説明

高精細テレビジョン信号のスクランブリング方法及び装置

【課題】 高精細テレビジョン信号の無許可の記録を阻止するため高精細テレビジョン信号にスクランブルをかける方法及び装置である。
【解決手段】 記録自体は阻止されないが、結果として記録された信号は、アクティブビデオと関連した同期パルスの間に誘起された「揺らぎ」のために使用できない。スクランブルをかけられたテレビジョン信号は、HDTV信号に伴う揺らぎの量の符号化された指標を使用してHDTV信号のスクランブルを外す準拠式高精細テレビジョンセットで簡単に観ることができる。許可されていない人がスクランブルを破るために揺らぎの量の指標を使用することを妨げる特殊なインタフェースが提供される。さらに、スクランブルをかける方法を破り、スクランブルをかけられたビデオ信号を記録する方法及び装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高精細テレビジョン(HDTV)に係り、特に、HDTV信号の無許可の記録を阻止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤやその他のビデオソース装置からの高精細テレビジョン(HDTV)出力信号が求められている。しかし、ハリウッドの映画産業は、公知のMacrovision Corp.の機能と同様の機能を実行するコピー防止(プロテクション)をこれらの高精細(HD)出力信号にかけようとする。NTSC若しくはPALテレビジョン出力信号に現れるコピー対抗処理(ACP)は、実質的にすべてのDVDプレーヤに存在する。マクロビジョンACPの一つの例は、米国特許第4,631,603号明細書に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
技術的課題は、DVDプレーヤ、又は、セットトップ・ケーブルTVデコーダボックスからのHDTVアナログ信号をTVセットへ伝達することである。ビデオがクリアな状態の場合、HDTVビデオレコーダによってコピーされ、又は、NTSC若しくはPAL方式TVへ伝達され、通常のVHS及び8ミリビデオレコーダでコピーされる。将来の準拠式レコーダが適切な検出回路を具備するならば、透かしは、コピー制御情報を伝達する手段を設けるという範囲で、この記録の問題を解決できる可能性がある。ただし、NTSC/PALの変換問題を解決するためには役立たない。しかし、見込みのある透かし技術は、今後、規定し、採用する必要がある。さらに、透かしは、透かしシステムに準拠しない潜在的な記録装置を取り扱わない。これに対し、本発明は、非準拠式の記録装置を取り扱う。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、高精細テレビジョンアナログ信号が許可無く記録されることを阻止するため、高精細テレビジョンアナログ信号用の簡単、低価格、かつ、非常に安全性の高いスクランブリングを行なう方法及び装置を提供する。本発明の説明に関して、「阻止」は、単に記録を妨げるという意味ではなく、得られた記録物の商業的娯楽価値(視聴価値性)を除去し、それにより、記録を阻止することである。スクランブルを外す(解除する)処理は、表示装置(TVセット)だけで行なわれるので、スクランブルが解かれたピクチャーを(実時間で)視聴できるが、記録しても無駄である。
【0005】
本発明のスクランブリング方法において、位置変調信号が、DVDプレーヤ若しくはその他のソースからテレビジョンセットへ記録できない形で伝達されるので、本発明の「高精細フェーズクリプト(High Definition PhaseKrypt)」(HDPK)スクランブリング方法は、両者の間でスクランブル解除用の実時間処理を使用する。その結果として、オフ・ザ・シェルフ式ビデオレコーダを使用したコピーからの保護が内在する。換言すると、スクランブルがかけられたHDTV信号のY(ルミナンス)、Cr(赤色クロミナンス、R−Yと同じ)、及び、Cb(青色クロミナンス、B−Yと同じ)成分が、完全な忠実度で互換性記録装置に記録されるとしても、重要なスクランブル解除用情報が失われているので、再生画像は見ることができない。
【0006】
スクランブル処理後のビデオが、VGAからNTSC/PALへのコンバータを使用して、NTSC若しくはPAL方式TVに変換されるとき、変換後の信号は、重要なスクランブル解除用情報が失われているので、見る価値の無い画像を生ずる。変換後の信号がVHS若しくは8ミリビデオレコーダに記憶される場合、再生信号は、見る価値の無い画像を生ずる。
【0007】
さらに、HDPK準拠式ソース装置(たとえば、DVDプレーヤ、若しくは、セットトップ・デコーダボックス)と、HDTVセットとの間に特殊な電気的インタフェースが設けられ、HDPK信号のフレームの最後(エンド・オブ・フレーム)若しくはその他の場所の復号化用パルスが標準的な記録装置からは見えないようにされる。このインタフェースは、復号化用パルスが伝達されたとき、各垂直ブランキング区間の開始前の数マイクロ秒を除く全ての時間に亘って、標準1ボルト・75オームのビデオインタフェースとして動作し、実際、その通りである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書では、HDPKビデオセキュリティ処理を用いてスクランブルがかけられたビデオ信号の記録を可能にする方法が説明される。著作権で保護された素材に対しこのような記録技術を実施した場合、Digital Millennium Copyright Actの刑事上の規定を侵害するおそれがあることに注意すべきである。
【実施例】
【0009】
高精細PhaseKrypt
公知のPhaseKrypt(R)(PK)スクランブリング技術の変形例を説明する。この変形例は、HDPK(高精細PhaseKrypt)と称され、配備のコストと、アナログHDアプリケーションの安全性との間で優れた均衡を実現し、製造者及び著作権保有者の現在のHD出力の関心事に対する解決策を提供する。
【0010】
ケーブルシステム及びある種のビデオ映写システムで使用される(Macrovison Corp.から提供される)スクランブリングシステムは、PhaseKrypt(R)(PK)として知られている。本願発明者は、PKに関連した方法及び装置が、ソース装置(たとえば、DVDプレーヤ若しくはセットトップ・デコーダ)からTVセットへ伝搬中のHDアナログビデオを種々の記録装置によるコピーから保護するため有利であることがわかった。特に、TVセットが、信号にかけられたスクランブルを形式的に外すための複雑かつ高コストの処理を用いることなく、PK符号化信号を見る価値のあるものにすることができ、かつ、PKスクランブリングによって得られる比較的高い安全性と組み合わされるならば、本願発明者によって判定されたように、PKに関連した方法及び装置はHDTVに好適である。
【0011】
従来のPhaseKryptは、参考のため引用された米国特許第5,608,799号、第5,579,390号、第5,504,815号、第5,438,620号、第5,844,988号、RE35078号、及び、第5,841,863号に記載されている。PKは、単純な同期抑制若しくはビデオ反転スキームによって得られる安全性よりも高い安全性を要求する、コストに敏感な通常のTVアプリケーション用として、Macrovision Corp.によって開発されたアナログビデオスクランブリング技術である。PKは、実質的に時間ベース誤差を有するビデオ信号で与えられたときでさえ、TVセットに完全なピクチャーを表示させる能力を発揮する。PKは、アナログビデオスクランブリングシステムの場合に、費用に対する安全性が非常に優れている。
【0012】
NTSC及びPAL方式(HDTVではない)の通常のPhaseKryptの場合、ビデオ信号は、各走査線のアクティブビデオを、変化しないシンク(同期)信号及びカラーバースト信号に対して、数ミリ秒間のピーク・ツー・ピークで位置変調(時間的にシフト)することによりスクランブルがかけられる。同期及びカラーバーストは、ビデオラインのタイミング基準であると考えられる。変調用信号は、一般的に、約20ヘルツに帯域制限された擬似乱数ノイズ状の信号である。PKスクランブリングを実行するため、便宜的に、ビデオは最初にデジタル化され、RGB成分若しくはYUV成分に分離され、次に、デジタル域で位置変調される。最後に、ビデオは、伝送に適当な複合アナログフォーマットに戻される。PKスクランブル後のビデオは、著しく煩わしい水平「揺らぎ」を示す。下にあるビデオが完全に認識できるとしても、揺らぎは、ビデオ番組から全ての娯楽価値を取り除く。
【0013】
このようにスクランブルがかけられたビデオ信号のスクランブルを解除する(スクランブルを外す)伝統的な(PK以外の)一般的な技術は、ビデオを再デジタル化し、再度、成分に分離し、元のノイズ信号の反転型を使用して更なる位置変調を加える。
【0014】
PKは、非常に簡単なスクランブル解除方式に向くように意図されており、これがPKの主要な利点である。低コストの消費者製品で行なうためには本来的に全ての信号処理が複雑、コスト高、かつ、信号劣化を伴う反転型の位置変調を適用するのではなく、同期信号及びバースト信号を、ビデオと正確に同期させて位置変調が加えられた新しい同期及びバーストで置換することによって、効率的なスクランブル解除が行なわれる。得られた「スクランブル解除」後のビデオは、時間ベース誤差(揺らぎ)を含むが、時間ベース誤差が十分に低いレートで出現する場合、TVセットによって生成される画像に影響は生じない。すなわち、TVセットの水平AFCループの正常な動作が揺らぎを打ち消し、安定画像を提示する。
【0015】
同期及びバースト位置変調は、比較的簡単なアナログ回路を用いて容易に実現されるので、低コストのスクランブル解除が可能である。PKビデオのスクランブルを解除するため、スクランブル解除装置は、スクランブル装置で使用された時間シフト(ノイズ)波形の完全な詳細が与えられなければならない。実際的なアプリケーションの場合、これは、通常、従来の高信頼暗号及び条件付きアクセス技術を使用することによって実現される。時間シフト(ノイズ)波形がスクランブルをかけられたビデオからは推定できないことを保証するため、特殊な予防措置がとられ、その結果として、システム全体の安全性は、条件付きアクセスシステムの安全性に基づいて本質的に予測される。
【0016】
PK法の更に重要な利点は、スクランブル解除処理中、ビデオ信号に複雑なビデオ処理が施されず、これにより、信号劣化が最小限に抑えられることである。これに対し、ラインカット・アンド・ローテート、並びに、ラインシャッフルのような他の高信頼アナログビデオスクランブリング技術では、スクランブル解除が可能になるように、ビデオがデコーダ内でデジタル化され、次に、要求されたアナログフォーマットへの変換手続を必要とし、この手続には無視できないコスト/性能のトレードオフが伴う。最小限のビデオ処理でPK信号をスクランブル解除し得る能力は、消費者HDビデオアプリケーションの場合には一層重要になる。
【0017】
(PKを使用せずに)HD信号を保護する一つの提案された方法は、個別のライン、又は、ラインのグループ内で、種々の乱数DCオフセットを3個の各成分(RGB、YPrPbなど)に加える。この方法は、導入されたオフセットの値を別々に送信し、受信端でこのオフセットを減算/除去する。この方法は、本質的に、従来の「クランプノイズ」と類似した非常に目障りなクロマノイズを導入し、このノイズは、原理的にスクランブル解除装置によって除去される。しかしながら、このスクランブル解除処理は、送信端と受信端の間で各オフセットが厳密に一致することを要求する。しかし、実際には、物理的に異なり、かつ、物理的に分離した成分を要求された精度で一致させることは本来的に困難であり、また、伝送路には非線形性の悪影響が存在するため、オフセットを厳密に一致させることは極めて困難である。オフセットの一致が適切になされない場合、不快な残留レベルのクロマノイズが生じる。(PKタイプの)時間ベースシステムは、伝送路の非線形性によって生ずるこれらの振幅ベースの誤差による悪影響を受けないと考えられる。
【0018】
次に、HDPKと従来のPKとの相異点を説明する。HDPKは、位置変調のため、非常に高い周波数、たとえば、50乃至200ヘルツのレンジ内の乱数ノイズを使用する。この周波数は、特定のHDTVフォーマットのフィールド又はフレームのリフレッシュレートと一致する。通常(従来技術の)PKの場合、擬似乱数ノイズ信号は、標準(HDではない)TVセットの水平AFC(自動周波数制御)ループが揺らぎの無い画像の表示を保証すべく、その信号を忠実に追従できるように、20ヘルツ未満(リフレッシュレート未満)に制限される。HDPKの場合、新しいTVセット回路の構成(準拠式HDTVセット)は、ビデオ信号のスクランブルを解除することを要求される。したがって、非常に高い周波数の揺らぎを使用する方が有利である。一実施例において、揺らぎは、ビデオ信号のY成分、Cr成分及びCb成分に全く同様に与えられ、標準PKの場合と同様に、予定されるライン位置の周りで対象的に加えられる。
【0019】
Y成分信号、Cr成分信号及びCb成分信号と共に、HDPKは、典型的にHDTVのYビデオ成分に付加されたH/Vシンク(水平/垂直同期)信号を利用する。水平同期成分は、位置変調(時間的にシフト)されない。水平同期成分の立ち上がりエッジは、揺らぎの無い水平ブランキング区間の始まりと位相が合わされる。
【0020】
位置変調信号は、DVDプレーヤ(若しくは、その他のソース)からTVセットへそのまま伝達されるので、HDPKは、スクランブル解除を行なうため、両者間で実時間処理を使用する。その結果として、オフ・ザ・シェルフ・ビデオレコーダを用いる記録から本来的に保護される。換言すると、HDPK信号のY成分、Cr成分、Cb成分及び同期成分が、任意の互換式記録装置に完全な忠実度で記録されたとしても、再生画像は、記録中に重要なスクランブル解除用情報が失われているため、見る価値が無い。
【0021】
上述の通り、スクランブル処理後のビデオが、VGAからNTSC/PALへのコンバータを使用して、NTSC若しくはPAL方式TVに変換されるとき、たとえば、変換後の信号は、重要なスクランブル解除用情報が失われているので、見る価値の無い画像を生ずる。変換後の信号がVHS若しくは8ミリビデオレコーダに記憶される場合、再生信号は、同じ理由によって、見る価値の無い画像を生ずる。
【0022】
HDPKに準拠する将来のHDTVセットがHDビデオ入力信号からNTSC若しくはPAL方式のビデオ出力信号を生ずるならば、これらのNTSC若しくはPAL方式出力信号は、既に説明したように、準拠式HDPK方式TVセットはHDPK信号を形式的にスクランブル解除するものではないため、見ることができないか、又は、記録することができない。
【0023】
HDPKスクランブリングは、ソース装置側で従来のPhaseKrypt処理と関連した処理をデジタルビデオ信号成分に適用することにより達成される。HDPK揺らぎ(従来のPKとは異なる)は、完全なフィールド若しくはフレーム内の各走査線に一定の水平オフセット(揺らぎ)が与えられ、連続したフィールド若しくはフレームには、差のある乱数若しくは擬似乱数オフセットが与えられるが、オフセットが割り当てられた後、そのオフセットは次のフィールド若しくはフレームまで変更されないという意味で、フィールド静止的、若しくは、フレーム静止的である。一実施例において、オフセットは、基礎となるデジタルビデオ表現に応じた画素幅の整数倍の増分量で加えられるが、この例に限定されることはない。たとえば、基礎となるビデオサンプルレートが14.3MHzである場合、ビデオは、約70nsecの増分量、又は、その整数倍の増分量でオフセットされる。オフセットの値は、信号が記録されたときに、符号化された情報が失われ取り戻せなくなるように、ある種の都合の良い形式でビデオ信号中に符号化される。かくして作成された記録物は、ランダムに変化する水平オフセットが非常に不快な態様でピクチャーに揺らぎを生じさせるので、役に立たなくなる。
【0024】
関連したスクランブル解除回路は、準拠式HDTVセット内の都合のよい場所に接続され、HDTVセット内で他のビデオ処理回路と一体化させてもよい。勿論、上述の通り、HDPKの場合に形式的な意味で実際のスクランブル解除は行なわれない。HDTVの場合、各成分(R、G、B又はY、Cb、Cr)は、HDTVセット内で専用ケーブル(導体)を有し、スクランブル解除回路は、揺らぎデータを伝搬する成分だけに対して設ければよい。
【0025】
HDPK揺らぎは、信号のY、Cr及びCb成分に同じように適用され、通常のPKの場合と同様に、一般的に、名目的なライン位置の周りで対称的に加えられる。揺らぎ(オフセット)は、適切なクロック周期の増分量で、フィールド間(若しくは、フレーム間)に変化し、フィールド内では一定に維持されるので、符号化(スクランブリング)は、デジタルビデオ領域において本来的に簡単である。HDPKスクランブリング処理の一実施例は、一般的なデジタルビデオ出力バッファ内でアドレス及び/又はタイミングを読み書きする適当な簡単な操作と、その後に続くオフセット値の適当な符号化と、得られたビデオの所定の場所へのオフセット値の挿入である。
【0026】
オフセット値(揺らぎ)を符号化する一方法は、次のフィールド/フレーム内の全ての同期パルスがそのエッジを正確に追跡するため位置変調されているならば、アクティブビデオがそれらの同期パルスに対し安定になるように、フィールド/フレーム毎に一つの特定の同期パルスの一方のエッジを、後続のフィールド/フレームの正確なオフセットで変調することである。一実施例によれば、図1の上側の波形に示されるように、変調される同期パルス(揺らぎ同期パルス)は、各フィールド若しくはフレーム内の最後のアクティブビデオのラインの後で(垂直帰線消去区間に)出現する第2の同期パルスであり、すなわち、垂直帰線消去区間内の最初のラインの後の第1の同期パルスである。図1には、随伴する揺らぎアクティブビデオが、垂直帰線消去区間の前後に数本のアクティブビデオのラインとして示されている。
【0027】
図1における第2の波形は、関連した復元された安定(すなわち、従来の変更されていない)同期パルスである。第3の波形は、選択された同期信号を抽出するため制御信号として使用される選択された同期ゲートパルスである。このゲートパルスは、スクランブル解除器(デコーダ)内で容易に生成される。なぜならば、選択された同期パルスの場所は、たとえば、垂直帰線消去区間中の第2の同期パルスとして予め決められているからである。最後の波形は、第3の波形を使用して第1の波形から抽出された選択同期パルスから判定された復元/スクランブル解除されたオフセットを示す。
【0028】
水平同期パルスが(PAL及びNTSCのように)2レベルであるHDTVフォーマットの場合、揺らぎを符号化するため選択された同期パルスのエッジは、好ましくは、立ち上がり同期パルスのエッジであり、水平同期パルスが3レベルであるHDTVフォーマットの場合(図2を参照せよ)、選択同期パルスエッジは、好ましくは、第1の負に移行するエッジである。デジタル記録用フォーマットは、典型的に、アクティブピクチャー情報に対応したビデオ波形の領域だけを、たとえば、0IREから100IREの領域だけをデジタル化するが、デジタル化された領域は、典型的に、この領域の外側に少しずつ拡大し、たとえば、0IREは、16進数00ではなく、16進数の16に対応する。
【0029】
このような記録用フォーマットが変調された(選択された)エッジの始まりを記録しないようにするため、エッジの前に、始まりに安定エッジをもつ抑制されたペデスタルを設ける。図2には、(左側に)ある種のHDTVフォーマットで使用されるタイプの標準3レベル同期パルスが示され、(右側に)揺らぎ情報を伝搬する変調された3レベル同期パルス(変調エッジ)が示されている。かくして、変調エッジの始まりは、図示されるように、デジタル化領域の外側に入り、デジタル記録されない。一実施例において、出現する他の全ての同期パルスは、適当なHDTV標準に従う。
【0030】
正当な(記録されていない)HDPKスクランブル信号のスクランブルを解除するためには、変調同期パルスエッジからオフセット値を復元し、表示装置(TVセット)又は画素アドレス指定システムの偏向の水平センタリング又は水平タイミングを、HDPKが誘導したビデオ信号上の揺らぎを打ち消し、かつ、表示された画像を安定にするように、実時間で調節するだけでよい。
【0031】
HDPKをエンコードするための回路(スクランブル装置)の一例は、Ryanに発行された上述の米国特許第Re 35,078号(米国特許第5,058,157号に基づく)の第4図及び第5図に示されているようなタイプの従来のPKスクランブリング用回路であり、一般的に、揺らぎの変動の周波数が高くなる点を除いて、同じように動作する。スクランブリング回路は、たとえば、DVDプレーヤ、ケーブルTVセットトップ・ボックス、或いは、ケーブルTVシステムのヘッドエンドであるHDTV信号ソースに設けられる。
【0032】
図3には、HDPK用に適合したこのようなスクランブル装置のブロック構成図が示されている。入力標準デジタルHDTV信号は端子30へ供給される。
【0033】
端子30への入力ビデオは、同期パルスを伝搬する唯一のビデオ成分であり、たとえば、ケーブルセットトップ・ボックスから到来し、HDPKは、典型的に、デジタルビデオ入力及びアナログビデオ出力である。入力ビデオ信号は、ビデオフィールド/フレームバッファ32に供給される。
【0034】
入力デジタルビデオ信号と関連した水平同期パルス及び垂直同期パルスは、通例的に抽出され、アドレスカウンタ38の端子34及び36へ供給される。カウンタ38は、(選択同期パルスの大凡の場所を示す)選択同期パルスゲート信号を端子40へ出力し、安定(揺らぎ無し)水平アドレスをバス42へ出力する。
【0035】
揺らぎオフセット発生器44は、入力された垂直同期信号に応答して擬似乱数ノイズ信号を発生し、加算器46へ供給し、加算器の出力端子は、揺らぎのある水平アドレス信号をバス48へ伝搬する。バッファ32は、バス50上の垂直アドレス信号を受け、揺らぎのあるデジタルビデオをスイッチ56へ至るバス52に出力する。
【0036】
選択同期パルスに対する揺らぎ情報は、バス58に出力され、選択同期パルス発生器60へ送られ、選択同期パルス発生器は、水平同期パルス信号及び垂直同期パルス信号を受ける。ブロック62内の素子は、アナログ域若しくはデジタル域で動作するが、ライン70上の出力信号は、選択揺らぎ同期パルスを含む揺らぎのアナログビデオ信号である。したがって、適当なデジタル・アナログ変換が、ブロック62への入力信号に適用され、デジタル・アナログ変換がライン70上のビデオ出力信号に加えられる。
【0037】
準拠式TVセットには、対応したHDPKスクランブル解除装置が設けられる。対応したHDPKスクランブル解除装置の一実施例において(図4Aを参照せよ)、ビデオサンプルレートで動作する安定クロック源(発振器)80は、その出力信号が、分周期84によって分周され、或いは、1ライン当たりの画素数で逓減され、これにより得られたラインレート出力(キャリーアウト)パルスは、位相検波器88、誤差増幅器90及び関連したコンデンサ92を含む通常の狭帯域位相ロックループで、クロック発振器80を従来通りに分離された水平同期信号に位相固定するため使用される。同期信号は、スイッチ98への端子94に供給される。
【0038】
第2の同じタイプのカウンタ100が同じクロック源80に基づいて動作する。第2のカウンタ100からのキャリーアウトパルスは、端子94へ到来する水平同期信号と、初期的に定まらない位相関係で同期する。到来ビデオのフィールド/フレーム毎の(揺らぎデータを伝搬する)選択同期パルスは、単一パルス発生器106によって分離され、フィールド/フレームの最後に実時間で第2のカウンタ100をリセット若しくはクリアするため使用され、続いて、カウンタ100は、次のフィールド/フレームの最後で再びリセットされるまで、正常に動く。マスタクロック発振器80は、ビデオサンプルレートの適当な倍数で動作し、二つのカウンタ84及び100の分周比はそれに応じてスケールが決められる。
【0039】
第2のカウンタ100のキャリーアウトパルスは、スイッチ110を介して通常のTVセットの水平偏向/アドレス指定システムに、水平駆動出力信号として供給される。両方のスイッチ92及び110は、同期選択ゲートパルス発生器114により制御される。ゲートパルス発生器114は、到来する水平同期パルス及び垂直同期パルスから選択された(揺らぎを含む)同期パルスの場所を判定する標準ビデオ論理回路を含む。典型的に、このような選択同期パルスは、1フィールド/フレーム当たりに1個しかないので、その場所は、上述の通り、予め決められる。
【0040】
水平駆動出力信号の周波数は、到来ビデオの周波数と厳密に一致し、(パルス発生器106によって決められるような)タイミングは、次の選択同期パルスが来るまでビデオの全ての走査線に対する厳密に正確なタイミングを有する選択入力同期パルスのタイミングと厳密に一致するので、このように生成された水平駆動出力信号は、スクランブルがかけられた信号のビデオ内容の正常な安定表現を与えるために要求される信号そのものである。
【0041】
全ての現行のデジタルビデオレコーダ(但し、最も高価な専門家向けユニットを除く)は、ビデオ圧縮を利用し、圧縮処理の一部として、元のビデオ信号から同期パルス及び帰線消去区間を廃棄するので、オフセット情報を伝搬する(帰線消去区間に存在する)選択同期パルスは記録されず、得られた記録物は、妥当な環境下ではスクランブル解除できない。
【0042】
一実施例において、図4Aに示されたスクランブル解除装置は、HDTVセット内に既に存在する従来のHDTV同期回路に組み込まれ、Fs/Fh分周器のような素子を同期回路と共用する。エンコーダ(スクランブル装置)は、整数画素単位で揺らぎを増加させ、揺らぎデータを適切に符号化するため、たとえば、ケーブルセットトップ・ボックス内のMPEGデコーダと部品を共用する。
【0043】
あらゆるHDTVフォーマットにおいて、オフセット情報を伝搬させるための特定の同期パルスの選択は、フィールド間で静的ではなく、たとえば、フィールド/フレーム毎に異なる同期パルスをランダムに選択する場合がある。このような場合、オフセット情報を伝搬する特定の同期パルスに関する情報は、たとえば、VBI中の符号化データのような都合のよい方法でスクランブル解除装置へ伝達され、或いは、暗号化形式若しくは平文形式で伝搬される。パルスが動的に選択され、選択されたパルスが垂直帰線消去区間よりも前に置かれるならば、後続のフィールド/フレームに印加されるまで、パルスの位置を遅延、若しくは、記憶する手段が必要であり、値をデジタル化し、レジスタに格納するような標準的な方法がそのために使用される。水平駆動信号を発生するカウンタ100の調節は、当業者に知られたいずれかの方法で実施される。いずれかの方法の中には、特に、カウンタをリセットすること、カウンタを適当な値にプリセットすること、所望の水平駆動パルスの位置を数値的に復号化すること、が含まれる。
【0044】
図4Bには、図4AのHDPKスクランブル解除装置と殆どの点で同じであるが、但し、揺らぎ情報が同期パルスエッジ位置として直接的には符号化されないHDPK形式のための他のHDPKスクランブル解除装置が示されている。図4Bにおいて、同期オフセットは、同期オフセット入力信号として到来するビデオ信号から抽出され、オフセットプロセッサ118に供給され、数値に変換され、ゲート制御パルスとして中央スイッチ92及び110に供給され、分周器100をリセットする。
【0045】
2レベル同期パルスを用いるHDTVフォーマットの場合、選択同期パルスの一方のエッジだけではなく、選択同期パルス全体が位置変調される。HDTVには数通りのバージョンが存在することに注意する必要がある。さらに、オフセット情報をHDTV信号に加算する別の手段が使用され、この手段は、そのまま数値的に符号化し、次に、暗号化して、或いは、暗号化せずに(たとえば、上述のMacrovision PhaseKryptの特許のように)データ信号又はサブチャネルとして加算する。さらに、選択同期パルス法が使用される場合、選択パルスは、効率、安全性、及び/又は、記録不可性を高めるために、適当な形式で非標準化される。たとえば、選択同期パルスは、ビデオ信号に大量の揺らぎを与える水平帰線消去区間により大きい隙間を設けるために、幅が狭小化される。或いは、オフセット情報は、暗号化され、若しくは、平文のまま、都合の良い形式で別々のチャネルを伝搬する。
【0046】
実際に組み込むことは困難かつ高価ではあるが、アクティブピクチャー領域の揺らぎを含む移動エッジを検出し追跡することにより、HDPKの一実施例を無効にすることが可能である。図5には、水平帰線消去区間の間にあるHDPKスクランブルビデオ信号(1走査線)の波形(同図の上側)が示されている。アクティブビデオは揺らぎが与えられ、帰線消去エッジも揺らぎを含むが、同期パルスは安定である。揺らぎ同期パルスは、上側の波形の揺らぎエッジを検出し、追跡することにより判定される。
【0047】
この無効アプローチから保護するため、スクランブリング中に、エッジを偽装するため、擬似ビデオが残りの水平帰線消去区間(又は、その区間の一部)に加えられる。この擬似ビデオは、以下の説明中、「エッジフィル」と呼ぶ。個々で使用されるエッジフィルの原理は、揺らぎのあるアクティブビデオの部分が常に再定義された領域に拡がらないように、安定帰線消去区間を再定義することであり、再定義された帰線消去区間のエッジと、機能的にビデオから区別することができない第2の信号で充填された実際の揺らぎのあるビデオのエッジとの間に、使用されていない空間が存在するので、本当のビデオの揺らぎのあるエッジを隠す。
【0048】
付加されたエッジフィルビデオは、合法的なスクランブル解除装置内で廃棄(無視)される。エッジフィルの適当な形式には、「ノイズフィル」信号(図6を参照せよ)、隣接したビデオエッジの瞬時レベルに対応したダイナミック「DCフィル」レベル(図7を参照せよ)、及び、充填された領域が隣接したビデオのコピーを収容し、実際のビデオ波形とフィルビデオ波形の接合点に階段状の不連続性が現れないように左右で反転されている「ミラーフィル」(図8を参照せよ)が含まれるが、これらの例に制限されない。さらに、鏡像ビデオは、その接合点で傾斜の変化が生じないように極性が反転される。
【0049】
HDPKの代替的な実施例は、スクランブル解除コストを最小限に抑えるべく、擬似乱数変調用信号をHDTVソースからTVセットへ結合するため水平及び垂直同期成分信号を第4のケーブルに供給する。この信号は、安定した揺らぎの無い画像が得られるように、水平走査を位置変調するため、HDPK準拠式TVセット(すなわち、HDPKスクランブル解除装置を有するTVセット)で使用される。同期信号は、アクティブビデオとは無関係にHDTVフォーマットで伝搬されるので、複合ビデオにPKが適用された場合よりも高いレベルの位置変調を実現できるので、非常に不明確なスクランブル画像が得られる。
【0050】
おそらく、HDPKの自明な無効法は、Y、Cr、Cb、H/V同期、及び、揺らぎ情報を取得し、揺らぎの無いY、Cr及びCb信号を再構築するため時間ベース誤り訂正技術を使用する特別の「ブラックボックス」回路を構築することである。このようなブラックボックスは、比較的複雑なデジタルビデオ処理技術を含み、このブラックボックスの販売は、そのブラックボックスの販売若しくは使用に著作権を侵害しないという合理的理由がない場合、Digital Millennium Copyright Actの不正行為防止規定の刑法規定に触れる。
【0051】
ノイズ波形のディテールを秘匿するために暗号技術を用いてHDPKの安全性を改良しようとすることには殆ど意味が無い。なぜならば、全ての準拠式TVセットは、直ちに侵入(復号)することを保証するため、復号化に必要なキーを収容しなければならないからである。
【0052】
HDPKの利用に関連したコストは最小限である。ビデオがデジタル域にある間に、DVDプレーヤで擬似乱数位置変調を行なうことは、周知のMacrovision ACPを適用するよりもおそらく複雑ではない。準拠式HDTVセットに追加的に必要になるスクランブル解除回路は低コストである。
【0053】
HDPKの安全性の特徴は、HDTV信号がある装置から別の装置への伝搬中にどの程度安全性が確保されているかとは無関係に、ハッカー(侵害者)が、常に、HDTVセットの背面カバーを取り外し、回路基板上、若しくは、映像管のグリッド上などで平文の信号にアクセスできるという事実によって導かれる。コストの問題と、保守のため容易にアクセス可能であることの要請とを考慮して、製造者がこのような行動に対し有効な物理的障害を組み込む可能性は明らかに低い。したがって、名目的に非常に高信頼性であっても、TVセットを開くことによって容易に危険に晒される複雑なHDシステムを提案することによって、製造者に大きなコスト的負担を課すことは無意味である。
【0054】
かくして、HDPKは、以下の基準を満たす。
【0055】
ハッカーが明瞭なコピーを作成するためHDPK信号をスクランブル解除するのに要する労苦は、代替的な全提案の中で弱いリンクであるため、TVセットでスクランブル解除された明瞭なビデオ信号を盗聴するために要する労苦よりも遥かに大きい。
【0056】
HDPK信号用のスクランブル解除装置は、著作権を侵害しないという目的に適わないので、強力な全世界的な特許によって保護されるべきである。
【0057】
スクランブルをかけられたY、Pr及びPbビデオ信号は、後から準拠式HDTVセットでスクランブル解除できるような様式で、既存、若しくは、予想できる将来の記録装置に記録できない。
【0058】
上述のように従来のPK形のケーブルTVアプリケーションの場合、加入者が許可されたスクランブル解除装置を保有しない限り、ビデオへのアクセスを拒絶するようにされているので、スクランブル装置で使用される揺らぎ信号のディテールは、高信頼性暗号技術を用いて垂直帰線消去区間(VBI)中にスクランブル解除装置へ伝達される。本発明のHDPKスクランブリングシステムの場合、DVDプレーヤのプロセッサ及び一つ以上のDVDディスクは、既にアクセス権を購入済みであり、あとは何もしなくてもディスクを視聴できることが期待されているので、システムは、HDTV信号へのアクセスを制御するのではなく、HDTV信号のコピーを阻止する。したがって、要求条件が相異する。
【0059】
HDTV信号にスクランブルをかける目標は、以下の項目1.及び2.である。
【0060】
1.現在利用可能なレコーダだけではなく、妥当な範囲内で想定することができる構造の将来のレコーダで、スクランブル付きのHDPK信号の使用可能なコピーを作成できないようにすることを目標とする。HDTVセットはスクランブル解除を行なうので、スクランブル付きの信号の忠実なコピーは、スクランブル無しの平文の信号の忠実なコピーと同様にエンドユーザーにとって申し分がないコピーである。この場合、高信頼性で暗号化されたVBI中のスクランブル解除用情報は不適当である。なぜならば、スクランブル付きの全ビデオ信号、VBI及び全体を忠実に記録する将来のレコーダを容易に想像することができるからである。
【0061】
2.平文の信号はコピーされる可能性が非常に高いので、HDTVセットの外部でHDPK信号を非合法的にスクランブル解除できないようにすることを目標とする。
【0062】
第1の目標は、スクランブル解除用情報を、平文で、若しくは、IEEE1394(「ファイア・ワイヤ」)技術を使用して、別個のラインでTVセットへ送信することによって達成され、どちらの技術も、余分なコネクタのコストに最低限のコストを付加するだけである。スクランブル解除用情報を一つのビデオチャネル、たとえば、Yチャネルと結合することが望ましく、かつ、便利である。しかし、再生時にスクランブル解除用情報の不存在によってコピーが不可視的になるように、不可視的なスクランブル解除用情報を記録装置と関連付ける形で結合しなければならない。
【0063】
ソース装置とHDPK式TVセットの間で使用するための後述の特殊な「ステルス」高信頼性インタフェースは、将来の記録装置が、アナログ式、デジタル式若しくはハイブリッド式であるか、テープ、光ディスク、ハードドライブ若しくはその他の媒体を使用するか、どのような性能特性若しくは用途目的であるか、とは無関係に、この特殊なエンド・オブ・フレーム(EOF)・パルスを記録不可であり、このような記録装置に作成された記録物がスクランブル解除され得ないことを保証する。
【0064】
第2の目的については、すべての準拠式HDTVセットは、この信号をスクランブル解除し得る必要があるので、代替的な(HDPK以外の)提案は、平文のスクランブル解除されたHDビデオが必ずTVセット内に存在するという事実のため、本来的にセキュリティ上の欠点がある。この基本的な欠点がある限り、スクランブル解除用情報を暗号化するコストをHDTVセットに追加することは正当化し難い。
【0065】
高信頼性インタフェース
図9には、ステルス同期パルスを抽出するHDPK用の上述の高信頼性(「ステルス」)インタフェースが示されている。HDTVセット端のスイッチ140は、復号化パルス区間内及び付近の数ミリ秒を除いて開かれる。スイッチ140の開いている期間に、インタフェース(ビデオライン142)は、図示される如く、標準75オームのコネクションであり、(ソース出力段168からの)受信ビデオは、通例的に、75オームの終端170から(電圧パルスとして)抽出される。スイッチ140が閉じたとき、75オーム終端でのインピーダンスは、略零まで降下し、ライン142の電流は、フィードバック抵抗器146によって吸収され、これにより、ダイオード152が付随した(演算)増幅器148の出力端子に、電流パルスとしての復号化パルスを再生する。
【0066】
スイッチ140が閉じているとき、ライン142の入力インピーダンスは零まで降下するので、復号化パルスに対応した電圧(信号)が、75オーム終端170に現れ、パルスは、TVセットの水平同期PLL(位相ロックループ)を駆動するため、演算増幅器150の出力端子で効率的に消失し、再出現する。かくして、ライン142に接続された記録用装置は、スクランブル付きビデオの完全なコピーを作成するが、本質的な復号化パルスは記録物から失われる。
【0067】
図9のインタフェースは、同期信号が出現するビデオ成分ライン(ケーブル)毎に使用される。
【0068】
ソース(たとえば、セットトップ・ボックス)端で、(上述のように、ビデオフィールドの終わりのVBIに存在する)復号化パルスは、電流源176によって、波形160で示されるように負電流(電圧信号でない)としてライン142へ流される。この期間中、ビデオライン142のソース端は、切換えられた「負クリッパー」演算増幅器148によってグラウンド電位よりも遥かに低下することが禁止される。このクリッピングの目的は、復号化パルスがワイン142上に電圧パルスとして出現することを阻止し、ビデオライン142のもう一方の(HDTV)端が準拠式HDTVセットに接続されるのではなく、標準75オームの入力端子を用いて記録用装置に接続されている場合に、復号化パルスが記録されることを阻止することである。負クリッピングは、クリッピングレベルが復号化パルス区間中に受信端の電圧よりも低い安全マージンになるように設定されるので、準拠式TVセットによる復号化パルスの受信と干渉しないが、クリッピングレベルは高信頼性検出を無効にするためには十分の高さがある。
【0069】
図9において、増幅器148の正側入力端子に供給されるEOF(エンド・オブ・フィールド)ゲートパルスは、通常、ソース(たとえば、セットトップ・ボックス)側の同期分離回路から生成される。EOF復号化パルス160は、上述の通り、スクランブル解除装置で生成される。
【0070】
さらに、図9において、ステルスインタフェースは、図4A及び4Bに記載された通りのスクランブル解除装置と共に使用することは意図されていない。すなわち、図4A及び4Bには、ステルスではないインタフェース用のスクランブル解除装置が示されている。図9のステルスインタフェースと両立するスクランブル解除装置は、ステルスインタフェースによって与えられるEOF復号化パルス出力が図4Aの単一パルス発生器105を不要にさせるため、より簡単化される。
【0071】
かくして、記録用装置が、準拠式HDTVセットの代わりに接続されるか、或いは、準拠式HDTVセットとループスルー形式で接続されるかとは無関係に、復号化パルスは記録用装置によって検出されないので、得られる記録物はステルスインタフェースを使用して再生不可能である。
【0072】
このように、ステルスインタフェースを無効にするための将来の記録用装置は、復号化パルスを検出し、HDPKビデオの使用可能なコピーを作成するためには、特殊入力回路を具備する必要がある。このような入力回路は、著作権を侵害しない用法に意味がないので、U.S. Digital Millennium Copyright Actの下で非合法である。
【0073】
グラウンドのブラックレベルとDC結合されたビデオは、バイポーラ電源電圧であると仮定される。しかし、この原理は、容易に修正可能である。図10には、図9の回路に対する一つの代替例が示されているが、図9の演算増幅器148、150は含まれない。図10において、ビデオソースのアナログビデオ出力段166は、エミッタ・フォロワー・トランジスタQ1である。トランジスタQ1に対する静止電流は、定電流源トランジスタQ2によって供給される。トランジスタQ1、Q2は、図9の素子166、167に概ね対応する。
【0074】
エンド・オブ・フレーム(EOF)電流パルスは、トランジスタQ2に、ベースにEOF復号化パルスが供給されている区間中、トランジスタQ1用の静止電流を増大させ、次に、正常動作電流に戻すことによって発生される。トランジスタQ1のエミッタ上の電圧変化は、この動作中に最小限(電流の2:1の変化に対し、公称13mV)であり、非準拠式TVセット若しくは記録用装置によるEOF復号化パルスの検出を阻止することに注意する必要がある。HDTVセット側で、トランジスタQ3上のバイアス電圧は、トランジスタQ3が、同期パルス中であっても通常導通しないようにセットされる。パルスのEOFゲートがトランジスタQ3のベースに供給されたとき、トランジスタQ3のエミッタ上の電圧は、トランジスタQ1の導通を遮断し得るレベルまで上昇する。トランジスタQ3を流れる余分な電流は、トランジスタQ3のコレクタ抵抗器R1に電圧パルスを誘起し、その(電圧)パルスは復元されたEOFパルスである。
【0075】
実質的に、パルス形のEOFゲートをトランジスタQ3のベースへ印加することにより、トランジスタQ3はソース装置に対しEOF電流パルスを要求する。パルス形のEOFゲートは、原理的に、トランジスタQ’3のエミッタで検出されるが、パルス形のゲートの所在は、ハッカーに対し有用な情報を与えないので、パルス形のEOFゲートが検出されてもセキュリティ上のリスクはない。トランジスタQ3は、図9における増幅器150に対応し、トランジスタQ3のベース駆動はスイッチ140に対応する。
【0076】
図10に示された回路と類似した出力回路は、従来の半導体回路によって別々に低価格で構成され、HDPKが次世代TVセット集積回路に完全に集積化される場合、出力ラインドライバ若しくはHD−DAC(高精細デジタル・アナログ変換器)に組み込まれ、図10の回路に類似した回路は、既存のTVセットの入力ビデオ処理に容易に組み込まれる。
【0077】
「正直な人が正直なままでいられるようにする」というセキュリティの目標は、本発明のHDPK及び高信頼性インタフェースによって充分に満たされる。「ハック」するためには、殆どの偶然的なハッカー、若しくは、実際に技術的な趣向のあるハッカーの能力を完全に超えた特殊化された(かつ、独占的な)信号処理技術が必要である。高信頼性のデジタルビデオ暗号を利用する代替的な提案は、原理的にビデオの転送中に優れたセキュリティを与えることができるが、HDTVセットの裏面を取り外し、ある種の簡単な信号の連結を行なおうとするハッカーによって容易に危険に晒される。したがって、より低コストのHDPKを装備することが有用である。
【0078】
準拠式HDTVセット
説明の目的のため、図11Aには、(定義上)HDPKに応答しない非準拠式(従来の)HDTVセットのブロック図が示されている。入力アナログビデオHDTV信号は、入力端子178に供給される。同図には、同期信号を伝搬するチャネル成分に対する回路だけが示され、チューナーは図示されない。入力ビデオ成分信号は、増幅された信号をビデオドライバ182へ出力する通常のビデオ入力増幅器180に供給され、ビデオドライバ182は、陰極線管(CRT)190の電子銃を駆動する。増幅器180からの信号出力は、従来型の同期分離器192の入力端子へ供給され、同期分離器は、分離された水平同期パルス(H sync)を水平位相ロックループ196へ出力し、水平位相ロックループ196は、水平駆動信号を水平偏向回路198へ出力する。
【0079】
分離された垂直ドライブ信号は、垂直偏向回路194を駆動する。垂直偏向回路194及び水平偏向回路198は、それぞれ、陰極線管190の一部である偏向コイル184及び186を駆動する。本例は、通例的なHDTVセット(の関連した部分だけが示されている例)であり、HDPKに応答しないので、HDPK信号があたられた場合、スクランブルがかけられたピクチャーを表示する。
【0080】
図11Bには、図11Aの素子と共通の多数の素子を有する修正HDTVセットが示されているが、修正HDTVセットは、HDPKに従うので、HDPKビデオのスクランブルを外すことができる。図11Bに示されたHDTVセットは、図9及び10に示されたステルスインタフェース179を含み、ステルスインタフェース179は、たとえば、図9の素子140、146及び150に対応するステルス同期分離器181を含む。図9には、増幅器150からの出力信号が、EOF復号化パルス出力として示されている。この信号は、図11Bで揺らぎ情報として示されているライン上にあり、水平位相ロックループ回路196aに供給される。水平位相ロックループ回路196aは、図11Aの従来型の水平位相ロックループ回路196の修正版である。図11Bにおいて、水平位相ロックループ回路196aは、ブロックで示されたオフセット挿入回路195を含む。このブロックは、図4Aのデコーダの下側部分の機能に対応する。図4Aの回路の上側部分は、図11Bに196aとして示されている従来型の位相ロックループであることに注意する必要がある。
【0081】
図11Cには、図11Bの準拠式HDTVセットの一変形例が示されている。本例は、図11Bの例と殆どのTンで一致しているが、ステルスインタフェースを具備しない。本例の場合、従来型のH信号及びV信号を出力するだけではなく、図4Aに示された技術を用いて選択同期パルスから抽出された揺らぎ情報を、第3のライン197へ出力する機能を有する修正版の同期分離器192bが設けられる。
【0082】
勿論、これらの例は、準拠式HDTVセットの例に過ぎない。
【0083】
HDPKの無効
上述のアナログHDPK処理によるHDTV信号を記録(無効に)するために以下の(a)〜(f)の6通りのアプローチが考えられる。
(a)完全な水平及び垂直同期波形、水平同期波形、若しくは、垂直同期波形(すなわち、全ての同期パルス)が記録できるようにHDTV信号を修正する。
(b)揺らぎ情報を伝搬する関連した選択同期水平パルス信号だけが記録されるように信号を修正する。
(c)同期信号の揺らぎエッジだけが記録されるように水平同期信号を修正する。
(d)ビデオデータチャネル上で(ビデオの一部として)揺らぎ情報を送信する。
(e)たとえば、RGB及び別個のラインのような外部データチャネル(分離したライン)上に揺らぎ情報を送信する。
(f)外部デコーダを使用して直ちに復号化し、そのまま記録する。
【0084】
これらの方法の変形及び組み合わせは、当業者に明白である。「記録」という用語は、再生されたときに、殆どスクランブルがかけられていないか、或いは、スクランブルがかけられていない可視ピクチャーを生ずるビデオ記録物の作成を意味することに注意する必要がある。
【0085】
以下、これらのアプローチを実施するための多数の非常に具体的な方法を説明する。
【0086】
第1の方法は、適切な同期パルスの零交差が公称デジタル化閾値の従来型のアナログ・デジタル変換器でデジタル化されるように、全ビデオ信号のダイナミックレンジをシフトさせることである(図12Aの波形を参照せよ)。図12Aの左側には、正常なHDPKビデオラインが示され、同図の右側には、垂直方向に伸張された同期パルスと、垂直方向に圧縮されたアクティブビデオとを含む修正波形が示され、伸張された同期パルスは公称デジタル化閾値の両側に広がる。
【0087】
ここで、適切なビデオレコーダは、帯域幅を節約するため、水平若しくは垂直帰線消去区間、又は、同期パルスを記録せず、したがって、公称デジタル化レベルに満たないものを記録しないことが仮定される。同期パルス振幅は、レコーダが同期パルスを正常に分離できるように伸張されるべきこと、すなわち、同期パルスチップが(NTSCの場合に)−40IREに一致するレベルまで下方に広げられるべきことに注意する必要がある。アクティブビデオ振幅が圧縮されない場合、ビデオレコーダの有限ダイナミックレンジは、ホワイト(アクティブビデオ)を削除する望ましくない状況を生ずる。この圧縮/伸張は、第1の一定利得値が同期パルスに適用され、第1の一致利得値よりも小さい第2の一定利得値がアクティブビデオに適用され、アクティブビデオのガンマ歪みを防止する2勾配(非線形)ガンマ補正によって実現され得る。
【0088】
図12Bには、図12Aの波形によって例示された無効処理を実施する回路が示されている。図12Bの回路は、セットトップ・ボックスのようなソース装置と、ビデオレコーダとの間に接続される。図12Aの左側部分に示された正常HPDK波形と同じである入力ビデオ信号200は、端子202に入力される。端子202に入力された信号は、類似した回路の上部及び下部の両方を通過する。回路上部には、0.9R(Rはオーム単位の選択されたある抵抗値)の値を有する抵抗器208及びダイオード212と並列接続された演算増幅器206が含まれる。回路下部には、1.1Rの値を有する抵抗器218及びダイオード212とは逆向きに接続されたダイオード222と並列接続された、演算増幅器2076と同じ演算増幅器214が含まれる。
【0089】
素子212、208及び206を含む回路上部は、ダイオード212が接続される向きに応じて、負方向だけに振動し、抵抗器208の値0.9Rによる90%の利得でアクティブビデオを増幅する。かくして、中間波形224は、反転アクティブビデオを表す。
【0090】
回路下部の部品222、218及び214は、同期パルスの波形の負に変化する部分を正方向に(110%だけ)増幅し、波形230に示されるように、これを反転させる。これらの回路下部の部品は、正方向だけに振動するように接続される。加算ノード240に接続された抵抗器236及び238は、演算増幅器248を使用して、演算増幅器248によって反転させられた、増幅されたアクティブビデオと増幅された同期パルスの和を与える。増幅器248は端子254に出力波形250を生ずる。波形250は、図12Aの右半分側の波形と同一である。オフセット電圧−VREFが抵抗器260に供給される。これは、同期パルスの先端が記録レベルになるような、すなわち、図12Aに示されたデジタル化閾値を超えるようなDCオフセットを与える。かくして、同期パルスは0ボルトを超えるので、典型的なデジタルビデオレコーダによって記録される。
【0091】
図12Cには、図12Bの回路に対する伝達関数が示され、この伝達関数は、(正電圧レンジで)アクティブビデオに対し1未満の勾配を有し、(零未満の電圧レンジで)同期パルスに対し1よりも大きい勾配を有する。これは、上述の非線形ガンマ補正である。
【0092】
或いは、連続的なガンマ補正は、補正の非線形伝達関数によって合成階調スケール歪みが生ずる場合に機能する。図12Dには、図示された曲線状伝達関数を有する連続ガンマ補正回路272の入力端子270に供給される入力信号として、図12Bの波形200(並びに、図12Aの最も左側の波形)と本質的に同一である波形200が示される。端子274上の出力信号276は、ガンマ補正が不連続的ではなく連続的である点を除くと、殆どの観点で図12Bの波形250と類似している修正ビデオ信号である。アクティブビデオの波形信号276の上側部分が圧縮されていることによって認められる。波形276は、階調スケールを変化させ、望ましい線形性を失うこのアプローチの欠点を示している。
【0093】
図12Eには、入力端子270及び出力端子274を含む図12Dに示された回路272が概略的に表されている。図12Eの回路は、図12Bの回路よりも非常に簡単であることに注意する必要がある。図12Eの回路は、ダイオード282a、282b及び282cと、電圧V、V及びVが印加される対応した抵抗器286a、286b及び286cからなる回路網を有する。段数は、適用されるべき補正係数の数によって決められる。極端なケースでは、各段に固有の電圧が印加される2段により構成してもよい。その場合、図12Bの回路に類似した二つのガンマ補正が得られる。抵抗器286a−286cの値は、当業者に理解されるように、所望の伝達関数272を実現するため、入力抵抗器290の値に関連してスケールが定められる。
【0094】
たとえば、図12B若しくは図12Eに示された回路を用いてHDPKを無効にするためには、ソース(たとえば、セットトップ・ボックス)の出力端子と、ビデオレコーダのビデオ入力端子との間にこの回路を接続する。一般的に、このような回路は、ビデオチャネルの成分毎に設けられる。これにより、図12A及び図12Bの右側部分に、波形250として示されるように、修正HDPKビデオ信号の記録が行なわれる。
【0095】
この記録のため使用されるレコーダは、帰線消去区間を記録する能力を備え、一般的にデジタル化閾値に満たない信号を記録しないデジタルビデオレコーダであることに注意する必要がある。このようなビデオレコーダが現在市販されているかどうかは不明であるが、まもなく入手可能になることが予想される。デジタルビデオレコーダが帰線消去区間を記録しないタイプのレコーダである場合、図12B若しくは図12Eに示されたアプローチは動作しない。
【0096】
記録された信号を再生する点に関しては、後処理が必要とされる。従来型のビデオレコーダは、記録されたビデオ信号250を再生する。この再生信号は、再生「ブラックボックス」装置に入力される。再生「ブラックボックス」装置は、実質的に、図12Bの回路の逆回路であり、波形250を受け取り、元の波形200へ逆変換する。この波形200は、次に、準拠式表示装置、たとえば、HDPKに準拠した高精細TVセットへ入力され、信号が正しく再生される。非準拠式HDPKテレビジョンセットは、信号を正しく再生せず、スクランブルがかけられたピクチャーが表示されるだけである。したがって、記録及び再生を正しく行なうためには、図12B又は図12Eに示されたタイプの記録用ブラックボックス回路を、帰線消去区間を記録し得るデジタルレコーダ、及び、再生用ブラックボックスと共に、HDPK準拠式テレビジョンセットに接続することが必要である。
【0097】
別の無効方法は、ビデオ信号の同期パルス(だけ)を強調(ピーキング)し、パルスエッジをさらに広げることである(図13Aの波形を参照せよ)。ピークエッジを有するピーキングされたピーク同期パルスは、デジタル化閾値の直ぐ上に広がる。図13Aには、ピーク同期パルスエッジがデジタル化閾値の直ぐ上に広がり、デジタル化閾値よりも上に広がる帰線消去区間中に信号を記録する能力を備えた上述のビデオレコーダによって記録されることが示されている。図13Aは、適当なブラックボックス無効回路によって、入力HDPKビデオ信号から修正されたHDPK信号を示す。
【0098】
図13Bには、同期パルスへの修正の詳細が示されている。図13Bの上側の波形300は、ピーキングの無い入力同期パルスである。次の波形302は、時間間隔Δtずつの多数のピークを有する出力同期パルスを示す。本例の場合、各エッジはピーキングされる。制御パルスであるゲート用パルスは、図13Bに波形304として示されている。ゲート用パルスは、同期パルス300の区間よりも僅かに長い区間を有し、その区間中にピーキング機能が行なわれる。この組み合わせによって、図13Bの右側部分に示されている波形308が得られる。図示されたピーキングの区間は、Δt及びΔtである。ゲート用パルス304は、(図示しない)ブラックボックス内の従来型の論理回路によって生成され、ピーキングが行なわれる場所を制御する。ピーキングは、ビデオ全体、(図13Bに示されるように)同期パルス全体、同期パルスのエッジだけ、或いは、選択された同期パルスのエッジだけで行なわれる。
【0099】
これを実現するための回路は、図13Cに示されている。図13Cにおいて、無修正HDPK信号である入力ビデオは、端子312で第1の遅延素子316へ供給され、したがって、第2の遅延素子318へ供給される。これらの遅延素子の遅延間隔は、図13Bの波形308に示されるように、Δt及びΔtである。遅延素子318から得られた信号は、抵抗器320、322、324及び増幅器326を介して、抵抗器330に供給される。抵抗器330は、所望の10%オーバーシュート(10%ピーキング率)を実現するため、図示されるように、10Rの値、すなわち、各抵抗器320、322及び324の10倍の抵抗値を有する。図示された実施例は、位相的に線形であるが、位相的に線形でなくてもよい。
【0100】
得られた信号は、次に、反転増幅器340によって反転させられ、スイッチ342を介して、加算用ノード350へ供給される。スイッチ342は、端子348へ供給されたゲート用パルス304によって作動される。ゲート用パルス304は、回路の上側部分でビデオを制御する第2のスイッチ352を制御するためにも供給される。スイッチ348及び352の極性は反対であり、一方のスイッチが開いているとき、他方は閉じている。スイッチ352からの出力信号は、抵抗器360を介して、抵抗器364が付随した加算用増幅器362へ供給される。次に、抵抗器366を介して、得られた信号は、増幅器370と抵抗器372の結合回路によって反転させられ、出力端子380へ送られる。
【0101】
波形308において、区間Δt及び区間Δtは、区間Δtと一致する。しかし、Δt=Δtは必要条件ではなく、ピーキングの量は相異してもよい。前縁ピーキングだけの場合、前縁の区間だけに応じてゲート用パルス304を短くする。さらに、「前シュート」だけのピーキングの場合、すなわち、非線形位相である場合、Δt遅延素子318と、関連した加算用抵抗器322を除去してもよい。
【0102】
或いは、図14に示されるように、(符号化揺らぎ情報を伝搬する)揺らぎエッジだけをピーキングしてもよく、若しくは、波形全体をピーキングしてもよい。図13Cの回路は、上述の如く、この動作を実現することができる。
【0103】
別の無効方法は、揺らぎパルスエッジを公称デジタル化閾値の向こう側に伸ばすことにより揺らぎエッジパルスがデジタル化されるように、ブラックレベルを超える(同期抑制中のような)同期パルスをレベルシフトさせることである(図15Aの波形を参照せよ)。
【0104】
図15Bには、図15Aのレベルシフトを実現する回路が示されている。図15bの左側には、入力波形、すなわち、無修正HDPK波形390がアクティブビデオと水平同期パルスの和として示されている。図15Bの左下部分には、オフセット若しくはレベルシフト用入力信号波形392が示されている。このレベルシフト用信号は、等価的な水平帰線消去区間よりも多少狭いが、その水平帰線消去区間中の水平同期パルスよりは多少広い。これらの波形は、上述のタイプの加算器400に接続された対応した端子394及び396へ入力され、出力端子402に、図15Aに示されている波形に類似した波形408を生じる。但し、アクティブビデオが僅かに相異している。したがって、この回路は、元の同期信号を効率的に取り除き、帰線消去区間よりも狭く、かつ、同期パルスよりも広い新しい信号を生成し、生成した信号をアクティブビデオに線形的に加え、図15Aに示されたデジタル化閾値を上回るとき記録できるように同期パルスのレベルを押し上げる。
【0105】
別の無効方法は、揺らぎエッジがデジタル化されるようにデジタル化閾値を超える同期パルスを反転させる(図16Aの波形を参照せよ)。図16Aの左側部には、HDPKが反転した2レベル同期パルスである場合に、この処理を適用した例が示され、図16Aの右側部分には、反転形3レベル同期パルスによる修正HDPKが示されている。この方法は、両方のタイプの同期パルスを有するHDTV信号に適用可能である。この方法は、得られた反転形同期パルスを適切に分離し、処理するため、ビデオレコーダへの回路修正を必要とする。この方法は、個々に説明した他の方法と同様に、同期パルスをレコーダの記録可能(デジタル化可能)レンジへ移すことにより記録することができるので、同期パルスは通常のアクティブビデオと同様に記録される。図16Aに示された方法は、ビデオレコーダが帰線消去区間を記録しない限り動作しない点に注意する必要がある。
【0106】
これを実現するための入力波形は、図16Bに示されている。図16Bにおいて、波形414は、通常の負側に移る同期パルスを有する無修正HDPK信号であり、波形416は、図15Bの信号392と類似した反転若しくは制御信号である。これらの信号は、対応した回路の図16Cの入力端子420に供給される。すなわち、信号414は、端子420へ供給される。信号414は、抵抗424へ接続され、増幅器426及び抵抗器428を含むインバータにより反転させられる。制御信号416は、スイッチ430の制御端子へ供給され、出力端子432に出力波形438を生じる。出力波形438は、図16Aに示された出力信号と類似していることに注意する必要がある。すなわち、出力波形438は、反転形同期パルスを含む。
【0107】
以上の説明からわかるように、この同期パルス反転は、図16Cの回路を用いて、同期パルスが存在する時間中だけにビデオ信号を反転させることによって容易に実現される。勿論、同期パルスは到来ビデオ信号から容易に分離されるので、同期パルスが存在する時間は容易に判定される。制御波形416の性質は可変的である。1フィールド当たりにつき1回ずつ出現する揺らぎデータを含む同期パルスを反転させるだけでよい。この特定の選択同期パルスの場所に関する知識が上述のように垂直帰線消去区間の2番目のラインに存在する場合、波形416の生成は規則的である。勿論、必要に応じて、ビデオ信号を通じて各同期パルスを反転させるだけでも構わない。類似した考察が制御信号に関して図15Bの回路に対しても当てはまる。
【0108】
もう一度繰り返すと、ここまでに説明した多数の無効回路及び関連した方法は、帰線消去区間を記録するビデオレコーダを必要とし、このようなデジタルビデオレコーダは、未だ市販されていないと考えられる。しかし、これらのデジタルビデオレコーダは、定義上、デジタル化閾値に満たない信号を記録する能力が無く、デジタル化閾値に満たない信号を記録するならば、これらの無効回路は不要である。
【0109】
別の無効方法は、記録可能なビデオ領域内で、時間的な場所によって揺らぎの量を示すホワイトパルスを付加することである。ホワイトパルスの高さが揺らぎの量を示す場合もある。一つの実現例は、付加されたホワイトパルスを、フィールド/フレーム毎に、アクティブビデオの1番目のライン(ビデオライン22)の左エッジに配置することである。勿論、他の場所を使用してもよい(図17Aを参照せよ)。
【0110】
図17Aにおいて、到来HDPK信号は、選択基準揺らぎ同期信号と共に(左側に)示されている。図17Aの右側部分は、選択揺らぎ同期信号が揺らぎ(追跡用)ホワイトパルスで置換されるこの処理にしたがって修正された後のビデオ信号を示す。残りの同期信号は、適切な場所に置かれ、揺らぎを含まない。この揺らぎホワイトパルスの時間的な場所は、図17Aの左側部分の揺らぎ同期パルスの揺らぎエッジを正確に追跡する。このホワイトパルス方法は、全てのレコーダがアクティブビデオを記録することを前提とするが、付加されたホワイトパルスがピクチャー内に明るいスポットとして現れるという欠点がある。
【0111】
図17Aの方法は、帰線消去区間を記録できるレコーダを必要としない点が有利である。現在の(HDTV以外の)デジタルビデオレコーダは、実際上、帰線消去区間を記録せず、かつ、そのままであることが予想される。
【0112】
図17Aの方法は、一実施例において、図17Bのブラックボックス回路によって実行される。図17Aの左側部分に示されるような到来無修正HDPKビデオ信号は、入力端子450へ供給される。このビデオ信号は、同期分離器456へ供給される。同期分離器456は、従来型の水平及び垂直同期分離を行なう。分離されたH同期パルス及びV同期パルスは、ライン458で、ホワイトパルス発生器460へ供給され、ホワイトパルス発生器は実際のホワイトパルスを生成する。勿論、図17Aに示されるように入力揺らぎ同期パルスに追従すべきこのホワイトパルスの(時間的に)正確な場所が判定される。
【0113】
これは、図17Bの回路の中央部分で、揺らぎデータを抽出する回路462によって実行される。揺らぎデータ抽出回路は、揺らぎデータから、揺らぎの量を反映するタイミングオフセット値をライン464上に生成し、ホワイトパルス発生器460へ供給する。入力HDPKビデオは、次に、加算器474において、ライン472に与えられた揺らぎホワイトパルスと加算され、図17Aの右側部に示されるように、揺らぎホワイトパルスを含む揺らぎビデオとして、端子478へ出力される。勿論、ビデオライン22内のホワイトパルスの場所は任意的である。
【0114】
揺らぎ抽出回路462の詳細は図17Cに示されている。揺らぎ抽出回路462は、タイミング信号を抽出し、ホワイトパルス発生器460へ入る前に遅延素子482を通るタイミングオフセットを遅延させるため、同期パルスエッジ検出器480を制御する選択同期パルスゲート発生器484を含む。
【0115】
別の無効方法は、オーディオ搬送波信号で揺らぎ情報を変調し、ビデオレコーダの一つのオーディオチャネルへ入力することである。実現可能な変調モードには、PSK(位相シフトキーイング)及び低速PCM(パルス符号変調)が含まれる。オーディオチャネルは、揺らぎの量を示すため、フィールド/フレーム毎に約8ビットだけを伝搬すればよいので、データレートは、約500ビット/秒に過ぎない。
【0116】
これを実現する回路は、図18に示されている。入力HDPKビデオ入力は、入力端子490へ供給される。揺らぎデータは、(図17Bと同様に)回路496によって、(図17Bと同様に)同期分離器456を使用して、揺らぎデータ信号から抽出され、タイミングオフセット信号としてライン464へ出力される。別個に、オーディオ周波数搬送波信号が、発生器500によって従来通りに生成され、変調器502の一方の入力へ供給される。ライン464上のタイミングオフセット信号は、変調器502のもう一方の入力へ供給され、変調器502は、出力端子504に、オーディオ搬送波信号内の揺らぎ情報を出力し、ビデオレコーダのオーディオチャネルへ供給される。HDPKビデオ信号は、端子508を通過してビデオレコーダのビデオチャネルへ送られる。
【0117】
図18の回路は、図17Bの回路と同様に、帰線消去区間を全く記録しないデジタルレコーダを用いて、HDPKスクランブル信号を記録することができる。勿論、記録されたHDPKを再生するときには他の無効技術と同様に、記録された修正HDPK信号を元のHDPK形式に再構成する再生用ブラックボックスが必要とされる。元のHDPK形式の信号は視聴のため準拠式HDTVセットへ供給される。
【0118】
別の無効方法は、オフセット(揺らぎ)情報をデジタル化し、従来通りに、8ビット(公称)データバーストのように、若しくは、1ビデオライン毎に1ビットで垂直帰線消去区間データとして符号化する。データバーストは、アクティブビデオの1番目のラインに設けられ、或いは、8個の別々のビットは、たとえば、アクティブビデオの最初の8本のラインへ1ライン毎に1個ずつ挿入される。この場合、得られた揺らぎオフセットを適当なフィールド/フレームの1番目のラインに供給しながら、8個の全ビットを受け取る時間を得るため、対応したビデオ揺らぎを1フィールド/フレーム単位で遅延させることが有利である。
【0119】
オフセット情報のデジタル化は、図19に示されたタイプの回路によって実現される。この回路では、HDPKスクランブルビデオである入力ビデオ信号が、入力端子512へ供給され、従来型の同期分離器514へ供給される。同期分離器514は、パルス成形器520への垂直同期信号及び水平同期信号を対応したライン516及び518に出力する。同時に、回路522によって入力ビデオから抽出され、デジタル形式にされた揺らぎデータは、バス524を介して、シフトレジスタ528へ送られる。抽出された揺らぎデータは、次に、揺らぎデータデジタイザ522及びシフトレジスタ528によってデジタル化され、パルス成形器520によって直列パルス系列に構成される。直列パルス系列は、一つの帰線消去区間の適当な部分に挿入される。この帰線消去区間信号は、次に、ライン530へ与えられ、加算器532によって端子512からの入力ビデオ信号と加算され、修正HDPKビデオ信号が出力端子536で得られる。このデジタル化信号は、多数の形式の中のどのような形式でも構わない。典型的な形式は、一つの垂直帰線消去区間のライン内でアナログ波形を形成するパルスの系列の形式であり、ビデオのクローズド・キャプション・データと類似している。
【0120】
別の無効方法は、全ての同期パルスに揺らぎを与え、これにより、従来型の復号化されたPK信号を生成し(上述のMacrovisionのPhaseKryptに関する特許を参照せよ)、次に、揺らぎを除去するため、時間ベース訂正を行なうかどうかとは無関係に、生成されたものをそのまま記録する(すなわち、ビデオソースとレコーダの間に自立型の従来式PKデコーダを挿入する)。時間ベース訂正は、関連したビデオレコーダが復号化されたPhaseKrypt信号を追跡するために適切な内部時間ベース追従性を備えていない場合に限り必要とされることに注意する必要がある。この方法は、記録されたビデオを表示するため、HDPK準拠式表示装置を必要としない点で、上述の方法とは多少異なる。その代わりに、この方法は、記録の前にビデオのスクランブルを解除する。したがって、この方法は、非常に強力な方法である。
【0121】
この方法は、図20の回路によって示されている。同図において、HDPKスクランブルビデオは、PhaseKrypt(PK)デコーダ542の入力端子540に供給される。デコーダ542は、本質的に、(既に説明した)従来技術において知られたタイプの標準PhaseKrypt(PK)デコーダであり、同期信号を取り除き、揺らぎ情報を抽出し、揺らぎ同期信号を合成する。この揺らぎ同期信号は、ビデオ揺らぎと厳密に一致し、時間ベース誤差とコヒーレント性のある信号が得られる。しかし、この信号は、一般的に、VCR546のような典型的なレコーダによって記録可能であり、記録された信号は、非準拠式のテレビジョンセットによって再生可能である。PhaseKryptデコーダ542と、レコーダ546の間で随意的に時間ベース訂正器548が使用される。時間ベース訂正器548は、VCR546が入力信号中に現れる時間ベース誤差を解消するため必要とする場合に限り使用される。したがって、この方法は、本質的に、従来型の記録前の(PhaseKrypt)スクランブル解除である。
【0122】
最後の無効方法は、入力ビデオ信号に二重揺らぎを加え、次に、それを記録すること、すなわち、時間域で揺らぎを定量化するため、ソースとレコーダとの間に修正時間ベース訂正回路を接続することである。このために、ビデオをデジタル化することが不可欠ではないことに注意する必要がある。たとえば、アナログ「バケツリレー式」回路を使用してもよく、たとえば、モノリシックCCD構造体若しくはカスケード接続された個々のサンプル/ホールドの何れかを用いて完成される。
【0123】
図21に示されるように、本方法において、入力HDPKビデオは、端子552へ供給され、次に、同期再生を伴う従来型のPhaseKryptデコーダ556へ供給される。ライン558に再生された同期パルスは、修正時間ベース訂正器562へ供給され、ライン558上の同期パルスは揺らぎ情報を伝搬する。修正時間ベース訂正器562は、本質的に従来型の時間ベース訂正器であり、揺らぎを除去し、任意の従来型ビデオレコーダ566で記録することができる完全に標準的なビデオ信号が得られる。上述の通り、図20及び図21に示されたアプローチは、修正HDPK信号を表示装置によって許容される予定HDPK信号に逆変換するため準拠式表示装置並びに再生用ブラックボックスを必要とする上記のその他の無効技術とは相異して、ビデオレコーダで記録された信号を表示するため、HDPK準拠式表示装置を必要としない。
【0124】
以上の本発明の詳細な説明は、本発明の例示であって、本発明を制限するのもではなく、この説明を考察することにより種々の変更が当業者には容易であり、これらの種々の変更は、請求項に記載された発明の範囲に包含されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】HDPK用のオフセット情報を伝搬する選択された同期パルスの説明図である。
【図2】図1の高精細ビデオ信号で使用される3レベルパルスの説明図である。
【図3】HDPKスクランブル装置のブロック図である。
【図4A】HDPKスクランブル解除装置のブロック図である。
【図4B】他のHDPKスクランブル解除装置のブロック図である。
【図5】エッジトラッキングを消去することによるHDPKスクランブルへの攻撃の説明図である。
【図6】ノイズフィルを使用するエッジフィルの一例の説明図である。
【図7】DCエッジフィルを使用するエッジフィルの一例の説明図である。
【図8】ミラービデオエッジフィルを使用するエッジフィルの一例の説明図である。
【図9】HDPK高信頼ビデオインタフェースの一実施例の概要図である。
【図10】図9のビデオインタフェースの実現例を示す図である。
【図11A】標準HDTVセットの構成図である。
【図11B】ステルスインタフェースを備えたHDTVセットの構成図である。
【図11C】ステルスインタフェースを具備しない準拠式HDTVセットの構成図である。
【図12A】ダイナミックレンジHDPK無効技術の説明図である。
【図12B】ダイナミックレンジHDPK無効回路の回路図である。
【図12C】ダイナミックレンジHDPK無効回路の伝達関数の説明図である。
【図12D】関連した無効技術の説明図である。
【図12E】関連した無効技術に対応する回路の構成図である。
【図13A】同期ピーキングHDPK無効技術の説明図である。
【図13B】同期ピーキングHDPK無効技術に対応した同期パルス波形の説明図である。
【図13C】同期ピーキングHDPK無効技術に対応した回路の構成図である。
【図14】図13Aに示された同期ピーキングHDPK無効技術の他の例の説明図である。
【図15A】レベルシフトHDPK無効技術の説明図である。
【図15B】レベルシフトHDPK無効技術に対応した回路の構成図である。
【図16A】反転同期HDPK無効技術の説明図である。
【図16B】反転同期HDPK無効技術に対応した同期パルス波形の説明図である。
【図16C】反転同期HDPK無効技術に対応した回路の構成図である。
【図17A】揺らぎ白色パルスHDPK無効技術の説明図である。
【図17B】揺らぎ白色パルスHDPK無効技術に対応した回路の構成図である。
【図17C】図17Bに示された回路の細部の構成図である。
【図18】オーディオ搬送波HDPK無効技術用の回路図である。
【図19】デジタル化VBIデータHDPK無効技術用の回路図である。
【図20】デコーダを用いてHDPKを無効にする装置の説明図である。
【図21】時間ベース訂正を用いてHDPKを無効にする装置の説明図である。
【符号の説明】
【0126】
30 端子
32 ビデオフィールド/フレームバッファ
34 端子
36 端子
38 アドレスカウンタ
40 端子
42 バス
44 揺らぎオフセット発生器
46 加算器
48 バス
50 バス
52 バス
56 スイッチ
58 バス
60 選択同期パルス発生器
62 ブロック
70 ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高精細テレビジョン(HDTV)信号を区別する符号化パルスが帰線消去区間の所定の部分に置かれ、スクランブルをかけられた高精細テレビジョン信号を、ソースと高精細テレビジョン受像機との間で結合する方法であって、
ソースからアナログ形式でHDTV信号を送信する手順と、
送信されたHDTV信号を導体で受像機へ伝達する手順と、
HDTV信号の所定の部分が伝達されるときを除いて、導体と受信機の間で導体上に標準的なビデオコネクションを備え付ける手順と、
所定の部分が伝達されるとき、HDTV信号の該所定の部分を導体上で電流信号として送信する手順と、
を有する方法。
【請求項2】
所定の部分が伝達されるとき、HDTV信号の電圧をクリッピングする手順を更に有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
スクランブルがかけられた高精細テレビジョン(HDTV)信号のスクランブルを外す符号化パルスがスクランブル付きのHDTV信号の帰線消去区間の所定の部分に置かれている、スクランブル付きのHDTV信号のソースにおける出力インタフェースであって、
スクランブル付きのHDTV信号を受信する入力端子と、
HDTV受像機へ連結するための出力端子と、
入力端子と出力端子の間のノードに接続され、制御信号を受信する制御端子を具備し、帰線消去区間の所定の部分の間に、制御信号に応答して、電流信号を出力端子へ供給するインタフェース回路と、
を有する出力インタフェース。
【請求項4】
所定の部分に符号化パルスが置かれているスクランブルがかけられた高精細テレビジョン(HDTV)信号を受信し、スクランブル付きのHDTV信号のスクランブルを外すよう適合した高精細テレビジョン受像機における入力インタフェースであって、
スクランブル付きのソースへ連結するための入力端子と、
受像機の表示回路へ接続された出力端子と、
入力端子と出力端子の間のノードに接続され、HDTV信号の所定の部分を示す制御信号を受信する制御端子を具備し、所定の部分の間に、対応した信号を出力端子へ供給するインタフェース回路と、
を有する入力インタフェース。
【請求項5】
ビデオラインの時間基準に対しビデオライン内のアクティブビデオが時間的にシフトされた高精細テレビジョン(HDTV)信号を修正する方法であって、
許容できる程度のHDTV信号の記録物がHDTV信号から作成されることを阻止するため少なくとも一部のレコーダによる記録できない時間的なシフトの量の標識がHDTV信号と関連付けられ、
関連付けられた時間的なシフトの量の標識を含むHDTV信号を受信する手順と、
時間的なシフトの量の標識が記録できるようにHDTV信号を修正する手順と、
HDTV信号の許容できるビデオ記録物が後で再生できるように、時間的なシフトの量の標識と共にHDTV信号を記録する手順と、
を有する方法。
【請求項6】
上記HDTV信号を修正する手順は、
標識のレベルをシフトする手順と、
標識の少なくとも一部分のレベルをシフトする手順と、
標識の少なくとも一部分の振幅を増加させる手順と、
HDTV信号のブラックレベル部分よりも上に標識を置く手順と、
HDTV信号のアクティブビデオ部分に標識を置く手順と、
HDTV信号と関連したオーディオチャネルに標識を置く手順と、
標識を符号化し、HDTV信号の帰線消去区間に符号化された標識を置く手順と、
のうちの少なくとも一つの手順を含む、請求項5記載の方法。
【請求項7】
上記HDTV信号を修正する手順は、標識を伝搬するHDTV信号の少なくとも一部分が記録できるように、HDTV信号を修正する手順を含む、請求項5記載の方法。
【請求項8】
上記HDTV信号を修正する手順は、HDTV信号の記録可能な部分に標識を設ける手順を含む、請求項5記載の方法。
【請求項9】
上記HDTV信号を修正する手順は、
HDTV信号から標識を抽出する手順と、
HDTV信号の残りの部分を伝搬しないチャネルで、抽出された標識を伝搬する手順と、
を含む、請求項5記載の方法。
【請求項10】
上記HDTV信号を記録する手順は、HDTV信号をデジタル形式に変換する手順を含み、
上記HDTV信号を修正する手順は、標識を伝搬するHDTV信号の少なくとも一部分の振幅を、標識がデジタル形式へ変換され得るレベルに変更する手順を含む、
請求項5記載の方法。
【請求項11】
HDTV信号のアクティブピクチャー部分の振幅を変更する手順を更に有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
標識はHDTV信号の同期パルスのエッジにあり、
上記HDTV信号を修正する手順は、少なくとも同期パルスのエッジの振幅を変更する手順を含む、
請求項10記載の方法。
【請求項13】
上記HDTV信号を記録する手順は、HDTV信号をデジタル形式に変換する手順を含み、
上記HDTV信号を修正する手順は、パルス列からなる標識を伝搬するHDTV信号の部分を、HDTV信号内の位置へ移す手順を含む、
請求項5記載の方法。
【請求項14】
上記抽出された標識を伝搬する手順は、標識をオーディオチャネル上のオーディオ周波数搬送波信号で変調する手順を含む、請求項9記載の方法。
【請求項15】
上記HDTV信号を修正する手順は、
標識を抽出する手順と、
標識を符号化する手順と、
符号化された標識をHDTV信号の所定の部分へ挿入する手順と、
を有する請求項5記載の方法。
【請求項16】
所定の部分は、帰線消去区間の一つのアクティブビデオである、請求項15記載の方法。
【請求項17】
上記HDTV信号を修正する手順は、時間的なシフトの量の標識を記録しなくても済むように、上記HDTV信号を記録する手順の前に、アクティブビデオとビデオラインの時間基準との間の時間的なシフトを訂正する手順を含む、請求項5記載の方法。
【請求項18】
時間的なシフトを訂正する手順の後に、ビデオラインの時間ベース誤差を訂正する手順を更に有する、請求項17記載の方法。
【請求項19】
ビデオラインの時間基準に対しビデオライン内のアクティブビデオが時間的にシフトされた高精細テレビジョン(HDTV)信号を修正する装置であって、
許容できる程度のHDTV信号の記録物がHDTV信号から作成されることを阻止するため少なくとも一部のレコーダによる記録できない時間的なシフトの量の標識がHDTV信号と関連付けられ、
関連付けられた時間的なシフトの量の標識を含むHDTV信号を受信する入力端子と、
入力端子に接続され、時間的なシフトの量の標識が記録できるようにHDTV信号を処理する修正回路と、
修正回路に接続され、修正されたHDTV信号をビデオレコーダへ出力する出力端子と、
を有する装置。
【請求項20】
上記修正回路は、
標識のレベルをシフトする機能と、
標識の少なくとも一部分のレベルをシフトする機能と、
標識の少なくとも一部分の振幅を増加させる機能と、
HDTV信号のブラックレベル部分よりも上に標識を置く機能と、
HDTV信号のアクティブビデオ部分に標識を置く機能と、
HDTV信号と関連したオーディオチャネルに標識を置く機能と、
標識を符号化し、HDTV信号の帰線消去区間に符号化された標識を置く機能と、
のうちの少なくとも一つの機能を実行する、請求項19記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−202196(P2007−202196A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−79716(P2007−79716)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【分割の表示】特願2000−594249(P2000−594249)の分割
【原出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(597095197)マクロビジョン・コーポレーション (53)
【Fターム(参考)】