高連結力を具える口腔歯材構造
【課題】高連結力を具える口腔歯材構造を提供する。
【解決手段】
本発明は、口腔歯材構造であり、歯床上に結合することに用い、口腔歯材構造は、金属ベース、セラミック膜層及び歯科陶材層を含み、金属ベースは、歯床上に被せ合わさり、セラミック膜層は、大気圧プラズマ溶射方法を利用し、金属ベースの表面に噴射鍍金され、歯科陶材層は、セラミック膜層上に焼結され、これにより、金属ベース及び歯科陶材層の間の連結力を増加し、金属ベースの外部露出及び金属イオン放出の問題を回避する。
【解決手段】
本発明は、口腔歯材構造であり、歯床上に結合することに用い、口腔歯材構造は、金属ベース、セラミック膜層及び歯科陶材層を含み、金属ベースは、歯床上に被せ合わさり、セラミック膜層は、大気圧プラズマ溶射方法を利用し、金属ベースの表面に噴射鍍金され、歯科陶材層は、セラミック膜層上に焼結され、これにより、金属ベース及び歯科陶材層の間の連結力を増加し、金属ベースの外部露出及び金属イオン放出の問題を回避する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、口腔歯材構造に関し、特に、金属連結力が高い歯材構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、口腔内の歯の修復(dental restoration)に用いる義歯(denture teeth)構造の多くは、鋳造作業(casting operation)又はコンピュータ数理制御(Computer Numerical Control, CNC)加工方法を利用し、クラウン及び/又はブリッジ(crown and bridge prosthodontics)等の構造の歯材ベースを構成する。
【０００３】
図１を参照して説明するが、図１は従来の義歯構造１ａを表示し、歯床２ａ上に結合し、該義歯構造１ａは、金属基台(metal coping)１０ａ及び該金属ベース１０ａ上の焼結する歯(義歯)科陶材(dental porcelain)部２０ａを含む。鋳造方式を利用し形成された該金属ベース１０ａの表面が極めて滑らなため、該金属ベース１０ａ及び該歯科陶材部２０ａの結合力が悪くなる。
従って、該歯科陶材部２０ａに焼結する前、該金属ベース１０ａの表面に通常サンドブラスト工程を施し、該金属ベース１０ａ及び該歯科陶材部２０ａの間の結合力を増加させる。
【０００４】
しかしながら、上記工程で製造された義歯構造は、その精密度が悪く、複数回の校正及び加工修正が必要であり、時間、工程を費やすだけでなく、更にコストが高くなっている。更に、従来の義歯構造１ａは、一定時間使用後、該金属ベース１０ａ及び歯科陶材部２０ａの連結強度が悪いので、該金属ベース１０ａがイオンを人体内に放出するようになり、癌のリスクを発生し得る。また、従来の義歯構造１ａは、長時間の使用を経て摩耗した後、その金属ベース１０ａは、外部に露出し、酸化し、強度に影響を及ぼすだけでなく、更に外観上の美観を損なう。
【０００５】
これに鑑みて、本発明者は、上記の欠陥を改善する為、研究に専念し、学理の運用を合わせ、ようやく設計が合理であり且つ上記欠陥を効率的に改善する本発明を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特表２００９−５１６５５４
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明の目的は、金属ベース及び歯科陶材層の間の連結力を増加する高連結力を具える口腔歯材構造を提供することにある。
【０００８】
本発明のもう１つの目的は、金属ベースが外部に露出することを回避し、口腔歯材の美観性を向上する高連結力を具える口腔歯材構造を提供することにある。
【０００９】
本発明のもう１つの目的は、金属ベースの人体へのイオン放出を防止し、口腔歯材の人体の健康への危害を減少する高連結力を具える口腔歯材構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記の目的を達成する為、本発明の高連結力を具える口腔歯材構造は、歯床上に結合することに用い、該高連結力を具える口腔歯材構造は、金属ベース、セラミック膜層、及び歯科陶材層を含み、金属ベースは、歯床上に被せ合わせ、金属ベースは、歯床上に被せ合わさる内表面及び内表面に相対する外表面を含み、セラミック膜層は、大気圧プラズマ溶射方法で金属ベースの表面に噴霧鍍金し、歯科陶材層は、セラミック膜層上に焼結する。
【００１１】
本発明の更に、もう１つの目的は、口腔歯材構造の全体構造をより軽薄にし、依然として十分な強度を有し、義歯の精確な位置合わせを補助し、歯の修復過程中の該歯床の修正研磨量を減少し、患者の不快度を低減する高連結力を具える口腔歯材構造を提供する。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、従来技術に比較し、大気圧プラズマ溶射の方法を利用し、金属ベース表面にセラミック膜層を噴霧鍍金し、該セラミック膜層は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム及びヒドロキシルアパタイト(hydroxyapatite，HA)から構成されるグループ中のうちの１つから構成されるので、該セラミック膜層により金属ベース及び歯科陶材層の間の連結力を向上し、口腔歯材の全体構造をより軽薄にし、依然として十分な強度を有し、義歯の精確な位置合わせを補助し、歯床の修正研磨量を減少し、患者の不快度を低減する。
更に、セラミック膜層が完全に金属ベースを被覆することにより、効率的に金属ベースと外部の空気の接触を隔絶し、金属ベースの酸化問題を低減し、金属ベースの外部露出を防止し、美観性に影響を及ぼし、更に金属ベースの酸化時に金属イオンを放出することを防止することができ、人体の健康への危害を回避し、使用上の実用性及び安全性を増加する。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】従来の義歯構造に関する。
【図２】本発明の実施例の高連結力を具える口腔歯材構造の説明図である。
【図３】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の断面図である。
【図４】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の使用説明図である。
【図５】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の第２実施例の構造説明図である。
【図６】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の第２実施例の構造説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明の詳細な説明及び技術内容について、その実施例を図面の説明を合わせて以下に説明するが、図面は、参考及び説明用に提供するだけであり、本発明に制限を加えるものではない。
【００１５】
図２〜図５を参照し、それらは、それぞれ本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の説明図、断面図及び使用説明図である。本発明の高連結力を具える口腔歯材構造１は、歯床２上に結合することに用い、該高連結力を具える口腔歯材構造は、金属ベース１０及びセラミック膜層２０を含む。
【００１６】
該金属ベース１０の材質は、一般に口腔歯材に用いる金属であり、それは、ニッケル、クロム、チタン、白金、パラジウム、銅、亜鉛、金、銀等の金属又はその組み合わせ（合金）から構成することができる。該金属ベース１０は、被せ置き空間１００を成型し、該被せ置き空間１００の大きさは、結合する該歯床２の外形に対応し、該歯床２上に被せ合わせる。
【００１７】
該金属ベース１０は、該歯床２上に被せ合わせる内表面１０１及び該内表面１０１に相対する外表面１０２を含み、そのうち、該金属ベース１０の内表面１０１は、更に粘着剤１５を塗布し、該金属ベース１０及び該歯床２の間を粘着剤１５で相互に結合し、即ち、該粘着剤１５は、該歯床２及び該金属ベース１０の間に塗布される。
【００１８】
前記セラミック膜層２０は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム及びヒドロキシルアパタイト(hydroxyapatite，HA)から構成されるグループ中のうちの１つから構成される。該セラミック膜層２０は、密度の高い塗装であり、それは、大気プラズマ溶射の加工方法を利用し、該金属ベース１０の外表面１０２に噴霧鍍金し、白色薄層を形成し、該セラミック膜層２０は、より良好な金属ベース１０の色を遮蔽でき、且つ該セラミック膜層２０が該金属ベース１０の表面を完全に遮蔽することにより、良好な拡散障壁層(diffusion barrier)を形成し、該金属ベース１０と外部の空気との接触を効率的に完全に隔絶し、時間に伴い、摩擦使用後の該金属ベース１０の酸化問題を低減し、以後に該金属ベース１０が外部露出し、美観性に影響することを防止し、該金属ベース１０の金属イオンが参加し、人体の健康に対する危害を回避する。
【００１９】
前記大気圧プラズマ溶射は、アルゴン、水素、窒素、ヘリウムのうち、１種又は２種以上の気体がイオン化した後に発生するアークを利用し、セラミック粉末をアークの 火花の中心に注入し、それを溶融し、高圧の該気体を介し、クラウン又はブリッジ(crown / bridge prosthodontics)構造の口腔歯材のベースに応用し、製造を完成する。
【００２０】
上述した口腔歯材構造１は、クラウン(crown)製造に応用する時、該セラミック膜層２０の表面に更に歯科陶材層３０を焼結する。該歯科陶材層３０は、セラミック材料の１種であり、それは、シリカ(silica, SiO2)を主とし、適量の石英(quartz)、長石(feldspar)等のその他の所要な酸化物を混ぜ、複数回の加工工程を介し、粉末を形成し、後に金属ベース上に塗布し易いように適量を混合し（陶材堆積）、最後に焼結を経て、該歯科陶材層３０を形成する。
【００２１】
前記セラミック膜層２０は、焼結過程を経た後、強度を生じ、これにより該歯科陶材層３０及び金属ベース１０の厚さの要求を効率的に低減し、該口腔歯材構造１の全体を軽薄にするが、依然として十分な強度を有する。更に、該口腔歯材構造１の厚さが比較的薄い時、義歯の精確な位置合わせを補助し、使用する粘着剤１５の量及び該歯床２の修正研磨量を減少し、患者の歯の修復過程の不快度を低減する。
【００２２】
図３中の局部拡大図中から分かるように、該セラミック膜層２０の表面は、粗雑で平らでなく、該セラミック膜層２０及び該歯科陶材層３０の間に良好な機械保持力を提供し、両者の間の連結力を向上し、該口腔歯材構造１の全体の強度を増加する。本実施例において、該セラミック膜層２０は、大気圧プラズマ溶射の加工方法を利用し、該金属ベース１０の外表面１０２に噴射塗布され、また、該セラミック膜層２０の好適な厚さは、０.５mm以下である。
【００２３】
図５及び図６を参照し、それは、本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の第２実施例である。本実施例と第１実施例は、ほぼ同一であり、口腔歯材構造１’は、金属ベース１０、セラミック膜層２０’及び歯科陶材層３０を含む。本実施例中の第１実施例と異なる箇所は、該セラミック膜層２０’が該金属ベース１０の内表面１０１及び外表面１０２に噴射鍍金されることにあり、即ち、該セラミック膜層２０’は、該金属ベース１０を完全に被覆し、該金属ベース１０により完全な被覆性を提供し、且つ該セラミック膜層２０’の表面が粗雑で平らでないことにより、該セラミック膜層２０’及び該歯科陶材層３０の間の連結力を高めるだけでなく、更に該金属ベース１０及び該歯床２の間の結合力を増加することができる。
【００２４】
なお、本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
【符号の説明】
【００２５】
１ａ 義歯構造
１０ａ 金属ベース
１ 口腔歯材構造
１０ 金属ベース
１００ 被せ置き空間
１０１ 内表面
１０２ 外表面
１５ 粘着剤
１’ 口腔歯材構造
２ａ 歯床
２０ａ 歯(義歯)科陶材部
２ 歯床
２０ セラミック膜層
２０’ セラミック膜層
３０ 歯科陶材層
【技術分野】
【０００１】
本発明は、口腔歯材構造に関し、特に、金属連結力が高い歯材構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、口腔内の歯の修復(dental restoration)に用いる義歯(denture teeth)構造の多くは、鋳造作業(casting operation)又はコンピュータ数理制御(Computer Numerical Control, CNC)加工方法を利用し、クラウン及び/又はブリッジ(crown and bridge prosthodontics)等の構造の歯材ベースを構成する。
【０００３】
図１を参照して説明するが、図１は従来の義歯構造１ａを表示し、歯床２ａ上に結合し、該義歯構造１ａは、金属基台(metal coping)１０ａ及び該金属ベース１０ａ上の焼結する歯(義歯)科陶材(dental porcelain)部２０ａを含む。鋳造方式を利用し形成された該金属ベース１０ａの表面が極めて滑らなため、該金属ベース１０ａ及び該歯科陶材部２０ａの結合力が悪くなる。
従って、該歯科陶材部２０ａに焼結する前、該金属ベース１０ａの表面に通常サンドブラスト工程を施し、該金属ベース１０ａ及び該歯科陶材部２０ａの間の結合力を増加させる。
【０００４】
しかしながら、上記工程で製造された義歯構造は、その精密度が悪く、複数回の校正及び加工修正が必要であり、時間、工程を費やすだけでなく、更にコストが高くなっている。更に、従来の義歯構造１ａは、一定時間使用後、該金属ベース１０ａ及び歯科陶材部２０ａの連結強度が悪いので、該金属ベース１０ａがイオンを人体内に放出するようになり、癌のリスクを発生し得る。また、従来の義歯構造１ａは、長時間の使用を経て摩耗した後、その金属ベース１０ａは、外部に露出し、酸化し、強度に影響を及ぼすだけでなく、更に外観上の美観を損なう。
【０００５】
これに鑑みて、本発明者は、上記の欠陥を改善する為、研究に専念し、学理の運用を合わせ、ようやく設計が合理であり且つ上記欠陥を効率的に改善する本発明を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特表２００９−５１６５５４
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明の目的は、金属ベース及び歯科陶材層の間の連結力を増加する高連結力を具える口腔歯材構造を提供することにある。
【０００８】
本発明のもう１つの目的は、金属ベースが外部に露出することを回避し、口腔歯材の美観性を向上する高連結力を具える口腔歯材構造を提供することにある。
【０００９】
本発明のもう１つの目的は、金属ベースの人体へのイオン放出を防止し、口腔歯材の人体の健康への危害を減少する高連結力を具える口腔歯材構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
上記の目的を達成する為、本発明の高連結力を具える口腔歯材構造は、歯床上に結合することに用い、該高連結力を具える口腔歯材構造は、金属ベース、セラミック膜層、及び歯科陶材層を含み、金属ベースは、歯床上に被せ合わせ、金属ベースは、歯床上に被せ合わさる内表面及び内表面に相対する外表面を含み、セラミック膜層は、大気圧プラズマ溶射方法で金属ベースの表面に噴霧鍍金し、歯科陶材層は、セラミック膜層上に焼結する。
【００１１】
本発明の更に、もう１つの目的は、口腔歯材構造の全体構造をより軽薄にし、依然として十分な強度を有し、義歯の精確な位置合わせを補助し、歯の修復過程中の該歯床の修正研磨量を減少し、患者の不快度を低減する高連結力を具える口腔歯材構造を提供する。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、従来技術に比較し、大気圧プラズマ溶射の方法を利用し、金属ベース表面にセラミック膜層を噴霧鍍金し、該セラミック膜層は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム及びヒドロキシルアパタイト(hydroxyapatite，HA)から構成されるグループ中のうちの１つから構成されるので、該セラミック膜層により金属ベース及び歯科陶材層の間の連結力を向上し、口腔歯材の全体構造をより軽薄にし、依然として十分な強度を有し、義歯の精確な位置合わせを補助し、歯床の修正研磨量を減少し、患者の不快度を低減する。
更に、セラミック膜層が完全に金属ベースを被覆することにより、効率的に金属ベースと外部の空気の接触を隔絶し、金属ベースの酸化問題を低減し、金属ベースの外部露出を防止し、美観性に影響を及ぼし、更に金属ベースの酸化時に金属イオンを放出することを防止することができ、人体の健康への危害を回避し、使用上の実用性及び安全性を増加する。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】従来の義歯構造に関する。
【図２】本発明の実施例の高連結力を具える口腔歯材構造の説明図である。
【図３】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の断面図である。
【図４】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の使用説明図である。
【図５】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の第２実施例の構造説明図である。
【図６】本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の第２実施例の構造説明図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
本発明の詳細な説明及び技術内容について、その実施例を図面の説明を合わせて以下に説明するが、図面は、参考及び説明用に提供するだけであり、本発明に制限を加えるものではない。
【００１５】
図２〜図５を参照し、それらは、それぞれ本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の説明図、断面図及び使用説明図である。本発明の高連結力を具える口腔歯材構造１は、歯床２上に結合することに用い、該高連結力を具える口腔歯材構造は、金属ベース１０及びセラミック膜層２０を含む。
【００１６】
該金属ベース１０の材質は、一般に口腔歯材に用いる金属であり、それは、ニッケル、クロム、チタン、白金、パラジウム、銅、亜鉛、金、銀等の金属又はその組み合わせ（合金）から構成することができる。該金属ベース１０は、被せ置き空間１００を成型し、該被せ置き空間１００の大きさは、結合する該歯床２の外形に対応し、該歯床２上に被せ合わせる。
【００１７】
該金属ベース１０は、該歯床２上に被せ合わせる内表面１０１及び該内表面１０１に相対する外表面１０２を含み、そのうち、該金属ベース１０の内表面１０１は、更に粘着剤１５を塗布し、該金属ベース１０及び該歯床２の間を粘着剤１５で相互に結合し、即ち、該粘着剤１５は、該歯床２及び該金属ベース１０の間に塗布される。
【００１８】
前記セラミック膜層２０は、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化アルミニウム及びヒドロキシルアパタイト(hydroxyapatite，HA)から構成されるグループ中のうちの１つから構成される。該セラミック膜層２０は、密度の高い塗装であり、それは、大気プラズマ溶射の加工方法を利用し、該金属ベース１０の外表面１０２に噴霧鍍金し、白色薄層を形成し、該セラミック膜層２０は、より良好な金属ベース１０の色を遮蔽でき、且つ該セラミック膜層２０が該金属ベース１０の表面を完全に遮蔽することにより、良好な拡散障壁層(diffusion barrier)を形成し、該金属ベース１０と外部の空気との接触を効率的に完全に隔絶し、時間に伴い、摩擦使用後の該金属ベース１０の酸化問題を低減し、以後に該金属ベース１０が外部露出し、美観性に影響することを防止し、該金属ベース１０の金属イオンが参加し、人体の健康に対する危害を回避する。
【００１９】
前記大気圧プラズマ溶射は、アルゴン、水素、窒素、ヘリウムのうち、１種又は２種以上の気体がイオン化した後に発生するアークを利用し、セラミック粉末をアークの 火花の中心に注入し、それを溶融し、高圧の該気体を介し、クラウン又はブリッジ(crown / bridge prosthodontics)構造の口腔歯材のベースに応用し、製造を完成する。
【００２０】
上述した口腔歯材構造１は、クラウン(crown)製造に応用する時、該セラミック膜層２０の表面に更に歯科陶材層３０を焼結する。該歯科陶材層３０は、セラミック材料の１種であり、それは、シリカ(silica, SiO2)を主とし、適量の石英(quartz)、長石(feldspar)等のその他の所要な酸化物を混ぜ、複数回の加工工程を介し、粉末を形成し、後に金属ベース上に塗布し易いように適量を混合し（陶材堆積）、最後に焼結を経て、該歯科陶材層３０を形成する。
【００２１】
前記セラミック膜層２０は、焼結過程を経た後、強度を生じ、これにより該歯科陶材層３０及び金属ベース１０の厚さの要求を効率的に低減し、該口腔歯材構造１の全体を軽薄にするが、依然として十分な強度を有する。更に、該口腔歯材構造１の厚さが比較的薄い時、義歯の精確な位置合わせを補助し、使用する粘着剤１５の量及び該歯床２の修正研磨量を減少し、患者の歯の修復過程の不快度を低減する。
【００２２】
図３中の局部拡大図中から分かるように、該セラミック膜層２０の表面は、粗雑で平らでなく、該セラミック膜層２０及び該歯科陶材層３０の間に良好な機械保持力を提供し、両者の間の連結力を向上し、該口腔歯材構造１の全体の強度を増加する。本実施例において、該セラミック膜層２０は、大気圧プラズマ溶射の加工方法を利用し、該金属ベース１０の外表面１０２に噴射塗布され、また、該セラミック膜層２０の好適な厚さは、０.５mm以下である。
【００２３】
図５及び図６を参照し、それは、本発明の高連結力を具える口腔歯材構造の第２実施例である。本実施例と第１実施例は、ほぼ同一であり、口腔歯材構造１’は、金属ベース１０、セラミック膜層２０’及び歯科陶材層３０を含む。本実施例中の第１実施例と異なる箇所は、該セラミック膜層２０’が該金属ベース１０の内表面１０１及び外表面１０２に噴射鍍金されることにあり、即ち、該セラミック膜層２０’は、該金属ベース１０を完全に被覆し、該金属ベース１０により完全な被覆性を提供し、且つ該セラミック膜層２０’の表面が粗雑で平らでないことにより、該セラミック膜層２０’及び該歯科陶材層３０の間の連結力を高めるだけでなく、更に該金属ベース１０及び該歯床２の間の結合力を増加することができる。
【００２４】
なお、本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
【符号の説明】
【００２５】
１ａ 義歯構造
１０ａ 金属ベース
１ 口腔歯材構造
１０ 金属ベース
１００ 被せ置き空間
１０１ 内表面
１０２ 外表面
１５ 粘着剤
１’ 口腔歯材構造
２ａ 歯床
２０ａ 歯(義歯)科陶材部
２ 歯床
２０ セラミック膜層
２０’ セラミック膜層
３０ 歯科陶材層
【特許請求の範囲】
【請求項１】
歯床上に結合することに用い、
前記歯床上に被せ合わせ、前記歯床に被せ合わさる内表面及び該内表面に相対する外表面を含む金属ベースと、
大気圧プラズマ溶射方法を利用し、該金属ベースの表面に噴射鍍金されるセラミック膜層と、
該セラミック膜層上に焼結する歯科陶材層と、
を含むことを特徴とする高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項２】
更に、粘着剤を含み、該粘着剤は、前記歯床及び前記金属ベースの間に塗布されることを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項３】
前記セラミック膜層は、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びヒドロキシルアパタイトから構成されるグループ中のうちの１つから構成されることを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項４】
前記セラミック膜層は、前記歯床の前記外表面に噴射鍍金されることを特徴とる請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項５】
前記セラミック膜層は、前記歯床の前記外表面及び前記内表面に噴射鍍金され、前記金属ベースを完全に被覆することを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項６】
前記セラミック膜層の表面は、粗雑で平らでないことを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項７】
前記大気圧プラズマ溶射は、アルゴン、水素、窒素、ヘリウムのうち、１種又は２種以上の気体がイオン化した後に発生するアークを利用し、セラミック粉末をアークの火花の中心に注入し、それを溶融し、高圧の該気体を介し、前記金属ベースに高速噴射被覆し、前記セラミック膜層を形成することを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項８】
前記金属ベースは、ニッケル、クロム、チタン、白金、パラジウム、銅、亜鉛、金、銀等の金属又はその組み合わせから構成されることを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項１】
歯床上に結合することに用い、
前記歯床上に被せ合わせ、前記歯床に被せ合わさる内表面及び該内表面に相対する外表面を含む金属ベースと、
大気圧プラズマ溶射方法を利用し、該金属ベースの表面に噴射鍍金されるセラミック膜層と、
該セラミック膜層上に焼結する歯科陶材層と、
を含むことを特徴とする高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項２】
更に、粘着剤を含み、該粘着剤は、前記歯床及び前記金属ベースの間に塗布されることを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項３】
前記セラミック膜層は、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム及びヒドロキシルアパタイトから構成されるグループ中のうちの１つから構成されることを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項４】
前記セラミック膜層は、前記歯床の前記外表面に噴射鍍金されることを特徴とる請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項５】
前記セラミック膜層は、前記歯床の前記外表面及び前記内表面に噴射鍍金され、前記金属ベースを完全に被覆することを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項６】
前記セラミック膜層の表面は、粗雑で平らでないことを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項７】
前記大気圧プラズマ溶射は、アルゴン、水素、窒素、ヘリウムのうち、１種又は２種以上の気体がイオン化した後に発生するアークを利用し、セラミック粉末をアークの火花の中心に注入し、それを溶融し、高圧の該気体を介し、前記金属ベースに高速噴射被覆し、前記セラミック膜層を形成することを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【請求項８】
前記金属ベースは、ニッケル、クロム、チタン、白金、パラジウム、銅、亜鉛、金、銀等の金属又はその組み合わせから構成されることを特徴とする請求項１に記載の高連結力を具える口腔歯材構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１２−２３９６６０（Ｐ２０１２−２３９６６０Ａ）
【公開日】平成２４年１２月１０日（２０１２．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１１３０００（Ｐ２０１１−１１３０００）
【出願日】平成２３年５月２０日（２０１１．５．２０）
【出願人】（５１１１２３３４８）旭達生技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１２月１０日（２０１２．１２．１０）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年５月２０日（２０１１．５．２０）
【出願人】（５１１１２３３４８）旭達生技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Ｆターム（参考）】
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