説明

高速DVD

本発明は、ポリカーボネートと、特定のUV硬化性ボンダ材料から製造されるDVDに関し、該特定のUV硬化性ボンダ材料は以下のA)〜D)から成る:A)バインダーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー、なお、該オリゴマーはi)1種以上のポリイソシアネートおよびii)1種以上のヒドロキシ官能性ラクトンエステル(メタ)アクリレートの反応生成物であり、該ヒドロキシ官能性ラクトンエステル(メタ)アクリレートは、200g/モル〜2000g/モル数平均分子量を有し、および以下の構造式を有する:CH=C(R)-C(O)-O-R[O-C(O)-R]-OH(式中、nは1〜5の整数であり、Rは水素またはメチル、Rは2〜10個の炭素原子を有する置換アルキレン基またはアルキレン基を示し、およびRは3〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖状のアルキレン基を示し、それは1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルキル基で置換されてもよい)、B)単官能アクリレートおよび/または(メタ)アクリレートを含有する反応性シンナー、C)光開始剤およびD)高データ転送速度にて改良された性能を提供する所望による添加剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高データ転送速度での改良されたフォーカシングおよびトラッキング性能を促進する、DVD(デジタル多用途ディスク)の製造用の特定のUVボンダの使用を開示する。
【背景技術】
【0002】
光データ記憶の研究は、1世代から次の世代へと、1枚のディスクあたりの記憶容量を増加させることにより主に特徴づけられる。このことは、例えば、コンパクトディスク(CD)フォーマットの場合1枚のディスクあたり0.7GByteであり、単層デジタル多用途ディスク(DVD)の容量は4.7GByteであり、および単層ブルーレイディスク(BD)の容量が25GByteであることにより例示できる。DVDおよびBDの場合において見受けられるように、例えば二重層ディスクまたはそれ以上の層を有するディスク、あるいは両面アクセス可能なディスクを導入することにより、これらの容量を増加できる。
【0003】
更なる重要な点は、ディスクの読出しおよび/または記録する間のデータ転送速度である。データが連続して読出しおよび/または記録されることに起因して、1世代から次世代へと窪みまたは記録マークがより小さくなるという事実にもかかわらず、記憶密度の上昇は全ディスクの読出しおよび/または記録時間を増加させている。この転送速度の不足は、各フォーマットに対する記録および読出し速度1Xに関する基準速度を、1世代から次世代へと増加させることにより補われている。フォーマット内でのデータ転送速度を増加させるための、ディスクの回転速度の増加は高速記録および読出しを促進する。
【0004】
CD-フォーマットに関するドライブおよびディスクは、1Xの基準速度と比べると52Xのデータ転送速度に到達できるまで発展した。52Xスピードに関すると、回転速度は、0.7GByte容量ディスクに関して約10500の毎分の回転数(RPM)であり、直線基準速度は1.2m/sである。
【0005】
DVD-フォーマットに関するドライブおよびディスクは、1Xの基準速度と比べると22Xのデータ転送速度に到達できるまで発展した。22Xスピードに関すると、回転速度は約12830RPMである。高回転速度は以下の表1から判るように、劇的に記録時間を減少させる。
【0006】
表1:第1ドライブおよびメディアモデルにおける、1X(1350kBytes/秒である)を備えるDVDに関する記録速度。より近年のモデルは、18Xまたは20X(それは、18倍または20倍のより高い最高データ転送速度を意味する)で稼働する。なお、CDドライブに関して、1Xは、150kBytes/秒を意味し、それは1XDVDよりも約9倍遅い。
【0007】
【表1】

【0008】
BD-フォーマットディスクおよびドライブに関すると、1Xの基準速度と比べると最大8Xのデータ転送速度を支持するものが存在する。8Xの速度について、25GByte/層容量のディスクに関する回転速度は約6480RPMであり、1Xの基準速度に関する直線速度は4.92m/秒である。研究室では12Xの記録速度が既に証明されており、それは、ディスクの9720RPM回転速度に相当する(日本の高松で開催されたISOM2006(光メモリ国際シンポジウム)の議事録;「最大12XのBD-R(Cu:Si)記録」、R.G.J.Aヘッセン、J.H.Gジャガーズ、A.P.G.Eジャンセン、J.リジパー、P.R.V.ソンバイル、J.J.H.B.シュライペン著、フィッリプス・リサーチラボラトリー、High Tech Campus 34、5656 Ae Eindhoven、オランダ)。
【0009】
このような高い回転速度にて、レーザーのフォーカシングおよびトラッキングすることは、高品質でデータを記録および読出すことに対して極めて重要である。このような場合において、より低いエラー率にてより良好なデータ信号品質を得るために、ディスクリーダーまたはライターがディスク回転速度を減少させることが起こり得る。したがって、高い回転速度をもたらし得ない。
【0010】
例えば、DVDライター生産者は、記録に関するパワーキャリブレーションを行う前に、高速度(例えば、16X)での信号のトラッキングエラー(TE)とフォーカシングエラー(FE)の品質をチックすることが多い。TEまたはFEがライターの具体的な極限を上回る場合、記録は、より低い速度で行われ得る。このようなTEおよびFE品質をチェックするフリーウェアツールの例は、Plextorライター向けのPlextoolならびに、多くのBenQおよびフィリップスライターに対して作動するQscanである。
【0011】
適当なトラッキングおよびフォーカシングは、光りピックアップシステムに関してはディスク表面の均一さに強く関連し、ディスクが低く回転する場合、データトラックに対するその光学軸の作動距離および位置合わせは、時間と共に変化する。そのことは、ピックアップヘッドに関する上記特性の周期的で同期化された変化を意味するディスクの低い接線分裂が重要であることを意味する。低い接線およびラジアル偏差における高い要求は、高速処理が可能なDVD製造に関する製造方法(processing window)を狭くし、ディスク製造者に対する余分な負担を意味する。
【0012】
しかし、モード振動は、高回転速度での焦点距離に関して大幅な振幅をもたらすことができる。また、このようなモード振動は、高い回転速度にてトラッキングとフォーカシングをもたらし得る作動距離および位置合わせにおける同期された過渡変化を生じさせない。トラッキングおよびフォーカシングサーボがバンド有限帯域幅であるように、大きくて高く頻繁に起こる歪みを十分に早く追跡できない。モード振動は、(E/ρ)0.5に比例するfに準じる、ヤング率Eおよび質量密度ρの比と、ディスクの幾何学的形状に関連するそのモード振動数fにより特徴づけられる((3)を参照)。クオリティファクターQ(式(4)参照)は、Q=3/tanδを用いてtanδに関連している。その意味で、Qは、tanδと同様に減衰の尺度として使用されうる。低いQは、tanδが高いのと同様に高い減衰を意味する。一般的に、EおよびQは、周波数fに関する明確な依存性を示す。ポリカーボネート製の直径12cmおよび1.2mm厚の最も低い周波数モード振動の群は、130Hz〜170Hzの範囲である(S.Subramanian, R.Hariharan, B.Landa, T.P.Feist, Optical Data Storage 2000, Proceeding of SPIE 第4090巻(2000年),第323頁以降,WO0048172A2比較例1)。続く群のモード振動は約280Hzに生じる。16Xでの回転速度が155Hzであるように、このようなモード振動は、ディスク操作の間に容易に励起される。
【0013】
WO0048172A2は、剛性および減衰を制御することにより高密度データ貯蔵(>5Gbit/in2面密度>DVD密度)メディアにおけるモード振動の影響を抑制する解決法を開示する。しかしながら、情報層は該メディアにおける第1表面であるということに起因して、剛性および減衰要件は、非透明性の基板物質により満たすことが出来る。開示された解決法は、経済的なDVD製造において使用でないサンドイッチ射出成形法を採用する。
【0014】
EP1158024A1は、a)損失tanδが0.01〜0.04であり、および、荷重撓み温度が120℃以上であるアモルファス熱可塑性樹脂を50〜90重量%と、およびb)メチルメタクリレート樹脂を50〜10重量%含有する振動減衰熱可塑性樹脂組成物であって、それから成形される物品が特定の物理特性を有する該組成物を開示する。開示された解決法は増加した減衰をもたらすが、メチルメタクリレートを有する特定のポリカーボネートから成るポリマーブレンドを用いる。開示された解決法の光学的透明度は、DVD用途に関して不十分である。
【0015】
WO2006046864A1は、光学ディスク用の接着剤としてエポキシジアクリレート、単官能および二官能アクリル酸エステルを併用する、ジオール、ジイソシアネートおよびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートから得られるウレタンアクリレートの使用を開示する。しかしながら、もたらされるエポキシアクリレートと二官能アクリル酸エステルは、高回転速度でのDVDディスクに対するボンダにおいて適当でない(比較例16参照)。
【0016】
CN1456621Aは、DVD用のUV硬化性コーティングを開示する。これらのUV硬化性コーティングは活性オリゴマーとしてのアミノホルマート-アクリレートエステル、単官能および二官能(メタ)アクリレート、光開始剤および光学添加剤を含有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際特許出願公開第0048172号A2明細書
【特許文献2】欧州特許第1158024号A1明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第2006046864号A1明細書
【特許文献4】中国特許出願公開第1456621号A明細書
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】日本の高松で開催されたISOM2006(光メモリ国際シンポジウム)の議事録;「最大12XのBD-R(Cu:Si)記録」、R.G.J.Aヘッセン、J.H.Gジャガーズ、A.P.G.Eジャンセン、J.リジパー、P.R.V.ソンバイル、J.J.H.B.シュライペン著、フィッリプス・リサーチラボラトリー、High Tech Campus 34、5656 Ae Eindhoven、オランダ)
【非特許文献2】S.Subramanian, R.Hariharan, B.Landa, T.P.Feist, Optical Data Storage 2000, Proceeding of SPIE 第4090巻(2000年),第323頁以降
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
改良されたトラッキングおよびフォーカシング操作を高回転速度にてもたらすことができるDVDディスクに対する必要性が未だに存在する。標準的なDVDボンダ(bonder)材料の使用は、高い記録速度での許容可能な制限内のTEおよびFEシグナルを維持するために、逼迫した製造マージンを強要する。乏しいトラッキングまたはフォーカシング挙動に起因して、16Xまたはより高いXでの記録用のDVDライターにより、ディスクは受け入れられない場合がある。
【0020】
したがって、高回転速度でのトラッキングとフォーカシングに関する幅広いマージンを示すDVDを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
驚くべきことに、特定のUV硬化性ボンダの使用が上記の問題を解決できることを見出した。本発明は、特定のボンダ材料および所望による更なる層を用い、ポリカーボネートから製造されるDVDを対象とする。
【0022】
UV硬化性ボンダ材料は、一般に、以下のA)〜D)から成るスピンコート可能な配合物である:
A)以下の(i)および(ii)の反応生成物である、バインダーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー:
i)1種以上のポリイソシアネートおよび
ii)200g/モル〜2000g/モルの数平均分子量を有し、および以下の式を有する1種以上のヒドロキシ官能性(hydroxyfunctional)ラクトンエステルアクリレート:
【0023】
【化1】

式中、nは1〜5の整数であり、Rは水素またはメチル、Rは2〜10個の炭素原子を有する置換アルキレン基またはアルキレン基を示し、およびRは3〜8の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキレン基を表わし、また該基は、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルキル基で置換されてもよい
【0024】
B)単官能性(メタ)アクリレートを含有する、反応性シンナー
C)光開始剤、および
D)所望による添加剤。
【0025】
さらに、DVD製造において使用される場合、このような特定のUV硬化性ボンダは、270Hzの周波数にて測定された130未満のQファクターを備えるディスクをもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、レーザードップラー振動計法の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
短期的に、室温にて約200Hz〜約300Hzの周波数レベルにて改良された減衰を可能とするボンダで製造されるDVDディスクは、16Xまたはそれ以上の記録速度にて著しく改良されたトラッキングおよびフォーカシング挙動をもたらす。
【0028】
この明細書に関連して、”(メタ)アクリレート”は、アクリレートまたは(メタ)アクリレート基、あるいは2つの混合物に関する。
【0029】
ウレタンアクリレートオリゴマーA)は、EP-A1650241またはEP-A1671995において記載されている方法に従い調製できる。
【0030】
ウレタンアクリレートオリゴマーA)におけるポリイソシアネート成分(i)は、以下のものを含有する:
以下のものを含有する群から選択されるポリイソシアネート:
芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式のポリイソシアネート、またはそのようなポリイソシアネートの混合物、例えば、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアナト−シクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアナト−シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、α,α,α’,α’−テトラ−メチル−m−キシリレンジイソシアネートまたはα,α,α’,α’−テトラ−メチル−p−キシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、4,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン、4−イソシアナトメチル−1,8−オクタンジイソシアネート(トリイソシアナトノナン、TIN)(EP-A928799)、およびそれらの混合物。また、適当なものは、ビウレット基、カルボジイミド基、イソシアヌレート基、アロファネート基、イミノオキサジアジンジオン基および/またはウレトジオン基を含有する前記ポリイソシアネートの同族体またはオリゴマー、それらの互いの混合物、およびそれらと前記ポリイソシアネートとの混合物である。1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、4,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン、およびそれらの互いの混合物が好ましい。また、ビウレット基、カルボジイミド基、イソシアヌレート基、アロファネート基、イミノオキサジアジンジオン基および/またはウレトジオン基を含有する、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)および4,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタンの、同族体またはオリゴマー、それらの互いの混合物、およびそれらと前記好ましいポリイソシアネートとの混合物も好ましい。
【0031】
ポリエステルジオールおよび/またはポリエーテルジオールおよびヘキサメチレンジイソシアネートから製造される、ヘキサメチレンジイソシアネートのプレポリマー。
【0032】
ポリエステルジオールおよび/またはポリエーテルジオールおよびジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから製造されるジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのプレポリマーである。
【0033】
ポリイソシアネート成分i)として特に好ましいものは、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのオリゴマーである。
【0034】
ウレタンアクリレートオリゴマーA)におけるヒドロキシ官能性ラクトンエステルアクリレートii)として最も好ましいものは、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートまたはヒドロキシブチルアクリレートと、ε-カプロラクトンからの反応生成物である。
【0035】
反応性シンナーB)は、単官能性(メタ)アクリレートを含有する。
【0036】
好ましい化合物B)は、アルコキシル化アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸およびC1〜C10-アルコキシル化フェノールの単官能性エステル、アルキル(メタアクリレート)、脂環式(メタ)アクリレートおよび複素環式(メタ)アクリレートを含有する群から選択される。
【0037】
特に好ましい化合物B)は、C1〜C4アルコキシル化C1〜C4-アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸およびC1〜C4アルコキシル化フェノールの単官能性エステル、C1〜C10アルキル(メタ)アクリレート、C4-〜C10-脂環式(メタ)アクリレート、およびC4〜C10−脂環式(メタ)アクリレートならびにC4-C6複素環式(メタ)アクリレートから成る群から選択される化合物を含有する。
【0038】
最も特に好ましい化合物B)は、フェノキシ-エチルアクリレート、フェノール-(2,5-ジエトキシ)アクリレート、2-(2-エトキシエチオキシ)エチルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびテトラヒドロフルフリルアクリレートから成る群から選択される化合物を含有する。
【0039】
代表的な光開始剤C)は、ヒドロキシフェニルケトン、例えば、(1-ヒドロキシシクロヘキシル)フェニルケトン(例えば、Irgacure(登録商標)184、チバ、Lampertheim、DE)、1-ヒドロキシジメチルフェニルケトン(例えば、Darocur(登録商標)1173、チバ、Lampertheim、DE)、アシルホスフィンオキシド、例えば、2,4,6-トリメチル-ベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキシド(例えば、Darocur(登録商標TPOチバ、Lampertheim、DE)、フェニルビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィオンオキシド(例えば、Irgacure(登録商標)819、チバ、Lampertheim、DE)、フェニルグリ-オキシレート、例えば、フェニルグリオキシル酸(メチル)エステル(例えば、Irgacure(登録商標)MBF、チバ、Lampertheim、DE)、およびベンジルジメチルケタール(例えば、Irgacure(登録商標)651、チバ、Lampertheim、DE)を含有する。
【0040】
コーティングおよび接着剤技術において既知の添加剤、バインダーおよび補助物質D)を、ボンダ材料に添加してもよく、併用してもよい。このような物質は、流れおよび湿潤添加剤、スリップ添加剤、フィラー、ナノ粒子、光安定化剤、抗黄変添加剤、増粘剤、および表面張力を減少させるための添加剤である。
【0041】
本発明によると、UV硬化ボンダ材料は、25℃での粘度が約200〜1000mPas、好ましくは約350〜800mPas、および特に好ましくは約450〜650mPasとなるような成分A)と成分B)の比率で配合される。
【0042】
本発明に係るUV硬化性ボンダ組成物における光開始剤C)は、全ての重合性化合物に基づき、1〜10wt%、好ましくは2〜8wt%、特に好ましくは3〜6wt%の量で含有される。
【0043】
基板材料の概要
一般に、ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆物質の溶融重合または溶液重合により得られる。各ポリカーボネート製のディスクが、明細書の実施例の箇所に記載されている高回転速試験の要求を満足する場合および/または各ポリカーボネートが上記相対溶液粘度域を満足する場合、任意の芳香族ジヒドロキシ化合物が受け入れ可能である。
【0044】
好ましい芳香族ジヒドロキシ化合物は、式(I)の化合物である:
【0045】
【化2】

式中、Zは、式(2)の基を示す:
【0046】
【化3】

式中、
およびRは相互に独立して、HまたはC〜C−アルキル、好ましくはHまたはC〜C−アルキル、特に水素またはメチルを表し、および
Xは単結合、C〜C−アルキレン、C〜C−アルキリデンまたはC〜C−シクロアルキリデンを表し、C〜C−アルキル、好ましくはメチルまたはエチルで置換されてもよい。ただし、Xが3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデンを示す場合、RおよびRは水素を表す。
【0047】
最も好ましくは、Xはイソプロピリデンを示し、RおよびRは水素を表す。
【0048】
一般に、芳香族ヒドロキシ化合物は既知であり、または一般的に知られている方法に従って調製できる。ポリカーボネートの界面重合または溶融重合も一般的に知られており、例えば、国際特許出願公開第2004/063249号A1明細書、同第2001/05866号A1明細書、同第2000/105867号明細書、米国特許第5340905号明細書、同第5097002号明細書、同第5717057号明細書などの多数の明細書において開示されている。
【0049】
ポリカーボネート樹脂は、上記芳香族ジヒドロキシ化合物を単独重合させることにより得られるホモポリカーボネートであってもよく、または上述の2種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物を共重合させることにより得られるコポリカーボネートであってもよい。ジフェノールモノマーとしてのビスフェノールAに基づくポリカーボネートは、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)m-ジイソプロピルベンゼン、または4,4'-ジヒドロキシ-ビフェニルまたは2-フェニル-3,3-ビス(4'-ヒドロキシフェニル)フタルイミドから成る群から選択される更なるジフェノールモノマーを、ポリカーボネートを調製するために使用されるジフェノールの量に基づき、20wt%以下、好ましくは10wt%以下、より好ましくは5wt%以下の量で含有してもよい。
【0050】
溶液法による反応は、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応であり、一般に、酸カップリング剤および有機溶媒の存在下で行われる。酸カップリング剤として、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムなど、またはアミン化合物、例えばピリジンなどが使用される。有機溶媒として、ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレン若しくはクロロベンゼンなど、またはこれらの炭化水素の混合物が使用される。反応を促進するために、触媒、例えば、第3級アミン、第4級アンモニウム化合物または第4級ホスホニウム化合物など、例えば、トリエチルアミン、N-エチル-ピペリジン、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド、またはテトラ-n-ブチルホスホニウムブロミドなどをそれぞれ使用できる。好ましくは、反応温度は、通常、0〜40℃であり、反応時間は10秒〜5時間、反応の間のpHは9以上である。該反応は、バッチ法で行ってもよく、連続法で行ってもよい。
【0051】
重合反応において、相対溶液粘度を調節するために、通常、末端キャップ剤が使用される。使用されるこれらの末端キャップ剤は、単官能性フェノールであってもよい。得られるポリカーボネート樹脂は、単官能性フェノールを基剤とする基によりキャップされたその末端を有し、上記のようにして得られていないポリカーボネートと比べ、熱安定性において優れている。単官能性フェノールは、一般に、フェノール若しくは、低級アルキル置換フェノール、例えばフェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-クミルフェノール、イソオクチルフェノール、または長鎖アルキルフェノール、例えばデシルフェノール、ドデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールおよびトリアコンチルフェノールである。好ましい末端キャップ剤は、フェノール、p-tert-ブチルフェノール、p-クミルフェノールおよび3-n-ペンタデシルフェノール(CAS番号501-24-6)である。
【0052】
末端キャップ剤は、適切な相対溶液粘度がもたらされる量で導入される。末端キャップ剤は単独で使用しても良く、上述のフェノール化合物と相互に混合して用いてもよい。
【0053】
溶融法による反応は、通常、上述の芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸エステルのエステル交換反応であり、加熱条件下および不活性ガスの存在下で、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸エステルを混合させ、生成したアルコールまたはフェノールを留去することを含む方法によって行われる。反応温度は、例えば生じるアルコールまたはフェノールの沸点と異なるが、通常120〜350℃である。反応の後半で反応系の圧力を約1.33×10〜13.3Paまで減少させることにより、生成したアルコールまたはフェノールの蒸留を促進させる。反応時間は、通常、1〜6時間である。
【0054】
炭酸エステルのうち、所望により置換され得る、例えばC6〜C10アリール基またはアラルキル基またはC1〜4アルキル基などのエステルが存在し、特に、ジフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびジブチルカーボネートがある。これらのうち、ジフェニルカーボネートが最も好ましい。
【0055】
重合を加速させるために、重合触媒を使用してもよい。これらの重合触媒として、エステル化またはエステル交換反応に通常使用される触媒、例えばアルカリ金属化合物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、または二価フェノールのナトリウム塩もしくはカリウム塩など、アルカリ土類金属化合物、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウムまたは水酸化マグネシウムなど、窒素含有塩基性化合物、例えばテトラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニウム水酸化物、トリメチルアミンまたはトリエチルアミンなど、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルコキシド、リン含有塩基性化合物、例えばテトラフェニルホスホニウムフェノラート、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の有機酸塩、亜鉛化合物、ホウ素化合物、アルミニウム化合物、ケイ素化合物、ゲルマニウム化合物、有機スズ化合物、鉛化合物、オスミウム化合物、アンチモン化合物、マンガン化合物、チタン化合物またはジルコニウム化合物、が使用されうる。これらの触媒は単独で使用してもよく、組合せて使用してもよい。これらの触媒は、出発原料としての二価フェノール1molに対して、好ましくは1×10−8〜1×10−3当量、より好ましくは1×10−7〜5×10−4当量の量で使用される。
【0056】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、重合における異性化反応の結果としてポリマー中に3官能性以上の芳香族化合物または分枝成分を含んでもよい。3官能性以上の芳香族化合物の例としては、好ましくは、フロログルシン、フロログルシド、トリスフェノール、例えば4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、および4−(4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン)−α,α−ジメチルベンジルフェノール、テトラ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)ケトン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸およびそれらの酸塩化物が含まれる。3官能性以上の芳香族化合物が使用される場合、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンおよび1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
【0057】
ポリカーボネートまたはコポリカーボネートは、キャピラリー型0Cのウベローデキャピラリー粘度計を用いて測定される、ジクロロメタン中のポリマー溶液ポリマーについて決定される相対溶液粘度により特徴づけられる。ポリマー濃度は5g/lであり、測定は25℃の温度で行われる。好ましい相対溶液粘度は1.190〜1.230の範囲である。
【0058】
離型剤として、一価アルコールまたは多価アルコールの高級脂肪酸を、本発明による熱可塑性樹脂に添加してもよい。一価アルコールまたは多価アルコールの高級脂肪酸を混合することにより、熱可塑性樹脂を成形する際、金型からの離型性が改良されると共に、ディスク基板の成形時における離型荷重を小さくできることにより、離型の失敗によるディスク基板の変形とピットの転位を防ぐことができる。また、熱可塑性樹脂の溶融流動性も改良される。
【0059】
離型剤の有効量は、好ましくは樹脂重量の2000重量ppm未満、より好ましくは樹脂重量の1000重量ppm未満、特に好ましくは500ppm未満である。
【0060】
好ましい高級脂肪酸エステルは、グリセロールモノステアレートおよびグリセロールモノパルミテートならびにこれらの混合物である。
【0061】
リンを基剤とする熱安定剤を熱可塑性樹脂に添加してもよい。適当な、リンを基剤とする熱安定剤には、例えば、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびそれらのエステルが含まれる。特に、ホスファイト化合物、例えばトリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイトなど、およびホスフェート化合物、例えばトリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレシルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクロロフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレシルホスフェート、ジフェニルモノオルトキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、ジブチルホスフェートおよびジイソプロピルホスフェートが挙げられる。更なるリン系熱安定剤は、例えばテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイトである。これらの中でも、トリスノニルフェニルホスホナイト、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェート、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4−ビフェニレンホスホナイトが好ましい。これらの熱安定剤は単独で使用してもよく、混合物として使用してもよい。
【0062】
熱安定剤を添加する場合、これらの熱安定剤の量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは0.0001〜0.05重量部、より好ましくは0.0005〜0.02重量部、最も好ましくは0.001〜0.01重量部である。
【0063】
一般的に知られている酸化防止剤を、本発明による熱可塑性樹脂に添加して酸化を防いでもよい。酸化防止剤の例は、フェノール系の酸化防止剤である。酸化防止剤の量は、熱可塑性樹脂に基づき、好ましくは0.0001〜0.05重量%である。
【0064】
各ポリカーボネート樹脂組成物製のディスクが高回転速試験の要求を満足する限度で、本発明における光学ディスク基板用の樹脂に、上記添加剤と同様の他の添加剤、例えば、光安定剤、着色剤、帯電防止剤および潤滑剤などを添加してもよい。
【0065】
他の熱可塑性樹脂とのポリカーボネートブレンドは、各ブレンドから製造されるディスクが高回転速試験の要求を満足する限り使用できる。他の熱可塑性樹脂は、以下のものから成る群から選択できる:アクリル樹脂、好ましくはポリメチルメタクリレート、ホモポリマーとして、またはイソプレンおよびブタジエンまたはそれらの混合物から成る群から選択される他のモノマーとのコポリマー若しくはブロックポリマーとしてのポリスチレン樹脂、あるいはポリシクロオレフィン性樹脂、好ましくはオレフィン(例えばノルボルネン構造を有する部分など)の重合生成物。
【0066】
本発明の樹脂組成物の調製において、ポリカーボネート樹脂を混合することおよび/またはポリカーボネート樹脂と他の樹脂とを混合することを溶液中または溶融液中で行うことが考えられる。混合の意味について、ポリマー溶液の段階においては、撹拌機を備える容器が主に使用され、第2の場合においては、チャンバー、二軸ミキサー、ネイチャーミキサー、バンバリーミキサー、ニーディングロールまたは押出機などの装置が使用され得る。いずれの場合においても、任意の技術を使用でき、および特に限定されない。
【0067】
DVD基板の製造方法
光記録媒体用の上記樹脂から基板を製造するために、光記録媒体に関して要求される仕様と表面精度を満足する溝およびピットを有するスタンパーを装備する(射出圧縮成形機を含む)射出成形機を使用し、射出成形によって光ディスク基板を形成する。一般に、ディスク基板の厚さは0.55〜0.60mmである。この射出成形機は、一般的に使用される機器であるが、好ましくは、カーバイドの精製を抑え、ディスク基板の信頼性を改良するために、そのシリンダーとスクリューが樹脂に対する低い接着性と、耐腐食性および耐摩耗性を有する材料から製造される機器である。成型工程の環境は、本発明における目的の観点において、好ましくは可能な限り清潔である。また、成型される材料は完全に乾燥されて水が除去されることが重要であり、および融解された樹脂の分解を引き起しうる滞留を避けるべきである。
【0068】
以下において、本発明による光記録媒体の標準的なディスク基板に関する製造について記載され、該方法は実験に基づく箇所において使用されるが、本発明の範囲を限定するものではない。120mmの直径と0.60mmの厚さを備えるディスク基板が、金型とスタンパーを装備する射出成形機を用いてポリカーボネートから射出成形される。
【0069】
染料および反射層の製造法
記録可能なDVDディスクは、スピンコーティング法を用いることによる記録層として有機染料を用いる。この工程に関して、有機溶媒中に染料粉末を可溶化させることにより、新しい染料溶液が調製される。成形工程の後、全ての基板は、温度制御されたコンベア内に搬送され、基板の両面を効率的に冷却され、更なる染料コーティング工程の準備がされる。インライン染料コーティングユニットは、通常、各溝付き基板上に緻密に制御された染料層を施すための、複数のオートメーション化された染料投与ステーションを備える。スピンコーティング工程は、環境が制御された気候条件の下、厳重に行われる。凝縮した染料膜から残留する溶媒を除去するために、染料で被覆された基板は、赤外線ランプを備える乾燥オーブン内へ供給される。
【0070】
染料で被覆された基板の上に、高反射金属層を堆積させるために、乾燥工程の後に、高速スパッターモジュールが用いられる。最も一般的な材料は銀または銀合金である。強力で最適化されたメタライザー(metallizer)は、目的とされる耐用期間を通じて一定のスパッタリングをもたらすことができる。染料被覆され金属化された層0基板の端において残存する染料を除去することは、金属化の後に端洗浄溶媒を導入することにより行われる。
【0071】
接着工程の説明
インライン法
金属化されおよび端を洗浄された層0基板は、スピンコーティングによる接着法によりディスクにボンダ材料が導入される、接着ユニットへ移動させられる。その後、別のブランク層1基板は上部に配置される。ボンダは、最適化されたスピン工程により2つの基板間に分散された。この方法によりもたらされたボンダ層の厚みが30μm〜60μmの間、好ましくは40〜50μmのとなるように、ボンダの導入は、選択される。
【0072】
ディスクは、紫外線放射に曝され、ラジカル重合反応を用いることにより結合材を硬化させる。
【実施例】
【0073】
実験
試験手順
ボンダの粘度
ボンダ配合物は、スピードミキサー(Hauschild DAC 150 FVZ)を用いて調製した。粘度は、25℃へ設定されたオーブンCTD450を備える、振動レオメータ(Firma Anton Pear Physica Modell MCR301)を用いて25℃にて測定された。コーンプレート形状を使用した。コーンの直径は50mmであり、コーン角は1°であった。粘度を、10 1/sの一定のせん断速度にて、回転モードで測定した。
【0074】
ヤング率EとクオリティファクターQの測定
約10Hz〜10KHzの周波数領域における材料のヤング率Eおよび減衰に関連するファクターQ(クオリティファクター)を決定するために、ASTM E 756−05に記載されているものと同様の構成を使用する(図1)。この測定原理は、対象材料の振動ビームの共鳴周波数fnを評価することに基づく。共鳴周波数を起こすために、ビームの片側をピエゾ振動子(Piezo−shaker)にクランプする。このピエゾ振動子は1mHzから10KHzまで広がるアナログホワイトノイズ信号によって駆動する。その励振に対するビーム応答、たとえば、ピエゾ振動子にクランプされているビームの末端における励振の周波数に対する速度に関して標準化された、ピエゾ振動子にクランプされていないビームの末端にてレーザードップラー振動計(LDV)で測定される周波数に対する速度を記録する。この応答曲線から、EおよびQを以下のように算出する:
【0075】
【数1】

【0076】
【数2】

式中、
E=ビーム材料のヤング率(Pa)、
=モードnに対する共鳴周波数(Hz)、
Δf=モードnの全帯域幅(FWHM)での電力半値(Hz)、
=クランプフリー(均一)ビームのモードnに関する係数、
H=振動方向におけるビームの厚さ(メートル)、
l=ビームの長さ(メートル)、
n=モード数:1、2、3、・・・・・
Q=ビーム材料のクオリティファクター(無次元)、
ρ=ビームの質量密度(kg/m
【0077】
ビームは、上記手順に従って製造されたディスクから切り取られてもよく、または射出成形されてもよい。ビームの幅Wは、0.013mになるように選択され、長さlは、共鳴周波数が10Hz〜10kHzの測定周波数領域によく合うように選択される。2000HzにおけるEおよびQの値は、2000Hzよりも下で測定されたfと2000Hzよりも上で測定されたfn+1にて、式(3)および式(4)から抽出された各値を用いる線形補間を介して算出される。
【0078】
質量密度
質量密度ρを、ディスクを切り取ったサンプルについて、浸漬液としてエタノールを用い室温にて、Metter density kit Mettler AT250 H66765を用いて測定した。あるいは、既知の幅W、既知の高さHおよび既知の長さlのディスクの長方形の試験片がディスクの切片である。ディスクの長方形の試験片に関する質量mを、はかり(例えば、Mettler AT 250)を用いて秤量することにより測定し、およびρは、ρ=m/(l・H・W)を介して算出した。
【0079】
半径偏差および正接偏差の測定
半径偏差は、基準面からのディスク表面の角度偏差を測定する。それは、基準面に対して垂直な入射光と反射光の間における、半径方向において測定した角度として定義される。ディスクの半径偏差は、バスラー社製のオフライン光ディスクスキャナー(形式:Basler Reference 100)を用いて測定した。ディスクについて測定した最大公称値を採用した。
【0080】
DVD+R(SL)ディスクのTEおよびFEシグナルの評価
DVDライター(Plextor(登録商標)-PX755A 1.01)を使用し、TE/FE性能を評価した。評価は、該ライターに附属のPlexToolプロフェッショナルV2.32ソフトウェアを用いて行った。
【0081】
別のDVDライター(BenQ(登録商標)1650 BC1B)を使用し、TE/FE性能を評価した。評価は、該ライターに附属のQScanソフトウェアを用いて行った。測定は、未記録のディスクについて16X速にておこなった。TEおよびFEの最大測定値を、ディスクの各スキャンについて採用した。
【0082】
TE/FE試験は、記録可能なブランクDVDディスク(シミュレーションモード)に関する書き込み試験であり、ディスクの機械的特性を測定する。FE(フォーカスエラー)は、どれほど良好に、ピックアップが、ディスク表面上でレーザービームを焦点に合わせることが出来るかを示す。TE(トラッキングエラー)は、どれほど良好に、ピックアップが、ディスクのらせん状トラックに追随出来るかを示す。数値が極めて高い場合、書き込みエラーが生じている可能性がある。この場合において、記録はより低い速度で行わなければならない。この試験は、シミュレーションモードにおける最も高い記録速度行われ得る。試験の終端において、良好な品質と共に最も高い速度にてこのディスクを書き込むことが出来る場合、試験結果を示す。
【0083】
バインダーA)の説明
バインダーAA)は、バイエルマテリアルサイエンスAG(レーバークーセン、DE)製の、ウレタンアクリレートDesmolux(登録商標)XP2513である。
【0084】
バインダーAH)は、Cytec Surface Specialities SA/NV製のEbecryl(登録商標)600であり、Ebecryl(登録商標)600は、一般的なビスフェノールAエポキシアクリレートである。
【0085】
更なるバインダーは、以下に記載されるように合成されている。これらの合成に関して、全てのパーセンテージは、他に記載がない限り重量パーセントである。
【0086】
NCO含有量(単位%)の測定は、DIN EN ISO 11909に基づき、ブチルアミンとの反応に続けて、0.1モル/Lの塩酸による逆滴定によって行った。
【0087】
バインダーの粘度測定は、ISO/DIS 3219:1990に従って、プレート−プレート回転粘度計(Haake社(ドイツ国)製Roto Visko 1)を用いて行った。実験を行った時点で支配的である、23℃の周囲温度を、RTと称する。
【0088】
ウレタンアクリレートバインダーADの調製
還流冷却器、加熱可能なオイルバス、機械式撹拌機、空気の横断(2l/時)、内部温度計および滴下漏斗を備える2000mlの4つ首ガラスフラスコを、275.1gのビス-(4-イソシアナトシクロヘキサン)メタン(Desmodur(登録商標)W、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)で充填した。0.50gのジブチルスズジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)および1.01gの2,6-ジ-tert-ブチルメチルフェノールを添加し、次いで、混合物を60℃まで加熱した。その後、722.4gのTone M100(登録商標)(ダウ、シュバルバッハ、DE)を、温度が70℃を超えないような速度で滴下添加した。撹拌を、NCO含有量が0.1%を下回るまで継続した。これは、NCO含有量が0.08%であり、15400mPas(23℃)の粘度を有する無色の樹脂をもたらした。
【0089】
ウレタンアクリレートバインダーAE
還流冷却器、加熱可能なオイルバス、機械式撹拌機、空気の横断(2l/時)、内部温度計および滴下漏斗を備える2000mlの4つ首ガラスフラスコを、366.7gのHDIビウレット(Desmodur(登録商標)N3200、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)で充填した。0.49gのジブチルスズジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)および1.01gの2,6-ジ-tert-ブチルメチルフェノールを添加し、次いで、混合物を60℃まで加熱した。その後、653.6gのTone M100(登録商標)(ダウ、シュバルバッハ、DE)を、温度が70℃を超えないような速度で滴下添加した。撹拌を、NCO含有量が0.15%を下回るまで継続した。これは、NCO含有量が0.12%であり、38500mPas(23℃)の粘度を有する無色の樹脂をもたらした。
【0090】
ウレタンアクリレートバインダーAFの調製
還流冷却器、加熱可能なオイルバス、機械式撹拌機、空気の横断(2l/時)、内部温度計および滴下漏斗を備える2000mlの4つ首ガラスフラスコを、366.7gのHDIウレトジオン(Desmodur(登録商標)N3400、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)で充填した。0.50gのジブチルスズジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)および1.0gの2,6-ジ-tert-ブチルメチルフェノールを添加し、次いで、混合物を60℃まで加熱した。その後、639.84gのTone M100(登録商標)(ダウ、シュバルバッハ、DE)を、温度が70℃を超えないような速度で滴下添加した。撹拌を、NCO含有量が0.1%を下回るまで継続した。これは、NCO含有量が0.08%であり、9050mPas(23℃)の粘度を有する無色の樹脂をもたらした。
【0091】
ウレタンアクリレートバインダーAGの調製
還流冷却器、加熱可能なオイルバス、機械式撹拌機、空気の横断(2l/時)、内部温度計および滴下漏斗を備える2000mlの4つ首ガラスフラスコを、153.22gのヘキサメチレンジイソシアネート(Desmodur(登録商標)H、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)で充填した。0.50gのジブチルスズジラウレート(Desmorapid(登録商標)Z、バイエル マテリアル サイエンス AG、レーバークーゼン、DE)および1.0gの2,6-ジ-tert-ブチルメチルフェノールを添加し、次いで、混合物を60℃まで加熱した。その後、532.95gのOxyester T1136(登録商標)(デグサAG、マール、DE)および次いで、313.73gのTone M100(登録商標)(ダウ、シュバルバッハ、DE)を、温度が70℃を超えないような速度で滴下添加した。撹拌を、NCO含有量が0.1%を下回るまで継続した。これは、NCO含有量が0%であり、500000mPas(23℃)よりも大きい粘度を有する無色の樹脂をもたらした。
【0092】
反応性シンナーB)
反応性シンナーBAは、ジプロピレングリコールジアクリレートである(比較)
反応性シンナーBBは、Laromer(登録商標)POEA、BASF SE、ルートウィヒスハーフェン、DE(フェノキシエチルアクリレート)。
反応性シンナーBCは、OTA480(登録商標)、Cyctec Surface Specialities、SA/NV(プロポキシル化グリセロールトリアクリレートである(比較)。
反応性シンナーBDは、Photomer(登録商標)4039、コグニス、ドイツGmbHである(フェノール-(2,5)-エトキシレートアクリレート)。
反応性シンナーBEは、Photomer(登録商標)4050、コグニス、ドイツGmbHである(ポリエチレングリコール200ジアクリレート)(比較)
反応性シンナーBFは、Sartomer(登録商標)SR-833S、Sartomer div. クレーバレー、F、(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)である(比較)。
反応性シンナーBGは、ヘキサンジオールジアクリレートである(比較)
反応性シンナーBHは、Sartomer(登録商標)SR256、Sartomer div. クレーバレー、F、(2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート)である。
反応性シンナーBIは、Laromer(登録商標)TBCH BASF SE、ルートウィヒスハーフェン、DE、(4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート)である。
【0093】
光開始剤C)
光開始剤CAは、Darocur(登録商標)1173、チバ、ランペルトハイム、DE、(1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン)である。
【0094】
ボンダ配合物の調製
表3に記載された全てのボンダ材料は、25℃での粘度が約480〜520mPasとなるようなバインダーA)と反応性シンナーB)の割合で配合された。ボンダ成分の混合を、当業者に既知の方法に従い行った。
【0095】
基板成形法の詳細
Axxicon金型製のST-金型を装備しおよびDVD+R若しくはDVD-Rスタンパーを用いた、Singulus StreamlineII DVD-Rに装着されたSingulus E Mould DVD-R射出成形機を用いて、バイエルマテリアルサイエンスAG製のMakrolon(登録商標)OD2015から、120mmの直径と0.60mmの厚さを有するディスク基板(情報基板およびダミー基板)を射出成形した。以下の成形パラメータを使用した(表2参照)。
【0096】
【表2】

【0097】
染料および反射層の製造に関する詳細
スピンコーティング法を用いることにより、記録可能なDVDディスクは記録層として有機染料を使用する。有機溶媒としてのテトラフルオロプロパノール中に染料粉末を溶解させることにより、新しい染料溶液を調製した。成形工程の後、全ての基板を、温度制御されたコンベアへ搬送し、基板の両面を効率的に冷却させ、更なる染料被覆工程に備えさせる。インライン染料コーティングユニットは、各溝付き基板上に緻密に制御された染料層を施すための複数のオートメーション化された染料投与ステーションを備える。スピンコーティング工程は、環境が制御された気候条件の下、厳重に行われる。凝縮した染料膜から残留する溶媒を除去するために、染料で被覆された基板は、赤外線ランプを備える乾燥オーブン内へ供給される。
【0098】
染料で被覆された基板の上に、高反射金属層を堆積させるために、乾燥工程の後に、高速スパッターモジュールが用いられる。最も一般的な材料は銀または銀合金である。強力で最適化されたメタライザーは、目的とされる耐用期間を通じて一定のスパッタリングをもたらすことができる。染料被覆され金属化された層0基板の端において残存する染料を除去することは、金属化の後にジアセトンアルコールを導入することにより行われる。
【0099】
この場合において、上記Singulus Streamline II DVD−R機器のダウンストリームプロセス用装置が使用された。
【0100】
DVD+R(SL)インライン接着工程の詳細
単層DVD+Rディスクは、Singulus Streamline II DVD−R機器を用いて、表4に記載されたボンダ配合物と上記基板を用いて製造された。接着プロセスは以下のように記載される:
【0101】
金属化されおよび端を洗浄された層0基板を、スピンコーティングによる接着法によりディスクへボンダ材料が導入される接着ユニットへ移動させた。導入量は0.7gであった。その後、別のブランク層1基板を上部に配置した。最適化されたスピン工程により、2つの基板間にボンダを分散させた。この方法により得られたボンダ層厚は、約45μmであった。ボンダ層厚は、Basler Scanner REF 100により測定された。
【0102】
ディスクは、UV硬化ステーションで紫外線放射に曝され、ラジカル重合反応により接着材料を硬化させる。UVランプの基本出力は1.0KW;UVランプの最大出力は3.0KW;照射時間は1.0秒である。
【0103】
手動での接着法に関する詳細
600μmポリカーボネートディスク/ボンダ/600μmポリカーボネートディスクのサンドイッチを、以下のようにして製造した:
【0104】
600μm厚のポリカーボネートディスク基板を、スピンコーター(Karl Sues Model RC 8)チャック上に配置した。ボンダを、35mmのディスク径にて、加圧注入システム(GLT Model EDT 2000XL)を用いて施した。スピン速度は200RPMであり、投与次緩和1.75秒であった。注入系において使用されたシリンジ針の直径は1.35mmであった。注入圧力は、約1.8barに調整され、ボンダ材料の1周が基板上で分散するようにした。第二の600μm厚の基板を、ボンダで被覆した第1の基板の上部に配置した。10秒間1500RPMにてサンドイッチ構造を回転させることにより、ボンダを2つの基板間に分散させた。
【0105】
それに続くボンダの架橋を、UV暴露装置を用いて行った。2つの基板とその間のボンダから構成されるサンドイッチ構造を、約1m/分の速度でUV光源(Hgランプ、80W)を通過するコンベアーベルト上に配置した。約5J/cmの放射線量を、サンドイッチ構造に施し、ボンダ材料を硬化させてディスクを形成した。
【0106】
この手順によりもたらされたボンダ層厚は約60μmである。ボンダ層厚は、接着したディスクの総厚から、2つの基板の厚さを引くことにより測定された。全ての厚さは、マイクロメータースクリューを用いて測定された。
【0107】
これらの手動で接着させたディスクから、および製造したDVD+R(SL)ディスクから、サンプルを切り取り、レーザードップラー振動計を用いてディスクの振動挙動を試験した。特に規定された試験にて、棒形のモード振動は270Hzで生じる。270HzでのQ値に関する減衰は、試験用のサンプルに関するデータから得た。Qは、1/(3・tan(δ))であり、一方でtan(δ)は、機械的減衰である。これらの測定結果は、以下の表3において記載される。
【0108】
【表3】

【0109】
表3から明らかなように、本発明に係るボンダ材料は、DIC(登録商標)6830またはSony(登録商標)SK6500(比較例6-7)のような実在する商業的に入手可能なボンダ材料を用いて作られるディスクおよび反応性シンナーとしてジアクリレートを含有するボンダで作られるディスク(比較例1〜5および16)と比べて、少なくとも1.53倍で、ディスクの270Hzにおける減衰を改良する。Sony(登録商標)SK6500は、ソニーケミカル アンド インフォメーションデバイス社(日本)製であり、本発明に係るボンダを含有しない、スピンコート可能でUV硬化性のDVDボンダに基づく特定のアクリレートである。DIC(登録商標)6830は、DIC社(日本)製であり、本発明に係るボンダ材料を含有しない、特定のスピンコート可能でUV硬化性のDVDボンダに基づく特定のアクリレートである。
【0110】
改良されたトラッキング(TE)とフォーカシング(FE)性能とディスクのより高い減衰の関係を証明するために、DVD+R(SL)ディスクを、例3と比較例6および7から成るボンダ材料を用いることにより製造した。どのようにしてTEとFEの詳細を測定したかは、セクション9、サブセクションTEおよびFEシグナル評価に記載されている。これらの試験の結果を、以下の表4にまとめた。
【0111】
【表4】

【0112】
上記結果から明らかなように、本発明に係るボンダ材料は、最終的なDVDディスクのTEおよびFE信号を著しく改良する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下のA)〜D)から成るUV硬化性ボンダ材料を含有するポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVD:
A)以下のi)とii)の反応生成物である、バインダーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー、
i)1種以上のポリイソシアネートおよび
ii)200g/モル〜2000g/モルの数平均分子量を有し、および以下の式を有する1種以上のヒドロキシ官能性ラクトンエステルアクリレート:
【化1】

式中、nは1〜5の整数であり、Rは水素またはメチルであり、Rは2〜10個の炭素原子を有する置換アルキレン基またはアルキレン基を示し、およびRは3〜8の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキレン基を表わし、また該基は、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルキル基で置換されてもよい。
B)単官能性(メタ)アクリレートを含有する、反応性シンナー、
C)光開始剤および
D)所望による添加剤。
【請求項2】
ウレタンアクリレートA)のポリイソシアネート成分i)が、ヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはジシクロヘキシルメタンジイソシアネートのオリゴマーである、請求項1に記載のポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVD。
【請求項3】
ウレタンアクリレートA)のヒドロキシル含有成分ii)が、ヒドロキシキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレートまたはヒドロキシブチルアクリレートと、ε-カプロラクトンの反応生成物である、請求項1または2に記載のポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVD。
【請求項4】
成分B)が、アルコキシル化アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸およびアルコキシル化フェノールの単官能性エステル、アルキル(メタ)アクリレート、脂環式(メタ)アクリレートおよび複素環式(メタ)アクリレートを含有する群から選択される、請求項1から3に記載のポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVD。
【請求項5】
成分B)が、C1-〜C4-アルコキシル化C1-〜C4-アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸およびC1-〜C4-アルコキシル化フェノールの単官能性エステル、C1-〜C10-アルキル(メタ)アクリレート、C4-〜C10-脂環式(メタ)アクリレートおよびC4-〜C6複素環式(メタ)アクリレートを含有する群から選択される、請求項1から4に記載のポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVD。
【請求項6】
成分B)が、フェノキシ-エチルアクリレート、フェノール-(2,5-ジエトキシ)アクリレート、2-(2-エトキシエチオキシ)エチルアクリレート、イソボルニルアクリレートおよびテトラヒドロフルフリルアクリレートから成る群から選択される、請求項1から5に記載のポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVD。
【請求項7】
DVDを製造するためのボンダ材料としての、以下のA)〜D)から成るUV硬化性ボンダ材料の使用:
A)以下のi)とii)の反応生成物である、バインダーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー、
i)1種以上のポリイソシアネートおよび
ii)200g/モル〜2000g/モルの数平均分子量を有し、および以下の式を有する1種以上のヒドロキシ官能性ラクトンエステルアクリレート:
【化2】

式中、nは1〜5の整数であり、Rは水素またはメチルであり、Rは2〜10個の炭素原子を有する置換アルキレン基またはアルキレン基を示し、およびRは3〜8の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキレン基を表わし、また該基は、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルキル基で置換されてもよい。
B)単官能性アクリレートを含有する、反応性シンナー、
C)光開始剤および
D)所望による添加剤。
【請求項8】
270Hzにて測定された130未満のQ値を示す、DVDを製造するための請求項7に記載のUV硬化性ボンダ材料の使用。
【請求項9】
工程1において、所望により染料層および反射層を含有する、第1ポリカーボネートディスク基板上に、以下のA)〜D)から成るUV硬化性ボンダ組成物を施し;
A)以下のi)とii)の反応生成物である、バインダーとしてのウレタンアクリレートオリゴマー、
i)1種以上のポリイソシアネートおよび
ii)200g/モル〜2000g/モルの数平均分子量を有し、および以下の式を有する1種以上のヒドロキシ官能性ラクトンエステルアクリレート:
【化3】

式中、nは1〜5の整数であり、Rは水素またはメチルであり、Rは2〜10個の炭素原子を有する置換アルキレン基またはアルキレン基を示し、およびRは3〜8の炭素原子の直鎖または分岐鎖アルキレン基を表わし、また該基は、1〜12個の炭素原子を有する1種以上のアルキル基で置換されてもよい。
B)単官能性アクリレートを含有する、反応性シンナー、
C)光開始剤および
D)所望による添加剤、
次いで、工程2においてポリカーボネートディスク基板を、工程1で得られた被覆基板の上に配置し、次いで、工程3において工程2からの製造品をUV放射により硬化させる、ポリカーボネートから製造されるディスクからなるDVDを製造するための製造方法。

【図1】
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【公表番号】特表2013−518358(P2013−518358A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550425(P2012−550425)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051063
【国際公開番号】WO2011/092200
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】