説明

高電圧開閉器装置

提案されるのは高電圧開閉器装置であって、絶縁支持ハウジングを介して架台上で支持される分配ハウジングとこの分配ハウジングに載置される開閉器とを有し、この開閉器が碍子とこの碍子によって取り囲まれる開閉室とこの開閉室内に受容された断路可能な接点とを有する。開閉器は、駆動装置によって操作可能な開閉棒を介して開閉可能であり、この開閉棒は支持ハウジングおよび分配ハウジングの内部に配置されている。少なくとも3つの開閉器(4)が分配ハウジング(3)に固着されており、各開閉器に個別の開閉棒(12、13、15、16、19、20、22)と個別の駆動装置(17)が付設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の高電圧開閉器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第2825744号明細書で公知の屋外設置用高圧ガス高電圧開閉器では、管状懸垂碍子が接地された懸垂ハウジングで支持され、分配ハウジングが懸垂碍子の上端に載置されている。分配ハウジングに続く2つの管状碍子内に各々開閉ユニットが配置されている。開閉ユニットは関節式に支承されたレバーを経て管状開閉要素と結合されており、この開閉要素は懸垂碍子により案内され、機械的駆動ユニットを経て操作可能である。管状開閉要素は枢支されたレバーを経て両開閉ユニットを操作する。
【0003】
同様の装置が欧州特許出願公開第1207601号明細書に述べられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は複数の開閉器を有する高電圧開閉器装置を提供することであり、個々の開閉器の可変操作が可能でなければならず、三相システムにおいても一層確実な利用が予定されていなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明によれば請求項1の前文と、特徴部分の特徴とにより解決される。
【0006】
少なくとも3つの開閉器を分配ハウジングに固着し、各開閉器に個別の開閉棒と駆動装置が付設することで、高電圧開閉器装置を可変に利用できる。高電圧開閉器装置内の開閉器の1つ、例えば断路器が故障しても、別の開閉器はそれに係りなく引き続き作動する。
【0007】
従属請求項に示す措置によって有利な諸構成、諸改善が可能である。
【0008】
各々1つの絶縁支持ハウジングと1つの分配ハウジングと少なくとも3つの開閉器と付属する各開閉棒とからなる3つのユニットを一緒に1つの枠架上に配置し、個々のユニットの開閉棒を連結リンクを介して各1つの駆動装置と結合すると特に有利である。これにより、ユニットを付設した各開閉器を別の開閉器と無関係に操作でき、1つの駆動装置の故障時、別の駆動装置は異なるユニットの付設された開閉器を引き続き操作できる。
【0009】
開閉器を、断路器、遮断器および/又は断路機能を持つ複合遮断器として構成し得る。
【0010】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳しく説明する。
【0011】
図1に示す高電圧装置は、例えばH回路、112、1および12遮断器装置、環状母線装置および二重母線装置での利用に適する。この装置は架台1上に配置された管状絶縁支持ハウジング2と、高電位の分配ハウジング3と、該ハウジングに取付けられた断路器4、ここでは3つの断路器とを有する。断路器は、各々碍子5で取り囲まれた開閉室6を含む。
【0012】
各断路器4の開閉室6の中にある断路可能な接触要素7、8は、この場合一方で開閉ピン7、他方で摺動接点8として形成されている。摺動接点8は各々外部端子9と結合されている。断路器4の各開閉ピン7は管10内をガイド11で案内され、棒12と結合されている。棒12は関節式に二重レバー13で枢支されており、この二重レバーはピボット軸受付き回転軸からなる旋回点14で回転可能に支承されている。各二重レバー(各断路器4に1つの二重レバー13が付設されている)で枢支された開閉棒15は支持ハウジング2に挿通され、その下端は、関節式レバーとピボット軸受付き軸とで構成された方向転換部16を介して、付属する断路器4用の駆動装置17と結合されている。駆動装置17は、好適にはモータ駆動装置として構成されている。
【0013】
各断路器4用に設けられているのは、個別の駆動装置17と個別の方向転換部16と個別の開閉棒15と個別の二重レバーと個別の棒12である。駆動装置17が外部制御装置で操作されると、方向転換部16を介して開閉棒15が垂直方向で下方に摺動し、これにより二重レバー13が下方に引っ張られ、棒12がガイド11および開閉ピン7と共に管10内を摺動し、開閉ピン7が摺動接点8から引き離される。各断路器4はこうして個々に操作できる。即ち、各開閉器は各々独自の空間距離と独自の開閉棒とを有する。
【0014】
図1では断路器4を分配ハウジング3の周面に配置しているが、断路器4の代わりに単に電源端子を、例えば蓋に設けることもできる。これを図1に蓋18で示している。
【0015】
図2に示す他の実施例では断路器4を1平面に配置している。図2の装置は、主として開閉棒の点で図1の装置と相違している。この場合、中央断路器4用開閉棒19は外側断路器4の開閉棒20と相違している。詳しくは、中央の開閉棒19が開閉ピン7とガイド11に直接連結されているのに対し、垂直に摺動可能に各開閉棒ガイド21に配置された外側の開閉棒20が連結棒22を介して開閉ピン7と結合されている。各連結棒22は関節式に開閉棒20およびガイド11で支承されている。
【0016】
図2による装置の下部には、図示しない駆動装置に対する操作軸23、24と連結部25が設けられている。機能様式は図1によるものと同じである。
【0017】
図3は三相システム用に適した高電圧開閉器装置を示す。この装置では、図2に示す3つのユニットを、相応する支持部27を備えた共通の結合枠26上に固着している。3つのユニット28、29、30が異なる極を形成する。付記しておくなら、図1に相応する1つのユニットも当然使用できる。この実施形態では、ここで2つのみが目視可能な3つの駆動装置17をユニット28の近傍に配置しており、上述のように開閉棒を介して付属する断路器4を操作する。3つのユニット28、29、30は、2つのみが見える3つの連結リンク31、32を介して相互に結合されている。より正確には、各連結リンク32は各駆動装置17をユニット28の開閉棒と結合し、連結リンク31は連結リンク32を介して駆動装置17を各ユニット29、30の開閉棒と結合する。
【0018】
ユニット28、29、30の断路器4の1つを操作すると、付属する駆動装置17が作動し、連結リンク31、32を介してモータによりユニット29、30が付属する各断路器4を操作する。
【0019】
上記実施例は、開閉器としての断路器で説明した。当然ながら、遮断器、断路機能付きの複合遮断器又は複合体も使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る高電圧開閉器装置の第1実施例を部分断面図で示す。
【図2】本発明に係る高電圧開閉器装置の他の実施例を断面図で示す。
【図3】本発明に係る高電圧開閉器装置の三相システムに適した他の実施例を示す。
【符号の説明】
【0021】
1 架台、2 支持ハウジング、3 分配ハウジング、4 断路器、5 碍子、6 開閉室、7 開閉ピン、8 摺動接点、9 外部端子、10 管、11 ガイド、12 棒、13 二重レバー、14 旋回点、15、19、20 開閉棒、16 方向転換部、17 駆動装置、18 蓋、21 開閉棒ガイド、22 連結棒、23、24 操作軸、25 連結部、26 結合枠、27 支持部、28、29、30 ユニット、31、32 連結リンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁支持ハウジングを介して架台で支持される分配ハウジングと、該分配ハウジングに載置される開閉器とを有する高電圧開閉器装置であって、
前記開閉器が碍子と該碍子によって取り囲まれる開閉室とこの開閉室内に受容された断路可能な接点とを有し、
開閉器が、駆動装置によって操作可能な開閉棒を介して開閉され、
前記開閉棒が支持ハウジングおよび分配ハウジングの内部に配置されたものにおいて、
少なくとも3つの開閉器(4)が分配ハウジング(3)上に固着され、各開閉器に個別の開閉棒(12、13、15、16、19、20、22)と個別の駆動装置(17)が付設されたことを特徴とする高電圧開閉器装置。
【請求項2】
三相システムの三相用に、支持ハウジング(2)と分配ハウジング(3)と分配ハウジングに固着された複数の開閉器(4)と付設された開閉棒とからなる3つのユニット(28、29、30)が架台(26、27)上に配置されており、同数の駆動装置(17)がユニット(28)の開閉器(4)と同様に設けられ、個々のユニット(28、29、30)が各々連結リンク(31)を介して互いに結合され、これら連結要素が個々のユニット(28、29、30)の開閉器の開閉棒を各駆動装置と結合することを特徴とする請求項1記載の高電圧開閉器装置。
【請求項3】
各開閉棒が、支持ハウジング(2)内に通る少なくとも1つの開閉棒(15、19、20)と、開閉器(4)の可動接点(7)と結合され、第1ヒンジ(13)を介して案内される少なくとも1つの連結棒(12、22)と、開閉棒(15、19、20)を駆動装置(17)又は駆動装置(17)との連結リンク(31)と結合する少なくとも1つの連結結合部(16、23、24、25)とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の高電圧開閉器装置。
【請求項4】
第1ヒンジが二重レバー(13)として構成され、回転軸でピボット軸受によって支承され、この二重レバーで開閉棒(15)および連結棒(12)が枢支されたことを特徴とする請求項3記載の高電圧開閉器装置。
【請求項5】
少なくとも1つの開閉棒(19)が可動接点(7)に直接連結されたことを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載の高電圧開閉器装置。
【請求項6】
開閉器が断路器および/又は遮断器として構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載の高電圧開閉器装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−511952(P2008−511952A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528816(P2007−528816)
【出願日】平成17年8月1日(2005.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053739
【国際公開番号】WO2006/024586
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(390039413)シーメンス アクチエンゲゼルシヤフト (2,104)
【氏名又は名称原語表記】Siemens Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Wittelsbacherplatz 2, D−80333 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】