高架橋における作業ステージの仮設方法
【課題】大がかりな作業ステージ用の仮設足場の組み立てる必要がなく、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出を能率的に処理することができる作業ステージの仮設方法を提供する。
【解決手段】高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に夫々下端部より上方へ延びるガイドレール4を取り付け、各橋脚1のガイドレール4に自走台車5を取り付け、それら自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に各自走台車5を駆動して作業ステージ3を所定高さ位置まで持ち上げ、その位置で作業ステージ3から高架橋外面2を補修する。
【解決手段】高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に夫々下端部より上方へ延びるガイドレール4を取り付け、各橋脚1のガイドレール4に自走台車5を取り付け、それら自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に各自走台車5を駆動して作業ステージ3を所定高さ位置まで持ち上げ、その位置で作業ステージ3から高架橋外面2を補修する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道高架橋や道路高架橋の外面を補修するような場合に、高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の作業ステージの仮設方法について、特許公報等の具体的な公知文献を挙げることはできないが、従来では、高架橋スラブや橋脚等の高架橋外面に囲まれた空間に多階層の大がかりな仮設足場を枠組みし、これらの仮設足場に作業ステージを仮設している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような作業ステージ用の仮設足場による仮設方法によれば、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出に支障をきたしたり、又これらの重量物の搬入や廃材の排出するために作業者が多階層の仮設足場を往復移動しなければならず効率的に施工ができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出を能率的に行うことが可能な作業ステージの仮設方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、高架橋の外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせてガイドレール4を取り付け、これらの各ガイドレール4に自走台車5を装備し、この自走台車5上に作業ステージ3を載設し、ガイドレール4に沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール1aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aおよびこれに継ぎ足し取り付けたガイドレール4b〜4eに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で高架橋外面2を補修するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の作業ステージ3を仮設する方法であって、前記継ぎ足しガイドレール4a〜4eは、これに並設されるラック19(図14)とのユニットからなることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール4aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aに沿って自走台車を駆動して作業ステージ3を最下端部のガイドレール4aの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置で作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4bを最下端部のガイドレール4aに継ぎ足し取り付け、更に継ぎ足しガイドレール4bに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4bの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置で作業ステージ3上で更に上部側の継ぎ足しガイドレール4cを下側のガイドレール4bに継ぎ足し取り付け、このようにしてガイドレール4の継ぎ足しと作業ステージ3の持ち上げ駆動を繰り返して、作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置で作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、最下端部のガイドレール4aを橋脚1に取り付ける際に、最下端部のガイドレール4aとこれに装備される自走台車5と自動台車側のピニオン38(図38)に噛み合うラック19(図14)とガイドレール4aを垂直維持するベースプレート25(図5)とを予めユニットに組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aを各橋脚1に取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その位置で荷受台車6を固定した後、駆動台車7のみをガイドレール4に沿って地上側に下降させ、必要に応じて駆動台車7をガイドレール4から取り外すことを特徴とする。
【0012】
請求項8は、請求項1〜7の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、各橋脚1に最下端部から順次継ぎ足しガイドレール4a〜4eを取り付けるに当たって、各橋脚1にレール取付金具8a〜8fを橋脚下端部より所要間隔おきに固定し、このレール取付金具8a〜8fを介して最下端部ガイドレール4aおよび継ぎ足しガイドレール4b〜4eを順次各橋脚1に取り付けるようにすることを特徴とする。
【0013】
請求項9は、請求項6〜8の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図17に示すように、各荷受台車6は、台車本体28と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ29と、荷受け部材30とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項10は、請求項6〜9の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図19に示すように、駆動台車7は、台車本体36と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ37と、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する駆動ピニオン38と、この駆動ピニオン38を駆動するモータ39とからなることを特徴とする。
【0015】
請求項11は、請求項6〜10の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図17に示すように、各荷受台車6には、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する荷受台車固定用の歯車31及びこれと同軸一体に回転する荷受台車固定用の回転円板32を台車本体28に軸支すると共に、回転円板32と対面する固定外板34を台車本体28に設け、回転円板32には多数のピン挿入孔bを周方向に一定のピッチで設け、固定外板34には回転円板32の多数のピン挿入孔bに対応する周方向位置に前記回転円板32側のピン挿入孔bのピッチとは異なったピッチの複数のピン挿入孔aを設け、固定外板34側の複数のピン挿入孔aのうちの何れかのピン挿入孔aと回転円板32側の多数のピン挿入孔bのうち固定外板側のピン挿入孔aに同軸上に合致するピン挿入孔bにロックピン35を挿入することによって、所要高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置に固定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項12は、請求項6〜11の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図18に示すように、ガイドレール4の上端部に吊支部材27の上端部を枢着し吊支部材27の下端部を荷受台車6の台車本体28に連結することによって、所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置に固定するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の作業ステージ仮設方法は、少なくとも4つの橋脚1に沿わせてガイドレール4を取り付け、これらの各ガイドレール4に自走台車5を装備し、この自走台車5上に作業ステージ3を載設し、ガイドレール4に沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにした方法であるから、従来のように大がかりなで多階層の作業ステージ用の仮設足場を組み立てる必要がなく、作業ステージ3を地上で組み立ててそのまま自走台車5に載設すれば、あとは自走台車5によって所定高さ位置に持ち上げるから、大型作業ステージ3でも容易に仮設することができる。
【0018】
更に、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材の搬出も自走台車5によって作業ステージ3を橋脚1に沿って昇降移動させることによって能率的に処理することができる。
【0019】
請求項2に係る発明の作業ステージ仮設方法は、高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1の沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール1aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aおよびこれに継ぎ足し取り付けたガイドレール4b〜4eに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で高架橋外面2を補修するようにしたものであり、最下端部のガイドレール4aから最上端部のガイドレール4eまでの橋脚1への取り付けを殆ど作業ステージ3上で行うようにしたから仮設足場の枠組みを必要としないか、あるいは最小限の簡易仮設足場のみの枠組みでよく、しかも作業ステージ3は地上で組み立て高所で組み立てるものでないから組立作業が容易であり、危険性が少ない。しかも地上で組み立てた作業ステージ3をそのまま高架橋外面2の所要高さ位置に持ち上げることができるから、高所の何れの高さ位置にも作業ステージ3を容易に設置することができ、大型作業ステージ3でも容易に仮設することができる。
【0020】
請求項3に係る発明の作業ステージ仮設方法は、前記継ぎ足しガイドレール4a〜4eは、これに並設されるラック19(図14)とのユニットからなり、一種又は2種あるいは数種類の長さの異なった単位長さのガイドレールユニットからなるため、この単位長さのガイドレールユニットを順次橋脚1にその下端部から必要とする高架橋外面の所要高さ位置まで継ぎ足し取り付けるようにすればよいから、ガイドレール4の橋脚1への取付作業を容易に且つ円滑に行うことができる。
【0021】
請求項4に係る発明の作業ステージ仮設方法は、少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール4aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aに沿って自走台車を駆動して作業ステージ3を最下端部のガイドレール4aの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4bを最下端部のガイドレール4aに継ぎ足し取り付け、更に継ぎ足しガイドレール4bに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4bの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で更に上部側の継ぎ足しガイドレール4cを下側のガイドレール4bに継ぎ足し取り付け、このようにしてガイドレール4の継ぎ足しと作業ステージ3の持ち上げ駆動を繰り返して、作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたから、最下端部のガイドレール4aから最上端部のガイドレール4eまでの橋脚1への取り付けを殆ど作業ステージ3上で行うことができ、仮設足場の枠組みを必要としないか、あるいは最小限の簡易仮設足場のみの枠組みでよく、高架橋外面2の高さがかなり高くても、ガイドレール4の橋脚1への取り付けを容易に且つ円滑に行うことができる。
【0022】
請求項5に係る発明にあっては、最下端部のガイドレール4aを橋脚1に取り付ける際に、最下端部のガイドレール4aとこれに装備される自走台車5と自走台車側のピニオン38(図38)に噛み合うラック19(図14)とガイドレール4aを垂直維持するベースプレート25(図5)とを予めユニットに組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aを各橋脚1に取り付けるようにしたから、ガイドレール4全体の橋脚1への取付垂直度の基準となる最下端部のガイドレール4aの橋脚1への取り付けを垂直度を正確に出して取り出すことができる。
【0023】
しかも、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aは予め工場で組み立てておくことができるから、現場での取付作業も容易に行うことができる。
【0024】
請求項6に係る発明にあっては、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げるようにしたもので、先ず最下端部のガイドレール4aに駆動台車7を装備して、この上面に荷受台車6を登載して該荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設することができるから、自走台車5のガイドレール4への装備および自走台車5への作業ステージ3の組み立てを能率的に行うことができる。
【0025】
請求項7に係る発明にあっては、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その位置で荷受台車6を固定した後、駆動台車7のみをガイドレール4に沿って地上側に下降させ、必要に応じて駆動台車7をガイドレール4から取り外すようにしたから、その駆動台車7を、他の作業ステージ仮設現場での駆動台車としてそのまま使用することができ、作業ステージ3の仮設作業を複数箇所で並行して行うことができる。
【0026】
請求項8に係る発明にあっては、各橋脚1に最下端部から順次継ぎ足しガイドレール4a〜4eを取り付けるに当たって、各橋脚1にレール取付金具8a〜8fを橋脚下端部より所要間隔おきに固定し、このレール取付金具8a〜8fを介して最下端部ガイドレール4aおよび継ぎ足しガイドレール4b〜4eを順次各橋脚1に取り付けるようにしたから、ガイドレール4の橋脚1への取付作業を容易に行うことができる。
【0027】
請求項9に係る発明にあっては、図17に示すように、各荷受台車6は、台車本体28と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ29と、荷受け部材30とを有するものを使用すればよく、これによって作業ステージ3の仮設作業を有効に行うことができる。
【0028】
請求項10に係る発明にあっては、図19に示すように、駆動台車7は、台車本体36と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ37と、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する駆動ピニオン38と、この駆動ピニオン38を駆動するモータ39とからなるものを使用することによって作業ステージ3の仮設作業を有効に行うことができる。
【0029】
請求項11に係る発明にあっては、図17に示すように、各荷受台車6には、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する荷受台車固定用の歯車31及びこれと同軸一体に回転する荷受台車固定用の回転円板32を台車本体28に軸支すると共に、回転円板32と対面する固定外板34を台車本体28に設け、回転円板32にはピン挿入孔bを周方向に比較的短い一定のピッチで多数設け、固定外板34には回転円板32の多数のピン挿入孔bに対応する周方向位置に前記回転円板32側のピン挿入孔bのピッチとは異なったピッチの複数(例えば図示するように3つ)のピン挿入孔aを設け、そうして固定外板34側の複数のピン挿入孔aのうちの何れかのピン挿入孔aと回転円板32側の多数のピン挿入孔bのうち固定外板側のピン挿入孔aに同軸上に合致するピン挿入孔bにロックピン35を挿入することによって、荷受台車6をガイドレール4に沿って所定の高さ位置に固定する際に、固定外板34に設けた複数のピン挿入孔aの何れかが、回転円板32の何れかのピン挿入孔bに合致してロックピン35を円滑に両ピン挿入孔a,bにかけて挿入することができ、これによって荷受台車6を所定の高さ位置に正確に固定することができる。
【0030】
請求項12に示す発明にあっては、図18に示すように、ガイドレール4の上端部に吊支部材27の上端部を枢着し吊支部材27の下端部を荷受台車6の台車本体28に連結することによって、所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置で簡単容易にして、確実安全に固定することができ、またこの固定手段と、請求項12に記載のロックピン35による固定手段とを併用すれば、荷受台車6を2重にロックすることができ、より安全に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る作業ステージ仮設方法の実施形態を示すもので、(a) は高架橋の梁部に仮設された作業ステージを示す概略正面図であり、(b) は(a) のA−A線断面図である。
【図2】本発明に係る作業ステージ仮設方法の実施形態において、4つの橋脚に夫々レール取付金具によって取り付けたガイドレールに荷受台車及び駆動台車とからなる走行台車を取り付けた状態の水平断面図である。
【図3】4つの橋脚に夫々取り付けたガイドレール上の荷受台車上にステージ下地を装架した状態を示す水平断面図である。
【図4】4つの橋脚に夫々取り付けたガイドレール上の荷受台車上に作業ステージを載設し終えた状態の水平断面図である。
【図5】駆動台車を駆動して荷受台車を押し上げることにより作業ステージを所定高さ位置まで持ち上げた状態を示す正面図である。
【図6】図5の矢印Bで示す部分の拡大図である。
【図7】図5の矢印Bで示す部分の拡大平面図である。
【図8】荷受台車を固定した後、駆動台車を下降させた状態を示す正面図である。
【図9】橋脚にレール取付金具を取り付けた状態の平面図であり、(a) はボルト・ナットを示す図面である。
【図10】(a) はレール取付金具の本体固定枠を示す平面図であり、(b) は正面図であり、(c) は(a) の左側面図である。
【図11】(a) はレール取付金具の張出枠を示す平面図、(b) は正面図、(c) は(a) の左側面図である。
【図12】レール取付金具の組付ボルトを示す正面図である。
【図13】(a) はレール取付金具の斜め補強材を示す正面図、(b) は同補強材の端面図である。
【図14】(a) はラックを並設したガイドレールの正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。
【図15】(a) はガイドレールの接続方法を示す説明正面図、(b) は説明側面図である。
【図16】(a) はレールヘッドを示す正面図、(b) は平面図、(c) は(a) の右側面図である。
【図17】(a) は荷受台車を示す正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。
【図18】荷受台車をガイドレールに取り付けると共にガイドレールにレール頂部金具を取り付け、更に吊支部材によって荷受台車をレール頂部金具から吊支した状態を示す側面図である。
【図19】駆動台車を示す正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、高架橋に仮設された作業ステージを示す図1の(a) ,(b) において、2は鉄道高架橋や道路高架橋のスラブ2aや梁部2bあるいは橋脚1等の高架橋外面である。3は高架橋外面2の所要高さ位置に仮設された作業ステージである。また4はレール取付金具8によって橋脚1に取り付けられたガイドレール、6はガイドレール4に沿って昇降する自走台車5の一部を形成する荷受台車、7はガイドレール4に沿って自力で昇降走行可能で、荷受台車6を下側から押し上げるための自走台車5の他部を形成する駆動台車である。この荷受台車6および駆動台車7の詳細構造については後述する。
【0033】
図1に示すような作業ステージ3の仮設方法について説明すれば、先ず、高架橋外面2において、補修を必要とする箇所を臨んで前後左右に隣り合う4つの橋脚1に夫々下端部より上方へ延びるガイドレール4を取り付ける。このガイドレール4の取付方法を説明すると次のとおりになる。
【0034】
前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、これらの継ぎ足しガイドレール4には自走台車5を構成する駆動台車7を自走させるためのラック19(図14)がユニットとして並設されている。
【0035】
そして、先ず各橋脚1にレール取付金具8aによって最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール4aに自走台車5を装備する。
自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、図2は、4つの橋脚1に夫々レール取付金具8でガイドレール4を取り付け、このガイドレール4に荷受台車6と駆動台車7とを取り付けた状態を示す。この時、駆動台車7は荷受台車6の下側に位置し、荷受台車6は駆動台車7に登載された状態にある。
【0036】
それから、これら4つの荷受台車6上に作業ステージ3を地上側から載設するわけであるが、この作業ステージ3の載設にあたっては、先ずステージ下地3aを4つの荷受台車6上に架け渡し、このステージ下地3aに足場板9を装架する。図3は、4つの荷受台車6上にステージ下地3aを架け渡した状態を示したものであるが、ステージ下地3aは、図示のように、前後方向(図3の上下方向)に対向する橋脚1,1の荷受台車6,6間に架け渡された内外一対の梁枠41,41と、これら両梁枠41,41間に横架された横材42と、内側の梁枠41,41どうし間に架け渡された梁材43と、対向する梁材43,43間に架け渡された梁材44とによって構成される。
【0037】
図4は、図3に示すようなステージ下地3aに多数の足場板9を架け渡して作業ステージ3を形成した状態を示す。即ち、図4において、前後方向(同図の上下方向)に対向する橋脚1,1の荷受台車6,6間に架け渡された内外一対の梁枠41,41には、前後に対向する横材42,42間に足場板9が掛架され、また前後に対向する梁材43,43間に前後に長い足場板9が掛架されている。この図4において、10及び11は、対向間隔が狭くて足場板9を掛架できない横材42,42間に掛架された隙間板である。
【0038】
上記のようにして4つの荷受台車6上に作業ステージ3を載設した後、図5に示すように、各自走台車5を一斉に同調駆動して、最下端部のガイドレール4aに沿って自走台車5、正確には駆動台車7を駆動して、自走台車5、正確にはその荷受台車6に荷受けされる作業ステージ3を最下端部のガイドレール4aの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で最下端部のガイドレール4aの上端部付近をレール取付金具8bによって橋脚1に取り付けると共に、該最下端部のガイドレール4aに継ぎ足しガイドレール4bを継ぎ足し取り付ける。
【0039】
そして又、継ぎ足しガイドレール4bに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4bの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4bの上端部付近をレール取付金具8cによって橋脚1に取り付けると共に、更に上部側の継ぎ足しガイドレール4cを下側のガイドレール4bに継ぎ足し取り付ける。そして更に、継ぎ足しガイドレール4cに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4cの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4cの上端部付近をレール取付金具8dによって橋脚1に取り付けると共に、更に上部側の継ぎ足しガイドレール4dを下側のガイドレール4cに継ぎ足し取り付ける。そして更に、継ぎ足しガイドレール4dに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4dの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4dの上端部付近をレール取付金具8dによって橋脚1に取り付けると共に、更に最終段階として、上部側の継ぎ足しガイドレール4eを下側のガイドレール4dに継ぎ足し取り付け、最後に該継ぎ足しガイドレール4eに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4eの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4eを上端部付近をレール取付金具8fによって橋脚1に取り付ける。このようにして、ガイドレール4を、主に作業ステージ3上で橋脚1の全長にわたって取り付けることになる。なお、作業ステージ3からレール取付金具8を取り付けることが困難な部位が存在する場合には適宜簡易足場を組み、この簡易足場から作業者はレール取付金具5を取り付けるようにしてもよい。レール取付金具8の詳細構造は図9に示されており後述する。又、ガイドレール4a及び4b間の継ぎ足し構造については、図15に詳細に示されており後述する。
【0040】
このようにしてガイドレール4b〜4eの継ぎ足しと作業ステージ3の持ち上げ駆動とレール取付金具8b〜8fによるガイドレール4b〜4eの橋脚1への取り付けを繰り返して、作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げるようにする。なお、最下端部のガイドレール4aを橋脚1に取り付ける際に、最下端部のガイドレール4aとこれに装備される自走台車5の一部である駆動台車7と駆動台車側のピニオン38(図38)に噛み合うラック19(図14)とガイドレール4aを垂直維持するベースプレート25(図5)とを予めユニットに工場で組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aを各橋脚1に取り付けるようにすれば、現場施工が容易であり、正確にガイドレール4aを垂直維持して橋脚1に取り付けることができる。
【0041】
図6は図5の矢印Bで示す部分の拡大図であり、この図から分かるように、駆動台車7は、ガイドレール4、正確にはそのレール本体16に嵌合される上下一対のガイドロール37,37に支持されてガイドレール4に案内されて昇降移動できるようになっており、該駆動台車7には自走用のモータ39が取り付けられており、この駆動台車7の上部に、ガイドレール4、正確にはそのレール本体16に嵌合される上下一対のガイドロール29,29に支持された荷受台車6がガイドレール4に案内されて昇降移動できるようになっており、駆動台車7の上面側に硬質ゴム等からなるクッション材71が取り付けられ、該クッション材71を介して荷受台車6が駆動台車7に登載され、駆動台車7は荷受台車6を押し上げるようになっていると共に、該荷受台車6から分離して駆動台車7のみがガイドレール4に沿って下降することができるようになっている。
【0042】
図7は図5の矢印Bで示す部分の拡大平面図である。これら図6及び図7を参照すると、荷受台車6の台車本体28から両側方に水平に突設された両側一対の荷受け部材30,30に、内外一対の梁枠41,41の夫々主梁部41a,41aが支持され、両梁枠41,41間に横架された横材42に足場板9が掛止されているのが分かる。
【0043】
作業ステージ3を最上段のガイドレール4の上端部まで持ち上げ、その位置に各荷受台車6を固定する。この荷受台車6の固定は、後述する図17に示すようなロックピン35によるロック手段、更には図18に示すようなガイドレール4の上端部に枢着された吊支部材27の吊支によるロック手段によって、二重にロックされることによって行われる。こうして各荷受台車6を固定した後、図8に示すように各駆動台車7をガイドレール4の下端部まで下降させて、この駆動台車7をガイドレール4から取り外し、他の作業ステージ仮設現場へ搬送する。当該他の作業ステージ仮設現場へ搬送した駆動台車7は、その作業ステージ仮設現場での駆動台車としてそのまま使用することができる。従って、作業ステージ3の仮設作業を複数箇所、例えば3箇所を平行して行う場合には、荷受台車6は12台必要であるが、駆動台車7は4台で済むことになる。
【0044】
上述したような作業ステージ3の仮設方法によれば、高架橋外面2の損傷箇所を補修するための箇所を臨んで前後左右に隣り合う4つの橋脚1に4つの橋脚1にガイドレール4を取り付け、各橋脚1のガイドレール4に自走台車である荷受台車6と駆動台車7とを取り付け、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に自走台車である駆動台車7を一斉に駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所定高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにした方法であるから、従来のように大がかりな多階層の作業ステージ用の仮設足場を組み立てる必要がなく、作業ステージ3を地上で組み立ててそのまま自走台車5に載設すれば、あとは自走台車5によって所定高さ位置に持ち上げるから、大型作業ステージ3でも容易に仮設することができる。更に、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出も自走台車5によって作業ステージ3を橋脚1に沿って昇降移動させることによって能率的に処理することができる。
【0045】
この実施形態では、前後左右に隣り合う4つの橋脚1にガイドレール4を取り付けて、各橋脚1のガイドレール4に荷受台車6と駆動台車7とを取り付けているが、ガイドレール4を取り付ける橋脚1は、4つに限らず、前後左右に隣り合う4つ以上、例えば6つの橋脚1に取り付け、各橋脚1のガイドレール4に荷受台車6と駆動台車7とを取り付け、そうして6つの荷受台車6にわたって作業ステージ3を載設してもよい。
【0046】
図9は橋脚1に取り付けた状態のレール取付金具5を示す。このレール取付金具5は、一対の本体固定枠12,12と、両本体固定枠12,12の両端部に挿通される一対の組付ボルト13,13と、一方の本体固定枠12の一端部に接続される張出枠14と、この張出枠14の先端部と他方の本体固定枠12の一端部とをつなぐ斜め補強材15とにより構成され、これらの構成部材12〜15を図10〜図13に示す。
【0047】
各本体固定枠12は、図10に示すように、角筒材からなるもので、角柱状の橋脚1に対面する側面の両端部に夫々位置決め片45を取り付け、両位置決め片45の中間部にはクッション材46を取り付け、また各本体固定枠12の一端部には張出枠14の一端部又は斜め補強材15の一端部を接続する接続片47を突設している。張出枠14は、図11に示すように、角筒材からなるもので、先端部と中間部とにガイドレール取付片48を取り付け、これにガイドレール4が後述のようにして取り付けられ、また先端部には斜め補強材15の他端部を接続する接続片49を突設している。組付ボルト13は、図12に示すように両端部にネジ部13aを有する。斜め補強材15は、図13に例示するようにアングル材からなる。
【0048】
上記のように構成されるレール取付金具8を橋脚1に取り付けるには、図9に示すように、角柱状橋脚1の対向側面に一対の本体固定枠12,12を当接し、両本体固定枠12,12の両端部間に夫々組付ボルト13を挿通して、各組付ボルト13の両端ネジ部13aにナット50を螺合し、締め付けることによって、両本体固定枠12,12を橋脚1に固定し、そうして一方の本体固定枠12の接続片47と張出枠14の一端部とをボルト・ナット51で枢着し、また他方の本体固定枠12の接続片47と斜め補強材15の一端部とをボルト・ナット51で枢着し、この斜め補強材15の他端部と張出枠14の先端部の接続片49とボルト・ナット51で枢着すればよい。
【0049】
図14は、一定長さの継ぎ足し可能なガイドレール4を示す。このガイドレール4は、チャンネル材からなる左右一対のレール本体16,16と、両レール本体16,16の上端部、下端部及び中間部に夫々横架されたアングル材からなる横枠17と、両レール本体16,16の上部側及び下部側に夫々横架されたパイプ材からなる横棒18とのユニットからなり、このガイドレール4の前面側にはレール本体16とほぼ同じ長さで平行に延びる継ぎ足し可能なラック19が上下端部及び中間部の横枠17にボルト52によって取り付けられている。
【0050】
そして、ガイドレール4の背面側下端部にはその左右両端部に夫々雄形接続部21が設けられ、背面側上端部の左右両端部には、雄形接続部21に対し凹凸嵌合する雌形接続部22が設けられ、そして各雄形接続部21及び雌形接続部22にはボルト挿通孔21a,22aが形成されている。また、ガイドレール4の下端部側横枠17には左右両端部に、板片からなる接続片23が取り付けられ、上端部側横枠17の左右両端部にはアングル片からなる接続片24が取り付けられている。
【0051】
このガイドレール4をレール取付金具8に取り付けるには、図14の(a) ,(b) に示すように、左右両レール本体16,16の背面側上端部を、橋脚1に固定されているレール取付金具5の張出枠14およびガイドレール取付片48にガイドレール4のレール本体16を当て付けた状態で、図9、特に図14の(d)に拡大して示すように、張出枠14およびガイドレール取付片48にボルト73とナット74によって固着したクランプ72を横棒18にクランプさせナット72aによって締め付けることによって、上端部側横棒18の両端部に取り付けたクランプ72を介して横棒18とガイドレール取付片48とを連結固定することにより、ガイドレール4の上端部側をレール取付金具5の張出枠14に取り付け固定し、このガイドレール4の下端部側は、下段側ガイドレール4の上端部に接続することにより、ガイドレール4の上下両端部側を橋脚1に固定する。
【0052】
尚、ガイドレール4を最初に橋脚1の下端部に取り付ける際は、図5及び図8に概略示すように、地面に接地させたベースフレーム25付きショートガイドレール4aを、橋脚1の下端側に固定したレール取付金具8の張出枠14に上記同様にして取り付け固定した後、このショートガイドレール4aの上端部に、図14に示す通常のガイドレール4の下端部を接続するようになっている。
【0053】
図15はガイドレール4及びラック19の夫々の接続方法を示している。即ち、図5,図8に示すような最下段のベースフレーム25付きショートガイドレール4aに2段目の通常ガイドレール4の下端部を接続したり、2段目以上の通常のガイドレール4どうしを接続する場合には、(a) ,(b) に示すように下段側ガイドレール4又は4aの上端部にある雌形接続部22に、上段側ガイドレール4の下端部にある雄形接続部21を凹凸嵌合して、ボルト53を挿通し、ナット54を締め付け、また下段側ガイドレール4又は4aの上端部にある接続片24と上段側ガイドレール4の下端部にある接続片23とを突き合わせて、ボルト55を挿通し、ナット56を螺合して締め付ければよい。
【0054】
また、最下段のベースフレーム25付きの最下端部ガイドレール4aに並設されたラック19に、2段目ガイドレール4に並設されたラック19を接続したり、2段目以上のガイドレール4に並設されたラック19どうしを接続する時は、図15の(a) ,(b) に示すように、下段側ラック19の上端部に設けてある接続片57に、上段側ラック19の下端部を係合して、ボルト20を挿通し、ナット58を螺合して締め付ければよい。
【0055】
図16は最上段ガイドレール4の上端部に接続されるレールヘッド26を示し、(a) は正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。このレールヘッド26は、ヘッド本体60の背面側下端部の左右両端部に、ガイドレール4の上端部側にある左右一対の雌形接続部22,22に夫々凹凸嵌合する雄形接続部21,21を設け、ヘッド本体60の左右両側面上端部に前方へ突出する耳片61,61を設け、更にヘッド本体60の下端部に、ガイドレール4の上端部にある左右一対の接続片24,24に当接可能な接続片23,23を設けてなるもので、耳片61には、駆動台車7により最上段側ガイドレール4の上端部まで押し上げられた荷受台車6をその位置に吊支するための吊支部材27の上端部をボルト62及びナット63によって枢着するようになっている。
【0056】
図17の(a) は荷受台車6を示す正面図であり、(b) は平面図、(c) は側面図である。この荷受台車6は、台車本体28と、ガイドレール4のレール本体16,16に支持案内される上下左右4つのガイドローラ29と、台車本体28の左右両側部から外方へ水平に突設された両側一対の荷受け部材30,30とを有し、各荷受け部材30によって、作業ステージ3のステージ下地8を形成する梁枠41を支持するようになっており、各荷受け部材30の先端部に外れ止め具30aが取り付けられ、梁材41と外れ止め具30aはボルト・ナット30bで固定されている。
【0057】
各ガイドローラ29は、台車本体28にボルト・ナット64aによって着脱可能に取り付けられるローラ支持具64に軸支されており、荷受台車6をガイドレール4に取り付ける時には、上下左右4つのローラ支持具64を台車本体28の所定箇所に取り付けることによって、各ガイドローラ29がガイドレール4のレール本体16に係合して、荷受台車6がガイドレール4に走行可能に装着されることになり、またこの荷受台車6をガイドレール4から取り外す時は、ローラ支持具64をボルト・ナット64aを弛めて台車本体28から外せば、荷受台車6をガイドレール4から簡単に取り外すことができる。荷受台車6をガイドレール4に取り付けた状態を図17の(c) 及び図18に示している。
【0058】
また、図17の(a) ,(b) に示すように、荷受台車6には、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する荷受台車固定用の歯車31と、荷受台車固定用の回転円板32とを、台車本体28に軸架した回転軸33に一体回転可能に取り付けると共に、回転円板32と対面する固定外板34を台車本体28に設け、回転円板32にはピン挿入孔bを周方向に比較的短いピッチで多数設け、固定外板34には回転円板の複数(例えば3つ)のピン挿入孔bに対応する位置に前記ピッチとは異なったピッチのピン挿入孔aを例えば図17の(a) に示すように3つ設け、そうして固定外板34側の1つのピン挿入孔aから回転円板32側のピン挿入孔bにロックピン35を挿入することにより、回転円板32を固定して、荷受台車固定用の歯車31を固定し、これにより駆動台車7で所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置に固定するようにしている。このように回転円板32に周方向に比較的短いピッチで多数のピン挿入孔bを設けたのは、荷受台車6をガイドレール4に沿って所定の高さ位置に固定する際に、固定外板34に設けた複数のピン挿入孔aの何れかが、回転円板32の何れかのピン挿入孔bに合致してロックピン35を円滑に両ピン挿入孔a,bにかけて挿入することができ、これによって荷受台車6を所定の高さ位置に正確に固定することができるからである。
【0059】
この場合、荷受台車6の昇降移動によって、ラック19と噛合する荷受台車固定用歯車31が回転して回転円板32が回転するようになっているから、固定外板34のピン挿入孔aから回転円板32のピン挿入孔bにロックピン35を挿し込んで、回転円板32を固定することにより、荷受台車6を固定することができる。尚、図17の(a) ,(b) において、65はラック19の背面側を支持するバックアップローラである。また(b) において66は台車本体28内において回転円板32を挟んで固定外板34と反対側に設けられた固定内板で、この固定内板66には、固定外板34側から挿入したロックピン35の先端部を挿通させるように、固定外板34のピン挿入孔bと対向する位置にピン挿通孔が設けてある。
【0060】
また、図17の(a),(b)に示すように、荷受台車6の台車本体28には上端部の左右両側に、図16(a)〜(c)に示すように、ガイドレール4のヘッド本体60に設けられた耳片61,61に対応する固定片67,67が突設されている。この耳片61には、上端部を前記ヘッド本体60の耳片61に枢着した吊支部材27の下端部を、ボルト68及びナット69で枢着し、それによって所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6を、前記固定手段31〜35と共に、この吊支部材27で二重にロックしてその位置に固定するようにしたもので、この状態を図18に示している。
【0061】
図19の(a) は駆動台車7を示す正面図であり、(b) は平面図、(c) は側面図である。この駆動台車7は、台車本体36と、ガイドレール4のレール本体16,16に支持案内される上下左右4つのガイドローラ37と、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する駆動ピニオン38と、この駆動ピニオン38を駆動するモータ39と、からなる。各ガイドローラ37は、荷受台車6のガイドローラ29と同様に、台車本体36にボルト・ナット40によって着脱可能に取り付けられるローラ支持具40に軸支されており、駆動台車7をガイドレール4に取り付ける時に、上下左右4つのローラ支持具40をボルト・ナット40aによって台車本体36に取り付けることにより、各ガイドローラ37がガイドレール4のレール本体16に係合して、駆動台車7がガイドレール4に走行可能に装着されることになり、また駆動台車7をガイドレール4から取り外す時は、ローラ支持具40をボルト・ナット40を弛めることによって台車本体36から外せば、駆動台車7をガイドレール4から簡単に取り外すことができる。
【0062】
図19の(a) ,(b) において、70はラック19の背面側を支持するバックアップローラである。また71は、図6でも説明するように台車本体36の上端部に取り付けられたクッション材で、駆動台車7の上側に配置される荷受台車6が衝当する時の衝撃を緩和するものである。
【0063】
なお、前記実施形態では、自走台車5は、荷受台車6とこれとは別体の駆動台車7とからなり、駆動台車7に荷受台車6がクッション材71を介して登載されるようになっている。このクッション材71は、荷受台車6を駆動台車7に登載する際の緩和材としての役割以外に、荷受台車6に載設される作業ステージ3からの衝撃を緩和する作用をも有する。しかし、荷受台車6と駆動台車7とをその台車本体28,36どうしをボルトナット等の機械的結合手段によって分離可能に連結するようにしてもよい。また、荷受台車6と駆動台車7とをその台車本体28,36どうしを溶接ないしそのフレームを一体として一体構造としてもよい。更には、駆動台車7に代わって荷受台車6のみを設け、この荷受台車6の台車本体28に軸架した回転軸33に、例えば図19に示す自走用のモータ39を台車本体28の固定外板34を利用してこれに取り付け、該モータの回転駆動によって荷受台車6が駆動台車の役割を担ってガイドレール4を昇降駆動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 高架橋の橋脚
2 高架橋の梁部
3 作業ステージ
4 ガイドレール
5 レール取付金具
6 荷受台車
7 駆動台車
8 ステージ下地
9 足場板
19 ラック
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道高架橋や道路高架橋の外面を補修するような場合に、高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の作業ステージの仮設方法について、特許公報等の具体的な公知文献を挙げることはできないが、従来では、高架橋スラブや橋脚等の高架橋外面に囲まれた空間に多階層の大がかりな仮設足場を枠組みし、これらの仮設足場に作業ステージを仮設している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような作業ステージ用の仮設足場による仮設方法によれば、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出に支障をきたしたり、又これらの重量物の搬入や廃材の排出するために作業者が多階層の仮設足場を往復移動しなければならず効率的に施工ができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑み、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出を能率的に行うことが可能な作業ステージの仮設方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、高架橋の外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせてガイドレール4を取り付け、これらの各ガイドレール4に自走台車5を装備し、この自走台車5上に作業ステージ3を載設し、ガイドレール4に沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール1aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aおよびこれに継ぎ足し取り付けたガイドレール4b〜4eに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で高架橋外面2を補修するようにしたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の作業ステージ3を仮設する方法であって、前記継ぎ足しガイドレール4a〜4eは、これに並設されるラック19(図14)とのユニットからなることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール4aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aに沿って自走台車を駆動して作業ステージ3を最下端部のガイドレール4aの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置で作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4bを最下端部のガイドレール4aに継ぎ足し取り付け、更に継ぎ足しガイドレール4bに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4bの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置で作業ステージ3上で更に上部側の継ぎ足しガイドレール4cを下側のガイドレール4bに継ぎ足し取り付け、このようにしてガイドレール4の継ぎ足しと作業ステージ3の持ち上げ駆動を繰り返して、作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置で作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、最下端部のガイドレール4aを橋脚1に取り付ける際に、最下端部のガイドレール4aとこれに装備される自走台車5と自動台車側のピニオン38(図38)に噛み合うラック19(図14)とガイドレール4aを垂直維持するベースプレート25(図5)とを予めユニットに組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aを各橋脚1に取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項5又は6に記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その位置で荷受台車6を固定した後、駆動台車7のみをガイドレール4に沿って地上側に下降させ、必要に応じて駆動台車7をガイドレール4から取り外すことを特徴とする。
【0012】
請求項8は、請求項1〜7の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、各橋脚1に最下端部から順次継ぎ足しガイドレール4a〜4eを取り付けるに当たって、各橋脚1にレール取付金具8a〜8fを橋脚下端部より所要間隔おきに固定し、このレール取付金具8a〜8fを介して最下端部ガイドレール4aおよび継ぎ足しガイドレール4b〜4eを順次各橋脚1に取り付けるようにすることを特徴とする。
【0013】
請求項9は、請求項6〜8の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図17に示すように、各荷受台車6は、台車本体28と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ29と、荷受け部材30とを有することを特徴とする。
【0014】
請求項10は、請求項6〜9の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図19に示すように、駆動台車7は、台車本体36と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ37と、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する駆動ピニオン38と、この駆動ピニオン38を駆動するモータ39とからなることを特徴とする。
【0015】
請求項11は、請求項6〜10の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図17に示すように、各荷受台車6には、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する荷受台車固定用の歯車31及びこれと同軸一体に回転する荷受台車固定用の回転円板32を台車本体28に軸支すると共に、回転円板32と対面する固定外板34を台車本体28に設け、回転円板32には多数のピン挿入孔bを周方向に一定のピッチで設け、固定外板34には回転円板32の多数のピン挿入孔bに対応する周方向位置に前記回転円板32側のピン挿入孔bのピッチとは異なったピッチの複数のピン挿入孔aを設け、固定外板34側の複数のピン挿入孔aのうちの何れかのピン挿入孔aと回転円板32側の多数のピン挿入孔bのうち固定外板側のピン挿入孔aに同軸上に合致するピン挿入孔bにロックピン35を挿入することによって、所要高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置に固定するようにしたことを特徴とする。
【0016】
請求項12は、請求項6〜11の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法において、図18に示すように、ガイドレール4の上端部に吊支部材27の上端部を枢着し吊支部材27の下端部を荷受台車6の台車本体28に連結することによって、所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置に固定するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明の作業ステージ仮設方法は、少なくとも4つの橋脚1に沿わせてガイドレール4を取り付け、これらの各ガイドレール4に自走台車5を装備し、この自走台車5上に作業ステージ3を載設し、ガイドレール4に沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにした方法であるから、従来のように大がかりなで多階層の作業ステージ用の仮設足場を組み立てる必要がなく、作業ステージ3を地上で組み立ててそのまま自走台車5に載設すれば、あとは自走台車5によって所定高さ位置に持ち上げるから、大型作業ステージ3でも容易に仮設することができる。
【0018】
更に、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材の搬出も自走台車5によって作業ステージ3を橋脚1に沿って昇降移動させることによって能率的に処理することができる。
【0019】
請求項2に係る発明の作業ステージ仮設方法は、高架橋外面2を補修する際に高架橋外面2の所要高さ位置に作業ステージ3を仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1の沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール1aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aおよびこれに継ぎ足し取り付けたガイドレール4b〜4eに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で高架橋外面2を補修するようにしたものであり、最下端部のガイドレール4aから最上端部のガイドレール4eまでの橋脚1への取り付けを殆ど作業ステージ3上で行うようにしたから仮設足場の枠組みを必要としないか、あるいは最小限の簡易仮設足場のみの枠組みでよく、しかも作業ステージ3は地上で組み立て高所で組み立てるものでないから組立作業が容易であり、危険性が少ない。しかも地上で組み立てた作業ステージ3をそのまま高架橋外面2の所要高さ位置に持ち上げることができるから、高所の何れの高さ位置にも作業ステージ3を容易に設置することができ、大型作業ステージ3でも容易に仮設することができる。
【0020】
請求項3に係る発明の作業ステージ仮設方法は、前記継ぎ足しガイドレール4a〜4eは、これに並設されるラック19(図14)とのユニットからなり、一種又は2種あるいは数種類の長さの異なった単位長さのガイドレールユニットからなるため、この単位長さのガイドレールユニットを順次橋脚1にその下端部から必要とする高架橋外面の所要高さ位置まで継ぎ足し取り付けるようにすればよいから、ガイドレール4の橋脚1への取付作業を容易に且つ円滑に行うことができる。
【0021】
請求項4に係る発明の作業ステージ仮設方法は、少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、先ず各橋脚1に最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール4aに自走台車5を装備し、これらの自走台車5上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレール4aに沿って自走台車を駆動して作業ステージ3を最下端部のガイドレール4aの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4bを最下端部のガイドレール4aに継ぎ足し取り付け、更に継ぎ足しガイドレール4bに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4bの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で更に上部側の継ぎ足しガイドレール4cを下側のガイドレール4bに継ぎ足し取り付け、このようにしてガイドレール4の継ぎ足しと作業ステージ3の持ち上げ駆動を繰り返して、作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたから、最下端部のガイドレール4aから最上端部のガイドレール4eまでの橋脚1への取り付けを殆ど作業ステージ3上で行うことができ、仮設足場の枠組みを必要としないか、あるいは最小限の簡易仮設足場のみの枠組みでよく、高架橋外面2の高さがかなり高くても、ガイドレール4の橋脚1への取り付けを容易に且つ円滑に行うことができる。
【0022】
請求項5に係る発明にあっては、最下端部のガイドレール4aを橋脚1に取り付ける際に、最下端部のガイドレール4aとこれに装備される自走台車5と自走台車側のピニオン38(図38)に噛み合うラック19(図14)とガイドレール4aを垂直維持するベースプレート25(図5)とを予めユニットに組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aを各橋脚1に取り付けるようにしたから、ガイドレール4全体の橋脚1への取付垂直度の基準となる最下端部のガイドレール4aの橋脚1への取り付けを垂直度を正確に出して取り出すことができる。
【0023】
しかも、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aは予め工場で組み立てておくことができるから、現場での取付作業も容易に行うことができる。
【0024】
請求項6に係る発明にあっては、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げるようにしたもので、先ず最下端部のガイドレール4aに駆動台車7を装備して、この上面に荷受台車6を登載して該荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設することができるから、自走台車5のガイドレール4への装備および自走台車5への作業ステージ3の組み立てを能率的に行うことができる。
【0025】
請求項7に係る発明にあっては、前記自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に駆動台車7を順次駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げ、その位置で荷受台車6を固定した後、駆動台車7のみをガイドレール4に沿って地上側に下降させ、必要に応じて駆動台車7をガイドレール4から取り外すようにしたから、その駆動台車7を、他の作業ステージ仮設現場での駆動台車としてそのまま使用することができ、作業ステージ3の仮設作業を複数箇所で並行して行うことができる。
【0026】
請求項8に係る発明にあっては、各橋脚1に最下端部から順次継ぎ足しガイドレール4a〜4eを取り付けるに当たって、各橋脚1にレール取付金具8a〜8fを橋脚下端部より所要間隔おきに固定し、このレール取付金具8a〜8fを介して最下端部ガイドレール4aおよび継ぎ足しガイドレール4b〜4eを順次各橋脚1に取り付けるようにしたから、ガイドレール4の橋脚1への取付作業を容易に行うことができる。
【0027】
請求項9に係る発明にあっては、図17に示すように、各荷受台車6は、台車本体28と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ29と、荷受け部材30とを有するものを使用すればよく、これによって作業ステージ3の仮設作業を有効に行うことができる。
【0028】
請求項10に係る発明にあっては、図19に示すように、駆動台車7は、台車本体36と、ガイドレール4に支持案内されるガイドローラ37と、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する駆動ピニオン38と、この駆動ピニオン38を駆動するモータ39とからなるものを使用することによって作業ステージ3の仮設作業を有効に行うことができる。
【0029】
請求項11に係る発明にあっては、図17に示すように、各荷受台車6には、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する荷受台車固定用の歯車31及びこれと同軸一体に回転する荷受台車固定用の回転円板32を台車本体28に軸支すると共に、回転円板32と対面する固定外板34を台車本体28に設け、回転円板32にはピン挿入孔bを周方向に比較的短い一定のピッチで多数設け、固定外板34には回転円板32の多数のピン挿入孔bに対応する周方向位置に前記回転円板32側のピン挿入孔bのピッチとは異なったピッチの複数(例えば図示するように3つ)のピン挿入孔aを設け、そうして固定外板34側の複数のピン挿入孔aのうちの何れかのピン挿入孔aと回転円板32側の多数のピン挿入孔bのうち固定外板側のピン挿入孔aに同軸上に合致するピン挿入孔bにロックピン35を挿入することによって、荷受台車6をガイドレール4に沿って所定の高さ位置に固定する際に、固定外板34に設けた複数のピン挿入孔aの何れかが、回転円板32の何れかのピン挿入孔bに合致してロックピン35を円滑に両ピン挿入孔a,bにかけて挿入することができ、これによって荷受台車6を所定の高さ位置に正確に固定することができる。
【0030】
請求項12に示す発明にあっては、図18に示すように、ガイドレール4の上端部に吊支部材27の上端部を枢着し吊支部材27の下端部を荷受台車6の台車本体28に連結することによって、所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置で簡単容易にして、確実安全に固定することができ、またこの固定手段と、請求項12に記載のロックピン35による固定手段とを併用すれば、荷受台車6を2重にロックすることができ、より安全に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る作業ステージ仮設方法の実施形態を示すもので、(a) は高架橋の梁部に仮設された作業ステージを示す概略正面図であり、(b) は(a) のA−A線断面図である。
【図2】本発明に係る作業ステージ仮設方法の実施形態において、4つの橋脚に夫々レール取付金具によって取り付けたガイドレールに荷受台車及び駆動台車とからなる走行台車を取り付けた状態の水平断面図である。
【図3】4つの橋脚に夫々取り付けたガイドレール上の荷受台車上にステージ下地を装架した状態を示す水平断面図である。
【図4】4つの橋脚に夫々取り付けたガイドレール上の荷受台車上に作業ステージを載設し終えた状態の水平断面図である。
【図5】駆動台車を駆動して荷受台車を押し上げることにより作業ステージを所定高さ位置まで持ち上げた状態を示す正面図である。
【図6】図5の矢印Bで示す部分の拡大図である。
【図7】図5の矢印Bで示す部分の拡大平面図である。
【図8】荷受台車を固定した後、駆動台車を下降させた状態を示す正面図である。
【図9】橋脚にレール取付金具を取り付けた状態の平面図であり、(a) はボルト・ナットを示す図面である。
【図10】(a) はレール取付金具の本体固定枠を示す平面図であり、(b) は正面図であり、(c) は(a) の左側面図である。
【図11】(a) はレール取付金具の張出枠を示す平面図、(b) は正面図、(c) は(a) の左側面図である。
【図12】レール取付金具の組付ボルトを示す正面図である。
【図13】(a) はレール取付金具の斜め補強材を示す正面図、(b) は同補強材の端面図である。
【図14】(a) はラックを並設したガイドレールの正面図、(b) は側面図、(c) は平面図である。
【図15】(a) はガイドレールの接続方法を示す説明正面図、(b) は説明側面図である。
【図16】(a) はレールヘッドを示す正面図、(b) は平面図、(c) は(a) の右側面図である。
【図17】(a) は荷受台車を示す正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。
【図18】荷受台車をガイドレールに取り付けると共にガイドレールにレール頂部金具を取り付け、更に吊支部材によって荷受台車をレール頂部金具から吊支した状態を示す側面図である。
【図19】駆動台車を示す正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に本発明の好適な一実施形態を図面に基づいて説明すると、高架橋に仮設された作業ステージを示す図1の(a) ,(b) において、2は鉄道高架橋や道路高架橋のスラブ2aや梁部2bあるいは橋脚1等の高架橋外面である。3は高架橋外面2の所要高さ位置に仮設された作業ステージである。また4はレール取付金具8によって橋脚1に取り付けられたガイドレール、6はガイドレール4に沿って昇降する自走台車5の一部を形成する荷受台車、7はガイドレール4に沿って自力で昇降走行可能で、荷受台車6を下側から押し上げるための自走台車5の他部を形成する駆動台車である。この荷受台車6および駆動台車7の詳細構造については後述する。
【0033】
図1に示すような作業ステージ3の仮設方法について説明すれば、先ず、高架橋外面2において、補修を必要とする箇所を臨んで前後左右に隣り合う4つの橋脚1に夫々下端部より上方へ延びるガイドレール4を取り付ける。このガイドレール4の取付方法を説明すると次のとおりになる。
【0034】
前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚1に沿わせて取り付けるガイドレール4は、複数の継ぎ足しガイドレール4a〜4eからなり、これらの継ぎ足しガイドレール4には自走台車5を構成する駆動台車7を自走させるためのラック19(図14)がユニットとして並設されている。
【0035】
そして、先ず各橋脚1にレール取付金具8aによって最下端部のガイドレール4aを取り付け、これら各橋脚1の最下端部のガイドレール4aに自走台車5を装備する。
自走台車5は、荷受台車6とこれを押し上げる駆動台車7とからなり、図2は、4つの橋脚1に夫々レール取付金具8でガイドレール4を取り付け、このガイドレール4に荷受台車6と駆動台車7とを取り付けた状態を示す。この時、駆動台車7は荷受台車6の下側に位置し、荷受台車6は駆動台車7に登載された状態にある。
【0036】
それから、これら4つの荷受台車6上に作業ステージ3を地上側から載設するわけであるが、この作業ステージ3の載設にあたっては、先ずステージ下地3aを4つの荷受台車6上に架け渡し、このステージ下地3aに足場板9を装架する。図3は、4つの荷受台車6上にステージ下地3aを架け渡した状態を示したものであるが、ステージ下地3aは、図示のように、前後方向(図3の上下方向)に対向する橋脚1,1の荷受台車6,6間に架け渡された内外一対の梁枠41,41と、これら両梁枠41,41間に横架された横材42と、内側の梁枠41,41どうし間に架け渡された梁材43と、対向する梁材43,43間に架け渡された梁材44とによって構成される。
【0037】
図4は、図3に示すようなステージ下地3aに多数の足場板9を架け渡して作業ステージ3を形成した状態を示す。即ち、図4において、前後方向(同図の上下方向)に対向する橋脚1,1の荷受台車6,6間に架け渡された内外一対の梁枠41,41には、前後に対向する横材42,42間に足場板9が掛架され、また前後に対向する梁材43,43間に前後に長い足場板9が掛架されている。この図4において、10及び11は、対向間隔が狭くて足場板9を掛架できない横材42,42間に掛架された隙間板である。
【0038】
上記のようにして4つの荷受台車6上に作業ステージ3を載設した後、図5に示すように、各自走台車5を一斉に同調駆動して、最下端部のガイドレール4aに沿って自走台車5、正確には駆動台車7を駆動して、自走台車5、正確にはその荷受台車6に荷受けされる作業ステージ3を最下端部のガイドレール4aの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で最下端部のガイドレール4aの上端部付近をレール取付金具8bによって橋脚1に取り付けると共に、該最下端部のガイドレール4aに継ぎ足しガイドレール4bを継ぎ足し取り付ける。
【0039】
そして又、継ぎ足しガイドレール4bに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4bの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4bの上端部付近をレール取付金具8cによって橋脚1に取り付けると共に、更に上部側の継ぎ足しガイドレール4cを下側のガイドレール4bに継ぎ足し取り付ける。そして更に、継ぎ足しガイドレール4cに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4cの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4cの上端部付近をレール取付金具8dによって橋脚1に取り付けると共に、更に上部側の継ぎ足しガイドレール4dを下側のガイドレール4cに継ぎ足し取り付ける。そして更に、継ぎ足しガイドレール4dに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4dの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4dの上端部付近をレール取付金具8dによって橋脚1に取り付けると共に、更に最終段階として、上部側の継ぎ足しガイドレール4eを下側のガイドレール4dに継ぎ足し取り付け、最後に該継ぎ足しガイドレール4eに沿って自走台車5を駆動して作業ステージ3を継ぎ足しガイドレール4eの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ3上で継ぎ足しガイドレール4eを上端部付近をレール取付金具8fによって橋脚1に取り付ける。このようにして、ガイドレール4を、主に作業ステージ3上で橋脚1の全長にわたって取り付けることになる。なお、作業ステージ3からレール取付金具8を取り付けることが困難な部位が存在する場合には適宜簡易足場を組み、この簡易足場から作業者はレール取付金具5を取り付けるようにしてもよい。レール取付金具8の詳細構造は図9に示されており後述する。又、ガイドレール4a及び4b間の継ぎ足し構造については、図15に詳細に示されており後述する。
【0040】
このようにしてガイドレール4b〜4eの継ぎ足しと作業ステージ3の持ち上げ駆動とレール取付金具8b〜8fによるガイドレール4b〜4eの橋脚1への取り付けを繰り返して、作業ステージ3を所要高さ位置まで持ち上げるようにする。なお、最下端部のガイドレール4aを橋脚1に取り付ける際に、最下端部のガイドレール4aとこれに装備される自走台車5の一部である駆動台車7と駆動台車側のピニオン38(図38)に噛み合うラック19(図14)とガイドレール4aを垂直維持するベースプレート25(図5)とを予めユニットに工場で組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレール4aを各橋脚1に取り付けるようにすれば、現場施工が容易であり、正確にガイドレール4aを垂直維持して橋脚1に取り付けることができる。
【0041】
図6は図5の矢印Bで示す部分の拡大図であり、この図から分かるように、駆動台車7は、ガイドレール4、正確にはそのレール本体16に嵌合される上下一対のガイドロール37,37に支持されてガイドレール4に案内されて昇降移動できるようになっており、該駆動台車7には自走用のモータ39が取り付けられており、この駆動台車7の上部に、ガイドレール4、正確にはそのレール本体16に嵌合される上下一対のガイドロール29,29に支持された荷受台車6がガイドレール4に案内されて昇降移動できるようになっており、駆動台車7の上面側に硬質ゴム等からなるクッション材71が取り付けられ、該クッション材71を介して荷受台車6が駆動台車7に登載され、駆動台車7は荷受台車6を押し上げるようになっていると共に、該荷受台車6から分離して駆動台車7のみがガイドレール4に沿って下降することができるようになっている。
【0042】
図7は図5の矢印Bで示す部分の拡大平面図である。これら図6及び図7を参照すると、荷受台車6の台車本体28から両側方に水平に突設された両側一対の荷受け部材30,30に、内外一対の梁枠41,41の夫々主梁部41a,41aが支持され、両梁枠41,41間に横架された横材42に足場板9が掛止されているのが分かる。
【0043】
作業ステージ3を最上段のガイドレール4の上端部まで持ち上げ、その位置に各荷受台車6を固定する。この荷受台車6の固定は、後述する図17に示すようなロックピン35によるロック手段、更には図18に示すようなガイドレール4の上端部に枢着された吊支部材27の吊支によるロック手段によって、二重にロックされることによって行われる。こうして各荷受台車6を固定した後、図8に示すように各駆動台車7をガイドレール4の下端部まで下降させて、この駆動台車7をガイドレール4から取り外し、他の作業ステージ仮設現場へ搬送する。当該他の作業ステージ仮設現場へ搬送した駆動台車7は、その作業ステージ仮設現場での駆動台車としてそのまま使用することができる。従って、作業ステージ3の仮設作業を複数箇所、例えば3箇所を平行して行う場合には、荷受台車6は12台必要であるが、駆動台車7は4台で済むことになる。
【0044】
上述したような作業ステージ3の仮設方法によれば、高架橋外面2の損傷箇所を補修するための箇所を臨んで前後左右に隣り合う4つの橋脚1に4つの橋脚1にガイドレール4を取り付け、各橋脚1のガイドレール4に自走台車である荷受台車6と駆動台車7とを取り付け、荷受台車6上に地上側で作業ステージ3を組み立て載設し、その後に自走台車である駆動台車7を一斉に駆動して荷受台車6を押し上げることにより作業ステージ3を所定高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにした方法であるから、従来のように大がかりな多階層の作業ステージ用の仮設足場を組み立てる必要がなく、作業ステージ3を地上で組み立ててそのまま自走台車5に載設すれば、あとは自走台車5によって所定高さ位置に持ち上げるから、大型作業ステージ3でも容易に仮設することができる。更に、高架橋外面の補修の際の重量設備や資材等の重量物の搬入や補修作業の際に発生するコンクリート廃材等の搬出も自走台車5によって作業ステージ3を橋脚1に沿って昇降移動させることによって能率的に処理することができる。
【0045】
この実施形態では、前後左右に隣り合う4つの橋脚1にガイドレール4を取り付けて、各橋脚1のガイドレール4に荷受台車6と駆動台車7とを取り付けているが、ガイドレール4を取り付ける橋脚1は、4つに限らず、前後左右に隣り合う4つ以上、例えば6つの橋脚1に取り付け、各橋脚1のガイドレール4に荷受台車6と駆動台車7とを取り付け、そうして6つの荷受台車6にわたって作業ステージ3を載設してもよい。
【0046】
図9は橋脚1に取り付けた状態のレール取付金具5を示す。このレール取付金具5は、一対の本体固定枠12,12と、両本体固定枠12,12の両端部に挿通される一対の組付ボルト13,13と、一方の本体固定枠12の一端部に接続される張出枠14と、この張出枠14の先端部と他方の本体固定枠12の一端部とをつなぐ斜め補強材15とにより構成され、これらの構成部材12〜15を図10〜図13に示す。
【0047】
各本体固定枠12は、図10に示すように、角筒材からなるもので、角柱状の橋脚1に対面する側面の両端部に夫々位置決め片45を取り付け、両位置決め片45の中間部にはクッション材46を取り付け、また各本体固定枠12の一端部には張出枠14の一端部又は斜め補強材15の一端部を接続する接続片47を突設している。張出枠14は、図11に示すように、角筒材からなるもので、先端部と中間部とにガイドレール取付片48を取り付け、これにガイドレール4が後述のようにして取り付けられ、また先端部には斜め補強材15の他端部を接続する接続片49を突設している。組付ボルト13は、図12に示すように両端部にネジ部13aを有する。斜め補強材15は、図13に例示するようにアングル材からなる。
【0048】
上記のように構成されるレール取付金具8を橋脚1に取り付けるには、図9に示すように、角柱状橋脚1の対向側面に一対の本体固定枠12,12を当接し、両本体固定枠12,12の両端部間に夫々組付ボルト13を挿通して、各組付ボルト13の両端ネジ部13aにナット50を螺合し、締め付けることによって、両本体固定枠12,12を橋脚1に固定し、そうして一方の本体固定枠12の接続片47と張出枠14の一端部とをボルト・ナット51で枢着し、また他方の本体固定枠12の接続片47と斜め補強材15の一端部とをボルト・ナット51で枢着し、この斜め補強材15の他端部と張出枠14の先端部の接続片49とボルト・ナット51で枢着すればよい。
【0049】
図14は、一定長さの継ぎ足し可能なガイドレール4を示す。このガイドレール4は、チャンネル材からなる左右一対のレール本体16,16と、両レール本体16,16の上端部、下端部及び中間部に夫々横架されたアングル材からなる横枠17と、両レール本体16,16の上部側及び下部側に夫々横架されたパイプ材からなる横棒18とのユニットからなり、このガイドレール4の前面側にはレール本体16とほぼ同じ長さで平行に延びる継ぎ足し可能なラック19が上下端部及び中間部の横枠17にボルト52によって取り付けられている。
【0050】
そして、ガイドレール4の背面側下端部にはその左右両端部に夫々雄形接続部21が設けられ、背面側上端部の左右両端部には、雄形接続部21に対し凹凸嵌合する雌形接続部22が設けられ、そして各雄形接続部21及び雌形接続部22にはボルト挿通孔21a,22aが形成されている。また、ガイドレール4の下端部側横枠17には左右両端部に、板片からなる接続片23が取り付けられ、上端部側横枠17の左右両端部にはアングル片からなる接続片24が取り付けられている。
【0051】
このガイドレール4をレール取付金具8に取り付けるには、図14の(a) ,(b) に示すように、左右両レール本体16,16の背面側上端部を、橋脚1に固定されているレール取付金具5の張出枠14およびガイドレール取付片48にガイドレール4のレール本体16を当て付けた状態で、図9、特に図14の(d)に拡大して示すように、張出枠14およびガイドレール取付片48にボルト73とナット74によって固着したクランプ72を横棒18にクランプさせナット72aによって締め付けることによって、上端部側横棒18の両端部に取り付けたクランプ72を介して横棒18とガイドレール取付片48とを連結固定することにより、ガイドレール4の上端部側をレール取付金具5の張出枠14に取り付け固定し、このガイドレール4の下端部側は、下段側ガイドレール4の上端部に接続することにより、ガイドレール4の上下両端部側を橋脚1に固定する。
【0052】
尚、ガイドレール4を最初に橋脚1の下端部に取り付ける際は、図5及び図8に概略示すように、地面に接地させたベースフレーム25付きショートガイドレール4aを、橋脚1の下端側に固定したレール取付金具8の張出枠14に上記同様にして取り付け固定した後、このショートガイドレール4aの上端部に、図14に示す通常のガイドレール4の下端部を接続するようになっている。
【0053】
図15はガイドレール4及びラック19の夫々の接続方法を示している。即ち、図5,図8に示すような最下段のベースフレーム25付きショートガイドレール4aに2段目の通常ガイドレール4の下端部を接続したり、2段目以上の通常のガイドレール4どうしを接続する場合には、(a) ,(b) に示すように下段側ガイドレール4又は4aの上端部にある雌形接続部22に、上段側ガイドレール4の下端部にある雄形接続部21を凹凸嵌合して、ボルト53を挿通し、ナット54を締め付け、また下段側ガイドレール4又は4aの上端部にある接続片24と上段側ガイドレール4の下端部にある接続片23とを突き合わせて、ボルト55を挿通し、ナット56を螺合して締め付ければよい。
【0054】
また、最下段のベースフレーム25付きの最下端部ガイドレール4aに並設されたラック19に、2段目ガイドレール4に並設されたラック19を接続したり、2段目以上のガイドレール4に並設されたラック19どうしを接続する時は、図15の(a) ,(b) に示すように、下段側ラック19の上端部に設けてある接続片57に、上段側ラック19の下端部を係合して、ボルト20を挿通し、ナット58を螺合して締め付ければよい。
【0055】
図16は最上段ガイドレール4の上端部に接続されるレールヘッド26を示し、(a) は正面図、(b) は平面図、(c) は側面図である。このレールヘッド26は、ヘッド本体60の背面側下端部の左右両端部に、ガイドレール4の上端部側にある左右一対の雌形接続部22,22に夫々凹凸嵌合する雄形接続部21,21を設け、ヘッド本体60の左右両側面上端部に前方へ突出する耳片61,61を設け、更にヘッド本体60の下端部に、ガイドレール4の上端部にある左右一対の接続片24,24に当接可能な接続片23,23を設けてなるもので、耳片61には、駆動台車7により最上段側ガイドレール4の上端部まで押し上げられた荷受台車6をその位置に吊支するための吊支部材27の上端部をボルト62及びナット63によって枢着するようになっている。
【0056】
図17の(a) は荷受台車6を示す正面図であり、(b) は平面図、(c) は側面図である。この荷受台車6は、台車本体28と、ガイドレール4のレール本体16,16に支持案内される上下左右4つのガイドローラ29と、台車本体28の左右両側部から外方へ水平に突設された両側一対の荷受け部材30,30とを有し、各荷受け部材30によって、作業ステージ3のステージ下地8を形成する梁枠41を支持するようになっており、各荷受け部材30の先端部に外れ止め具30aが取り付けられ、梁材41と外れ止め具30aはボルト・ナット30bで固定されている。
【0057】
各ガイドローラ29は、台車本体28にボルト・ナット64aによって着脱可能に取り付けられるローラ支持具64に軸支されており、荷受台車6をガイドレール4に取り付ける時には、上下左右4つのローラ支持具64を台車本体28の所定箇所に取り付けることによって、各ガイドローラ29がガイドレール4のレール本体16に係合して、荷受台車6がガイドレール4に走行可能に装着されることになり、またこの荷受台車6をガイドレール4から取り外す時は、ローラ支持具64をボルト・ナット64aを弛めて台車本体28から外せば、荷受台車6をガイドレール4から簡単に取り外すことができる。荷受台車6をガイドレール4に取り付けた状態を図17の(c) 及び図18に示している。
【0058】
また、図17の(a) ,(b) に示すように、荷受台車6には、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する荷受台車固定用の歯車31と、荷受台車固定用の回転円板32とを、台車本体28に軸架した回転軸33に一体回転可能に取り付けると共に、回転円板32と対面する固定外板34を台車本体28に設け、回転円板32にはピン挿入孔bを周方向に比較的短いピッチで多数設け、固定外板34には回転円板の複数(例えば3つ)のピン挿入孔bに対応する位置に前記ピッチとは異なったピッチのピン挿入孔aを例えば図17の(a) に示すように3つ設け、そうして固定外板34側の1つのピン挿入孔aから回転円板32側のピン挿入孔bにロックピン35を挿入することにより、回転円板32を固定して、荷受台車固定用の歯車31を固定し、これにより駆動台車7で所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6をその位置に固定するようにしている。このように回転円板32に周方向に比較的短いピッチで多数のピン挿入孔bを設けたのは、荷受台車6をガイドレール4に沿って所定の高さ位置に固定する際に、固定外板34に設けた複数のピン挿入孔aの何れかが、回転円板32の何れかのピン挿入孔bに合致してロックピン35を円滑に両ピン挿入孔a,bにかけて挿入することができ、これによって荷受台車6を所定の高さ位置に正確に固定することができるからである。
【0059】
この場合、荷受台車6の昇降移動によって、ラック19と噛合する荷受台車固定用歯車31が回転して回転円板32が回転するようになっているから、固定外板34のピン挿入孔aから回転円板32のピン挿入孔bにロックピン35を挿し込んで、回転円板32を固定することにより、荷受台車6を固定することができる。尚、図17の(a) ,(b) において、65はラック19の背面側を支持するバックアップローラである。また(b) において66は台車本体28内において回転円板32を挟んで固定外板34と反対側に設けられた固定内板で、この固定内板66には、固定外板34側から挿入したロックピン35の先端部を挿通させるように、固定外板34のピン挿入孔bと対向する位置にピン挿通孔が設けてある。
【0060】
また、図17の(a),(b)に示すように、荷受台車6の台車本体28には上端部の左右両側に、図16(a)〜(c)に示すように、ガイドレール4のヘッド本体60に設けられた耳片61,61に対応する固定片67,67が突設されている。この耳片61には、上端部を前記ヘッド本体60の耳片61に枢着した吊支部材27の下端部を、ボルト68及びナット69で枢着し、それによって所定高さ位置まで押し上げた荷受台車6を、前記固定手段31〜35と共に、この吊支部材27で二重にロックしてその位置に固定するようにしたもので、この状態を図18に示している。
【0061】
図19の(a) は駆動台車7を示す正面図であり、(b) は平面図、(c) は側面図である。この駆動台車7は、台車本体36と、ガイドレール4のレール本体16,16に支持案内される上下左右4つのガイドローラ37と、ガイドレール4に並設されたラック19に噛合する駆動ピニオン38と、この駆動ピニオン38を駆動するモータ39と、からなる。各ガイドローラ37は、荷受台車6のガイドローラ29と同様に、台車本体36にボルト・ナット40によって着脱可能に取り付けられるローラ支持具40に軸支されており、駆動台車7をガイドレール4に取り付ける時に、上下左右4つのローラ支持具40をボルト・ナット40aによって台車本体36に取り付けることにより、各ガイドローラ37がガイドレール4のレール本体16に係合して、駆動台車7がガイドレール4に走行可能に装着されることになり、また駆動台車7をガイドレール4から取り外す時は、ローラ支持具40をボルト・ナット40を弛めることによって台車本体36から外せば、駆動台車7をガイドレール4から簡単に取り外すことができる。
【0062】
図19の(a) ,(b) において、70はラック19の背面側を支持するバックアップローラである。また71は、図6でも説明するように台車本体36の上端部に取り付けられたクッション材で、駆動台車7の上側に配置される荷受台車6が衝当する時の衝撃を緩和するものである。
【0063】
なお、前記実施形態では、自走台車5は、荷受台車6とこれとは別体の駆動台車7とからなり、駆動台車7に荷受台車6がクッション材71を介して登載されるようになっている。このクッション材71は、荷受台車6を駆動台車7に登載する際の緩和材としての役割以外に、荷受台車6に載設される作業ステージ3からの衝撃を緩和する作用をも有する。しかし、荷受台車6と駆動台車7とをその台車本体28,36どうしをボルトナット等の機械的結合手段によって分離可能に連結するようにしてもよい。また、荷受台車6と駆動台車7とをその台車本体28,36どうしを溶接ないしそのフレームを一体として一体構造としてもよい。更には、駆動台車7に代わって荷受台車6のみを設け、この荷受台車6の台車本体28に軸架した回転軸33に、例えば図19に示す自走用のモータ39を台車本体28の固定外板34を利用してこれに取り付け、該モータの回転駆動によって荷受台車6が駆動台車の役割を担ってガイドレール4を昇降駆動するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 高架橋の橋脚
2 高架橋の梁部
3 作業ステージ
4 ガイドレール
5 レール取付金具
6 荷受台車
7 駆動台車
8 ステージ下地
9 足場板
19 ラック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架橋外面を補修する際に高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚に沿わせてガイドレールを取り付け、これらの各ガイドレールに自走台車を装備し、この自走台車上に作業ステージを載設し、ガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項2】
高架橋外面を補修する際に高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚に沿わせて取り付けるガイドレールは、複数の継ぎ足しガイドレールからなり、先ず各橋脚に最下端部のガイドレールを取り付け、これら各橋脚の最下端部のガイドレールに自走台車を装備し、これらの自走台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレールおよびこれに継ぎ足し取り付けたガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項3】
前記継ぎ足しガイドレールは、これに並設されるラックとのユニットからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項4】
高架橋外面を補修する際に高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚に沿わせて取り付けるガイドレールは、複数の継ぎ足しガイドレールからなり、先ず各橋脚に最下端部のガイドレールを取り付け、これら各橋脚の最下端部のガイドレールに自走台車を装備し、これらの自走台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを最下端部のガイドレールの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で継ぎ足しガイドレールを最下端部のガイドレールに継ぎ足し取り付け、更に継ぎ足しガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを継ぎ足しガイドレールの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で更に上部側の継ぎ足しガイドレールを下側のガイドレールに継ぎ足し取り付け、このようにしてガイドレールの継ぎ足しと作業ステージの持ち上げ駆動を繰り返して、作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項5】
最下端部のガイドレールを橋脚に取り付ける際に、最下端部のガイドレールとこれに装備される自走台車と自走台車側のピニオンに噛み合うラックとガイドレールを垂直維持するベースプレートとを予めユニットに組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレールを各橋脚に取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項6】
前記自走台車は、荷受台車とこれを押し上げる駆動台車とからなり、荷受台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に駆動台車を順次駆動して荷受台車を押し上げることにより作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項7】
前記自走台車は、荷受台車とこれを押し上げる駆動台車とからなり、荷受台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に駆動台車を順次駆動して荷受台車を押し上げることにより作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その位置で荷受台車を固定した後、駆動台車のみをガイドレールに沿って地上側に下降させ、必要に応じて駆動台車をガイドレールから取り外すことを特徴とする請求項5又は6に記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項8】
各橋脚に最下端部から順次継ぎ足しガイドレールを取り付けるに当たって、各橋脚にレール取付金具を橋脚下端部より所要間隔おきに固定し、このレール取付金具を介して最下端部ガイドレールおよび継ぎ足しガイドレールを順次各橋脚に取り付けるようにすることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項9】
各荷受台車は、台車本体と、ガイドレールに支持案内されるガイドローラと、荷受け部材とを有することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項10】
駆動台車は、台車本体と、ガイドレールに支持案内されるガイドローラと、ガイドレールに並設されたラックに噛合する駆動ピニオンと、この駆動ピニオンを駆動するモータとからなることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項11】
各荷受台車には、ガイドレールに並設されたラックに噛合する荷受台車固定用の歯車及びこれと同軸一体に回転する荷受台車固定用の回転円板を台車本体に軸支すると共に、回転円板と対面する固定外板を台車本体に設け、回転円板には多数のピン挿入孔を周方向に一定のピッチで設け、固定外板には回転円板の多数のピン挿入孔に対応する周方向位置に前記回転円板側のピン挿入孔のピッチとは異なったピッチの複数のピン挿入孔を設け、固定外板側の複数のピン挿入孔のうちの何れかのピン挿入孔と回転円板側の多数のピン挿入孔のうち固定外板側のピン挿入孔に同軸上に合致するピン挿入孔にロックピンを挿入することによって、所要高さ位置まで押し上げた荷受台車をその位置に固定するようにしたことを特徴とする請求項6〜10の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項12】
ガイドレールの上端部に吊支部材の上端部を枢支し吊支部材の下端部を荷受台車の台車本体に連結することによって、所定高さ位置まで押し上げた荷受台車をその位置に固定するようにしたことを特徴とする請求項6〜11の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項1】
高架橋外面を補修する際に高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚に沿わせてガイドレールを取り付け、これらの各ガイドレールに自走台車を装備し、この自走台車上に作業ステージを載設し、ガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項2】
高架橋外面を補修する際に高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚に沿わせて取り付けるガイドレールは、複数の継ぎ足しガイドレールからなり、先ず各橋脚に最下端部のガイドレールを取り付け、これら各橋脚の最下端部のガイドレールに自走台車を装備し、これらの自走台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレールおよびこれに継ぎ足し取り付けたガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項3】
前記継ぎ足しガイドレールは、これに並設されるラックとのユニットからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項4】
高架橋外面を補修する際に高架橋外面の所要高さ位置に作業ステージを仮設する方法であって、前後左右に隣り合う少なくとも4つの橋脚に沿わせて取り付けるガイドレールは、複数の継ぎ足しガイドレールからなり、先ず各橋脚に最下端部のガイドレールを取り付け、これら各橋脚の最下端部のガイドレールに自走台車を装備し、これらの自走台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に最下端部のガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを最下端部のガイドレールの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で継ぎ足しガイドレールを最下端部のガイドレールに継ぎ足し取り付け、更に継ぎ足しガイドレールに沿って自走台車を駆動して作業ステージを継ぎ足しガイドレールの長さ範囲内で持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で更に上部側の継ぎ足しガイドレールを下側のガイドレールに継ぎ足し取り付け、このようにしてガイドレールの継ぎ足しと作業ステージの持ち上げ駆動を繰り返して、作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その持ち上げ位置の作業ステージ上で高架橋外面を補修するようにしたことを特徴とする高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項5】
最下端部のガイドレールを橋脚に取り付ける際に、最下端部のガイドレールとこれに装備される自走台車と自走台車側のピニオンに噛み合うラックとガイドレールを垂直維持するベースプレートとを予めユニットに組み立て、このユニットに組み立てられた最下端部のガイドレールを各橋脚に取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1〜4の何れに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項6】
前記自走台車は、荷受台車とこれを押し上げる駆動台車とからなり、荷受台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に駆動台車を順次駆動して荷受台車を押し上げることにより作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げるようにしたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項7】
前記自走台車は、荷受台車とこれを押し上げる駆動台車とからなり、荷受台車上に地上側で作業ステージを組み立て載設し、その後に駆動台車を順次駆動して荷受台車を押し上げることにより作業ステージを所要高さ位置まで持ち上げ、その位置で荷受台車を固定した後、駆動台車のみをガイドレールに沿って地上側に下降させ、必要に応じて駆動台車をガイドレールから取り外すことを特徴とする請求項5又は6に記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項8】
各橋脚に最下端部から順次継ぎ足しガイドレールを取り付けるに当たって、各橋脚にレール取付金具を橋脚下端部より所要間隔おきに固定し、このレール取付金具を介して最下端部ガイドレールおよび継ぎ足しガイドレールを順次各橋脚に取り付けるようにすることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項9】
各荷受台車は、台車本体と、ガイドレールに支持案内されるガイドローラと、荷受け部材とを有することを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項10】
駆動台車は、台車本体と、ガイドレールに支持案内されるガイドローラと、ガイドレールに並設されたラックに噛合する駆動ピニオンと、この駆動ピニオンを駆動するモータとからなることを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項11】
各荷受台車には、ガイドレールに並設されたラックに噛合する荷受台車固定用の歯車及びこれと同軸一体に回転する荷受台車固定用の回転円板を台車本体に軸支すると共に、回転円板と対面する固定外板を台車本体に設け、回転円板には多数のピン挿入孔を周方向に一定のピッチで設け、固定外板には回転円板の多数のピン挿入孔に対応する周方向位置に前記回転円板側のピン挿入孔のピッチとは異なったピッチの複数のピン挿入孔を設け、固定外板側の複数のピン挿入孔のうちの何れかのピン挿入孔と回転円板側の多数のピン挿入孔のうち固定外板側のピン挿入孔に同軸上に合致するピン挿入孔にロックピンを挿入することによって、所要高さ位置まで押し上げた荷受台車をその位置に固定するようにしたことを特徴とする請求項6〜10の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【請求項12】
ガイドレールの上端部に吊支部材の上端部を枢支し吊支部材の下端部を荷受台車の台車本体に連結することによって、所定高さ位置まで押し上げた荷受台車をその位置に固定するようにしたことを特徴とする請求項6〜11の何れかに記載の高架橋における作業ステージの仮設方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−58266(P2011−58266A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−209501(P2009−209501)
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(390007607)大鉄工業株式会社 (11)
【出願人】(595160927)計測技研株式会社 (2)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(390007607)大鉄工業株式会社 (11)
【出願人】(595160927)計測技研株式会社 (2)
【出願人】(000101662)アルインコ株式会社 (218)
【Fターム(参考)】
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