説明

高圧および高温にて燃料を燃焼させるための装置および方法、および関連するシステムおよび機器

富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成するための混合配列を備える、燃焼器装置が提供される。燃焼室は、発散部材により少なくとも部分的に画定される。発散部材は、圧力閉じ込め部材により少なくとも部分的に包囲される。燃焼室は、対向した入口部分および出口部分を有する。燃焼室の入口部分は、燃料混合物を燃焼温度にて燃焼させるために燃料混合物を受容するように構成される。燃焼室は、結果として生じる燃焼生成物を出口部分に向かって指向するようにさらに構成される。発散部材は、燃焼生成物および発散部材の間における相互作用を緩衝するために、それを通じて燃焼室に向かって発散物質を指向する。関連するシステム、装置、および方法も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の背景
開示の分野
本開示は、過剰の酸素で酸化されるか、あるいは還元成分を含有しかつ0の酸素含量を有するかの何れかである燃焼生成物を生成するための、高圧および高温における酸素での炭素質燃料の燃焼のための装置および方法を対象とする。1つの特定の用途は、燃料の高効率の燃焼を通じて発生されるエネルギーを伝達するための作動流体の使用を通じる、電気等のエネルギーの発生のためであることになるだろう。具体的には、このような装置および方法は、二酸化炭素または蒸気を作動流体として用いることができる。別の態様では、その装置および方法を、水素および/または一酸化炭素を含有する気体を発生させるために用いることができる。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
化石燃料が次の100年にわたり世界の電力要求の大部分を提供し続けることになる一方で、非炭素電源が開発および展開されることが推測されている。化石燃料および/または適切な生物塊の燃焼を通じる動力発生の既知の方法は、しかしながら、上昇するエネルギー費用および二酸化炭素(CO)および他の排出物の増加する生成により悩まされている。地球温暖化は、先進国および発展途上国による増加した炭素排出の潜在的に破滅的な結果としてますます見られる。太陽力および風力は、近い時期に化石燃料燃焼に取って代わることができるようには見えず、原子力は、拡散および核廃棄物処理の両方に関連する危険を有する。
【0003】
化石燃料または適切な生物塊からの動力発生のための従来の配列は今、隔離場所への運搬のための高圧におけるCO捕獲の要求をますます負わされている。しかしながら、現行技術はCO捕獲のための最良の設計に対してさえ非常に低い熱効率を提供するのみであるために、この要求は満たすのが困難であると証明している。そのうえ、CO捕獲を実現するための資本費用は高く、そのため、COを大気中に排出するシステムと比較して、著しくより高い電気費用を結果的にもたらし得る。従って、CO排出の減少および/または生成されるCOの捕獲および隔離の改善した容易さをもって、高効率の動力発生のための装置および方法のために、当該技術分野において止め処なく増大する必要性がある。
【0004】
炭素質燃料の酸素−燃料燃焼は、空気からの実質的に純酸素の分離(または他に、燃焼工程における使用のためにこのような実質的に純酸素を提供すること)と、燃焼媒体としてその酸素を用い、実質的に窒素がなくかつ二酸化炭素および水蒸気を含む燃焼生成物を生成することとを伴う。現在技術の空気燃焼器および酸素−燃料燃焼器は、燃焼器壁への、および/または、タービン翼等の他のシステム構成部への過剰温度損傷を防止するために、限られた温度および圧力にて動作する。動作温度および/または動作圧力を制限することは、いくつかの場合では、燃焼工程を望ましくなく長くしかつ/または比較的に大きい燃焼体積を必要とし得る。加えて、燃焼工程、燃焼設計、および/または下流排出気体処理の提供は、その工程に利用される燃料の種類に好ましくなく依存することもある。さらに、現在技術における従来の煮沸器システムに適用される大きい体積の燃焼気体、および大気へのこうした気体の排出に起因して、排出煙突気体から汚染物質を除去する現在の方法、および提案されている酸素−燃料燃焼システムは、工場設備の詳細な設計に、および工場設備内で燃やされる燃料の正確な種類に高度に依存する。各種類の燃料は、対照的な化学組成および量の汚染物質を有する。従って、現在技術は、各工場設備のための排出気体清浄器システムまたは酸素−燃料燃焼の修正を、特定の化学組成を有する特定の種類の燃料を収容するように具体的に注文設計することを望ましくなく必要とする。
【0005】
石炭のための現在技術は、一例として、その中で高圧での蒸気が別個の過熱器区画内で発生および過熱される、垂直な管状壁または螺旋状に構成される管状壁を装備した、非常に大きい単一の燃焼器を概して利用する。大型の燃焼器は著しい熱損失を経験し得、損傷、ならびに、用いられる特定の石炭に依存する燃焼気体中における、SO、HCl、NOなどのような石炭灰、鉱滓、および腐食性成分から、噴燃器、放射および対流の熱伝達表面、および他の構成部の燼渣に概して曝される。このような例示的な欠点は、損傷箇所または腐食箇所および/または他の構成部を定期的な間隔で修理または置換するために、全体の工場設備を停止することを必要とし得、そのため、工場設備のより低い利用可能性と、中断時間の最中における工場設備の失われた生産高を補うに当たっての望ましくない困難とを結果的にもたらし得る。
【発明の概要】
【0006】
開示の概要
上記または他の必要性は、1つの特定の態様によれば、富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成するように構成される混合配列を含む燃焼器装置を提供する、本開示の態様により対処される。燃焼室は発散部材により少なくとも部分的に画定され、そこで、発散部材は圧力閉じ込め部材により少なくとも部分的に包囲される。燃焼室は入口部分および対向する出口部分を有し、そこで、燃焼室の入口部分は、燃料混合物を燃焼室内で燃焼温度にて燃焼させるために燃料混合物を受容し、燃焼生成物を形成するように構成される。燃焼室は、燃焼生成物を出口部分に指向するようにさらに構成される。発散部材は、燃焼生成物および発散部材の間における相互作用を緩衝するために、それを通じて燃焼室に向かって発散物質を指向するように構成される。加えて、発散物質を燃焼室に導入し、燃焼生成物の所望の出口温度を実現することができる。
【0007】
別の態様では、本開示は、混合配列を用いて富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成することを最初に含む、燃焼方法を提供する。燃料混合物は、発散部材により画定される燃焼室の入口部分内に受容され、そこで、発散部材は圧力閉じ込め部材により少なくとも部分的に包囲される。燃料混合物は燃焼室内で燃焼温度にて燃焼されて燃焼生成物を形成し、燃焼生成物はその後燃焼室の出口部分に向けて指向される。発散物質が燃焼生成物および発散部材の間における相互作用を緩衝するように、発散物質は発散部材を通じて燃焼室に指向される。加えて、発散物質を燃焼室に導入し、燃焼生成物の所望の出口温度を実現することができる。
【0008】
さらに別の態様では、本開示はエネルギー発生システムを提供する。このようなシステムは、富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成するように構成される混合配列を含む、燃焼器装置を備える。燃焼室は発散部材により少なくとも部分的に画定され、そこで、発散部材は圧力閉じ込め部材により少なくとも部分的に包囲される。燃焼室は、入口部分および対向する出口部分を有する。燃焼室の入口部分は、燃料混合物を燃焼室内で燃焼温度にて燃焼させるために燃料混合物を受容し、燃焼生成物を形成するように構成される。燃焼室は、燃焼生成物を出口部分に指向するようにさらに構成される。発散部材は、燃焼生成物および発散部材の間における相互作用を緩衝するために、それを通じて燃焼室に発散物質を指向するように構成される。加えて、発散物質を燃焼室に導入し、燃焼生成物の所望の出口温度を実現することができる。変換装置は燃焼生成物を受容するように構成され、そこで、変換装置は燃焼生成物に応答し、それと関連する熱エネルギーを運動エネルギーに変換する。
【0009】
なお別の態様では、本開示は、固体炭素質燃料中における任意の不燃性要素が燃焼生成物中で液化されるように、固体炭素質燃料を燃焼させて燃焼生成物を形成するように構成される燃焼器装置と実装されるのに適合した分離器装置を提供する。このような分離器装置は、燃焼生成物およびそれと関連する液化不燃性要素を受容するように構成される入口遠心分離器機器、および、それから実質的に除去される液化不燃性要素を有する燃焼生成物を排出するように構成される出口遠心分離器機器を含む、複数の直列に配列される遠心分離器機器を備える。各遠心分離器機器は、並列に動作可能に配列される複数の遠心分離器要素を有し、そこで、各遠心分離要素は、燃焼生成物から液化不燃性要素の少なくとも一部を除去し、かつ、液化不燃性要素の少なくとも一部を排液溜めに指向するように構成される。圧力閉じ込め筐体は、遠心分離器機器および排液溜めを格納するように構成される。
【0010】
別の態様では、炭素質燃料(および/または炭化水素質燃料)の酸素−燃料燃焼は、空気からの実質的に純酸素の分離(または他に、このような実質的に純酸素を提供すること)と、実質的に窒素がなくかつ二酸化炭素および水蒸気を含む燃焼生成物を生成するための燃焼工程でのようなその使用とも伴い得る。二酸化炭素の豊富な燃焼生成物(冷却および水分凝縮に次いで)は、その後、適切な地質学上の隔離場所内での増進石油の回収または増進天然気体の生成または廃棄のため等、(圧縮および精製に次いで)、後続の商業的使用のために利用可能であり得る。高圧での酸素−燃料動力生成システムの動作は、燃料から生じる二酸化炭素を高圧にて生成することも可能にし、二酸化炭素を加圧する必要性を低減または除去することにより動力節約を結果的にもたらし得る。さらに、高圧の動作は、精製燃焼生成物を動力サイクル内で直接的に用いることを、COまたは蒸気等の適切な加熱される作動流体と混合される際に可能にし得る。高圧での動力システムの動作は、動力サイクル内での低減した容積測定上の流体流速に繋がり、より小さい設備およびより低い資本費用を結果的にもたらすこともある。温度制御の提供を伴う高圧の酸素−燃料燃焼器は、別の重要な態様である。燃焼室/空間の発散冷却および保護される壁を通じる、燃焼生成物気体または二酸化炭素または液体水または蒸気(再利用蒸気から等の)等の適切な流体の循環は、燃焼温度を制御する働きをすることもある。燃焼室壁を通じる発散流体の流れは、熱、または灰または液体鉱滓の衝突効果に起因する室壁への損傷および/または集積を除去する働きをすることもある。従って、現行技術よりも著しく高い効率および低い資本費用にて動作することができる動力システムの一部として様々な要求を満たすように、様々な気体、液体、または固体燃料または燃料混合物を燃やすように適合させることができる、効率的な高圧で高温の燃焼器が提供される。いくつかの場合では、水素および一酸化炭素を含む燃焼生成物を生成し、動力生成以外の下流要求に利用可能にされるように、その燃焼器を操作することができる。
【0011】
さらにさらなる態様では、本開示は、例えば、COおよび/またはHOの何れかを作動流体として用いる動力サイクルとの組み合わせでのような、動力発生における使用のための、高圧で、高温で、高効率で、発散流体により保護される酸素−燃料燃焼器と関連する方法および装置を概して提供する。このような用途では、その燃焼器を酸化モードで操作することができ、それにより、これにより生成される燃焼生成物は、約500ppmおよび約3%モルの間の範囲内の酸素濃度、および約50ppm未満、好ましくは約10ppmモル未満の一酸化炭素濃度を含有する。別の態様では、その燃焼器を還元モードで操作することができ、それにより、これにより生成される燃焼生成物は0に近い酸素濃度を有し、その燃焼生成物はある濃度のCOおよびHを含有する。HおよびCOの生成を最大化するように、かつOの消費を最小化するように、還元モードでの動作を構成することができる。動作の還元モードは、動力生成のためだけでなく、HまたはH+COの合成気体の生成のためにも有益であり得る。特定の態様では、動作圧力は、約40バールおよび約500バールの間の範囲内にあり、好ましくは少なくとも80バールであり得、燃焼生成物温度は、約1,300℃および約3,500℃の間の範囲内に概してあり得る。
【0012】
動力生成を伴う態様では、作動流体および燃焼生成物を含む高圧で高温の流体流(燃焼生成物)が生成されるように、作動流体の一部は、燃料および酸化剤(すなわち、富化酸素)と共に、燃焼のために燃焼器に導入される。燃焼室の発散保護される壁を通じて、および/または、燃焼室の周りにある追加の注入点を通じて、作動流体を導入することができる。燃焼工程に従いかつ発散を通じて燃焼生成物と混合する作動流体は、タービン等の動力発生機器への直接的な導入のために適切な範囲内の(すなわち、十分に低い)温度を有し得る。このような場合では、燃焼生成物への希釈剤としての、燃焼器に導入される作動流体の総量を、動力タービンの動作入口温度および圧力のために適切である燃焼器を出る全体の作動流体流のための脱出温度を提供するように調節することができる。有利に、タービンの全域にわたる圧力比(すなわち、タービンの出口での圧力に対する、入口での圧力の比率)が約12未満であるように、流体流をタービン内での膨張の最中に比較的高圧にて維持することができる。流体流をさらに処理して流体流の成分を分離することもでき、そこで、このような処理は流体流を熱交換器に通すことを含み得る。具体的には、膨張作動流体(その少なくとも一部を流体流から再利用することができる)を同じ熱交換器に通し、同じものの燃焼器への導入より前に高圧の作動流体を加熱することができる。特定の態様では、本開示は、低い資本費用をもって高効率で動力を生成することができ、かつ、商業的使用または隔離のための管線圧力にて実質的に純COを生成することもできる動力生成システムのための、高圧の酸素−燃料燃焼器を提供する。そのCOを動力生成システムに再利用することもできる。
【0013】
他の態様では、開示されている燃焼のシステムおよび方法を、幅広い種類の燃焼源を用いるように構成することができる。例えば、本開示に係る高効率の燃焼器は、気体燃料(例えば、天然気体または石炭由来気体)、液体燃料(例えば、炭化水素、瀝青)、および/または固体燃料(例えば、石炭、亜炭、石油骸炭)を用いることができる。藻類、生物塊、または任意の他の適切な可燃性の有機材料等の、他の燃料でさえ、本明細書で他に記載されているように、用いることができるだろう。
【0014】
他の態様では、本開示の燃焼器の方法およびシステムは、管線圧力にてCO捕獲を伴う動力システムと組み合わされる際に、その組み合わされるシステムが、COの捕獲を提供しない、現在の石炭焚き蒸気サイクル発電所の最高効率を超え得ることにおいて有用であり得る。このような現在の発電所は、瀝青炭を用いる1.7インチの水銀凝縮器圧力をもって、せいぜい、例えば、45%の効率(L.H.V.)を提供することができる。本システムの態様は、例えば、200バールの圧力にてCOを運搬する間にこのような効率を超え得る。
【0015】
さらに別の態様では、本開示は、同様の燃料を用いる現在技術と比較して、動力発生システムの物理的大きさおよび資本費用を低減する能力を提供することができる。従って、本開示の方法およびシステムは、動力生成システムと関連する著しく低減した建設費用に寄与するか、または他にこれを促進することができ、特定のシステムの組み合わせの比較的に高い効率は、電気つまりエネルギー生成の低減した費用、ならびに化石燃料の低減した使用に繋がり得る。
【0016】
1つの特定の態様では、本開示は、COおよび/またはHO等の作動流体の使用を組み込む、動力発生の方法を対象にする。いくつかの態様では、その方法は、加熱されて圧縮されるCOおよび/または過熱される蒸気を燃料燃焼器に導入することを含み得る。好ましくは、そのCOおよび/または蒸気を、少なくとも約80バールの圧力にて動作する燃焼器に導入することができる。そのCOおよび/またはHOを、2つ以上の別個の場所にある燃焼器に導入することができる。そのCOおよび/またはHOの一部を、燃焼室内での燃焼温度をその燃焼器の所望の設計値に基づいて決定することができるように、O、および、固体燃料、液体燃料、気体燃料、または超臨界燃料と混合することができる。加熱されるCOおよび/または過熱される蒸気の残りは、その後燃焼室に導入され、それと直接混合することにより燃焼生成物を冷却し、約500℃という所望の合計の脱出流体流温度を実現し、これは動力生成システムに必要とされ得る。このような条件下で、そのCOおよび/またはHOは、酸素等の酸化剤が85%モルより大きい純度にある状態で、燃料の燃焼に起因する燃焼気体と混合し、所望の温度にてCOおよび/またはHOを含む流体流を生成することができる。特定の態様では、その脱出流体流温度は、約1,000℃および約1,600℃の間の範囲内にあり得る。他の態様では、その脱出流体流をタービンの全域にわたり膨張させ、動力を発生させる(すなわち、タービンに分与されるエネルギーを介して電気を生成させる)ことができる。
【0017】
特定の態様では、燃焼器への導入より前に作動流体をさらにより大きい温度に加熱することが有用であり得る。例えば、そのCOおよび/またはHOを、燃焼器への導入より前に少なくとも約700℃の温度に加熱することができる。他の態様では、そのCOおよび/またはHOを、燃焼器への導入より前に約700℃および約1,000℃の間の温度に加熱することができる。いくつかの態様では、熱交換器配列を用いてこのような加熱を実行することができる。本明細書でさらに開示されているように、同じ熱交換器を用いて、動力発生タービンを脱出する流体流を冷却することができる。
【0018】
同様に、その燃焼器を、動力生成サイクルにおいて非常に高い効率を実現することができる作動流体を生成するように、より高圧にて有用に操作することができる。例えば、その燃焼器および作動流体の導入される部分のCOおよび/またはHOを、少なくとも約200バールに加圧することができる。他の態様では、その圧力は約200バールおよび約500バールの間であり得る。
【0019】
特定の態様では、燃焼器に導入される作動流体の部分は、作動流体中の任意の含水量が燃料から生じるように、実質的に純COの再利用される蒸気であり得る。当然ながら、外部源からのCOを作動流体として用いることができるだろう。
【0020】
燃焼器から脱出する流体流は、COおよび/またはHOの作動流体、ならびに、燃料または燃焼工程から生じる燃焼の生成物等の1つ以上の他の成分を含み得る。その脱出する流体流は、約300ppmおよび約3%モルの間の範囲内で、HO、SO、SO、NO、NO、Hg、HCl、その上過剰酸素等の成分を含有し得る。他の態様では、その脱出する流体流は、少なくとも変化する割合のHおよびCOを含有し、かつ実質的に0のO含量を有し得る。
【0021】
その燃焼器は、それを通じて燃料その上酸素その上作動流体の一部がその燃焼器に導入され、かつ、酸化モードまたは還元モードの何れかにおいて、典型的には設計容量の約50%および約100%の間である、所望の燃料流量範囲にわたり、燃焼が開始されかつ安定的に起こる、入口ノズル配列を備え得る。特定の態様では、動作圧力は約150バールより上であり得、この圧力にて、CO、および天然気体等の燃料、または炭水化物蒸留液等の液体との単相混合物として酸素を導入し、要求される断熱火炎温度を実現することができる。この高温におけるCOが約100℃より下の温度にある場合に、COの密度は、泥漿を形成するために大幅な割合の粉末状石炭を支持するために用いられるのに十分に高く、そこで、その泥漿を、導管内で要求される燃焼圧力および流量まで、および、COおよび酸素の超臨界混合物が燃焼器内で所望の断熱火炎温度を実現するために添加される混合点まで、高圧汲み出し器により汲み出すことができる。前混合される燃料、希釈剤のCO、および酸素は、望ましくは、システムの自動発火温度より下である複合温度にあるべきである。CO流の温度を、この判定基準を満たすように調節することができる。入口ノズルは、注入器板内に一列の穴を備え得、そのそれぞれは、迅速な熱伝達および燃焼を結果的にもたらす流体の微細噴射を生成し、それにより安定した燃焼域を生成することになる。穴大きさは、直径にして約0.5mmおよび約3mmの間の範囲内にあり得る。
【0022】
燃焼室の壁を、それを通じて指向され、かつCOおよび/またはHOの希釈剤流の第2の部分を流す多孔性材料の層で裏打ちすることができる。この多孔性発散層を通じ、および随意に追加の提供を通じる流体の流れは、約500℃および約2,000℃の間の、所望の合計の脱出流体流出口温度を実現するように構成される。この流れは、発散部材を形成する材料の最大許容動作温度より下の温度に、発散部材を冷却する働きをすることもある。COおよび/またはHOの希釈剤流等の発散物質は、壁を腐食し、汚し、または他に損傷し得るだろう燃料中にて、任意の液体または固体の灰材料または他の汚染物質の衝突を防止する働きをすることもある。このような場合では、入射放射熱を、多孔性の発散部材を通じて半径方向に外向きに伝導し、その後、多孔性層構造の表面から発散層を通じて半径方向に内へ通る流体への対流熱伝達により妨害することができるように、妥当な(低い)熱伝導性を有する発散部材のための材料を用いることが望ましくあり得る。このような構成は、発散部材を通じて指向される希釈剤流の後続部分を、約500℃および約1,000℃の間の範囲内にある温度に加熱し、一方で、そのために用いられる材料の設計範囲内にある多孔性の発散部材の温度を同時に維持することを可能にすることができる。多孔性の発散部材のために適切な材料としては、例えば、多孔性陶材、耐火金属繊維マット、穴開け円筒切片、および/または、焼結金属層または焼結金属粉末を挙げることができる。発散部材の第2の機能は、希釈剤の発散流体の実質的に一様で半径方向に内向きの流れを、ならびに燃焼器に縦方向に沿って保証し、希釈剤流の第2の部分および燃焼生成物の間における良好な混合を実現し、一方で、燃焼室の全長に沿った一様な軸流を促進することであり得る。発散部材の第3の機能は、燃焼生成物中における灰または他の汚染物質の固体粒子および/または液体粒子に対する緩衝を提供するか、または他に、これらが発散層の表面に激突し、閉塞または他の損傷を引き起こすことを妨害するような速度の、半径方向に内向きの希釈剤流体を実現することである。このような要因は、例えば、残留する不活性の非可燃性残留物を有する、石炭などの燃料を燃焼させる際にのみ重要であり得る。発散部材を包囲する燃焼器圧力容器の内側壁を絶縁し、燃焼器の中で高温の第2の希釈剤流を分離することもできる。
【0023】
不燃性残留物を有する石炭または他の燃料を、水中の泥漿として、または好ましくは、液体CO中の泥漿として、燃焼器に導入することができる。泥漿の液体部分は、近周囲温度、および動力サイクル内での最も低い圧力にて、動力システムを出る。泥漿入口状態および気体出口状態の間のモル当たりのエンタルピーの差異は、このような場合では、HOに対して約10kcal/gm−molおよびCOに対して約2.78kcal/gm−molであり、COの泥漿化流体について著しくより高い効率を与えることができる。追加のエネルギーは、約−30℃および約10℃の間の範囲内にある温度にて液体COを生成するために、作動流体としてのCOを有する高圧動力サイクルにおいてほとんど必要とされない。
【0024】
燃料、一般的には不燃性残留物を生成する石炭等の固体の燃焼温度は、好ましくは、約1,800℃および約3,000℃の間の範囲内にある。このような条件では、灰または他の汚染物質は、泥漿燃料供給物内の燃料粒子から生じる液体鉱滓液滴の形態にあることになる。こうした液体鉱滓液滴を、動力タービンまたは他の下流工程の汚染物質を防ぐために、効率的に除去しなければならない。例えば、サイクロン分離器、衝突分離器、または環状構成にて配列される段階的耐火性粒状濾過器の土台、またはそれらの組み合わせを用いて、除去を達成することができる。特定の態様では、その液滴を、一連のサイクロン分離器により高温の作動流体流から除去することができる。効率的な除去を実現するために、好ましくは少なくとも2つの、および好ましくは3つのサイクロン分離器が直列にある。いくつかの要因により、除去効率を増進することができる。例えば、除去温度を、鉱滓粘性が自由排出液体鉱滓を分離器から除去するのに十分に低いことを保証するように調節することができる。燃焼温度および最終の脱出流体流温度の間の中間温度にて、鉱滓除去を実行することが時々必要であり得る。このような場合では、再利用される作動流体(発散物質)の一部を、鉱滓除去システムを出る流体流と直接的に混合することにより、最終の脱出流体流出口温度を実現することができる。サイクロン分離器の直径は、望ましくは比較的に低く(すなわち、直径にして約20cmおよび約50cmの間の範囲内に)あるべきであり、一方で、鉱滓液滴の直径は、良好な分離効率を提供するのに十分に高くあるべきである。例えば、高い割合の>50ミクロンの粒径を実現するように石炭燃料を細砕することにより、このような条件を実現することができる。その石炭は、好ましくは、平均粒径にして約50ミクロンおよび約100ミクロンの間に粒子化され、これは、脱出作動流体流れ中に存在している、最小の割合の10ミクロンの直径より下の鉱滓粒子を結果的にもたらし得る。いくつかの場合では、そのサイクロン分離器の後に、タービンの上流に直ちに配置される環状濾過器が続くことがある。
【0025】
特定の態様では、システム内での燃焼生成物の滞留時間は、天然気体について0.2秒乃至2秒、瀝青炭について0.4秒乃至4秒の範囲内にあることになる。
【0026】
燃焼器を脱出する流体流は、様々な異なる特徴を呈し得る。例えば、その流体流は酸化流体を含み得る。そのようなものとして、その流体流は、酸化剤(例えば、O)の添加により迅速に酸化させる(例えば、燃焼させる)ことができる、1つ以上の成分を含み得る。いくつかの態様では、その流体流は、H、CO、CH、HS、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される1つ以上の成分を含む、還元流体であり得る。二次希釈剤の割合がH+COに転換される燃料の割合が増加するにつれて次第に低減されることになることを除いて、還元モードでのシステムの動作は酸化モードと概して同様であることになる。燃焼生成物の平均滞留時間を、H+COへの転換が最大まで増加する際に、天然気体燃料について約2.5秒および約4.5秒の間、および瀝青炭について約6秒および約10秒の間の範囲に増加することも必要であり得る。
【0027】
上記および他の態様は、このように確認されている必要性に取り組み、かつ本明細書に他に詳述されているような利点を提供する。
【0028】
図面の簡単な説明
本開示を一般用語で記載しているものの、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付図面に今や参照が行われることになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本開示の特定の態様に係る、発散冷却される燃焼器装置の概略的例解である。
【図2】本開示の特定の態様に係る、燃焼器装置内の発散部材の壁の例示的な横断面の概略的例解である。
【図3】本開示の特定の態様に係る、燃焼器装置の発散部材組立体のための高温嵌合工程を概略的に例解する。
【図4】本開示の特定の態様に係る、燃焼生成物汚染物質除去装置を概略的に例解する。
【図5】本開示の特定の態様に係る、平均粒径および発散流体流速の関数として灰粒子の軌跡を示す概略図である。
【図6】本開示の特定の態様に係る、適合可能な動力発生システムの図式である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
開示の詳細な説明
本開示は今や、その中に本開示のいくつかだが全てではない態様が示されている添付図面を参照して、下文により完全に記載されることになる。実に、本開示を多くの異なる形態で具現することができ、本明細書で明示されている態様に限定されるものとして解釈するべきでなく、寧ろ、本開示が当てはまる法的要件を満たすことになるように、こうした態様が提供される。同様の番号は、全体にわたり同様の要素を指す。
【0031】
本開示に係る、固体燃料で動作することができる燃焼器装置の1つの態様は図1に概略的に例解されており、その燃焼器装置は数字220により概して示されている。この例では、燃焼器装置220を、石炭等の粒子状固体を燃焼して燃焼生成物を生成するように構成することができるが、本明細書に開示されているように、任意の他の適切な可燃性有機材料を燃料として用いることもできる。燃焼室222を発散部材230により画定することができ、これは、それを通じて燃焼室222内に発散流体を指向する(すなわち、発散冷却を促進し、および/または、燃焼生成物および発散部材230の間における相互作用を緩衝する)ように構成される。当業者は、入口部分222Aおよび対向する出口部分222Bを有する、実質的に円筒形の燃焼室222を画定するように、発散部材230が実質的に円筒形であり得ることを理解することになる。発散部材230を、圧力閉じ込め部材338により少なくとも部分的に包囲することができる。燃焼室222の入口部分222Aを、数字250により概して示されている混合配列から燃料混合物を受容するように構成することができる。特定の態様によれば、その燃料混合物は、特定の燃焼温度にて燃焼室222内で燃焼されて燃焼生成物を形成し、そこで、燃焼室222は、その燃焼生成物を出口部分222Bに指向するようにさらに構成される。熱除去機器350(例えば、図2を参照されたい)を圧力閉じ込め部材338と関連付け、その温度を制御するように構成することができる。特定の場合では、熱除去機器350は、圧力閉じ込め部材338に対向する壁336により少なくとも部分的に画定される熱伝達ジャケットを備え得、そこで、それらの間に画定される水循環ジャケット337内で液体を循環させることができる。1つの態様では、循環される液体は水であり得る。
【0032】
混合配列250は、炭素質燃料254を富化酸素242および作動流体236と混合し、燃料混合物200を形成するように構成される。炭素質燃料254を、固体炭素質燃料、液体炭素質燃料、および/または気体炭素質燃料の形態で提供することができる。富化酸素242は、約85%より大きいモル純度を有する酸素であり得る。富化酸素242を、例えば、当該技術分野で知られている任意の空気分離システム/技術、例えば、極低温空気分離工程などにより供給することができるか、あるいは、高圧イオン輸送膜酸素分離工程(空気から)を実施することができるだろう。作動流体236は、二酸化炭素および/または水であり得る。炭素質燃料254が、粉末状石炭254A等の粒子状固体である場合では、混合配列250を、粒子状固体炭素質燃料254Aを流動化物質255と混合するようにさらに構成することができる。1つの態様によれば、粒子状固体炭素質燃料254Aは、約50ミクロンおよび約200ミクロンの間の平均粒径を有し得る。なお別の態様によれば、流動化物質255は、約450kg/mおよび約1,100kg/mの間の密度を有する水および/または液体COを含み得る。より具体的には、流動化物質255は、粒子状固体炭素質燃料254Aと協働し、例えば、約25重量%および約55重量%の間の粒子状固体炭素質燃料254Aを有する泥漿250Aを形成することができる。酸素242は、燃焼室222への導入より前に燃料254および作動流体236と混合されるものとして図2に示されているが、当業者は、いくつかの場合では、必要または所望に応じて、酸素242を燃焼室222に別個に導入することができることを理解することになるだろう。
【0033】
混合配列250は、いくつかの態様では、例えば、円筒形の燃焼室222の入口部分222Aと関連付けられる発散部材230の端壁223の周りに配列される、一列の相隔たる注入ノズル(図示せず)を備え得る。燃料/燃料混合物を燃焼室222にこのようにして注入することは、例えば、大きい面積の注入される燃料混合物入口流を提供することができ、これは、同様に、放射により注入される燃料混合物入口流への迅速な熱伝達を促進することができる。注入される燃料混合物の温度を、このように燃料(すなわち、石炭粒子)の添加温度に迅速に増加させることができ、これはこのように密質の燃焼を最終的にもたらし得る。燃料混合物の注入速度は、例えば、約10m/秒および約40m/秒の間の範囲内にあり得るが、これらの値は、特定の注入ノズルの構成等の多くの要因に依存し得る。このような注入配列は、多くの異なる形態を取ることができる。例えば、その注入配列は、例えば、約0.5mmおよび約3mmの直径の間の範囲内にある一列の穴を備え得、そこで、注入される燃料は、約10m/sおよび約40m/sの間の速度にてそれを通じて注入されることになるだろう。
【0034】
図2により具体的に示されているように、燃焼室222は発散部材230により画定され、これを圧力閉じ込め部材338により少なくとも部分的に包囲することができる。いくつかの場合では、圧力閉じ込め部材338を、熱伝達ジャケット336によりさらに少なくとも部分的に包囲することができ、そこで、熱伝達ジャケット336は、それらの間に1つ以上の流路337を画定するように圧力閉じ込め部材338と協働し、これを通じて低圧の水流を循環させることができる。蒸発機構を通じて、圧力閉じ込め部材338の選択される温度、例えば、約100℃および約250℃の間の範囲内に制御および/または維持するために、循環される水をこのように用いることができる。いくつかの態様では、絶縁層339を、発散部材230および圧力閉じ込め部材338の間に配置することができる。
【0035】
いくつかの場合では、発散部材230は、例えば、外側発散部材331および内側発散部材332を備え得、内側発散部材332は、圧力閉じ込め部材338から外側発散部材331に対向して配置され、かつ燃焼室222を画定する。外側発散部材331は、例えば、鋼、および、不銹鋼合金およびニッケル合金を含む鋼合金等の、任意の適切な高温耐性材料から成り得る。いくつかの場合では、外側発散部材331を、絶縁層339に隣接するその表面から、内側発散部材332に隣接するその表面に、それを通じて延在する第1の発散流体供給通路333Aを画定するように、構成することができる。第1の発散流体供給通路333Aは、いくつかの場合では、圧力閉じ込め部材338、熱伝達ジャケット336、および/または絶縁層339により画定される、第2の発散流体供給通路333Bに対応し得る。第1および第2の発散流体供給通路333A、333Bを、そのため、発散流体210をそれらを通じて内側発散部材332に指向するために協働するように構成することができる。いくつかの場合では、例えば、図1に示されているように、発散流体210は作動流体236を含み得、それと関連付けられる同じ源からこれを得ることができる。発散流体210が内側発散部材332を通じて燃焼室222内に指向されるように、十分な供給量でかつ十分な圧力にて発散流体210(すなわち、CO)を運搬するために、第1および第2の発散流体供給通路333A、333Bを必要に応じて絶縁することができる。発散部材230および関連する発散流体210を伴うこのような措置は、本明細書に開示されているように、燃焼器装置200が、本明細書で他に開示されている比較的高圧および比較的高温にて動作することを可能にすることができる。
【0036】
この点において、内側発散部材332は、例えば、多孔性陶材材料、穿孔材料、積層材料、2つの寸法において乱雑に配向されかつ第3の寸法において順序付けされる繊維から成る多孔性マット、または、本明細書に開示されているようなその必要とされる特徴を呈する、任意の他の適切な材料またはその組み合わせ、すなわち、内側発散部材332を通じて発散流体を受容および指向するための多重流動通路または細孔または他の適切な開口部335から成り得る。多孔性陶材材料、および、このような発散冷却システムのために適切な他の材料の非限定的な例としては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、転移強化ジルコニウム、銅、モリブデン、タングステン、銅浸潤タングステン、タングステン被膜モリブデン、タングステン被膜銅、様々な高温ニッケル合金、およびレニウム被鞘または被膜材料が挙げられる。適切な材料の源としては、例えば、CoorsTek,Inc.(コロラド州、ゴールデン)(ジルコニウム)、UltraMet Advanced Materials Solutions(カリフォルニア州、パコイマ)(耐火性金属被膜)、Orsam Sylvania(マサチューセッツ州、ダンバーズ)(タングステン/銅)、およびMarkeTech International,Inc.(ワシントン州、ポート・タウンゼンド)(タングステン)が挙げられる。このような発散冷却システムのために適切な穿孔材料の例としては、上記の材料および供給者(穿孔末端構造物を、例えば、当該製造技術分野において知られている方法を用いて、初期には非多孔性の構造物を穿孔することにより得ることができるところ)の全てが挙げられる。適切な積層材料の例としては、上記の材料および供給者(積層末端構造物を、例えば、当該製造技術分野において知られている方法を用いて、所望の末端多孔性を実現するようなやり方で非多孔性または部分的に多孔性の構造物を積層することにより得ることができるところ)の全てが挙げられる。
【0037】
図3Aおよび3Bは、燃焼器装置220の1つの態様において、燃焼室222を画定する構造物を、発散部材230と、圧力閉じ込め部材338、または、発散部材230および圧力閉じ込め部材338の間に配置される絶縁層339等の、周囲の構造物との間の「高温」干渉嵌合を通じて形成することができることを例解する。例えば、比較的に「低温」である際に、発散部材230を、周囲の圧力閉じ込め部材338に対して、半径方向および/または軸方向に、より小さくあるように寸法付けることができる。そのようなものとして、圧力閉じ込め部材338に挿入される際に、半径方向および/または軸方向の間隙がそれらの間に存在し得る(例えば、図3Aを参照されたい)。当然ながら、このような寸法の差異は、発散部材230の圧力閉じ込め部材338への挿入を促進することができる。しかしながら、例えば、動作温度の近くに加熱される際に、発散部材230を、半径方向および/または軸方向に膨張し、特筆されている間隙を低減または除去するように構成することができる(例えば、図3Bを参照されたい)。そのようにする際に、軸方向および/または半径方向の干渉嵌合を、発散部材230および圧力閉じ込め部材338の間に形成することができる。外側発散部材331および内側発散部材332を有する発散部材230を伴う場合では、このような干渉嵌合は内側発散部材332を圧縮下に置くことがある。そのようなものとして、多孔性陶材等の適切な高温耐性の脆性材料を、内側発散部材332を形成するために用いることができる。
【0038】
内側発散部材332がこのように構成される状態で、発散物質210が、燃焼室222内で内側発散部材332に隣接して直ちに緩衝層231(すなわち、「蒸気壁」)を形成するように、発散物質210は、例えば、内側発散部材332を通じて指向される(すなわち、作動流体236と同じ源からの)二酸化炭素を含み得、そこで、緩衝層231を、内側発散部材332および液化不燃性要素および燃焼生成物と関連する熱の間における相互作用を緩衝するように構成することができる。すなわち、いくつかの場合では、例えば、発散流体210を、少なくとも燃焼室222内での圧力にて、内側発散部材332を通じて運搬することができ、そこで、発散流体210(すなわち、CO流)の燃焼室222への流速は、発散流体210が燃焼生成物と混合しかつこれを冷却し、後続の下流工程の入口要求に対して十分な温度(すなわち、タービンは、例えば、約1,225℃の入口温度を必要とし得る)にて脱出流体混合物を形成するのに十分であるが、そこで、その脱出流体混合物は、流体状態または液体状態にある燃料中に、鉱滓液滴または他の汚染物質を維持するのに十分に高いままである。燃料の不燃性要素の液体状態は、例えば、液体形態にあり、好ましくは自由流動的で低粘性の形態にある、燃焼生成物からのこのような汚染物質の分離を促進することができ、これは、このような分離のために実装される任意の除去システムを詰まらせるかまたは他に損傷する可能性がより低くなることになる。実際には、このような要求は、使用される固体炭素質燃料の種類(例えば、石炭)、および、燃焼工程にて形成される鉱滓の特定の特性等の、様々な要因に依存し得る。すなわち、燃焼室222内での燃焼温度は、好ましくは、炭素質燃料中の任意の不燃性要素が燃焼生成物中で液化されるほどである。
【0039】
特定の態様では、多孔性の内側発散部材332は、そのため、燃焼室222を画定する内側発散部材332の表面の周りに流体隔壁つまり緩衝層231を形成するように、発散流体を燃焼室222に半径方向に内向きに指向するように構成される(例えば、図2を参照されたい)。内側発散部材332の表面も、燃焼生成物により加熱される。そのようなものとして、内側発散部材332を通過する発散流体210が加熱され、一方で多孔性の内側発散部材332が同時に冷却され、例えば、最高燃焼温度の領域内で約1,000℃である、燃焼室222を画定する内側発散部材332の表面の温度を結果的にもたらすように、適切な熱伝導性を有するように多孔性の内側発散部材332を構成することができる。内側発散部材332と協働する発散流体210により形成される流体隔壁つまり緩衝層231は、そのため、内側発散部材332および高温燃焼生成物および鉱滓または他の汚染物質粒子の間における相互作用を干渉し、かつ、そのようなものとして、内側発散部材332を接触、燼渣、または他の損傷から緩衝する。さらに、約500℃および約2,000℃の間の温度にて、発散流体210の脱出混合物および燃焼室222の出口部分222Bの周りにある燃焼生成物を調整するように、発散流体210は内側発散部材332を介して燃焼室222に導入される。
【0040】
特定の態様によれば、本明細書に開示されているような燃焼器装置220内での実施のために適切な発散流体210としては、十分な量および圧力の流れにて提供され、流体隔壁/緩衝層231を形成することができ、かつ、燃焼生成物を希釈し、適切な最終の出口温度の作動流体/燃焼生成物の脱出流を生成することができる、任意の適切な流体を挙げることができる。いくつかの態様では、流体隔壁/緩衝層が、それにより、良好な熱的絶縁特性ならびに好適な可視光およびUV光の吸収特性を実証することができるという点において、COが適切な発散流体210であり得る。実施される場合に、COは超臨界流体として用いられる。適切な発散流体の他の例としては、例えば、下流工程から再利用されるHOまたは冷却される燃焼生成物の気体が挙げられる。いくつかの燃料を燃焼器装置の起動の最中に発散流体として用い、例えば、動作の最中に用いられる燃料源の注入より前に、燃焼室222内にて適切な動作温度および動作圧力を実現することができる。いくつかの燃料を発散流体として用い、燃料源として石炭から生物塊に切り替える際等の、燃料源間の切り替えの最中に、燃焼器装置220の動作温度および動作圧力を調節または維持することもできる。いくつかの態様では、2つ以上の発散流体を用いることができる。発散流体210が流体隔壁/緩衝層231を形成する燃焼室222の温度条件および圧力条件について、発散流体210を最適化することができる。
【0041】
本開示の態様は、そのため、高効率の燃焼器装置220および関連する作動流体236の使用を通じて、電力等の動力を生成するための装置および方法を提供する。作動流体236は、適切な燃料254および酸化剤242、および効率的な燃焼のために有用でもあり得る任意の関連する材料と併用して、燃焼器装置220に導入される。特定の態様では、(例えば、約1,300℃および約3,500℃の間の範囲内の)比較的高温にて動作するように構成される燃焼器装置220を実装する際に、流体流を、動力生成目的のためにそれからエネルギーを抽出することにより利用することができるように、作動流体236は、燃焼器装置220を脱出する流体流の温度の温和化を促進することができる。
【0042】
特定の態様では、例えば、圧倒的にCOおよび/またはHOを含む、循環される作動流体236を用いて、発散冷却される燃焼器装置220を動力発生システム内に実装することができる。1つの特定の態様では、燃焼器装置220に進入する作動流体236は、好ましくは実質的にCOのみを含む。酸化条件下で動作する燃焼器装置220では、COの作動流体236は、燃料254、酸化剤242、および燃料燃焼工程の任意の生成物のうち1つ以上の成分と混ざり合うことができる。従って、本明細書で脱出流体流とも呼ばれることがある、燃焼器装置220の出口部分222Bに向かって指向されかつこれを脱出する作動流体236は、図1に示されているように、HO、O、N、アルゴン、SO、SO、NO、NO、HCl、Hg等のより少量の他の物質、および、燃焼工程の生成物(例えば、灰または液化灰等の粒子状物質または汚染物質)であり得る他の成分の痕跡と共に、(作動流体が圧倒的にCOである場合において)COを圧倒的に含み得る。図1にて要素150を参照されたい。還元条件下での燃焼器装置220の動作は、図1における要素175に示されているように、CO、HO、H、CO、NH、HS、COS、HCl、N、およびアルゴンを含む、異なる一覧の見込まれる成分を有する脱出流体流を結果的にもたらし得る。本明細書でさらに詳細に論じられているように、燃焼器装置220と関連する燃焼工程を、脱出流体流の特質が還元性または酸化性の何れかであり得るように制御することができ、そこで、どちらの場合も特定の恩恵を提供することができる。
【0043】
特定の態様では、例えば、約1,300℃および約3,500℃の間の範囲内にある比較的に高い動作温度にて、燃料254の比較的に完全な燃焼を提供することができる、高効率で発散冷却される燃焼器装置として、燃焼器装置220を構成することができる。このような燃焼器装置220は、いくつかの場合では、1つ以上の冷却流体、および/または1つ以上の発散流体210を実装することができる。燃焼器装置220と関連して、追加の成分を実装することもできる。例えば、NおよびOを分離するために空気分離構成単位を設けることができ、その空気分離構成単位からOを受容し、COおよび/またはHO、および、気体、液体、超臨界流体、または高密度のCO流体中で泥漿化する固体粒子状燃料を含む燃料流とそのOを混合するために、燃料注入器機器を設けることができる。
【0044】
別の態様では、発散冷却される燃焼器装置220は、加圧燃料流を燃焼器装置220の燃焼室222に注入するための燃料注入器を含み得、そこで、その燃料流は、処理される炭素質燃料254、流動化媒体255(本明細書で論じられているように、作動流体236を含み得る)、および酸素242を含み得る。酸素(富化)242およびCOの作動流体236を、均質の超臨界混合物として組み合わせることができる。存在する酸素の量は、燃料を燃焼し、所望の組成を有する燃焼生成物を生成するのに十分であり得る。燃焼器装置220は、燃料流を受容するための高圧で高温の燃焼体積として構成される燃焼室222、ならびに、燃焼室222を画定する多孔性の発散部材230の壁を通じてその燃焼体積に進入する発散流体210も含み得る。発散流体210の供給速度を用いて、燃焼装置出口部分/タービン入口部分の温度を所望の値に制御し、および/または、発散部材230を形成する材料と親和性がある温度に発散部材230を冷却することができる。発散部材230を通じて指向される発散流体210は、燃焼室222を画定する発散部材230の表面にて流体/緩衝層を提供し、そこで、その流体/緩衝層は、特定の燃料燃焼に起因する灰または液体鉱滓の粒子が、発散部材230の露出した壁と相互作用することを防止することができる。
【0045】
高効率の燃焼器装置の態様を、例えば、様々な等級および種類の石炭、木材、油、燃料油、天然気体、石炭系燃料気体、タール・サンドからのタール、瀝青、生物燃料、生物塊、藻類、および段階的可燃性固体廃物を含む、様々な燃料源で動作するように構成することもできる。具体的には、石炭粉末または粒子状固体を用いることができる。例示的な石炭を燃焼させる燃焼器装置220が本明細書に開示されているが、当業者は、燃焼器装置220内で用いられる燃料が特定の等級の石炭に限定されないことを理解することになる。そのうえ、本明細書に開示されている酸素燃料式の燃焼器装置により維持される高圧および高温のために、石炭、瀝青(タール・サンドから生じる瀝青を含む)、タール、アスファルト、使用済タイヤ、燃料油、ディーゼル、ガソリン、ジェット燃料(JP−5、JP−4)、天然気体、炭化水素質材料の気化または熱分解から生じる気体、エタノール、固体または液体の生物燃料、生物塊、藻類、および処理される固体の屑またはゴミを含む、幅広い種類の燃料種類を実装することができる。全てのこのような燃料は、十分な速度にて、かつ、燃焼室222内での圧力より上の圧力にて、燃焼室222への注入を可能にするために適切に処理される。このような燃料は、周囲温度にてまたは昇温(例えば、約38℃および約425℃の間)にて適切な流動性および粘性を有する、液体、泥漿、ゲル、または練り物の形態にあり得る。任意の固体燃料材料は、必要に応じて粒径を低減するために、細砕または細断または他に処理される。流動化媒体または泥漿化媒体を、適切な形態を実現するために、および、高圧汲み出しのための流動要求を満たすために、必要に応じて添加することができる。当然ながら、流動化媒体は、燃料の形態(すなわち、液体または気体)によっては必要とされないことがある。同様に、いくつかの態様では、循環される作動流体を流動化媒体として用いることができる。
【0046】
いくつかの態様では、燃焼室222は、約1,300℃および約3,500℃の間の燃焼温度を持続させるように構成される。燃料流(および作動流体236)を、燃焼が起こる圧力より大きい圧力にて燃焼室222に注入または他に導入することができるように、燃焼室222をさらに構成することができる。石炭粒子状物質が炭素質燃料である場合に、液体COまたは水を細砕される固体燃料と混合することにより生成される超臨界CO流体中で石炭粒子を泥漿化させ、汲み出し可能な泥漿を形成することができる。このような場合では、液体COは、約450kg/mおよび約100kg/mの間の範囲内にある密度を有し得、固体燃料の質量分率は、約25%および約55%の間の範囲内にあり得る。随意に、ある量のOを、石炭を燃焼させるのに十分な石炭/CO泥漿と混合し、燃焼生成物の所望の組成物を生成することができる。随意に、そのOを、燃焼室222に別個に注入することができる。燃焼器装置220は、燃焼室230を画定する発散部材230を少なくとも部分的に包囲する圧力閉じ込め部材338を含み得、そこで、絶縁部材339を、圧力閉じ込め部材338および発散部材230の間に配置することができる。いくつかの場合では、水循環ジャケット337を画定するジャケット付き水冷却システム等の熱除去機器350を、圧力閉じ込め部材338と(すなわち、燃焼器装置220の「殻」を形成する圧力閉じ込め部材338に対して外部に)係合させることができる。燃焼器装置220の発散部材230と接続して実装される発散流体210は、例えば、微量のHO、および/または、Nまたはアルゴン等の不活性気体と混合されるCOであり得る。発散部材230は、例えば、多孔性金属、陶材、複合母体、層状多岐管、任意の他の適切な構造物、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの態様では、燃焼室222内での燃焼は高圧で高温の脱出流体流を生成することができ、これをタービン等の動力生成装置に、それに関する膨張のために次いで指向することができる。
【0047】
図1に例解されている装置態様に関して、燃焼器装置220を、約355バールの圧力にて酸素242を受容するように構成することができる。さらに、粒子状固体燃料(例えば、粉末状石炭)254、および流動化流体(例えば、液体CO)255も、約355バールの圧力にて受容することができる。同様に、作動流体(例えば、加熱され、高圧で、ことによると再利用される、CO流体)236を、約355バールの圧力および約835℃の温度にて提供することができる。本開示の態様によれば、しかしながら、燃料混合物(燃料、流動化流体、酸素、および作動流体)を、約40バールおよび約500バールの間の圧力にて、燃焼室222の入口部分222A内に受容することができる。燃焼器装置220の態様により実装される比較的に高い圧力は、それにより生成されるエネルギーを最小体積内で比較的に高い強度に集中させるように機能し、比較的に高いエネルギー密度を本質的に結果的にもたらすことができる。その比較的に高いエネルギー密度は、このエネルギーの下流処理をより低圧でよりも効率的に行うことを可能にし、このようにして実行可能性要因を当該技術に提供する。本開示の態様は、そのため、既存の動力設備よりも数桁大きい(すなわち、10〜100倍だけの)エネルギー密度を提供することができる。より高いエネルギー密度は工程の効率を増加させるが、設備の規模および質量、ひいては設備の費用を低減することにより、熱エネルギーから電気へのエネルギー変換を実施するのに必要とされる設備の費用を低減もする。
【0048】
実施される際に、COの三重点圧力およびCOの臨界圧力の間における任意の圧力にて液体である、COの流動化流体255は、粉末状石炭燃料254と混合され、結果として得られる泥漿を、約355バールの特筆されている圧力にて適切な汲み出し器により(流体泥漿として)燃焼室222に汲み出すことができるように、質量または他の質量分率により約55%のCOおよび約45%の粉末状石炭の割合で混合物を形成する。いくつかの態様では、そのCOおよび粉末状石炭を、汲み出しより前に、約13バールの圧力にて混合することができる。O流242が、再利用COの作動流体流236と混合され、その組み合わせが、その後粉末状石炭/CO泥漿と混合され、単一の流体混合物を形成する。Oの石炭に対する割合を、石炭を追加の1%の過剰Oで完全に燃焼させるのに十分であるように選択することができる。別の態様では、石炭の一部を実質的に完全に酸化させることを可能にし、一方で他部は部分的に酸化されるのみであるようにOの量を選択し、還元性でありかついくらかのH+CO+CHを含む流動混合物を結果的にもたらすことができる。このようにして、燃焼生成物の2段階膨張を、必要または所望に応じて、いくらかのO注入および第1の段階および第2の段階の間における再加熱をもって実施することができる。さらなる態様では、燃焼温度は、約1,300℃および約3,500℃の間の範囲内にあり得るが、燃料混合物を介して燃焼室222内に存在するCOの量は、約2,400℃の(断熱または他の)燃焼温度を実現するのに十分であるように選択される。O+石炭泥漿+加熱される再利用COの燃料混合物は、1つの態様では、その燃料混合物の自動発火温度より下の結果として生じる温度にて提供される。示されている条件を実現するために、固体炭素質燃料(例えば、石炭)が、例えば、固体石炭を微粉炭機内で細砕することにより、好ましくは、約50ミクロンおよび約200ミクロンの間の平均粒径にて提供される。このような細砕工程を、約50ミクロンより下の最小質量分率の粒子を提供するように構成される粉砕器内で行うことができる。このようにして、燃焼工程中に液化され液体鉱滓液滴を形成する、その中の任意の不燃性要素は、直径にして約10ミクロンより大きくあり得る。いくつかの態様では、CO+O+粉末状石炭泥漿を含む燃料混合物を、約400℃の温度にて、約355バールの圧力にて燃焼室222に指向することができ、そこで、燃焼室222内での燃焼時の正味の圧力は約354バールであり得る。燃焼室222内での温度は約1,300℃および約3,500℃の間に及び得、いくつかの好適な態様では、単一の燃焼段階のみが実施される。
【0049】
燃焼器装置220の1つの例では、本明細書に開示されているように、500MWの正味の電力システムを、約58%の効率(低位発熱量基準)にて、下記の条件にて、CH燃料で動作するように構成することができる:
燃焼圧力:350atm
燃料投入量:862MW
燃料流量:17.2kg/秒
酸素流量:69.5kg/秒
【0050】
CHおよびOは155kg/秒のCOの作動流体と混合されて燃焼され、2,400℃の断熱温度にてCO、HO、およびいくらかの過剰Oを含む脱出流体流を生成する。燃焼室は、約1mの内径および約5mの全長を有し得る。約600℃の温度における395kg/秒のCOの流れは発散部材に向かって指向され、これは約2.5cm厚であり得、かつ発散部材を通じて指向される。このCOは、燃焼室内での燃焼の発散部材への放射から生じる、発散部材を通じて伝導される熱から対流的に加熱される。
【0051】
燃焼室を画定するその内表面の周りに、発散部材の表面温度は約1,000℃であり得、一方で、636,7kg/秒の脱出流体流は約1,350℃の温度にあり得る。このような場合では、燃焼生成物の燃焼および希釈の平均滞留時間は約1.25秒である。さらに、発散部材を通じて燃焼室に進入する発散流体についての平均の半径方向に内向きの速度はおおよそ0.15m/sである。
【0052】
石炭燃料式の燃焼器装置についての例を補正することにより、約2.0秒の燃焼室内での燃焼生成物の燃焼および希釈の平均滞留時間、および約8mの燃焼室全長を有し、約1mの内径を有する構成が結果的にもたらされる。希釈(発散)流体としてCOを有するシステムの正味の効率は、そのため約54%(低位発熱量基準)である。このような場合では、発散流体の半径方向に内向きの速度は約0.07m/sであり得る。このような条件下で、図5は、それから1mmの距離から発散部材に向かって約50m/sにて半径方向に外向きに発射される、50ミクロンの直径の液体鉱滓粒子の仮想軌跡を示す。例解されているように、その粒子は、発散部材を通じて発散流体流れにより脱出流体流れ流に運び戻される前に、発散部材から最小の0.19mmに到達することになるだろう。このような場合では、発散部材を通じる発散流体流れは、燃焼工程に起因する発散部材および液体鉱滓粒子の間における相互作用を効果的に緩衝する。
【0053】
当業者により理解されることになるように、開示されている燃焼器装置の態様を、関連する方法を用いて適切な動力生成システム内に実装することができる。例えば、このような動力生成システムは、燃料を提供するための1つ以上の注入器(および随意に流動化媒体)、酸化剤、およびCOの作動流体を含み得、発散冷却される燃焼器装置は、本明細書に開示されているように、燃料混合物を燃焼させるための少なくとも1つの燃焼段階を有し、かつ脱出流体流を提供する。変換装置(例えば、図6における要素500を参照されたい)を、脱出流体流(燃焼生成物および作動流体)を受容し、かつ脱出流体流に応答してそれと関連するエネルギーを運動エネルギーに変換するように構成することができ、そこで、その変換装置は、例えば、入口および出口を有する動力生成タービンであり得、かつそこで、動力は脱出流体流が膨張する際に生成される。より具体的には、そのタービンを、入口および出口の間で所望の圧力比にて脱出流体流を維持するように構成することができる。発生器機器(例えば、図6における要素500を参照されたい)を、タービンの運動エネルギーを電気に変換するように設けることもできる。すなわち、脱出流体流を高圧からより低圧に膨張させ、その後電力に転換することができる軸動力を生成することができる。タービン出口からの脱出流体流を冷却するための、かつ、燃焼器装置に進入するCOの作動流体を加熱するための熱交換器を設けることができる。回収または廃棄のために、熱交換器を出る脱出流体流を純COおよび1つ以上のさらなる成分に分離するための、1つ以上の機器も設けることができる。このようなシステムは、精製COを圧縮するための、かつ、脱出流体流から分離されたCOの少なくとも一部を加圧管線に運搬し、一方で、残りの部分が熱交換器により加熱される作動流体として再利用されるための、1つ以上の機器も含み得る。当業者は、しかしながら、本開示は脱出流体流の直接的な実装を含み、いくつかの場合では、比較的高温の脱出流体流を間接的に実装することができることを理解することになる。すなわち、その脱出流体流を熱交換器に指向することができ、そこで、それと関連する熱エネルギーは第2の作動流体流を加熱するために用いられ、その加熱された第2の作動流体流は、その後、変換機器(例えば、タービン)に指向され、動力を発生させる。さらに、当業者は、多くの他のこのような配列が本開示の範囲内にあり得ることを理解することになる。
【0054】
本開示の特定の態様では、炭素質燃料の組成は不燃性要素(すなわち、汚染物質)をその中に含めることができるようなものであり、かつ、燃焼工程に従う燃焼生成物/脱出流体流中に存在するままである。このようなことは、その炭素質燃料が石炭等の固体である場合に当てはまることがある。そうした態様では、脱出流体流の直接的な実装は、脱出流体流がそれに直接的に流路で運ばれる場合に、後続の変換装置(タービン)上のこのような不燃性要素の集積またはこれに対する他の損傷をもたらし得る。当業者は、このような不燃性要素が、液体または気体等の炭素質燃料(すなわち、天然気体)の他の形態を実施する際に、必ずしも存在し得ないことも理解することになる。従って、固体炭素質燃料源、および、脱出流体流および変換装置の間における直接的な相互作用を実装する態様では、動力システム(燃焼器装置および変換装置)は、その燃焼器装置およびその変換装置の間に配置される分離器装置をさらに含み得る。このような場合では、その分離器装置を、燃焼生成物/脱出流体流が変換装置に指向されるより前に、それにより受容される燃焼生成物/脱出流体流から液化不燃性要素を実質的に除去するように構成することができる。さらに、分離器装置を実装する態様では、開示されている発散物質を、その分離器装置の上流および下流の両方に導入することができる。より具体的には、不燃性要素の液化温度より上にて分離器装置に進入する発散物質および燃焼生成物の混合物を調整するように、発散部材および分離装置の上流を介して、発散物質を最初に燃焼室に導入することができる。分離器装置に続き、発散物質運搬機器(例えば、図6における要素475を参照されたい)を、約500℃および約2,000℃の間の温度にて変換装置に進入する発散物質および燃焼生成物の混合物を調整するように、分離器装置を脱出し、かつそれから実質的に除去された液化不燃性要素を有する燃焼生成物に発散物質を運搬するように構成することができる。
【0055】
以前に論じられたように、燃焼器装置の態様は、固体炭素質燃料中の不燃性要素を燃焼工程の最中に液化させる燃焼温度を実現する能力を含み得る。このような場合では、例えば、図4に示されているような、サイクロン式分離器等の分離器装置340等の、液化不燃性要素を除去するための設備を適用することができる。概して、本開示により実装されるこのようなサイクロン式分離器の態様は、燃焼生成物/脱出流体流およびそれらと関連する液化不燃性要素を受容するように構成される入口遠心分離器機器100A、および、それから実質的に除去される液化不燃性要素を有する燃焼生成物/脱出流体流を排出するように構成される出口遠心分離器機器100Bを含む、複数の直列に配列される遠心分離器機器100を含み得る。各遠心分離器機器100は、中央収集器導管2の周りに並列に動作可能に配列される、複数の遠心分離器要素つまりサイクロン1を含み、そこで、各遠心分離要素/サイクロン2は、液化不燃性要素の少なくとも一部を燃焼生成物/脱出流体流から除去し、かつ、液化不燃性要素の除去された部分を排液溜め20に指向するように構成される。このような分離器装置340を昇圧にて動作するように構成することができ、そのようなものとして、これは、遠心分離器機器および排液溜めを格納するように構成される圧力閉じ込め筐体125をさらに備え得る。このような態様によれば、圧力閉じ込め筐体125は、燃焼器装置220も包囲する圧力閉じ込め部材338の拡張部であり得、あるいは、圧力閉じ込め筐体125は、燃焼器装置220と関連する圧力閉じ込め部材338を係合させることができる別個の部材であり得る。どちらの場合でも、脱出流体流を介して分離器装置340により経験される昇温のために、圧力閉じ込め筐体125は、その中で循環される液体(図示せず)を有し、それから熱を除去するためにそれと動作可能に係合される熱伝達ジャケット等の、熱分散システムも含み得る。いくつかの態様では、熱回収機器(図示せず)を熱伝達ジャケットと動作可能に係合させることができ、そこで、その熱回収機器を、その熱伝達ジャケット内で循環される液体を受容し、かつその液体から熱エネルギーを回収するように構成することができる。
【0056】
より具体的には、図4に示されている(鉱滓除去)分離器装置340は、それから脱出流体流/燃焼生成物を受容するために、その出口部分222Bの周りにある燃焼器装置220と直列に配置されるように構成される。燃焼器装置220からの発散冷却される流体流は、その中の液体鉱滓(不燃性要素)液滴と共に、円錐漸縮管10を介して入口遠心分離器機器100Aの中央収集器設備2Aに進入するように指向される。1つの態様では、分離器装置340は、3つの遠心分離器機器100A、100B、100Cを含み得る(しかし、当業者は、このような分離器装置が、必要または所望に応じて、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の遠心分離器機器を含み得ることを理解することになる)。この場合では、直列に動作可能に配列される3つの遠心分離器機器100A、100B、100Cは、3段階のサイクロン式分離構成単位を提供する。各遠心分離器機器は、例えば、対応する中央収集器導管2の周辺の周りに配列される、複数の遠心分離器要素(サイクロン1)を含む。入口遠心分離器機器100Aの中央収集器設備2Aおよび中央収集器導管2、および中間遠心分離器機器100Cは、それらの出口端にてそれぞれ封止される。そうした態様では、脱出流体流は、各自の遠心分離器機器100の遠心分離器要素(サイクロン1)のそれぞれに対応する分岐流路11に指向される。分岐流路11は、各自のサイクロン1の入口端を係合させ、そのための接線入口(例えば、サイクロン1に進入する出口流体流に、螺旋流れ中にてサイクロン1の壁と相互作用させる)を形成するように構成される。各サイクロン1からの出口流路3は、その後、各自の遠心分離器機器100の中央収集器導管2の入口部分へ経路付けられる。出口遠心分離器機器100Bにて、脱出流体流(それから実質的に分離する不燃性要素を有する)は、「清浄な」脱出流体流を、その後、変換装置と関連するもの等の後続の工程に指向することができるように、出口遠心分離器機器100Bの中央収集器導管から、および、収集器導管12および出口ノズル5を介して指向される。例示的な三段階のサイクロン式分離配列は、このようにして、例えば、脱出流体流内にて質量により5ppm未満まで下がる鉱滓の除去を可能にする。
【0057】
分離器装置340の各段階にて、分離された液体鉱滓は、排液溜め20に向かって延在する出口管4を介してサイクロン1のそれぞれから指向される。その分離された液体鉱滓は、その後、それからの成分の除去および/または回収のために、排液溜め20および圧力閉じ込め筐体125から延在する出口ノズルつまり導管14に指向される。鉱滓の除去を達成する際に、水冷却される区画6を通じて、または他に高圧、冷水接続を有する区画を通じて、液体鉱滓を指向することができ、そこで、その水との相互作用はその液体鉱滓を固化および/または顆粒化させる。固化鉱滓および水の混合物を、その後、容器(収集設備)7内で、適切な弁9を通じて除去することができる鉱滓/水の流体混合物に分離することができ、一方で、任意の残留気体を別個の線8を介して除去することができる。
【0058】
分離器装置340は比較的高圧の脱出流体流と併用して(すなわち、比較的低粘性を有する液体形態にある不燃性要素を維持するのに十分な温度にて)実装されるため、いくつかの場合では、燃焼生成物/脱出流体流、およびそれと関連する液化不燃性要素のうち1つに曝される分離器装置340の表面が、高温耐性、高腐食耐性、および低熱伝導性のうち少なくとも1つを有するように構成される材料から成ることが望ましくあり得る。このような材料の例としては、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムを挙げることができるが、このような例は、いかなる形においても限定的であることを目的としていない。そのようなものとして、特定の態様では、分離器装置340は、燃焼生成物/脱出流体流から液化不燃性要素を実質的に除去し、かつ、少なくとも排液溜め20からのその除去まで、その不燃性要素を低粘性の液体形態に維持するように構成される。
【0059】
そのようなものとして、本明細書に開示されているように、固体炭素質燃料の場合における鉱滓分離を、いくつかの場合では、維持および点検のためのシステムから容易に抽出することができる、単一の構成単位(分離器装置340)内で達成することができる。しかしながら、このような態様は、図6に示されているようなさらなる利点を提供することができ、それにより、特定の燃料源の利用可能性に関して使用可能な「フレックス燃料」手法を実施するように、システムを容易に構成することができる。例えば、単一の構成単位の分離器装置340を、燃焼器装置220が固体炭素質燃料を燃料源として用いた際に、燃焼器装置220および変換装置(タービン)500の間にあるシステム内に設置することができる。液体または気体の炭素質燃料源に変わることが望ましければ、燃焼器装置220を変換装置500に直接的に指向することができるように、分離器構成単位340をそのシステムから取り外してよい(すなわち、以前に論じられたように、必須でないことがある)。そのシステムを、そのため、燃料利用可能性が固体炭素質燃料源に後で影響すれば、分離器構成単位340を実装するように容易に元に戻すこともできる。
【0060】
本明細書に明記されている本開示の多くの修正および他の態様は、前述の記載および関連する図面に提示されている教示の恩恵を有する、本開示に関係する技術分野における技能を有する者の心に浮かぶことになる。従って、本開示は開示されている特定の態様に限定されるものではないこと、および、修正および他の態様は添付の請求の範囲の範囲内に含まれることを目的としていることを理解されたい。特定の用語が本明細書で使用されているが、それらは一般的かつ記述的な意味でのみ用いられ、限定の目的のためには用いられない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器装置であって、
富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成するように構成される混合配列、および、
発散部材により少なくとも部分的に画定される燃焼室であって、前記発散部材は、圧力閉じ込め部材によりさらに少なくとも部分的に包囲され、前記燃焼室は、入口部分および対向する出口部分を有し、前記燃焼室の前記入口部分は、前記燃料混合物を燃焼温度にて前記燃焼室内で燃焼させるために前記燃料混合物を受容し、燃焼生成物を形成するように構成され、前記燃焼室は、前記燃焼生成物を前記出口部分に向かって指向するようにさらに構成され、前記発散部材は、前記燃焼生成物および前記発散部材の間における相互作用を緩衝するために、それを通じて前記燃焼室に向かって発散物質を指向するように構成される、燃焼室、
を備える、装置。
【請求項2】
前記混合配列が、前記富化酸素および前記作動流体と、固体炭素質燃料、液体炭素質燃料、および気体炭素質燃料のうち1つを混合するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作動流体が、二酸化炭素および水のうち1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記富化酸素が、約85%より大きいモル純度を有する酸素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記炭素質燃料が粒子状固体であり、前記混合配列が粒子状固体炭素質燃料を流動化物質と混合するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記粒子状固体炭素質燃料が、約50ミクロンおよび約200ミクロンの間の平均粒径を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記流動化物質が、約450kg/mおよび約1,100kg/mの間の密度を有する水および液体COのうち1つを含み、前記流動化物質は、前記粒子状固体炭素質燃料と協働し、前記粒子状固体炭素質燃料の約25重量%および約55重量%の間を有する泥漿を形成する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記燃焼室が、約40バールおよび約500バールの間の圧力にて、その前記入口部分内に前記燃料混合物を受容するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記発散物質が、約500℃および約2,000℃の間の温度にて、前記燃焼室の前記出口部分の周りにある前記発散物質および前記燃焼生成物の脱出混合物を調整するように、前記発散部材を介して前記燃焼室に導入されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記燃焼温度が、前記炭素質燃料中の任意の不燃性要素が前記燃焼生成物中で液化されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記発散物質が、前記発散物質が前記燃焼室内で前記発散部材に隣接して直ちに緩衝層を形成するように、前記発散部材を通じて指向される二酸化炭素を含み、前記緩衝層は、前記発散部材および液化不燃性要素および前記燃焼生成物と関連する熱の間における相互作用を緩衝するように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記燃焼温度が、約1,300℃および約3,500℃の間にある、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記圧力閉じ込め部材と関連し、かつその温度を制御するように構成される熱除去機器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記熱除去機器が、その中で循環される液体を有する熱伝達ジャケットを備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
燃焼方法であって、
混合配列を用いて富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成すること、
発散部材により画定される燃焼室の入口部分内に前記燃料混合物を受容することであって、前記発散部材は、圧力閉じ込め部材によりさらに少なくとも部分的に包囲されること、
燃焼温度にて前記燃焼室内で前記燃料混合物を燃焼させ、燃焼生成物を形成すること、
前記燃焼室の出口部分に向かって前記燃焼生成物を指向すること、および、
発散物質が前記燃焼生成物および前記発散部材の間における相互作用を緩衝するように、前記発散部材を通じて前記燃焼室に向かって前記発散物質を指向すること、
を含む、方法。
【請求項16】
富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合することが、前記富化酸素および前記作動流体と、固体炭素質燃料、液体炭素質燃料、および気体炭素質燃料のうち1つを混合することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合することが、前記富化酸素、および二酸化炭素および水のうち1つを含む作動流体と、炭素質燃料を混合することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合することが、約85%より大きいモル純度を有する富化酸素、および前記作動流体と、炭素質燃料を混合することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記炭素質燃料が粒子状固体であり、前記方法は、前記混合配列を介して粒子状固体炭素質燃料を流動化物質と混合することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
粒子状固体炭素質燃料を流動化物質と混合することが、約50ミクロンおよび約200ミクロンの間の平均粒径を有する粒子状固体炭素質燃料を、前記流動化物質と混合することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
粒子状固体炭素質燃料を流動化物質と混合することが、前記粒子状固体炭素質燃料を、約450kg/mおよび約1,100kg/mの間の密度を有する水および液体COのうち1つを含む流動化物質と混合し、前記粒子状固体炭素質燃料の約25重量%および約55重量%の間を有する泥漿を形成することをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記燃料混合物を受容することが、約40バールおよび約500バールの間の圧力にて、前記燃焼室の前記入口部分内に前記燃料混合物を受容することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記発散物質を指向することが、前記発散部材を介して前記燃焼室に導入される発散が、約500℃および約2,000℃の間の温度にて、前記燃焼室の前記出口部分の周りにある前記発散物質および前記燃焼生成物の脱出混合物を調整するように、前記発散部材を通じて前記燃焼室に向かって前記発散物質を指向することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
燃焼温度にて前記燃焼室内で前記燃料混合物を燃焼させることが、前記炭素質燃料中の任意の不燃性要素が前記燃焼生成物中で液化されるように構成される燃焼温度にて、前記燃焼室内で前記燃料混合物を燃焼させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記発散部材を通じて発散物質を指向することが、前記発散物質が前記燃焼室内で前記発散部材に隣接して直ちに緩衝層を形成するように、前記発散部材を通じて二酸化炭素を含む発散物質を指向することをさらに含み、前記緩衝層は、前記発散部材および液化不燃性要素および前記燃焼生成物と関連する熱の間における相互作用を緩衝するように構成される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
燃焼温度にて前記燃焼室内で前記燃料混合物を燃焼させることが、約1,300℃および約3,500℃の間の燃焼温度にて、前記燃焼室内で前記燃料混合物を燃焼させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
それと関連する熱除去機器を有する前記圧力閉じ込め部材の温度を制御することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
前記圧力閉じ込め部材の温度を制御することが、前記圧力閉じ込め部材と関連する熱伝達ジャケットを備え、かつその中で循環される液体を有する熱除去機器を有する前記圧力閉じ込め部材の温度を制御することを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
エネルギー発生システムであって、
富化酸素および作動流体と炭素質燃料を混合し、燃料混合物を形成するように構成される混合配列、および、
発散部材により少なくとも部分的に画定される燃焼室であって、前記発散部材は、圧力閉じ込め部材によりさらに少なくとも部分的に包囲され、前記燃焼室は、入口部分および対向する出口部分を有し、前記燃焼室の前記入口部分は、前記燃料混合物を燃焼温度にて前記燃焼室内で燃焼させるために前記燃料混合物を受容し、燃焼生成物を形成するように構成され、前記燃焼室は、前記燃焼生成物を前記出口部分に向かって指向するようにさらに構成され、前記発散部材は、前記燃焼生成物および前記発散部材の間における相互作用を緩衝するために、それを通じて前記燃焼室に向かって発散物質を指向するように構成される、燃焼室、
を備える燃焼器装置、および、
前記燃焼生成物を受容するように構成される変換装置であって、前記変換装置は、前記燃焼生成物に応答し、それと関連するエネルギーを運動エネルギーに変換する、変換装置、
を備える、システム。
【請求項30】
前記混合配列が、前記富化酸素および前記作動流体と、固体炭素質燃料、液体炭素質燃料、および気体炭素質燃料のうち1つを混合するようにさらに構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記作動流体が、二酸化炭素および水のうち1つを含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記富化酸素が、約85%より大きいモル純度を有する酸素を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項33】
前記炭素質燃料が、約50ミクロンおよび約200ミクロンの間の平均粒径を有する粒子状固体であり、前記混合配列が、約450kg/mおよび約1,100kg/mの間の密度を有する水および液体COのうち1つを含む流動化物質と粒子状固体炭素質燃料を混合するようにさらに構成され、前記流動化物質は、前記粒子状固体炭素質燃料と協働し、前記粒子状固体炭素質燃料の約25重量%および約55重量%の間を有する泥漿を形成する、請求項29に記載のシステム。
【請求項34】
前記燃焼室が、約40バールおよび約500バールの間の圧力にて、その前記入口部分内に前記燃料混合物を受容するようにさらに構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項35】
前記発散物質が、約500℃および約2,000℃の間の温度にて、前記燃焼室の前記出口部分の周りにある前記発散物質および前記燃焼生成物の脱出混合物を調整するように、前記発散部材を介して前記燃焼室に導入されるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項36】
前記燃焼温度が、前記炭素質燃料中の任意の不燃性要素が前記燃焼生成物中で液化されるように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項37】
前記燃焼温度が、約1,300℃および約3,500℃の間にある、請求項29に記載のシステム。
【請求項38】
前記炭素質燃料が固体であり、前記システムが、前記燃焼器装置および前記変換装置の間に配置される分離器装置を備え、前記分離器装置は、前記燃焼生成物が前記変換装置に指向されるより前に、それにより受容される前記燃焼生成物から液化不燃性要素を実質的に除去するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項39】
前記発散物質が、前記不燃性要素の液化温度より上にて前記分離器装置に進入する前記発散物質および前記燃焼生成物の混合物を調整するように、前記発散部材を介して前記燃焼室に導入されるように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記分離器装置に次いで配列され、かつ、約500℃および約2,000℃の間の温度にて前記変換装置に進入する前記発散物質および前記燃焼生成物の混合物を調整するように、それから実質的に除去された前記液化不燃性要素を有する前記燃焼生成物に前記発散物質を運搬するように構成される発散物質運搬機器をさらに備える、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記分離器装置は、複数の直列に配列される遠心分離器機器をさらに備え、各遠心分離器機器は、並列に動作可能に配列される複数の遠心分離器要素を有する、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記分離器装置により前記燃焼生成物から除去された前記液化不燃性要素が、前記分離器装置と関連する排液溜め内に除去可能に収集される、請求項38に記載のシステム。
【請求項43】
前記分離器装置が、前記圧力閉じ込め部材により格納される、および圧力閉じ込め筐体により画定される、のうち1つであるように構成される、請求項38に記載のシステム。
【請求項44】
前記分離器装置が、それから熱を除去するように、前記圧力閉じ込め部材および前記圧力閉じ込め筐体のうち1つと動作可能に係合される熱分散システムをさらに備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記熱分散システムが、その中で循環される液体を有する熱伝達ジャケットを備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記燃焼生成物およびそれと関連する前記液化不燃性要素のうち1つに曝される前記分離器装置の表面が、高温耐性、高腐食耐性、および低熱伝導性のうち少なくとも1つを有するように構成される材料から成る、請求項38に記載のシステム。
【請求項47】
前記発散物質が、前記発散物質が前記燃焼室内で前記発散部材に隣接して直ちに緩衝層を形成するように、前記発散部材を通じて指向される二酸化炭素を含み、前記緩衝層は、前記発散部材および液化不燃性要素および前記燃焼生成物と関連する熱の間における相互作用を緩衝するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項48】
前記燃焼器装置が、前記圧力閉じ込め部材と関連し、かつその温度を制御するように構成される熱除去機器をさらに備え、前記熱除去機器は、その中で循環される液体を有する熱伝達ジャケットを備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項49】
前記燃焼器装置が、前記燃焼生成物が約500ppmより大きいOおよび約50ppm未満のCOを含むように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項50】
前記燃焼器装置が、前記燃焼生成物が約1%より大きい合同濃度でのHおよびCO、および約10ppm未満のOを含むように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項51】
前記変換装置がタービン機器を備え、前記タービン機器は、それと関連するエネルギーを運動エネルギーに変換するように前記燃焼生成物に応答する、請求項29に記載のシステム。
【請求項52】
前記変換装置が、運動エネルギーを電気に変換するように構成される発生器機器をさらに備える、請求項29に記載のシステム。
【請求項53】
固体炭素質燃料中における任意の不燃性要素が燃焼生成物中で液化されるように、前記固体炭素質燃料を燃焼させて前記燃焼生成物を形成するように構成される燃焼器装置と実装されるのに適合した分離器装置であって、前記分離器装置は、
前記燃焼生成物およびそれと関連する液化不燃性要素を受容するように構成される入口遠心分離器機器、および、それから実質的に除去される前記液化不燃性要素を有する前記燃焼生成物を排出するように構成される出口遠心分離器機器を含む、複数の直列に配列される遠心分離器機器であって、各遠心分離器機器は、並列に動作可能に配列される複数の遠心分離器要素を有し、各遠心分離要素は、前記燃焼生成物から前記液化不燃性要素の少なくとも一部を除去し、かつ、前記液化不燃性要素の前記少なくとも一部を排液溜めに指向するように構成される、遠心分離器機器、および、
前記遠心分離器機器および前記排液溜めを格納するように構成される圧力閉じ込め筐体、
を備える、分離器装置。
【請求項54】
それから熱を除去するように、前記圧力閉じ込め部材と動作可能に係合される熱分散システムをさらに備える、請求項53に記載の分離器装置。
【請求項55】
前記熱分散システムが、その中で循環される液体を有する熱伝達ジャケットを備える、請求項54に記載の分離器装置。
【請求項56】
前記熱伝達ジャケットと動作可能に係合される熱回収機器をさらに備え、前記熱回収機器は、前記熱伝達ジャケット内で循環される前記液体を受容し、かつ前記液体から熱エネルギーを回収するように構成される、請求項55に記載の分離器装置。
【請求項57】
前記燃焼生成物およびそれと関連する前記液化不燃性要素のうち1つに曝される前記分離器装置の表面が、高温耐性、高腐食耐性、および低熱伝導性のうち少なくとも1つを有するように構成される材料から成る、請求項53に記載の分離器装置。
【請求項58】
前記分離器装置が、前記燃焼生成物から前記液化不燃性要素を実質的に除去し、かつ、少なくとも前記排液溜めからのその除去まで、前記不燃性要素を低粘性の液体形態に維持するように構成される、請求項53に記載の分離器装置。


【図1】
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【図2】
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【図3A−3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−519263(P2012−519263A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552191(P2011−552191)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/025599
【国際公開番号】WO2010/099452
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511204522)パルマー ラボ,エルエルシー (2)
【出願人】(312000387)8 リバーズ キャピタル,エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】