説明

高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具

【課題】瞬時停電や瞬時電圧降下などが生じても、立ち消えのリスクを高めることなく高圧放電灯の点灯を維持することのできる高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】直流電源部1と、高圧放電灯DL1に矩形波交流を供給する出力部2と、出力部2を制御する制御部3と、直流電源部1の出力電圧V2が所定の閾値を下回ると異常が発生したと検知する異常検知部4とを備え、制御部3は、異常検知部4により異常が検知されると、高圧放電灯DL1に矩形波交流が供給されるように出力部2を制御する第1のモードから、高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なく、且つ高圧放電灯DL1に供給される電流の平均値よりも電流値が大きい第1の電流期間T1を極性反転前に有する交流電流が高圧放電灯DL1に供給されるように出力部2を制御する第2のモードに移行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、メタルハライドランプや高圧水銀ランプなどの高圧放電灯(高輝度放電灯、HIDランプともいう)の点灯に使用される放電灯点灯装置(高圧放電灯点灯装置)が提案されている。
【0003】
この種の高圧放電灯点灯装置は、図23に示すように、交流電源AC1より供給される交流電流を全波整流するダイオードブリッジなどの整流器100と、整流器100の出力電圧を所定値まで昇圧する昇圧チョッパ回路110とを備える。また、この高圧放電灯点灯装置は、昇圧チョッパ回路110の出力電圧を平滑する平滑コンデンサ120と、昇圧チョッパ回路110の出力電圧を所定値まで降圧する降圧チョッパ回路130とを備える。更に、この高圧放電灯点灯装置は、降圧チョッパ回路130の出力電圧を平滑する平滑コンデンサ140と、降圧チョッパ回路140より出力される直流電流を矩形波交流に変換して高圧放電灯DL1に供給するインバータ回路150とを備える。また、この高圧放電灯点灯装置は、高圧放電灯DL1に始動電圧を与えるイグナイタ160と、各回路の動作制御を行う制御部170とを備える。
【0004】
図23に示すものでは、昇圧チョッパ回路110は、インダクタ111、スイッチング素子112、及びダイオード113により構成され、降圧チョッパ回路130は、スイッチング素子131、インダクタ132、及びダイオード133により構成される。また、インバータ回路150は、4つのスイッチング素子151〜154により構成されたフルブリッジ回路である。そして、制御部170は、昇圧チョッパ回路110のスイッチング素子112、降圧チョッパ回路130のスイッチング素子131、及びインバータ回路150の各スイッチング素子151〜154のオン・オフ制御を行うことで、高圧放電灯DL1を点灯させる。
【0005】
ところで、図23に示すような高圧放電灯点灯装置において、交流電源AC1より給電されなくなると、平滑コンデンサ120の両端間の電圧が低下し、ある程度まで低下した時点で高圧放電灯DL1の点灯を維持できなくなり、消灯してしまう。
【0006】
高圧放電灯DL1は、上述のようにメタルハライドランプや高圧水銀ランプ等であり、グロー放電を経てアーク放電が開始され、その後に発光管内の温度が均一化されて安定した状態となった時点でランプ電圧がほぼ一定になる。高圧放電灯DL1はこのような過程を経て点灯するために、一旦消灯してしまうと、発光管内の温度や圧力が低下するまで(通常は5〜15分ほどかかる)は、再始動(再点灯)できない。
【0007】
したがって、落雷や付近での大型機器の始動、短絡事故などによって、交流電源AC1の瞬時停電や瞬時電圧低下などの短い期間(概ね10〜20ms)の電源異常が生じた場合でも、一旦消灯してしまった後には再始動まで時間がかかってしまう。
【0008】
このような問題を解決する1つの方法として、平滑コンデンサ120の容量を大きくして、瞬時停電が生じている間でも、高圧放電灯DL1に十分な電力を供給できるようにすることが考えられている。
【0009】
しかしながら、平滑コンデンサ120の容量を大きくすることは、高圧放電灯点灯装置の大型化、高コスト化、重量化などの原因になり、近年の、高圧放電灯点灯装置を小型化、低コスト化、軽量化したいという市場要求に応えることができない。
【0010】
そこで、瞬時停電や瞬時電圧降下が生じた際に、高圧放電灯DL1に供給する電力量を減らすことによって電力消費を抑制して、平滑コンデンサ120の容量を大きくすることなく高圧放電灯DL1の消灯を防止するものが例えば特許文献1,2に開示されている。なお、特許文献1に示すものでは、降圧チョッパ回路130の出力電圧を、特許文献2に示すものでは、昇圧チョッパ回路110の出力電圧をそれぞれ低くすることにより、高圧放電灯DL1への給電量を少なくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−257989号公報
【特許文献2】特開2004−303507号公報
【特許文献3】特開2009−289480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記の特許文献1,2に示すもののように、高圧放電灯DL1への給電量を少なくするものでは、高圧放電灯DL1の再点弧電圧が問題になる。
【0013】
高圧放電灯DL1には、所定の周波数で極性(正負)が反転する矩形波交流が供給されるために、極性反転時に高圧放電灯に流れる電流(ランプ電流)が一瞬0になる休止期間が発生する。そのため、極性反転直後に高圧放電灯DL1を再点灯させる際には、高圧放電灯に印加される電圧(ランプ電圧)が先行し、ランプ電流の立ち上がりが遅れるため、過渡的にインピーダンスが増加する。その結果、ランプ電圧にゼロクロス以降急激に立ち上がる再点弧電圧が生じる。
【0014】
高圧放電灯への供給電力を少なくすると、高圧放電灯内の電極温度が低下し、ランプ電圧の極性の反転が遅くなり、再点弧に必要な電圧への上昇にも時間がかかるため、休止期間が長くなって放電が不安定となる。しかも、休止期間が長くなると、再点弧に必要な電圧が上昇するため、放電灯DL1の立ち消えが生じる可能性が高まってしまう。
【0015】
その上、瞬時停電や瞬時電圧降下が生じた際には、昇圧チョッパ回路の出力電圧が低下し、高圧放電灯点灯装置の開路電圧、すなわち負荷を接続しない状態での装置の出力電圧が低下している。このため、極性反転時に再点弧電圧が生じると、高圧放電灯に十分な電圧を供給することができなくなり、高圧放電灯が点灯を維持できなくなる。
【0016】
このため、上記の特許文献1,2に示すものでは、平滑コンデンサ120の小型化を図ることができるものの、再点弧電圧によって高圧放電灯DL1が立ち消えてしまうという別の問題を生じており、高圧放電灯DL1の点灯維持という点では不十分である。
【0017】
なお、交流電源の瞬時的な電圧降下が検知されると、高圧放電灯DL1に矩形波交流が供給される通常点灯モードから、当該モードより周波数が低い矩形波交流が高圧放電灯DL1に供給される点灯維持モードに移行するものが特許文献3に開示されている。この特許文献3に示すものでは、点灯維持モード時において極性が固定された極性固定電流を高圧放電灯DL1に流すものが記載されている。しかしながら、この同一極性のみで高圧放電灯DL1の点灯維持を図るものでは、一方通行で片側の電極のみを酷使するため、片側の電極の消耗が早く、ランプ寿命に影響を与えるという問題がある。
【0018】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、瞬時停電や瞬時電圧降下などが生じても、立ち消えのリスクを高めることなく高圧放電灯の点灯を維持することのできる高圧放電灯点灯装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の高圧放電灯点灯装置は、交流電源より供給される交流電圧を直流電圧に変換する交直変換回路を有する直流電源部と、前記直流電源部より出力される直流電圧を所定の周波数で極性が反転する矩形波交流に変換して高圧放電灯に供給する出力部と、前記出力部を制御する制御部と、前記交流電源の電圧に基づく電圧、又は前記直流電源部の出力電圧の少なくとも一方を検出し、当該検出電圧が所定の閾値を下回ると異常が発生したと検知する異常検知部とを備え、前記制御部は、前記異常検知部により異常が検知されないときは、前記出力部から前記高圧放電灯に矩形波交流が供給されるように前記出力部を制御する第1のモードで制御を行い、前記異常検知部により異常が検知されると、前記第1のモードから、前記高圧放電灯での消費電力量が前記第1のモード時よりも少なく、且つ前記高圧放電灯に供給される電流の平均値よりも電流値が大きい第1の電流期間を極性反転前に有する交流電流が前記高圧放電灯に供給されるように前記出力部を制御する第2のモードに移行することを特徴とする。
【0020】
この高圧放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記第2のモード時において、前記高圧放電灯に供給される電流の平均値よりも電流値が大きい第2の電流期間を極性反転後に有する交流電流が前記高圧放電灯に供給されるように前記出力部を制御することが好ましい。
【0021】
この高圧放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記電流期間の電流値を増大させるように前記出力部を制御することが好ましい。
【0022】
この高圧放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記電流期間の割合を大きくさせるように前記出力部を制御することが好ましい。
【0023】
この高圧放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記高圧放電灯に供給される電流の平均値を低減させるように前記出力部を制御することが好ましい。
【0024】
この高圧放電灯点灯装置において、前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記高圧放電灯に供給される交流電流の周波数を小さくするように前記出力部を制御することが好ましい。
【0025】
この高圧放電灯点灯装置において、前記第2のモード時における前記電流期間の電流値は、前記第1のモード時において前記高圧放電灯に供給される電流の平均値以上であることが好ましい。
【0026】
この高圧放電灯点灯装置において、前記異常検知部は、前記検出電圧が前記所定の閾値を下回った後に、前記所定の閾値以上になると前記交流電源の瞬時的な電圧降下が終了したと判定し、前記制御部は、前記異常検知部により前記瞬時的な電圧降下が終了したと判定されると、前記第2のモードから前記第1のモードに移行することが好ましい。
【0027】
この高圧放電灯点灯装置において、前記所定の閾値は、通常時に得られる前記検出電圧より誤検知防止用の所定値だけ低い値であることが好ましい。
【0028】
本発明の照明器具は、上記何れかの高圧放電灯点灯装置と、前記高圧放電灯点灯装置により点灯される前記高圧放電灯が装着される器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、瞬時停電や瞬時電圧降下などが生じても、立ち消えのリスクを高めることなく高圧放電灯の点灯を維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a),(b)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態1を示す回路概略図である。
【図2】(a)〜(j)は同上の高圧放電灯点灯装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】(a),(b)は同上の高圧放電灯点灯装置の各モード時におけるランプ電流の波形図である。
【図4】(a)〜(j)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態2における動作を説明するための波形図である。
【図5】(a),(b)は同上の高圧放電灯点灯装置の各モード時におけるランプ電流の波形図である。
【図6】本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態3における動作を説明するための波形図である。
【図7】(a),(b)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流の波形図である。
【図8】本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態4における動作を説明するための波形図である。
【図9】(a),(b)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流の波形図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態5における動作を説明するための波形図である。
【図11】(a)〜(d)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流を説明するための図である。
【図12】(a)〜(c)は同上の高圧放電灯点灯装置における他の動作を説明するための波形図である。
【図13】(a)〜(e)は同上の高圧放電灯点灯装置の他の動作であって、第2のモード時におけるランプ電流を説明するための図である。
【図14】(a)〜(d)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態6における動作を説明するための波形図である。
【図15】(a)〜(d)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流を説明するための図である。
【図16】(a)〜(d)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態7における動作を説明するための波形図である。
【図17】(a)〜(d)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流を説明するための図である。
【図18】(a)〜(d)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態8における動作を説明するための波形図である。
【図19】(a)〜(d)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流を説明するための図である。
【図20】(a)〜(j)は本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態9における動作を説明するための波形図である。
【図21】(a),(b)は同上の高圧放電灯点灯装置の第2のモード時におけるランプ電流を説明するための図である。
【図22】(a)〜(c)は本発明に係る照明器具の実施形態を示す概略図である。
【図23】従来の高圧放電灯点灯装置を示す回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(実施形態1)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態1について図面を用いて説明する。本実施形態は、図1(a)に示すように、交流電源AC1より供給される交流電圧を直流電圧に変換する直流電源部1と、直流電源部1より出力される直流電圧を所定の周波数で極性が反転する矩形波交流に変換して高圧放電灯DL1に供給する出力部2とを備える。また、本実施形態は、出力部2を制御する制御部3と、交流電源AC1の瞬時的な電圧降下(すなわち、瞬時停電や瞬時電圧降下)を検知する異常検知部4とを備える。なお、本実施形態では、交流電源AC1として、周波数60Hz、実効値(公称値)100Vの商用交流電源を想定している。
【0032】
直流電源部1は、交流電源AC1より与えられる電源電圧である交流電圧(図2(a)参照)を直流電圧に変換する交直変換回路10と、交直変換回路10の出力を平滑化する平滑コンデンサC1とを有する。
【0033】
交直変換回路10は、交流電源AC1の交流電流を全波整流するダイオードブリッジ等の整流器10Aと、整流器10Aの出力電圧を所定値まで昇圧する昇圧チョッパ回路10Bとで構成される。昇圧チョッパ回路10Bは、整流器10Bの高電位側の出力端子に一端が接続され、他端がダイオードD1を介して平滑コンデンサC1の高電位側の端子に接続されたインダクタL1を有する。また、昇圧チョッパ回路10Bは、インダクタL1の他端と整流器10Aの低電位側の出力端子との間に挿入されたMOSFET等のスイッチング素子Q1を有する。なお、ダイオードD1のアノードはインダクタL1に、カソードは平滑コンデンサC1の高電位側の端子にそれぞれ接続される。
【0034】
また、直流電源部1は、昇圧チョッパ回路10Bのスイッチング素子Q1を制御する昇圧制御部11を備える。昇圧制御部11は、例えばマイクロコンピュータを主な構成要素とし、平滑コンデンサC1の両端間電圧である直流電源部1の出力電圧V2(図2(c)参照)が所定値となるように、スイッチング素子Q1のオン/オフ制御を実行する。なお、この種の昇圧チョッパ回路10Bについては従来周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0035】
出力部2は、直流電源部1の出力電圧を所定値まで降圧する降圧チョッパ回路20と、降圧チョッパ回路20の出力電圧を平滑化する平滑コンデンサC2と、インバータ回路(極性反転回路)21とを有する。
【0036】
降圧チョッパ回路20は、インダクタL2と、インダクタL2の一端と平滑コンデンサC1の高電位側の端子との間に挿入されたMOSFET等のスイッチング素子Q2とを有する。また、降圧チョッパ回路20は、インダクタL2の一端と整流器10Bの低電位側の出力端子との間に挿入されたダイオードD2を有する。なお、ダイオードD2のアノードは整流器10Aの低電位側の出力端子に、カソードはインダクタL2にそれぞれ接続される。
【0037】
インバータ回路21は、平滑コンデンサC2にそれぞれ並列に接続されたスイッチング素子Q3,Q4の直列回路、及びスイッチング素子Q5,Q6の直列回路より成るフルブリッジ回路を有する。このフルブリッジ回路では、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との接続点、スイッチング素子Q5とスイッチング素子Q6との接続点との間に高圧放電灯DL1が挿入される。
【0038】
ところで、スイッチング素子Q3とスイッチング素子Q4との接続点と、高圧放電灯DL1との間には、オートトランスより成るトランスL3の二次巻線N2が挿入される。トランスL3の一次巻線N1は、コンデンサC3及び抵抗R3の直列回路を介して整流器10Aの低電位側の出力端子に接続される。
【0039】
本実施形態における出力部2では、平滑コンデンサC2と、スイッチング素子Q3,Q4と、トランスL3と、コンデンサC3と、抵抗R3とによって、高圧放電灯DL1に始動電圧を与えるイグニッション回路(イグナイタ)IG1が構成される。このイグニッション回路IG1では、スイッチング素子Q3,Q4が高周波でオン/オフすることにより、一次巻線N1に発生する共振電圧を、二次巻線N2により昇圧することによって、高圧放電灯DL1に始動電圧を与える。なお、上記の高周波とは、例えばトランスL3の一次巻線N1とコンデンサC1とで構成される共振回路の共振周波数、或いは当該共振周波数の整数分の1となる周波数であって、本実施形態では、数十〜数百kHzである。また、上記の共振電圧の昇圧比は、一次巻線N1と二次巻線N2との巻線比により決定される。以上、イグニッション回路IG1の方式の例として共振方式を説明したが、パルス方式等の他の方式であっても構わない。なお、この種のイグニッション回路IG1については従来周知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
異常検知部4は、交流電源AC1の電圧に応じた電圧を検出し、検出した電圧(すなわち、検出電圧)が所定の閾値を下回ると、瞬時停電や瞬時電圧降下などの瞬時的な電圧降下が発生したと判定する。本実施形態における異常検知部4は、平滑コンデンサC1の両端間電圧である直流電源部1の出力電圧V2を検出する。そして、異常検知部4は、検出電圧(すなわち、出力電圧)V2が所定の閾値Vth1を下回ると、瞬時的な電圧降下が発生したと判定して制御部3に異常検知信号を出力する。また、異常検知部4は、異常検知信号を出力した後に検出電圧V2が閾値Vth1以上になると、瞬時的な電圧降下が終了したと判定して制御部3に復帰信号を出力する。
【0041】
このように、本実施形態における異常検知部4は、直流電源部1の出力電圧V2を検出し、出力電圧(検出電圧)V2が閾値Vth1を下回ると瞬時的な電圧降下が発生したと判定する。このため、コンパレータ等の簡単な回路構成で瞬時停電や瞬時電圧降下を検知することができる。
【0042】
ここで、本実施形態における閾値Vth1は、通常時に得られる検出電圧(出力電圧)V2より誤検知防止用の所定値だけ低い値としている。この誤検知防止用の所定値は、通常時の交流電源AC1の電圧変動による出力電圧V2の変動値よりも大きい値である。このような変動値は、実際の出力電圧V2の変動値を測定することによって得ることができ、本実施形態では、通常時の出力電圧V2の最低値と平滑コンデンサC1のリップル電圧を考慮して決定している。例えば、出力電圧V2が284±10Vであり、平滑コンデンサC1のリップル電圧幅が15Vである場合には、変動値を25Vとし、閾値Vth1は、259V(=284V−10V−15V)とする。このようにすれば、平滑コンデンサC1のリップル電圧や出力電圧V2のばらつきに起因する変動を、瞬時停電や瞬時電圧降下に起因する変動として誤検知してしまうことを抑制することができる。
【0043】
なお、異常検知部4は、図1(b)に示すように、交流電源AC1の電圧に応じた電圧として、整流器10Aの出力電圧を平滑した電圧V1(図2(b)参照)を検出し、この検出電圧V1と所定の閾値Vth1とをコンパレータ(図示せず)等で比較してもよい。この場合、異常検知部4は、検出電圧V1が所定の閾値Vth1を下回ると、瞬時的な電圧降下が発生したと判定して制御部3に異常検知信号を出力する。また、異常検知部4は、異常検知信号を出力した後に検出電圧V1が閾値Vth1以上になると、瞬時的な電圧降下が終了したと判定して制御部3に復帰信号を出力する。
【0044】
制御部3は、例えばマイクロコンピュータを主な構成要素とし、主として、降圧チョッパ回路20のスイッチング素子Q2、及びインバータ回路21のスイッチング素子Q3〜Q6のオン/オフ制御を行う。なお、各スイッチング素子Q2〜Q6の制御は、制御部3よりPWM信号を与えることによって行う。
【0045】
制御部3は、図2(d)に示すように、スイッチング素子Q2のオン/オフを制御し、これによって図2(i)に示すように、インダクタL2に三角波の電流I2を流す。この電流I2は、平滑コンデンサC2により平滑化されて、ランプ電流IL1(図2(j)参照)として高圧放電灯DL1に供給される。ここで、ランプ電流IL1の極性は、インバータ回路21のスイッチング素子Q3〜Q6のオン/オフ状態によって決定される。本実施形態では、図2(e)〜(h)に示すように、スイッチング素子Q3,Q6がオン、スイッチング素子Q4,Q5がオフであればランプ電流IL1の極性が正となる。また、スイッチング素子Q3,Q6がオフ、スイッチング素子Q4,Q5がオンであればランプ電流IL1の極性が負となる。
【0046】
ここで、高圧放電灯DL1は、絶縁破壊を起こした後に、グロー放電を経てアーク放電が開始され、その後に発光管内の温度が均一化されて安定した状態となった時点で、ランプ電圧がほぼ一定になるという特性を有するものである。すなわち、高圧放電灯DL1を点灯させるためには、絶縁破壊を生じさせる必要がある。
【0047】
そのため、制御部3は、高圧放電灯DL1を点灯させる際に、イグニッション回路IG1により高圧放電灯DL1の電極間に始動電圧が印加されるように、インバータ回路21のスイッチング素子Q3,Q4を高周波でオン/オフ制御する始動モードで動作する。高圧放電灯DL1で絶縁破壊が生じた後には、制御部3は、出力部2から高圧放電灯DL1に矩形波交流が供給されるように出力部2を制御する第1のモード(通常点灯モード)で動作する。
【0048】
この第1のモード時において、制御部3は、前述のようにスイッチング素子Q3,Q6の組、及びスイッチング素子Q4,Q5の組をオン/オフする制御を所定周期で交互に繰り返す。これによって、図2(j)に示すように、ランプ電流IL1を所定周波数の矩形波交流に変換して高圧放電灯DL1に供給し、高圧放電灯DL1を安定点灯させる。
【0049】
ここで、制御部3は、第1のモードでの動作時に、異常検知部4から異常検知信号を受け取ると(すなわち、異常検知部4により瞬時的な電圧降下が検知されると)、第1のモードから第2のモード(点灯維持モード)に移行する。第2のモードでは、制御部3は、高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なく、且つ電流値が大きい第1の電流期間T1をランプ電流IL1の極性反転前に有する交流電流が高圧放電灯DL1に供給されるように出力部2を制御する。
【0050】
第1のモード時におけるランプ電流IL1の波形と、第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形とをそれぞれ図3(a),(b)に示す。図3(b)に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1は、極性反転前の第1の電流期間T1と、その他の期間T0の2つの期間に区切られる。制御部3は、第2のモード時において、ランプ電流IL1の平均値Im2が第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1よりも小さくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を第1のモード時よりも大きくする制御を行う(図2(d)参照)。また、制御部3は、第2のモード時の第1の電流期間T1において、スイッチング素子Q2の駆動周波数を第1のモード時よりも小さくする制御を行う(図2(d)参照)。これにより、第2のモード時の第1の電流期間T1において、ランプ電流IL1の電流値IT1が平均値Im2よりも大きくなる(図2(i),(j)、及び図3(b)参照)。
【0051】
なお、第2のモード時では、高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少ないことから、高圧放電灯DL1の電極の温度が低下する。このため、ランプ電流IL1の極性反転前の第1の電流期間T1において、当該電極の温度を十分に加熱するためには、その電流値IT1は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。本実施形態では、IT1=Im1とする。
【0052】
また、第2のモード時において、放電灯の種類や点灯装置の性能にも依るが、高圧放電灯DL1に供給する電力が少なすぎると、高圧放電灯DL1は点灯を維持できず、立ち消えする可能性がある。そこで、本実施形態では、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2を、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1の50%、すなわち、Im2=Im1×1/2とする。
【0053】
そして、制御部3は、第2のモードでの動作時に、異常検知部4より復帰信号を受け取ると(すなわち、異常検知部4により瞬時的な電圧降下が終了したと判定されると)、第2のモードから第1のモードに移行する。
【0054】
以下、本実施形態の動作、特に交流電源AC1に瞬時停電や瞬時電圧降下が生じた際の動作について図2(a)〜(j)を用いて説明する。
【0055】
先ず、制御部3が第1のモードで動作している場合、制御部3は、図2(d)に示すようにスイッチング素子Q2のオン/オフを制御するとともに、図2(e)〜(h)に示すようにスイッチング素子Q3〜Q6のオン/オフを制御する。これにより、図2(i),(j)に示すように、高圧放電灯DL1に所定周波数の矩形波交流を供給する。
【0056】
ここで、交流電源AC1が瞬時停電した場合(図2(a)における時刻t1)、整流器10Aの高電位側の出力端子の電位は低下し、これに伴って直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2も低下する(図2(b)参照)。そして、検出電圧V2が閾値Vth1を下回ると(図2(a)における時刻t2)、異常検知部4は制御部3に異常検知信号を出力する。異常検知信号を受け取った制御部3は、第1のモードから第2のモードに移行する。そして、制御部3は、高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なく、且つランプ電流IL1の極性反転前に第1の電流期間T1を有する交流電流が高圧放電灯DL1に供給されるように出力部2を制御する。
【0057】
その後、交流電源AC1が瞬時停電から復帰すると(図2(a)における時刻t3)、整流器10Aの高電位側の出力端子の電位は上昇し、これに伴って直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2も上昇する(図2(b)参照)。そして、検出電圧V2が閾値Vth1以上になると(図2(a)における時刻t4)、異常検知部4は制御部3に復帰信号を出力する。復帰信号を受け取った制御部3は、第2のモードから第1のモードに移行する。なお、第2のモードと第1のモードとの間の移行は、次のスイッチング素子Q3〜Q6のスイッチング時から行うようにしてもよい。
【0058】
上述のように、本実施形態では、瞬時停電や瞬時電圧降下などが生じたときに、制御部3が通常点灯モードである第1のモードから点灯維持モードである第2のモードに移行する。そして、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2を第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1よりも小さくすることで、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転前に第1の電流期間T1を設け、この第1の電流期間T1において平均値Im2よりも大きい電流値IT1の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、高圧放電灯DL1の電極を加熱し、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを低減することができる。
【0059】
すなわち、本実施形態では、瞬時停電や瞬時電圧降下などが生じても、立ち消えのリスクを高めることなく高圧放電灯DL1の点灯を維持することができる。また、本実施形態では、直流電源部1に設けられる平滑コンデンサC1の容量を大きくする必要がないため、全体として小型化を図ることができる。
【0060】
(実施形態2)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態2について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1と共通であるので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図4,5に示すように、第2のモード時において、電流値が大きい第2の電流期間T2をランプ電流IL1の極性反転後に有する交流電流が高圧放電灯DL1に供給されるように、制御部3が出力部2を制御する。
【0061】
第1のモード時におけるランプ電流IL1の波形と、第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形とをそれぞれ図5(a),(b)に示す。図5(b)に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1は、極性反転前の第1の電流期間T1と、極性反転後の第2の電流期間T2と、その他の期間T0の3つの期間に区切られる。制御部3は、第2のモード時において、ランプ電流IL1の平均値Im2が第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1よりも小さくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を第1のモード時よりも大きくする制御を行う(図4(d)参照)。また、制御部3は、第2のモード時の第1の電流期間T1及び第2の電流期間T2において、それぞれスイッチング素子Q2の駆動周波数を第1のモード時よりも小さくする制御を行う(図4(d)参照)。これにより、第2のモード時の第1の電流期間T1だけではなく、第2の電流期間T2においても、ランプ電流IL1の電流値IT2が平均値Im2よりも大きくなる(図2(i),(j)、及び図5(b)参照)。
【0062】
なお、第2のモード時では、高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少ないことから、高圧放電灯DL1の電極の温度が低下する。このため、ランプ電流IL1の極性反転前後の各電流期間T1,T2において、当該電極の温度を十分に加熱するためには、各電流値IT1,IT2は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。本実施形態では、IT1=IT2=Im1とする。
【0063】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転後に第2の電流期間T2を設け、この第2の電流期間T2において平均値Im2よりも大きい電流値IT2の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、極性反転前のみならず反転後においても高圧放電灯DL1の電極を加熱することができる。したがって、極性反転時における休止期間を短縮して放電を安定に保ち、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを実施形態1よりも更に低減することができる。
【0064】
(実施形態3)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態3について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図6に示すように、第2のモード時において、高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1が、その極性反転後から極性反転前にかけて時間の経過に伴って増大するように、制御部3が出力部2を制御する。
【0065】
制御部3は、第2のモード時において、スイッチング素子Q2の駆動周波数が時間の経過に伴って連続的に小さくなるように制御することで、インダクタL2を流れる電流I2のピーク値を連続的に増大させる。これにより、第2のモード時におけるランプ電流IL1は、時間の経過に伴って連続的に増大する。ここで、制御部3は、図6に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2が、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1よりも小さくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。これにより、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。なお、極性反転前に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、第1の電流期間T1におけるランプ電流IL1の電流値IT1は、その最大値が第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上となるように設定するのが望ましい。
【0066】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転前に第1の電流期間T1を設け、この第1の電流期間T1において平均値Im2よりも大きい電流値IT1の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、高圧放電灯DL1の電極を加熱し、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを低減することができる。
【0067】
なお、図7(a)に示すように、第2のモード時において、期間T0における前半の一定期間のみランプ電流IL1が連続的に変化するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御してもよい。また、図7(b)に示すように、第2のモード時において、第1の電流期間T1及び期間T0における後半の一定期間のみランプ電流IL1が連続的に変化するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御してもよい。何れの場合においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0068】
(実施形態4)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態4について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図8に示すように、第2のモード時の各電流期間T1,T2において、高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1が時間の経過に伴って変化するように、制御部3が出力部2を制御する。
【0069】
制御部3は、期間T0の後半の一定期間及び第1の電流期間T1の前半の一定期間において、スイッチング素子Q2の駆動周波数が時間の経過に伴って連続的に小さくなるように制御する。これにより、インダクタL2を流れる電流I2のピーク値が時間の経過に伴って連続的に増大するので、当該期間におけるランプ電流IL1は、時間の経過に伴って連続的に増大する。また、制御部3は、第2の電流期間T2の後半の一定期間及び期間T0の前半の一定期間において、スイッチング素子Q2の駆動周波数が時間の経過に伴って連続的に大きくなるように制御する。これにより、インダクタL2を流れる電流I2のピーク値が時間の経過に伴って連続的に減少するので、当該期間におけるランプ電流IL1は、時間の経過に伴って連続的に減少する。
【0070】
ここで、制御部3は、図8に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2が、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1よりも小さくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。これにより、実施形態2と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。なお、極性反転前後に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、各電流期間T1,T2におけるランプ電流IL1の電流値IT1,IT2は、その最大値が第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上となるように設定するのが望ましい。
【0071】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、実施形態2と同様に、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転後に第2の電流期間T2を設け、この第2の電流期間T2において平均値Im2よりも大きい電流値IT2の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、極性反転前のみならず反転後においても高圧放電灯DL1の電極を加熱することができる。したがって、極性反転時における休止期間を短縮して放電を安定に保ち、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを実施形態1よりも更に低減することができる。
【0072】
なお、図9(a)に示すように、第2のモード時において、第2の電流期間T2及び期間T0における前半の一定期間のみランプ電流IL1が連続的に変化するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御してもよい。また、図9(b)に示すように、第2のモード時において、各電流期間T0〜T2に亘ってランプ電流IL1が非線形に変化するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御してもよい。何れの場合においても、実施形態2と同様の効果を奏することができる。
【0073】
(実施形態5)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態5について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図10,図12に示すように、第2のモード時において、直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2が低下するにつれて各電流期間T1,T2における電流値IT1,IT2を増大させるように、制御部3が出力部2を制御する。
【0074】
先ず、第2のモード時において第1の電流期間T1を設けた場合について説明する。
【0075】
第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形を図11(a)に示し、第2のモード時における各パラメータの出力電圧V2に対する変化を図11(b)〜(d)にそれぞれ示す。制御部3は、図10,図11(d)に示すように、出力電圧V2が低下するにつれて第1の電流期間T1におけるランプ電流IL1の電流値IT1が増大するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。また、極性反転前に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、第1の電流期間T1におけるランプ電流IL1の電流値IT1は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。
【0076】
次に、第2のモード時において第1の電流期間T1及び第2の電流期間T2を設けた場合について説明する。
【0077】
第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形を図13(a)に示し、第2のモード時における各パラメータの出力電圧V2に対する変化を図13(b)〜(e)にそれぞれ示す。制御部3は、図12、及び図13(d),(e)に示すように、出力電圧V2が低下するにつれて各電流期間T1,T2の電流値IT1,IT2が増大するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。また、極性反転前後に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、各電流期間T1,T2におけるランプ電流IL1の電流値IT1,IT2は、何れも第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。なお、図13(d),(e)の実線及び破線で示すように、各電流期間T1,T2の電流値IT1,IT2のうち、少なくとも何れか一方の電流値を出力電圧V2の低下に伴って増大させるように制御すればよい。
【0078】
ここで、図10,図12には図示していないが、期間T0におけるランプ電流IL1の電流値IT0は、出力電圧V2の低下に伴って減少するように制御部3によって制御される(図11(c),図13(c)参照)。これにより、本実施形態では、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1の50%、すなわち、Im2=Im1×1/2となるように制御される(図11(b),図13(b)参照)。したがって、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。
【0079】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、第2のモード時において、出力電圧V2が低下するにつれて各電流期間T1,T2の電流値IT1,IT2を増大させているので、出力電圧V2が低下していても高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱することができる。したがって、極性反転時における休止期間を短縮して放電を安定に保ち、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを実施形態1よりも更に低減することができる。
【0080】
(実施形態6)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態6について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図14,図15に示すように、第2のモード時において、直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2が低下するにつれて第1の電流期間T1の割合を大きくさせるように、制御部3が出力部2を制御する。
【0081】
第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形を図15(a)に示し、第2のモード時における各パラメータの出力電圧V2に対する変化を図15(b)〜(d)にそれぞれ示す。制御部3は、図14,図15(c)に示すように、出力電圧V2が低下するにつれて第1の電流期間T1の割合が大きくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。また、極性反転前に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、第1の電流期間T1におけるランプ電流IL1の電流値IT1は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。
【0082】
ここで、図14(d)には図示していないが、期間T0におけるランプ電流IL1の電流値IT0は、出力電圧V2の低下に伴って減少するように制御部3によって制御される(図15(d)参照)。これにより、本実施形態では、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1の50%、すなわち、Im2=Im1×1/2となるように制御される(図15(b)参照)。したがって、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。
【0083】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、第2のモード時において、出力電圧V2が低下するにつれて第1の電流期間T1の割合を大きくしているので、出力電圧V2が低下していても高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱することができる。したがって、極性反転時における再点弧電圧の発生を抑制することができ、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを実施形態1〜4よりも更に低減することができる。
【0084】
なお、第2のモード時において、第1の電流期間T1と併せて第2の電流期間T2を設け、出力電圧V2が低下するにつれて第2の電流期間T2の割合が大きくなるように、制御部3が出力部2を制御してもよい。この場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
【0085】
(実施形態7)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態7について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図16,図17に示すように、第2のモード時において、直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2が低下するにつれて高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1の平均値Im2を低減させるように、制御部3が出力部2を制御する。
【0086】
第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形を図17(a)に示し、第2のモード時における各パラメータの出力電圧V2に対する変化を図17(b)〜(d)にそれぞれ示す。制御部3は、図16に示すように、出力電圧V2が低下するにつれて期間T0におけるランプ電流IL1の電流値IT0が低減するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。これにより、図17(c)に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以下に制御される。したがって、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。
【0087】
なお、図17(d)に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2は、その最小値を第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1の50%に設定してもよい。また、極性反転前後に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、各電流期間T1,T2におけるランプ電流IL1の電流値IT1,IT2は、何れも第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。
【0088】
ここで、第2のモード時において高圧放電灯DL1に供給するランプ電流を急激に変化させると、点灯状態が一時的に不安定となって再点弧電圧が上昇し、高圧放電灯DL1が立ち消えする虞がある。そこで、本実施形態では、上記のように、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2を、急激に変化させるのではなく出力電圧V2の低下に従って徐々に低減させている。したがって、高圧放電灯DL1の点灯状態が不安定になるのを抑制することができ、高圧放電灯DL1の立ち消えを防止することができる。
【0089】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、実施形態2と同様に、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転後に第2の電流期間T2を設け、この第2の電流期間T2において平均値Im2よりも大きい電流値IT2の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、極性反転前のみならず反転後においても高圧放電灯DL1の電極を加熱することができる。したがって、極性反転時における休止期間を短縮して放電を安定に保ち、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを実施形態1よりも更に低減することができる。
【0090】
更に、本実施形態では、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2を出力電圧V2の低下に従って低減させている。これにより、ランプ電流IL1の急激な変化に伴って高圧放電灯DL1の点灯状態が不安定になるのを防ぐことができる。したがって、極性反転時に出力電圧V2が低下していたとしても、高圧放電灯DL1の立ち消えのリスクを実施形態1〜4よりも更に低減することができる。
【0091】
(実施形態8)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態8について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図18,図19に示すように、第2のモード時において、直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2が低下するにつれて高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1の平均値Im2を低減させるように、制御部3が出力部2を制御する。また、本実施形態は、第2のモード時において、直流電源部1の出力電圧V2が低下するにつれて第1の電流期間T1の割合を小さくするように、制御部3が出力部2を制御する。
【0092】
第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形を図19(a)に示し、第2のモード時における各パラメータの出力電圧V2に対する変化を図19(b)〜(d)にそれぞれ示す。制御部3は、図18に示すように、第2のモード時において、期間T0におけるランプ電流IL1の電流値IT0が時間の経過に伴って線形的に増大するように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。また、制御部3は、図18に示すように、第2のモード時において、出力電圧V2が低下するにつれて第1の電流期間T1の割合が小さくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する(図19(d)参照)。これにより、図19(c)に示すように、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以下に制御される。したがって、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。
【0093】
なお、極性反転前に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、第1の電流期間T1におけるランプ電流IL1の電流値IT1は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい(図19(b)参照)。
【0094】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転前に第1の電流期間T1を設け、この第1の電流期間T1において平均値Im2よりも大きい電流値IT1の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、高圧放電灯DL1の電極を加熱し、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを低減することができる。
【0095】
更に、本実施形態では、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2を出力電圧V2の低下に従って低減させている。これにより、ランプ電流IL1の急激な変化に伴って高圧放電灯DL1の点灯状態が不安定になるのを防ぐことができる。したがって、極性反転時に出力電圧V2が低下していたとしても、高圧放電灯DL1の立ち消えのリスクを実施形態1〜4よりも更に低減することができる。
【0096】
なお、第2のモード時において、第1の電流期間T1と併せて第2の電流期間T2を設け、出力電圧V2が低下するにつれて第2の電流期間T2の割合が小さくなるように、制御部3が出力部2を制御してもよい。この場合でも、上記と同様の効果を奏することができる。
【0097】
(実施形態9)
以下、本発明に係る高圧放電灯点灯装置の実施形態9について図面を用いて説明する。但し、本実施形態の基本的な構成、始動モード時の動作、第1のモード時の動作は実施形態1,2と共通であり、第2のモード時における動作についても一部共通するので、共通する点については説明を省略する。本実施形態は、図20,図21に示すように、第2のモード時において、直流電源部1の出力電圧(検出電圧)V2が低下するにつれて高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1(交流電流)の周波数f2が小さくなるように、制御部3が出力部2を制御する。
【0098】
第2のモード時におけるランプ電流IL1の波形を図21(a)に示し、第2のモード時におけるランプ電流IL1の周波数f2の出力電圧V2に対する変化を図21(b)に示す。なお、図21(b)における「f1」は、第1のモード時における高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1の周波数である。制御部3は、図20(e)〜(h)に示すように、第2のモード時において、出力電圧V2が低下するにつれて各スイッチング素子Q3〜Q6の駆動周波数が小さくなるように制御する。これにより、図20(j),図21(b)に示すように、高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1の周波数f2は、出力電圧V2が低下するにつれて小さくなる。
【0099】
また、制御部3は、第2のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im2が、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1よりも小さくなるように、スイッチング素子Q2の駆動周波数を制御する。これにより、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量が第1のモード時よりも少なくなる。なお、極性反転前に高圧放電灯DL1の電極を十分に加熱するために、第1の電流期間T1におけるランプ電流IL1の電流値IT1は、第1のモード時におけるランプ電流IL1の平均値Im1以上に設定するのが望ましい。
【0100】
上述のように、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時における高圧放電灯DL1での消費電力量を第1のモード時よりも少なくしている。これにより、本実施形態では、第2のモード時において高圧放電灯DL1の点灯の維持を図ることができる。また、本実施形態では、実施形態1と同様に、第2のモード時においてランプ電流IL1の極性反転前に第1の電流期間T1を設け、この第1の電流期間T1において平均値Im2よりも大きい電流値IT1の交流電流を高圧放電灯DL1に供給している。これにより、本実施形態では、高圧放電灯DL1の電極を加熱し、極性反転時の再点弧電圧の発生による立ち消えのリスクを低減することができる。
【0101】
更に、本実施形態では、第2のモード時において、出力電圧V2が低下するにつれて高圧放電灯DL1に供給されるランプ電流IL1の周波数f2を小さくしている。これにより、単位時間当たりの極性反転数を減少させることができるので、極性反転時の立ち消えのリスクを実施形態5よりも更に低減させることができる。
【0102】
上記各実施形態の高圧放電灯点灯装置は、例えば図22(a)〜(c)に示すような照明器具に採用することができる。図22(a)〜(c)に示す照明器具は、上記各実施形態の何れかの高圧放電灯点灯装置が収納される電子バラスト5と、当該高圧放電灯点灯装置により点灯される高圧放電灯DL1が装着される器具本体6とを備えている。なお、図22(a)に示す照明器具はダウンライトであり、図22(b),(c)に示す照明器具はスポットライトである。
【0103】
このような照明器具によれば、瞬時停電や瞬時電圧降下などが生じても、立ち消えのリスクを高めることなく高圧放電灯DL1の点灯を維持することができる。なお、これらの照明器具は単独で用いるのみならず、複数を組み合わせて照明システムを構築してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1 直流電源部
10 交直変換回路
2 出力部
3 制御部
4 異常検知部
AC1 交流電源
DL1 高圧放電灯


【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源より供給される交流電圧を直流電圧に変換する交直変換回路を有する直流電源部と、前記直流電源部より出力される直流電圧を所定の周波数で極性が反転する矩形波交流に変換して高圧放電灯に供給する出力部と、前記出力部を制御する制御部と、前記交流電源の電圧に基づく電圧、又は前記直流電源部の出力電圧の少なくとも一方を検出し、当該検出電圧が所定の閾値を下回ると異常が発生したと検知する異常検知部とを備え、前記制御部は、前記異常検知部により異常が検知されないときは、前記出力部から前記高圧放電灯に矩形波交流が供給されるように前記出力部を制御する第1のモードで制御を行い、前記異常検知部により異常が検知されると、前記第1のモードから、前記高圧放電灯での消費電力量が前記第1のモード時よりも少なく、且つ前記高圧放電灯に供給される電流の平均値よりも電流値が大きい第1の電流期間を極性反転前に有する交流電流が前記高圧放電灯に供給されるように前記出力部を制御する第2のモードに移行することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2のモード時において、前記高圧放電灯に供給される電流の平均値よりも電流値が大きい第2の電流期間を極性反転後に有する交流電流が前記高圧放電灯に供給されるように前記出力部を制御することを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記電流期間の電流値を増大させるように前記出力部を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記電流期間の割合を大きくさせるように前記出力部を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記高圧放電灯に供給される電流の平均値を低減させるように前記出力部を制御することを特徴とする請求項1又は2記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2のモード時において、前記直流電源部の出力電圧が低下するにつれて前記高圧放電灯に供給される交流電流の周波数を小さくするように前記出力部を制御することを特徴とする請求項5記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項7】
前記第2のモード時における前記電流期間の電流値は、前記第1のモード時において前記高圧放電灯に供給される電流の平均値以上であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項8】
前記異常検知部は、前記検出電圧が前記所定の閾値を下回った後に、前記所定の閾値以上になると前記交流電源の瞬時的な電圧降下が終了したと判定し、前記制御部は、前記異常検知部により前記瞬時的な電圧降下が終了したと判定されると、前記第2のモードから前記第1のモードに移行することを特徴とする請求項7記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項9】
前記所定の閾値は、通常時に得られる前記検出電圧より誤検知防止用の所定値だけ低い値であることを特徴とする請求項8記載の高圧放電灯点灯装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の高圧放電灯点灯装置と、前記高圧放電灯点灯装置により点灯される前記高圧放電灯が装着される器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−243621(P2012−243621A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113508(P2011−113508)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】