説明

魚餌

【課題】特に魚類及び捕食性を持つ魚類の生活及び捕食性に対応し、魚類及び捕食性を持つ魚類を引き付け捕食させる魚餌の提供。
【解決手段】本発明の魚餌は、その本体がC字形の湾曲した構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は魚餌の構造に関し、詳細には、捕食性を持つ魚類を引き付け捕食させる魚餌の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、水産魚類の養殖においては、一般的に粒状や片状、棒状の魚餌を用いており、このような魚餌は水中に投げ入れると水の流れに沿って線的な動きで浮いているか、下に沈んでいくかであり、形状や動作で捕食性を持つ魚類を引き付けることができず、また自主的な動作や音、骨や甲殻の割れなどの効果も備えていないため、捕食性を持つ魚類を引き付けることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、特に魚類及び捕食性を持つ魚類の生活及び捕食性に対応し、魚類及び捕食性を持つ魚類を引き付け捕食させる魚餌を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達するため、本発明は以下の技術を採用する。本発明の魚餌は、その本体がC字形の湾曲した構造である。
【0005】
本発明で述べるC字形の湾曲構造は、棒状または片状の構造とする。
【0006】
本発明で述べる魚餌の湾曲した棒状の構造は、2つ以上のC字形の本体を繋げて成るS字形状の構造とすることができる。
【0007】
本発明で述べる魚餌のC字形構造は、その円弧弧度が120〜270度とすることができる。
【0008】
本発明で述べる魚餌のC字形構造は、その円弧弧度が150〜210度とすることができる。
【0009】
本発明で述べるC字形構造の二層以上の異なる材料は、本体の内側円弧と外側円弧に二層に分けて設けることができる。
【0010】
本発明で述べるC字形構造は、捩れた形状のC字形構造とすることができる。
【0011】
本発明で述べる魚餌は、二層以上の材料密度の異なる分層構造とすることができる。
【0012】
本発明で述べる魚餌は、二層以上の吸水性の異なる材料の分層構造とすることができる。
【0013】
本発明で述べる魚餌は、円柱状でその表層と芯部が二層以上の材料密度の異なる材料の分層構造、または二層以上の吸水性の異なる材料の分層構造とすることができる。
【0014】
本発明で述べる魚餌のC字形の湾曲した棒状の構造体は、その側面中段部に歯形槽を設ける。
【0015】
本発明で述べる魚餌のC字形の湾曲した棒状の構造体において、その側面中段部に設けた歯形槽はC字形湾曲構造体の内側円弧または外側円弧上に分布される。
【0016】
本発明で述べる魚餌の本体は、二層以上の異なる材料密度の分層板状構造とすることができる。
【0017】
本発明で述べる魚餌の各層の材料は吸水性の異なる材料とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、現有技術と比較すると、魚餌の本体に曲線形の湾曲した棒状の構造を採用しており、魚に食べられるとき、湾曲の中心付近の位置が割れ、振動波を発しやすく、水面上に浮いているときは水面の波動を受けて不規則に揺動し、生物のような動態を呈し、下に沈むときはそのものが湾曲した形状であるため不規則な非線性の動きをし、捕食性魚類を引き付けて捕食させることができる。表層と内層に吸水率及び密度の異なる構造を採用すれば、水に撒いたとき水分を吸収して自主的な動作をし、また、昆虫外殻や魚類内部の骨格の性質に似て、捕食されたときに骨や甲殼が砕けるような振動波を発生し、魚類の捕食意欲を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明についてより詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
図1、2、3、3−1、4、4−1に本発明のC字形構造の具体的な実施例を示す。魚餌の本体1は湾曲した弧状の構造体であり、C字形に湾曲した棒状の構造体または片状の構造体(図5−1参照)とすることができ、また、C字形の構造体を繋げて成るS字形の棒状構造体(図6参照)または片状構造体としてもよい。且つ、魚餌本体1のC字形構造の内側円弧11と外側円弧12に二層以上の分層構造を採用し、各層の材料配合密度を異なるようにすることができる。
【0021】
本発明の魚餌本体1のC字形構造の湾曲度は大きく、その円弧の弧度は120〜270度とすることができ、その円弧の弧度の最良の範囲は150〜210度、または180度程度とし、これにより魚餌が入水した後の形状変化において有利となる。本発明の魚餌本体1のC字形構造は、図2−1に示すように、捩れた形状のC字形構造としてもよく、これにより入水後の骨や甲殼が割れるときの振動波の発出に有利であり、魚類の捕食意欲を促進することができる。
【0022】
本発明の魚餌本体1の外側円弧の内部密度は、内側円弧の内部密度より大きくまたは小さくすることができる。魚餌構造体の外側円弧の物質の吸水性は、内側円弧の吸水性より高く、または低くすることができる。
【実施例2】
【0023】
図5に示すように、本発明の魚餌の本体1は、板状の二層以上の分層構造13、14、15を採用してもよく、各層の材料の密度は必要に応じて増加させたり減少させたりする。各層の物質の吸水性は順序に従い隣接する層の吸水性より高くまたは低くすることができる。
【0024】
再度図5に示すように、本発明の板状の構造は、内側と外側の密度の差異を利用し、同時に吸水するとき、密度が大きいほうの側が吸水速度の違いにより湾曲を起し、図5−1に示すように部分的に弧度を変え、自主的に動く機能が形成され、魚類の捕食意欲を促進する。内側と外側の密度の制御は、飼料を押し出すときの圧力を変化させたり、内側と外側に吸水性の異なる材料を使用することで達成することができる。
【0025】
本発明の魚餌本体1は、単層の湾曲構造(図1、2、3参照)または二層以上の分層湾曲構造(図4、5、6参照)を採用することができ、或いは棒状の魚餌本体1の内芯16と外囲17を異なる成分の材料とすることができる(図7、9)。
【0026】
図11、12、13に示すように、本発明の魚餌本体1のC字形湾曲棒状の構造は、その側面に連続した歯形槽18、19を設けることができ、この歯形槽18、19をC字形湾曲構造の内側円弧または外側円弧上に分布させるか、各側面にそれぞれ配置し、これにより餌を与えるときより迅速に水分を吸収させて自主的動作をさせ、魚類の捕食意欲を促進することができる。
【0027】
本発明で述べる魚餌本体1の外形は、魚や昆虫、蝦などの生物を模倣してもよい(図7、8、9参照)。
【0028】
本発明は、魚餌の本体1を曲線形の湾曲棒状の構造とすることで、魚に捕食されるとき、湾曲の中心付近の位置が割れやすく、振動波を発出しやすくなり、水面上に浮いているときは、水面の波動を受け不規則な揺動を形成し、生物のような動態を呈し、下に沈むときは、そのものの湾曲した形状により不規則な非線性の動きが形成され、捕食性魚類を引き付けて捕食させることができ、また、片状や生物を模倣した形態に作ることもできる。内側と外側の密度の差異を利用し、同時に吸水するとき密度が大きい側が吸水速度の違いにより湾曲を起こし、部分的に弧度が変化し、自主的に動く動作が形成され、吸水率が遅い側が圧迫をうけると断裂を起こし、甲殼が割れるような音波を発出し、魚類の捕食意欲を促進することができる。内側と外側の密度の制御は、飼料を押し出すときの圧力を変化させたり、内側と外側に吸水性の異なる材料を使用することで実現可能である。円柱状の魚餌は表層と内層に吸水率及び密度が異なる構造を採用すると、昆虫の外殼または魚類内部の骨のような性質を作り出すことができ、捕食されたときに骨や甲殼が砕けるときのような振動波を発し、魚類の捕食意欲を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例の立体図である。
【図2】本発明のC字形構造の円弧弧度が180度の実施例を示す平面図である。
【図2−1】本発明のC字形構造を捩れた形状とした実施例を示す立体図である。
【図3】本発明のC字形構造の円弧弧度が最小の120度である実施例を示す平面図である。
【図3−1】図3の実施例の入水時の変化した状態を示す平面図である。
【図4】本発明のC字形構造の円弧弧度が最大の270度である実施例を示す平面図である。
【図4−1】図4の実施例の入水時の変化した状態を示す平面図である。
【図5】本発明の板状の二層以上の密度の異なる材料を含む構造の実施例を示す立体図である。
【図5−1】図5の実施例の入水時の変化状態を示す平面図である。
【図6】本発明のS字形状の実施例を示す平面図である。
【図7】本発明の蝦形状の実施例を示す立体図である。
【図8】本発明の魚形状の実施例を示す平面図である。
【図9】本発明の円柱(虫)形状の実施例を示す立体図である。
【図9−1】本発明の円柱(虫)形状の別の実施例を示す立体図である。
【図10】本発明の実施例の図1におけるA-A線での断面を示す断面図である。
【図11】本発明のC字形の実施例を示す立体図である。
【図12】本発明のC字形の別の実施例を示す立体図である。
【図13】本発明のC字形のさらに別の実施例を示す立体図である。
【符号の説明】
【0030】
1 魚餌本体
11 内側円弧
12 外側円弧
13、14、15 分層構造
16 内芯
17 外囲
18、19 歯形槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体がC字形の湾曲した構造体であることを特徴とする魚餌。
【請求項2】
前記C字形の湾曲した構造体が棒状または片状であることを特徴とする、請求項1に記載の魚餌。
【請求項3】
前記魚餌の湾曲した棒状の構造体が2つ以上のC字形の構造体を繋げて成るS字形状の構造体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の魚餌。
【請求項4】
前記魚餌のC字形構造体の円弧弧度が120〜270度であることを特徴とする、請求項1に記載の魚餌。
【請求項5】
前記魚餌のC字形構造体の円弧弧度が150〜210度であることを特徴とする、請求項4に記載の魚餌。
【請求項6】
前記C字形の構造体が二層以上の異なる材料を内側の円弧と外側の円弧に分けて層状に設置したことを特徴とする、請求項4または5に記載の魚餌。
【請求項7】
前記C字形の構造体が捩れた形状のC字形構造体であることを特徴とする、請求項4または5に記載の魚餌。
【請求項8】
前記魚餌が二層以上の密度の異なる材料の分層構造であることを特徴とする、請求項1または2に記載の魚餌。
【請求項9】
前記魚餌が二層以上の吸水性の異なる材料の分層構造であることを特徴とする、請求項1または2に記載の魚餌。
【請求項10】
前記魚餌が円柱状であり、その表層と芯部が二層以上の密度の異なる材料の分層構造、または二層以上の吸水性の異なる材料の分層構造であることを特徴とする、請求項3に記載の魚餌。
【請求項11】
前記C字形の湾曲した棒状の構造体側面に歯形槽を設けた、請求項1または2に記載の魚餌。
【請求項12】
前記C字形の湾曲した棒状の構造体側面に設けた歯形槽が前記C字形構造体の内側円弧または外側円弧上に分布された、請求項11に記載の魚餌。
【請求項13】
本体が二層以上の密度の異なる材料の分層構造を備え、平らな板状の構造体である魚餌。
【請求項14】
前記魚餌の各層の材料が吸水性の異なる材料から成ることを特徴とする、請求項13に記載の魚餌。

【図1】
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【図2】
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【図2−1】
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【図3】
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【図3−1】
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【図4】
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【図4−1】
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【図5】
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【図5−1】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9−1】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−125015(P2007−125015A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295084(P2006−295084)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(500293766)
【Fターム(参考)】