説明

麻酔剤の送達のための予圧されたロック可能な刺激用カテーテル

刺激用の針及びカテーテルシステム(複数の構成要素を含む)が、患者の体内への挿入後に、電気刺激によって、したがって特定の神経の位置を見つけることによって、刺激用針又は刺激用カテーテルの位置を特定することができるように提供される。針及びカテーテルシステムの使用は、医療従事者に対して当該システムをユニタリー構造で提供することによって容易になる。すなわち、針及びカテーテルがカテーテルロックによって接続される。カテーテルロックは、針のハブに取り付けられ、カテーテルをしっかりと把持するように、又はカテーテルを当該カテーテルロック及び針のアセンブリに対して軸方向に移動させるように作動することができる。したがって、カテーテルロックに既に固定されたカテーテルを医療従事者に与えることにより、医療従事者は患者に針を挿入することが可能となり、準備が整うと、カテーテルを分離して針から外して患者に入り込ませることが可能となる。この特徴及び開示されている他の特徴により、医療従事者は医療手技に意識を集中させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の背景]
本発明は、麻酔剤の送達のための医療外科機器に関する。本発明は、より詳細には、神経遮断として使用する麻酔剤の送達の際に使用する機器に関する。
【0002】
[関連特許出願の相互参照]
本願は、2005年3月8日に出願された米国特許出願第11/074,515号(その内容は参照により本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
針の先端から神経に送達される電気インパルスを用いて神経の位置を見つけるために針を使用することは、これまで長年にわたって知られている。例えば、Sarnoff, S.J.及びSarnoff, L.C.「Prolonged Peripheral Nerve Block by Means of Indwelling Plastic Catheter Treatment of Hiccup」(1950)を参照のこと。神経の位置を見つけた後、針の中に麻酔剤を挿入することで針の先端から麻酔剤が出て神経に接触するようになっている。
【0004】
代替的な手技がTsuiの米国特許第6,190,370号に開示されている。この手技は、刺激針の適切な位置決め、及び針による刺激カテーテルの導入を含む。刺激カテーテルは、ここでもまた配置を確定するために当該カテーテルが与える電気刺激を用いて、患者の神経付近及び叢の鞘(plexus sheath)内に適切に配置されると、神経遮断として使用する可変量の麻酔剤を送達するために使用されることができる。
【0005】
少なくとも一人の発明者が本開示と共通の、Hafer他の米国特許第6,456,874号は、針に挟持されるか又は電気的に取り付けられる電気ワイヤを開示しており、これもまた、当該技術分野においてよく知られている。代替的に、このワイヤは、針のプラスチックハブによりワイヤを適所に保持して針の近位端部に強固に取り付けられ得る。神経の位置を見つけるために、電気刺激がワイヤに、また、ワイヤを介して針に与えられる。米国特許第6,456,874号はまた、上記の針とカテーテルの組み合わせ、及びカテーテル内に収容される一体的な導電性ワイヤを開示しているが、カテーテルは、針によって挿入されるとそれを通して電流が加えられ、カテーテルの正確な位置決めがなされ得る。導電性ワイヤを通して送られる電気インパルスは、カテーテルの先端の正確な配置を決定する際に、したがって麻酔剤が送達される地点の正確な配置を決定する際に利用される。
【0006】
米国特許第6,456,874号はまた、針とカテーテルを組み合わせて用いることを開示している。初めに、通電した針を用いて神経の概ねの位置を見つける。概ねの位置が定まると、針による電気刺激を停止し、カテーテルを針により神経に挿入し、カテーテルの電気刺激を同様に開始する。通電したカテーテルの操作及びこの操作による生理学的結果を厳密にモニタリングして、カテーテルの遠位端の配置を最適にする。適正に配置されると、麻酔剤を所望の神経位置に送達することができる。
【発明の開示】
【0007】
[発明の概要]
本発明は、電気刺激用針と電気刺激用カテーテルの組み合わせであって、この2つの主要な要素が互いに一体的に供給され、カテーテルは針に予圧されており、所定位置に固定されている。本発明のカテーテル内に1つの電気接続が設けられ、針とカテーテルの双方に対して電気刺激を与える。本願で行った変更の主要な成果は、刺激用針と刺激用カテーテルの組み合わせの組み立てを医療従事者が使用することが大幅に容易になることである。カテーテルと針の組み合わせをほとんど又は全く必要とせず、単一の電気接続が行われる。使用成果である容易性を達成する他の特徴もまた本発明に提供される。
【0008】
麻酔剤送達装置は、近位端部及び遠位端部、並びに近位端部と遠位端部との間に延びる中央ボアを有する針を含む針アセンブリであって、上記遠位端部が鋭い遠位先端を有する、針アセンブリを備えて提供される。当該針アセンブリは、針の近位端部に接続される遠位部分を有する針ハブをさらに備え、また、この針ハブは、当該針ボアの全長に沿って中央ボアをさらに有する。ロック位置及びロック解除位置を有する解除可能なカテーテルロックが、針ハブの近位部分に取り付けられるとともにこの近位部分から近位に延び、解除可能なカテーテルロックは、当該解除可能なカテーテルロックの全長を延びる中央ボアを有する。また、近位端部、遠位端部、当該カテーテルの全長に沿った中央ボア、及び当該カテーテルの近位端部から遠位端部に延びる導電体を有するカテーテルが提供される。カテーテルの遠位端部は、カテーテルロックの中央ボア内に配置され、針ハブに延び、カテーテルの導電体は、針と電気接触する。
【0009】
針は金属構造から成り、その全長に沿って導電性である。針の外表面をコーティングするためには非導電性材料が使用されてもよく、針の少なくとも遠位端部に露出部分を残すことによって、電圧が不要な場所で消耗されないようにする。
【0010】
刺激用カテーテルは、ハブ部を通して、また、針の中央ボアを通して挿入されるようになっており、カテーテルの遠位端部は針の遠位端部から突出することが可能である。カテーテルは熱可塑性又は関連する材料から主に形成され、導管として利用できるカテーテルの中心を有する。カテーテルのこの中央導管又は中央内腔により、カテーテルの近位端部に麻酔剤を投与することが可能になる。導電性ワイヤが、カテーテルの熱可塑性壁に埋め込まれるか又はカテーテルの中央内腔内に主に配置されて設けられる。導電性ワイヤは、最短でカテーテルの近位端部からカテーテルの遠位端部まで延びる。導電性先端がワイヤの遠位端部に接続されてもよく、カテーテルの熱可塑性部分の遠位端部を越えて延びる。この導電性先端により、カテーテルの近位端部に隣接したワイヤに加えられる電気刺激がカテーテルの遠位端部の遠位の地点に伝わることが可能となる。
【0011】
プラグをカテーテルワイヤの近位端部に取り付けることができる。プラグは、電気刺激源に接続されることが可能である。
【0012】
代替的に、多目的コネクタの中にカテーテルの近位端部を挿入することができる。カテーテルの近位端部が多目的コネクタの保持部に挿入されると、多目的コネクタが操作されてカテーテルの近位端部をしっかりと捕捉し得る。多目的コネクタの構造により、注射器によって、又はカテーテルを通して流体を注入する他の装置によって、カテーテルの近位端部にアクセスすることができる。多目的コネクタには、カテーテルワイヤの近位端部に電気的に接触する電気接続部も設けられる。これらの電気接触により、カテーテルの近位端部にわたって多目的コネクタが存在しているにもかかわらず、カテーテルの導電性部分に電圧を印加することができる。
【0013】
カテーテルワイヤがプラグによりアクセスされるか又はプラグに取り付けられたカテーテルアダプタによりアクセスされるかにかかわらず、いずれの場合もカテーテルの近位端部に電気インパルスを送ることが可能である。この電気インパルスは、カテーテルワイヤに沿って導電性先端に伝わる。上述したように、この導電性先端はカテーテルの熱可塑性壁の遠位端部を越えて延びているため、電気インパルスがこの地点に伝わる。カテーテルが針の遠位先端を越えて患者の神経に至るように配置されている場合、電気インパルスは患者の神経に向けられることになる。
【0014】
カテーテルの遠位端部が針の中央ボアの内側に留まっている場合、カテーテルの導電性先端は針の内表面と接触することができる。針は導電性材料から形成されているため、導電性先端と針の内表面との間の接触により、カテーテルワイヤに加えられるいかなる電気刺激も針に、最も重要なことには針の遠位先端に伝わることになる。したがって、本発明によれば、カテーテルワイヤを用いて針の遠位先端に電気刺激を与えることができ、また、カテーテルの遠位端部が針の遠位先端を越えると、患者の神経に電気刺激を与えることができる。
【0015】
刺激用針及び刺激用カテーテルシステムとともに用いられ得る別の構成要素は、カテーテルロックである。カテーテルロックは、カテーテルを覆うように嵌まり、「ロック解除」時にカテーテルが内部を摺動することを可能にする。カテーテルロックは、作動時に、すなわち「ロック」時に、カテーテルロックが作動時に位置するカテーテルの部分がどれであってもしっかりと把持する。この把持機能は、特に、カテーテルが所与の位置に維持されることが望まれる場合に、カテーテルをしっかりと把持するのに用いられることができる。
【0016】
針の把持用ハブの近位端部へのカテーテルロックの取り付けにより、カテーテルを針に対して操作することができるか、又は針に対して適所にしっかりと固定することができる。例えば、針の内表面とカテーテルワイヤの導電性先端との電気接触が確立すると、カテーテルロックがこの電気接触を維持するように、すなわちカテーテルと針との関係を維持するように作動することができることから、カテーテルから針への導電が得られる。
【0017】
したがって、本発明の一目的は、刺激用針及び刺激用カテーテルシステムであって、針の遠位先端の位置がカテーテルワイヤ及び針に電気刺激を与えることによって定められ、したがって、特定の神経を見つけることができるように複数の構成部品を含む、刺激用針及び刺激用カテーテルシステムを提供することである。アセンブリが患者に挿入されて、針ハブから延びるハンドルにより患者の組織に対して操作される。特定の神経が見つかると、刺激用カテーテルの遠位先端を、針の遠位先端を若干越えた地点に前進させる。次いで、カテーテル先端を操作して、カテーテル先端の最適な位置がカテーテルの導電性先端に電圧を印加することによって確定され得る。最適な配置が達成されると、カテーテルは麻酔剤の連続投与に用いられる。
【0018】
さらに、患者に針を挿入する前に、カテーテルを「予圧」して、カテーテルロック及び針に固定することができる。かかる予圧構造は、針の内表面と電気接触するカテーテルワイヤの導電性先端を備えていることで、カテーテルワイヤを用いて導電性先端だけでなく針も刺激することができるようになっている。かかる予圧構造は、針を患者に挿入した後でカテーテルを針に通すステップを含め、いくつかのステップを手技から省く。また、このことはカテーテルにより達成されるため、針に電気刺激を与える別個の構造を必要としない。
【0019】
本発明の他の目的は、本システムを用いる者が、患者の神経に印加されている電流を容易に変えることができることを可能にすることである。そのような電気インパルスの変更は、患者に挿入されている装置から施術者が意識をそらす必要なく達成される。また、表示器により、患者の神経に印加されている電気インパルスを施術者が監視することができる。表示器もまた、針と連携しており、装置の挿入から意識をそらすことを最小限にとどめて電気的刺激信号を監視することができる。
【0020】
制御装置が刺激用針と連携し得る。制御装置により、施術者が、刺激用針から手を放すことなく、患者の神経に適用されている電気的刺激パルスを制御することが可能となる。制御装置を刺激用針と直接連携させることは多くの利点を有し、例として、針の挿入を行なう者が、別個の、すなわち遠隔の刺激制御装置を作動又はその操作を指示する必要なく、患者及び刺激用針へ意識をすべて集中させることを可能にすることが挙げられる。さらに、表示装置も刺激用カテーテルと連携し得る。そのような表示器は、患者の神経に印加されている電気インパルスに関する情報を施術者に与える。ここでも同様に、刺激用針から遠隔した個別の表示器を参照することなく、針構造だけに意識を集中させることができることにより、刺激用針及び/又は刺激用カテーテルの有効且つ安全な操作が可能となる。
【0021】
本発明による麻酔剤送達装置の好適な実施形態には、前述した針アセンブリであって、針ハブの中央ボアがハブの内側にフラッシュ室を画定する、針アセンブリを含むことが記載される。針の近位端部はフラッシュ室に延び、針の近位端部には針の中央ボアをフラッシュ室と接続させる1つ又は複数の側孔が設けられる。ハブはさらに、ハブの外側とフラッシュ室との間に透明又は半透明の部分を含む。フラッシュ室が針からの血液で満たされる場合、この血液はハブのこの透明又は半透明の表示窓を通して見ることができる。
【0022】
フラッシュ室と針アセンブリのハブの表示窓との組み合わせにより、血管が針によって穿刺された時を医療従事者が判定することが可能となる。加圧下の血液が針の中央ボアを通って針の側壁の孔に移動しフラッシュ室に入る。フラッシュ室が血液で満たされていることは表示窓から見ることができる。
【0023】
また、フラッシュ室を大気と接続させる排出ポートをハブ内に設けることができ、それにより、フラッシュ室に捕捉されている空気が、血液が針ボアからフラッシュ室に入ることによって変位することが可能となる。本発明のカテーテルは、当該カテーテルが針の側孔を遮断するように針ボアに入り込むほど延びていない限り、依然として針の近位端部に配置することができる。
【0024】
本発明の目的のいくつかを上述したが、他の目的は、以下に続く説明を以下に最良に記述された添付の図面と関連づけて考えれば明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
初めに図1を参照すると、皮膚表面部分14付近の皮下に位置する神経12を含む、人体10の部分が示されている。この使用例では、神経12の位置を見つけるために針アセンブリ16が人体10に挿入されている。刺激用針アセンブリ16は、互いの同軸上で延伸する針18及び中央スタイレット20を有する。針18は、その後端でプラスチック材料から成るハブ22に対して連結する金属針である。針18は、中空であり、ハブ22の前方に所定距離だけ突出する。
【0026】
針18はその長さに沿って3つの部分を有する。針の主な部分は中央部分24である。針のこの中央部分24は、外表面が電気を伝導しない絶縁コーティング26で被包されている。このコーティング26は、図1では交互の色区分28及び30に分割されているものとして示されている。これらの区分それぞれは、既知の特定の長さを有する。このような色分けによって、ユーザは、針18の先端32の貫通の長さを測定することができる。別法として、コーティング26は透明であってもよく、その下の針18の表面を、例えば交互の色又は他の深さを示す指標でマーキングしてもよい。
【0027】
針18の残りの2つの部分は、遠位端部34及び近位端部36である。その近位端部36では、針18がハブ22内に延伸し、ハブを針の周囲にモールド等することによって、針18が固定されている。針24の中央部分の絶縁コーティング26とプラスチックハブ22との間に、露出した近位端部36との接点によって針の残りの部分との電気接続が達成され得るように、針18の遠位端部36が露出している。針を通るボア38は、針ボア38と同じ直径の、ハブ22を通る軸方向に整合したボア40に通じる。ボア42の後端は、スタイレット20及びスタイレットハブ21を受け入れる際に使用するための雌ルアー開口44を設けるために、広がったテーパ状をしている。ハブ22には、ハブの外表面に形成された、軸方向に延在しているスロットすなわちキーウェイ25が設けられており、ハブのその外表面側では、針18の先端32が傾いている。
【0028】
図1Cに示すように、針18の遠位端部31が下方に曲がっており、針の遠位端部34は、針の主な部分の軸と角度2になるように切断されている。この傾斜した針の端部は、身体組織を容易に穿刺する鋭い先をなす先端32を提供している。この実施形態では、針の遠位端部34は、いかなる絶縁材料にも覆われておらず、覆われた中央部分24を経由して、針の近位端部36で電気接触している。絶縁コーティング26は、電気が針の中央部分24から半径方向に流れることを防ぐが、電気が針18の長さに沿って軸方向に流れることは可能にする。
【0029】
図1Dで最良に例示されるように、内部スタイレット20は、固体の金属針から形成される。このスタイレット20の遠位先端45は、針の先端32と同じ鋭い先端角度2を有するように切断されている。スタイレット20の近位端部には、プラスチック材料から成るスタイレットハブ21が連結されている。スタイレット20は、直径が外側の針18よりも小さい。スタイレット20を把持するスタイレットハブ21のコネクタ46は、ほぼ円筒形状である。コネクタ46の前端部は、ルアーテーパ48を有し、針ハブ22のルアーテーパ開口44内に適合する寸法になっている。図1において見られるように、矩形部分のショートぺグすなわちキー50が、スタイレットハブ21の下側に沿って設けられている。ぺグ50は、スタイレットハブ21の軸方向に延びており、ルアーテーパ部分48から小さい間隙で外側に離間している。ぺグ50は、スタイレットハブ21及びスタイレット20と整合されており、そのため、ぺグが針ハブ22のスロット25に係合すると、スタイレット20の傾斜した先端45の面が、針の傾斜した先端34と同じ面にある状態になる。針の鋭い先端とスタイレットとを組み合わせることによって、身体組織を容易に穿刺し、一方、針の中央ボア38を占めるスタイレットは、いかなる組織も針ボア38に入れないようにする。
【0030】
図1にはまた、電気コネクタ52が示される。電気コネクタ52は、鰐口クリップの形態とすることができ、麻酔神経スティムレータ(stimulator)17からの電気インパルスを針の近位端部36へ伝える。
【0031】
図1Aは、針アセンブリ16の先端の、先端をこちら向きにした図であり、針の傾斜した先端32及びスタイレット20の傾斜した先端45を示している。また、絶縁コーティング26が示されている。図1Bは、針アセンブリの針18の詳細図であり、スタイレット20が取り外され、ハブ22の小さな一部分だけを示している。さらに、図1の針18は、図1Aの断面線1Bに沿って断面で示されている。図1Bは、針18の種々の部分に対する(誇張した厚さの)絶縁コーティング26の関係を示す。
【0032】
次に図2を参照すると、カテーテルアセンブリ54が示されている。カテーテルアセンブリ54の直径は、当該アセンブリを、針アセンブリ16を通して患者の体内へ挿入することが可能な直径である。カテーテルアセンブリ54は、熱可塑性材料又は同様の材料から形成されたシース56によって主に画定される。螺旋状ワイヤコイル58も、カテーテルシース56とともに用いることができる。図3で最良に示されるように、螺旋状ワイヤ58は3つの部分を有する。すなわち、近位部分60、中央部分62、及び遠位部分64である。カテーテルアセンブリ54は、その全長にわたって、液体が自由に通過し得る中央ボア66を形成する。さらに、螺旋状ワイヤ58は、中央ボア66の周縁部分しか占めないため、中央ボア66の存在が保たれる。この中央ボア66は、螺旋状ワイヤ58の存在によりカテーテルシースを越えて延びているようにも見え得る。螺旋状ワイヤ58は、カテーテルアセンブリ54の必要不可欠な要素でなない。むしろ、螺旋状ワイヤは、特にカテーテルが自立的に支持するほど十分な強度を有する場合はなくてもよい。
【0033】
また、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66をリボンワイヤ57が占めている。リボンワイヤ57は、2つの主な機能を有する。これらの機能のうち第1の機能は、ワイヤへリックス58が存在する場合に、その過度の伸張を防ぐことである。この機能は、以下でさらに十分に説明するように、遠位先端72、及び螺旋状ワイヤ58の近位部分60にリボンワイヤ57がしっかりと取り付けられることによって達成される。リボンワイヤ57を螺旋状ワイヤのこれらの部分に取り付けることにより、ワイヤが恒久変形するほどにはヘリックスが伸張しないようにする。リボンワイヤ57の第2の機能は、カテーテルの近位部分からカテーテルの遠位先端72に電気を伝導することである。この電気の伝導は、ワイヤヘリックス58の導電に対する補足的なものであってもよく、又はワイヤヘリックスにより行われる導電の代替であってもよい。このような互換性は、ワイヤヘリックス58及びリボンワイヤ57がどちらもカテーテルの近位端部から遠位先端72に延びていることを考えれば明らかである。したがって、ワイヤヘリックス58及びリボンワイヤ57は、カテーテルアセンブリ54の一端から他端へ電気インパルスを伝導するための二者択一の選択肢となる。このような伝導を達成するのにこれらの2つのワイヤの一方が存在すれば、もう一方のワイヤは必要ない。
【0034】
螺旋状ワイヤ58の中央部分62は、カテーテルシース56によって完全に覆われておいる。螺旋状ワイヤの近位部分60は、カテーテルアセンブリ54の残りの中央部分に対して短いこと、及びカテーテルシースによって覆われていないことを除いて、きわだった特徴がない。螺旋状ワイヤ58の近位部分は電気接触され得る。以下に説明するように、このことは、図2に示すように螺旋状ワイヤの近位部分を露出したままにすることによって、又はワイヤ等の電気接続を設けることによって達成され得る。
【0035】
本装置の代替的な一実施形態では、ワイヤコイルは、カテーテルシース56が提供する熱可塑性カバー以外に又はこのカバーに加えて、絶縁材料59により覆われ得る。ワイヤの形成の際、この付加的な絶縁材料59(例えばPTFE(ポリ四フッ化エチレン)「TEFLON」)でワイヤの全周を包囲してから、ワイヤが巻装される。別法として、ワイヤが螺旋状コイルとなって形成された後で薄い絶縁コーティング59を施すことができる。かかる絶縁材料59は通常、ワイヤコイルが形成された後で、コイル全体に施される熱可塑性カバーよりもはるかに薄い。さらに、かかる絶縁材料59は通常、ワイヤの表面に直接結合される。ワイヤヘリックス58、及び本装置のうち導電性があるとともに患者の組織と接触し得る他の部分を絶縁材料でコーティングすることにより、本装置の導電性部分の大きさ及び位置を非常に厳密に制御することが可能になる。この制御は、本装置のうち患者の組織に電気インパルスを送出すべき正確な部分のみから薄い絶縁材料59を除去することによって達成される。さらに、本装置のうち比較的少量の部分の導電性部分のみが露出した状態では、この地点で得られる電圧密度は、供給される電気インパルスの出力に対して高い。
【0036】
カテーテルアセンブリ54の残りの部分に対して短く、カテーテルシース56によって覆われていない、螺旋状ワイヤの遠位部分64は、それらと関連するいくつかの特徴を有する。螺旋状ワイヤ58がその遠位端部でカテーテルシース56から出る地点では、へリックスは、ワイヤの近位部分60及び中央部分62を詰めて巻かれた性質を保持している(maintains the tightly wound nature of )。ヘリックスは短い距離の間詰められた状態のままでいて、その後、開へリックス部分68で開く。開へリックス部分68は、へリックスの数巻き分続き、それ以降、遠位部分64の詰めて巻かれた遠位端部70の構造に戻る。遠位端部70には、丸みのある金属部分である遠位先端72が取り付けられている。上述のように、遠位先端72には、同様に又は代替的にリボンワイヤ57が取り付けられ得る。螺旋状ワイヤ58の場合と同様に、遠位先端は導電性であり、絶縁が全くないか、又は絶縁材料(例えばPTFE)59の薄層により概ね覆われることができ、特定の非絶縁部分を有することができる。
【0037】
本明細書中で説明されているタイプのいくつかのカテーテルに伴う一問題は、それらカテーテルが包装(package)される方法に起因して生じる。カテーテルの長さによっては、カテーテルを巻装する必要がある。これらカテーテルの自然な形状は直線状であり、且つこれらカテーテルが成る材料は通常、非常に弾性があるため、カテーテルが包装から不適切に外されると、カテーテルが制御されずに巻装をほどかれるため、安全上及び衛生上の問題が生じるおそれがある。図27〜図30には、カテーテル包装クリップ420及び421の2つの実施形態が開示されている。クリップ420には、クリップを保持する表面425、及び巻装が急にほどかれないようにカテーテル54を保持する一体形トンネル422が設けられる。クリップ421は、二重保持部分423を有するが、トンネル424は、代替的な実施形態のトンネルと同様である。図30は、そのようなクリップがカテーテル54とともに包装される方法を示す。
【0038】
次に図4を参照すると、カテーテルアダプタ74が示されている。この構造の直径の場合、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66にアクセスすることはほぼ不可能であろう。この場合、カテーテルアダプタ74は、カテーテルを通して流体を制御して送達するための、種々の送達ビークル(例えば注射器)のための、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66へのアクセスを提供することが必要である。
【0039】
カテーテルアダプタの主な構成要素は、後部ボディ76、前部ボディ78、及びホールディングハブ80である。後部ボディ78は、中央フランジ82を有する。中央フランジ82の後部面84からは、ネジ付けされた外表面88及び中空中央ボア90を有する接続シリンダ86が延出している。このシリンダの機能は、カテーテルアセンブリ54に流体を制御送達する装置のルアー連結を促すことである。カテーテルアダプタ74が設けられている端部キャップ92は、主に滅菌のためであり、カテーテルアダプタ74がカテーテルアセンブリ54へ取り付けられると単に取り外される。中央フランジは、その中央に、完全に貫通するボア93を有しており、そのため、後部面84及び前面94が流体連通している。
【0040】
中央フランジ84の前面94から、オペレーティングシリンダ96が延びている。オペレーティングシリンダ96は、中央フランジ84の前面94に連結されており、特定の直径95を有する。オペレーティングシリンダの長さに沿って、オペレーティングシリンダの直径がテーパ98によって縮小される。オペレーティングシリンダの残りの部分は、オペレーティングシリンダの遠位端部100までこの縮小した直径99を有する。オペレーティングシリンダ96は、その全長に沿って延出する中央ボア102を有する。軸スロット104は、オペレーティングシリンダの遠位端部100から、ほぼその長さで延出する、すなわち、スロット端部106は、オペレーティングシリンダ96と中央フランジ82の前面94との連結点の近くまで延出している。細長いゴム状ガスケット105が、オペレーティングシリンダ96の中央ボア102に収容されてその長さの大部分に延出している。
【0041】
カテーテルアダプタの前部ボディ78は、後部ボディ76の中央フランジ84と同様の形状構造を有しており、この構造は、後部フランジ110と呼ばれる。後部フランジ110は、その前面112から前部シリンダ114へ延出している。前部シリンダ114は、後部フランジ110の前面112から前部シリンダの遠位端部116まで延出する、本質的に一定の外径を有する。中央ボア118が、前部シリンダ114に設けられ、その全長に延出している。この中央ボア118は、その長さに沿っていくつかの異なる直径変化を有する。後部フランジの後部面122上の中央ボア120の入口部では、ボアの直径は、中央フランジ84の前面94に連結しているオペレーティングシリンダ96の直径95よりもわずかに大きい。中央ボア120の長さに沿って、内径がテーパ123によって縮小し、テーパ123は、オペレーティングシリンダのテーパ98の鏡像である。したがって、これらの鏡像構造により、オペレーティングシリンダ96の外表面と前部ボディ78の中央ボア120との間で摺動接触が可能になる。
【0042】
ホールディングハブ80は、後部面128内に形成された円筒状リセス126を設けたほぼ管状のボディである。オペレーティングシリンダ96の遠位端部100は、ホールディングハブ80の円筒状リセス128にかみ合うとともに強固に連結されている。前部ボディ78の中央ボア120の直径は、その前面94からホールディングハブの長さより短い長さにわたり、ホールディングハブの直径よりわずかに大きい。ホールディングハブ80とオペレーティングシリンダの遠位端部100との間の強固な連結は、これらの2つの構造を前部ボディ78と摺動可能な関係で保持する。
【0043】
使用の際、カテーテルアダプタ74は初め、図4に示される形態である。この形態では、カテーテルアセンブリ54の近位端部60が自由に挿入され、カテーテルアダプタから引き抜かれ得る。カテーテルアセンブリ54の近位端部60は、前部ボディ78をカテーテルアダプタの後部ボディ76に向けて摺動させることによって適所に保持され得る。これらの部品が互いに関して摺動する際に、オペレーティングシリンダ96のテーパ98が、前部ボディ内部のテーパ123によって圧縮される。オペレーティングシリンダ96のスロット104により、この圧縮を発生させることができる。オペレーティングシリンダの圧縮により、細長いゴム状ガスケット105の圧縮が生じる。この細長いゴム状ガスケット105の圧縮により、ゴム状ガスケットがカテーテルアセンブリ54の近位端部60に摩擦係合することになり、したがって、カテーテルはカテーテルアダプタから容易に取り外せないようにすることができる。
【0044】
当該カテーテルアダプタのこの実施形態のさらなる構造は、金属ワッシャ−130である。この金属ワッシャ130は、中央フランジ82の前面94に隣接するオペレーティングシリンダ96の周りに配置される。シール132が金属ワッシャ130の流体漏れを防ぐ。金属ワッシャ130には、フランジ部分84及び110の上に延出するタブ部分134が設けられる。これにより、麻酔神経スティムレータ17から針アセンブリ16へ電気を伝導するために以前使用したものと同じ電気コネクタ52によって、ワッシャとの電気接触が可能となる。図5及び図6に見られるように、一対のワイヤ138は、金属ワッシャ130に取り付けられ、金属ワッシャから細長いゴム状ガスケット105の内部ボア140まで延出する。したがって、細長いゴム状ガスケット105がカテーテルアセンブリ54の近位端部60に関して圧縮されるとき、一対のワイヤ138と螺旋状ワイヤ58との間で電気接触が形成される。結果として、電気接触は、麻酔神経スティムレータ17から、カテーテルアダプタ74を通してカテーテル装置54の螺旋状ワイヤ58へ、またそれによってカテーテルアセンブリの導電性遠位先端72へと形成され得る。薄層の絶縁材料がアセンブリの導電性部分の周りに配置される実施形態では、ワイヤ138と接触することになる複数の部分での絶縁材料の取り除きが必要となる。ワイヤ138は、リボンワイヤ57の電気接触を可能にし、したがって、ワイヤ138によって電気スティムレータ17がカテーテルアダプタ74を介してリボンワイヤ57に取り付け可能となっている。
【0045】
麻酔剤を送達するのに用いるべき装置の代替的な一実施形態では、電圧源、例えば神経スティムレータ17から、患者の体内の適切な部位への電気の伝導に関するいくつかの変更がなされる。この代替的な実施形態により、医療従事者が、より厳密に、より少ないステップで、且つ、追跡し続けなくてはならない装置要素がより少ない状態で、機器をより容易に用いることができる。この実施形態は以下に述べる。しかしながら、この代替的な実施形態に関して説明された要素の多くは、他の実施形態と容易に交換可能であるとともに他の実施形態とともに用いることができる。先の実施形態による要素は上述しており、以下の代替的な実施形態において同様の形態のままであるため、当該要素を明記するのに同じ符号を用いるものとする。
【0046】
先に、図22を参照すると、皮膚表面部分14の皮下に位置する神経12を含む、人体10の関連部分が示されている。針アセンブリ16が、神経12の位置を見つけるために人体10の皮膚表面部分14の特定部位に挿入されている。針アセンブリ16は、互いの同軸上で延びる針18及び中央スタイレット20を有する。針18は、その後端でプラスチック材料から成るハブ22に連結する金属針である。針18は、中空であり、ハブ22の前方に突出する。
【0047】
針18はその長さに沿って3つの部分を有する。針の主な部分は中央部分24である。針のこの中央部分24は、外面が電気を伝導しない絶縁コーティング26で包装されている。このコーティング26は、図22において、交互の色区分28及び30に分割されて示されている。これらの区分のそれぞれは既知の特定の長さを有する。このような色分けによって、ユーザは針18の先端32の貫通の長さを測定することができる。
【0048】
針18の残りの2つの部分は、遠位端部34及び近位端部36である。その近位端部36では、ハブ22を針の周囲に成型すること等によって針を固定するハブ22内に針18が延びている。この実施形態では、ハブ22の外側に延びる針18の近位端部36は、絶縁コーティング26で覆われる。針38が通るボアは、針ボア38と同じ直径のハブ22を通る軸方向に整合したボア40に通じる。ボア40の後端は、スタイレット20及びスタイレットハブ21を受け入れる際に使用するための雌ルア開口44を設けるために、広がったテーパ状である。ハブ22内を延びるとともにハブ22内で針38に電気的に接続される接続ワイヤ144が設けられる。ハブ22は絶縁材料であり、ハブ22の外側の接続ワイヤ144が絶縁されるため、接続ワイヤ144からの電圧の漏れが防止される。接続プラグ142が接続ワイヤ144の外端に設けられる。接続プラグ142により、接続ワイヤ144を神経スティムレータ装置17に容易に接続することが可能となる。
【0049】
針の遠位端部34は、いずれの絶縁材料にも覆われておらず、覆われた中央部分24を介して、針のうち接続ワイヤ144に接続される部分で電気接触している。絶縁コーティング26は、電気が針の中央部分24及び近位部分36から半径方向に流れることを防ぐが、電気が針18の長さに沿って軸方向に流れることは可能にする。
【0050】
内部スタイレット20は、図1及び図1Dに関して説明したのと同じ構造を有する。
【0051】
次に、図9を参照すると、この実施形態の他の要素と組み合わさったカテーテルアセンブリ54が示されている。カテーテルアセンブリ54は、前述したのとほぼ同じであり、その直径は、当該アセンブリを、針アセンブリ16を通して患者の体内へ挿入することが可能な直径である。カテーテルは、熱可塑性材料又は同様の材料から形成されたシース56を備える。螺旋状ワイヤ58及びシース56は、液体が自由に通過し得る中央ボア66を形成する。
【0052】
先の実施形態におけるように、螺旋状ワイヤ58の近位部分60は、露出されたままであるため、電気接触され得る。図9に示す実施形態の接続ハブ174は、カテーテル54の近位端部、特にカテーテルシース56のうち螺旋状ワイヤの近位端部60に隣接する部分と摩擦係合することができる。接続ハブ174は、カテーテル56の近位端部を摺動可能に受容するとともに摩擦保持する。電気コネクタ176が、導電性材料から形成され、電気ケーブル172とカテーテルスタイレット178との間の物理・電気コネクタとして作用し、このカテーテルスタイレット178は、螺旋状コイル60及び安全リボンワイヤ57の長さの大部分と電気接触する。電気コネクタ176は、絶縁材料から作られる接続ハブ174によって完全に覆われているとともにしっかりと保持される。また、絶縁接続ワイヤ172が接続地点180にて電気コネクタ176に強固に接続される。したがって、接続ワイヤ172により、接続プラグ170から電気コネクタ176及び螺旋状ワイヤ58に電圧を伝えることが可能となる。接続プラグは、神経スティムレータ17等の電圧源に接続されることができるような寸法になっている(図1)。
【0053】
中央スタイレット178の近位端部は、カテーテルが接続ハブ174により摩擦保持されると、電気コネクタ176の地点182に強固に接続されてカテーテル54の長さの大部分にわたるカテーテル54の中央ボア66を通って延伸する。スタイレット遠位端部179を図9に示す。中央スタイレットは、特別な剛性が必要とされるとき、すなわちカテーテル54の挿入前及び挿入中に、カテーテルにそのような剛性を与えるような材料から構成される長いワイヤ構造である。
【0054】
なお、図9では、カテーテル54は接続ハブ174内に保持されているため、中央スタイレット178及びリボンワイヤ57は双方とも、カテーテル管腔66に存在する。中央スタイレット178は、電気コネクタ176の地点182に取り付けられた箇所から、いかなる他の構造にも強固に取り付けられることのない遠位端部179に延びる。上述したように、リボンワイヤ57は、遠位先端72に強固に接続された遠位端部、及びカテーテルアセンブリ54の近位端部60に強固に接続された近位端部を有する。
【0055】
先に説明した実施形態におけるように、螺旋状ワイヤ58の遠位部分64は、カテーテルアセンブリ54の残りの部分に対して短く、カテーテルシース56によって覆われていない。カテーテル54の遠位端部には、丸みのある金属部分である導電性遠位先端72が取り付けられている。導電性遠位先端72は、ワイヤコイル58を介するか又はリボンワイヤ57を介するかにかかわらず、介在構造を介して神経スティムレータに電気的に接触する。
【0056】
図7及び図8を参照すると、カテーテルアダプタ74が示されている。この構造の直径の場合、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66にアクセスすることは、難しいであろう。この場合、カテーテルアダプタ74は、カテーテルを通して流体を制御して送達するための、種々の送達ビークル、例えば、注射器のための、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66へのアクセスを提供するのに用いられる。
【0057】
カテーテルアダプタの主な構成要素は、後部ボディ76、前部ボディ78、及びホールディングハブ80である。後部ボディ78は、中央フランジ82を有する。中央フランジ82の後部面84からは、接続シリンダ86が延びている。このシリンダ86の機能は、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66に流体を制御送達することを可能にするように流体源の取り付けを容易にすることである接続シリンダ86の上に設けられた端部キャップ92は、主に滅菌のためであり、カテーテルアダプタ74がカテーテルアセンブリ54へ取り付けられると単に取り外される。中央フランジ82は、その中央に、完全に貫通するボア93を有しており、そのため、後部面84及び前面94が流体連通している。
【0058】
中央フランジ84から、オペレーティングシリンダ96が延びている。カテーテルアダプタ74の前部ボディ部分78は、オペレーティングシリンダ96の周りに配置される。図7及び図8において示されているカテーテルアダプタの動作は、多くの点で、前述し図4に示したカテーテルアセンブリの動作と同一である。図7及び図8に示した実施形態における一相違点は、接続ワイヤ144がオペレーティングシリンダ96を通るという点である。この接続ワイヤ144は、オペレーティングシリンダ96に入る場所以外は絶縁されている。したがって、カテーテル54の近位端部60は、オペレーティングシリンダ96の中央ボア102内に配置され、カテーテル54のワイヤコイル58及び/又はリボンワイヤ57は直接、又は例えば金属ナット若しくはワッシャ等の間にある導電構造を介して、接続ワイヤ144と電気接触する。オペレーティングシリンダ96の外側に延びている接続ワイヤ144の端部は、刺激用電圧を供給する装置17に接続することができる接続プラグ142に接続する。
【0059】
図10Aは、カテーテルアセンブリ54の遠位端部64の代替的な一実施形態を開示している。上記で開示されたものでは、カテーテルの遠位端部64よりも先に熱可塑性絶縁シース56が終端し、螺旋状ワイヤコイル58が導電性遠位先端72で終端する前にそのヘリックス68を開く。図10Aの代替的な実施形態では、導電性遠位先端72は、スラグタイプの遠位先端150と代替される。カテーテルアセンブリ54の熱可塑性絶縁シース56は、ワイヤヘリックス58の遠位端部を越えて、すなわち遠位端部の遠位に延びる。スラグタイプの遠位先端150は、直径がそれぞれ拡大してゆく3つの部分を有する。すなわち、ワイヤコイル58を収容するサイズになっているシリンダ158、熱可塑性シース54を受け入れるようなサイズになっている中央シリンダ156、及び熱可塑性シース56又はワイヤコイル58の内径よりも大きな直径を有してカテーテル54への行き過ぎた挿入を回避する遠位シリンダ157である。通路152は、スラグタイプの遠位先端150を貫通し、スラグタイプの遠位先端150の遠位出口154で終端する。したがって、カテーテルアセンブリ54の中央ボア66は、薬又は他の流体が通過することができる出口をさらに備える。
【0060】
図10Bは、絶縁材料59(例えばPTFE(TEFLON))の薄層が設けられている螺旋状ワイヤ58の横断面を示す。絶縁材料59の薄層は、ワイヤがヘリックスとなって形成される前又は形成された後に、ワイヤの全面を覆うように設けることができる。螺旋状ワイヤ58のうち露出される(したがって、ワイヤヘリックスを越えて電気を伝導することが可能である)ことが望まれる部分は、多くの標準的な方法のいずれかにより薄い絶縁コーティング59を容易に取り除くことができる。
【0061】
図10Cには、スラグ式の遠位先端150の代替的な一実施形態が示されている。ここでは、スラグ式の遠位先端150の通路152、シリンダ158、及び遠位出口154はない。したがって、スラグ式の遠位先端150は、中空ではなく、その中に流体を通すことはできない。ワイヤコイル58及び熱可塑性シース56を若干変更することにより、流体を通すことが可能となる。図10Cに見られるように、ワイヤコイル58のヘリックスは、他の実施形態(例えば図9)におけるのと同様に間隔の開いたもの160となっており、径方向通路162が熱可塑性シース58内に開ヘリックス160に隣接して形成される。したがって、流体流は、カテーテル54の中央ボア66から開ヘリックス160を介して出て、径方向通路162を通って患者の体内に入ることができる。
【0062】
図10A又は図10Cに示す実施形態では、リボンワイヤ57は、スラグ式の遠位先端150の近位端部に強固に接続されるか、又はワイヤヘリックス58の遠位端部に強固に接続されることができる。ワイヤヘリックス及び/又はリボンワイヤをスラグ式の遠位先端150と導通接触させることを可能にするいなかる構成も適している。
【0063】
スラグ式の遠位先端150の利点には、印加電圧が特定の場所に集中していることが挙げられる。スラグ式の遠位先端150のうち導電性がある実際の部分は、他の実施形態に比して比較的小さく、ワイヤヘリックス58及び導電性遠位先端72がどちらも導電性材料から作られている。印加電圧のこの集中により、カテーテルがより容易に且つより正確に配置され、したがって、カテーテルにより供給される流体がより容易に且つより正確に配置されることになる。さらに、本明細書中に記載のいずれかの他の導電構造の場合のように、PTFE等の絶縁材料の薄層をスラグ式の遠位先端150の表面に施し、次いで、その表面の特定の部分から絶縁材料を除去することができる。
【0064】
図11〜図15は、上述の装置とともに使用する筒状カテーテルロック200の一実施形態を開示している。カテーテルロック200の機能は、カテーテルロックによりカテーテル54がしっかりと把持されることが望まれるまで、カテーテルロックの中央ボアをカテーテル54が自由に通過することができるようにすることである。カテーテルロック200によるカテーテル54のこのようなしっかりとした把持は、カテーテルロックの作動により達成される。この構造及び機能は以下に詳述する。
【0065】
カテーテルロック200は、4つの主な構成要素から構成される。固定シリンダ202がカテーテルロックの他の3つの構成要素を支持する部分であり、この固定シリンダ202は、大径部分213及び小径部分214から構成され、小径部分214は大径部分213と同軸である。回転可能なシリンダ204が固定シリンダ202の小径部分214を覆うように配置される。圧縮性スリーブ208が、固定シリンダ202の小径部分214の中央ボア内に完全に収容されている。最後に、4つ目の主な構成要素は圧縮シリンダ210であり、この圧縮シリンダ210は固定シリンダ202の小径部分214の穴216に配置される。
【0066】
固定シリンダ202はその全長に沿って延びる軸方向のボアを有する。固定シリンダ202の小径部分214の軸方向のボアは、圧縮性スリーブ208と嵌合するサイズとなっている。固定シリンダ202の残りの軸方向のボア218は、カテーテル54と摺動可能に嵌合するサイズになっている。回転可能なシリンダ204の軸方向のボアは、固定シリンダ202の小径部分214と嵌合するサイズとなっている。回転可能なシリンダ204の内壁のリセス212は、圧縮シリンダ210の一部がはまり込むサイズになっている。
【0067】
カテーテルロック200の構成要素を共に図11及び図13に示すロック解除位置に合わせると、圧縮シリンダ210は固定シリンダ202の小径部分214の穴216に位置する。この2つの構成要素が整合すると、ロック解除位置において、圧縮性スリーブ208の弾性により、圧縮シリンダ210がリセス212に入るように押し上げられる。ロック解除構成では、カテーテルロック200は、カテーテル54に沿って自由に摺動することができる。
【0068】
カテーテルロック200は、図12及び図14に示すロック位置にねじることができ、このねじりは、回転可能なシリンダ204の表面上の平坦な把持部分206によって容易になされる。ロック位置では、固定シリンダ202の小径部分214の穴216、及び回転可能なシリンダ204のリセス212は半径方向に整合していない。そのため、圧縮シリンダ210は、回転可能なシリンダ204の内壁により圧縮性スリーブ208の弾性に打ち勝ち、それによって、回転可能なシリンダが回転してロック位置に入ったときに圧縮性スリーブ208が圧縮シリンダ210により圧縮される。このようにして圧縮されると、圧縮性スリーブ208及びカテーテル54間の接触がさらにいっそうしっかりとしたものとなるため、ロック解除位置にあったときよりも、これらの要素を互いに移動させるのに必要な摩擦力がいっそう高くなり、容易に打ち勝ちにくい。
【0069】
カテーテルロック300の第2の実施形態は図16〜図20に示す。このカテーテルロックは、作動シリンダ314が設けられた固定部分302を有する。少なくともカテーテル54を収容するのに十分に大きな直径を有するボアが固定部分302内に延びている。ボアのうち作動シリンダ内に延びる部分もまた、圧縮性スリーブ308を収容するのに十分に大きい。圧縮性スリーブ308はそれ自体、カテーテル54を摺動可能に受け入れることが可能なボアを有する。固定部分302の小径ボアは、作動シリンダ314内に配置されると圧縮性スリーブ308のボアと同軸となる。したがって、カテーテル54がカテーテルロック300を通ることが可能である。
【0070】
作動シリンダ314には、内部に軸方向のスロット316が設けられているとともに面上に突起315が設けられている。回転可能なシリンダ304は、作動シリンダ314を内部に受け入れることが可能な中央ボアを有する。回転可能なシリンダ304の中央ボアの横断面は、作動シリンダ314だけでなく、その表面上の突起315も受け入れる、すなわち、この中央ボアは、突起315を収容するためのより大きな半径方向部分312と、少なくともロック解除位置(図16及び図18に示す)で作動シリンダの残りの部分を受け入れる円形部分313とを有する。
【0071】
しかしながら、突起315は作動シリンダ314のいくつかの部分にしかなく、作動シリンダに対する回転可能なシリンダ304の回転により、円形部分313が突起を圧縮して作動シリンダのボアに入るようにする。この回転により、カテーテルロック300がロック位置に入ることになる。突起313の圧縮により、圧縮性スリーブ308が圧縮され、圧縮性スリーブ308とカテーテル54の接触がさらにいっそうしっかりとしたものとなるため、ロック解除位置にあったときよりも、これらの要素を互いに移動させるのに必要な摩擦力がはるかに高くなり、容易に打ち勝ちにくい。
【0072】
カテーテルロック300のペグ322が溝320に嵌まる。このことは、カテーテルロック300がロック又はロック解除されている時をユーザに示すこと、及び、固定部分302に対するカテーテルロック300の回転可能な部分304の過回転を防止すること、という2つの目的を果たす。
【0073】
図24に示す実施形態では、カテーテルロック300は、プラスチックの針ハブ22の近位端部に取り付けられる。この取り付けは多数の方法で達成することができる。カテーテルロック300をプラスチックの針ハブ22に永久的に取り付けておくことが有用であろう。したがって、カテーテルロックは、プラスチックの針ハブに物理的に溶接、糊付け、又はその他の方法で永久的に取り付けることができる。別法として、カテーテルロック300には、プラスチックの針ハブ22に対し嵌合可能且つ取り外し可能に接続することが可能な一体型コネクタ330を設けることができる。同様に、図25A及び図25Bは、プラスチックの針ハブ22に容易に提供され得る、適した構造に対し嵌合可能且つ取り外し可能に接続することが可能な、カテーテルロック300上の一体型コネクタ330を開示している。そのような多くのコネクタが当該技術分野で既知である。当然のことながら、カテーテルロック200は、図24に示す代替的な実施形態に代替され得る。
【0074】
Hadzicらの米国特許第5,830,151号は、「APPARATUS FOR LOCATING AND ANESTHETIZING PERIPHERAL NERVES A METHOD THEREFOR」を開示しており、これは参照により本明細書に援用される。Hadzic特許は、上述した神経スティムレータ17とほぼ同様の神経スティムレータの電気インパルス出力を施術者が制御することを可能にする装置を開示している。このような制御はフットペダルにより達成される。
【0075】
本発明の代替的な一実施形態では、神経スティムレータ17から電気インパルスを制御する電位差計が針ハブ22又はその拡張部に設けられる。針ハブ22に対するかかる拡張部350は図26に示される。拡張部350は針ハブ22と一体形であるか、又は、針ハブ22へのカテーテルロックの取り付けに対し、上述した方法を含めた多数の方法のいずれかで針ハブ22に接続することができる。神経スティムレータ17を制御する電位差計のインパルス制御は、任意の従来のスイッチ(例えばホイールタイプスイッチ354)の形態をとることができる。ホイールスイッチ354の作動により、神経スティムレータにより供給される信号と、針に送られる信号との関係を制御することができる。インパルス制御スイッチもまた、針に対し神経スティムレータにより供給される電気インパルス強度を増減させるための信号を、神経スティムレータ17にワイヤ導管144を介して送る。さらに、表示装置356は、拡張部350において支持されてもよい。この表示装置は、刺激用針18の遠位先端に加えられている電気インパルスに関する情報を送る際にユーザに把握可能な任意の形態をとることができる。この表示装置356は、単一のデジタル表示器又は一群のLED素子とすることができる。さらに、表示装置356は、神経スティムレータ17により供給される電気インパルスに関する情報を提示することができるか、又はフィードバック(すなわち、患者の標的組織10への電気インパルスの作用のモニタリング)であることができる。このフィードバックは、表示装置356を患者の標的組織356に(他の場合では、入力電気インパルスとは絶縁している)ワイヤにより接続することによって達成することができる。
【0076】
また、スイッチ358を拡張部350に設けることも可能であり、拡張部350の接続部分352に接続される装置(図示せず)からの薬剤又は麻酔剤の投与を制御することが可能な機械的スイッチ又は電気的スイッチである。患者の標的神経12に投与すべき薬剤を収容する装置は、ポンプ又はばね付勢式注射器を含めた多数の形態をとることができる。
【0077】
上記に開示した構造を針ハブ22に直接又は隣接して組み合わせることにより、この形式の手順の最も重要な局面、すなわち針18の適正な挿入という局面に医療従事者が全意識を集中することを可能にする。医療従事者は、針から目をそらす、又は電子刺激の増減を助手に言葉で指示する、又は適用されている刺激の電流強度に関して報告することによるために、気をそらされることない。さらに、針が適正に配置されると、医療従事者が針ハブ22から手を外さずに(手が外れると、針の先端を配置する際に意図せぬずれが生じる可能性がある)薬剤を投与することができる。
【0078】
上述した装置は、多くの様々な医療処置で使用することができる。以下に説明する医療処置は、上述した装置において具現化された特徴を利用する1つの形式である。本方法は、カテーテルアセンブリ54の正確な配置、特にその遠位部分64に対して図示される。カテーテルアセンブリ54の遠位部分64が正確な位置にあると判定されると、連続して斜角筋神経ブロックを与えることができる。
【0079】
患者は、あお向けの姿勢で首をわずかに延ばし、幾分後側へ向いている。助手が患者の腕を、ひじを曲げた状態に軽く牽引する。
【0080】
斜角筋溝(interscalene groove)は、以下の手順によってこの姿勢で容易に触診される。まず、胸鎖乳突筋の鎖骨頭の後縁を見つける。次に、触診する指をこの筋肉に対して後側面に置き、斜角筋溝を特定する。外頸静脈は、ほぼ常に斜角筋溝に対してまさに表面近くに位置しており、有用な付加的な標識構造を提供している。針の差込は、静脈に対して前方又は後方でなければならない。別の一定の所見では、斜角筋溝が、輪状軟骨組織レベルで胸鎖乳突筋の腹部の最も突出した部分に対して約3cm側方である。
【0081】
針アセンブリ16は、輪状軟骨レベル(C6レベル)で斜角筋溝へ挿入され、針は、全ての平面において皮膚に対して垂直に向けられる。この連続した斜角筋神経ブロック技法に関するカテーテルアセンブリ54の配置の場合、針アセンブリ16は、皮膚の乳様突起と鎖骨との間の約中間地点の、胸鎖乳突筋の鎖骨頭の後縁に対して後方に入る。
【0082】
針の差込地点は、副神経に対してちょうど尾側であり、後頸三角の前縁に対してちょうど後方である。副神経は通常、神経スティムレータ17の電気コネクタ52で経皮的に刺激することによって特定することができる。これは神経が、乳様突起と鎖骨との間の約中間の、後頸三角の筋膜カーペット(carpet)の表面近くを通るためである。針の先端32が副神経に近接して神経スティムレータ17からの電圧が印加される場合、僧帽筋の収縮及び肩帯の上昇が生じる。針アセンブリ16を、尾骨に向けて、椎骨に対して平行にし、斜角筋溝を標的にして、針アセンブリ16の斜角を横方向に(外側に)向けて、カテーテルの中央(硬膜)配置の可能性を避ける。
【0083】
針アセンブリの挿入中、遭遇する種々の神経を案内する助けとして、電圧を針の先端32に連続的に印加するものとする。肩甲挙筋及び菱形筋の神経は、針の先端32に初期時点で遭遇する。また、菱形筋を上昇あるいは回転させることによって刺激される場合、これらの神経の刺激により肩帯の運動が生じる。前斜角筋の腹部に位置する横隔神経に遭遇し得る。これにより、間違う可能性のない側性(ispilateral)横隔膜の単収縮が生じる。これらの神経すべては、針アセンブリ16を再方向付けする及び/又は再挿入することによって回避されるべきである。これらの神経を刺激することにより、正確な針の配置に関する誤った指示を生む可能性があり、局所麻酔薬がこの段階で注入される場合にブロック不全又は横隔神経麻痺をかなりの確率で引き起こすことになるであろう。
【0084】
腕神経叢に遭遇するとき、確実で間違う可能性のない筋肉の単収縮は、二頭筋運動がより容易に見られる二頭筋及び三角筋において観察されるべきである。このため、処置の間ひじを軽く曲げたままにする。横隔神経が間違って刺激された場合、針アセンブリ16をわずかに引き戻し、腕神経叢に遭遇するまで針の先端32をわずかに後方に向ける。針の先端32がさらに前進すると、他と異なる「ポップ」又は弾力性を感じることができ、その後は二頭筋及び三角筋の単収縮の強度が高い。これは、腕神経叢の筋膜鞘に貫通し、針の先端32がまさに腕神経叢と直接接触しているときである。この時点で、電気コネクタ52を針18から取り外すことができる。そうでない場合、針18に供給されている電気インパルスを単にオフに切替える。
【0085】
中央スタイレット20があれば、中央スタイレット20を針18から取り外し、カテーテルアセンブリ54が針ボア内にまだ収容されていなければ、針の先端32をちょうど通過する地点まで針18に供給する。このような導電性先端72の配置は十分に深いため、金属製の螺旋状ワイヤ58が針と接触しない、すなわち針の先端32は、電気を伝導しない(分散しない)カテーテルシース56と接触する。この時点で、前もって取り付けられていなければ、カテーテルアダプタ74を、カテーテルアセンブリ54の近位端部60に取り付けることができる。次いで、神経スティムレータ17の電気コネクタ52を、カテーテルアダプタ74上に設けられた金属ワッシャ130のタブ部分134に留める。当該装置の代替的な一実施形態では、カテーテルアダプタ74に接触してワイヤ144に取り付けられた接続プラグ142が、神経スティムレータ17に差し込まれる。
【0086】
筋肉の単収縮が増大することにつれ、神経スティムレータ17の出力を(通常約0.5mA〜1.0mAまで)下げることができる。この理由は、ここですべての電流が、カテーテルアセンブリ54のシースで覆われていないへリックス先端72に集中するためである。当該装置の代替的な一実施形態では、スラグ式の遠位先端150に電流がさらにいっそう集中する。神経スティムレータ17が約0.5mA出力することに伴う筋肉の収縮により、シースへの適切な配置のさらなる証拠が提供される。
【0087】
カテーテルヘリカル先端72又はスラグ式の遠位先端150の、針の先端32よりもさらに約1cm前方、腕神経叢鞘の下方への前進により、二頭筋及び三角筋の単収縮の減少が生じてはならない。しかしながら、筋肉の単収縮が減少することが多く、この場合、最大単収縮が再び観察されるまで、針16及びカテーテルコンプレックス54を一体として同時にわずかに引き戻す。次に、カテーテル54の前進中に最大単収縮が観察されるまで、カテーテル54を再び前進させ、上記工程を繰り返す。これは、カテーテルが前進している間に、最大の筋肉収縮を観察するためにカテーテルの正確な配置を保証するのに最も重要である。カテーテル54を、鳥口突起(coracoid process)を超えて供給できないことが多い。しかしながら、カテーテルをさらに押し進めてはならず、この理由は、神経を傷つけることになる可能性があるため、また、肩の手術の場合、必ずしもこの地点を越えてカテーテルを前進させる必要がないためである。次に、針アセンブリ16を取り外し、カテーテルをしっかりと固定する。
【0088】
留置斜角筋間カテーテル(indwelling interscalene catheters)は、落ちるか又は外れることがよく知られている。カテーテルが配置後に外れてしまわないようにするために、カテーテルを配置するために用いるものと同じ針16を、胸骨上切痕の真上から上皮側に、血管構造を避け、カテーテルの入口点へと挿入する。針アセンブリ16は、カテーテル54を挿入したのと同じ皮膚の開口部を通り抜け、カテーテルのすぐ隣に前進する。カテーテル60の近位端部は、針の先端32から針18を通って導入され、針はカテーテル54が皮下にトンネル作成されるように取り外される。カテーテルのもつれは、カテーテルが形成する屈曲(elbow)が皮下に消えると回避される。次いで、カテーテルは透明な包帯で覆われる。
【0089】
トンネル作成手順での針16の使用に対する一代替として、専用装置を用いてもよい。図23は、かかる専用装置を示す。トンネラー(tunneler)400には、トンネラースタイレット407又は他の鋭い器具に接続される把持用ハブ402が設けられている。トンネルシース410は、スタイレットをその長さの大部分にわたって覆う。カテーテル54を保持するのに役立つトンネルを作成するように所望される場合、トンネラー400が利用される。トンネルは通常、カテーテル54が患者の身体を出る箇所の近くの或る場所から始まる。したがって、トンネラースタイレット407の先端がこの箇所に挿入され、トンネルを終端させることが望まれるまで出口箇所から離れてトンネル作成し、その終端地点で、トンネラースタイレット407の先端を患者から出す。トンネルが作成されると、トンネラーが取り外され、トンネルシース410が把持用ハブ402及びトンネラースタイレットから完全に分離可能となり、患者の体内で皮下にトンネルが残る。この地点では、カテーテル54は、第1のカテーテル出口箇所に最も近いシースの端部に挿入され得る。カテーテル54は、トンネルシース410のもう一方の端部を出るまでトンネルシース410を通って容易に送り込まれる。次いで、上述のように、カテーテル54を皮下にトンネル状に貫通させたまま、トンネルシース410が患者から引き抜かれる。
【0090】
図23に示すさらなる特徴は、皮膚用ブリッジ(skin bridge)406である。皮膚用ブリッジ406は中央穴409を有し、この中央穴409によりトンネラーシース410が初めに皮膚用ブリッジ406を保持することが可能となる。トンネラースタイレット407が取り外された後、上述したように、カテーテル54は、穴409を通して配置される。次いで、上述のように、カテーテル54を皮下にトンネル状に貫通させたまま、トンネラーシースを患者から引き抜くことができる。皮膚用ブリッジをトンネラー400の近位端部に隣接して配置することにより、また、トンネラーがフォワード型(forward-type)であることにより、皮膚用ブリッジは、カテーテル54により、カテーテル54の最初の出口箇所に直接隣接して、すなわち、最初の出口及び皮下トンネル間に保持される。皮膚用ブリッジ406が標準的な方法を用いて患者の皮膚に固定されると、カテーテルの配置の安定性が高まる。さらに、皮膚用ブリッジ406をハンドルとして用いて、患者から又は単に皮下トンネルからカテーテル54を取り除くことができる。
【0091】
こうして、カテーテルアセンブリが適所に固定されると、麻酔剤が投与されて神経遮断がもたらされ得る。
【0092】
強度の運動遮断及び感覚遮断(dense motor and sensory block)が要求される場合:
ロピバカイン10mg/mL(1%)。20mLを一回分として投与し、次に注射器ドライバで希釈濃度(5mg/mL又は0.5%)を10〜20mL/時間で注入する。又はブピバカイン5mg/mL(0.5%)。20mLを一回分として投与し、次に、希釈濃度(2.5mg/mL又は0.25%)を10〜20mL/時間で注入する。
【0093】
最小の運動遮断での感覚遮断が要求される場合:
ロピバカイン2mg/mL(0.2%)。10〜20mLを一回分として投与し、次に同じ濃度を1〜10mL/時間で注入する。所望の作用を達成するように注入量を継続的に調整(滴定)する。
又は、ブピバカイン2.5mg/mL(0.25%)。10〜20mLを一回分として投与し、同じ濃度を1〜10mL/時間で注入する。所望の作用を達成するように注入量を継続的に調整(滴定)する。
【0094】
患者管理斜角筋神経遮断:
留置カテーテルにより、ブピバカイン30mL(0.4%)を腕神経叢鞘の斜角筋溝の位置(level)に一回注入し、その後、ブピバカイン0.15%を5mL/時間の割合でバックグラウンド注入し、患者の体重65Kg以上に対して4mL、及び患者の体重65Kg以下に対して3mLを患者管理により一回分投与する。20分間のロックアウト時間がPCA装置にプログラムされた。これは成功していると思われた。有望な予備段階の結果は、ロピバカインを用いて達成された。様々なレベル及び強さの運動及び感覚遮断を達成するためのより精密な遮断の調整は、ロピバカインを用いて可能になり得ると考えられる。
【0095】
本発明の他の実施形態は図27〜図33に開示される。これらの図に開示されている実施形態のいくつかの特徴は前述した構造と同様であり、これらの特徴は先に使用したのと同じ参照符号を付記されているが、いくつかの特徴は変更されており、他の特徴が加えられている。
【0096】
図27は、神経12に麻酔剤を送達するために患者の身体10の体外から神経12にアクセスするのに用いられる先に開示された実施形態と同様の、予圧された固定可能な刺激用針及びカテーテルのアセンブリを示す。針18は、神経12を見つける際の初期のステップとして患者の体内に挿入される。医者の親指と他の1本の指とでウイング状ハンドル441を把持することにより、挿入を行い、次いで、針18の遠位先端32を身体10の所定の皮膚表面部14に挿入する。
【0097】
図29に最良に見られるように、針ハブ22にはフラッシュ室(flash chamber)440も設けられ得る。フラッシュ室の目的は、血管が針18によって穿孔されると、医者に視覚表示を与えることである。針18の近位端部36には、フラッシュ室440と流体連通する針サイドポート442が設けられ、フラッシュ室440には排出ポート446が設けられる。針18によりカテーテル54を挿入する前では、針18の遠位先端32と針サイドポート442との間に障害物は何も存在しない。したがって、血管が針の遠位先端32によって穿孔される場合、加圧血液が、針サイドポート442に達するまで針18の中央ボア38を通って流れることになる。針18及びフラッシュ室440内に収容されている空気は、血液によって変位される際に排出ポート446を通してフラッシュ室440から出ることができ、針18の遠位先端32が血管に入ると、血液はフラッシュ室440内に達する。
【0098】
針ハブ22には、透明又は半透明の材料から形成された表示部分444が設けられているため、血液は、フラッシュ室440に入ると、表示部分444により観察可能であり、この表示部分444が、血管が遠位先端32によって穿孔されていることの視覚的表示をもたらす。
【0099】
図27〜図29はまた、針18、針ハブ22、カテーテルアセンブリ54、及びカテーテルロック420の関係を示す。カテーテルロック420は、針ハブ22の近位端部から近位に延びるとともにその近位端部に接続される。カテーテルロック420と針ハブ22との接続は、圧入/締り嵌め、接着剤による取り付け、多くの医療装置に一般的に見られるルアー若しくは同様のタイプのコネクタ、又は突起・溝式スナップ嵌めを含む多くの代替的な形態をとることができる。代替的に、針ハブ22及びカテーテルロック420を単品構造として一体形成することができる。
【0100】
しかしながら、針ハブ22及びカテーテルロック420が形成されており、その機能は依然として同じである。その機能は、針アセンブリ16、針ハブ22、及びカテーテル54を含む単一ユニットを医療従事者に提供することである。カテーテル54は、初めはカテーテルロック420内に保持されている、すなわち「ロックされて」いる。針ハブ22とカテーテルロック420との間の接続とともに、カテーテルロック420内でのカテーテル54の保持により、針アセンブリ16、針ハブ22、カテーテルロック420、及びカテーテル54(少なくとも初期)が全て単一ユニットの一部となる。この単一ユニットを用いる医療従事者は、多くの異なる部品が単一ユニット内に含まれているため、それら部品を探して組み立てる手順に気をそらされる必要がなくなる。このような理由及び関連した理由(例えば、部品がなくなること又は滅菌性)から、かかるユニタリー構造は、この形式の周辺神経遮断装置にとって非常に魅力的である。
【0101】
図27Aは、本発明の一実施形態による針18の遠位先端32の断面詳細図である。図27にも見られるように、カテーテル54は、針ボア38のほぼ全長に沿って配置される。スタイレット20は、例えば図27〜図33に示されるような、カテーテル54が予圧されるとともにカテーテルロック420によって適所に固定される実施形態では用いられない。カテーテルの導電性遠位先端72は、針18の遠位先端32に隣接した針ボア38の内表面と電気接触する。この接触の使用はさらに以下に説明する。
【0102】
図29は、本発明の代替的な一実施形態を開示している。この代替的な実施形態では、カテーテル54の導電性遠位先端72は、その近位端部に隣接した針18と電気接触するように、予圧されるとともに適所に固定される。
【0103】
カテーテルロックの他の実施形態は、本発明の用途(例えば図24)において前に開示されている。図29に示すカテーテルロック420は、かかるカテーテルロックの別の好適な実施形態である。カテーテルロック420の構成部品は、図30〜図32に個別に開示されており、図27及び図29は、使用の際にカテーテルロック420の構成部品がどのように共に合わさるかを開示している。
【0104】
図32には、カテーテルロック420のハウジング425が示されている。ハウジング425はその外表面に把持用リッジ485が設けられている。ハウジング425はほぼ筒状であり、その中央ボア428内にインサート424を受容するサイズとなっている。ハウジング425の近位端部では、受容部484がハウジングキャップ422を受容するサイズとなっている。また、キーウェイすなわちスロット488がハウジング425の近位端部内に形成され、ハウジングキャップ422のキー472を受容してハウジング425及びキャップ422の適切な整合を確実にする。ハウジング425の遠位端部は、針ハブ22の近位端部を受容するか、又は針ハブ22の近位端部に受容されるサイズとなっている。図32Aに示すように、針ハブ22の近位端部はハウジング425の中央ボア482に受容される。この構成については図27も参照のこと。ハウジング425の遠位端部に隣接した弧状キーウェイ486は、インサート424のキー435を調整可能に受容するようなサイズとなっている。弧状キーウェイ486はキー435よりも大きいため、インサート424はハウジング425に対して周方向に移動することができる。この移動の目的は、完全に組み立てられたカテーテルロック420の説明により明らかとなるであろう。
【0105】
図30には、ハウジング425の中央ボア482内に配置されるようなサイズとなっているインサート424が示されている。インサート424は、固いが可撓性のある任意の材料、例えばプラスチックから作製することができる。上述したように、キー435は弧状キーウェイ486に嵌まる。キー436が針ハブ22のキーウェイに嵌まることで、針ハブ22とカテーテルロック420の適切な整合を確実にする。
【0106】
インサート424はまた、その全長に延びる中央ボア460を含む。インサートの壁の2つの同一のスロット427が、インサート424の長さのおよそ半分だけインサート424の近位端部から軸方向に延びている。2つの同一のスロット427は、互いと180度変位しており、そのため、インサート424の2つの同一の半円壁部426を画定する。インサート424の各半円壁部426の底面には窪み434がある。インサート424の材料の弾性、スロット427、及び窪み434の組み合わせられた効果により、半円壁部426の近位端部が互いに対して離接するように押されることができる、すなわち、半円壁部426は、共により近接するか又は遠くに離れるように撓むことができる。図30及び図30Aは、何の力も半円壁部426にかけられていない状態での、すなわち半円壁部426が平衡状態でのインサート424を示す。半円壁部426の可撓性により果たされる目的は、完全に組み立てられたカテーテルロック420の機能の説明により明らかとなるであろう。
【0107】
図30Bには、インサート424の断面図が示されている。この断面図は、カテーテル締め付け部428を示す。半円壁部426のそれぞれは、インサート424の中央ボア460の軸へ内方に径方向に延びるカテーテル締め付け部428を有する。カテーテル締め付け部428は半円壁部426と一体形成されているため、半円壁部426の互いに対する離接移動により、締め付け部428の互いに対する離接移動が引き起こされる。締め付け部428により果たされる目的は、完全に組み立てられたカテーテルロック420の機能の説明により明らかとなるであろう。
【0108】
図31には、カテーテルロック420のキャップ422が示されている。キャップ422は、カテーテルロック420のハウジング425の近位端部に嵌まるサイズとなっている。キャップ422は、締り嵌め、同様の手段の固着によりハウジング425内に保持されることができる。キー472は、キャップ422がハウジング425に挿入されると、キーウェイ488と整合することで、2つの要素の適切な整合を確実にするとともに、キャップ422とハウジング425の相対回転(すなわち、ハウジング425の回転により常にキャップ422の回転が生じることになる)を防止する。軸方向ボア468が、キャップ422の全長に沿って形成され、中にカテーテル54を容易に挿入させるサイズとなっている。キャップ422のうちハウジング425に挿入される部分には、拡張部464を有する突起が延びている。拡張部464は互いに180度離れて設けられている。
【0109】
図29は、組み立てられた状態のカテーテルロック420を示す。カテーテルロック420のアセンブリは、キー435が弧状キーウェイ486と係合するように、ハウジング425の中央ボア482の内側にインサート424を配置することによって達成される。次に、キー472がキーウェイ488と整合するように、キャップ422をハウジング425の遠位端部に挿入する。カテーテルロック420が組み立てられると、インサート424の遠位端部432を針ハブ22の近位端部に挿入することができる。インサート424のキー436により、針ハブ22とカテーテルロック420の適切な整合が可能となるとともに、インサート424が針ハブ22に対して回転しないことを確実にする。前述したように、数多くの手段のいずれかを用いて、カテーテルロック420、より詳細にはインサート424の遠位端部432を、針ハブ22の遠位端部に取り付けることができる。
【0110】
前述したように、ハウジング425はキャップ422に強固に取り付けられ、インサート424は針ハブ22に強固に取り付けられる。しかしながら、これら2つのセットの構造間には強固な取り付けはない。この場合、これらの構造は互いに対して回転することができる。しかしながら、この相対回転はキー435及び弧状キーウェイ486によって制限される。図32Bに見られるように、弧状キーウェイ486は90度より幾分小さい弧を成している。キー435は、弧状キーウェイ内を移動するように制限される。したがって、ハウジング/キャップ構造425/422及びインサート/針ハブ構造424/22は、弧状キーウェイ486の制限により画定される弧内で自由に互いに対して回転する。
【0111】
弧状キーウェイ486の制限により、ハウジング/キャップ425/422及びインサート/針ハブ424/22の2つの異なる関係がもたらされる。これらの関係は「固定」及び「ロック解除」である。固定関係は図29に示す。固定関係では、何の力もインサート424の半円壁部426に加えられない。その結果、半円壁部426が互いに対して無応力状態をとる。この固定関係では、無応力半円壁部間の距離はカテーテル54の直径よりも若干小さい。締め付け部428間に配置されるカテーテル54は、カテーテルロック420が固定関係になるとこれら締め付け部428間でしっかり締め付けられることになる。
【0112】
カテーテルロックのロック解除関係は、キー435が弧状キーウェイ486の対向する限界点に向かって回転するまで、ハウジング/キャップ425/422及びインサート/針ハブ424/22の相対回転によって達成される。この相対回転により、キャップ422の突起拡張部464がインサート424の半円壁部426の小さい直径壁462と接触する。突起拡張部464はカムとして作用し、小さい直径壁462に外向きの半径方向の力を加える。この外向きの半径方向の力により、半円壁部426が互いから離れるように曲がる。この応力関係では、締め付け部428もまた、互いから離れるように移動する。締め付け部428間の距離は、カテーテル54の直径よりも大きくなる。したがって、この応力状態では、カテーテル54はカテーテルロック420内を自由に移動する、すなわちカテーテルロック420は相対回転の結果として「ロック解除」となる。
【0113】
したがって、カテーテルロック420は、カテーテル54を締め付けるように、又は、カテーテルロック420に対してカテーテル54の摺動可能な軸方向移動を可能にするように容易に操作されることができる。この操作は、カテーテルロックインサート424及び針ハブ22に対してカテーテルロックハウジング425及びキャップ422の相対回転により達成される。
【0114】
図27〜図33に開示されている実施形態では、針ハブ22を介する針18への何の電気接続も行われない。これは、当該実施形態にはかかる電気接続が必要とされないからである。そうではなく、電気インパルスは全てカテーテル54を介して供給される。カテーテル54の近位端部のプラグ170が導電体445に取り付けられる。導電体445は、導電性カテーテル先端443の遠位端部に取り付けられる。カテーテル先端443は針18の内表面と接触する。この電気接続の2つの例は図27A及び図29に示す。したがって、プラグ170の電流源への挿入により、カテーテル先端443にだけでなく針18にも電気接続が行われる。この場合、針ハブ22を介して針18に電流を供給する別個の電気接続装置は必要とされない。
【0115】
図33は、針ハブ22の特定の一実施形態を示す詳細図である。針18の遠位先端32の挿入を簡単にするためにウイング状ハンドル441が針ハブ22に設けられる。針ハブ22にはまた、図29に最良に見られるように、フラッシュ室440が設けられ得る。フラッシュ室の目的は、血管が針18に遭遇する時に関する表示を医者に与えることである。フラッシュ室440には排出ポート446が設けられる。血液が変位している場合、フラッシュ室440内に収容されている空気は排出ポート446から出ることができるため、針18の遠位先端32が血管に入る場合、血液はフラッシュ室440内に入ることになる。針ハブ22にはまた、透明又は半透明の材料から形成された表示部分444が設けられている。そのため、血液は、フラッシュ室440に入ると、表示部分444により観察可能であり、この表示部分444が、血管が遠位先端32によって穿孔されていることの視覚的表示をもたらす。
【0116】
図27〜図33に開示されている本発明の実施形態により、医療従事者が患者10への針アセンブリ16及びカテーテル54の挿入に意識を集中することが可能である。例えば、挿入手順の際に必要とされるさらなる構造の取得及びこれらの構造の組み立てのために、医療従事者が挿入手順から意識をそらされる必要性が最小限にとどめられる。この代替的な実施形態は、完全に組み立てられて医療従事者に提供されるか又は手技の開始前に予め医療従事者によって組み立てられることを含む。完全に組み立てられることで、針アセンブリ16(針18及び針ハブ22を含む)、カテーテルロック420、及びカテーテル54が単一ユニットとして提供される、すなわち、カテーテルロック420は針ハブ22に接続され、カテーテル54が既にカテーテルロック420に挿入され、固定されている。
【0117】
使用の際、医療従事者は、図27に示す予圧された固定可能な刺激用針及びカテーテルのアセンブリを用いて神経遮断手順を開始し、ここでは、プラグ170が神経スティムレータに差し込まれている。神経スティムレータは電流をカテーテル54に供給し、カテーテル54を介して針18に供給する。針ボア38に沿ってカテーテル54の導電性遠位先端72が針18に接触する場所は、電気接触がカテーテルと針との間で行われるのであれば重要ではない。たとえば、図27A及び図29の代替的な実施形態を参照のこと。把持用ハンドル441を用いて、医療従事者は針18を所定の皮膚表面部分14中に挿入する。所望の神経12に近接した針18の遠位先端32が通常の方法で確定され、この遠位先端32は神経スティムレータからの電流を供給される。前述のように、神経12が見つけられ、その筋膜鞘が穿刺されると、カテーテルロック420がロック解除となる。カテーテルロック420がロック解除となると、医療従事者は前述したのと同様にカテーテル54を針18の中央ボア38内を前進させ得る。カテーテルロック420は、針18とカテーテル54との固定関係を維持することが所望される場合、手順中に任意の地点で再び固定され得る。
【0118】
また、スタイレット20は図27〜図29に示される実施形態では用いられないことに留意されたい。針18の湾曲遠位先端32の構成は「コーニング(corning)」の発生を大幅に減らすか又はなくすということが確認されている。また、スタイレットがないことにより、フラッシュ室440をより効果的に用いることが可能となる。
【0119】
本発明のさらなる好適な一実施形態では、ハブ装置もまた、図26に開示される電流制御要素及び表示要素を含み得る。かかる一実施形態は、医療従事者が患者及び周辺神経遮断手順から意識をそらす必要をさらに減らすとともにそれらへの集中能力をさらに増大させる。
【0120】
上述の発明を、明確化及び理解のためにいくらか詳細に説明したが、本発明の開示を読めば、添付の特許請求の範囲における本発明の真の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において様々な変更が可能であることは、当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】針を神経鞘に挿入した状態の、針及びスタイレットの側面図である。
【図1A】針の先端、スタイレットの先端、及び近位端部間の針の領域を覆う非導電針材料の詳細を示す、針の遠位端部の構造から見た先端をこちら向きにした正面図である。
【図1B】ハブの一部のみを示し、スタイレットが取り外され、針の大半が断面線1B−1Bにおいて断面で示されている、針の上面図である。
【図1C】針の先端の詳細図である。
【図1D】内側スタイレットの側面図である。
【図2】カテーテルの側面図である。
【図3】図2の拡大版であるが、部分のみが示される螺旋状ワイヤの構造をより良く示すように、カテーテルシースが部分的に切り取られている図である。
【図4】カテーテルの近位端部が中に挿入されているが、まだ適所にしっかりと保持されていない状態の、多目的コネクタの断面の側面図である。
【図5】金属ワッシャー、多目的コネクタワイヤ、及び多目的コネクタの封止アセンブリの斜視図である。
【図6】金属ワッシャー、多目的コネクタワイヤ、及び多目的コネクタの封止アセンブリの側面図である。
【図7】カテーテルの近位端部が中に挿入されているが、まだ適所にしっかりと保持されていない状態の、間にあるカテーテルの大部分が切り取られて示され、カテーテルの遠位端部が示された、多目的コネクタの代替的な一実施形態の側面図である。
【図8】カテーテルの近位端部が中に挿入されているが、まだ適所にしっかりと保持されていない状態の、多目的コネクタの断面の代替的な一実施形態の側部断面図である。
【図9】中のいくつかの内部構造である電気接続ハブ及び電気接続プラグが明示された、カテーテルの部分断面の側面図である。
【図10A】代替版のカテーテルの遠位先端に挿入されて示されているスラグ式の遠位端の側面詳細図であり、カテーテルが部分的な図である。
【図10B】代替的な一実施形態を参照して説明される、上に配置される絶縁コーティングを示す、カテーテルの螺旋支持ワイヤの断面詳細図である。
【図10C】代替版のカテーテルの遠位端部に挿入されて示されている代替的な一実施形態のスラグ式の遠位先端の側面詳細図である。
【図11】ロック解除位置で示された第1の実施形態のカテーテルロックの斜視図である。
【図12】ロック位置で示された第1の実施形態のカテーテルロックの斜視図である。
【図13】ロック解除位置で示された第1の実施形態のカテーテルロックのこちら向きの図である。
【図14】ロック位置で示された第1の実施形態のカテーテルロックのこちら向きの図である。
【図15】その構成要素のそれぞれを示す、第1の実施形態のカテーテルロックの分解詳細図である。
【図16】ロック解除位置で示された、第2の実施形態のカテーテルロックの斜視図である。
【図17】ロック位置で示された、第2の実施形態のカテーテルロックの斜視図である。
【図18】ロック解除位置で示された、第2の実施形態のカテーテルロックのこちら向きの図である。
【図19】ロック位置で示された、第2の実施形態のカテーテルロックのこちら向きの図である。
【図20】その構成要素のそれぞれを示す、第2の実施形態のカテーテルロックの分解詳細図である。
【図21】カテーテルロックの円筒延長部を含む、第2の実施形態のカテーテルロックの固定体部分の側面図である。
【図22】針を神経鞘に挿入した状態の、針及びスタイレットの側面図である。
【図23】一体形の把持用ハブ及び皮膚用ブリッジを有するトンネル作成装置(tunneling device)の斜視図である。
【図24】針、針ハブ、及び当該ハブから近接して延びたカテーテルロックの側面図である。
【図25A】本発明によるカテーテルロックの一実施形態の側面図である。
【図25B】本発明によるカテーテルロックの一実施形態の端面図である。
【図26】一実施形態の針ハブ拡張部の側面図である。
【図27】本発明の一実施形態の斜視図である。
【図27A】図27の針の先端の詳細な断面図である。
【図28】本発明の一実施形態による、針アセンブリ、カテーテル、及びカテーテルロックの上面図である。
【図29】図28の針ハブ及びカテーテルロックの上面断面詳細図である。
【図30】カテーテルロックの一実施形態の挿入部の斜視図である。
【図30A】カテーテルロックの一実施形態のインサート部の側面図である。
【図30B】線30Bに沿ったインサートの断面図である。
【図31】カテーテルロックの一実施形態のキャップの斜視図である。
【図31A】カテーテルの一実施形態のキャップの側面図である。
【図31B】線31Bに沿ったカテーテルロックの一実施形態のキャップの断面図である。
【図32】カテーテルロックの一実施形態のハウジングの斜視図である。
【図32A】線32Aに沿ったカテーテルロックの一実施形態のハウジングの断面図である。
【図32B】カテーテルロックの一実施形態のハウジングの端面図である。
【図33】針ハブの代替的な一実施形態の斜視図である。
【図33A】図33に示されている針ハブの側面図である。
【図33B】線30Bに沿った、図33に示されている針ハブの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
麻酔剤送達装置であって、
a.近位端部及び遠位端部、並びに該近位端部と該遠位端部との間に延びる中央ボアを有する針を含む針アセンブリであって、
前記遠位端部は鋭い遠位先端を有し、
該針アセンブリは、前記針の前記近位端部に接続される遠位部分を有する針ハブをさらに備え、
i.前記針ハブは該針ハブの全長に沿って中央ボアをさらに有する、
針アセンブリと、
b.前記針ハブの近位部分に取り付けられるとともに該近位部分から近位に延びる、ロック位置及びロック解除位置を有する解除可能なカテーテルロックであって、該解除可能なカテーテルロックの全長を延びる中央ボアを有する、解除可能なカテーテルロックと、
c.カテーテルであって、近位端部、遠位端部、該カテーテルの全長に沿った中央ボア、及び該カテーテルの前記近位端部から前記遠位端部に延びる導電体を有するカテーテルであって、該カテーテルの前記遠位端部は、前記カテーテルロックの前記中央ボア内に配置され、前記針ハブに延び、該カテーテルの前記導電体は、前記針と電気接触する、カテーテルと
を備える、麻酔剤送達装置。
【請求項2】
前記カテーテルの前記遠位端部及び前記導電体に取り付けられる導電性カテーテル先端をさらに備える、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項3】
前記導電性カテーテル先端は、前記針の前記ボアの内表面と電気接触する、請求項2に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項4】
前記カテーテルの前記近位端部に取り付けられるとともに、該カテーテルの前記導電体に電気的に接続される電気プラグコネクタをさらに備え、
該電気プラグコネクタは、電気刺激源に接続されること、及び、その刺激を前記カテーテルの前記導電体及び前記針に伝えることが可能である、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項5】
前記カテーテルの前記導電体は、前記カテーテルロックが前記ロック位置にあるときに前記針と電気接触する、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項6】
前記針を覆うように配置される絶縁コーティングをさらに備え、
該絶縁コーティングは、前記針の前記近位端部と前記遠位端部との間の該針の外表面を覆い、
前記鋭い遠位先端の少なくとも一部は、前記絶縁コーティングで覆われない、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項7】
前記針ハブの前記中央ボアの一部と前記カテーテルロックの遠位端部とによって画定されるフラッシュ室をさらに備え、
前記針ハブのうち該フラッシュ室に隣接する部分は少なくとも半透明である、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項8】
前記針ハブを介して前記フラッシュ室を大気に接続する排出ポートをさらに備える、請求項7に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項9】
前記針の前記近位端部は前記フラッシュ室に延びる、請求項7に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項10】
前記カテーテルの前記遠位端部は前記針の前記近位端部に延び、
該針には該針の前記中央ボアを前記フラッシュ室と接続する針サイドポートが設けられる、請求項9に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項11】
前記カテーテルロックは、該カテーテルロックが前記ロック位置にあるときに前記カテーテルのうち該カテーテルロックの前記中央ボアに配置される部分を摩擦保持することが可能な締め付け部をさらに備える、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項12】
前記解除可能なカテーテルロックは、前記ロック位置と前記ロック解除位置とを交互にとる、アクチュエータ手段をさらに備える、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項13】
前記アクチュエータ手段と連携して前記カテーテルを把持する手段をさらに備える、請求項12に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項14】
前記針ハブは1つ又は複数のハンドルをさらに備える、請求項1に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項15】
麻酔剤送達装置であって、
a.中央ボア、遠位端部、近位端部、及び該近位端部を覆うように配置されるハブを有する針と、
b.カテーテルであって、遠位端部、近位端部、中央ボア、及び該カテーテルの該遠位端部から該近位端部に延びる導電体を有する、カテーテルと、
c.解除可能なカテーテルロックであって、
i.前記カテーテルロックを前記針ハブに取り付ける接続部分と、
ii.中央ボアを有するハウジングと、
iii.ロック位置とロック解除位置との間を作動可能な締め付け機構と
を有する、解除可能なカテーテルロックと
を備え、
前記解除可能なカテーテルロックは、該解除可能なカテーテルロックの接続部分により前記針ハブの近位端部に接続されるとともに該近位端部から近位に延び、
前記カテーテルは、前記ハウジングの前記中央ボア内に配置され、前記ロック位置では前記締め付け機構によって適所に締め付けられ、前記カテーテルは前記締め付け機構によって適所に締め付けられることで、該カテーテルの前記導電体のうち前記カテーテルの前記遠位端部に隣接する部分は、前記針と電気接触する、麻酔剤送達装置。
【請求項16】
前記カテーテルの前記遠位端部及び前記導電体に取り付けられる導電性先端をさらに備える、請求項15に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項17】
前記導電性先端は、前記カテーテルが前記カテーテルロックによって締め付けられると前記針の前記近位端部と電気接触する、請求項16に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項18】
前記導電性カテーテル先端は前記針の前記ボアの内表面と電気接触する、請求項17に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項19】
前記針を覆うように配置される絶縁コーティングをさらに備え、
該絶縁コーティングは、前記針の前記近位端部と前記遠位端部との間の該針の外表面を覆い、前記鋭い遠位先端の少なくとも一部は、前記絶縁コーティングで覆われない、請求項15に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項20】
前記カテーテルの前記近位端部に取り付けられるとともに前記カテーテルの前記導電体に電気的に接続される電気プラグコネクタをさらに備え、
該電気プラグコネクタは、電気刺激源に接続されること、及び、その刺激を前記カテーテルの前記導電体に伝えることが可能である、請求項15に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項21】
前記針ハブによって画定される前記中央ボアによって画定されるフラッシュ室をさらに備え、
前記針ハブのうち該フラッシュ室に隣接する部分は少なくとも半透明である、請求項15に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項22】
前記針ハブを介して前記フラッシュ室を大気に接続する排出ポートをさらに備える、請求項21に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項23】
前記針の前記近位端部は前記フラッシュ室に延びる、請求項22に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項24】
前記カテーテルの前記遠位端部は前記針の前記近位端部に延び、
該針には該針の前記中央ボアを前記フラッシュ室と接続する針サイドポートが設けられる、請求項23に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項25】
前記カテーテルロックの前記中央ボアは、前記カテーテルのうち該カテーテルロックの該中央ボアに配置される部分を摩擦保持することが可能な締め付け部をさらに備える、請求項15に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項26】
麻酔剤送達装置であって、
a.針アセンブリであって、
i.中央ボア、遠位端部、近位端部、及び鋭い遠位先端を有する針と、
ii.遠位端部、近位端部、及び該遠位端部から該近位端部に延びる中央ボアを有するハブであって、該ハブの該近位端部は、前記針の前記近位端部の周りに近接して配置されるとともに該近位端部にしっかりと保持され、前記中央ボアは、前記ハブの内側にフラッシュ室を画定し、前記針の前記近位端部は前記フラッシュ室に延び、前記針の前記近位端部は、前記針の前記中央ボアを前記フラッシュ室と接続させる1つ又は複数の孔を有し、該ハブは該ハブの外側と前記フラッシュ室との間に透明又は半透明の部分をさらに含む、ハブと
を有する、針アセンブリと、
b.前記ハブの前記近位端部に取り付けられるとともに該近位端部から近位に延びる、カテーテルロックであって、該カテーテルロックの前記近位端部から該カテーテルロックの前記遠位端部にかけて該カテーテルロックの全長を延びる中央ボアを有する、カテーテルロックと、
c.カテーテルであって、近位端部、遠位端部、該カテーテルの全長に沿った中央ボア、及び該カテーテルの前記近位端部から前記遠位端部に延びる導電体を有し、該カテーテルの前記遠位端部は、前記カテーテルロックの前記中央ボア内に配置される、カテーテルと
を備える、麻酔剤送達装置。
【請求項27】
前記カテーテルの前記遠位端部及び前記導電体に取り付けられる導電性カテーテル先端をさらに含む、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項28】
前記カテーテルの前記遠位端部は前記針の前記近位端部に延びる、請求項27に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項29】
前記導電性カテーテル先端は前記針の前記ボアの内表面と電気接触する、請求項28に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項30】
前記カテーテルの前記導電体は、前記カテーテルロックがロック位置にあるときに前記針と電気接触する、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項31】
前記針を覆うように配置される絶縁コーティングをさらに備え、
該絶縁コーティングは、前記針の前記近位端部と前記遠位端部との間の該針の外表面を覆い、
前記鋭い遠位先端の少なくとも一部は前記絶縁コーティングで覆われない、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項32】
前記カテーテルの前記近位端部に取り付けられるとともに該カテーテルの前記導電体に電気的に接続される、電気プラグコネクタをさらに備え、
該電気プラグコネクタは、電気刺激源に接続されるとともにその刺激を前記カテーテルの前記導電体に伝えることが可能である、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項33】
前記針ハブを介して前記フラッシュ室を大気に接続する排出ポートをさらに備える、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項34】
前記カテーテルロックの前記中央ボアは、前記カテーテルのうち該カテーテルロックの該中央ボア内に配置されている部分を摩擦保持することが可能な締め付け部をさらに備える、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項35】
前記カテーテルロックと連携して前記カテーテルを把持するロック手段をさらに備える、請求項26に記載の麻酔剤送達装置。
【請求項36】
前記カテーテルロックと連携して前記ロック手段を解除する手段をさらに備え、それにより、前記カテーテルを前記カテーテルロックに関して移動させることが可能となる、請求項35に記載の麻酔剤送達装置。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図33A】
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【図33B】
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【公表番号】特表2008−532623(P2008−532623A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500733(P2008−500733)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/006265
【国際公開番号】WO2006/096334
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(502047224)アロウ・インターナショナル・インコーポレイテッド (14)
【氏名又は名称原語表記】ARROW INTERNATIONAL, INC.
【住所又は居所原語表記】2400 Bernville Road, Reading, PA 19605, U.S.A.
【Fターム(参考)】