説明

魚釣り機およびその制御方法

【課題】回転ドラムが巻下げ方向の回転になった場合、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために電磁クラッチへの印加電圧を制御して釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出すことを防止できる魚釣り機およびその制御方法を提供する。
【解決手段】 魚釣り機100は、電磁クラッチ20と、エンコーダ30と、制御部40と、回転ドラム60とを備え、制御部40は、エンコーダ30の出力信号から回転ドラム60の回転数を算出し、さらに回転ドラム60の回転方向を判別し、回転ドラム60が巻下げ方向の逆回転になったと判断される場合、算出された回転数に基づいて、釣り糸61にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる電磁クラッチ20への印加電圧の変更分を算出し、算出された印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を電磁クラッチ20に印加して釣り糸61にかかるテンションを所定値に保つよう制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ドラムが巻下げ方向の回転になった場合、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために電磁クラッチへの印加電圧を制御して釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出さないようにする魚釣り機およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、魚釣り機、例えばマグロ釣り機は、釣り糸を海に繰出したあと、駆動モータは常に巻上げ方向に回転し、電磁クラッチへの印加電圧は一定に設定されているため、釣り糸にかかった負荷によって回転ドラムの回転数が変化する。釣り糸が魚により強くかつ速い速度で引っ張られると、回転ドラムが逆回転になる場合もある。
【0003】
また、糸張力計測装置を具備する小型魚釣り用リールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この場合、リール本体にスプール軸を介して回転可能に支持されたスプールと、該スプールにドラグ力を付与するドラグ装置と、釣竿にリール本体を着脱自在に支持するためのスタンド部とを具備する魚釣り用リールにおいて、スタンド部は、一方板と他方板とで二層板に構成され、一方板は前記リール本体に固着され、他方板は前記釣り竿に固着され且つ前記一方板とは摺動可能にされ、釣糸に与えられた張力を前記二層板間のたわみ量に変換するように設けたたわみ梁と、該たわみ梁にかかるたわみ量を計測する計測手段と、該たわみ量から前記二層板間にかかる力を演算する演算手段と、該演算手段で演算された糸張力値を表示する表示手段とで構成する。
【0005】
スプールに巻かれた釣糸に対して、繰り出す方向に張力がかかると、スプールがその方向に引っ張られ、スタンド部の一方板が動かされ、たわみ梁がたわむようになる。そしてたわみ量を計測手段によって計測して、次に二層板間にかかる張力を演算手段によって演算する。演算値は表示手段によって表示されるので、釣り人はその表示値が釣糸の最大張力値内となるように、スタードラグを締め付けてリールを使用すれば良い。これにより、釣り人は勘に頼らずに有効な魚釣りができる。
【0006】
【特許文献1】特開平8−205725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、マグロは食いが立ったときに迅速に海の深いところに潜入する習性があるため、従来のマグロ釣り機の場合は、釣り糸が魚により強くかつ速い速度で引っ張られたとき、回転ドラムが慣性により釣り糸を大量に繰り出し、釣り糸はたわみが形成する。この場合、船の走行により、またはマグロ等魚はさらに釣り糸を引っ張ると、瞬間的大きな張力がかけられ、釣り糸が切れ易くなり、魚が逃げられるリスクが発生するという問題があった。
【0008】
また、特許文献1の場合、釣りの際に、釣り人は張力の表示値が釣糸の最大張力値内となるように、スタードラグを締め付ける必要があるため、上述したようなマグロ等魚を釣る場合には、適用できない。
【0009】
そこで、この発明は、回転ドラムが巻下げ方向の回転になった場合、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために電磁クラッチへの印加電圧を制御して釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出すことを防止できる魚釣り機およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る魚釣り機は、釣り糸を巻設し、巻下げ方向又は巻上げ方向に回転可能な回転ドラムと、該回転ドラムを駆動する駆動モータと、前記駆動モータの回転を前記回転ドラムに伝達する電磁クラッチとを備える魚釣り機において、前記回転ドラムの回転数および回転方向を検出する回転検出器と、該回転検出器の検出結果に基づいて前記電磁クラッチを制御する制御部とを具備し、前記制御部は、前記回転検出器の出力信号から前記回転ドラムの回転数を算出する回転数算出手段と、前記回転検出器の出力信号から前記回転ドラムの回転方向を判別する回転方向判別手段と、前記回転方向判別手段により前記回転ドラムが巻下げ方向の回転になったと判断される場合、前記回転数算出手段から得られた回転数に基づいて、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分を算出する印加電圧変更分算出手段と、予め設定された印加電圧より前記印加電圧変更分算出手段により算出された印加電圧の変更分を増加または減少させて印加電圧を調整する印加電圧調整手段とを備えるものである。
【0011】
例えば、前記印加電圧変更分算出手段は、前記回転数算出手段から得られた回転数と該回転数に対応する所定の定数との積を前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分として算出するようになされる。
【0012】
また、本発明に係る魚釣り機の制御方法は、釣り糸を巻設し、巻下げ方向又は巻上げ方向に回転可能な回転ドラムと、該回転ドラムを駆動する駆動モータと、前記駆動モータの回転を前記回転ドラムに伝達する電磁クラッチと、前記回転ドラムの回転数および回転方向を検出する回転検出器とを備える魚釣り機の制御方法であって、前記回転検出器の出力信号から前記回転ドラムの回転数を算出し、さらに前記回転ドラムの回転方向を判別し、前記回転ドラムが巻下げ方向の逆回転になったと判断される場合、算出された回転数に基づいて、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分を算出し、算出された印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を前記電磁クラッチに印加して釣り糸にかかるテンションを所定値に保つよう制御することを特徴とする。
【0013】
例えば、前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分は、得られた回転数と該回転数に対応する所定の定数との積で算出される。
【0014】
本発明においては、釣りをする際に制御部は、回転検出器の出力信号から回転ドラムの回転数を算出し、さらに回転ドラムの回転方向を判別し、回転ドラムが巻下げ方向の回転(逆回転)になったと判断される場合、算出された回転数に基づいて、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる電磁クラッチへの印加電圧の変更分を算出し、算出された印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を電磁クラッチに印加して釣り糸にかかるテンションを所定値に保つよう制御するようになされる。
【0015】
これにより、釣りの際に釣り糸が魚により引っ張られた場合、即ち回転ドラムが巻下げ方向の回転(逆回転)になった場合、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために電磁クラッチへの印加電圧を制御して釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出すことを防止することが可能となる。そのため、釣り糸切れにより魚が逃げられるリスクをなくすことが可能となる。
【0016】
また、回転検出器の出力信号から回転ドラムの回転方向を検出する方法を用いるため、簡単な構成でき、低コストを図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、釣りの際に釣り糸が魚により引っ張られた場合、即ち回転ドラムが巻下げ方向の回転(逆回転)になった場合、釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出すことを防止することができる。また、回転検出器の出力信号から回転ドラムの回転方向を検出する方法を用いるため、簡単な構成でき、低コストを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の魚釣り機およびその制御方法について説明する。
図1は、実施の形態としての魚釣り機の構成を示す図である。図2は、魚釣り機100の各軸間の位置関係を示すA−A断面図である。この図2において回転ドラム60、リング5およびローラ6を省略した場合を示している。また、図3は、魚釣り機100の設置状態を示す図である。また、図4は、魚釣り機100の制御系を示すブロック図である。
【0019】
図1乃至図3に示すように、釣り機100は、本体ケース1に配置された駆動モータ10と、駆動モータの回転を伝達する電磁クラッチ20と、回転検出器としてのエンコーダ30と、制御部40と、ドラム取付軸50と、回転ドラム60とから構成されている。
【0020】
本体ケース1は、船に取り付けるための取付ベース2、回動可能な固定具3、締め付けレバー4が設けられている。また、本体ケース1の下部に駆動モータ10が設置され、該駆動モータ10の駆動力が変速装置10aを経由し、チェーン11を介して電磁クラッチ20の入力軸に伝達される。電磁クラッチ20の出力軸は、チェーン21によりドラム取付軸50に連結されている。また、釣り糸61が巻かれた回転ドラム60はドラム取付軸50に固定されている。また、釣り糸61はリング5とローラ6を介して海に繰り出すようになされている。さらに、電磁クラッチ20の出力軸は、チェーン31によりエンコーダ30の入力軸に連結されている。
【0021】
電磁クラッチ20は、例えばパウダークラッチが用いられている。この電磁クラッチ20は、駆動側と被駆動側の回転子の間に細かな鉄粉を充填してあり、回転子の部分は外部から電磁石によって磁化することができるようになっている。クラッチが切れた状態では回転子同士は接触していないため動力の伝達は行われないが、回転子が磁化されると回転子の間隙にパウダー(細かな鉄粉)が吸い寄せられ間隙を埋めて動力を伝達する仕組みである。このタイプのクラッチでは磁力を調節することで伝達するトルクを細かく制御できる。なお、電磁クラッチ20は、パウダークラッチに限定されるものではない。
【0022】
エンコーダ30は、回転ドラム60の回転数および回転方向を検出する回転検出器としてのロータリエンコーダである。エンコーダ30の出力信号に基づいて、回転ドラム60の回転数を算出することができ、また回転ドラム60の回転方向を検出し、判別することができる。
【0023】
制御部40は、釣り機100の動作を制御するものである。図3に示すように、制御部40は、入力手段41と、表示手段42と、CPU43と、ROM44と、RAM45と、回転数算出手段46と、回転方向判別手段47と、印加電圧変更分算出手段48と、印加電圧調整手段49とを備えている。
【0024】
図4に示すように、エンコーダ30の出力信号は、回転数算出手段46と回転方向判別手段47に供給される。また、印加電圧調整手段49より調整された印加電圧を電磁クラッチ20に印加される。
【0025】
また、入力手段41を介して、釣り糸を海に繰出したあと、釣り糸には常に一定のテンションがかかっているように回転ドラム60を常に正回転方向に駆動する電磁クラッチ20への印加電圧の初期設定値等を入力することができる。なお、釣り糸にかかるテンションは水深により異なるので、印加電圧の初期設定値は釣り糸には常に所定のテンションがかかっているように設定される。また、表示手段42は、動作状態、および初期設定値等を表示することができる。
【0026】
回転数算出手段46は、エンコーダ30の出力信号に基づいて、回転ドラム60の回転数を算出するようになされる。また回転方向判別手段47は、エンコーダ30の出力信号に基づいて、回転ドラム60が巻上げ方向の回転(正回転)か巻下げ方向の回転(逆回転)かを判別するようになされる。
【0027】
また、印加電圧変更分算出手段48は、回転ドラム60が逆回転になったと判断される場合、得られた回転数に基づいて、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる電磁クラッチ20への印加電圧の変更分を算出するようになされる。例えば、印加電圧変更分算出手段48は、回転数算出手段46から得られた回転数と該回転数に対応する所定の定数との積を電磁クラッチ20への印加電圧の変更分として算出するようになされる。
【0028】
また、印加電圧調整手段49は、予め設定された電磁クラッチ20を駆動するための電圧設定値(または巻上力設定値)に印加電圧変更分算出手段48により算出された印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を電磁クラッチ20に印加するようになされる。
【0029】
次に、図面を参照しながら、魚釣り機の制御方法について説明する。図5は、魚釣り機100の巻き取り駆動制御動作を示すフローチャートである。
【0030】
釣りをする際に、図5に示すように、まず、ステップS1で、モータ駆動を開始する。ここで、釣り糸61を海に繰出したあと、駆動モータは常に巻上げ方向に回転する。
【0031】
次に、ステップS2で、回転ドラム20の回転数を算出する。ここで、回転数算出手段46は、エンコーダ30の出力信号に基づいて、回転ドラム20の回転数を算出する。
【0032】
次に、ステップS3で、回転ドラム20の回転方向は正回転か逆回転かを判断する。ここで、回転方向判別手段47は、エンコーダ30の出力信号に基づいて、回転ドラム20の回転方向を判断する。回転ドラム20の回転方向は巻上げ方向の回転(正回転)であると判断された場合には、ステップS4へ進む。
【0033】
ステップS4で、電磁クラッチ20への印加電圧の初期設定値で動作するように電圧クラッチ20を制御する。次に、ステップS7へ進む。
【0034】
一方、ステップS3で、回転ドラム20の回転方向は巻下げ方向の回転(逆回転)になったと判断される場合には、ステップS5へ進む。ステップS5で、回転数算出手段46により算出された回転数に基づいて、釣り糸61にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる電磁クラッチ20への印加電圧の変更分を算出する。例えば、印加電圧変更分=回転数×定数(Y)にて算出する。ここで、定数(Y)は、予め決められた、回転数に対応する所定の定数(例えば割合を示す定数)である。
【0035】
次に、ステップS6で、予め設定された電磁クラッチ20を駆動するための印加電圧設定値に印加電圧変更分算出手段48により算出された印加電圧変更分を加算または減算した印加電圧を電磁クラッチ20に印加する。例えば、電磁クラッチ20への印加電圧=印加電圧設定値+/−印加電圧変更分。これにより、釣り糸61の繰出量を抑制し、釣り糸61のたわみ形成を回避することができる。
【0036】
そして、ステップS7で、巻き取り駆動を終了するか否かを判断する。ここで、巻き取り駆動を終了すると判断された場合には、制御動作を終了する。一方、巻き取り駆動を終了しないと判断された場合には、ステップS2に戻り、上述した動作を繰り返す。
【0037】
なお、ステップS3で、回転ドラム20の回転方向は正回転であると判断された場合に、釣った魚が急に船に近づく等により釣り糸61にかかるテンションが変化するとき、上述した逆回転の場合と同様に電磁クラッチ20への印加電圧を調整して制御するようにしてもよい。
【0038】
このように本実施の形態においては、魚釣り機100は、本体ケース1に配置された駆動モータ10と、電磁クラッチ20と、エンコーダ30と、制御部40と、ドラム取付軸50と、回転ドラム60とから構成され、制御部40は、入力手段41と、表示手段42と、CPU43と、ROM44と、RAM45と、回転数算出手段46と、回転方向判別手段47と、印加電圧変更分算出手段48と、印加電圧調整手段49とを備えている。釣りをする際に、エンコーダ30の出力信号から回転ドラム60の回転数を算出し、さらに回転ドラム60の回転方向を判別し、回転ドラム60が巻下げ方向の回転(逆回転)になったと判断される場合、算出された回転数に基づいて、釣り糸61にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる電磁クラッチ20への印加電圧の変更分を算出し、算出された印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を電磁クラッチ20に印加して釣り糸61にかかるテンションを所定値に保つよう制御する。
【0039】
これにより、回転ドラムが巻下げ方向の逆回転になった場合、例えば釣りの際に釣り糸が魚により引っ張られた場合、電磁クラッチへの印加電圧を自動的に制御して釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出すことを防止することができる。そのため、釣り糸切れにより魚が逃げられるリスクをなくすことができる。
【0040】
また、回転検出器の出力信号から回転ドラムの回転方向を検出する方法を用いるため、簡単な構成でき、低コストを図ることができる。
【0041】
なお、上述実施の形態においては、自動的に印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を電磁クラッチ20に印加して釣り糸61にかかるテンションを所定値に保つよう制御するものについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、算出された印加電圧の変更分を表示部42に表示し、これに基づいて手動で電磁クラッチ20への印加電圧を増加または減少させて調整するようにしてもよい。
【0042】
また、上述実施の形態において、回転数に基づいて、印加電圧変更分算出手段48により電磁クラッチ20への印加電圧変更分を算出し、電磁クラッチ20を制御する方法について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、釣り糸の張力を測定して、得られた張力に基づいて、印加電圧変更分算出手段48により電磁クラッチ20への印加電圧変更分を算出し、電磁クラッチ20を制御するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
この発明は、マグロ等の釣り機において、魚により引っ張られた場合、電磁クラッチへの印加電圧を手動または自動的に制御して釣り糸の繰出量を必要以上に繰り出すことを防止する目的に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施の形態の魚釣り機の構成例を示す図である。
【図2】魚釣り機100の各軸間の位置関係を示す図である。
【図3】魚釣り機100の設置状態を示す図である。
【図4】魚釣り機100の制御系を示すブロック図である。
【図5】魚釣り機100の巻き取り駆動制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 本体ケース
2 取付ベース
10 駆動モータ
10a 変速装置
11,21,31 チェーン
20 パウダークラッチ
30 エンコーダ
40 制御部
41 入力手段
42 表示手段
43 CPU
44 ROM
45 RAM
46 回転数算出手段
47 回転方向判別手段
48 電圧増加分算出手段
49 印加電圧調整手段
50 ドラム取付軸
60 回転ドラム
61 釣り糸
100 魚釣り機








【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸を巻設し、巻下げ方向又は巻上げ方向に回転可能な回転ドラムと、該回転ドラムを駆動する駆動モータと、前記駆動モータの回転を前記回転ドラムに伝達する電磁クラッチとを備える魚釣り機において、
前記回転ドラムの回転数および回転方向を検出する回転検出器と、該回転検出器の検出結果に基づいて前記電磁クラッチを制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、
前記回転検出器の出力信号から前記回転ドラムの回転数を算出する回転数算出手段と、
前記回転検出器の出力信号から前記回転ドラムの回転方向を判別する回転方向判別手段と、
前記回転方向判別手段により前記回転ドラムが巻下げ方向の回転になったと判断される場合、前記回転数算出手段から得られた回転数に基づいて、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分を算出する印加電圧変更分算出手段と、
予め設定された印加電圧より前記印加電圧変更分算出手段により算出された印加電圧の変更分を増加または減少させて印加電圧を調整する印加電圧調整手段とを備えることを特徴とする魚釣り機。
【請求項2】
前記印加電圧変更分算出手段は、前記回転数算出手段から得られた回転数と該回転数に対応する所定の定数との積を前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分として算出することを特徴とする請求項1に記載の魚釣り機。
【請求項3】
釣り糸を巻設し、巻下げ方向又は巻上げ方向に回転可能な回転ドラムと、該回転ドラムを駆動する駆動モータと、前記駆動モータの回転を前記回転ドラムに伝達する電磁クラッチと、前記回転ドラムの回転数および回転方向を検出する回転検出器とを備える魚釣り機の制御方法であって、
前記回転検出器の出力信号から前記回転ドラムの回転数を算出し、さらに前記回転ドラムの回転方向を判別し、
前記回転ドラムが巻下げ方向の逆回転になったと判断される場合、算出された回転数に基づいて、釣り糸にかかるテンションを所定値に保つために必要とされる前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分を算出し、
算出された印加電圧の変更分を予め設定された印加電圧に加算または減算した印加電圧を前記電磁クラッチに印加して釣り糸にかかるテンションを所定値に保つよう制御することを特徴とする魚釣り機の制御方法。
【請求項4】
前記電磁クラッチへの印加電圧の変更分は、得られた回転数と該回転数に対応する所定の定数との積で算出されることを特徴とする請求項3に記載の魚釣り機の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−104978(P2007−104978A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−299623(P2005−299623)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000151944)株式会社東和電機製作所 (16)
【Fターム(参考)】