説明

高負荷グリホセート調合物

本発明によって、グリホセート濃度が、いかなる農学的に許容できる調合物中でも従来可能であった濃度よりも高い超高負荷のグリホセートを含有する調合物を得るために使用できる、グリホセートを含有する界面活性剤系が生成された。より高い負荷量は、輸送および容器コストを低減し、さらに廃棄物を減少させるのに望ましい。より高い負荷量は、保存要件を低減し、そして農業者が比較的小容量の有害生物防除剤を取り扱うことを可能にする。負荷量を最大化して有効成分の送達コストを最小にし、順に、グリホセートの使用における経済性を最大にすることが主な利点である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、水溶液剤として調合される有害生物防除産物に関する。より具体的には、それは、除草剤N−ホスホノメチルグリシン(「グリホセート(glyphosate)」)を、そのカリウム塩以外の塩、好ましくはモノ−イソ−プロピルアミン塩の形態物において含有する水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、除草剤として有用な物質の液体組成物、および液状除草剤が調製されてもよい液体濃縮物に関し、この場合、活性除草性成分はN−ホスホノメチルグリシンの塩であり、これは通常、当業者によってグリホセートと言及されている。その酸形態物におけるグリホセートは水では低い溶解度を有するという事実のために、グリホセートを含有する調合物を製造および/または使用する当業者は、水溶液剤に効果的に溶解される比較的高レベルのグリホセートを達成する目的で、それらの調合物において水溶性グリホセート塩を用いることが得策であることを知っている。このことは、当該技術分野では共通した知識であるとみなされ、そして典型的に使用される塩は、限定されるものではないが、グリホセートのモノ−イソ−プロピルアミン塩、グリホセートのアルカノールアミン塩、グリホセートのアルカリおよび/またはアルカリ土類金属塩、および前記のいずれかを含有する混合物を含む、グリホセートのアミン塩である。
【0003】
一般的意味では、濃度がより高ければ、より活性な成分が一定の容量中に含有され、これが輸送コストを低減し、そして水の添加だけで小容量の濃縮物から大容量の最終水溶液剤が調製できるので、可能な限り高い濃度においてグリホセートの1種以上の塩を含有する濃縮物を提供することが望まれる。かくして、商業的に効果的に機能する生産物において成功裏に調合することが可能な最大レベルのグリホセート負荷量を増加することが望ましい。
【0004】
1つの現在商業的なグリホセート調合物は、480g/Lで負荷された有効成分におけるモノ−イソ−プロピルアミン(「IPA」)塩であり、これは約360g/Lグリホセート(酸形態物)と等価である。特許文献1は、グリホセート酸等価物の250〜400g/Lを含有するモノ−イソ−プロピルアミングリホセート水溶液剤が容易に調製されることを開示している。
【0005】
特許文献2は、グリホセートのモノ−エタノールアミン(「MEA」)塩と適合する補助剤(adjuvant)系を開示している。この特許の表1は、増大する界面活性剤濃度とともに、どのように曇点が低下するかを示している。さらにこの特許は、グリホセートの濃度を上げた場合に許容できる曇点を維持するためには、界面活性剤濃度は低下させる必要があるという一般に支持される信念を述べている。曇点は、一定濃度において界面活性剤およびグリホセートの塩を含有する与えられた水性組成物が単相の溶液を形成する最大温度の測定値である。曇点以上では、界面活性剤は最初にかすんだまたは曇った懸濁液として、そして放置することによって、一般に溶液の表面に上昇する明瞭な相として溶液から分離する。(組成物の曇点は、その温度を連続的に監視しつつ撹拌により、溶液が曇りだすまで組成物を加熱し、次いで、組成物を冷却させることによって通常決定される。溶液が澄明になった時に得た温度の読みが曇点の測定値である。)特許文献3は高負荷のアンモニウムグリホセートを開示している。公表物特許文献4および特許文献5はグリホセートのMEA塩を含有する組成物を開示している。
【0006】
本発明の目的は、非常に高負荷のグリホセート調合物の商業的に機能する生産物を提供
することである。本発明はグリホセートのIPA塩に関する。
【特許文献1】米国特許第5,668,085号
【特許文献2】欧州特許EP1 133 233B1(WO00030452A1)
【特許文献3】欧州特許EP0 999 749B1
【特許文献4】WO00/30451
【特許文献5】欧州特許EP1438896A1
【発明の開示】
【0007】
本発明は、a)480g/L a.i.を超える量におけるグリホセート塩;b)牛脂アミンアルコキシレート(tallowamine alkoxylate);およびc)EDAアルコキシレート:を含んでなる物質の液体組成物を提供する。
【0008】
その他の実施態様では、本発明は、a)580g/L a.i.を超える量におけるグリホセート塩;b)牛脂アミンアルコキシレート;およびc)EDAアルコキシレート:を含んでなる物質の液体組成物を提供し、この場合、組成物は90℃を超える曇点を有する。
【0009】
本開示は、グリホセート塩の比較的高い負荷量においてグリホセートのモノ−イソ−プロピルアミン塩と組み合わせて安定な均質水溶液剤を形成する、エチレンジアミンアルコキシレートおよび牛脂アミンエトキシレートを含んでなる混合物の生成を明細に記述する。例示調合物は、両430g/Lのグリホセート酸等価物(acid equivalent)(「ae」)および505g/Lのグリホセート酸等価物において作成された。505g/L ae調合物は、2つの予期せぬ性質の観察を可能にした:1)グリホセート負荷量のレベルが高められるにつれて曇点は実際に増大し;そして2)高レベルの界面活性剤が高いグリホセート負荷量において維持された。
【0010】
本明細書に関連して実施された作業によれば、界面活性剤混合物は、ここで以下に示す界面活性剤を含む、エチレンジアミンのアルコキシレート(「アルコキシル化EDA(alkoxylated EDA)」)および牛脂アミンのアルコキシレート(「アルコキシル化牛脂アミン」)を用いて作成された。SURFONIC(R)ADA−170界面活性剤として販売される界面活性剤は、アルコキシル化エチレンジアミン(「EDA」)、(プロピレンオキシド(「PO」)/エチレンオキシド(「EO」)ブロック)界面活性剤であり、そしてHuntsman LLC of Houston,Texasから得ることができる。SURFONIC(R)R−170界面活性剤として販売される界面活性剤は、また、Huntsman LLC of Houston,Texasから得ることができるアルコキシル化EDA(EO/POブロック)界面活性剤である。SURFONIC(R)M−170界面活性剤として知られる界面活性剤は、また、Huntsman LLC of Houston,Texasから得ることができるアルコキシル化EDA(EO/PO混合ブロック)界面活性剤である。SURFONIC(R)T−15界面活性剤として知られる界面活性剤は、Huntsman LLCから得ることができる15−モル アルコキシル化牛脂アミン(エチレンオキシド)である。SURFONIC(R)T−5界面活性剤として知られる界面活性剤は、Huntsman LLCから得ることができる5−モル アルコキシル化牛脂アミン(エチレンオキシド)である。SURFONIC(R)T−10界面活性剤として知られる界面活性剤は、Huntsman LLCから得ることができる10−モル アルコキシル化牛脂アミン(エチレンオキシド)である。POGOL(R)400PEGとして販売されるグリコールは、Huntsman LLC of Houston,Texasからまた得ることができる約400の平均分子量をもつポリエチレングリコールである。
【0011】
この明細書および図1〜4では、便利には、前記界面活性剤が下記表Iに記述されるよ
うに略記される:
【0012】
【表1】

【0013】
9種の補助剤組成物は、下記表IIの式を用い:
【0014】
【表2】

【0015】
下記表IIIに指定される組み合わせ物における前記3種のアルコキシル化EDA界面活性剤および3種のアルコキシル化牛脂アミン界面活性剤を用い:
【0016】
【表3】

【0017】
下記表IVにしたがう3種の負荷量での調合物においてグリホセートのモノ−イソ−プロピルアミン塩(「IPAグリホセート」)を用いて調製されたが、ここで成分量は重量割
合において指定される:
【0018】
【表4】

【0019】
曇点試験は、表IVで指定される各負荷量レベルについて9種の補助剤調合物を用いて製造された27種のグリホセート調合物において実施され、そして結果が図1〜3にグラフによって示される。曇点は、1)調合物が曇り出すまで溶液を加熱し、その後熱源を除去し;2)サンプルが冷却するその温度を追跡しながら、曇った溶液を機械的に撹拌し;そして3)溶液が完全な澄明性を示す点の温度を記録するという3段階の手順によって決定された。当業者は、組成物が商業的に許容できる地位を保持するためには、一般的に50℃に等しいかまたはそれを超える曇点が必要とされることを直ぐに認識する。
【0020】
【表5】

【0021】
これらのデータは図1〜3において個々にプロットされ、そして図4において統合されている。480および580g/L a.i.調合物の全ては均質であり、そして50℃超の曇点を有する。
【0022】
表Vおよび図1〜3のデータは、エトキシル化牛脂アミン界面活性剤において存在するエチレンオキシドの減少するモル量とともに増大する曇点という既知の傾向を示している。
【0023】
しかしながら、本発明による組成物は、完全に予期されない結果を表す。第1に、EDA/T−5補助剤調合物(補助剤7、8、9)では、負荷量が580から680g/L a.i.IPAグリホセートまで増加されるにつれて、曇点が増大する。このことは、グリホセート負荷量が増加されるにつれて普通には曇点は減少するように当業者が予期するであろう結果とは全く反対である。
【0024】
第2に、曇点は、界面活性剤濃度が増大されるにつれて増大した。580g/L a.i.調合物は7.5w/w%補助剤を含有し、そして680g/L a.i.調合物は10w/w%補助剤を含有する。このことは、界面活性剤負荷量が増加されるにつれて普通には曇点が減少するように当業者が予期するであろう結果とは全く反対である。
【0025】
かくして、本発明によって、IPAグリホセート濃度がいかなる農学的に許容できる調合物中でも従来可能であった濃度よりも高い超高負荷のIPAグリホセートを含有する調合物を得るために使用できる、IPAグリホセートを含有する界面活性剤系が生成された。補助剤番号7、8および9を使用して作成される組み合わせ物を用いると、曇点は、当業者が予期するような下方傾向に代わって、増加されたIPAグリホセート負荷量とともに増大した。かくして、本発明によれば、界面活性剤の負荷量は、曇点に不利な影響を与えることなく最高のIPAグリホセート負荷量において増加され、かつ維持される。
【0026】
EDA/T−5混合物を用いる3種の調合物(補助剤番号7、8、9)は、低温安定性を決定するために5℃で1週間保存された。そのような条件下で7日間終了後、結晶化は起きず、そして水溶液剤は均質性を留めた。かくして、本発明は、種々の界面活性剤混合物を使用して、非常に高く負荷されたIPAグリホセートの低温で安定な均質調合物を提供した。本発明の補助剤化学は、グリホセートのIPA塩を用いて非常に高い負荷量の調合物を成功裏に可能にする。
【0027】
好適な形態物の1つによる本発明の実施において使用される牛脂アミンエトキシレートは、一般構造:
【0028】
【化1】

【0029】
[式中、Rは、ほとんどがC18である、約12〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびアルケニル基を含有することが当該技術分野において周知であるような牛脂の典型的な炭化水素基の混合物であり、そしてxおよびyは、各々独立して、約1〜約12の範囲内のいずれかの値であり、xおよびyの値について各々約2〜3がもっとも好適である]を有する物質の混合物である。
【0030】
本発明による組成物のアルコキシル化EDA成分(ADA−170)は、一般構造:
【0031】
【化2】

【0032】
[式中、EOおよびPOは、それぞれエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位を表し、そしてa,b,c,dは各々独立して、0および3を含む、約0〜3のいかなる値であってもよく、a+b+c+dの合計は約4の好適な平均値を有するが、a+b+c+dの合計は約2〜8の範囲のいかなる値であってもよく、そしてp+q+r+sの合計は約22の好適な平均値を有するが、p+q+r+sの平均合計は約16〜30の範囲のいかなる値であってもよい]
に適合する物質の混合物である。
【0033】
本発明のその他の実施態様による組成物のアルコキシル化EDA成分(R−170)は、一般構造:
【0034】
【化3】

【0035】
[式中、EOおよびPOは、それぞれエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位を表し、そしてa,b,c,dは各々独立して、0および3を含む、約0〜3のいかなる値であってもよく、a+b+c+dの合計は約4の好適な平均値を有するが、a+b+c+dの合計は約2〜8の範囲のいかなる値であってもよく、そしてp+q+r+sの合計は約22の好適な平均値を有するが、p+q+r+sの平均合計は約16〜30の範囲のいかなる値であってもよい]
に適合する物質の混合物である。
【0036】
本発明の1つの実施態様による組成物のアルコキシル化EDA成分(M−170)は、一般構造:
【0037】
【化4】

【0038】
[式中、EOおよびPOは、それぞれエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位を表し、そして各存在におけるw,x,yおよびzは各々独立して、w+x+y+zの合計が約2〜8の範囲のいずれかの値であるように、0および3を含む、約0〜3のいかなる整数であってもよく;そして各存在におけるp,q,rおよびsは独立して、p+q+r+sの合計が約12〜24の範囲のいずれかの値であるように、0および10を含む、約0〜10のいかなる整数であってもよく;そして各存在におけるa,b,cおよびdは独立して、a+b+c+dの合計が約2〜8の範囲のいずれかの値であるように、0および3を含む、約0〜3のいかなる整数であってもよい、但し、ここで、本式における[方形括弧]内のEO/PO単位は、窒素原子に既に連結されたEOにランダム方式で付加される、すなわち、この物質は、気体EOおよびPOの混合物を、前記xによって定義される量においてエチレンジアミンの窒素原子に結合されたEOを既に含有する前駆物質と反応させることによって形成される]
に適合する物質の混合物である。
【0039】
かくして、本発明は、2種以上のアルコキシル化された窒素含有物質の混合物を含有する。アルコキシル化工程中、アルキレンオキシド単位が、ランダムまたはブロック方式のいずれかでアルコキシル化される窒素含有物質に付加されてもよいことは、当業者によって理解される。かくして、本発明の組成物は、本明細書で他に指定されるものを除いて、EOおよびPO単位がこの分子に存在している構造に関して、いずれか特定の構造に限定されると解釈されてはならない。また、本発明における成分として使用されるアルコキシル化物質を提供するために使用されるそのようなアルコキシル化の間に生産物の混合物が得られ;したがって、それらがアルコキシド単位を表すようなx,yおよびzの値は、指定されたような平均値であることもまた認識される。
【0040】
また、本発明は、プロピレンオキシドがブチレンオキシドによって置換される、本明細書で記述されたよな分子を含有する組成物を含む。また牛脂アミンは、プロピレンオキシド単位およびブチレンオキシド単位を含んでもよい。
【0041】
また本発明は、本発明による組成物を土壌および/または葉に適用する段階を含む、雑草を防除する(controll)方法を含む。また本発明は、1)本発明によるいずれかの組成物をいずれか所望量の水により希釈し、そして本発明によるいずれかの組成物を土壌および/または葉に適用する段階を含む、雑草を防除する方法を含む。
【0042】
本発明が、ある好適な実施態様に関して記述され、かつ開示されたが、明らかに等価のそれらの修飾物および変更物が、本明細書およびそれに付随する請求項を解読し、かつ理解することによって、当業者には明白になるであろうという事実に対して考慮されねばならない。本開示は、それに付随する種々の請求項のいずれか1つと、残りの請求項のいずれか1つ以上とのいずれかの組み合わせであって、単独でも、あるいは他の従属する請求項のいずれか1つ以上の特徴および/または制約との組み合わせにおいても、解読され、そしてそのように修飾されたいずれかの独立した請求項に適用されるそれらの原文における残りの従属する請求項とともに、独立した請求項のいずれか1つ以上の特徴および/または制約を、いずれか従属する請求項の特徴および/または制約へ組み入れることを含む、組み合わせ物によって定義される主題を含む。また本開示は、解読され、そしてそのように修飾されたいずれかの独立した請求項に適用されるそれらの原文における残りの従属する請求項とともに、修飾された独立した請求項に達するために、独立した請求項の1つ以上の特徴および/または制約と、その他の独立した請求項の特徴および/または制約との組み合わせ物を含む。したがって、ここで開示された発明は、すべてのそのような修飾物および変更物をカバーすることが意図され、そして本明細書の前記および他の文脈に鑑みて、以下に示す請求項の範囲によって制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】480g/Lのグリホセート負荷量においてモノ−イソ−プロピルアミン塩および種々の界面活性剤および界面活性剤組み合わせ物を含有する水溶液剤の曇点をグラフに表している
【図2】580g/Lのグリホセート負荷量においてモノ−イソ−プロピルアミン塩および種々の界面活性剤および界面活性剤組み合わせ物を含有する水溶液剤の曇点をグラフに表している
【図3】680g/Lのグリホセート負荷量においてモノ−イソ−プロピルアミン塩および種々の界面活性剤および界面活性剤組み合わせ物を含有する水溶液剤の曇点をグラフに表している;そして
【図4】同じグラフにおいて図1〜3のグラフを含んでいる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)480g/L a.i.を超える量におけるグリホセート(glyphosate)塩;
b)牛脂アミンアルコキシレート(tallowamine alkoxylate);および
c)EDAアルコキシレート:
を含んでなる物質の液体組成物。
【請求項2】
該EDAアルコキシレートが、一般構造:
【化1】

[式中、EOおよびPOは、それぞれエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位を表し、そして各存在におけるa,b,c,dの各々は、独立して、0および約3を含む、約0〜約3のいずれかの値であり、a+b+c+dの合計は約2〜約12の範囲のいずれかの値であり、そしてp+q+r+sの合計は約16〜30の範囲のいずれかの値である]
に適合する物質の混合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
a+b+c+dの合計が約4であり、そしてp+q+r+sの合計が約22である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
グリホセート塩が、N−ホスホノメチルグリシンのモノ−イソ−プロピルアミン塩を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
グリホセート塩が、580g/Lを超える量において存在する、請求項2に記載の組物。
【請求項6】
グリホセート塩が、600g/Lを超える量において存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
EDAアルコキシレートが、一般構造:
【化2】

[式中、EOおよびPOは、それぞれエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位を表し、そして各存在におけるa,b,c,dの各々は、独立して、0および約3を含む、約0〜約3のいずれかの値であり、a+b+c+dの合計は約2〜約12の範囲のいずれかの値であり、そしてp+q+r+sの合計は約16〜30の範囲のいずれかの値である

に適合する物質の混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
a+b+c+dの合計が約4であり、そしてp+q+r+sの合計が約22である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
グリホセート塩が、N−ホスホノメチルグリシンのモノ−イソ−プロピルアミン塩である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
グリホセート塩が、580g/L a.i.を超える量において存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
グリホセート塩が、600g/L a.i.を超える量において存在する、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
EDAアルコキシレートが、一般構造:
【化3】

[式中、EOおよびPOの各々は、それぞれエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド単位を表し、そして各存在におけるw,x,yおよびzの各々は、独立して、w+x+y+zの合計が約2〜約12の範囲のいずれかの値であるように、0および約3を含む、約0〜約3のいずれかの整数であり;そして各存在におけるp,q,rおよびsの各々は、独立して、p+q+r+sの合計が約12〜約24の範囲のいずれかの値であるように、0および約10を含む、約0〜約10のいずれかの整数であり;そして各存在におけるa,b,cおよびdは、独立して、a+b+c+dの合計が約2〜7の範囲のいずれかの値であるように、0および3を含む、約0〜3のいかなる整数であってもよい、但し、ここで、本式における[方形括弧]内のEO/PO単位は、窒素原子に既に連結され、そしてw,x,yおよびzによって記述されたEOにランダム方式で付加される]
に適合する物質の混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
グリホセート塩が、N−ホスホノメチルグリシンのモノ−イソ−プロピルアミン塩である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
グリホセート塩が、580g/L a.i.を超える量において存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
グリホセート塩が、600g/L a.i.を超える量において存在する、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
牛脂アミンエトキシレートが、式:
【化4】

[式中、Rは、約12〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびアルケニル基からなる群から選ばれ、そしてxおよびyは、各々独立して、約1〜約12の範囲内のいずれかの値であり、ここで、xおよびyの値について各々約2〜3がもっとも好適である]
によって表される物質の混合物を含む、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項17】
組成物が60℃を超える曇点を有する、
a)約420g/L〜約700g/Lのいずれかの量において存在するグリホセート塩;b)式:
【化5】

[式中、Rは、約12〜20個の炭素原子を有するアルキルおよびアルケニル基からなる群から選ばれ、そしてxおよびyは、各々独立して、約1〜約12の範囲内のいずれかの値であり、ここで、xおよびyの値について各々約2〜3がもっとも好適である]
によって表される物質の混合物を含んでなる牛脂アミンアルコキシレート;および
c)EDAアルコキシレート:
を含んでなる物質の液体組成物。
【請求項18】
牛脂アミンアルコキシレートがEO単位およびPO単位を含有する、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
EDAアルコキシレートに存在するPOの量に対するEDAアルコキシレートに存在するEOの量の比が、少なくとも約3:1である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
EDAアルコキシレートに存在するPOの量に対するEDAアルコキシレートに存在するEOの量の比が、少なくとも約4:1である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
EDAアルコキシレートに存在するPOの量に対するEDAアルコキシレートに存在するEOの量の比が、少なくとも約5:1である、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
曇点が少なくとも70℃である、請求項17〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項23】
曇点が少なくとも80℃である、請求項17〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項24】
曇点が少なくとも90℃である、請求項17〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項25】
曇点が少なくとも95℃である、請求項17〜21のいずれかに記載の組成物。
【請求項26】
実質的にカリウムを含有しない、請求項17〜25のいずれかに記載の組成物。
【請求項27】
グリホセート塩が、モノ−イソ−プロピルアミン塩、ナトリウム塩;モノ−アルカノールアミン塩からなる群から選択される、請求項17〜26のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも400g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも430g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも460g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも490g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項32】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも520g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも550g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項34】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも580g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項35】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも610g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項36】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも640g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項37】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも670g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項38】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、少なくとも680g/Lの量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項39】
グリホセート塩が、グリホセートの酸形態物として計算された、約470〜680g/Lのいずれかであって、その間に含まれる全g/Lおよび全範囲のg/Lを含む量において存在する、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項40】
式:
【化6】

{式中、RおよびRは、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;または式:
【化7】

[式中、各存在におけるRは、直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6から選ばれるいずれかの数の炭素原子を有するアルキル基であってもよく;各存在におけるRは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルブリッジング基(bridging group)であり;Zは、ヒドロキシ基または直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;qは、0〜400のいずれかの整数である]
の基;からなる群から選ばれ;そして
Xは、
i)ヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6から選ばれるいずれかの数の炭素原子を有するアルキル基;あるいは
ii)基
【化8】

[式中、RおよびRは、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;または先に定義されたような
【化9】

(式中、Zはヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基である)からなる群から選ばれ、そしてRは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレンブリッジング基である];あるいは
iii)式:
【化10】

[式中、R10、R11、R14およびR15は、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;先に定義されたような部分
【化11】

(式中、Zはヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基である)の群から選ばれ;RはおよびR12は、各々独立して、直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基であり;R、R13およびR21は、各々独立して、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルブリッジング結合から選ばれ;R16、R17、R18、R19、R20は、各々独立して、水素または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれ;dは0または1であり;aは、0〜100のいずれかの整数である]
の部分
のいずれかであり、但し、ここで、Xが前記iii)で与えられた式の部分である場合、bおよびcは、各々独立して、0〜390の範囲のいかなる整数であってもよく、そしてa+b+cの合計は2〜400のいずれかの数である}
の少なくとも1種のポリオキシアルキレンポリアルキルポリアミンを、さらに含んでなる、いずれか前記請求項に記載の組成物。
【請求項41】
存在する該アルコキシル化アミンの1種の少なくとも一部分が、式:
【化12】

{式中、RおよびRは、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;または式:
【化13】

[式中、各存在におけるRは、直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6から選ばれるいずれかの数の炭素原子を有するアルキル基であってもよく;各存在におけるRは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルブリッジング基であり;Zは、ヒドロキシ基または直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;qは、0〜400のいずれかの整数である]
の基;からなる群から選ばれ;そして
Xは、
i)ヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6から選ばれるいずれかの数の炭素原子を有するアルキル基;あるいは
ii)基
【化14】

[式中、RおよびRは、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;または先に定義されたような
【化15】

(式中、Zはヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基である)からなる群から選ばれ、そしてRは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレンブリッジング基である];あるいは
iii)式:
【化16】

[式中、R10、R11、R14およびR15は、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;先に定義されたような部分
【化17】

(式中、Zはヒドロキシまたは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基である)の群から選ばれ;RはおよびR12は、各々独立して、直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基であり;R、R13およびR21は、各々独立して、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルブリッジング結合から選ばれ;R16、R17、R18、R19、R20は、各々独立して、水素または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれ;dは0または1であり;aは、0〜100のいずれかの整数である]
の部分
のいずれかであり、但し、ここで、Xが前記iii)で与えられた式の部分である場合、bおよびcは、各々独立して、0〜390の範囲のいかなる整数であってもよく、そしてa+b+cの合計は2〜400のいずれかの数である}
の少なくとも1種のポリオキシアルキレンポリアルキルポリアミンの実質的に同じモル当量によって置換されている、前記請求項のいずれかに記載の組成物。
【請求項42】
a)グリホセートの酸形態物として計算された、500g/Lを超える量におけるグリホセート塩;
b)アルコキシレートが約1〜12のいずれかの数のアルキレンオキシド単位を含有する、エトキシレート、プロポキシレートおよびブトキシレートから選ばれるモノ−アミンアルコキシレート;および
c)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選ばれる少なくとも2種の異なるアルキレンオキシド単位を含有し、この場合、分子中に存在する高い分子量のアルキレンオキシドの量に対する分子中に存在する低い分子量のアルキレンオキシドの量の比が約6:1〜3:1の範囲にある、ポリアミンアルコキシレート;
を含んでなる物質の液体組成物。
【請求項43】
ポリアミンアルコキシレートが、式:
【化18】

{式中、RおよびRは、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;または式:
【化19】

[式中、各存在におけるRは、直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6から
選ばれるいずれかの数の炭素原子を有するアルキル基であってもよく;各存在におけるRは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルブリッジング基であり;Zは、ヒドロキシ基または直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を含有するアルキル基であり;qは、0〜400のいずれかの整数である]
の基;からなる群から選ばれ;そして
Xは、
i)ヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6から選ばれるいずれかの数の炭素原子を有するアルキル基;あるいは
ii)基
【化20】

[式中、RおよびRは、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;または先に定義されたような
【化21】

(式中、Zはヒドロキシ基または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基である)からなる群から選ばれ、そしてRは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキレンブリッジング基である];あるいは
iii)式:
【化22】

[式中、R10、R11、R14およびR15は、各々独立して、水素;直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基;先に定義されたような部分
【化23】

(式中、Zはヒドロキシまたは1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルコキシ基である)の群から選ばれ;RはおよびR12は、各々独立して、直鎖または分枝鎖の、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基であり;R、R
およびR21は、各々独立して、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキルブリッジング結合から選ばれ;R16、R17、R18、R19、R20は、各々独立して、水素または1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれ;dは0または1であり;aは、0〜100のいずれかの整数である]
の部分
のいずれかであり、但し、ここで、Xが前記iii)で与えられた式の部分である場合、bおよびcは、各々独立して、0〜390の範囲のいかなる整数であってもよく、そしてa+b+cの合計は2〜400のいずれかの数である}
のポリオキシアルキレンポリアルキルポリアミンである、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
a)グリホセートの酸形態物として計算された、500g/Lを超える量におけるグリホセート塩;
b)エトキシレート、プロポキシレートおよびブトキシレートから選ばれるモノ−アミンアルコキシレートであって、該アルコキシレートの窒素原子がそれに結合されたアルキレンオキシド単位の2個の基または鎖を有し、この基または鎖の各々が約1〜12のいずれかの数のアルキレンオキシド単位を含有するモノ−アミンアルコキシレート;および
c)ポリアミンアルコキシレートの構造が、2個の窒素原子を含有し、そしてエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドからなる群から選ばれる少なくとも2種の異なるアルキレンオキシド単位を含み、この場合、分子中に存在する高い分子量のアルキレンオキシドの量に対する分子中に存在する低い分子量のアルキレンオキシドの量の比が約6:1〜3:1の範囲にある、ポリアミンアルコキシレート;
を含んでなる物質の液体組成物であって、該組成物の曇点が約60℃超である、組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−515891(P2008−515891A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535712(P2007−535712)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/034958
【国際公開番号】WO2006/041702
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(505318547)ハンツマン ペトロケミカル コーポレイション (17)
【Fターム(参考)】