第1の光周波数シフタ)、5 光周波数シフタ(第2の光周波数シフタ)、6 光カプラ(レーザ光合波手段)、7 光ファイバ、8 O/E変換器(光電変換手段)、9 バンドパスフィルタ、10 カプラ(高周波信号分岐手段)、11 カプラ(高周波信号分岐手段、第1の外部出力手段)、12 基準発振器、13 カプラ(基準信号分岐手段)、14,41 周波数調整部(周波数調整手段)、15 周波数差検出部(周波数差検出手段)、16 電圧印加部(制御信号生成手段)、17 電圧制御発振器(制御信号生成手段)、21 光カプラ(第2の外部出力手段)、31 アンプ(増幅器)、32 光アンプ、51 周波数シフト信号発生器、61 レーザ光源、62 光フィルタ、63 光分波器(レーザ光分波手段)、71 レーザ光源(第2のレーザ光源)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を発生するレーザ光源と、上記レーザ光源から発生されたレーザ光を分岐する第1のレーザ光分岐手段と、第1の制御信号にしたがって上記第1のレーザ光分岐手段により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって上記第1のレーザ光分岐手段により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、上記第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と上記第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、上記レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として上記第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、上記基準発振器から発振された基準信号の周波数と上記高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、上記周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、上記第1の制御信号を上記第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを備えた高周波発振器。
【請求項2】
変調信号にしたがってレーザ光を強度変調するレーザ光源と、上記レーザ光源により強度変調されたレーザ光のうち、所定の通過帯域に含まれるレーザ光と上記通過帯域に含まれないレーザ光とに分波するレーザ光分波手段と、第1の制御信号にしたがって上記レーザ光分波手段により分波された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、上記第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と上記レーザ光分波手段により分波された他方のレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、上記レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を変調信号として上記レーザ光源に与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、上記基準発振器から発振された基準信号の周波数と上記高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、上記周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、上記第1の制御信号を上記第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを備えた高周波発振器。
【請求項3】
レーザ光を発生する第1のレーザ光源と、レーザ光を発生する第2のレーザ光源と、第1の制御信号にしたがって上記第1のレーザ光源から発生されたレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって上記第2のレーザ光源から発生されたレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、上記第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と上記第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、上記レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として上記第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、上記基準発振器から発振された基準信号の周波数と上記高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、上記周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、上記第1の制御信号を上記第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを備えた高周波発振器。
【請求項4】
第1の光周波数シフタの前段又は後段に配置され、第3の制御信号にしたがって上記第1の光周波数シフタによる周波数シフト前又は周波数シフト後のレーザ光の周波数をシフトさせる第3の光周波数シフタと、基準発振器から発振された基準信号を分岐し、一方の基準信号を第3の制御信号として上記第3の光周波数シフタに与えて、他方の基準信号を周波数差検出手段に出力する基準信号分岐手段とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項5】
高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数と基準発振器から発振された基準信号の周波数との比率と同一の比率で、上記高周波信号の周波数を調整し、周波数調整後の高周波信号を周波数差検出手段に出力する周波数調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項6】
光電変換手段により変換された高周波信号のうち、所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを高周波信号分岐手段に出力するバンドパスフィルタを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項7】
レーザ光源から光電変換手段に至る伝送路の一部又は全部が光ファイバであることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項8】
高周波信号分岐手段により分岐された一方の高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として上記第2の光周波数シフタに与えて、他方の高周波信号を外部に出力する第1の外部出力手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項9】
レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を分岐し、一方のレーザ光を光電変換手段に出力して、他方のレーザ光を外部に出力する第2の外部出力手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項10】
光電変換手段から第2の光周波数シフタに至る伝送路、基準発振器から第1の光周波数シフタに至る伝送路、上記基準発振器から第3の光周波数シフタに至る伝送路及び高周波信号分岐手段から周波数差検出手段に至る伝送路のいずれかに、電気信号を増幅する増幅器が1以上配置されていることを特徴とする請求項4から請求項9のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項11】
レーザ光源から光電変換手段に至る伝送路のいずれかに、レーザ光を増幅する光アンプが1以上配置されていることを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項12】
高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数と基準発振器から発振された基準信号の周波数との比率と同一の比率で、上記基準信号の周波数を調整し、周波数調整後の基準信号を周波数差検出手段に出力する周波数調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項13】
第1の光周波数シフタの前段又は後段に配置され、第3の制御信号にしたがって上記第1の光周波数シフタによる周波数シフト前又は周波数シフト後のレーザ光の周波数をシフトさせる第3の光周波数シフタと、上記第3の光周波数シフタに与える第3の制御信号として周波数シフト信号を発生する周波数シフト信号発生器とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項14】
レーザ光源により強度変調されたレーザ光のうち、所定の通過帯域に含まれているレーザ光だけをレーザ光分波手段に出力する光フィルタを設けたことを特徴とする請求項2記載の高周波発振器。
【請求項1】
レーザ光を発生するレーザ光源と、上記レーザ光源から発生されたレーザ光を分岐する第1のレーザ光分岐手段と、第1の制御信号にしたがって上記第1のレーザ光分岐手段により分岐された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって上記第1のレーザ光分岐手段により分岐された他方のレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、上記第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と上記第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、上記レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として上記第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、上記基準発振器から発振された基準信号の周波数と上記高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、上記周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、上記第1の制御信号を上記第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを備えた高周波発振器。
【請求項2】
変調信号にしたがってレーザ光を強度変調するレーザ光源と、上記レーザ光源により強度変調されたレーザ光のうち、所定の通過帯域に含まれるレーザ光と上記通過帯域に含まれないレーザ光とに分波するレーザ光分波手段と、第1の制御信号にしたがって上記レーザ光分波手段により分波された一方のレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、上記第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と上記レーザ光分波手段により分波された他方のレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、上記レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を変調信号として上記レーザ光源に与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、上記基準発振器から発振された基準信号の周波数と上記高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、上記周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、上記第1の制御信号を上記第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを備えた高周波発振器。
【請求項3】
レーザ光を発生する第1のレーザ光源と、レーザ光を発生する第2のレーザ光源と、第1の制御信号にしたがって上記第1のレーザ光源から発生されたレーザ光の周波数をシフトさせる第1の光周波数シフタと、第2の制御信号にしたがって上記第2のレーザ光源から発生されたレーザ光の周波数をシフトさせる第2の光周波数シフタと、上記第1の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光と上記第2の光周波数シフタにより周波数がシフトされたレーザ光を合波し、合波後のレーザ光を出力するレーザ光合波手段と、上記レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を高周波信号に変換する光電変換手段と、上記光電変換手段により変換された高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として上記第2の光周波数シフタに与える高周波信号分岐手段と、基準信号を発振する基準発振器と、上記基準発振器から発振された基準信号の周波数と上記高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数との周波数差を検出する周波数差検出手段と、上記周波数差検出手段により検出された周波数差に応じて第1の制御信号を生成し、上記第1の制御信号を上記第1の光周波数シフタに与える制御信号生成手段とを備えた高周波発振器。
【請求項4】
第1の光周波数シフタの前段又は後段に配置され、第3の制御信号にしたがって上記第1の光周波数シフタによる周波数シフト前又は周波数シフト後のレーザ光の周波数をシフトさせる第3の光周波数シフタと、基準発振器から発振された基準信号を分岐し、一方の基準信号を第3の制御信号として上記第3の光周波数シフタに与えて、他方の基準信号を周波数差検出手段に出力する基準信号分岐手段とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項5】
高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数と基準発振器から発振された基準信号の周波数との比率と同一の比率で、上記高周波信号の周波数を調整し、周波数調整後の高周波信号を周波数差検出手段に出力する周波数調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項6】
光電変換手段により変換された高周波信号のうち、所定の通過帯域に含まれている信号成分だけを高周波信号分岐手段に出力するバンドパスフィルタを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項7】
レーザ光源から光電変換手段に至る伝送路の一部又は全部が光ファイバであることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項8】
高周波信号分岐手段により分岐された一方の高周波信号を分岐し、一方の高周波信号を第2の制御信号として上記第2の光周波数シフタに与えて、他方の高周波信号を外部に出力する第1の外部出力手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項9】
レーザ光合波手段から出力されたレーザ光を分岐し、一方のレーザ光を光電変換手段に出力して、他方のレーザ光を外部に出力する第2の外部出力手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項10】
光電変換手段から第2の光周波数シフタに至る伝送路、基準発振器から第1の光周波数シフタに至る伝送路、上記基準発振器から第3の光周波数シフタに至る伝送路及び高周波信号分岐手段から周波数差検出手段に至る伝送路のいずれかに、電気信号を増幅する増幅器が1以上配置されていることを特徴とする請求項4から請求項9のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項11】
レーザ光源から光電変換手段に至る伝送路のいずれかに、レーザ光を増幅する光アンプが1以上配置されていることを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項12】
高周波信号分岐手段により分岐された他方の高周波信号の周波数と基準発振器から発振された基準信号の周波数との比率と同一の比率で、上記基準信号の周波数を調整し、周波数調整後の基準信号を周波数差検出手段に出力する周波数調整手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項13】
第1の光周波数シフタの前段又は後段に配置され、第3の制御信号にしたがって上記第1の光周波数シフタによる周波数シフト前又は周波数シフト後のレーザ光の周波数をシフトさせる第3の光周波数シフタと、上記第3の光周波数シフタに与える第3の制御信号として周波数シフト信号を発生する周波数シフト信号発生器とを設けたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の高周波発振器。
【請求項14】
レーザ光源により強度変調されたレーザ光のうち、所定の通過帯域に含まれているレーザ光だけをレーザ光分波手段に出力する光フィルタを設けたことを特徴とする請求項2記載の高周波発振器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−226256(P2012−226256A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96068(P2011−96068)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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