鮮度情報検出用インジケータホルダ
【課題】食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断し、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定する。
【解決手段】時間経過と周囲温度とにより膨張変化する低温管理インジケータ30を挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用とされ、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置25により所定の流通ポイントにて感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、鮮度情報管理サーバ10に向けて鮮度情報とともに送信するためのホルダ情報を出力するインジケータホルダ31を用いる。
【解決手段】時間経過と周囲温度とにより膨張変化する低温管理インジケータ30を挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用とされ、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置25により所定の流通ポイントにて感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、鮮度情報管理サーバ10に向けて鮮度情報とともに送信するためのホルダ情報を出力するインジケータホルダ31を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間経過と周囲温度とにより膨張変化するインジケータを挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用インジケータホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
野菜や食肉、あるいは惣菜などの食品については、食品処理工場においてパック詰めされたあと、販売店にて販売されるまでの間、品質を維持するため、所定値以下の温度環境を維持する必要がある。すくなくとも、所定値以上の温度環境に所定時間置かないよう管理する必要がある。
【0003】
従来から、搬送時などの流通過程における食品の温度管理が適正になされているか否かについては、各流通業者による自己申告に委ねられている。このため、食品の温度管理が適正になされているか否かを客観的かつ的確に判断することはできなかった。
【0004】
近年、食品の温度管理が適正であるか否かを客観的に判断可能なものとして、低温管理インジケータと呼ばれるものが提案されている(非特許文献1)。
【0005】
この低温管理インジケータは、所定値以上の温度環境下でガスを発生するパン酵母と糖とを含む反応溶液が収容された透明の小袋により構成され、食品の包装の外部に貼付されて使用される。そして、低温管理インジケータ内に発生しているガス量を目視することによって、温度管理が適正になされていたか否かが判定され、鮮度管理が適正であったか否かが判断される。
【0006】
【非特許文献1】川本 伸一著、“安全・簡便な温度管理用微生物センサーの開発”。[online]、[平成18年4月5日検索]、インターネット<URL:http://www.nfri.affrc.go.jp/guidance/katsudo/pdf/kanko_kouen16/54.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した非特許文献1に記載された従来の鮮度管理判定方法では、人間の目によって低温管理インジケータ内のガス量を推定するようにしているので、鮮度管理が適正であったか否かの判断にバラツキが生じるおそれがあるという問題があった。また、ガス量の発生量により温度管理が適正であったか否かを推定することは可能であるが、適正でないと推定される場合に、流通過程におけるどの過程で温度管理が不適正に行われたかを特定することはできないという問題もあった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解消し、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することが可能な鮮度情報管理システムを実現可能な鮮度情報検出用インジケータホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の鮮度情報検出用インジケータホルダは、時間経過と周囲温度とにより膨張変化するインジケータを挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用インジケータホルダであって、挟持している前記インジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、前記インジケータから受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、前記鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置により所定の流通ポイントにて前記感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、前記鮮度情報管理サーバに向けて前記鮮度情報とともに送信するための前記インジケータホルダを識別可能なホルダ情報を出力するホルダ情報出力手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記のように構成したことで、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することができる鮮度情報管理システムを実現可能な鮮度情報検出用インジケータホルダを提供することができる。
【0011】
鮮度情報管理サーバは、鮮度情報検出装置によって検出された鮮度情報に流通ポイントを示す流通経路情報とホルダ情報とが付加された鮮度報告情報を通信ネットワークを介して受信する鮮度報告情報受信手段と、受信した鮮度報告情報が示すホルダ情報に対応付けして、流通経路情報が示す流通ポイントでの鮮度情報として、受信した鮮度報告情報が示す鮮度情報を保存する鮮度情報保存手段とを有するように構成されていてもよい。
【0012】
インジケータは、例えば、ビニル製の小袋にパン酵母を含む液体が収納されてなり、周囲温度が所定温度以上であるときにその温度に応じて時間経過とともに前記パン酵母がガスを発生することにより膨張変化するものである。
【0013】
鮮度情報検出用インジケータホルダは、例えば、インジケータを上板部と底板部とで挟持するサンドイッチ型に形成され、前記上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている。あるいは、鮮度情報検出用インジケータホルダは、例えば、インジケータを収納するジャケット型に形成され、前記インジケータホルダにおける上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている。
【0014】
鮮度情報検出用インジケータホルダは、例えば、挟持しているインジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、その表面に感圧塗料が塗付されることによって感圧材として形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することが可能な鮮度情報管理システムを実現可能な鮮度情報検出用インジケータホルダを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す鮮度情報管理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、鮮度情報管理システム100は、鮮度情報管理サーバ10と、食品処理工場で管理されている工場サーバ20と、店舗で管理されている店舗サーバ40と、消費者によって管理されている消費者端末50とを含む。なお、消費者端末50には、ICタグリーダ51が接続されている。
【0017】
鮮度情報管理サーバ10、工場サーバ20、店舗サーバ30、および消費者端末50は、それぞれ、例えばインターネットなどの通信ネットワーク60に接続されている。
【0018】
なお、図1では、ある1つの店舗内に設置される店舗サーバ30が示されているが、複数の店舗内にそれぞれ設置される複数の店舗サーバが鮮度情報管理システムに含まれていてもよい。
【0019】
鮮度情報管理サーバ10、工場サーバ20、および店舗サーバ30は、それぞれ、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。また、消費者端末50は、パーソナルコンピュータや携帯通信端末などの情報処理装置によって構成される。
【0020】
鮮度情報管理サーバ10は、例えば鮮度情報管理システム100のシステム管理者によって管理される本部サーバであり、商品の鮮度情報を収集し管理するための各種の処理を実行する。鮮度情報管理サーバ10は、各商品の鮮度を示す鮮度情報などが格納される管理サーバDB11を備えている。
【0021】
工場サーバ20は、食品処理工場を管理する工場管理者によって管理され、工場において管理する各種情報が格納される工場サーバDB21を備えている。また、工場サーバ20には、LANなどの通信ネットワーク22により、コード印字装置23と、ICタグリーダ24と、鮮度情報検出装置25とが接続されている。
【0022】
店舗サーバ40は、例えば、店舗を管理する店舗管理者によって管理され、店舗において管理する各種情報が格納される店舗サーバDB41を備えている。また、店舗サーバ40には、LANなどの通信ネットワーク42により、ICタグリーダ43と、鮮度情報検出装置44とが接続されている。
【0023】
本例では、食品処理工場において、食品処理工場にて生産された食品がパック詰めされるときに、低温管理インジケータ30がインジケータホルダ31にセットされ、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31が食品パッケージ32に添付される。すなわち、食品がパッキングされるときに、そのそれぞれの食品パッケージの内部あるいは外部に、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31が貼付などの方法によって添付される。なお、このとき、鮮度情報検出装置25,44によって鮮度情報が確実に検出されるように、食品パッケージに低温管理インジケータ30を固定するようにすることが好ましい。
【0024】
図2は、低温管理インジケータ30の外観を示す斜視図である。低温管理インジケータ30は、パン酵母と、糖分と、水とを主成分として生成された液体をビニル製の小袋に充填してなるものである。パン酵母と、糖分と、水との割合は、鮮度管理対象の食品に求められる適正管理温度や賞味期限などによって調整される。パン酵母は、例えば―20℃でも生きている低温耐性パン酵母が用いられる。よって、低温管理インジケータ30は、使用開始前は、パン酵母が糖を発酵させない温度であって、パン酵母が生きていられる所定の温度で保管される。なお、使用を開始するまでパン酵母と糖とを別個に保管しておき、使用開始時に混ぜ合わせて低温管理インジケータ30を生成するようにしてもよい。小袋は、食品を収納するパックに十分収容可能な程度の大きさとされ、本例では透明であっても不透明であってもよい。また、小袋は、伸縮可能な素材であれば、ビニル製でなくてもよい。なお、低温管理インジケータ30は、時間と温度によりパン酵母が糖を発酵する際にガス(二酸化炭素)を産生し、小袋内のガス量により、食品の安全性を目で確認することができるものとして、従来から提案されているものである(非特許文献1参照)。
【0025】
低温管理インジケータ30は、低温で管理されている間は図2(A)に示すような初期状態を維持するが、所定温度以上の状況下に置かれると、時間経過とともにガスが発生してきて図2(B)に示すような子袋が膨張した状態になる。さらに時間が経過すると、図2(C)に示すような子袋がさらに膨張した状態となる。
【0026】
図3は、インジケータホルダ31の外観の例を示す斜視図である。インジケータホルダ31は、板状に形成される上面部31Aと、上面部31Aに対応して板状に形成される底面部31Bと、上面部31Aと底面部31Bとを1辺で連結する連結部31Cとにより構成される。本例では、インジケータホルダ31は、上面部31Aと、底面部31Bと、連結部31Cとが一体形成されて成る。また、インジケータホルダ31は、ガスが発生していない状態の低温管理インジケータ30が隙間無く挿設されるように、上面部31Aと底面部31Bとの間隔が定められている。
【0027】
インジケータホルダ31は、ICチップ31cを備えている。インジケータホルダ31は、上面部31Aと底面部31Bとの間に形成される低温管理インジケータ収納部にセットされた低温管理インジケータ30が膨張したことにより受ける圧力応じて、低温管理インジケータ30を構成する小袋が破裂しない程度に、上面部31Aと底面部31Bとがそれぞれその間隔を広げる方向に撓むような、可撓性を有する素材によって形成される。
【0028】
インジケータホルダ31は、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面(具体的には、上面部31Aの底面と、底面部31Bの上面)の少なくとも一部が、低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材(発光材)により形成されている。外力によって発光する感圧材としては、例えばメリライト型構造の酸化物からなる母体材料により形成されたもの(特許文献1:特許第3273317号参照)などが知られている。本例では、図3に示すように、インジケータホルダ31における上面部31Aの底面側(図3には表れていない)と底面部31Bの上面側(図3におけるハッチング領域)とに、それぞれ感圧塗料(Pressure Sensitive Paint)が塗付された感圧塗料塗付部31a,31bが設けられることによって、感圧材として形成されているものとする。感圧塗料は、受けた圧力に応じて異なる特性で発光する塗料として知られているものである。
【0029】
本例では、インジケータホルダ31における上面部31Aの底面側と底面部31Bの上面側の全体に感圧塗料を塗付するようにしているが、上面部31Aの底面側のみ、底面部31Bの上面側のみ、上面部31Aの底面側の一部のみ、底面部31Bの上面側の一部のみに感圧塗料塗付部を設ける構成としてもよい。この場合、低温管理インジケータ30から最も高い圧力を受ける部分(例えば、上面部31Aにおける連結部31Cと反対側の辺の中央部であって、上面部31Aにおける底面部31B側、底面部31Bにおける連結部31Cと反対側の辺の中央部であって、底面部31Bにおける上面部31A側、上面部31Aの中央部分、底面部31Bの中央部分など)を感圧塗料塗付部に含めるようにすることが望ましい。
【0030】
図4は、インジケータホルダ31の低温管理インジケータ収納部に低温管理インジケータ30をセットした状態の例を示す斜視図である。そして、低温管理インジケータ30内にガスが発生すると図5に示すようにインジケータホルダ31の上面部31Aと底面部31Bとの間隔が広がった状態となるとともに、低温管理インジケータ30から受けている図4に示すときよりも強い圧力に応じて感圧塗料塗付部31a,31bが発光し、さらにガスが発生すると図6に示すようにインジケータホルダ31の上面部31Aと底面部31Bとの間隔がさらに広がった状態となるとともに、低温管理インジケータ30から受けているさらに強い圧力に応じて感圧塗料塗付部31a,31bが発光する。なお、本例では、インジケータホルダ31は透明材あるいは半透明材により形成されているものとする。このため、感圧塗料塗付部31aの発光特性をインジケータホルダ31の上方から検出することが可能となり、感圧塗料塗付部31bの発光特性をインジケータホルダ31の下方から検出することが可能となる。
【0031】
次に、本例の鮮度情報管理システム100の動作について説明する。
ここでは、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31が添付された食品パッケージXに収容されている食品(例えば魚、肉、野菜、惣菜)Yの鮮度情報を管理する場合を例に説明する。図7は、本例の鮮度情報管理システム100における鮮度情報管理処理の例を示すフローチャートである。図8は、鮮度情報管理サーバ10が備える管理サーバDB11に格納される鮮度情報管理情報の例を示す説明図である。図9は、インジケータホルダ31が実行するホルダ番号出力処理の例を示すフローチャートである。図10は、鮮度情報検出装置(鮮度情報検出装置25,44等)が実行する鮮度情報検出処理の例を示すフローチャートである。
【0032】
鮮度情報管理情報は、図8に示すように、インジケータホルダを識別可能なホルダ番号と、低温管理インジケータを識別可能な印字識別番号(インジケータ識別番号)と、食品をパック詰めしたときの鮮度を示すパック時鮮度情報と、食品を出荷したときの鮮度を示す出荷時鮮度情報とを含む。図8には表れていないが、鮮度情報管理情報には、パック時や出荷時以外の流通過程における各鮮度情報も含まれる。具体的には、販売店への入荷時、販売時などにおける鮮度情報も鮮度情報管理情報に含まれる。
【0033】
食品Yは、食品処理工場において、例えば工場作業員によって、生産や切り分け等され、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容される。そして、作業員は、ICタグリーダ24を用いて、インジケータホルダ31に設けられているICチップ31cからICチップID(ホルダ番号:各インジケータホルダに一意に付与されている番号であり、各インジケータホルダの製造時に付与されICチップに登録される番号である。)を読み取る。このとき、インジケータホルダ31は、ICタグリーダ24からのホルダ番号取得要求を受けると(ステップS201)、ICチップ31cに登録されているホルダ番号をICタグリーダ24に対して出力する(ステップS202)。工場サーバ20は、ICタグリーダ24からのホルダ番号を含む付番請求情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0034】
鮮度情報管理処理において、鮮度情報管理サーバ10は、工場サーバ20からの付番請求情報を受信すると(ステップS101)、鮮度情報管理システム100において未だ使用されていない識別番号を各食品(各低温管理インジケータ)に一意に付与する印字識別番号として決定し(ステップS102)、決定した印字識別番号を、ホルダ番号に対応付けして保存(図8参照)するとともに(ステップS103)、通信ネットワーク60を介して工場サーバ20に送信する(ステップS104)。
【0035】
工場サーバ20は、印字識別番号を受信すると、受信した印字識別番号をコード印字装置23に送信し、印字指示を行う。コード印字装置23は、印字指示を受けると、受信した印字識別番号をICチップ31cに書き込むとともに、食品パッケージXあるいは低温管理インジケータ30に印字する。なお、印字識別番号は、ICチップ31cに書き込むだけで、印字は行わないようにしてもよい。また、印字のみ行い、ICチップ31cへの書き込みを行わないようにしてもよい。
【0036】
次いで、工場サーバ20は、鮮度情報検出装置25に対して鮮度情報の取得依頼を行う。鮮度情報検出装置25は、工場サーバ20からの鮮度情報取得依頼を受けると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析し(例えば、感圧塗料の発光状態を画像取込装置(カメラ)により撮像し、感圧塗料塗付部31a,31bの各所において低温管理インジケータ31から受けている圧力を検出する)、その解析結果にもとづき鮮度情報を検出する(ステップS302)。例えば、発光特性を解析結果が示す感圧塗料塗付部31a,31bの各所の圧力のうち最も高い圧力値、あるいは各所の平均圧力値を鮮度情報として検出する。次いで、鮮度情報検出装置25は、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を工場サーバ20に出力する(ステップS305)。
【0037】
そして、工場サーバ20は、鮮度情報検出装置25から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、ICタグリーダ24から取得したID(ICタグリーダ24のID)を付加したパック時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0038】
鮮度情報管理サーバ10は、パック時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS105)、パック時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報をパック時鮮度情報として保存する(ステップS106)。ステップS106では、鮮度情報管理サーバ10が、受信したパック時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信したパック時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0039】
次いで、食品Yは、インジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容された状態で、食品処理工場から出荷される。この出荷の際に、工場作業員が、出荷時用のICタグリーダ(図示せず)を用いてインジケータホルダ31に対してホルダ番号の読取依頼を行う。そして、出荷時用のICタグリーダを介してインジケータホルダ31からホルダ番号を取得すると、工場サーバ20は、出荷時用の鮮度情報検出装置に対して鮮度情報の取得依頼を行う。
【0040】
出荷時用の鮮度情報検出装置は、工場サーバ20からの鮮度情報取得依頼があると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析して鮮度情報を検出し(ステップS302)、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を工場サーバ20に出力する(ステップS305)。工場サーバ20は、出荷時用の鮮度情報検出装置から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、出荷時用のICタグリーダから取得したIDを付加した出荷時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0041】
鮮度情報管理サーバ10は、出荷時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS107)、出荷時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報を出荷時鮮度情報として保存する(ステップS108)。ステップS108では、鮮度情報管理サーバ10が、受信した出荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信した出荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0042】
その後、食品Yは、インジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容された状態で、食品を販売する販売店に入荷される。この入荷の際に、販売店作業員が、入荷時用のICタグリーダ43を用いてインジケータホルダ31に対してホルダ番号の読取依頼を行う。そして、入荷時用のICタグリーダ43を介してインジケータホルダ31からホルダ番号を取得すると、店舗サーバ30は、入荷時用の鮮度情報検出装置44に対して鮮度情報の取得依頼を行う。
【0043】
入荷時用の鮮度情報検出装置44は、店舗サーバ40からの鮮度情報取得依頼があると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析して鮮度情報を検出し(ステップS302)、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を店舗サーバ40に出力する(ステップS305)。店舗サーバ40は、入荷時用の鮮度情報検出装置44から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、入荷時用のICタグリーダ43から取得したIDを付加した入荷時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0044】
鮮度情報管理サーバ10は、入荷時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS109)、入荷時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報を入荷時鮮度情報として保存する(ステップS110)。ステップS110では、鮮度情報管理サーバ10が、受信した入荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信した入荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0045】
その後、食品Yは、インジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容された状態で、消費者に対して販売される。この販売の際に、例えば販売店におけるレジ担当者が、販売時用のICタグリーダ(図示せず)を用いてインジケータホルダ31に対してホルダ番号の読取依頼を行う。そして、販売時用のICタグリーダを介してインジケータホルダ31からホルダ番号を取得すると、店舗サーバ30は、販売時用の鮮度情報検出装置(図示せず)に対して鮮度情報の取得依頼を行う。
【0046】
販売時用の鮮度情報検出装置は、店舗サーバ40からの鮮度情報取得依頼があると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析して鮮度情報を検出し(ステップS302)、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を店舗サーバ40に出力する(ステップS305)。店舗サーバ40は、販売時用の鮮度情報検出装置から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、販売時用のICタグリーダから取得したIDを付加した販売時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0047】
鮮度情報管理サーバ10は、販売時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS111)、販売時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報を販売時鮮度情報として保存する(ステップS112)。ステップS112では、鮮度情報管理サーバ10が、受信した販売時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信した販売時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0048】
そして、例えば食品Yを購入した消費者が、自己が管理する消費者端末50に接続されたICタグリーダ51を用いて、インジケータホルダ31からホルダ番号を読み取り(ステップS201,S202参照)、消費者端末50により鮮度情報管理サーバ10に対して通信ネットワーク60を介して鮮度管理情報提供依頼を行う。
【0049】
鮮度情報管理サーバ10は、鮮度管理情報提供依頼を受信すると(ステップS113)、管理サーバID11に保管している鮮度管理情報のうち、提示されたホルダ番号についての鮮度管理情報をユーザ端末50に向けて送信する(ステップS114)。消費者端末50は、鮮度管理情報を受信すると、自己が備える表示装置に表示する。よって、食品Yを購入した消費者は、食品Yについての鮮度管理情報を確認することが可能となる。
【0050】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、時間経過と周囲温度とにより膨張変化する低温管理インジケータ30を挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用とされ、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置25,44等により所定の流通ポイントにて感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、鮮度情報管理サーバ10に向けて鮮度情報とともに送信するためのホルダ情報を出力するインジケータホルダ31を用いる構成としたので、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することができる鮮度情報管理システムを実現することが可能となる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、時間経過と周囲温度とにより膨張変化する低温管理インジケータ30を挟持するインジケータホルダ31と、鮮度情報検出装置25,44等によって検出された鮮度情報を通信ネットワーク60を介して収集して管理する鮮度情報管理サーバ10とを含み、インジケータホルダ31が、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、食品の包装に付加され、所定の流通ポイントにて鮮度情報検出装置25,44等により感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、インジケータホルダ31を識別可能なホルダ情報を送信し、鮮度情報管理サーバ10が、鮮度情報検出装置25,44等によって検出された鮮度情報に流通ポイントを示す流通経路情報(ICタグリーダID)とホルダ情報とが付加された鮮度報告情報(例えばICタグリーダのIDが付加されたパック時鮮度検出結果情報など)を通信ネットワーク60を介して受信し、受信した鮮度報告情報が示すホルダ情報に対応付けして、流通経路情報が示す流通ポイントでの鮮度情報として、受信した鮮度報告情報が示す鮮度情報を保存する構成としたので、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することができる。
【0052】
すなわち、各流通ポイントでの低温管理インジケータの膨張度合を、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析した結果得られる圧力情報(鮮度情報)によって客観的かつ的確に判定することが可能となる。また、各流通ポイントでの圧力情報を時系列で確認することにより、どの流通過程において温度管理が不適切に行われたかを断定することができる。
【0053】
また、上述したように、インジケータホルダ31は、低温管理インジケータ30を上板部31Aと底板部31Bとで挟持するサンドイッチ型に形成され、上板部31Aと底板部31Bの少なくとも一方が感圧材により形成される構成としたので、簡単な構造によりインジケータホルダ31を製造することが可能となる。
【0054】
なお、インジケータホルダが、サンドイッチ型でなく、低温管理インジケータを収納するジャケット型に形成されていてもよい。この場合、インジケータホルダは、インジケータホルダにおける上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されるようにすればよい。
【0055】
また、上述したように、鮮度情報管理サーバ10が、インジケータホルダ31のホルダ情報を提示した低温管理インジケータの使用開始依頼(印字識別番号の付番依頼)に応じて、低温管理インジケータを識別可能なインジケータ情報(印字識別番号)を決定し、コード印字装置が、通信ネットワーク60を介して受信したインジケータ情報を低温管理インジケータに印字する構成としたので、低温管理インジケータに識別番号を印字することができ、低温管理インジケータの取替などの不正行為があった場合に、その不正行為を容易に発見することができるようになる。このため、低温管理インジケータの取替などの不正行為を防止することが可能となる。
【0056】
また、上述した一実施の形態では、鮮度情報管理サーバ10が印字識別番号を一つずつ発行する構成としていたが、複数の印字識別番号の付番依頼をまとめて受け付け、複数の印字識別番号をまとめて発行するようにしてもよい。
【0057】
なお、上述した一実施の形態では特に言及していないが、インジケータホルダ31に、低温管理インジケータ30がセットされているか否かを感知するインジケータ検出部を設ける構成とするようにしてもよい。そして、インジケータホルダ31に低温管理インジケータ30がセットされた時刻と、インジケータホルダ31から低温管理インジケータ30が取り外された時刻とを、チップIC31cに記憶しておくようにしてもよい。このように構成すれば、チップIC31cに記憶されている低温管理インジケータ30の取り付け/取り外しの時刻情報を読み出して確認することで、流通経路の途中で不正に低温管理インジケータ30が交換されたりしたことを特定することが可能となる。また、低温管理インジケータ30の取り付けを一旦検知したあと、低温管理インジケータ30の取り外しを検知したときに、インジケータホルダ31の継続使用を無効とする(例えば、ICタグリーダからの依頼があっても、鮮度情報の検出などの処理を実行しないようにインジケータホルダ31の内部設定を行う)ようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断し、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態における鮮度情報管理システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】低温管理インジケータの例を示す斜視図である。
【図3】インジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図4】低温管理インジケータがセットされたインジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図5】低温管理インジケータがセットされたインジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図6】低温管理インジケータがセットされたインジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図7】鮮度情報管理処理の例を示すフローチャートである。
【図8】鮮度管理情報の例を示す説明図である。
【図9】インジケータホルダが実行するホルダ番号出力処理の例を示すフローチャートである。
【図10】鮮度情報検出装置が実行する鮮度情報検出処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 鮮度情報管理(本部サーバ)
20 工場サーバ
30 低温管理インジケータ
31 インジケータホルダ
40 店舗サーバ
50 消費者端末
60 通信ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、時間経過と周囲温度とにより膨張変化するインジケータを挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用インジケータホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
野菜や食肉、あるいは惣菜などの食品については、食品処理工場においてパック詰めされたあと、販売店にて販売されるまでの間、品質を維持するため、所定値以下の温度環境を維持する必要がある。すくなくとも、所定値以上の温度環境に所定時間置かないよう管理する必要がある。
【0003】
従来から、搬送時などの流通過程における食品の温度管理が適正になされているか否かについては、各流通業者による自己申告に委ねられている。このため、食品の温度管理が適正になされているか否かを客観的かつ的確に判断することはできなかった。
【0004】
近年、食品の温度管理が適正であるか否かを客観的に判断可能なものとして、低温管理インジケータと呼ばれるものが提案されている(非特許文献1)。
【0005】
この低温管理インジケータは、所定値以上の温度環境下でガスを発生するパン酵母と糖とを含む反応溶液が収容された透明の小袋により構成され、食品の包装の外部に貼付されて使用される。そして、低温管理インジケータ内に発生しているガス量を目視することによって、温度管理が適正になされていたか否かが判定され、鮮度管理が適正であったか否かが判断される。
【0006】
【非特許文献1】川本 伸一著、“安全・簡便な温度管理用微生物センサーの開発”。[online]、[平成18年4月5日検索]、インターネット<URL:http://www.nfri.affrc.go.jp/guidance/katsudo/pdf/kanko_kouen16/54.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した非特許文献1に記載された従来の鮮度管理判定方法では、人間の目によって低温管理インジケータ内のガス量を推定するようにしているので、鮮度管理が適正であったか否かの判断にバラツキが生じるおそれがあるという問題があった。また、ガス量の発生量により温度管理が適正であったか否かを推定することは可能であるが、適正でないと推定される場合に、流通過程におけるどの過程で温度管理が不適正に行われたかを特定することはできないという問題もあった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解消し、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することが可能な鮮度情報管理システムを実現可能な鮮度情報検出用インジケータホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の鮮度情報検出用インジケータホルダは、時間経過と周囲温度とにより膨張変化するインジケータを挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用インジケータホルダであって、挟持している前記インジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、前記インジケータから受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、前記鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置により所定の流通ポイントにて前記感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、前記鮮度情報管理サーバに向けて前記鮮度情報とともに送信するための前記インジケータホルダを識別可能なホルダ情報を出力するホルダ情報出力手段を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記のように構成したことで、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することができる鮮度情報管理システムを実現可能な鮮度情報検出用インジケータホルダを提供することができる。
【0011】
鮮度情報管理サーバは、鮮度情報検出装置によって検出された鮮度情報に流通ポイントを示す流通経路情報とホルダ情報とが付加された鮮度報告情報を通信ネットワークを介して受信する鮮度報告情報受信手段と、受信した鮮度報告情報が示すホルダ情報に対応付けして、流通経路情報が示す流通ポイントでの鮮度情報として、受信した鮮度報告情報が示す鮮度情報を保存する鮮度情報保存手段とを有するように構成されていてもよい。
【0012】
インジケータは、例えば、ビニル製の小袋にパン酵母を含む液体が収納されてなり、周囲温度が所定温度以上であるときにその温度に応じて時間経過とともに前記パン酵母がガスを発生することにより膨張変化するものである。
【0013】
鮮度情報検出用インジケータホルダは、例えば、インジケータを上板部と底板部とで挟持するサンドイッチ型に形成され、前記上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている。あるいは、鮮度情報検出用インジケータホルダは、例えば、インジケータを収納するジャケット型に形成され、前記インジケータホルダにおける上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている。
【0014】
鮮度情報検出用インジケータホルダは、例えば、挟持しているインジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、その表面に感圧塗料が塗付されることによって感圧材として形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することが可能な鮮度情報管理システムを実現可能な鮮度情報検出用インジケータホルダを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す鮮度情報管理システム100の構成の例を示すブロック図である。図1に示すように、鮮度情報管理システム100は、鮮度情報管理サーバ10と、食品処理工場で管理されている工場サーバ20と、店舗で管理されている店舗サーバ40と、消費者によって管理されている消費者端末50とを含む。なお、消費者端末50には、ICタグリーダ51が接続されている。
【0017】
鮮度情報管理サーバ10、工場サーバ20、店舗サーバ30、および消費者端末50は、それぞれ、例えばインターネットなどの通信ネットワーク60に接続されている。
【0018】
なお、図1では、ある1つの店舗内に設置される店舗サーバ30が示されているが、複数の店舗内にそれぞれ設置される複数の店舗サーバが鮮度情報管理システムに含まれていてもよい。
【0019】
鮮度情報管理サーバ10、工場サーバ20、および店舗サーバ30は、それぞれ、WWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。また、消費者端末50は、パーソナルコンピュータや携帯通信端末などの情報処理装置によって構成される。
【0020】
鮮度情報管理サーバ10は、例えば鮮度情報管理システム100のシステム管理者によって管理される本部サーバであり、商品の鮮度情報を収集し管理するための各種の処理を実行する。鮮度情報管理サーバ10は、各商品の鮮度を示す鮮度情報などが格納される管理サーバDB11を備えている。
【0021】
工場サーバ20は、食品処理工場を管理する工場管理者によって管理され、工場において管理する各種情報が格納される工場サーバDB21を備えている。また、工場サーバ20には、LANなどの通信ネットワーク22により、コード印字装置23と、ICタグリーダ24と、鮮度情報検出装置25とが接続されている。
【0022】
店舗サーバ40は、例えば、店舗を管理する店舗管理者によって管理され、店舗において管理する各種情報が格納される店舗サーバDB41を備えている。また、店舗サーバ40には、LANなどの通信ネットワーク42により、ICタグリーダ43と、鮮度情報検出装置44とが接続されている。
【0023】
本例では、食品処理工場において、食品処理工場にて生産された食品がパック詰めされるときに、低温管理インジケータ30がインジケータホルダ31にセットされ、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31が食品パッケージ32に添付される。すなわち、食品がパッキングされるときに、そのそれぞれの食品パッケージの内部あるいは外部に、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31が貼付などの方法によって添付される。なお、このとき、鮮度情報検出装置25,44によって鮮度情報が確実に検出されるように、食品パッケージに低温管理インジケータ30を固定するようにすることが好ましい。
【0024】
図2は、低温管理インジケータ30の外観を示す斜視図である。低温管理インジケータ30は、パン酵母と、糖分と、水とを主成分として生成された液体をビニル製の小袋に充填してなるものである。パン酵母と、糖分と、水との割合は、鮮度管理対象の食品に求められる適正管理温度や賞味期限などによって調整される。パン酵母は、例えば―20℃でも生きている低温耐性パン酵母が用いられる。よって、低温管理インジケータ30は、使用開始前は、パン酵母が糖を発酵させない温度であって、パン酵母が生きていられる所定の温度で保管される。なお、使用を開始するまでパン酵母と糖とを別個に保管しておき、使用開始時に混ぜ合わせて低温管理インジケータ30を生成するようにしてもよい。小袋は、食品を収納するパックに十分収容可能な程度の大きさとされ、本例では透明であっても不透明であってもよい。また、小袋は、伸縮可能な素材であれば、ビニル製でなくてもよい。なお、低温管理インジケータ30は、時間と温度によりパン酵母が糖を発酵する際にガス(二酸化炭素)を産生し、小袋内のガス量により、食品の安全性を目で確認することができるものとして、従来から提案されているものである(非特許文献1参照)。
【0025】
低温管理インジケータ30は、低温で管理されている間は図2(A)に示すような初期状態を維持するが、所定温度以上の状況下に置かれると、時間経過とともにガスが発生してきて図2(B)に示すような子袋が膨張した状態になる。さらに時間が経過すると、図2(C)に示すような子袋がさらに膨張した状態となる。
【0026】
図3は、インジケータホルダ31の外観の例を示す斜視図である。インジケータホルダ31は、板状に形成される上面部31Aと、上面部31Aに対応して板状に形成される底面部31Bと、上面部31Aと底面部31Bとを1辺で連結する連結部31Cとにより構成される。本例では、インジケータホルダ31は、上面部31Aと、底面部31Bと、連結部31Cとが一体形成されて成る。また、インジケータホルダ31は、ガスが発生していない状態の低温管理インジケータ30が隙間無く挿設されるように、上面部31Aと底面部31Bとの間隔が定められている。
【0027】
インジケータホルダ31は、ICチップ31cを備えている。インジケータホルダ31は、上面部31Aと底面部31Bとの間に形成される低温管理インジケータ収納部にセットされた低温管理インジケータ30が膨張したことにより受ける圧力応じて、低温管理インジケータ30を構成する小袋が破裂しない程度に、上面部31Aと底面部31Bとがそれぞれその間隔を広げる方向に撓むような、可撓性を有する素材によって形成される。
【0028】
インジケータホルダ31は、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面(具体的には、上面部31Aの底面と、底面部31Bの上面)の少なくとも一部が、低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材(発光材)により形成されている。外力によって発光する感圧材としては、例えばメリライト型構造の酸化物からなる母体材料により形成されたもの(特許文献1:特許第3273317号参照)などが知られている。本例では、図3に示すように、インジケータホルダ31における上面部31Aの底面側(図3には表れていない)と底面部31Bの上面側(図3におけるハッチング領域)とに、それぞれ感圧塗料(Pressure Sensitive Paint)が塗付された感圧塗料塗付部31a,31bが設けられることによって、感圧材として形成されているものとする。感圧塗料は、受けた圧力に応じて異なる特性で発光する塗料として知られているものである。
【0029】
本例では、インジケータホルダ31における上面部31Aの底面側と底面部31Bの上面側の全体に感圧塗料を塗付するようにしているが、上面部31Aの底面側のみ、底面部31Bの上面側のみ、上面部31Aの底面側の一部のみ、底面部31Bの上面側の一部のみに感圧塗料塗付部を設ける構成としてもよい。この場合、低温管理インジケータ30から最も高い圧力を受ける部分(例えば、上面部31Aにおける連結部31Cと反対側の辺の中央部であって、上面部31Aにおける底面部31B側、底面部31Bにおける連結部31Cと反対側の辺の中央部であって、底面部31Bにおける上面部31A側、上面部31Aの中央部分、底面部31Bの中央部分など)を感圧塗料塗付部に含めるようにすることが望ましい。
【0030】
図4は、インジケータホルダ31の低温管理インジケータ収納部に低温管理インジケータ30をセットした状態の例を示す斜視図である。そして、低温管理インジケータ30内にガスが発生すると図5に示すようにインジケータホルダ31の上面部31Aと底面部31Bとの間隔が広がった状態となるとともに、低温管理インジケータ30から受けている図4に示すときよりも強い圧力に応じて感圧塗料塗付部31a,31bが発光し、さらにガスが発生すると図6に示すようにインジケータホルダ31の上面部31Aと底面部31Bとの間隔がさらに広がった状態となるとともに、低温管理インジケータ30から受けているさらに強い圧力に応じて感圧塗料塗付部31a,31bが発光する。なお、本例では、インジケータホルダ31は透明材あるいは半透明材により形成されているものとする。このため、感圧塗料塗付部31aの発光特性をインジケータホルダ31の上方から検出することが可能となり、感圧塗料塗付部31bの発光特性をインジケータホルダ31の下方から検出することが可能となる。
【0031】
次に、本例の鮮度情報管理システム100の動作について説明する。
ここでは、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31が添付された食品パッケージXに収容されている食品(例えば魚、肉、野菜、惣菜)Yの鮮度情報を管理する場合を例に説明する。図7は、本例の鮮度情報管理システム100における鮮度情報管理処理の例を示すフローチャートである。図8は、鮮度情報管理サーバ10が備える管理サーバDB11に格納される鮮度情報管理情報の例を示す説明図である。図9は、インジケータホルダ31が実行するホルダ番号出力処理の例を示すフローチャートである。図10は、鮮度情報検出装置(鮮度情報検出装置25,44等)が実行する鮮度情報検出処理の例を示すフローチャートである。
【0032】
鮮度情報管理情報は、図8に示すように、インジケータホルダを識別可能なホルダ番号と、低温管理インジケータを識別可能な印字識別番号(インジケータ識別番号)と、食品をパック詰めしたときの鮮度を示すパック時鮮度情報と、食品を出荷したときの鮮度を示す出荷時鮮度情報とを含む。図8には表れていないが、鮮度情報管理情報には、パック時や出荷時以外の流通過程における各鮮度情報も含まれる。具体的には、販売店への入荷時、販売時などにおける鮮度情報も鮮度情報管理情報に含まれる。
【0033】
食品Yは、食品処理工場において、例えば工場作業員によって、生産や切り分け等され、低温管理インジケータ30がセットされたインジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容される。そして、作業員は、ICタグリーダ24を用いて、インジケータホルダ31に設けられているICチップ31cからICチップID(ホルダ番号:各インジケータホルダに一意に付与されている番号であり、各インジケータホルダの製造時に付与されICチップに登録される番号である。)を読み取る。このとき、インジケータホルダ31は、ICタグリーダ24からのホルダ番号取得要求を受けると(ステップS201)、ICチップ31cに登録されているホルダ番号をICタグリーダ24に対して出力する(ステップS202)。工場サーバ20は、ICタグリーダ24からのホルダ番号を含む付番請求情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0034】
鮮度情報管理処理において、鮮度情報管理サーバ10は、工場サーバ20からの付番請求情報を受信すると(ステップS101)、鮮度情報管理システム100において未だ使用されていない識別番号を各食品(各低温管理インジケータ)に一意に付与する印字識別番号として決定し(ステップS102)、決定した印字識別番号を、ホルダ番号に対応付けして保存(図8参照)するとともに(ステップS103)、通信ネットワーク60を介して工場サーバ20に送信する(ステップS104)。
【0035】
工場サーバ20は、印字識別番号を受信すると、受信した印字識別番号をコード印字装置23に送信し、印字指示を行う。コード印字装置23は、印字指示を受けると、受信した印字識別番号をICチップ31cに書き込むとともに、食品パッケージXあるいは低温管理インジケータ30に印字する。なお、印字識別番号は、ICチップ31cに書き込むだけで、印字は行わないようにしてもよい。また、印字のみ行い、ICチップ31cへの書き込みを行わないようにしてもよい。
【0036】
次いで、工場サーバ20は、鮮度情報検出装置25に対して鮮度情報の取得依頼を行う。鮮度情報検出装置25は、工場サーバ20からの鮮度情報取得依頼を受けると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析し(例えば、感圧塗料の発光状態を画像取込装置(カメラ)により撮像し、感圧塗料塗付部31a,31bの各所において低温管理インジケータ31から受けている圧力を検出する)、その解析結果にもとづき鮮度情報を検出する(ステップS302)。例えば、発光特性を解析結果が示す感圧塗料塗付部31a,31bの各所の圧力のうち最も高い圧力値、あるいは各所の平均圧力値を鮮度情報として検出する。次いで、鮮度情報検出装置25は、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を工場サーバ20に出力する(ステップS305)。
【0037】
そして、工場サーバ20は、鮮度情報検出装置25から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、ICタグリーダ24から取得したID(ICタグリーダ24のID)を付加したパック時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0038】
鮮度情報管理サーバ10は、パック時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS105)、パック時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報をパック時鮮度情報として保存する(ステップS106)。ステップS106では、鮮度情報管理サーバ10が、受信したパック時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信したパック時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0039】
次いで、食品Yは、インジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容された状態で、食品処理工場から出荷される。この出荷の際に、工場作業員が、出荷時用のICタグリーダ(図示せず)を用いてインジケータホルダ31に対してホルダ番号の読取依頼を行う。そして、出荷時用のICタグリーダを介してインジケータホルダ31からホルダ番号を取得すると、工場サーバ20は、出荷時用の鮮度情報検出装置に対して鮮度情報の取得依頼を行う。
【0040】
出荷時用の鮮度情報検出装置は、工場サーバ20からの鮮度情報取得依頼があると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析して鮮度情報を検出し(ステップS302)、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を工場サーバ20に出力する(ステップS305)。工場サーバ20は、出荷時用の鮮度情報検出装置から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、出荷時用のICタグリーダから取得したIDを付加した出荷時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0041】
鮮度情報管理サーバ10は、出荷時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS107)、出荷時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報を出荷時鮮度情報として保存する(ステップS108)。ステップS108では、鮮度情報管理サーバ10が、受信した出荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信した出荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0042】
その後、食品Yは、インジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容された状態で、食品を販売する販売店に入荷される。この入荷の際に、販売店作業員が、入荷時用のICタグリーダ43を用いてインジケータホルダ31に対してホルダ番号の読取依頼を行う。そして、入荷時用のICタグリーダ43を介してインジケータホルダ31からホルダ番号を取得すると、店舗サーバ30は、入荷時用の鮮度情報検出装置44に対して鮮度情報の取得依頼を行う。
【0043】
入荷時用の鮮度情報検出装置44は、店舗サーバ40からの鮮度情報取得依頼があると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析して鮮度情報を検出し(ステップS302)、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を店舗サーバ40に出力する(ステップS305)。店舗サーバ40は、入荷時用の鮮度情報検出装置44から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、入荷時用のICタグリーダ43から取得したIDを付加した入荷時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0044】
鮮度情報管理サーバ10は、入荷時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS109)、入荷時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報を入荷時鮮度情報として保存する(ステップS110)。ステップS110では、鮮度情報管理サーバ10が、受信した入荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信した入荷時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0045】
その後、食品Yは、インジケータホルダ31とともに食品パッケージXに収容された状態で、消費者に対して販売される。この販売の際に、例えば販売店におけるレジ担当者が、販売時用のICタグリーダ(図示せず)を用いてインジケータホルダ31に対してホルダ番号の読取依頼を行う。そして、販売時用のICタグリーダを介してインジケータホルダ31からホルダ番号を取得すると、店舗サーバ30は、販売時用の鮮度情報検出装置(図示せず)に対して鮮度情報の取得依頼を行う。
【0046】
販売時用の鮮度情報検出装置は、店舗サーバ40からの鮮度情報取得依頼があると(ステップS301)、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析して鮮度情報を検出し(ステップS302)、ステップS302での検出結果である圧力情報が示す鮮度情報を店舗サーバ40に出力する(ステップS305)。店舗サーバ40は、販売時用の鮮度情報検出装置から受信した鮮度情報と、インジケータホルダ31から受信したホルダ番号とを含む鮮度検出結果情報に、販売時用のICタグリーダから取得したIDを付加した販売時鮮度検出結果情報を、通信ネットワーク60を介して鮮度情報管理サーバ10に送信する。
【0047】
鮮度情報管理サーバ10は、販売時鮮度検出結果情報を受信すると(ステップS111)、販売時鮮度検出結果情報に含まれている鮮度情報を販売時鮮度情報として保存する(ステップS112)。ステップS112では、鮮度情報管理サーバ10が、受信した販売時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号に関連付けして保存する。具体的には、鮮度情報管理サーバ10が、受信した販売時鮮度検出結果情報に含まれているホルダ番号を含む鮮度管理情報に追加する。
【0048】
そして、例えば食品Yを購入した消費者が、自己が管理する消費者端末50に接続されたICタグリーダ51を用いて、インジケータホルダ31からホルダ番号を読み取り(ステップS201,S202参照)、消費者端末50により鮮度情報管理サーバ10に対して通信ネットワーク60を介して鮮度管理情報提供依頼を行う。
【0049】
鮮度情報管理サーバ10は、鮮度管理情報提供依頼を受信すると(ステップS113)、管理サーバID11に保管している鮮度管理情報のうち、提示されたホルダ番号についての鮮度管理情報をユーザ端末50に向けて送信する(ステップS114)。消費者端末50は、鮮度管理情報を受信すると、自己が備える表示装置に表示する。よって、食品Yを購入した消費者は、食品Yについての鮮度管理情報を確認することが可能となる。
【0050】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、時間経過と周囲温度とにより膨張変化する低温管理インジケータ30を挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用とされ、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、鮮度情報管理サーバ10に向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置25,44等により所定の流通ポイントにて感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、鮮度情報管理サーバ10に向けて鮮度情報とともに送信するためのホルダ情報を出力するインジケータホルダ31を用いる構成としたので、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することができる鮮度情報管理システムを実現することが可能となる。
【0051】
また、上述した実施の形態では、時間経過と周囲温度とにより膨張変化する低温管理インジケータ30を挟持するインジケータホルダ31と、鮮度情報検出装置25,44等によって検出された鮮度情報を通信ネットワーク60を介して収集して管理する鮮度情報管理サーバ10とを含み、インジケータホルダ31が、挟持している低温管理インジケータ30からの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が低温管理インジケータ30から受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、食品の包装に付加され、所定の流通ポイントにて鮮度情報検出装置25,44等により感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、インジケータホルダ31を識別可能なホルダ情報を送信し、鮮度情報管理サーバ10が、鮮度情報検出装置25,44等によって検出された鮮度情報に流通ポイントを示す流通経路情報(ICタグリーダID)とホルダ情報とが付加された鮮度報告情報(例えばICタグリーダのIDが付加されたパック時鮮度検出結果情報など)を通信ネットワーク60を介して受信し、受信した鮮度報告情報が示すホルダ情報に対応付けして、流通経路情報が示す流通ポイントでの鮮度情報として、受信した鮮度報告情報が示す鮮度情報を保存する構成としたので、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断することができ、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定することができる。
【0052】
すなわち、各流通ポイントでの低温管理インジケータの膨張度合を、インジケータホルダ31における感圧塗料塗付部31a,31bの発光特性を解析した結果得られる圧力情報(鮮度情報)によって客観的かつ的確に判定することが可能となる。また、各流通ポイントでの圧力情報を時系列で確認することにより、どの流通過程において温度管理が不適切に行われたかを断定することができる。
【0053】
また、上述したように、インジケータホルダ31は、低温管理インジケータ30を上板部31Aと底板部31Bとで挟持するサンドイッチ型に形成され、上板部31Aと底板部31Bの少なくとも一方が感圧材により形成される構成としたので、簡単な構造によりインジケータホルダ31を製造することが可能となる。
【0054】
なお、インジケータホルダが、サンドイッチ型でなく、低温管理インジケータを収納するジャケット型に形成されていてもよい。この場合、インジケータホルダは、インジケータホルダにおける上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されるようにすればよい。
【0055】
また、上述したように、鮮度情報管理サーバ10が、インジケータホルダ31のホルダ情報を提示した低温管理インジケータの使用開始依頼(印字識別番号の付番依頼)に応じて、低温管理インジケータを識別可能なインジケータ情報(印字識別番号)を決定し、コード印字装置が、通信ネットワーク60を介して受信したインジケータ情報を低温管理インジケータに印字する構成としたので、低温管理インジケータに識別番号を印字することができ、低温管理インジケータの取替などの不正行為があった場合に、その不正行為を容易に発見することができるようになる。このため、低温管理インジケータの取替などの不正行為を防止することが可能となる。
【0056】
また、上述した一実施の形態では、鮮度情報管理サーバ10が印字識別番号を一つずつ発行する構成としていたが、複数の印字識別番号の付番依頼をまとめて受け付け、複数の印字識別番号をまとめて発行するようにしてもよい。
【0057】
なお、上述した一実施の形態では特に言及していないが、インジケータホルダ31に、低温管理インジケータ30がセットされているか否かを感知するインジケータ検出部を設ける構成とするようにしてもよい。そして、インジケータホルダ31に低温管理インジケータ30がセットされた時刻と、インジケータホルダ31から低温管理インジケータ30が取り外された時刻とを、チップIC31cに記憶しておくようにしてもよい。このように構成すれば、チップIC31cに記憶されている低温管理インジケータ30の取り付け/取り外しの時刻情報を読み出して確認することで、流通経路の途中で不正に低温管理インジケータ30が交換されたりしたことを特定することが可能となる。また、低温管理インジケータ30の取り付けを一旦検知したあと、低温管理インジケータ30の取り外しを検知したときに、インジケータホルダ31の継続使用を無効とする(例えば、ICタグリーダからの依頼があっても、鮮度情報の検出などの処理を実行しないようにインジケータホルダ31の内部設定を行う)ようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明によれば、食品の温度管理が適正になされており鮮度が保たれていることを的確に判断し、かつ、流通過程において温度管理が不適正に行われた部分を特定するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施の形態における鮮度情報管理システムの構成の例を示すブロック図である。
【図2】低温管理インジケータの例を示す斜視図である。
【図3】インジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図4】低温管理インジケータがセットされたインジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図5】低温管理インジケータがセットされたインジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図6】低温管理インジケータがセットされたインジケータホルダの外観構成の例を示す斜視図である。
【図7】鮮度情報管理処理の例を示すフローチャートである。
【図8】鮮度管理情報の例を示す説明図である。
【図9】インジケータホルダが実行するホルダ番号出力処理の例を示すフローチャートである。
【図10】鮮度情報検出装置が実行する鮮度情報検出処理の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
10 鮮度情報管理(本部サーバ)
20 工場サーバ
30 低温管理インジケータ
31 インジケータホルダ
40 店舗サーバ
50 消費者端末
60 通信ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間経過と周囲温度とにより膨張変化するインジケータを挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用インジケータホルダであって、
挟持している前記インジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、前記インジケータから受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、
前記鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置により所定の流通ポイントにて前記感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、前記鮮度情報管理サーバに向けて前記鮮度情報とともに送信するための前記インジケータホルダを識別可能なホルダ情報を出力するホルダ情報出力手段を備えた
ことを特徴とする鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項2】
鮮度情報管理サーバは、
鮮度情報検出装置によって検出された鮮度情報に流通ポイントを示す流通経路情報とホルダ情報とが付加された鮮度報告情報を通信ネットワークを介して受信する鮮度報告情報受信手段と、
受信した鮮度報告情報が示すホルダ情報に対応付けして、流通経路情報が示す流通ポイントでの鮮度情報として、受信した鮮度報告情報が示す鮮度情報を保存する鮮度情報保存手段とを有する
請求項1記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項3】
インジケータは、ビニル製の小袋にパン酵母を含む液体が収納されてなり、周囲温度が所定温度以上であるときにその温度に応じて時間経過とともに前記パン酵母がガスを発生することにより膨張変化する
請求項1または請求項2記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項4】
インジケータを上板部と底板部とで挟持するサンドイッチ型に形成され、前記上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項5】
インジケータを収納するジャケット型に形成され、前記インジケータホルダにおける上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項6】
挟持しているインジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、その表面に感圧塗料が塗付されることによって感圧材として形成される
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項1】
時間経過と周囲温度とにより膨張変化するインジケータを挟持可能な構造であり、食品の包装に付加されて用いられ、鮮度情報を管理する鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出可能な鮮度情報検出用インジケータホルダであって、
挟持している前記インジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、前記インジケータから受けた圧力に応じて発光する感圧材により形成されており、
前記鮮度情報管理サーバに向けて送信する鮮度情報を検出する鮮度情報検出装置により所定の流通ポイントにて前記感圧材の発光特性が鮮度情報として検出されるときに、前記鮮度情報管理サーバに向けて前記鮮度情報とともに送信するための前記インジケータホルダを識別可能なホルダ情報を出力するホルダ情報出力手段を備えた
ことを特徴とする鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項2】
鮮度情報管理サーバは、
鮮度情報検出装置によって検出された鮮度情報に流通ポイントを示す流通経路情報とホルダ情報とが付加された鮮度報告情報を通信ネットワークを介して受信する鮮度報告情報受信手段と、
受信した鮮度報告情報が示すホルダ情報に対応付けして、流通経路情報が示す流通ポイントでの鮮度情報として、受信した鮮度報告情報が示す鮮度情報を保存する鮮度情報保存手段とを有する
請求項1記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項3】
インジケータは、ビニル製の小袋にパン酵母を含む液体が収納されてなり、周囲温度が所定温度以上であるときにその温度に応じて時間経過とともに前記パン酵母がガスを発生することにより膨張変化する
請求項1または請求項2記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項4】
インジケータを上板部と底板部とで挟持するサンドイッチ型に形成され、前記上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項5】
インジケータを収納するジャケット型に形成され、前記インジケータホルダにおける上板部と底板部の少なくとも一方が感圧材により形成されている
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【請求項6】
挟持しているインジケータからの圧力を受ける挟持面の少なくとも一部が、その表面に感圧塗料が塗付されることによって感圧材として形成される
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載の鮮度情報検出用インジケータホルダ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−280170(P2007−280170A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107342(P2006−107342)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(503396309)生活協同組合コープさっぽろ (144)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(503396309)生活協同組合コープさっぽろ (144)
【Fターム(参考)】
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