説明

魚肉入り餃子

【課題】 従来の豚肉を主材とした餃子では得られなかった食味と食感を提供し、かつ現代人に不足している魚肉に含まれる栄養価が高く、良質な蛋白質や各種栄養素を美味で食し易いかたちで提供する。
【解決手段】 先ず、鯵、鯖、コチを3枚におろし、皮を剥ぎ、身衣及び中骨共に熱湯にて湯引きした後、冷水に浸漬した。これは臭みを除くと共に、魚肉中の余分な油分を除去するためである。次いで、これらをミートチョッパーやフードカッター等の手段により挽肉状にした後脱水する。白菜、キャベツ、ニラ、ニンニク、生姜、調味料等、通常の餃子の具の材料を準備し、魚肉50重量%対して40重量%となるように混練し、もろみ酢を7重量%程度加える。他、唐辛子、塩、醤油等の調味料を加えて混練した。こうして製造した餡を小麦粉製の包皮で包んだ後、通常の要領で焼き上げたり、水餃子を作った。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餡の中に魚肉を含有する食感及び風味に優れた魚肉入り餃子を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
餃子は、小麦粉に水を加えて練り上げて皮生地を作り、それを小分けして円盤状に薄く伸ばして包皮を形成し、次いでこの皮で挽肉や細かく刻んだ野菜等を練り合わせた具材を包んで半月状に成形することにより製造される。そして、これを、焼く、煮る、茹でる、または蒸すなどの加熱処理により調理して食されている。餃子の具材としては多種多様のものが存在し、その中で差別化して個性を出すために、調理者は長年の経験を活かしてして材料の吟味や調理方法に工夫を凝らして如何に美味しく仕上げるかに傾頭している。
【0003】
一般的な餃子は豚肉を主材とし、さらに白菜やキャベツ等の野菜、香辛料、塩、砂糖、醤油、調味料、油等を好みに応じて適量加え作った餡を、小麦粉を主成分として水を加えて練って延ばした皮で包み、焼いたり、茹でたり、蒸したり、揚げたり等、様々な方法で加熱調理を施し、醤油と食酢を主成分とするタレにつけて食する食品である。そこで、更なる味の探求を目指して新規な餃子の開発が盛んに行われており、豚肉主体の餡に加えて他の野菜やそれ以外の様々な具材を含有させた餃子、豚肉に変えて牛肉、羊肉等を使用した餃子、烏賊墨を含有したもの等も開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3003980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、餃子は、豚肉を主材とすることにより、豚肉のもつ粘り、結着性、保水性、うま味等が各素材に一体感をもたらし、噛んだときもぱさぱさ感がなく、深みのある味を引き出しており、他の肉類では本当の意味での餃子は不可能である。したがって、豚肉主体では達成できなかった食味を加えていくことが新規な餃子開発の基本である。
【0006】
本発明は、従来の豚肉を主材とした餃子では得られなかった食味と食感を提供し、かつ現代人に不足している魚肉に含まれる栄養価が高く、良質な蛋白質や各種栄養素を美味で食し易いかたちで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明の魚肉入り餃子は、魚類の挽肉を主体とした餡にもろみ酢を加えてなることを特徴とする。
【0008】
本発明における魚肉入り餃子は、製造後、生のままでも従来に比して防腐効果があるが、冷凍することにより長期保存が可能となり、流通も容易となるのでより好ましい。さらに冷凍のまま加熱調理することにより型崩れなく、鮮度を保持したまま調理できる。本発明において、魚肉としては、鯵、鯖、鰯、さんま、鮪、コチ、ハモ等の魚肉が使用できるが、含有するEPA、DHA等の脂肪酸、タウリンの含有量の多さに鑑み、一般的に青魚として分類されているものが好ましい。使用される魚肉は挽肉のかたちが好ましく、魚肉以外の素材としては従来から餃子で使用されてきた素材の中から選ぶことができる。例えば、ネギ、玉ネギ、白菜、キャベツ、人参、ニラ、椎茸、セロリ、ニンニク、ショウガ等の野菜も混入できる。また、唐辛子等の香辛料、塩、砂糖、醤油、調味料、油等、必要に応じて使用できる。また、保存安定性を高める薬剤も必要に応じて添加できる。本発明の餃子はいかなる形状に加工してもよく、一般的な半月形、楕円形、柱状、自由に創作できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の優れた効果がある。
(1)青魚は高タンパク且つ低カロリーで良質の脂肪酸やミネラル、カルシウム等を多く含んでいるため、高齢者や病院食としても適している。
(2)もろみ酢を加えることで魚臭さが緩和されて食味を高め、防腐効果及びカルシウムの吸収率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本願発明に係る魚肉入り餃子の具体的な製造例について説明する。
【実施例】
【0011】
先ず、鯵、鯖、コチを3枚におろし、皮を剥ぎ、身衣及び中骨共に熱湯にて湯引きした後、冷水に浸漬した。これは臭みを除くと共に、魚肉中の余分な油分を除去するためである。次いで、これらをミートチョッパーやフードカッター等の手段により挽肉状にした後脱水する。白菜、キャベツ、ニラ、ニンニク、生姜、調味料等、通常の餃子の具の材料を準備し、45℃程度の熱湯をかけた後小さく刻んで脱水した。次いで、魚肉50重量%対して40重量%となるように野菜を混練し、もろみ酢を7重量%程度、他、唐辛子、塩、醤油等の調味料を加えて混練した。こうして製造した餡を小麦粉製の包皮で包んだ後、通常の要領で焼き上げたり、水餃子を作った。
【0012】
ここで、使用するもろみ酢は、以下のように製造される。焼酎を製造するには、麦と麹菌と酵母を原料とし、焼酎製造工程において、先ず、アルコール発酵を行ないもろみを製造する。そして、前記もろみを蒸留すると、蒸留液として焼酎が得られる。蒸留した後には、焼酎蒸留粕が残るが、本発明では、この焼酎粕を圧搾してもろみ液を分離し、このもろみ液をもろみ酢の主原料とした。
【0013】
次いで、上記工程で得られたもろみ液に真水の割水を加え希釈した後、煮沸する。本実施例では、もろみ液1000mlに真水700mlを加えて沸騰させた。次いでこれを濾し布等の常法にて濾過し、固形残渣物を除去した。濾過工程により重量比で約3割程度の固形残渣物が除かれ、1200ml〜1250mlのもろみ水4が得られた。
【0014】
次いで、このもろみ水4に甘味料としてのグラニュー糖5を50g、重量比でもろみ水量に対して約一割程度となるように米酢6を120ml加えると共に、重量比でもろみ水量に対して約ニ割程度となるようにケイ素バクテリア水を加えて混合した後、加熱殺菌した。
【0015】
ケイ素バクテリア水とは、飲料水をケイ酸塩バクテリアが含まれたひる石を含む粒状の鉱物(福島県小野町で産出されたひる石「小野鉱石」)に通水させて得られるものであり、ケイ素並びに微量要素がバランス良く溶出したミネラル水である。具体的には、小野鉱石に精密洗浄を施した後、飲料水に添加するかまたは接触(浸浸、通水、濾過、煮沸等)させて製造される。このとき、自己にない物質(例えば、水道水中の次塩素酸ナトリウム、水垢の原因となるタンパク質等)を吸着、捕獲するとともに、例えば、アルミニウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マグシウムイオン、ナトリウムイオン、鉄イオン、ケイ素イオン、硫酸イオン、塩素イオン等の各種イオンのうちの少なくとも1種を適度に放出する作用を生じる。さらに、原水(添加前の飲料水)の酸化還元電位を下げ、pHを上げ、電気伝導度を上げる作用を有する。そして、このような作用は、原水の温度依存が少なく、かつ瞬時に生じ、しかもその持続性に優れている。
【0016】
ケイ素バクテリア水に含まれるケイ素を摂取することで、人体のカルシウムの吸収率が向上する。また、ケイ酸塩バクテリアが吸着、捕獲した物質を分解する作用を有する。これにより、自己にない物質の吸着、捕獲能を長期間維持することができる。また、ケイ素酸塩バクテリアの存在は、原水の酸化還元電位を下げることにも寄与する。すなわち、酸化還元電位の低い水を摂取することで、身体を酸化させる活性酸素(フリーラジカル)を分解消去する
【0017】
参考までに、ケイ素バクテリア水の製造方法について述べる。
ケイ酸塩バクテリアが含まれたひる石を含む粒状の鉱物(福島県小野町で算出されたひる石「小野鉱石」)を主とする鉱石を原鉱として用いた。この原鉱は、ひる石を約21重量%含む花崗閃緑岩の風化生成物である。
まず、源鉱に対し水道水により粗洗浄を施し、空気中で5時間放置した。次いで、篩により粒径が約3〜7mmとなるように選別(分級)した。この粒状物30Kgに対し、外周に多数の排水孔が穿設された洗浄ドラムを用い精密洗浄を施した。精密洗浄の条件は、水道水(pH=7.1)の供給量10リットル/分で5分間洗浄を行い、ドラムの回転数は、10rpmとした、精密洗浄の後、洗浄物を自然乾燥して、平均粒径が約5.0mmの粒状の食品添加物を得た。この食品添加物の平均孔径は、約2.8μm、比表面積は、約0.4m/gであった。また、この食品添加物中に含まれるケイ素塩バクテリアの菌数(安定時)を分析したところ、1×1010個/mgであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚類の挽肉を主体とした餡にもろみ酢を加えてなることを特徴とする魚肉入り餃子。
【請求項2】
もろみ酢がケイ素バクテリア水を含んでなることを特徴とする請求項1記載の魚肉入り餃子。