説明

麺類用品質改良剤

【課題】うどん、蕎麦、素麺、中華麺、パスタ等の麺類のほぐれ性、外観(表面の光沢)、および食感(しっとり感)を改良するための粉末状の品質改良剤を提供する。また、粉末状の品質改良剤を用いて麺類のほぐれ性、外観(表面の光沢)、および食感(しっとり感)を改良するための方法およびこれらの品質が改良された麺類を提供する。
【解決手段】アラビアガムを含有する粉末状の品質改良剤を、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対して0.1〜1質量%添加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は麺類用の品質改良剤に関する。詳細には、本発明は、うどん、蕎麦、素麺、中華麺、パスタ等の麺類のほぐれ性、外観(表面の光沢)、および食感(しっとり感)を改良する作用を有する品質改良剤に関する。
【背景技術】
【0002】
麺類は、日常の食生活の中で広く親しまれ、その食べ方、調理方法は多岐にわたっている。麺類は、加熱調理され、麺中の澱粉が膨潤・糊化することにより麺特有の食感が形成される。そして加熱調理後の麺を保存すると、糊化によって表面の付着性が増した麺線同士が、澱粉の老化過程で結着し、ほぐれにくく塊状(団子状)となって、食感が低下する場合がある。また、麺がほぐれにくく塊状となることによって、調味料や油脂などが粉末状あるいは液体状であるかにかかわらず、麺中で分散しにくくなるため、均一な味付けが困難になり、食味が低下する場合があった。更に、調理後の麺を保存することにより、麺の表面が乾燥して光沢が失われたり、ぱさぱさした食感になることが問題となっていた。
【0003】
麺の付着を防止したりほぐれを改善するために、麺線の表面をゼラチンでコーティングする方法(特許文献1)、30重量%水溶液の粘度が約8〜300cpである澱粉の低分子化物を麺線の表面に付着させる方法(特許文献2)、茹処理後冷却処理し、次いでレトルト処理する方法(特許文献3)、水溶性ヘミセルロースを麺線の表面に付着させる方法(特許文献4)、油脂、増粘多糖類、および水溶性ヘミセルロースを含む混合物を乳化した乳化物およびその乾燥粉末を添加(練りこみまたは噴霧)する方法(特許文献5)が提案されており、特許文献5では増粘多糖類としてアラビアガムが例示されている。
【0004】
また、保存後においても外観および食感が良好なパスタサラダとして、10%水溶液の粘度(B型回転粘度計、25℃、30rpm)が1000mPa・s以下であり、かつ食物繊維含量(Prosky法)が50%以上である低粘度水溶性多糖類をパスタサラダ全体に対して0.6%以上含有するパスタサラダ(特許文献6)が提案されており、低粘度水溶性多糖類としてアラビアガムまたはアラビノガラクタンが挙げられている。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−283547号公報
【特許文献2】特開平6−327427号公報
【特許文献3】特開平3−247249号公報
【特許文献4】特開平6−121647号公報
【特許文献5】特開2005−13135号公報
【特許文献6】特許第3794958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし従来技術の中で開示されている麺のほぐれ改善方法、例えばゼラチンや澱粉の低分子化物によるコーティングでは、十分なほぐれ改善効果が得られず、場合によっては余分に付着したゼラチンや澱粉の低分子化物自体により麺線が結着するという問題が生じうる。一方、油脂を使用した場合は、食感が油っぽくべたついたものになるほか、油脂の酸化による食味の劣化などの問題がある。また、水溶性ヘミセルロースを使用する場合、十分なほぐれ改善効果を得るためには高濃度の水溶性ヘミセルロース水溶液を麺線に噴霧する必要があり、水溶液調製の作業が煩雑であり、更に水溶性ヘミセルロースが有する穀臭によって食味が低下するという問題がある。更に、油脂、増粘多糖類、および水溶性ヘミセルロースからなる乳化物を添加する方法は、乳化物を別途調製する必要がある等作業が煩雑であり、処理を行った麺の食感が油っぽくべたついたものになるほか、油脂の酸化による食味の劣化などの問題が新たに生じてくる。
【0007】
これらの状況から、簡便な操作で麺のほぐれ性を改善し、麺類の風味を低下させることなく食感的なしっとり感や麺線表面に光沢感を付与するなどの効果を有する多機能な麺類用の品質改良剤が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、うどん、蕎麦、素麺、中華麺、パスタ等の麺類のほぐれ性、外観(表面の光沢)、および食感(しっとり感)を改良するための粉末状の品質改良剤を提供する。また、粉末状の品質改良剤を用いて麺類のほぐれ性、外観(表面の光沢)、および食感(しっとり感)を改良するための方法およびこれらの品質が改良された麺類を提供する。
【0009】
本発明者らは、前述の麺類の品質を改良するべく鋭意研究を重ねた結果、アラビアガムを含有する粉末状の品質改良剤を、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対して0.1〜1質量%、好ましくは0.3〜0.8質量%直接添加して麺の表面を被覆することにより、うどん、蕎麦、素麺、中華麺、パスタ等の麺類のほぐれ性、外観(表面の光沢)、および食感(しっとり感)を改良できることを見出した。当該品質改良剤は、溶液状にして麺線表面に噴霧する必要がなく、茹で上げ後の麺に粉末状態で直接混合することができる。更に、当該品質改良剤は、本発明の効果を妨げない程度において、粉末状の調味料や油脂と用いることも可能である。
【0010】
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、以下の態様を有する。
項1.アラビアガムを含有することを特徴とする粉末状の麺類用品質改良剤。
項2.アラビアガムの添加量が、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対し0.1〜1質量%である項1記載の粉末状の麺類用品質改良剤。
項3.麺類のほぐれ性、外観および食感のいずれかを改良する、項1または2のいずれかに記載の粉末状の麺類用品質改良剤。
項4.項1乃至3のいずれかに記載の粉末状の麺類用品質改良剤を直接添加して麺の表面を被覆することを特徴とする、麺類の品質改良方法。
項5.項1乃至3のいずれかに記載の粉末状の麺類用品質改良剤を用いて表面を被覆することを特徴とする麺類。
【発明の効果】
【0011】
本発明の麺類用品質改良剤は、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対し粉末状態で直接添加し、混合するだけで、麺の表面を被覆することができ、麺線のほぐれを改善することができる。これにより、調味料や油脂などの麺中への分散が改良され、均一な味付けが可能になり、食味を改善する。更に、コーティング作用により表面の乾燥が防止され、麺の光沢が増し、保存後もしっとりした食感が維持される。つまり、簡便な操作で食感および外観の両面で麺類の嗜好性を改善することができる。
【0012】
これらの品質改良効果は、茹で上げあるいは湯戻し直後の麺に添加する場合だけでなく、茹で上げあるいは湯戻し後、一定時間経過した麺に添加する場合であっても良好に発揮される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明が対象とする麺類は、小麦粉(あるいは、そば粉、米粉、各種のデンプンなど)に水と塩などの添加物を加えて形成し、必要に応じて熟成後、種々の長さ、太さに切り出した麺線を水の存在下で加熱調理した食品である。具体的にはうどん、きしめん、蕎麦、素麺、中華麺、パスタやマカロニ等を挙げることができる。好ましくはうどんおよび中華麺であり、茹で上げ後あるいは湯戻し後、湯切りした麺に、本発明の品質改良剤を粉末状態で直接混合することができる。更に、当該品質改良剤は粉末状の調味料や油脂と一剤化して用いることも可能である。
【0014】
1 麺類用品質改良剤
本発明の麺類用品質改良剤は、アラビアガムを含有することを特徴とする。
【0015】
アラビアガムは、マメ科アカシア属植物の樹液に含まれる水溶性のヘテロ多糖である。 通常アラビアガムの起原として、Acasia senegal及びAcasia seyalを起原とするものを挙げることができる。アラビアガムは水に高濃度で溶解し、その水溶液は比較的低粘度である。アラビアガムは強い乳化力、乳化安定化力、カプセル化力、粘着性、保護コロイド性、及びフィルム形成性を有することから、乳化剤、増粘剤、安定剤、結合剤または皮膜剤として食品産業界で広く利用されている。
【0016】
アラビアガムの分子構造は明らかにされていないが、ガラクトース、アラビノース、ラムノース、およびグルクロン酸を構成糖とすることが知られており、少量(<2%)のタンパク質が含まれる。アラビアガムは、アラビノガラクタン(AG)画分(約80〜90%)、アラビノガラクタン−タンパク複合体(AGP)画分(約10%)、および糖タンパク(GP)画分(約1%)の3つの分子種からなり、また、重量平均分子量は20万〜58万Daであると報告されている。
【0017】
なお、本発明におけるアラビアガムは、その調製方法、精製方法、入手方法などは特に限定されず、商業的に入手可能なものを制限なく利用することができる。例えば「ガムアラビックSD」、「ガムアラビックSD−H」、「ガムアラビックHA」、「スーパーガムEM−2」および「スーパーガムNo.8」(いずれも三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)を挙げることができる。
【0018】
更に、本発明のアラビアガムは、粉末状、顆粒物、粒状、塊状物、玉状物、粗粉砕物など、いずれの形態のものを使用してもよい。
【0019】
本発明の麺類用品質改良剤には、その効果を損なわない範囲で他の食品原料および添加物を併用し、混合して粉末状の調味料製剤として供することもできる。具体的には、酵母エキス、鰹・昆布・肉等に由来するだし類、L-グルタミン酸ナトリウム、DL-アラニン、L-アスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸またはその塩、5'-イノシン酸二ナトリウム等の核酸またはその塩、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸、酒石酸等の有機酸またはその塩、および塩化カリウム等の無機塩類に代表される調味料;ごま油、オリーブ油、椰子油、サフラワー油、豚脂、牛脂、魚油等の植物・動物由来の油脂が例示できる。さらにカラシ抽出物、ワサビ抽出物、およびコウジ酸等の日持向上剤;シラコタンパク抽出物、ポリリジン、およびソルビン酸等の保存料;プロテアーゼ、ぺプチダーゼ、リパーゼ等の酵素;クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤;香料;β-カロチン、アナトー色素等の着色料;グァーガム、タラガム、ローカストビーンガム、水溶性大豆多糖類、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、コンニャク粉、コンニャクグルコマンナン、澱粉、化工及び加工澱粉、澱粉加水分解物、トラガントガム、カラヤガム、ガティガム、ペクチン、寒天、カラギナン、アルギン酸、アルギン酸塩、キサンタンガム、ジェランガム、プルラン、カードラン、ラムザンガム、ウェランガム、微結晶セルロース、微小繊維状セルロース、発酵セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)塩、メチルセルロース(MC)、エチルメチルセルロース、ハイドロキシプロピルセルロース(HPC)、ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、キチン、キトサン等の増粘剤、ゲル化剤;膨張剤;卵白、卵黄、全卵、乳清タンパク質、大豆タンパク質等のタンパク質;ショ糖、果糖、還元デンプン糖化物、エリスリトール、キシリトール等の糖類;スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の甘味料;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類;鉄、カルシウム等のミネラル類等を例示することができる。
【0020】
本発明の麺類用品質改良剤には、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対して添加量が0.1〜1質量%、好ましくは0.3〜0.8質量%となるようにアラビアガムを適宜調節して添加すればよい。具体的な一例として、麺類用品質改良剤に対しアラビアガムを2.5〜10質量%の割合で添加することができるが、かかる添加量は使用する麺の種類、調理方法に応じて適宜変更することが可能である。茹で上げ後或いは湯戻し後の麺に対するアラビアガムの添加量が、この範囲より少なくなると、麺のほぐれなどの効果が不十分であり、添加量が多くなるとダマが生じ、麺のほぐれが悪化する場合があるため、好ましくない。
【0021】
かかる麺類用品質改良剤を用いることにより、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に粉末状態で直接添加するという簡便な操作で、麺類のほぐれ性を改善し、調味料や油脂の麺中への分散を容易にすることで、味付けが均一になり食味が改善することができる。また、アラビアガムのコーティング作用により麺表面の乾燥が抑制され、麺の光沢が増し、保存後もしっとりした食感を維持することができる。つまり、食感および外観の両面でも麺類の嗜好性を改善することができる多機能の品質改良剤を提供することができる。
【0022】
尚、本発明における「ほぐれ性」とは、加熱による澱粉の糊化により麺線表面の付着性が増し、冷却による澱粉の老化過程で麺線同士が結着して塊状(団子状)になる程度が小さい性質のことをいう。また、食感的な「しっとりさ」とは、麺線に水分が保持され、表面がぱさついたり、ぼそついたりすることのない食感をいう。アラビガムが麺線の表面にフィルムを形成することで乾燥を防止し、保存後も表面がぱさつかず、適度な湿り気を維持することができるため、麺に光沢が付与される効果を発揮する。
【0023】
2 麺類の品質改良方法
本発明は、アラビアガムを含有する麺類用品質改良剤を用いることを特徴とする、麺類の品質改良方法に関する。
【0024】
本発明の麺類の品質改良方法は、上述の麺類用品質改良剤を茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対して、アラビアガムを0.1〜1質量%、好ましくは0.3〜0.8質量%添加することにより達成することができる。かかる添加量が0.1質量%より少ないと十分な効果が得られず、1質量%より多くなるとダマになりやすく混和性が悪くなり、十分な効果が得られない。
【0025】
品質改良方法の例として、茹で上がった麺あるいは湯戻しした麺に本発明の麺類用品質改良剤を0.1〜1質量%、好ましくは0.3〜0.8質量%の割合で添加し軽く麺を混和する方法が挙げられる。混和の方法は、麺に麺類用品質改良剤を添加しながら撹拌等の公知の手段で混和すれば良く、新たな製造用の装置や条件を設定する必要がないため、容易に実施することができる。
【0026】
かかる品質改良方法により、麺線の付着が抑えられ、容易に麺をほぐして食することが可能となる。また麺線自体の水分が適度に保持されることから、麺のしっとり感が維持され、つややかな状態を保つことができる。さらに混和後も麺線の乾燥が防止されるため、表面のぱさつきが生じず食味の良い麺とすることができる。
【0027】
さらには、本発明の麺類用品質改良剤を一旦水や湯に溶かし、茹で上がった麺あるいは湯戻しした麺をかかる品質改良剤溶液中に浸す、或いは当該溶液を麺に噴霧して軽く混和することによっても、粉末を添加した際と同様の効果を得ることができる。
【0028】
3 麺類用品質改良剤を用いた麺
さらに本発明は、アラビアガムを含有する麺類用品質改良剤を用いた麺類に関する。
【0029】
アラビアガムを含有する麺類用品質改良剤を、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に添加することにより、本発明にかかる麺を得ることができる。麺類用品質改良剤を添加する方法は、上述の通りであり、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対し0.1〜1質量%、好ましくは0.3〜0.8質量%の割合で添加すれば良い。添加量が少ないと十分な麺の改良効果が得られず、添加量が多くなるとかえってダマになりやすく、混和性が損なわれるため好ましくない。
【実施例】
【0030】
以下に、実験例及び実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は本発明を制限するものではない。
【0031】
<実験例1>
実施例1:粉末ソース
(1)やきそばの調製
即席カップめん(油揚げ麺)(日清食品株式会社製、「日清焼そば」)100gに、沸騰水500gを注ぎ、ふたをして3分間湯戻しした後、湯きりした。表1の処方に基づき、粉末ソースにアラビアガム(顆粒品)を添加して粉体混合し、粉末調味料を調製した。これを先の麺に添加して、箸で20回かきまぜて、混和性評価を行った。さらに20回かきまぜて均一にし、ラップフィルムをかけて室温にて30分間放冷したのち、官能評価に供した。
【0032】
(2)混和性
粉末ソースの、湯戻し後の麺への混和性を評価した。粉末ソースを麺に添加したのち、箸でかきまぜる工程における混和性を観察し、5:混和性がよい(粉末ソースの麺への分散が速やかで均一である)から、1:悪い(粉末ソースの麺への分散が遅く不均一である)の5段階で評価した。結果を表2に示す。
【0033】
(3)食感
パネラー5名で、つや、ほぐれ性、しっとり感について官能評価を行った。各パネラーの意見を集約し、5段階で(基準試料なし)評価した。つやは5:つやがある〜1:つやがない、ほぐれ性は5:ほぐれやすい〜1:ほぐれにくい(結着している)、しっとり感は5:しっとりしている〜1:ぱさついている、として評価した。結果を表3に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
アラビアガムを粉末調味料に配合して添加することで、粉末ソースの麺への分散が速やか、かつ均一になった(実施例1〜3)。一方で、麺に対するアラビアガムの添加量が少なすぎると混和性向上の効果がなく(比較例2)、逆に添加量が多すぎると粉末調味料が速やかに混和せずにダマとなり、ムラができた(比較例3)。また、アラビアガム無添加区の粉末調味料を添加した場合、粉末ソースが麺へ速やかに混和せず、ムラができた(比較例1)。
【0037】
【表3】

【0038】
アラビアガムを粉末調味料に配合して麺に添加することで、麺にほぐれ性、つや、しっとり感が付与され、外観および食感の両面で嗜好性に優れる良好なやきそばとなり、調理後時間が経過してもその状態が維持された(実施例1〜3)。しかし、麺に対する添加量が少なすぎると食感の改良効果が不十分であり(比較例2)、逆に添加量が多すぎると粉末調味料の混和性が悪くなり、ダマができて好ましくなかった(比較例3)。また、アラビアガム無添加の粉末調味料を添加した場合、麺にはつやがなく、麺同士が結着してほぐれず、ぱさついたものとなった(比較例1)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラビアガムを含有することを特徴とする粉末状の麺類用品質改良剤。
【請求項2】
アラビアガムの添加量が、茹で上げ後あるいは湯戻し後の麺に対し0.1〜1質量%である請求項1記載の粉末状の麺類用品質改良剤。
【請求項3】
麺類のほぐれ性、外観および食感のいずれかを改良する、請求項1または2のいずれかに記載の粉末状の麺類用品質改良剤。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の粉末状の麺類用品質改良剤を直接添加して麺の表面を被覆することを特徴とする、麺類の品質改良方法。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の粉末状の麺類用品質改良剤を用いて表面を被覆することを特徴とする麺類。