説明

高速カウントを生成するための方法および回路

【課題】メモリデバイスでの動作タイミングを制御するための複数のビットを伴うデジタルカウントを生成する、高速計数回路
【解決手段】計数回路は、2つの位相シフトクロックによって駆動される一連のレジスタを含む。計数回路中のクロックジェネレータは、各レジスタを駆動するための4つの非対称クロック信号を生成する。レジスタは、入力および出力ステージから形成され、各ステージは、2組のスイッチを備える。各ステージ中の第1の組のスイッチは、非対称クロックに応答して、ステージ出力に供給電圧を与える。第2の組のスイッチは、非対称クロックに応答して、グラウンドをステージ出力に与える。スイッチング回路の応答を速めるために、第2の組のスイッチの切換え中に、分離スイッチが、各対における第1の組のスイッチをステージ出力から減結合し、その結果、第2の組のスイッチによるステージ出力の負荷を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路デバイスに関し、より詳細には集積装置内の計数回路に関する。
【背景技術】
【0002】
パケット化された(packetized)ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、従来のDRAM、および他のパケット化されたメモリデバイスなどのメモリデバイスの動作においては、所定のシーケンスで特定の機能が起こらなければならなかった。これらの機能は一般的に、メモリ制御器などのコマンドジェネレータ装置によって発信された各コマンド信号に応答して実行される。コマンド信号のタイミングは、一般的に、クロック信号のエッジに登録されるか、またはクロック信号のエッジ後の所定の時刻に発生するクロック信号によって制御される。メモリデバイスがコマンドを処理し得る速度は、コマンドに応答して機能を実行するのに要する時間量によって制限される。たいていの機能では、機能を実行する最低時間は、メモリデバイスの製造業者によって特定されている。しかしながら、コマンドは一般的にクロック信号に応答して発信されるので、メモリデバイスがその機能の実行に有する時間量は、クロック速度によって制御される。例えば、図1Aに示すように、メモリ読み出しコマンド10は、メモリ制御器によって発信され、クロック信号12とともに時刻tに登録される。図1Aにさらに示すように、読み出し処理の完成には、4クロックサイクルを要する。これは、メモリデバイスからデータが読み出され得る前に、多くの処理がメモリデバイス内で起こらなければならないからである。従って、データビット14は、時刻tまでデータバス上に存在しない。従って、読み出しコマンド10の発信からデータバスにデータビット14を付与することによりコマンドを完全に処理するまでの経過時間は、Δtである。経過時間はクロック12の速度を増加することで低減し得る。しかしながら、クロックの速度に関わらず、メモリデバイスは、その機能を完遂するのに所定の最小時間を要する。その点を超えてクロックの速度を増加させても、それらの機能を実行するのに必要な時間量は低減しない。
【0003】
クロックが最大速度かその付近にあるとき、メモリデバイスは最適速度で動作するが、より遅いクロック速度に応答するときは、最適速度とは程遠い速度で動作する。図1Bを参照して、クロック信号20は、図1Aのクロック信号12の速度または周波数の、半分の速度または周波数しか有さない。ここでも、読み出しコマンド22は、クロック信号20とともに時刻tに登録され、データビット24は、4クロックサイクルの後、データバスに付与される。しかしながら、より遅い速度のクロック信号20のために、データビット24が、tまでデータバスに付与されない。より遅いクロック速度の結果、読み出しコマンド22の発信とコマンドの完全処理との間の経過時間はΔtであり、これは持続時間Δtの2倍である。従って、クロック信号とコマンド信号の発信との間の固定した関係を利用することにより、従来のメモリデバイスは、比較的遅いクロック信号を受け取るとき、しばしば最適速度とは程遠い速度で動作する。
【0004】
図1Aおよび図1Bのタイミング図において、メモリデバイスに付与される多くの他の信号を省略していることは、当業者には理解される。これらの信号は、簡潔さの目的で省略されている。また、コマンド信号10、22が、従来のDRAMでは他の信号との組み合わせで構成され得、パケット化されたメモリシステム内のデータパケットでは制御データであり得ることを、当業者は理解する。いずれの場合も、信号の組み合わせ、または制御データは、通例的には単にコマンドと称される。これらの信号または制御データの厳密な性質は、メモリデバイスの性質に依存し得るが、上述の原理は、非同期的DRAM、同期的DRAM、パケット化されたDRAM、および他のパケット化されたメモリデバイスを含む多くのタイプのメモリデバイスに適用可能である。また、クロック信号との固定した関係に応じてコマンド信号を発信することから生じる問題をメモリデバイスに関連づけ説明してきたが、本明細書に記載の原理は、クロック信号に応答するカウンタまたは関連するスイッチング信号を利用している他の集積回路に適用可能である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
高速計数回路が、メモリデバイスでの動作タイミングを制御するための複数のビットを伴うデジタルカウントを生成する。実施形態の一つでは、計数回路が、第1および第2のクロック信号を受け取る入力クロック端子対を含む。第2のクロック信号は、第1のクロック信号に対して90度位相がずれている。
【0006】
クロックコンバータが、2つの入力クロック信号を,計数回路内でタイミングを制御する4つの非対称クロック信号に変換する。非対称クロック信号は、8つのレジスタのバンクを駆動し、各レジスタはカウントの1ビットを供給する。各ビットの状態は、各論理回路によってレジスタに供給されるブロッキング信号の各対により制御される。各レジスタの出力は、各論理回路にフィードバックされ、これによって各ビットがその先行する状態により部分的に制御される。
【0007】
第1のレジスタは、クロック信号に応答して、第2のレジスタの論理回路に対し、最下位ビットを供給する。この最下位ビットおよび第2のレジスタの出力からフィードバックされたビットに応答し、第1の論理回路は第2のレジスタを起動し、下位から2番目のビットを供給する。第2の論理回路は、下位から2番目のビットを受け取り、第3のレジスタを起動する。第3から第8までのレジスタは、先行するレジスタによって駆動される対応する論理回路からの出力に応答して、下位から3番目のビットから最上位ビットまでを供給する。第1のレジスタは論理回路を有さないので、第1のレジスタは、他の論理回路よりも迅速に応答する。第1のレジスタからの最下位ビットは、他のレジスタの論理回路での遷移条件を確立するために遷移する最後のビットでもある。従って、第1のレジスタからの最下位ビットは、各後続するレジスタの論理回路へバイパス回路で転送され、一連のレジスタの応答を加速する。
【0008】
各論理回路の入力の一つは、論理回路の他の入力より短い応答時間を有する。従って、カウンタの応答をさらに加速するためには、転送された信号が、最短応答時間を有する論理回路の入力に付与される。
【0009】
各レジスタは、中間ラッチによりリンクされた入力ステージおよび出力ステージから形成される。入力ステージは、対応する論理回路から、4つの非対称クロック信号およびブロッキング信号の対を受け取る。入力ステージは、供給電圧とスイッチングノードとの間に直列に結合された供給ゲートおよび第1のブロッキングスイッチを含む。また入力ステージは、基準電圧とスイッチングノードとの間に結合された基準ゲートおよび第2のブロッキングスイッチも有する。ゲートの一つを起動する間、他のゲートは、対応するブロッキングスイッチによってスイッチングノードから分離され、ゲートがスイッチングノードをロードすることを防ぐ。スイッチングノードの電圧は、中間ラッチを駆動し、出力ステージへラッチされたクロック出力を提供する。
【0010】
出力ステージは、供給電圧と出力ノードとの間に直列に結合された第1の多重化トランジスタ対および第1の分離スイッチを含む。さらに出力ステージは、基準電圧と出力ノードとの間に結合された第2の多重化トランジスタ対および第2の分離スイッチを含む。第1および第2の分離スイッチは、中間ラッチの出力を受け取る相補形スイッチである。中間ラッチの出力に応じて、分離スイッチの一つがオンになり、一つがオフになる。オンである分離スイッチは、各多重化トランジスタ対が出力ノード電圧を制御することを可能にする。オフであるスイッチは、各多重化トランジスタからの出力ノードを分離し、各多重化トランジスタの容量が出力ノードをロードすることを防ぐ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発明の詳細な説明
本発明によるメモリデバイス40(図3)の好適な実施形態を説明する前に、タイミング制御動作の一般理論およびメモリデバイス40によりカウントを使用することを、図2を参照して説明する。図2は、カウンタ50(図4〜17を参照して後述する)およびデコーダの状態を表す図であって、カウンタ50は、クロック信号の初期値0から最大値255に応答して増加する。異なるカウンタ値において、デコーダは各コマンド信号を発信するが、そのいくつかを図2に示す。各カウンタ値に対して、図の左側に挙げているのは、クロック信号の周波数が800MHzのときにデコーダによって発信されるコマンド信号である。各カウンタ値に対して図2の右側に挙げられているのは、クロック信号の周波数が400MHzときに起こるそれらと同じコマンド信号である。
【0012】
図2に示すように、クロック周波数が800MHzであるとき、カウンタは0(アスタリスクで示す)から増加し始める。次に、外部行アドレスが、カウント16付近でラッチされ、行アドレスはカウント47付近でデコードされ、行はプレチャージ(precharge)されて、カウント85付近で平衡化され、列アドレスがカウント120付近でデコードされ、デコードされた列アドレスに対応するセンス増幅器が、カウント143でイネーブルされ、アドレスされた行がカウント190付近でイネーブルされ、データ経路が、イネーブルされたセンス増幅器のディジットラインをカウント225付近で外部データバス端子に接続する。
【0013】
図2にさらに示すように、クロック速度が400MHzのときも、これらの同じ読み出しコマンドがデコーダによって発信されるが、ただしそれらは実質的に低いカウント値で発信される時は除く。次に、外部行アドレスが、カウント100付近でラッチされ、行アドレスはカウント120付近でデコードされ、行はプレチャージされて、カウント144付近で平衡化され、外部から付与された列アドレスがカウント165付近でデコードされ、列アドレスに対応するセンス増幅器が、カウント180付近でイネーブルされ、アドレスされた行がカウント213付近でイネーブルされ、データ経路が、イネーブルされたセンス増幅器のディジットラインからのデータをカウント225付近で外部データバス端子に接続する。図2の右側に挙げたコマンド信号は、実質的には低いカウント値で発信されているが、メモリアクセスの開始と実質的に同じ時刻に起こることに留意されたい。クロック周波数が400MHzのときに比べて800MHzでは、コマンド信号間で、約2倍のクロックパルスが起こり得るが、それにも拘わらず、高いクロック信号速度のため、コマンド信号は同じ時刻に発信される。しかしながら、コマンド信号のタイミングが完全に線形でなくてもよいことは、強調されるべきである。例えば、400MHzのクロック信号において、カウンタ値40で発信され得るコマンド信号が、800MHzのクロック信号において、カウンタ値80で発信されなくてもよい。しかしながら、所与のコマンド信号は、より高いクロック周波数に対しては、より高いカウンタ値で通常は発信される。クロックサイクルの数とコマンド信号の発信との間の固定した関係を排除することにより、コマンドジェネレータは、広範な様々なクロック速度に対して最適な速度でコマンド信号を発信することができる。
【0014】
コマンドジェネレータ26を援用したメモリデバイス40の好適な実施形態のブロック図を図3に示す。図3に示されるコマンドジェネレータ26のほとんどの動作は、メモリデバイス40の外部にある回路(図示せず)からの入力クロック信号CKINに応答して、従来のクロック回路28により生成されるクロック信号CLKおよび直角位相クロック信号CLK90によって制御される。入力クロック信号CKINは、100MHz、200MHz...800MHzなど、デバイス40の動作の、いくつかの指定された周波数であり得る。またSELECT信号が、メモリ制御器によって供給され、入力クロック信号CKINの周波数を指示する。SELECT信号に応答して、カウンタ制御回路30は、コマンドジェネレータ26の動作を然るべく変更する。
【0015】
いったん周波数が選択されると、カウンタ制御回路30は、カウンタ50にイネーブル信号C−EN、C−ENを供給し、カウンタ50を起動する。また、カウンタ制御回路30は、カウンタ50の開始カウントを確立するため、LD CNT信号に応答して最初のカウンタ値を供給し得る。
【0016】
図2を参照して上述したように、および図4〜17を参照して後により詳細に説明するように、カウンタ50は、8ステージの直角位相カウンタであって、クロック信号、CLK、クロックCLK90に応答して0〜225の間で増加する。しかしながら、本明細書に記載される原理は、より多いまたはより少ないステージを有するカウンタ、および減少カウンタにも適用可能であるが、増加カウンタには適用できない。カウンタ50に最初のカウンタ値がロードされた後、カウンタ50は、クロック回路28からのCLKおよびCLK90信号に応答して、クロックジェネレータ60によって生成される非対称クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答して増加する。カウンタ50によって出力された8ビットバイナリカウント値は、様々なカウンタ値に対応した複数の配線39上のコマンド信号を生成するデコーダ36に付与される。I/Oインターフェイス41は、一つ以上のデータラッチ45を介して、一つ以上のメモリアレイ43に対してデータを転送し、または、一つ以上のメモリアレイからデータを転送することにより、コマンドに応答する。
【0017】
カウントに応答する各クロックサイクル内の動作のタイミングを制御するために、カウンタ50は、クロック信号CKINの周波数の最大値に等しい周波数まで増加できなければならない。従来のカウンタの多くは、そのような高い速度の増加または減少に対し不適切である。
【0018】
そのような高い速度のカウントを処理する増加カウンタ50の実施形態の一つが、図4に示されている。8ビットカウンタ50は、4つの非対称クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1の制御下で動作する8つのレジスタ52および7つの論理回路54〜54から形成される。カウンタ50の動作を説明する前に、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1の発達を、図5および6を参照して説明する。
【0019】
4つの非対称クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1は、クロック回路28からの2つの直角位相クロック信号CKおよびCK90に応答して、図5に示すクロックジェネレータ60によって生成される。クロック信号CLK0、CLK0を生成するために、クロック信号CK、CK90は、NANDゲート64およびインバータ66から形成されるAND回路62において結合される。図6の第5のグラフに示すように、クロック信号CLK0は、クロック信号CK、CK90と同じ周波数を有し、25%の動作周期を有する。クロック信号CLK0の立ち下がりエッジは、クロック信号CKの立ち下がりエッジによって規定され、クロック信号CLK0の立ち上がりエッジは、クロック信号CK90の立ち上がりエッジによって規定される。
【0020】
クロック信号CLK0は、クロック信号CLK0からインバータ68によって生成される。従ってクロック信号CLK0は、75%の動作周期を有する。さらに、クロック信号CLK0Oの立ち下がりエッジは、クロック信号CK90の立ち上がりエッジによって規定され、クロック信号CLK0の立ち上がりエッジは、クロック信号CKの立ち下がりエッジによって規定される。
【0021】
クロック信号CLK1は、NORゲート72およびインバータ74から形成されるOR回路70により生成され、これによりクロック信号CLK1は75%の動作周期を有する。クロック信号CLK1の立ち上がりエッジは、クロック信号CKの立ち上がりエッジによって規定され、クロック信号CLK1の立ち下がりエッジは、クロック信号CK90の立ち下がりエッジによって規定される。
【0022】
クロック信号CLK1は、クロック信号CLK1からインバータ76によって生成される。従ってクロック信号CLK1は、25%の動作周期を有する。さらに、クロック信号CLK1の立ち上がりエッジは、クロック信号CK90の立ち下がりエッジによって規定され、クロック信号CLK1の立ち下がりエッジは、クロック信号CKの立ち上がりエッジによって規定される。
【0023】
図4を再び参照して、カウンタ50の動作の一般理論を以下に説明する。8つのレジスタ52のそれぞれは、ブロッキング信号A、Bの対および4つの非対称クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答して、8ビットのカウントの1ビットを供給する。ブロッキング信号A、Bは、各論理回路54〜54を介して第2から第8のレジスタ52に供給される。第1のレジスタ52は、自身の出力Cを両方の制御入力80、82で受け取る。従来のカウンタでは、先行するレジスタからのビットがすべて「1」のとき、各レジスタは、直前のレジスタの遷移に応答する。選択されたレジスタが遷移し得る前に、先行するレジスタのすべてが連続して遷移する。例えば、下位から3番目のビットの遷移には、まず最下位ビットが遷移し、下位から2番目のビットの遷移を引き起こして、これが同様に、下位から3番目のビットの遷移を引き起こす。当業者は、最下位ビットの遷移が最高値の遷移レジスタに至るまで、レジスタのなかを「リプル」していくことを理解するだろう。各レジスタが遅延を課すので、カウンタ内の下位から3番目のビットは、先行する2つのビットの遅延分だけ遅延している。
【0024】
従来のカウンタと異なり、カウンタ50は、先行するビットを各論理回路54〜54に転送する。次に各論理回路54〜54は、先行するビットがすべて「1」のときを判定し、レジスタ52に対応するビットをイネーブルして、次のクロックサイクル中において遷移し得る。先行するビットは中継するレジスタ52をすべてバイパスするので、論理回路54〜54は、先行するビットを直ちに受け取る。さらに、最下位ビットのみが直前のクロックサイクル上で変化しているので、第一のレジスタ50を除くすべてのレジスタ50は、論理回路54〜54に入力するためのビットを確立するクロックサイクルを一つより多く有する。その結果、直前のクロックサイクル内の最下位ビットの遷移により、レジスタ50すべての遷移のための条件が確立される。
【0025】
論理回路54〜54がいかにブロッキング信号A、Bを発達させるかを説明する前に、まずレジスタ52のタイミング、構造、および動作を、図7〜9を参照して説明する。図7に示すように、各レジスタ52は、入力ステージ84、中間ラッチ86、出力ステージ88、出力ラッチ90、および出力インバータ92によって形成されている。一般的に、入力ステージ84は、ブロッキング信号A、Bによって、上位または下に遷移するようイネーブルされ、次に、選択されたクロックエッジに応答してイネーブルされた方向に遷移する。選択されたクロックエッジ上での入力ステージ84の遷移は、後続するクロックエッジ上での出力ステージ88の遷移をイネーブルする。
【0026】
入力ステージ84は、供給電圧VCCとスイッチングノード96との間に結合された供給レッグ(leg)94および、スイッチングノード96とグラウンドとの間に結合された基準レッグ98から形成される。供給レッグ94は、並列結合されたPMOSトランジスタの対100、102において、クロック信号CLK0、CLK1を受け取り、これによって、トランジスタ100、102は、クロック信号CLK0、CLK1のいずれかが低いときに、供給電圧VCCを供給ノード104に結合する。
【0027】
ブロッキング信号Aによって制御されるPMOSブロッキングトランジスタ106は、供給ノード104をスイッチングノード96に結合する。これにより、スイッチングノード96は、ブロッキング信号Aが低く、クロック信号CLK0、CLK1のいずれかが低いときに、供給電圧VCCを受け取る。
【0028】
基準レッグ98は、並列結合されたNMOSトランジスタの対108、110において、クロック信号CLK0、CLK1を受け取り、これによって、NMOSトランジスタ108、110は、クロック信号CLK0、CLK1のいずれかが高いときに、基準ノード112をグラウンドに結合する。ブロッキング信号Bによって制御されるNMOSブロッキングトランジスタ114は、基準ノード112をスイッチングノード96に結合する。これにより、スイッチングノード96は、ブロッキング信号Bが高く、クロック信号CLK0、CLK1のいずれかが高いときに接地される。
【0029】
A、Bの4つの可能な組み合わせ(「00」「01」「10」「11」)へのレジスタ52の応答を以下に説明する。論理回路54〜54は、まずブロッキング信号A、Bが「01」である場合を考察し、ブロッキング信号Bが「1」であるときにブロッキング信号Aが「0」でないことを確認するので、この場合は起こらない。その結果、ブロッキングトランジスタ106、114の両方が同時にオンにはならない。
【0030】
ブロッキング信号A、Bが「10」の場合、ブロッキングトランジスタ106、114はオフになる。従って、トランジスタ100、102、108、110のクロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1は、スイッチングノード96の電圧に影響を及ぼさない。その結果、ブロッキング信号A、Bが「10」のとき遷移は起こらない。
【0031】
ブロッキング信号A、Bが「00」のとき、より低いブロッキングトランジスタ114の両方はオフになり、より高いブロッキングトランジスタ106はオンになる。従って、レジスタ52は、図8に示す等価回路によって模倣される。図6のクロック信号への図8の等価回路の応答を以下に説明する。
【0032】
以下の説明は、スイッチングノード96が供給電圧VCCから分離されている時間中にブロッキング信号A、Bが確立されることを想定しており、スイッチングノード電圧が当初は低いことを想定している。クロック信号CLK0、CLK1の一つが時刻tまたはtにおいて低く遷移するとき、トランジスタ100、102の一つがオンに転じ、スイッチングノード電圧を迅速に高にする。
【0033】
図8の等価回路を図7の実際の回路と比較してみると、オフであるブロッキングトランジスタ114が、スイッチングノード96における応答速度の増加に役立っていることが分かる。これはオフであるブロッキングトランジスタ114が、スイッチングノード96を、ブロッキングトランジスタ114およびNMOSトランジスタ108、110との接合に形成される回路容量120(図7)から分離するからである。また、オフであるブロッキングトランジスタ114は、接地トランジスタ容量122(図7)がスイッチングノード96の応答を遅延させるのを防ぐ。接地トランジスタ容量122は、イネーブル信号GNDENに応答して、レジスタ52に選択的に接地基準を供給する、接地スイッチングトランジスタ123(図4)の結果である。ブロッキングトランジスタ114がオンである場合、(即ち、レジスタ52は図8に正確に提示されていない)容量120、122の両方が、スイッチングノード96での信号発達を減速する。これは、トランジスタ100、102のいずれかがオンのときはいつも、トランジスタ108、110の一つがオンであるからである。容量120、122をスイッチングノード96から減結合することによって、ブロッキングトランジスタ114は、容量120、122によるスイッチングノード96のローディングを排除し、ノード電圧が非常に迅速に高に遷移することを可能にする。
【0034】
以下、図8の等価回路の動作を再び参照すると、スイッチングノード96における高に進行する遷移が、中間ラッチ出力が低に進行することを引き起こしている。中間ラッチ86の低い出力は、出力ノード128で直列に接続された出力ステージ88内の分離トランジスタ124、126の対を駆動する。分離トランジスタ124、126は、一般的にゲートに結合されている相補トランジスタであって、これにより、トランジスタ124、126の一方がオンのとき、他方がオフになる。PMOS分離トランジスタ124は、そのゲートをクロック信号CLK1、CLK0にそれぞれ制御される直列に接続されたPMOS多重化トランジスタ130、132の対を介して、供給電圧VCCに結合されている。NMOS分離トランジスタ126は、そのゲートをクロック信号CLK1、CLK0に制御される直列に接続されたNMOS多重化トランジスタ134、136の対を介して、グラウンドに結合されている。
【0035】
中間ラッチ86の出力が、時刻tまたはtにおいて低に遷移するとき、分離トランジスタ126がオフに転じ、出力ノード128をトランジスタ134、136から分離する。また、PMOS分離トランジスタ124がオンになり、出力ノード128を多重化トランジスタ130、132に結合する。
【0036】
以下、出力ステージ88の応答を、時刻tおよびtでの遷移について、別個に説明する。時刻tにおいて、クロック信号CLK0は、より低い多重化トランジスタ132をオフに転じる。従って出力ノード128は、たとえPMOS分離トランジスタが124がオンに転じても、供給電圧VCCから分離されたままである。時刻tにおいて、クロック信号CLK0が低く戻るので、これによって、より低い多重化トランジスタ132をオンに転じる。3つのトランジスタ124、130、132のすべてがオンであるので、出力ノード128の電圧は、時刻tにおいて、供給電圧VCCまで上昇する。出力ノード電圧の高に進行する遷移は、出力ラッチ90および出力インバータ92にまで伝搬し、高に進行する出力信号Cを生成する。
【0037】
以下、時刻tにおいて、スイッチングノード96が高に切り換わる場合を説明する。時刻tにおいて、中間ラッチ86の低に進行する出力に応答して、NMOS分離トランジスタ126はオフに転じ、PMOS分離トランジスタ124がオンに転じる。上述のように、オフであるNMOS分離トランジスタ126は、出力ノード128をグラウンドから分離する。同様に、オンであるPMOS分離トランジスタ124は、多重化トランジスタ130、132によって出力ノード電圧が制御されることを可能にする。上位のPMOS多重化トランジスタ130も、時刻tにおいて高に進行するクロック信号CLK1に応答してオフに転じ、これにより時刻tにおいて出力ノード電圧は高に進行しない。
【0038】
時刻t10において、クロック信号CLK1は低く戻り、これにより、より高いPMOS多重化トランジスタ130をオンにする。3つのオンであるトランジスタ124、130、132は、出力ノード128を供給電圧VCCに結合し、出力ノード電圧は迅速に上昇する。再び、出力ノード電圧の高に進行する遷移が、時刻t10において、出力信号Cの高に進行する遷移を生成する。以上の説明を要約すると、ブロッキング信号A、Bがともに「00」であるとき、レジスタ52からの出力は、非対称クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1の2つの立ち下がりエッジに応答して高に進行する(例えば、時刻tおよびt10)。
【0039】
入力ステージ84のブロッキングトランジスタ106、114のように、分離トランジスタ124、126は、容量138〜140または141〜143が出力ノード128をローディングするのを防ぐ。例えば、上述のようにPMOS分離トランジスタ124がオンであるとき、出力ノード128は、オフであるNMOS分離トランジスタ126によって容量141〜143から分離される。その結果、多重化トランジスタ130、132が出力ノード128を供給電圧に結合するとき、容量141〜143は、出力ノード電圧の遷移を減速しない。
【0040】
以下、ブロッキング信号A、Bが高く、スイッチングノード電圧が最初は高く、高いブロッキング信号AがPMOSブロッキングトランジスタ106をオフに転じ、高いブロッキング信号BがNMOSブロッキングトランジスタ114をオンに転じる場合を考察する。その結果、ブロッキング信号A、Bがともに高いとき、レジスタ52は図9の等価回路により表し得る。また、オフであるブロッキングトランジスタ106は、スイッチングノード96を、供給レッグ94の容量145、146から分離し、容量145、146が入力ステージ84の応答時間を減速するのを防ぐ。
【0041】
トランジスタ108、110のゲートは、クロック信号CLK0、CLK1により、それぞれ制御される。クロック信号CLK0、CLK1がいずれかが高いとき、トランジスタ108、110の一つが、スイッチングノード96をグラウンドに結合する。その結果、tおよびtにおけるように、クロック信号CLK0、CLK1のいずれかが高に遷移するとき、スイッチングノード96は高から低へ遷移する。時刻tにおいて、スイッチングノード96での低へ進行する遷移は、中間ラッチ出力が高へ遷移することを引き起こし、これにより、PMOS分離トランジスタ124をオフに転じ、NMOS分離トランジスタ126をオンに転じる。また、時刻tにおいて、クロック信号CLK0は、より低い多重化トランジスタ136をオフに転じ、出力ノード128をグラウンドから分離する。従って、出力ノード128の電圧は、分離トランジスタ126がオンに転じるのに応答して変化することはない。
【0042】
時刻tにおいて、クロック信号CLK0が高に戻り、これによって、NMOS多重化トランジスタ136がオンに転じる。オンであるトランジスタ126、134、136は迅速に出力ノードを低に引き抜く(pull)。出力ノード128は、3つのオンであるトランジスタ126、134、136によって迅速に切り替わり得る。これは、PMOS分離トランジスタ124が、容量138〜140から出力ノード128を分離するからである。出力ノード128の低に進行する遷移に応答して、出力信号Cも時刻tにおいて低になる。
【0043】
以下、時刻tにおいてラッチ出力が高に遷移し、トランジスタ124がオフに転じ、これによって出力ノード128を容量138〜140から分離する場合を考察する。中間ラッチ86からの高で進行する出力は、NMOS分離トランジスタ126をもオンに転じ、これにより、多重化トランジスタ134、136は出力ノード電圧を制御し得る。
【0044】
時刻tにおいて、クロック信号CLK1もまた低に遷移し、これによって、多重化トランジスタ134をオフに転じる。従って、出力ノードの電圧は、分離トランジスタ126が時刻tでオンに転じたとき、影響を受けないままである。
【0045】
時刻t10において、クロック信号CLK1が高に戻り、これによって、多重化トランジスタ134がオンに転じる。より低い多重化トランジスタ136は既にオンである。従って、3つのオンであるトランジスタ126、134、136は出力ノード128をグラウンドに結合する。出力ノード電圧は、迅速に低下し、出力ラッチ90およびインバータ92の遅延により、時刻t10よりやや遅れて出力電圧Cを低に抜く。要約すると、ブロッキング信号A、Bが「11」であるとき、レジスタ50の出力は、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1の2つの立ち下がりエッジに応答して低に遷移する。
【0046】
論理回路54〜54によるブロッキング信号A、Bの供給を以下に説明する。上述のように、図4に示すように、第1のレジスタ52へのブロッキング信号A、Bが、自身の出力信号Cを供給される間、論理回路54〜54は、ブロッキング信号A、Bをレジスタのうちの7つに供給する。論理回路54から54による、または第1のレジスタの出力から第1のレジスタの入力への直接のフィードバックによるブロッキング信号A、Bの確立を以下に説明する。第1のレジスタ52の動作をまず考察する。
【0047】
既に説明したように、ブロッキング電圧A、Bがともに低であるとき、レジスタ52は図8に示すように模倣される。同様に、ブロッキング信号A、Bが共に高であるとき、レジスタ52が、図9に示すように模倣される。上記説明に詳述されるように、いずれの模倣が適切かに拘わらず、時刻tおよびt、またはtおよびt10それぞれにおける続きのクロック遷移に応答して、tまたはt10のわずか後に、出力Cが高または低のいずれかに遷移する。出力Cが遷移する毎に、第1のレジスタの等価回路52が、図8のものから図9のものに変わるか、またはその逆に変わり得ることを当業者は理解する。これは、ブロッキング信号A、Bが、第1のレジスタ52の出力Cに等しいからである。従って、第1のレジスタ52の出力は、クロック信号CKの各期間において、低および高にトグルする。
【0048】
第1の論理回路54による第2のレジスタ52の制御を以下に説明する。第1のレジスタ52の出力Cは、第2のレジスタ52のフィードバック出力Cとともに、第1の論理回路54の入力である。この第1の論理回路54は、ブロッキング信号A、Bを確立し、第2のレジスタ52の出力は、以下に説明するように、第1のレジスタ52の出力変化2回毎に1回変化する。
【0049】
図10Aに示すように、論理回路54は、NANDゲート150、152の対およびインバータ154、156の対により形成されている。NANDゲート150、152は、各第1の入力に第1のレジスタ52からのフィードバック出力Cを受け取る。第1のNANDゲート150は、第2のレジスタ52からの出力Cの反転した型を第2の入力に受け取り、第2のNANDゲート152は、第1のレジスタからの出力Cを第2の入力に受け取る。出力ブロッキング信号A、Bは、図10Bに示す真理値表に応じて生成される。従って、第1のレジスタの出力が「0」であるとき、第1の論理回路52は「10」を出力する、上述したように、信号A、Bが「10」であるとき、第2のレジスタ52は、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答してトグルしない。従って、図10Bの真理値表の第1および第3の条件のため、第2のレジスタの出力は一定を維持する。
【0050】
第1および第2のレジスタ52の出力Cが「01」であるとき、第2のレジスタ52は、図8の回路と等価であり、第2のレジスタ52の出力は、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答して、高に遷移する。同様に、第1および第2のレジスタ52の出力Cが「11」であるとき、第2のレジスタ52は、図9の回路と等価であり、第2のレジスタ52からの出力Cは、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答して、低に遷移する。従って、第2のレジスタ52からの出力Cは、従来のバイナリカウントの下位から2番目のビットのようにトグルする。
【0051】
以下、図11Aおよび11Bを参照して、第3のレジスタの応答を説明する。第2の論理回路54は、インバータ158の対および3つの入力NANDゲート160の対により形成されている。各NANDゲート160の第1の入力は、第1のレジスタ52からの出力Cを受け取る。各NANDゲート160の第2の入力は、第2のレジスタ52からの出力Cを受け取る。NANDゲート160の第3の入力は、第3のレジスタ52からの出力Cの反転した型を受け取り、第2のNANDゲートの第3の入力は、第3のレジスタ52からの出力Cを受け取る。第1のNANDゲート160からの出力は、ブロッキング信号Aを形成し、第2のNANDゲート160からの出力は反転され、ブロッキング信号Bを生成する。
【0052】
図11Bの真理値表に示すように、第1または第2のレジスタからの出力Cのいずれかが「0」である場合、両方のNANDゲートが「1」を出力し、ブロッキング信号A、Bが「10」になることを、当業者は理解する。従って、第1および第2のレジスタ52のいずれかが「0」を出力するときは常に、第3のレジスタ52の遷移はディスエーブルである。
【0053】
第1または第2のレジスタ52がともに「1」を出力し、第3のレジスタからの出力Cが「0」である場合、第2の論理回路54が両方のブロッキング信号A、Bを「00」にセットする。図9を参照して上述したように、ブロッキング信号A、Bが「00」のとき、第3のレジスタ52からの出力Cは、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答して高に進行する。
【0054】
同様に、最初の3つのレジスタ52が、「1」を出力するとき、第2の論理回路54がブロッキング信号A、Bを「11」にセットする。上述したように、ブロッキング信号A、Bが「11」のとき、第3のレジスタ52からの出力は、クロック信号CLK0、CLK0、CLK1、CLK1に応答して低に遷移する。従って、第3のレジスタ52の出力Cは、バイナリカウントの下位から3番目のビットを表示する。
【0055】
上述したように、カウンタ50では、直前のクロックサイクル上において、第3のレジスタ52に対する遷移条件が、第2のレジスタ52の遷移によって確立されないので、従来の計数回路とは異なる。代わりに、直前のクロックサイクルの条件は、第1のレジスタ52の出力Cの遷移によってのみ確立される。結果として、「リプルする」遅延は排除される。
【0056】
論理回路54〜54の他の入力が、対応するレジスタ52の遷移の直前のクロックサイクルによって確立されないので、論理回路54〜54への他の入力のそれぞれは、遷移に先立って確立される1クロックサイクル以上を有する。第1のレジスタ52は、直前のクロックサイクル内で遷移しなければならない唯一のレジスタなので、後続する遷移のセットアップ時刻は、最も速いレジスタによって規定され、これにより、カウンタ50をより高い速度で動作させる。
【0057】
第1のレジスタ52は、他のレジスタ52のいずれよりも迅速に遷移する。遷移時刻の相違は、他のレジスタ52に対する論理回路54〜54によるブロッキング信号A、Bの生成に反して、第1のレジスタ52では、ブロッキング信号A、Bとして出力Cの直接のフィードバックを使用しているためである。第1のレジスタ52の制御が論理回路54〜54のゲート遅延をまったく有さないので、第1のレジスタ52の遷移は、他のレジスタ52より迅速に完結され得る。
【0058】
他の論理回路の構造がこの原理を利用し得ることを当業者は理解する。例えば、カウンタ50が減少カウンタである場合、NANDゲートに代わってNORゲートが典型的に用いられる。最下位ビットを転送することがそのようなNORゲートベースの構造に同様に適用できることを当業者は理解する。
【0059】
図12〜16の概略図から、先行するレジスタのすべてからの出力Cが「1」のときのみ、論理回路54〜54が対応するレジスタの遷移を同様にイネーブルすることを、当業者は理解する。さらに、結果として、レジスタ54〜54の遷移に対するブロック信号A、Bが第1のレジスタ52の出力Cの遷移により制御されることを、当業者は理解する。
【0060】
図17に示す3つの入力NANDゲート160を参照して以下に説明するように、カウンタ50の応答は、第1のレジスタ52から各論理利回路54におけるNANDゲート150、160の特定の入力への出力Cの結合によってさらに加速される。この加速は、異なるNANDゲート入力での信号へのNANDゲート150、160の応答が均一ではないという事実を利用している。
【0061】
図17の3つの入力NANDゲート160は、供給電圧ノード182と3つのNMOSトランジスタ184との間に並列結合された3つのPMOSトランジスタ180から形成される。各PMOSトランジスタ180および各NMOSトランジスタ184は、先行するレジスタ52の一つの出力Cによって制御される。最上位のNMOSトランジスタ184は、第1のレジスタ52の出力Cによって制御される。以下に説明するように、最上位のNMOSトランジスタのゲートは、NANDゲート160への「速い」入力を形成する。
【0062】
第1のレジスタ52からの出力Cが高から低へ遷移するとき、最上位のNMOSトランジスタ184はオフに転じ、最右位(rightmost)のPMOSトランジスタ180がオンに転じる。他のNANDゲート160への入力が高であると想定して、残りの2つのPMOSトランジスタ180は、供給電圧VCCに電流経路を供給しない。従って最右位のPMOSトランジスタ180は、出力ノード182を高に引き抜く。最上位のNMOSトランジスタ184は、NMOSトランジスタ184間の接合の基準電位および寄生容量186、188から、出力ノード182を分離する。従って、出力ノード182は迅速に高に切り替わる。
【0063】
第1のレジスタ52からの入力以外で、低に進行する入力がNANDゲート160に付与されるとき、最左位または中央のPMOSトランジスタ180はオンに転じ、中央または最下位のNMOSトランジスタ184はオフに転じる。オンである最左位または中央のPMOSトランジスタ180は、出力ノード182を高に引き抜く。しかしながら、出力電圧の上昇は、寄生容量186、188の電荷格納(charge storage)によって減速される。
【0064】
寄生容量186、188は、「速い」NANDゲート入力の遷移のためのNANDゲート160の応答に影響を及ぼさない。これは、より上位のNMOSトランジスタ184が、寄生容量からの格納された電荷が出力電圧を維持することから防ぐからである。上記のように、第1のレジスタ52の出力Cは、論理回路54へ最後の入力遷移を供給し、出力遷移のための条件を確立する。第1のレジスタ52の出力を「速い」入力に結合することによって、出力遷移の条件を確立する時間は最小化される。「速い」入力に関する以下の説明が、より少ない、または3つ以上の入力を有する2または4入力NANDゲート、およびすべての種類のNORゲートに等しく適用可能であることを、当業者は理解する。
【0065】
図18は、図3のメモリデバイス40を含むコンピュータシステム200のブロック図である。コンピュータシステム200はプロセッサ202を含み、所望の計算やタスクを実施するソフトウェアを実行するなどの演算機能を実施する。また、プロセッサ202は、メモリデバイス40を起動するためのコマンドおよびデータバス210も含む。キーボードまたはマウスなどの、一つ以上の入力デバイス204がプロセッサ202に結合され、オペレータはそこに手動でデータを入力できる。一つ以上の出力デバイス206がプロセッサ202に結合され、プロセッサ202によって生成されたデータを表示または他に出力する。出力デバイスの例には、プリンタおよびビデオ表示ユニットが含まれる。一つ以上のデータ格納デバイス208がプロセッサに結合され、外部格納媒体(図示せず)にデータを格納または外部記憶媒体から検索する。格納デバイス208および格納媒体の例には、ハードおよびフロッピー(登録商標)ディスク、テープカセット、コンパクトディスク、読み出し専用メモリに適合するドライブを含む。
【0066】
本明細書において例示目的のみで本発明の特定の実施形態を説明してきたが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な変更を行えることは、上記説明から理解できる。例えば、本明細書ではカウンタ50が増加カウンタとして説明されているが、本明細書に記載の原理は、減少カウンタにも同様に適用可能であることを当業者は理解する。従って、本発明は添付の請求の範囲以外によって限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1Aおよび図1Bは、従来のダイナミックランダムアクセスメモリ内の、クロック信号とコマンド処理との関係を示すタイミング図である。
【図2】図2は、カウントによるメモリデバイス内でのシーケンス動作の基本概念を示すチャートである。
【図3】図3は、シーケンスで使用されるカウントを生成する計数回路を含む、メモリデバイスのブロック図である。
【図4】図4は、8つのレジスタと7つの論理回路との相互接続を示す、図3の計数回路のブロック図である。
【図5】図5は、2つの位相のずれたクロック信号を4つの非対称クロック信号に変換するクロック回路の論理図である。
【図6】図6は、図4のクロック回路内のクロック信号の信号タイミング図である。
【図7】図7は、図4の計数回路のレジスタの一つを示す概略図である。
【図8】図8は、ブロッキング信号の両方が低いときの、図7のレジスタの等価回路図である。
【図9】図9は、両方のブロッキング信号が高いときの、図7のレジスタの等価回路図である。
【図10A】図10Aは、図4の計数回路の第2のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第1の論理回路の概略図である。
【図10B】図10Bは、図10Aの論理回路に対する入力および出力を示す真理値表である。
【図11A】図11Aは、図4の計数回路の第3のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第2の論理回路の概略図である。
【図11B】図11Bは、図11Aの論理回路に対する入力および出力を示す真理値表である。
【図12】図12は、図4の計数回路の第4のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第3の論理回路の概略図である。
【図13】図13は、図4の計数回路の第5のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第4の論理回路の概略図である。
【図14】図14は、図4の計数回路の第6のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第5の論理回路の概略図である。
【図15】図15は、図4の計数回路の第7のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第6の論理回路の概略図である。
【図16】図16は、図4の計数回路の第8のレジスタに対するブロッキング信号を生成する第7の論理回路の概略図である。
【図17】図17は、回路容量を含む3入力NANDゲートの概略図である。
【図18】図18は、図3のメモリデバイスを援用したコンピュータシステムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロック信号に応答して、カウントを表す論理状態を有する複数のビットを生成するように応答する計数回路アセンブリであって、
該カウントの第1のビットに対応する第1のレジスタであって、該第1のレジスタは、該クロック信号を受取るように適合されたクロック入力と、該第1のビットを提供する第1のビット出力端子とを有し、該第1のレジスタは、該クロック信号に応答することにより、第1の状態と第2の状態との間で該第1のビットをトグルする、第1のレジスタと、
シーケンス状態にある複数の他のレジスタであって、該複数の他のレジスタの各々は、該カウントのそれぞれのビットに対応し、該複数の他のレジスタの各々は、該対応するビットを提供するビット出力端子と、制御入力端子とを有し、該複数の他のレジスタの各々は、該制御入力端子におけるそれぞれの制御信号に応答することにより、第1の状態と第2の状態との間で該それぞれのビットをトグルする、複数の他のレジスタと、
複数の論理回路であって、該複数の論理回路の各々は、該複数の他のレジスタのそれぞれ1つに対応し、該複数の論理回路の各々は、該複数の他のレジスタの該シーケンスにおける直前のレジスタの該ビット出力端子に結合された第1の論理入力端子と、該複数の他のレジスタのうちの対応する1つのレジスタの該ビット出力端子に結合された第2の論理入力端子と、該第1のビット出力端子に結合された第3の論理入力端子とを有し、該複数の論理回路の各々は、対応するレジスタの該それぞれの制御入力端子に結合された出力端子をさらに含み、該複数の論理回路の各々は、該直前のレジスタ以外の少なくとも1つのレジスタからの該ビットのトグルに応答することにより、該それぞれの制御信号を生成する、複数の論理回路と
を備えた、計数回路アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−314134(P2006−314134A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203465(P2006−203465)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【分割の表示】特願平10−538784の分割
【原出願日】平成10年3月5日(1998.3.5)
【出願人】(596079127)マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド (55)
【氏名又は名称原語表記】MICRON TECHNOLOGY,INC.