説明

高温軸方向圧縮方法

セラミック粉末(特に、ドープしたGdS)を焼結するための高温軸方向圧縮方法は、第一多孔質体(7)、セラミック粉末(9)、及び第二多孔質体(7)を支持体(13、14)によって支持されるモールドシェル(5)内に配置するステップを有する。セラミック粉末(9)は、多孔質体(7)群の間に位置付けられる。ガス状成分は、0.8bar未満の周囲圧力となるまでセラミック粉末(9)から抜かれる。多孔質体(7)及びセラミック粉末(9)は、少なくとも900℃の最大温度まで加熱され、且つ、少なくとも75MPaの最大圧力まで圧力が加えられる。本発明によると、加熱ステップの時間の変化、及び、加圧ステップの時間の変化は、モールドシェル(5)と支持体(13、14)とが相互に接続されていない状態においてモールドシェル(5)が多孔質体(7)群及び/又はセラミック粉末(9)によって保持されるように、相互に調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック粉末(特に、ドープしたGdS)を焼結するための高温軸方向圧縮方法に関する。
【0002】
本発明は、更に、本発明に従った方法によって製造可能なセラミック材料に関する。
【背景技術】
【0003】
GdS(GOS)(特に、Pr及びCeをドープされたGOS)は、シンチレータ材料としてコンピュータ断層撮影(CT)スキャナで使用され得る効果的なX線蛍光体である。しかしながら、CTスキャンを実施するのに必要な時間を増大させる、或いは、その画像の品質を低下させる残光現象は、GOS材料の実用化を妨げる。GOSセラミックウエハのその残光特性は、その製造工程自身に強く依存する。
【0004】
GOSウエハを製造するための製造工程は、国際公開第2005/110943号から公知である。そのGOSを焼結するために、高温一軸圧縮方法が用いられる。この方法によると、ドープしたGOSのセラミック粉末は、モールドシェル内に置かれる。ガス状成分(特に周囲空気である。)をそのセラミック粉末から抜き取るために、そのセラミック粉末に真空が適用される。75MPaを超える高圧を加えることによって、可動ダイが固定ダイの方に押し付けられる。この処理は、900℃を超える高温で行われる。この処理ステップにおいて、GOS粉末は、圧縮され且つ焼結される。更に、そのセラミック粉末とそれらダイのそれぞれとの間に、グラファイトで構成される多孔質体を配置することも知られている。その多孔質のグラファイト体は、そのGOS粉末とダイ材料との反応を妨げる。そのグラファイトの多孔性のおかげで、周囲空気をそのGOS粉末から抜き取るステップが妨げられることはない。
【0005】
焼結GOS粉末で作られたGOSウエハが内部不均一性につながるセラミック密度のばらつきを有するという点が、この高温一軸圧縮方法の欠点である。これらの不均一性は、これらGOSウエハを用いたCTスキャナによって得られる画像品質を低下させる。結果として、そのセラミック密度のばらつきが許容できるものとなるよう、実現すべきGOSウエハの小さな物理的寸法を選択することが必要となる。小さなGOSウエハのみが製造可能となるので、GOSウエハを製造するための、また、CTスキャナを製造するための製造コストは、高いものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2005/110943号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、セラミック密度のばらつきのような内部不均一性を増大させることなくより大きなサイズを持つセラミック材料の製造を可能にする高温軸方向圧縮方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1に従った方法によって、また、請求項10に従ったセラミック材料によって、実現される。本発明の好適な実施例は、従属項により与えられる。
【0009】
本発明に従った方法は、セラミック粉末(特に、ドープしたGdS)を焼結するための高温軸方向圧縮方法であり、第一多孔質体、そのセラミック粉末、及び第二多孔質体がモールドシェル内に配置される。そのセラミック粉末は、それら多孔質体の間に置かれる。そのセラミック粉末は、特に適切な焼結助剤を含む。そのモールドシェルは、支持体によって支持される。その支持体によって、そのモールドシェルは、そのモールドシェルがそれら多孔質体で満たされた場合にも適切な位置で維持される。それら多孔質体は、グラファイトを特に包含し、或いは、グラファイトで構成される。ガス状成分をそのセラミック粉末から抜き取るために、真空がそのモールドに適用される。その真空は、0.8bar以下であり、特に、1×10-3bar以下である雰囲気圧をもたらす。そのセラミック粉末及び多孔質体は、少なくとも900℃以上であり、特に、1100℃以上である最大温度まで加熱され、また、少なくとも75MPa以上であり、特に、120MPa以上である最大圧力まで加圧される。本発明に従って、そのモールドシェル及びその支持体は、その焼結ステップにおいて非接続状態となっている。これは、それら多孔質体及び/又はそのセラミック粉末とそのモールドシェル壁との摩擦によるものである。この目的のために、その加熱ステップの時間の変化、及び、その加圧ステップの時間の変化が、相互に、適宜調節される。
【0010】
そのモールドシェルはそのセラミック粉末に対して静的でなく可動であるので、そのセラミック粉末に適用される圧力を増大させるためにダイがそのモールドシェル内に移動するとき、そのモールドシェルとそのセラミック粉末との間の高いせん断応力が低減される。
【0011】
高いせん断応力がそのモールドシェルとそのセラミック粉末及び/又はそれら多孔質体との間で発生すると、そのモールドシェルは、そのせん断応力が低減される位置に移動することができる。その低減されたせん断応力のおかげで、そのセラミック粉末に適用される圧力は、均一化され、不均一な圧力の拡がりが防止され、或いは、少なくとも低減されるようにする。これは、順に、その焼結セラミック材料における改善された均一なセラミック密度をもたらす。そのセラミック材料の改善された均一性のおかげで、そのセラミック材料の製品サイズは、増大され得る。このようにして、単一の焼結処理による、より多くの且つ/或いはより大きなウエハの製造が可能になる。
【0012】
一方におけるその多孔質体の摩擦効果及び材料特性と他方におけるその粉末の摩擦効果及び材料特性とは全く異なるけれども、意外にも、通常は重い材料で作られるそのモールドシェルがそれら多孔質体及び/又はそのセラミック粉末によって保持されることが起こり得る。そのモールドシェルはある程度はその多孔質体によって保持されるが、そのモールドシェル内におけるその多孔質体の移動が妨げられるような高い摩擦によってではないと考えられる。これは、全圧力がそのセラミック粉末に適用される状況であるが、そのモールドシェルとそのセラミック粉末との間の接触面におけるせん断応力がそれら多孔質体のない比較可能な状況と比べて低減されるという状況をもたらす。これは、固定ダイの場合よりも更にずっと均一な圧力分布をもたらし、その結果として、より均一なウエハをもたらす。高圧がそのセラミック粉末に適用されるが、特にダイの移動方向を横断する、その粉末内のセラミック粒子の動きがなくなることはない。その圧力を増大させるとすぐに、それらセラミック粒子は、その横断方向にも移動させられる。これは、そのモールド壁との摩擦を増大させ、そして、そのモールドの懸架をもたらす。
【0013】
それら多孔質体は、そのモールドシェル内に特に僅かに圧入され、それら多孔質体がそのモールドシェル内でそれらダイによって移動させられるようにし、また、そのモールドシェルが、比較的低い圧力(特に、少なくとも30MPaであり、好適には、少なくとも15MPaであり、最も好適には、少なくとも10MPaである。)で保持されるようにする。その目的のために、それら多孔質体の高さは、適宜適応させられる。材料の適切な選択及びそれら多孔質体の配置のおかげで、そのモールドシェルが特に加圧ステップの最初のところでそれら多孔質体のみによって保持されることさえも可能である。その加圧ステップのその後の状態では、そのモールドシェルは、それら多孔質体及びそのセラミック粉末の双方によって保持されてもよく、且つ/或いは、そのセラミック粉末のみによって保持されてもよい。
【0014】
好適な実施例では、そのモールドシェルとそのセラミック粉末との間、及び、そのモールドシェルとそれら多孔質体との間の摩擦を低減させるために、好適には不活性の滑剤がそのモールドシェル上に提供される。管状のモールドシェルの場合、その滑剤は、そのモールドシェルの内面に提供される。その滑剤は、好適には、窒化ホウ素であってもよい。そのモールドシェルとそのセラミック粉末及びそれら多孔質体との間の摩擦は低減されるが、意外にも、その重いモールドシェルを非接続状態で保持することが可能であり、そのモールドシェルがその支持体から切り離されて加圧中に懸架状態となるようにする。そのモールドシェルとそれら多孔質体との間の低減された摩擦は、その焼結セラミック材料の均一性に影響しない。その均一性を低減させる代わりに、その滑剤の提供は、その焼結セラミック材料の均一性を増大させる。
【0015】
好適には複数のウエハが単一の加圧ステップで製造される。そういう訳で、複数のスタックが提供され、各スタックは、それら多孔質体の間に配置されたセラミック粉末を含む。好適には一つの多孔質体が一方のスタックのための第一多孔質体としての機能を果たし、そして、他方のスタックのための第二多孔質体としての機能を果たす。全てのスタックが単一のモールドシェル内に配置されてもよい。好適には、第一スタックが第一モールドシェル内に置かれ、そして、第二スタックが第二モールドシェル内に置かれる。このようにして、少なくとも二つのスタックが二つの異なるモールドシェル内に配置される。この構成において、その第一モールドシェルは、その第二モールドシェルとは無関係に移動することができ、各スタックにおけるせん断応力がその最小となる位置に各モールドシェルが自然の成り行きで移動できるようにする。
【0016】
好適には、その第一スタックとその第二スタックとの間にスペーサ要素が備えられる。スペーサ要素によって、各スタックは、そのモールドシェル内に封入され得る。更に、そのスペーサ要素は、如何なる状況においてもその多孔質体及び/又はそのセラミック粉末がそのモールドシェルから抜け出せないようにする安全装置であってもよい。そういう訳で、そのスペーサ要素は、好適には、そのモールドシェルのそのスペーサ要素に対する動きが限定されるようにするストッパ要素を含む。例えば、そのモールドシェルは、管状であり、そして、そのスペーサ要素は、円筒形であり、そのために、そのスペーサ要素は、その管状モールドシェルの内径に対応する直径を有する。そのストッパ要素は、環状のリップであってもよく、そのために、そのリップの直径は、そのモールドシェルの内径より大きい。更に、その環状リップは、そのモールドシェルがそのストッパ要素又はその支持体と接する位置にある場合には、その圧力適用ステップの開始時であっても、何れの多孔質体もそのモールドシェルを抜け出すことができないようなその円筒形スペーサ要素の高さのところに配置される。
【0017】
その熱膨張率(thermal extension coefficient)に対するそのスペーサ要素及びそのスペーサ要素に使用される材料の物理的な寸法は、そのモールドシェルの非接続状態においてそのモールドシェルとそのスペーサ要素との間の摩擦力が増大するように、選択される。そのモールドシェルとそのスペーサ要素との間のその増大された摩擦力のおかげで、そのモールドシェルとそのセラミック粉末及び/又はそれら多孔質体との間の摩擦力は、減少する。しかしながら、そのモールドシェルとそのスペーサ要素との間の摩擦力は、そのモールドシェル内におけるそのスペーサ要素の動きが妨げられるような高いものであるべきではない。これは、そのモールドシェルとセラミック粉末及び/又はそれら多孔質体との間の摩擦力が、圧力適用前の状態よりも高いままであることを意味する。この状況において、そのモールドシェルは、ほとんどそのスペーサ要素によって保持されるが、そのセラミック粉末に適用される圧力を増大させ或いは減少させることもまだ可能である。
【0018】
そのモールドシェルとそのスペーサ要素との間の摩擦力を増大させ或いは減少させるために、そのスペーサ要素の配置は、その加圧プロセス中に変更されてもよい。そのスペーサ要素の配置は、機械的な手段によって(例えば、モールドシェルをそのスペーサ要素にクランプするためのクランプ手段によって)変更されてもよく、そのクランプ手段は、好適には、その適用された圧力によって作動させられる。スペーサ要素の配置は、温度制御手段を用いてそのスペーサ要素の温度を調節することによって変更されてもよい。例えば、そのスペーサ要素は、電圧が印加される導電性リングを含んでいてもよく、その導電性リングがそのスペーサ要素を加熱できるようにする。その加熱のおかげで、そのスペーサ要素は、熱膨張に基づいて延びる。
【0019】
好適な実施例では、圧力が適用される前にそのモールドシェルを支持している支持体が熱放射防護として用いられる。例えば、その支持体は、管状であり、そして、ダイは、その支持体を通じてそのモールドシェル内に移動する。この場合において、そのダイによって発せられる熱放射は、不要な冷却が回避されるように、反射される。その支持体が二つの異なる目的のために役立つので、本発明に従った方法を実行するアセンブリのための構成部品の数が低減される。
【0020】
本発明は、更に、本発明に従った方法によって製造可能なセラミック材料であり、国際公開2005/110943号で説明された方法に従って製造されるセラミック材料より高い均一性を有するセラミック材料に関する。好適には、本発明に従ったセラミック材料は、特に、少なくとも99.9%(重量比)のドープしたGdSを含む。このGOS材料は、最大で0.1%の不純物を含む。この焼結セラミック材料は、セラミック密度における小さなばらつきと高い均一性とを有し、より多くの且つ/或いはより大きなGOSウエハが、CTスキャナを製造するためのコストを低減させるこのセラミック材料から作られるようにする。
【0021】
本発明は、更に、そのようなセラミック材料でできたセラミックウエハで構成されるコンピュータ断層撮影スキャナに関する。
【0022】
本発明は、更に、添付図面に関して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に従った方法を実行するための装置の第一実施例の(その方法の開始時における)概略的な側断面図である。
【図2】その後の図1の装置の概略的な側断面図である。
【図3】本発明に従った方法を実行するための装置の第二実施例の概略的な側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1では、本発明に従った方法を実行するための装置が図示されている。その装置は、上部ベース2が取り付けられるチャンバ1を有する。上部ダイ3は、上部ベース2に取り付けられる。上部ダイ3の反対側にある、ピストン12に取り付けられる下部ダイ11は、下部ダイ11が可動となるように配置される。ダイ3、11は、支持体13によって支持されるモールドシェル5内に導かれる。セラミック粉末9(特に、GdSである。)は、ダイ3とダイ11との間のモールドシェル5内に置かれる。セラミック粉末9とダイ3、11との間には、ダイ3、11のそれぞれの上にグラファイト層7が配置される。好適には、図示されるように、モリブデンフォイル8がセラミック粉末9とグラファイト層7との間に提供される。モリブデンフォイル8は、熱及び圧力をセラミック粉末9に伝える。更に、圧縮されたセラミック材料及びモリブデンフォイル8は、セラミック粉末9とモリブデンフォイル8との間の接触面に滑剤(好適には、窒化ホウ素)が適用された場合には、容易に分離され得る。図示されるように、セラミック粉末9、グラファイト層7、及びモリブデンフォイル8を含む複数のスタックがそのモールドシェル内に配置されることが好適である。図示された実施例では、中央のグラファイト層7は、上部スタックの一部であり、且つ、下部スタックの一部である。
【0025】
チャンバ1の内部には、セラミック粉末9を加熱するために加熱要素4が備えられる。ダイ3、11及びモールドシェル5の加熱を支援するために、50W/mKを超える熱伝導率を有する材料で構成され、ダイ3、11、及びモールドシェル5が加熱要素4の熱を伝えられるようにする。適切な材料は、炭化チタン及び炭化ジルコニウムを含む、固溶体硬化で粒子強化のモリブデンベースの合金、TZMである。
【0026】
圧力をセラミック粉末9に適用するために、ピストン12は、下部ダイ11が静止した上部ダイ3に対してセラミック粉末9を押し付けるよう、上方に移動する。モールドシェル5とセラミック粉末9及び/又はグラファイト層7との間の摩擦のおかげで、モールドシェル5は、僅かに上方に移動する(図2)。モールドシェル5のその移動のおかげで、モールドシェル5は、支持体13に接続されていない状態になる。この非接続状態において、モールドシェル5は、セラミック粉末9の円周面のせん断応力及び/又はグラファイト層7の円周面のせん断応力がその最小となるところの位置に自然に移動する。
【0027】
図示された実施例では、支持体13は、管状であってもよく、ひいては、熱放射防護の機能を果たしてもよい。この種の熱放射防護は、ピストン12、下部ダイ11、又は他の部品から発せられる熱放射が漏れるのを防止する。このようにして、加熱要素4によって適用される熱は、セラミック粉末9を加熱するために、モールドシェル5内に留まる。不要な冷却が避けられることとなる。
【0028】
更なる実施例では、二以上のモールドシェル5が備えられる(図3)。これは、全てのスタック又はスタックの全てのユニットにそれ自身のモールドシェル5を提供できる。それらスタックをモールドシェル5内に封入するために、スペーサ要素15が、上部スタック群と下部スタック群との間に配置される一種の“浮遊ダイ”として提供される。スペーサ要素15は、特に、上部モールドシェル5を支持するための専用の折り畳み式支持体を有していてもよい。図示された実施例では、上部モールドシェル5を支持するために、第二支持体14が提供される。第二支持体14は、好適には可動であり、第二支持体14が加熱要素4によるセラミック粉末9の加熱を妨げないようにする。第二支持体14は、上部モールドシェル5がその非接続状態に達した後で、支持体13上に移動してもよい。
【0029】
本発明に従った、図示された装置及び方法を用いることで、参照により本書で援用される国際公開2005/110943号で定義されるような組成のGOSセラミック材料が実現可能となり、それにより、GOSセラミック材料の均質性が向上する。
【0030】
上述の実施例における要素及び特徴の特別な組み合わせは、単なる例である。これらの教示を、本書及び参照により援用される特許/出願における他の教示で置き換え且つ代用することもまたはっきりと予期される。当業者が認識するように、本書で説明されたものの変形、改良、及び他の実施は、請求項に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者の心に浮かぶものである。従って、前述の説明は、ほんの一例であり、限定を意図しない。本発明の範囲は、特許請求の範囲、及びその均等物で定義される。更に、明細書及び請求項で使用される参照符号は、請求される発明の範囲を限定するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック粉末(特に、ドープしたGdS)を焼結するための高温軸方向圧縮方法であって:
第一多孔質体、前記セラミック粉末、及び第二多孔質体を、支持体によって支持されるモールドシェル内に置くステップであり、前記セラミック粉末が前記第一多孔質体と前記第二多孔質体との間に位置付けられるところのステップ;
0.8bar未満(特に、1×10−3bar未満)の周囲圧力までガス状成分を前記セラミック粉末から抜き取るステップ;
少なくとも900℃の最大温度まで前記多孔質体及び前記セラミック粉末を加熱するステップ;及び
少なくとも75MPa(特に、少なくとも120MPa)の最大圧力まで前記多孔質体及び前記セラミック粉末に圧力を加えるステップ;を含み、
当該方法は:
前記モールドシェルと前記支持体との接続を切るステップ;を含み、
前記加熱するステップの時間の変化、及び、前記圧力を加えるステップの時間の変化は、前記モールドシェルが前記支持体に対し非接続の状態で前記多孔質体及び/又は前記セラミック粉末によって保持されるように、相互に調節される、
方法。
【請求項2】
前記モールドシェルと前記セラミック粉末との間、及び、前記モールドシェルと前記多孔質体との間の摩擦が低減されるように、滑剤(特に、窒化ホウ素)が前記モールドシェル上に提供される、
請求項1に従った方法。
【請求項3】
少なくとも第一スタック及び第二スタックが提供され、
各スタックは、前記多孔質体の間に備えられる前記セラミック粉末を含み、
前記第一スタック及び前記第二スタックは、二つの異なるモールドシェル内に置かれ、且つ、
各モールドシェルは、非接続状態で保持される、
請求項1又は2に従った方法。
【請求項4】
スタックをそのモールドシェルに封入するために前記第一スタックと第二スタックとの間にスペーサ要素が提供され、
前記スペーサ要素は、前記モールドシェルの前記スペーサ要素に対する相対運動を制限するためのストッパ要素を含む、
請求項3に従った方法。
【請求項5】
前記スペーサ要素の配置、及び、前記スペーサ要素に用いられる材料の熱膨張係数は、前記モールドシェルの非接続状態において前記セラミック粉末及び/又は前記多孔質体によって前記モールドシェルを保持するための摩擦力が、前記スペーサ要素がない場合より低いが、圧力を加える前の状態の場合より高いものとなるよう、選択される、
請求項4に従った方法。
【請求項6】
前記スペーサ要素は、前記スペーサ要素の温度を調節するための温度制御手段に、且つ/或いは、前記モールドシェルを前記スペーサ要素にクランプするためのクランプ手段に接続される、
請求項4又は5に従った方法。
【請求項7】
前記支持体は、熱放射防護として用いられる、
請求項1乃至6の何れか一項に従った方法。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに従った方法によって製造可能なセラミック材料。
【請求項9】
前記セラミック材料は、特に、少なくとも99.9%(重量比)のドープしたGdSを含む、
請求項8に従ったセラミック材料。
【請求項10】
請求項8又は9に従ったセラミック材料でできたセラミックウエハを含むコンピュータ断層撮影スキャナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−513082(P2010−513082A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542367(P2009−542367)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【国際出願番号】PCT/IB2007/055221
【国際公開番号】WO2008/075296
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】