説明

高彩度と多重色相を有する真珠光沢顔料及びその製造方法

【課題】既存には得られなかった高輝度、高彩度及び高光沢特性を得ることができ、多重色相を有する真珠光沢顔料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】フレーク基質と、透明基質の上部に被覆された第1の金属酸化物層と、前記第1の金属酸化物層の上部に被覆されたMgO・SiO2を含む酸化物層と、前記酸化物層の上部に被覆された第2の金属酸化物層とを含む真珠光沢顔料及びその製造法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層にコーティングされる真珠光沢顔料に関するもので、多層に交差してコーティングされた多数の層のうち低屈折層をMgO・SiO2を使用して形成することによって、高輝度、高光沢及び高彩度特性を得ることができ、多重色相顔料を容易に具現できるようにする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多層にコーティングされる真珠光沢顔料は、透明基質層の上部に形成される低屈折層及び高屈折層を含む。
【0003】
このとき、既存の真珠光沢顔料の場合は、低屈折層をSiO2のみを用いて形成していた。
【0004】
ここで、低屈折層の厚さを過度に薄く形成すると、低輝度及び低光沢特性が表れる。したがって、輝度及び光沢特性を改善するためには低屈折SiO2層を厚く形成しなければならないが、低屈折層の厚さが増加すると、クラックの発生確率が高くなり、単一色相のみを具現するなどの限界を示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、多層にコーティングされる真珠光沢顔料にMgO・SiO2を含む低屈折層を形成することによって、高輝度、高光沢及び高彩度特性を得ることができ、多重色相の顔料を具現することを目的とする。
【0006】
さらに、本発明は、MgO・SiO2の添加量を増加させることによって、低屈折層の厚さを増加させなくても多重色相の顔料を製作できるようにし、クラックなどの不良発生を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例に係る真珠光沢顔料の製造方法は、(a)合成雲母、天然雲母、ガラス、板状酸化鉄、板状アルミナ及び板状シリカのうち一つ以上を含むフレーク基質を脱イオン水(DI water)に混合した後、撹拌及び分散させることによって懸濁液を形成すること、(b)前記(a)段階の懸濁液に第1の可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、第1の可溶性無機金属塩溶液を加水分解させることによって前記フレークの表面に第1の金属酸化物層を被覆させること、(c)前記(b)段階の懸濁液にMgO・SiO2を含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、可溶性無機塩溶液を加水分解させることによって前記第1の金属酸化物層の表面に酸化物層を被覆させること、及び(d)前記(c)段階の懸濁液に前記第2の可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、第2の可溶性無機金属塩溶液を加水分解させることによって前記酸化物層の表面に第2の金属酸化物層を被覆させることを含むことを特徴とする。
【0008】
併せて、本発明の一実施例に係る真珠光沢顔料は、フレーク基質と、前記基質の上部に被覆された第1の金属酸化物層と、前記第1の金属酸化物層の上部に被覆されたMgO・SiO2を含む酸化物層と、前記酸化物層の上部に被覆された第2の金属酸化物層とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る真珠光沢顔料の製造方法は、低屈折層をMgO・SiO2を使用して形成することによって、薄い厚さを有しながらも高輝度及び高光沢を具現できるという効果を有する。
【0010】
さらに、低屈折層の厚さを増加させなくてもよいので、高彩度特性を有し、多重色相を有する真珠光沢顔料を容易に製造できるという効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来技術に係る真珠光沢顔料のSiO2酸化物層にクラックが発生したことを示したSEM写真である。
【図2】本発明に係る真珠光沢顔料のMgO・SiO2酸化物層を示したSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の利点、特徴及びそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に説明する各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現可能である。本実施例は、本発明の開示が完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるもので、本発明は、特許請求の範囲の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を示す。
【0013】
以下、本発明に係る真珠光沢顔料及びその製造方法について詳細に説明する。
【0014】
本発明の一実施例に係る真珠光沢顔料の製造方法は、懸濁液形成段階、第1の金属酸化物層形成段階、MgO・SiO2層形成段階、及び第2の金属酸化物層形成段階を含む。
【0015】
懸濁液形成
【0016】
まず、懸濁液形成段階では、基質として使用される一定の大きさのフレークを脱イオン水に混合した後、撹拌及び分散させて懸濁液を形成する。
【0017】
このとき、フレークとしては、粒径の大きさが5〜250μmである板状のものを使用することが望ましい。粒径の大きさが5μm未満である場合は、基質の表面に物質がコーティングされながら、コーティング厚さが増加するほど板状基質が徐々に球体の形態に変化するようになる。すなわち、角形比が減少するが、角形比が減少する場合、乱反射によって光の散乱をもたらすようになり、一定に同一の屈折率を有する同一の色相を表すことが不可能になる。
【0018】
一方、板状型のフレークの粒径が250μmを超える場合、コーティングされる表面積が増加するので、色相を具現するためのコーティング層の構成が難しくなる。
【0019】
このような基質としては、合成雲母(Mica)、天然雲母、ガラス、板状酸化鉄、板状アルミナ及び板状シリカのうち一つ以上が使用される。
【0020】
そして、懸濁液内には、前記基質固体が5〜20重量%の含有量になるように混合されることが望ましい。
【0021】
固体の含有量が5重量%未満である場合は、後続する酸化層形成反応が生じないか、不充分になるおそれがある。また、固体の含有量が20重量%を超える場合は、反応効率が低下するおそれがある。
【0022】
以上のように顔料製造のための懸濁液が形成されたら、まず、懸濁液の温度を60〜90℃に昇温させる。このように懸濁液を加熱する理由は、懸濁液の温度が60℃未満である場合、コーティング状態が均一でなく、コーティングされる物質の大きさ及び形態が非常に不規則になり、また、懸濁液の温度が90℃を超えると、コーティングのための反応が激しく生じ、粗いコーティング層が形成されるおそれがあるためである。
【0023】
ここで、前記のように、コーティング層の状態が不安定である場合、顔料が高い彩度を有することが不可能であるので、前記のような温度範囲を維持することが望ましい。併せて、このような温度範囲は、以下の第1及び第2の金属酸化物層及び酸化物層を形成する全ての反応に同一に適用させる。
【0024】
第1の金属酸化物層形成
【0025】
以上のように懸濁液製造及び昇温段階を終了させたら、その次に、懸濁液に第1の可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、第1の可溶性無機金属塩溶液を加水分解させることによって前記フレークの表面に第1の金属酸化物層を被覆させる段階を行う。
【0026】
このとき、無機金属塩は、SnCl4、TiCl4、TiOCl2、TiOSO4、FeCl3、FeSO4、SiCl4、ZrOCl2、Na2O・SiO2・5H2O、MnCl2、MgCl2、AlCl3及びCoCl2から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなるものを含む。
【0027】
そして、前記無機金属塩が溶解されている第1の可溶性無機金属塩溶液は、懸濁液に一滴ずつ落としながら加水分解を行わせる。
【0028】
このとき、懸濁液のpH値は1〜9にする。pHが1未満になると、第1の金属酸化物層のコーティングが正常に行われず、pHが9を超える場合は、コーティング物質が均一でなく、非常に不規則な大きさと形態を有するようになる。したがって、コーティングが非常に粗い状態になるので、顔料が高い彩度を有することが不可能になる。
【0029】
併せて、前記pH値が一定に維持された状態で溶液注入を完了した後、懸濁液を10分〜30分間還流させる工程を行う。
【0030】
このとき、pH値は、前記基質の表面に形成される第1の金属酸化物層の被覆率が1〜50%になる程度に一定に維持させ、還流工程は、反応pHによる衝撃を減少させ、コーティングされる物質を充分に表面にコーティングさせる。
【0031】
したがって、還流時間が10分未満になる場合、十分な被覆率を得ることができず、基質に衝撃が加えられることによってクラックを誘発させるおそれがある。また、還流時間が30分を超える場合は、撹拌による基質自体の割れやコーティング層の分離現象が表れるおそれがある。
【0032】
MgO・SiO2層形成
【0033】
前記のような工程によって基質の表面に第1の金属酸化物層が被覆された固体が混合されている懸濁液の温度を再び60〜90℃に昇温させる。このとき、前記温度範囲は、上述したように最適なコーティング層を形成するための温度範囲である。
【0034】
次に、昇温された懸濁液にMgO・SiO2を含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、可溶性無機塩溶液を加水分解させることによって前記第1の金属酸化物層の表面にMgO・SiO2を被覆させる。本発明では、MgO・SiO2が単独で形成されたり、又はMgO・SiO2と異なる酸化物と共に被覆されて形成された層を酸化物層という。
【0035】
このとき、前記可溶性無機塩溶液としては、水ガラス、MgCl2、珪酸塩、AlCl3、KCl3及びホウ酸から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなるものを使用する。
【0036】
そして、懸濁液のpH値は4〜14にする。pHが4未満になると、酸化物層のコーティングが正常に行われず、コーティング物質は、均一でない非常に不規則な大きさと形態を有するようになり、顔料が高い彩度を有することが不可能になる。
【0037】
併せて、前記pH値が一定に維持された状態で溶液注入を完了した後、懸濁液を30分〜60分間還流させる工程を行う。
【0038】
このとき、pH値は、前記基質の表面に形成される酸化物層の被覆率が、高彩度及び高光沢顔料の場合は1〜30%になり、多重色相顔料の場合は30〜90%になるように調節することが望ましい。
【0039】
多重色相を使用する場合は、光沢顔料よりも最大3倍まで酸化物層の被覆率が増加するが、これによって、高光沢及び高彩度特性を有する顔料の場合と多重色相を有する顔料の場合に対する酸化物層の全体重量の比率が変化するようになる。
【0040】
高光沢及び高彩度特性を有する顔料は、全体の完成形態の顔料を基準にして総重量に対して5〜10重量%の比率である場合に最適な性能を有する。すなわち、酸化物層が形成された比率が全体の顔料の総重量の5重量%未満である場合は高光沢特性が低下し、酸化物層の比率が10重量%を超える場合は高彩度特性が低下した。
【0041】
併せて、多重色相を有する顔料は、全体の完成形態の顔料を基準にして総重量に対して5〜35重量%の比率である場合に最適な性能を有する。すなわち、酸化物層が形成された比率が全体の顔料の総重量の5重量%未満である場合は単一色に表れるという問題があり、酸化物層の比率が35重量%を超える場合は色変化特性が低下した。
【0042】
したがって、本発明に係る酸化層の望ましい含量の比率は5〜35重量%であるが、これに制限されるものではなく、基質の種類、コーティングされる物質及びコーティング厚さなどによって変化し得る。
【0043】
以上のように形成された本発明の酸化物層は、MgO・SiO2を主要な構成にし、SiO2、MgO・Al23、K2O・SiO2及びMg2SiO4から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなるものをさらに含むことができる。
【0044】
このような酸化物層は、顔料で低屈折層の役割をし、既存のSiO2のみを形成する場合に発生していたクラックなどの問題を解決することができる。
【0045】
図1は、従来技術に係る真珠光沢顔料のSiO2酸化物層にクラックが発生したことを示したSEM写真である。
【0046】
図1を参照すると、SiO2酸化物層の組織が緻密に形成されておらず、中心部にクラックが発生したことが分かる。
【0047】
一方、本発明に係るMgO・SiO2酸化物層の場合、このような問題が発生しないが、その一例を示すと次の通りである。
【0048】
図2は、本発明に係る真珠光沢顔料のMgO・SiO2酸化物層を示したSEM写真である。
【0049】
図2を参照すると、MgO・SiO2酸化物層の組織が緻密でありながらも均一に形成されており、クラックなどの問題が全く発生していないことが分かる。
【0050】
このようにMgO・SiO2酸化物層を使用すると、低屈折層の厚さ調節が容易であり、高光沢、高彩度及び多重色相特性を容易に示すことができる。
【0051】
以上説明したように、本発明に係る真珠光沢顔料は、薄型の透明フレーク基質と、透明基質の上部に被覆された第1の金属酸化物層と、前記第1の金属酸化物層の上部に被覆されたMgO・SiO2を含む酸化物層とを基本構成としている。
【0052】
第2の金属酸化物層形成
【0053】
ここで、本発明では、前記酸化物層の保護及び高光沢など特性向上のために前記酸化物層の上部に第2の金属酸化物層を被覆し、その過程は前記第1の金属酸化物の被覆過程と同一に進行する。
【0054】
次に、最終的に第2の金属酸化物層の被覆が完了した懸濁液をろ過し、脱イオン水で洗浄及び乾燥した後、残余物をか焼してスクリーン処理し、本発明に係る真珠光沢顔料の製造を完了する。
【0055】
以上のように、7層構造の多層にコーティングされる本発明の真珠光沢顔料は、透明基質層の上部に形成される低屈折層及び高屈折層を含み、高光沢、高彩度及び優れた多重色相特性を有する。
【0056】
前記のような特性は、主にMgO・SiO2酸化物層の使用有無によって表れるので、以下では、前記酸化物層の使用による高光沢、高彩度及び多重色相特性について説明する。
【0057】
彩度(色差計値)
【0058】
1)高彩度高光沢顔料
【0059】
【表1】

【0060】
2)多重色相顔料
【0061】
【表2】

【0062】
前記[表1]及び[表2]を参照すると、前記比較例1〜11はSiO2酸化物層を形成した場合を示したもので、前記実施例1〜11はMgO・SiO2酸化物層を形成した場合を示したものである。
【0063】
したがって、前記各比較例と各実施例を比較すると、MgO・SiO2酸化物層を使用した後で色差計値(a*、b*)が増加したことが分かる。
【0064】
ここで、色差計値の絶対値が大きくなるほど彩度が良くなるので、本発明に係る顔料の彩度が向上したことが分かる。
【0065】
光沢値
【0066】
1)高彩度高光沢顔料
【0067】
【表3】

【0068】
2)多重色相顔料
【0069】
【表4】

【0070】
前記[表3]及び[表4]を参照すると、前記比較例12〜22はSiO2酸化物層を形成した場合を示したもので、前記実施例12〜22はMgO・SiO2酸化物層を形成した場合を示したものである。
【0071】
したがって、前記各比較例と各実施例を比較すると、MgO・SiO2酸化物層を使用した後で光沢度値が増加したことが分かる。
【0072】
MgO・SiO2酸化物層の含量比による彩度及び光沢値の変化
【0073】
1)高彩度高光沢顔料
【0074】
【表5】

【0075】
【表6】

【0076】
2)多重色相顔料
【0077】
【表7】

【0078】
【表8】

【0079】
上述した[表5]〜[表8]を参照すると、比較例23、24、26、27の場合、MgO・SiO2酸化物層が5重量%未満であって、コーティング層の厚さが薄くなり、各層別の比率が合わなくなることが分かる。
【0080】
これは、コーティング層が薄いため下層を十分に覆うことができず、その結果、表面が粗くなることによって乱反射が生じ、高彩度と高光沢を得られなかったと推定することができる。併せて、前記のような原理で、各比較例は多重色相効果も得られなかった。
【0081】
一方、MgO・SiO2酸化物層が35重量%を超えてコーティングされると、コーティング層の厚さが厚くなり、各層別の比率が合わなくなるので、光の屈折率を正常に利用できなくなることが分かる。したがって、意図しない色相が具現され、彩度が低下することが分かる。
【0082】
一方、本発明に係るMgO・SiO2酸化物層の含量範囲によって形成された実施例23〜32の顔料の場合は、いずれも前記[表1]〜[表4]に示した正常な彩度及び光度値を得ることができた。
【0083】
以上説明したように、本発明に係る真珠光沢顔料の製造方法によると、低屈折層をMgO・SiO2を使用して形成することによって、薄い厚さを有しながらも高輝度及び高光沢を具現することができる。
【0084】
併せて、低屈折層の厚さを増加させなくてもよいので、容易に高彩度高光沢特性を確保することができ、多重色相を有する真珠光沢顔料を容易に製造することができる。
【0085】
以上では、本発明の実施例を中心に説明したが、当業者の水準で多様な変更や変形が可能である。このような変更と変形は、本発明の範囲を逸脱しない限り、本発明に属するものといえる。したがって、本発明の権利範囲は、以下で記載する特許請求の範囲によって判断しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)合成雲母、天然雲母、ガラス、板状酸化鉄、板状アルミナ及び板状シリカのうち一つ以上を含むフレーク基質を脱イオン水に混合した後、撹拌及び分散させることによって懸濁液を形成すること、
(b)前記(a)段階の懸濁液に第1の可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、第1の可溶性無機金属塩溶液を加水分解させることによって前記フレークの表面に第1の金属酸化物層を被覆させること、
(c)前記(b)段階の懸濁液にMgO・SiO2を含む可溶性無機塩溶液を滴定した後、可溶性無機塩溶液を加水分解させることによって前記第1の金属酸化物層の表面に酸化物層を被覆させること、及び
(d)前記(c)段階の懸濁液に前記第2の可溶性無機金属塩溶液を滴定した後、第2の可溶性無機金属塩溶液を加水分解させることによって前記酸化物層の表面に第2の金属酸化物層を被覆させることを含むことを特徴とする真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項2】
前記(a)段階の懸濁液は、固体含有量が5〜20重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項3】
前記(b)〜(d)段階の懸濁液は、60〜90℃に維持させることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項4】
前記第1の可溶性無機金属塩溶液及び第2の可溶性無機金属塩溶液は、SnCl4、TiCl4、TiOCl2、TiOSO4、FeCl3、FeSO4、SiCl4、ZrOCl2、Na2O・SiO2・5H2O、MnCl2、MgCl2、AlCl3及びCoCl2から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項5】
前記可溶性無機塩溶液は、水ガラス、MgCl2、珪酸塩、AlCl3、KCl3及びホウ酸から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項6】
前記酸化物層は、SiO2、MgO・Al23、K2O・SiO2及びMg2SiO4から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなることを特徴とする、請求項5に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項7】
前記酸化物層は、前記光沢顔料の全体重量%の5〜35重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項8】
前記(b)段階又は前記(d)段階の懸濁液は、pH値を1〜9に調整し、溶液の滴定完了後、10〜30分間還流させることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項9】
前記(c)段階の懸濁液は、pH値を4〜14に調整し、溶液の滴定完了後、30〜60分間還流させることを特徴とする、請求項1に記載の真珠光沢顔料の製造方法。
【請求項10】
合成雲母、天然雲母、ガラス、板状酸化鉄、板状アルミナ及び板状シリカのうち一つ以上を含むフレーク基質と、
前記基質の上部に被覆された第1の金属酸化物層と、
前記第1の金属酸化物層の上部に被覆されたMgO・SiO2を含む酸化物層と、
前記酸化物層の上部に被覆された第2の金属酸化物層と、を含むことを特徴とする真珠光沢顔料。
【請求項11】
前記酸化物層は、SiO2、MgO・Al23、K2O・SiO2及びMg2SiO4から選択された一つ又は一つ以上の混合物からなることを特徴とする、請求項10に記載の真珠光沢顔料。
【請求項12】
前記酸化物層は、前記光沢顔料の全体重量%の5〜35重量%であることを特徴とする、請求項10に記載の真珠光沢顔料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−188639(P2012−188639A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138399(P2011−138399)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(511153183)CQV株式会社 (1)
【Fターム(参考)】