説明

高温クロマトグラフィー装置及びその方法

【課題】注入部、カラム部及び検出部を全て高温で作動可能であるように構成して、難溶性高分子試料の準備/注入から、分離、検出、捕集まで高分子の沈澱や移動相の凝固なくなされるようにした高温クロマトグラフィー装置及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明は高温クロマトグラフィー装置及びその方法に関するものであり、溶離液用ポンプ;難溶性高分子試料を均質に溶解させるための試料溶解部;試料と溶離液を混合して注入するための注入部;物質を分離するためのカラム部;物質を検出するための検出部;前記試料溶解部、注入部及びカラム部の温度を測定するための温度測定部;前記試料溶解部、注入部及びカラム部の温度を上げたり下げるための加熱装置;前記測定温度と設定温度を同一に維持するようにする温度調節部;及び制御部を含む高温クロマトグラフィー装置及びその方法を提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高温クロマトグラフィー装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィーは、試料が混じっている混合液を移動相とともに静止相に流すと、試料の特徴によって通過する速度が異なるという点を用いて試料を分離する方法であり、化学、バイオテクノロジー、医学を含む多様な分野で応用されている代表的な物質分離技術である。
【0003】
一般的に、合成高分子を分離/分析する高性能液体クロマトグラフィー(HPLC:High Performance Liquid Chromatography)装置には、GPC(Gel Permeation Chromatography)、SGIC(Solvent Gradient Interaction Chromatography)、TGIC(Temperature Gradient Interaction Chromatography)装置がある。この方法では移動相に合成高分子を均質に溶かすことができる液体溶媒を用いて、これを通常溶離液(eluent)という。
【0004】
このようなHPLC装置の場合、水循環器を用いて温度を調節するため、温度調節が0〜100℃の間で可能であり、大部分の熱可塑性合成高分子試料が常温付近で有機溶媒であるTHF、クロロホルム(Chloroform)、アセトニトリル(Acetonitrile)、アルコール(Alcohol)類などに溶解されるため、このような常温−HPLC装置を用いて物質を分離することができる。
【0005】
最近は水循環器を用いず、ペルティエ(Peltier)装置を用いて5〜100℃/minの温度でカラムを早く加熱することができるHPLC装置が開発された。
【0006】
しかし、前記従来装置は上述のように大部分常温〜100℃範囲で用いられるため、この範囲内で溶けない高分子材料(難溶性高分子)を分離することに用いることができないという問題点がある。
【0007】
即ち、一般的な難溶性合成高分子材料であるハイドロカーボン(Hydrocarbon)系列(PE、PPなど)、導電性高分子及びLCP高分子試料の場合、大部分常温で溶解されず、溶かすことができる溶媒も極めて制限的であるため、大部分が高温120℃以上で特定溶媒であるTCB(Trichlorobenzen)、NMPなどにのみ溶解されるが、このような難溶性合成高分子材料は従来技術による装置を用いて分離することが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述のような問題点を解決するために導き出されたものであり、注入部、カラム部及び検出部を全て高温で作動可能であるように構成して、難溶性高分子試料の準備/注入から、分離、検出、捕集まで高分子の沈澱や移動相の凝固なくなされるようにした高温クロマトグラフィー装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述のような目的を果たすための本発明の装置は、溶離液(eluent)貯蔵所に貯蔵されている移動相で用いられる溶離液を供給する溶離液用ポンプ;難溶性高分子試料を貯蔵して、貯蔵された難溶性高分子試料を均質に溶解させる試料溶解部;前記試料溶解部から供給される溶解された高分子試料と前記溶離液用ポンプから供給される溶離液を混合して注入するための注入部;前記注入部から注入される試料と溶離液の混合液から物質を分離するためのカラム部;前記カラム部から分離されて供給される物質から求める物質を検出するための検出部;前記試料溶解部、注入部及びカラム部の温度を測定するための温度測定部;前記試料溶解部、注入部及びカラム部の温度を上昇又は下降させるための加熱装置;前記温度測定部で測定した測定温度と設定温度を比較して、前記加熱装置を制御して測定温度と設定温度を同一に維持するようにする温度調節部;及び前記溶離液用ポンプ、試料溶解部、注入部、検出部、温度測定部及び温度調節部を制御するための制御部を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の装置は、前記検出部の排出管に連結されて、前記検出部から検出されて排出される物質は加工分取するための分取部をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の装置において、前記溶離液貯蔵所に貯蔵されている溶離液は、ハロゲン化ハイドロカーボン(Halogenated hydrocarbon)[TCB(Trichlorobenzen)]、DMF、DMSO、m‐クレゾール、ピリジン(Pyridine)、テトラクロロエタン(Tetrachloroethane)、THF、NMP、ギ酸(Formic Acid)、硫酸(Sulfuric Acid)、フェニル(Phenyl)系有機溶媒及びその組合せのうち少なくとも一つであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の装置において、前記試料溶解部で溶解される難溶性高分子試料は、ハイドロカーボン系列(PE、PPなど単一高分子及びPE、PPを含む全ての共重合体)試料、導電性高分子試料及びLCP高分子試料のうち少なくとも一つであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の装置において、前記カラム部は、逆相(Reversed Phase)クロマトグラフィーカラム、順相(Normal Phase)クロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム又はこれらの一つ以上の組合せであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の装置において、前記検出部は、蒸発光散乱検出器(Evaporative Light Scattering、ELSD)、UV‐Vis検出器及び屈折率検出器のうち一つであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の装置において、前記温度測定部は複数の温度センサーを備えて、前記試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の夫々に対して個別的に温度を測定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の装置において、前記加熱装置は複数の加熱器を備えて、前記試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を夫々個別的に上昇又は下降させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の装置において、前記試料溶解部は、難溶性高分子試料を貯蔵するための試料貯蔵所;難溶性高分子試料に高温状態で超音波を加えて、均質に溶解されるようにする超音波発振器;及び高温状態で難溶性高分子試料が溶解されるように試料と溶媒の流動を起こす流動溶解用ポンプを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の装置において、前記注入部は、試料溶解部で均質に溶解された試料の移送を高温状態で受けてポンプ動作によって試料が供給されるようにする試料用ポンプ;及び溶離液注入ポート、試料注入ポート及び試料引出ポートを備えていて、前記溶離液用ポンプから溶離液注入ポートを通じて移送される溶離液と、前記試料用ポンプから試料注入ポートを通じて移送される試料を混合して、試料引出ポートを通じてカラム部に注入するインジェクションバルブを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の装置において、前記検出部は、一定の波長の光を均一に生成して出射する光源;前記カラム部から入力される試料を通過させて、光源から出射される光の光経路上に位置し、光源から入射される光を一部吸収するサンプルセル;前記サンプルセルと相接していて、参照物質に溶離液を通過させて、光源から出射される光の光経路上に位置し、光を一部吸収する参照セル;前記サンプルセルを通過して入射される光を反射して、前記参照セルを通り過ぎるようにするミラー;前記サンプルセルに流出入される物質を伝送するための流路と前記参照セルに流出入される溶離液を伝送するための流路が互いに隣接するようにして、温度勾配実験中にサンプルセルと参照セルの内部物質の温度を同一にする熱交換器;及び光源から出射された光がサンプルセルと参照セルを経由しながら、セル内部物質の屈折率の差異による光経路変化を測定するための受光器;及び高温環境で光源と受光器を分離できるようにする光繊維アセンブリーを含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の方法は、(A)温度測定部が試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を測定して、温度調節部が測定温度と設定温度を比較し、試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を設定温度になるように調節する段階;(B)試料溶解部が難溶性高分子試料を均質に溶解させる段階;(C)注入部が溶解された難溶性高分子試料と溶離液を混合し、カラム部に注入する段階;(D)カラム部が物質を分離して排出し、検出部が試料物質を検出する段階;及び(E)前記(B)から(D)段階が進行される間、温度測定部が試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を測定して、温度調節部が測定温度と設定温度を比較し、試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度が設定温度に維持されるようにする段階を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明の方法は、前記(D)段階の後に(F)分取部が前記検出部の排出管に連結されて排出される物質を加工分取する段階をさらに含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の方法において、前記溶離液は、ハロゲン化ハイドロカーボン(Halogenated hydrocarbon)[TCB(Trichlorobenzene)]、DMF、DMSO、m‐クレゾール、ピリジン(Pyridine)、テトラクロロエタン(Tetrachloroethane)、THF、NMP、ギ酸(Formic Acid)、硫酸(Sulfuric Acid)、フェニル(Phenyl)系有機溶媒及びその組合せのうち少なくとも一つであることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の方法において、前記難溶性高分子試料は、ハイドロカーボン系列(PE、PPなど単一高分子及びPE、PPを含む全ての共重合体)、導電性高分子及びLCP高分子試料のうち少なくとも一つであることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の方法において、前記(A)段階は、(A−1)温度測定部が試料溶解部、注入部、カラム部、そして検出部の温度を測定する段階;(A−2)前記温度調節部が測定された温度と設定温度を比較する段階;及び(A−3)前記温度調節部が測定された温度と設定温度が異なる場合に前記加熱装置を制御して、前記試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を調節して設定温度に維持されるようにする段階を含むことを特徴とする。
【0025】
また、本発明の方法において、前記(C)段階は、(C−1)溶離液貯蔵所にある溶離液を溶離液用ポンプを用いて注入部に移送する段階;(C−2)試料溶解部にある高分子試料を高温に維持した状態で注入部に移送する段階;及び(C−3)前記溶離液用ポンプから移送される溶離液と前記試料溶解部から移送される試料を混合して、カラム部に注入する段階を含むことを特徴とする。
【0026】
また、本発明の方法において、前記(D)段階は、(D−1)カラム部が物質を分離して、溶離液と高分子で構成された試料を排出する段階;(D−2)前記検出部に備えられた参照セルが前記排出される溶離液を参照物質として保管する段階;(D−3)排出される試料の温度を参照セルの中の参照物質の温度と同一になるように熱交換器を用いて調整した後、前記検出部を構成するサンプルセルに試料を通過させる段階;(D−4)前記検出部に備えられた光源で前記サンプルセルと参照セルを経由する光を生成して出射する段階;及び(D−5)前記検出部に備えられた受光器が前記サンプルセルと参照セルを経由して入射される光の強さを測定して、求める物質を検出する段階を含むことを特徴とする。
【0027】
また、本発明の方法において前記(E)段階は、(E−1)前記(B)段階から(D)段階が進行される間、温度測定部が試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を測定する段階;(E−2)前記温度調節部が測定された温度と設定温度を比較する段階;(E−3)前記温度調節部が測定された温度と設定温度が異なる場合に前記加熱装置を制御して、前記試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を調節する段階;及び(E−4)前記温度調節部が物質分離過程が終了したかを判断して、終了していないと前記(E−1)段階から繰り返す段階を含むことを特徴とする。
【0028】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に用いられた用語や単語は通常的かつ辞書的な意味に解釈されてはならず、発明者が自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則にしたがって本発明の技術的思想にかなう意味と概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0029】
上述のような本発明によると、高温(120℃以上)で溶解される難溶性高分子試料の準備/注入から分離、検出、捕集までの過程で、高分子試料の沈澱や移動相の凝固なく精緻に分離/分析/精製することができる。
【0030】
また、本発明によると、従来TGICでは不可能であった高温領域(120℃以上)での温度勾配法の適用ができるようにして、分離/分析/精製の効果を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施例による高温クロマトグラフィー装置の構成図である。
【図2】図1の試料溶解部と注入部の詳細構成図である。
【図3】図1の検出部の構成図である。
【図4】本発明の第1実施例による高温クロマトグラフィー方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は添付図面と以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明白になるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本発明の説明において、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要にぼかす可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0033】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明の第1実施例による高温クロマトグラフィー装置の構成図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の第1実施例による高温クロマトグラフィー装置は、移動相で用いられる溶媒を貯蔵する溶離液貯蔵所1と、前記溶離液を供給する溶離液用ポンプ2と、試料溶解部3と、試料の注入のための注入部4と、物質分離のためのカラム部5と、検出部6と、分取部7と、試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6に繋がる試料の移動経路の温度を測定する温度測定部8と、試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6に繋がる試料の移動経路の温度を高温に維持するように、加熱装置11を調節する温度調節部9と、ポンプ2―試料溶解部3―注入部4―検出部6―分取部7―温度測定部8―温度調節部9を制御する制御部10及び加熱装置11とを含んで構成される。
【0036】
前記溶離液貯蔵所1に貯蔵される溶離液は、高温120℃以上で溶ける難溶性高分子試料を溶かすために、一例としてハロゲン化ハイドロカーボン(Halogenated hydrocarbon)[TCB(Trichlorobenzene)]、DMF、DMSO、m‐クレゾール、ピリジン(Pyridine)、テトラクロロエタン(Tetrachloroethane)、THF、NMP、ギ酸(Formic Acid)、硫酸(Sulfuric Acid)、フェニル(Phenyl)系有機溶媒及びその組合せのうち少なくともひとつであるものを用いる。
【0037】
そして、前記溶離液用ポンプ2は通常の高圧ポンプであり、移動相を固定されたカラム部5内へポムピングする役割をするようになる。
【0038】
次に、注入部4は試料を注入するための装置であり、注入される試料は、ハイドロカーボン(Hydrocarbon)系列(PE、PPなど単一高分子及びPE、PPを含む全ての共重合体を含む)、導電性高分子及びLCP高分子試料が用いられることができる。
【0039】
前記カラム部5は試料の成分を分離するための装置であり、通常の液体クロマトグラフィー用カラムを用いることができる。特に、本発明の一実施例において、前記カラムは高分子分析用カラムであることができ、前記カラム部は逆相(Reversed Phase)クロマトグラフィーカラム、順相(Normal Phase)クロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム及びこれらの一つ以上の組合せのうち一つであるものを用いることができる。
【0040】
そして、前記検出部6は試料の成分を分離及び溶出して検出するための装置であり、液体クロマトグラフィーで用いられる通常の検出器、例えば蒸発光散乱検出器(Evaporative Light Scattering、ELSD)、UV‐Vis検出器、屈折率検出器などを用いることができる。
【0041】
前記分取部7は検出部6の排出管に連結されて、分離された高分子試料を時間によって自動分取する。
【0042】
次に、温度測定部8は、試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6に繋がる試料の移動経路ごとに一つの温度センサーのみを用いて各要素の温度を代表的に測定したり、複数の温度センサーで各要素の位置ごとの温度を測定する。
【0043】
この際、温度センサーとしては白金抵抗温度センサー、熱電対(thermocouple)、輻射温度計(pyrometer)、IC温度計など、多様な種類が制限されず用いられることができる。
【0044】
そして、温度調節部9は、温度測定部8で測定した温度によって前記試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6に繋がる試料の移動経路の温度を高温に維持するために、加熱装置11を調節する。
【0045】
前記加熱装置11は、複数の加熱器(図面符号11a、11b、11c)を備えて、本発明の第1実施例では図1に図示されたように各構成要素ごとに、即ち、試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6の各構成要素ごとに設けられて制御されるが、これと異なって、一つの加熱器でオーブンを用いて構成要素全体を同一に温度を上げたり下げるように(上昇又は下降させるように)制御することもできる。
【0046】
また、本発明の第1実施例で夫々の加熱器11a、11b、11cは、各構成部分全体を加熱するオーブンであることができ、あるいは試料が通り過ぎる流路及び流路と分離不可能である部分のみ選択的に巻いたり、コーティングしたり、接触したり、挿入して付近に置くことによって、高温に脆弱な部分の損傷を防止しながら温度を調節することができる発熱体や輻射体であることができる。
【0047】
この際、加熱器11a〜11cとして発熱体や輻射体を構成要素ごとに分離して制御することができるように構成し、温度調節において精密度を高めることができる。
【0048】
また、これと異なって、加熱装置11はカラムを含んで電気導体で構成された構成要素に電流を直接流して加熱するように構成することもできる。
【0049】
このように加熱装置11によって各構成要素の加熱される部分は、ステンレススチール、ガラス、セラミックス、耐熱性樹脂、複合材料など、高温で安定した材料が用いられる。この際、流路は高温による圧力増加を考慮して長さと直径厚さを最適化して、流路に圧力調節バルブを用いることができる。
【0050】
一方、加熱装置11が用いられる時、検出部6の構成要素のうち高温で用いる場合に分析信号を歪曲したりノイズを発生する可能性がある部分(光学係、検出器、電子電気部品)などは加熱される部分と分離されたり独立的な冷却装置を有するように具現することができる。
【0051】
次に、制御部10は、溶離液用ポンプ2を制御して溶離液貯蔵所1にある溶媒がカラム部5に供給されるようにしたり、注入部4を制御して試料溶解部3にある試料がカラム部5に供給されるようにしたり、検出部6を制御して試料の成分を分離及び溶出して検出するようにしたり、分取部7を制御して分離された高分子試料を時間によって自動分取するようにしたり、温度測定部8を制御して試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6に繋がる試料の移動経路の温度を測定するようにしたり、温度調節部9を制御して試料溶解部3―注入部4―カラム部5―検出部6に繋がる試料の移動経路の温度を加熱装置11で調節して設定温度を維持するようにすることできる。
【0052】
このように構成された本発明による高温クロマトグラフィー装置の動作に対して説明すると、以下の通りである。
【0053】
まず、試料溶解部3は高温(T>120℃)で難溶性高分子試料を均一に溶解させて、高温が維持される注入部4まで高温状態で移送されることができるようにする。試料の均一な溶解のために撹拌、流動、超音波などが加えられることができる。
【0054】
そうすると、前記注入部4は、溶解されて移送された高分子試料を溶離液用ポンプ2から供給される溶離液とまぜて、カラム部5に注入させる。この際、溶離液は試料と会う前に高温に加熱されるため、試料が溶離液と混じった後にも試料の沈澱と凝固は防止される。このように溶離液用ポンプ2から供給される溶離液と均一に混じった試料は、高温領域(T>120℃)の温度調節が可能なカラム部5を通り過ぎる間、沈澱、凝固、詰まることなく分子量と化学構造によって分離される。
【0055】
このために、カラム部5は上述のように逆相(Reversed Phase)クロマトグラフィーカラム、順相(Normal Phase)クロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム及びこれらの一つ以上の組合せのうち一つであるものを用いることができる。
【0056】
一方、上述で用いる高分子とそれによる溶媒(溶離液)、温度勾配範囲、温度勾配速度は下記表1の通りである。
【0057】
【表1】

【0058】
図2は図1の試料溶解部と注入部の一例の詳細構成図である。
【0059】
図2を参照すると、図1の試料溶解部及び注入部は、試料貯蔵所20と、ポンプ器21及びインジェクションバルブ22からなり、試料貯蔵所20とポンプ器21及びインジェクションバルブ22は加熱装置11aに取り囲まれていて、高温状態を維持するようになっている。
【0060】
ここで、加熱装置11aは各構成要素ごとに個別的に具現したが(図面符号11aa、11ab、11ac参照)、全体を一つの加熱装置が加熱したり冷却させるように具現することもできる。
【0061】
次に、前記ポンプ器21は、試料用ポンプ21−1と、流動溶解用ポンプ21−2と、洗浄用ポンプ21−3と、バルブ21−4及び試料溶解用超音波発振器21−5からなる。
【0062】
試料用ポンプ21−1は、固体状態(パウダー、微粒子、タブレット形態)の難溶性高分子試料がシリンダー内部にローディングされると、試料貯蔵所20に貯蔵されている試料溶解用溶媒の移送を高温状態で受けて試料を溶かした後、ポンプ動作によって試料がインジェクションバルブ22に供給されるようにする。この際、難溶性試料の均質で効率的な溶解のために、シリンダー内部に装着した超音波発振器21−5で試料に超音波を印加したり、試料用ポンプ21−1と流動溶解用ポンプ21−2を反対方向に交代で作動して、試料と溶媒を二つのポンプの間で流動させることができる。
【0063】
そして、洗浄用ポンプ21−3は、洗浄液貯蔵所から洗浄液の移送を受けてポンプ動作によって洗浄液がインジェクションバルブ22に供給されるようにする。
【0064】
前記ポンプ器21内に備えられたバルブ21−4は制御部10の制御によって流路を提供するものであり、試料用ポンプ21−1からポンプ動作によって供給される溶解された試料がインジェクションバルブ22に供給されるようにしたり、洗浄用ポンプ21−3からポンプ動作によって供給される洗浄液がインジェクションバルブ22に供給されるようにしたり、試料用ポンプ21−1と流動溶解用ポンプ21−2の作動によって試料と溶媒が二つのポンプの間で繰り返して流動されることができるようにする。
【0065】
一方、インジェクションバルブ22は、溶離液注入ポート22−1と、試料注入ポート22−2及び試料引出ポート22−3を備えていて、制御部10の制御によって、溶離液注入ポート22−1を通じて移送される溶離液と試料注入ポート22−2を通じて移送される試料を混合して、試料引出ポート22−3を通じてカラム部5に注入する。
【0066】
このような構成を有する試料溶解部及び注入部は、試料用ポンプ21−1と、流動溶解用ポンプ21−2と、洗浄用ポンプ21−3と、バルブ21−4と、超音波発振器21−5及びインジェクションバルブ22に対する制御部10の統制によって、試料貯蔵所20の試料を溶解させたり、溶解された試料を溶離液と混合してカラム部5に提供したり、洗浄液貯蔵所(未図示)にある洗浄液をインジェクションバルブ22に提供する。
【0067】
このような構成で、難溶性高分子を貯蔵するための試料貯蔵所20と、難溶性高分子に高温状態で超音波を加えて均質に溶解されるようにする超音波発振器21−5、そして高温状態で難溶性高分子試料が溶解されるように試料と溶媒の流動を起こす流動溶解用ポンプ21−2は試料溶解部3を構成し、残り構成要素は注入部4を構成する。
【0068】
図3は図1の検出部の一例の構成図である。
【0069】
図3を参照すると、図1の検出部は、光源31と、受光器32と、サンプルセル(sample cell)33と、参照セル(reference cell)34と、ミラー35と、熱交換器36と、3方向ソレノイドバルブ37と、透明板38及び光繊維アセンブリー39とを備えている。
【0070】
前記光源31は一定の波長の光を均一に生成して出射し、レーザーダイオード(laser diode)、VECSEL(Vertical External Cavity Surface‐Emitting Laser)タイプレーザー、またはこれと類似の機能をする装置などであることができる。
【0071】
次に、受光器32は光源31から出射された光がサンプルセル33と参照セル34を経由して受光される場合、その光の強さを測定するためのものであり、ポートダイオードなどであることができる。
【0072】
前記サンプルセル33はプリズム形状で前記参照セル34と相接していて、光源31から出射される光の光経路上に位置して光源31から入射される光を一部吸収し、カラム部5から入力される試料を通過させる。
【0073】
そして、前記参照セル34はプリズム形状で前記サンプルセル33と相接していて、光源31から出射されてミラー35で反射される光の光経路上に位置して光を一部吸収し、参照物質として溶離液を通過させる。
【0074】
前記ミラー35は、光源31から出射されてサンプルセル33を透過した光を参照セル34を経由して受光器32に向けるように反射するためのものである。このようなミラー35は、メタルミラー(metallic curved mirror)や、誘電多層ミラー(dielectric multi‐layer mirror)や、内部全反射ミラー(total internal reflection mirror)が用いられることができて、ほぼ100%に近く反射する。
【0075】
前記光繊維アセンブリー39は、受光器32と光源31が高温でノイズを誘発したり性能が低下されることを防止するために、受光器と光源を高温領域で分離する。
【0076】
次に、熱交換器36は、カラム部5からサンプルセル33に繋がる流路とサンプルセル33と参照セル34を連結する流路と、参照セル34から排出管に繋がれる流路が互いに接触されている構造を有していて、カラム部5からサンプルセル33に流入される試料と参照セル34に流入された溶離液が熱的に接触されて同一の温度を維持するようにする。
【0077】
そして、3方向ソレノイドバルブ37はサンプルセル33を通過した試料を分取部7に提供し、参照セル34に流入される溶離液に対して循環経路を提供する。
【0078】
一方、透明板38は光源31から出射されてサンプルセル33と参照セル34を経由して入射される光で0次光のみを通過するようにフィルタリングを遂行して、受光器32が正確な光の強さを測定するようにする。
【0079】
カラム部5が正常に作動して分離された物質を排出すると、このように構成される検出部は、分離されて流入される試料物質をサンプルセル33に注入し、参照セル34には溶離液のみを注入して、光源31から出射された光がこのような物質が注入されたサンプルセル33と参照セル34を経由した時変化された光の強さを受光器32が検出し、試料物質を分離することができるようにする。
【0080】
図4は本発明の第1実施例による高温クロマトグラフィー方法のフローチャートである。
【0081】
まず、制御部は、試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を温度測定部を用いて測定し、測定された温度を設定温度と比較する。
【0082】
制御部は、比較結果設定温度と測定温度が相異なると、温度調節部を用いて加熱装置を調節し、試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を上げたり下げて設定温度と同一にする(S110)。
【0083】
その後、試料溶解部は、試料用ポンプ、流動溶解用ポンプ及び超音波発振器を用いて高温(T>120℃)で試料貯蔵所に貯蔵されている難溶性高分子試料を均一に溶解させる(S112)。
【0084】
そうすると、前記注入部は、備えられた試料用ポンプを用いて溶解された難溶性高分子試料をインジェクションバルブに移送し、溶離液用ポンプから供給される溶離液と溶解された試料をバルブ内で混ぜてカラム部に注入させる(S114)。
【0085】
このような過程が進行される間、段階S122から段階S130によって試料溶解部と注入部の温度が設定温度と同一に維持されるため、試料が溶離液と混じった後にも試料の沈澱と凝固は防止される。
【0086】
このように溶離液用ポンプから供給される溶離液と均一に混じった試料は、高温領域(T>120℃)の温度調節が可能な逆相(Reversed Phase)クロマトグラフィーカラム、順相(Normal Phase)クロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム及びこれらの一つ以上の組合せのうち一つからなるカラム部を通り過ぎる間、沈澱、凝固、詰まることなく分子量と化学構造によって分離される(S116)。
【0087】
このように溶離液と均一に混じった試料がカラム部を通過する間、段階S122から段階S130によってカラム部の温度が設定温度と同一に維持されるため、沈澱と凝固は防止される。
【0088】
一方、温度調節部はカラム部の温度が時間の関数で高温領域で(120℃以上)適当な方式で変化されるように加熱装置を調節する。
【0089】
また、温度調節部は高温領域で温度勾配法を適用できるように加熱装置を制御して、カラム部の温度を時間の関数で高温領域で(120℃以上)適当な方式で―階段型で徐々に増加されるようにしたり、徐々に増加してから徐々に減少されるようにしたり、多様に変化させることができる。
【0090】
上述の過程を経てカラム部を通過した試料と溶離液は、高温に維持される蒸発光散乱検出器(Evaporation Light Scattering、ELSD)と、UV‐Vis検出器及び屈折率検出器のうち何れか一つで構成された検出部を経て、沈澱と詰まることなく検出される(S118)。検出器が正常作動可能な温度範囲で温度勾配実験を遂行する場合には検出部の温度をカラム部と同一であるように制御することができる。
【0091】
ここで、前記検出部が検出する過程は次のとおりである。
【0092】
まず、カラム部が物質を分離して溶離液と高分子で構成された試料を排出すると、前記検出部に備えられた参照セルが前記排出される溶離液を参照物質として保管する。
【0093】
そして、検出部は排出される試料の温度を参照セルの中の参照物質の温度と同一であるように熱交換器を用いて調整した後、前記検出部を構成するサンプルセルに試料を通過させる。
【0094】
その後、検出部は備えられた光源から前記サンプルセルと参照セルを経由する光を生成して出射し、前記検出部に備えられた受光器が前記サンプルセルと参照セルを経由して入射される光の強さを測定して、求める物質を検出する。
【0095】
このような過程を通じて前記検出部から検出された試料は高温に維持される排出管を通じて分取部に排出されて、分取部は排出管から排出される分離された高分子試料を時間によって自動分取する(S120)。
【0096】
このような過程が進行される間、温度測定部は各構成要素ごとに一つずつの温度センサーを用いて各構成要素に対する代表温度を測定したり、複数の温度センサーを用いて各構成要素の位置ごとの温度を測定する(S122)。
【0097】
そして、温度調節部は温度測定部で測定された測定温度と設定温度を比較する(S124)。
【0098】
比較結果、温度測定部で測定した温度と設定温度が同一であると段階S130から遂行し、温度測定部で測定した温度と設定温度が相異なると試料溶解部、注入部、カラム部、検出部の温度を調節する(S128)。
【0099】
この際、温度調節部は、加熱装置が試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の夫々に対して個別的に設けられている場合には個別的に加熱装置を制御して夫々に対して適する温度を設定することができて、試料溶解部から検出部の全体にかけて一つの加熱装置が設けられた場合には全体を一体として温度を調節する。
【0100】
その後、温度調節部は試料物質を分離検出する過程が終了されたかを判断して(S130)、終了されていないと段階S122から繰り返して遂行し、終了されていると温度調節をそれ以上進行しない。
【0101】
以上、本発明を好ましい実施例に対して図示及び説明したが、本発明は上述の特定の実施例に限定されず、請求範囲にて請求する本発明の趣旨を外れることなく、該当発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であるということは明白であり、このような変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならないであろう。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明の高温クロマトグラフィー装置及びその方法は、分離/分析/精製に利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 溶離液貯蔵所
2 溶離液用ポンプ
3 試料溶解部
4 注入部
5 カラム部
6 検出部
7 分取部
8 温度測定部
9 温度調節部
10 制御部
11 加熱装置
11a〜11c 加熱器
20 試料貯蔵所
21 ポンプ器
21−1 試料用ポンプ
21−2 流動溶解用ポンプ
21−3 洗浄用ポンプ
21−4 バルブ
21−5 超音波発振器
22 インジェクションバルブ
22−1 溶離液注入ポート
22−2 試料注入ポート
22−3 試料引出ポート
31 光源
32 受光器
33 サンプルセル
34 参照セル
35 ミラー
36 熱交換器
37 3方向ソレノイドバルブ
38 透明板
39 光繊維アセンブリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶離液貯蔵所に貯蔵されている移動相で用いられる溶離液を供給する溶離液用ポンプ;
難溶性高分子試料を貯蔵して、貯蔵された前記難溶性高分子試料を高温で均質に溶解させるための試料溶解部;
前記試料溶解部で溶解された高分子試料と前記溶離液用ポンプから供給される溶離液を混合して注入するための注入部;
前記注入部から注入される試料と溶離液の混合液から物質を分離するためのカラム部;
前記カラム部で分離されて供給される物質から求める物質を検出するための検出部;
前記試料溶解部、前記注入部及び前記カラム部の温度を測定するための温度測定部;
前記試料溶解部、前記注入部及び前記カラム部の温度を上昇又は下降させるための加熱装置;
前記温度測定部で測定した測定温度と設定温度を比較して、前記加熱装置を制御して測定温度と設定温度を同一に維持するようにする温度調節部;及び
前記試料溶解部、前記溶離液用ポンプ、前記注入部、前記検出部、前記温度測定部及び前記温度調節部を制御するための制御部を含む高温クロマトグラフィー装置。
【請求項2】
前記検出部の排出管に連結されて、前記検出部で検出されて排出される物質を加工分取するための分取部をさらに含む請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項3】
前記溶離液貯蔵所に貯蔵されている溶離液は、ハロゲン化ハイドロカーボン(Halogenated hydrocarbon)[TCB(Trichlorobenzene)]、DMF、DMSO、m‐クレゾール、ピリジン(Pyridine)、テトラクロロエタン(Tetrachloroethane)、THF、NMP、ギ酸(Formic Acid)、硫酸(Sulfuric Acid)、フェニル(Phenyl)系有機溶媒及びその組合せのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項4】
前記試料溶解部で溶解される難溶性高分子試料は、ハイドロカーボン系列試料、導電性高分子試料及びLCP高分子試料のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項5】
前記カラム部は、逆相(Reversed Phase)クロマトグラフィーカラム、順相(Normal Phase)クロマトグラフィーカラム、サイズ排除クロマトグラフィーカラム、イオン交換クロマトグラフィーカラム又はこれらの一つ以上の組合せであることを特徴とする請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項6】
前記検出部は、蒸発光散乱検出器(Evaporation Light Scattering、ELSD)、UV‐Vis検出器及び屈折率検出器のうち一つであることを特徴とする請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項7】
前記温度測定部は複数の温度センサーを備えて、前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の夫々に対して個別的に温度を測定することを特徴とする請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項8】
前記加熱装置は複数の加熱器を備えて、前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度を夫々個別的に上昇又は下降させることを特徴とする請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項9】
前記試料溶解部は、
難溶性高分子試料を貯蔵するための試料貯蔵所;
難溶性高分子試料に高温状態で超音波を加えて、均質に溶解されるようにする超音波発振器;及び
高温状態で難溶性高分子試料が溶解されるように、試料と溶媒の流動を起こす流動溶解用ポンプを含む請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項10】
前記注入部は、
高温で溶解された状態で試料が供給されるようにする試料用ポンプ;及び
溶離液注入ポート、試料注入ポート及び試料引出ポートを備えていて、前記溶離液用ポンプから前記溶離液注入ポートを通じて移送される溶離液と、前記試料用ポンプから前記試料注入ポートを通じて移送される試料を混合して、前記試料引出ポートを通じて前記カラム部に注入するインジェクションバルブを含む請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項11】
前記検出部は、
一定の波長の光を均一に生成して出射する光源;
前記カラム部から入力される試料を通過させて、光源から出射される光の光経路上に位置し、光源から入射される光を一部吸収するサンプルセル;
前記サンプルセルと相接していて、参照物質に溶離液を通過させて、光源から出射される光の光経路上に位置し、光を一部吸収する参照セル;
前記サンプルセルを通過して入射される光を反射して、前記参照セルを通り過ぎるようにするミラー;
前記サンプルセルに流出入される物質を伝送するための流路と前記参照セルに流出入される溶離液を伝送するための流路が互いに隣接するようにして、温度勾配実験中に前記サンプルセルと前記参照セルの内部物質の温度を同一にする熱交換器;
前記光源から出射された光が前記サンプルセルと前記参照セルを経由しながら、セル内部物質の屈折率の差異による光経路変化を測定するための受光器;及び
前記光源と前記受光器を高温領域で分離するために用いられる光繊維アセンブリーを含む請求項1に記載の高温クロマトグラフィー装置。
【請求項12】
(A)温度測定部が試料溶解部、注入部、カラム部及び検出部の温度を測定して、温度調節部が測定温度と設定温度を比較し、前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度を設定温度になるように調節する段階;
(B)前記試料溶解部が難溶性高分子試料を均質に溶解させる段階;
(C)前記注入部が溶解された難溶性高分子試料と溶離液を混合して、前記カラム部に注入する段階;
(D)前記カラム部が物質を分離して排出し、前記検出部が試料物質を検出する段階;及び
(E)前記(B)から(D)段階が進行される間、前記温度測定部が前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度を測定して、前記温度調節部が測定温度と設定温度を比較し、前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度が設定温度に維持されるようにする段階を含む高温クロマトグラフィー方法。
【請求項13】
前記(D)段階の後に(F)分取部が前記検出部の排出管に連結されて、排出される物質を加工分取する段階をさらに含む請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。
【請求項14】
前記溶離液は、ハロゲン化ハイドロカーボン(Halogenated hydrocarbon)[TCB(Trichlorobenzene)]、DMF、DMSO、m‐クレゾール、ピリジン(Pyridine)、テトラクロロエタン(Tetrachloroethane)、THF、NMP、ギ酸(Formic Acid)、硫酸(Sulfuric Acid)、フェニル(Phenyl)系有機溶媒及びその組合せのうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。
【請求項15】
前記難溶性高分子試料は、ハイドロカーボン系列、導電性高分子及びLCP高分子試料のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。
【請求項16】
前記(A)段階は、
(A−1)前記温度測定部が前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部、及び前記検出部の温度を測定する段階;
(A−2)前記温度調節部が測定された温度と設定温度を比較する段階;及び
(A−3)前記温度調節部が測定された温度と設定温度が異なる場合に前記加熱装置を制御して、前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度を調節して設定温度に維持されるようにする段階を含む請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。
【請求項17】
前記(C)段階は、
(C−1)溶離液貯蔵所にある溶離液を溶離液用ポンプを用いて前記注入部に移送する段階;
(C−2)前記試料溶解部にある高分子試料を高温に維持した状態で前記注入部に移送する段階;及び
(C−3)前記溶離液用ポンプから移送される溶離液と前記試料溶解部から移送される試料を混合して、前記カラム部に注入する段階を含む請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。
【請求項18】
前記(D)段階は、
(D−1)前記カラム部が物質を分離して、溶離液と高分子で構成された試料を排出する段階;
(D−2)前記検出部に備えられた参照セルが前記排出される溶離液を参照物質として保管する段階;
(D−3)排出される試料の温度を前記参照セルの中の参照物質の温度と同一になるように熱交換器を用いて調整した後、前記検出部を構成するサンプルセルに試料を通過させる段階;
(D−4)前記検出部に備えられた光源から前記サンプルセルと前記参照セルを経由する光を生成して出射する段階;及び
(D−5)前記検出部に備えられた受光器が前記サンプルセルと前記参照セルを経由して入射される光の強さを測定して、求める物質を検出する段階を含む請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。
【請求項19】
前記(E)段階は、
(E−1)前記(B)段階から(D)段階が進行される間、前記温度測定部が前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度を測定する段階;
(E−2)前記温度調節部が測定された温度と設定温度を比較する段階;
(E−3)前記温度調節部が測定された温度と設定温度が異なる場合に前記加熱装置を制御して、前記試料溶解部、前記注入部、前記カラム部及び前記検出部の温度を調節する段階;及び
(E−4)前記温度調節部が物質分離過程が終了したかを判断して、終了していないと前記(E−1)段階から繰り返す段階を含む請求項12に記載の高温クロマトグラフィー方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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