説明

高野豆腐の煮崩れ防止方法及びその方法により得られる水煮、低塩煮又はスープ煮

【課題】煮汁の調味料成分濃度に影響を受けない高野豆腐の煮崩れ防止法並びにその方法を使用した高野豆腐の加工食料品を得る。
【解決手段】乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液で、又はそれらの任意の混合溶液で煮る。溶液の濃度は、0.005〜1.0%である。溶液に食塩を添加してもよい。別法として、乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液又はそれらの任意の混合溶液に2分以上浸漬させた後で、水煮をしてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高野豆腐の荷崩れ防止方法及びその方法により得られる水煮、低塩煮又はスープ煮に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高野豆腐は、単独又は野菜と一緒に煮込んだ惣菜として一般に親しまれてきた。
【0003】
高野豆腐の調理法としては、調味料として醤油、みりん、塩、砂糖を使用し、これらを昆布やカツオの出し汁で溶かした調味液で煮込むのが一般的である。高野豆腐を煮るとき、調味液に含まれる塩分や糖類の濃度を一定量保つことが大切である。一定の塩分濃度の調味液で高野豆腐を煮込めば煮崩れせずに煮ることができるが、薄味を求めて塩分が低濃度の調味液で煮込んだときには煮崩れしてしまうからである。(「煮崩れ」とは、溶けて豆乳のようになってしまうことをいい、場合によれば全く形をとどめないものになることがある。)そのため、現在も高野豆腐は比較的濃いしっかりした味付けの和食の煮込み料理以外にほとんど使用されていない。
【0004】
上記したように、高野豆腐の煮崩れと調味液の濃度の間には密接な関係があり、この関係を度外視して塩分が低濃度の高野豆腐の煮物加工品を製造することはできないと一般に考えられてきた。
【0005】
少量の調味料濃度でも煮崩れせず、良好な食感を持ち、尚且つ高野豆腐の持つ本来の大豆の風味を損なうことなく高野豆腐の煮物を製造することができれば、高野豆腐を和食のみならず、中華・洋食の素材として用途が拡大することが期待される。
【0006】
そこで、本出願人は、特開2003−160590(特許文献1)において、煮汁の調味料成分濃度に影響を受けない高野豆腐の煮崩れ防止法並びにその方法を使用した高野豆腐の加工食料品を提案した。この特許文献1の方法は、乾燥高野豆腐を海水天然にがり(粗製海水塩化マグネシウム)溶液で煮ることを特徴としている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、上記特許文献1における海水天然にがり(粗製海水塩化マグネシウム)を他の添加物に代替させることはできないかと考えて、試行錯誤を重ねて、本発明を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の高野豆腐の荷崩れ防止方法は、乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン(以上4種類)のいずれかの単独溶液で煮ることを特徴としている(請求項1)。
【0009】
本発明別法の高野豆腐の荷崩れ防止方法は、乾燥高野豆腐を、塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン(以上6種類)の任意の混合溶液で煮ることを特徴としている(請求項8)。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、それ自体豆腐凝固用として認められている添加剤を使用することにより、特許文献1の従来技術と同様に、煮汁の調味料成分濃度に影響を受けない高野豆腐の煮崩れ防止法並びにその方法を使用した高野豆腐の加工食料品が得られた。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液で煮る場合の濃度は、0.005〜1.0%が好ましく(請求項2)、より好ましくは、0.01〜0.5%である。なお、本明細書において、%は重量%を表す。
【0012】
なお、この4種類の添加物に関して、好ましい溶液濃度に若干の相違が見られた。最適の範囲は、塩化カルシウム0.01〜0.3%、硫酸マグネシウム0.01〜0.4%、硫酸カルシウム0.01〜0.4%、グルコノデルタラクトン0.01〜0.3%である。
【0013】
塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液を使用する場合の合計濃度は、0.005〜1.0%が好ましく(請求項9)、より好ましくは、0.01〜0.5%である。
【0014】
前記塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に食塩を添加することもできる(請求項3)。食塩の添加量は、好ましくは0.001〜2.0%、より好ましくは0.1〜1.0%である。
【0015】
塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液を使用する場合も食塩を添加することもできる(請求項10)。食塩の添加量は、好ましくは0.001〜2.0%、より好ましくは0.1〜1.0%である。
【0016】
乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に2分以上、好ましくは3分以上、浸漬させた後で、水煮をすることもできる(請求項4)。その際の浸漬温度は、15〜90℃が好ましく、より好ましくは、40〜70℃である。
【0017】
塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液を使用する場合も2分以上、好ましくは3分以上、浸漬させた後で、水煮をすることもできる(請求項11)。その際の浸漬温度は、15〜90℃が好ましく、より好ましくは、40〜70℃である。
【0018】
別法として、乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に2分以上、好ましくは3分以上、浸漬させた後で、食塩水で煮ることもできる(請求項5)。その際の浸漬温度は、15〜90℃が好ましく、より好ましくは、40〜70℃である。
【0019】
塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液を使用する場合も2分以上、好ましくは3分以上、浸漬させた後で、食塩水で煮ることもできる(請求項12)。その際の浸漬温度は、15〜90℃が好ましく、より好ましくは、40〜70℃である。
【0020】
さらに別法として、乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に、2分間以上、より好ましくは3分間以上、浸漬させた後、高野豆腐を袋又は容器に充填し、水・食塩水又は各種のスープ類を注入して密封し加熱殺菌して、高野豆腐の水煮・低塩煮又はスープ煮を得ることもできる(請求項6,7)。その際の浸漬温度は、15〜90℃が好ましく、より好ましくは、40〜70℃である。
【0021】
塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液を使用する場合も2分間以上、より好ましくは3分間以上、浸漬させた後、高野豆腐を袋又は容器に充填し、水・食塩水又は各種のスープ類を注入して密封し加熱殺菌して、高野豆腐の水煮・低塩煮又はスープ煮を得ることもできる(請求項13,14)。その際の浸漬温度は、15〜90℃が好ましく、より好ましくは、40〜70℃である。
【0022】
上記実施形態において、「高野豆腐」には、粉末、刻み、カット、1枚ものまで全ての形状を含む。
【0023】
以下、実施例に基づき説明するが、本発明は実施例に限定されない。
【0024】
A.添加物:塩化カルシウム単独
【実施例1】
【0025】
濃度0.01〜0.5%の塩化カルシウム溶液を用意し、沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。
【実施例2】
【0026】
濃度0.01〜0.5%の塩化カルシウム溶液に、食塩0.1〜1.0%を添加し沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例3】
【0027】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の塩化カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞り、沸騰させた湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例4】
【0028】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の塩化カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。その後沸騰させ、食塩を0.1〜1.0%添加した湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例5】
【0029】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の塩化カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。そして、食塩を0.1〜1.0%添加食塩水といっしょに袋に充填し密封して、加熱殺菌装置で100℃30分間の処理をおこなう。
【0030】
【表1】

【実施例6】
【0031】
濃度0.10%の塩化カルシウム溶液を用意し、沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。
【実施例7】
【0032】
濃度0.10%の塩化カルシウム溶液に、食塩0.1〜1.0%を添加し沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例8】
【0033】
濃度0.10%、温度40〜70℃の塩化カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞り、沸騰させた湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例9】
【0034】
濃度0.10%、温度40〜70℃の塩化カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。その後沸騰させ、食塩を0.1〜1.0%添加した湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例10】
【0035】
濃度0.10%、温度40〜70℃の塩化カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。そして、食塩を0.1〜1.0%添加食塩水といっしょに袋に充填し密封して、加熱殺菌装置で100℃、30分間の処理をおこなう。
【0036】
【表2】

【0037】
B.添加物:硫酸カルシウム単独
【実施例11】
【0038】
濃度0.01〜0.5%の硫酸カルシウム溶液を用意し、沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。
【実施例12】
【0039】
濃度0.01〜0.5%の硫酸カルシウム溶液に、食塩0.1〜1.0%を添加し沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例13】
【0040】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の硫酸カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞り、沸騰させた湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例14】
【0041】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の硫酸カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。その後沸騰させ、食塩を0.1〜1.0%添加した湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例15】
【0042】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の硫酸カルシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。そして、食塩を0.1〜1.0%添加食塩水といっしょに袋に充填し密封して、加熱殺菌装置で100℃、30分間の処理をおこなう。
【0043】
【表3】

【0044】
C.添加物:硫酸マグネシウム単独
【実施例16】
【0045】
濃度0.01〜0.5%の硫酸マグネシウム溶液を用意し、沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。
【実施例17】
【0046】
濃度0.01〜0.5%の硫酸マグネシウム溶液に、食塩0.1〜1.0%を添加し沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例18】
【0047】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の硫酸マグネシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞り、沸騰させた湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例19】
【0048】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の硫酸マグネシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。その後沸騰させ、食塩を0.1〜1.0%添加した湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例20】
【0049】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃の硫酸マグネシウム溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。そして、食塩を0.1〜1.0%添加食塩水といっしょに袋に充填し密封して、加熱殺菌装置で100℃、30分間の処理をおこなう。
【0050】
【表4】

【0051】
D.添加物:グルコノデルタラクトン単独
【実施例21】
【0052】
濃度0.01〜0.5%のグルコノデルタラクトン溶液を用意し、沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。
【実施例22】
【0053】
濃度0.01〜0.5%のグルコノデルタラクトン溶液に、食塩0.1〜1.0%を添加し沸騰させる。沸騰させた時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例23】
【0054】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃のグルコノデルタラクトン溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞り、沸騰させた湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例24】
【0055】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃のグルコノデルタラクトン溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。その後沸騰させ、食塩を0.1〜1.0%添加した湯で中火にて10分間煮て火を止める。
【実施例25】
【0056】
濃度0.01〜0.5%、温度40〜70℃のグルコノデルタラクトン溶液を用意し、乾燥高野豆腐に2分間以上浸漬吸収させる。その後吸収させた溶液を軽く絞る。そして、食塩を0.1〜1.0%添加食塩水といっしょに袋に充填し密封して、加熱殺菌装置で100℃、30分間の処理をおこなう。
【0057】
【表5】

【0058】
E.添加物:塩化マグネシウム+塩化カルシウム
【実施例26】
【0059】
濃度0.001%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.002%分相当の塩化カルシウムを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度0.0003%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【実施例27】
【0060】
濃度0.01%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.02%分相当の塩化カルシウムを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度0.03%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【実施例28】
【0061】
濃度0.1%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.2%分相当の塩化カルシウムを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度0.3%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【実施例29】
【0062】
濃度0.6%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.6%分相当の塩化カルシウムを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度1.2%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【0063】
【表6】

【0064】
F.添加物:塩化マグネシウム+グルコノデルタラクトン
【実施例30】
【0065】
濃度0.001%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.002%分相当のグルコノデルタラクトンを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度0.003%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【実施例31】
【0066】
濃度0.01%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.02%分相当のグルコノデルタラクトンを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度0.03%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【実施例32】
【0067】
濃度0.1%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.2%分相当のグルコノデルタラクトンを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度0.3%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【実施例33】
【0068】
濃度0.6%分相当の塩化マグネシウムと濃度0.6%分相当のグルコノデルタラクトンを用意する。水にこれらを同時混合して、濃度1.2%の混合溶液にする。溶液を沸騰させる。沸騰した時点で乾燥高野豆腐を入れ、中火で10分間煮て火を止める。冷めたところで食感と形状を評価する。
【0069】
【表7】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2003−160590

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液で煮ることを特徴とする、高野豆腐の荷崩れ防止方法。
【請求項2】
前記塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液の濃度が、0.005〜1.0%である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に食塩を添加する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に2分以上浸漬させた後で、水煮をすることを特徴とする、高野豆腐の荷崩れ防止方法。
【請求項5】
乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に2分以上浸漬させた後で、食塩水で煮ることを特徴とする、高野豆腐の荷崩れ防止方法。
【請求項6】
乾燥高野豆腐を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンのいずれかの単独溶液に2分間以上浸漬させた後、高野豆腐を袋又は容器に充填し、水・食塩水又は各種のスープ類を注入して密封し加熱殺菌することを特徴とする、高野豆腐の水煮・低塩煮又はスープ煮を得る方法。
【請求項7】
請求項6の方法により得られる高野豆腐の水煮・低塩煮又はスープ煮。
【請求項8】
乾燥高野豆腐を、塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液で煮ることを特徴とする、高野豆腐の荷崩れ防止方法。
【請求項9】
前記塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液の合計濃度が、0.005〜1.0%である請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液に食塩を添加する請求項8又は9記載の方法。
【請求項11】
乾燥高野豆腐を、塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液に2分以上浸漬させた後で、水煮をすることを特徴とする、高野豆腐の荷崩れ防止方法。
【請求項12】
乾燥高野豆腐を、塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液に2分以上浸漬させた後で、食塩水で煮ることを特徴とする、高野豆腐の荷崩れ防止方法。
【請求項13】
乾燥高野豆腐を、塩化マグネシウム、天然にがり、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンの任意の混合溶液に2分間以上浸漬させた後、高野豆腐を袋又は容器に充填し、水・食塩水又は各種のスープ類を注入して密封し加熱殺菌することを特徴とする、高野豆腐の水煮・低塩煮又はスープ煮を得る方法。
【請求項14】
請求項13の方法により得られる高野豆腐の水煮・低塩煮又はスープ煮。