鼻に対し刺激信号を創出する為の鼻刺激装置
電子刺激システムは、容器(11),容器(11)の内側の電子装置(12),人が呼吸をしているかいないかを検出するために構成されている第1検出器(16(1)),電子装置(12)からの制御信号を受信し鼻の下のくぼみ又は人の鼻咽頭部に対し刺激を提供するよう構成された刺激装置(17)を有している。電子装置(12)は、呼吸信号に依存して制御信号を発生し、システムは刺激装置を鼻に対し装着する為の保持装置を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、鼻又は鼻に近い領域に対し、例えば鼻の下のくぼみの鍼地点(acupuncture point)GV26に対し、刺激信号を創出する為の電子システムに関係している。この領域は、刺激信号が人に吸引反射作用(aspiration reflex)を引き起こすよう選択される。
【背景技術】
【0002】
脳幹は、多数の生命の肉体機能を調整している中心機構を含んでいる。心肺システムの調整における損失は、多数の病的状況の結果となり、それらの幾つかは潜在的な生命の脅迫となる。
【0003】
特に睡眠中、日中でも、無呼吸に襲われた人々は、呼吸の不規則を示し、呼吸のしばしばの停止(無呼吸(aponea))、を示すという心肺システムの損失を有する。日中における無呼吸の出現は危険性が低い。何故ならば、意識した動作により自己管理できるからである。しかし夜間の無呼吸はより危険である。酸素不足により、患者は毎日の生活において非常に病的に感じる。無呼吸(aponea)の出現の間、血圧は低下し、続いて心臓がその機能を停止するかもしれず、不適切な脳の活動(perfusion),意識の損失,そして突然の死という結果になる。先進国における成人人口の少なくとも4%が睡眠無呼吸に罹っている。無呼吸(aponea)にはいくつかの型がある。一つの型は、中枢無呼吸(central aponea)であり、脳幹における呼吸中枢からの指令がなくなるによる呼吸筋肉(横隔膜を含む)の機能停止を含む。場合の略10%にこの型が生じている。もう1つの型は、障害呼吸停止(obstructive aponea)であり、場合の略80%にこの型が生じている。呼吸運動にもかかわらず、上気道の衰弱により肺に対する空気の供給がない。第3の型は、混合無呼吸であり、残りの患者に生じている。
【0004】
無呼吸は種々の方法による患者の刺激により無くすことが出来る。幼児においては、揺さぶりが、通常は赤子を眠りから起こし自動呼吸のプロセスを再始動させるのに十分であり、仮死からの蘇生を含む、息切れ(gasp)でさえ無くす。顔の輪郭にぴたりと沿ったマスクをして現在眠っている睡眠無呼吸に襲われた大人は、装置からの空気の僅かの過剰な圧力が連続して負荷されるされることが出来る(連続的な積極気道圧力−CPAP)。これは気道の開きを維持し自発呼吸による空気の供給を許容する。如何なる場合においても、これらの患者は彼等の呼吸装置に取り付けられて眠らなければならず、睡眠中の彼等の運動の自由を制限している。旅行中の睡眠無呼吸の患者は、呼吸装置を持ち歩く。中枢性無呼吸又は混合型睡眠無呼吸に罹っている患者は、CPAPによる治療が限界的に成功している。空気圧調整(BIPAP)が僅かにより良い成功率のみを提供している。
【0005】
1秒以上の酸素欠乏の呼吸により呼吸が停止することを猫による実験が示しており、血圧及び脈拍の急速な低下が伴う。鼻咽頭の機械的又は電気的な刺激がくんくんする(sniff)及びあえぐ(gasp)様な「呼吸反射作用(aspiration reflex)」を引き起こすことが出来る(Tomori and Widdicombe,1969,Benacka&Tomori 1995,Tomori et al. 1995,1998,2000)。再呼吸効果のお蔭で、血圧は通常に戻り、心臓のリズムは通常になり、呼吸及び精神活動機能は通常に戻る。麻酔をされた猫は、適切な血圧,脈拍,そして呼吸無しでの、長くとも3分間の後でさえも良好な状態にあるようにみえる。この実験は、同じ猫に対し、いかなる注目すべき悪い結果を伴うことなく10回以上繰り返すことが出来た。
【0006】
このような呼吸反射作用(aspiration reflex)の引き起こしは、猫における無呼吸の遮断の為の可能な手段として指摘されている(Tomori et al. 1991,1995,Benacka&Tomori 1995,Jakus et al.,2004)。或いは、同様な呼吸再開は、痙攣性刺激を含む、猫における鼻の下のくぼみの(電気)−鍼,(電気)−指圧又は機械刺激により引き起こされる、痙攣性刺激を含む、(Benacka&Tomori 1997)。
【0007】
この発明の優先権日に先立って刊行されていないPCT/NL2006/000599は、再呼吸肉体効果を得る為に引き起こされた呼吸反射作用(aspiration reflex)による脳幹の再呼吸刺激が人にも作用するという驚くべき発見を記載している。この文章はまた、引き起こされた呼吸反射作用(aspiration reflex)に続く脳幹の呼吸中枢の活動により人における無呼吸及び関連している心肺シンドロームを治療するするよう設計され幾つかの装置を記載している。
【0008】
PCT/NL2006/000599は、鼻の下のくぼみの鍼地点GV26を電気的又は機械的に刺激するよう設計された一般的な用語による鼻刺激装置を記載している。これは、患者の鼻の下に取り付けられた装置により、無呼吸の期間中に、流量計により空気の流れを検出して呼吸をモニターし、鼻の下の鍼地点GV26を刺激することを行なう。
【0009】
Janssen L.,et al.Respiratory and cardiac arrest under general anaesthesia;treatment by acupuncture of the narsal philtre,The Veterinary record,22 Sep 1979は、鼻の下の鍼地点GV26の鍼が、犬及び猫における現在の心拍停止及び生存サインの失効を伴ったanaesthetic無呼吸の幾つかの場合における43%の復活率を示していることを報告している。人に対するこのような実験はこの発明の発明者は知らない。さらに、犬及び猫における成功例が人に対する同様の成功例を全く保障しないことが分かっている。カッk所
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Arita H., Oshima T., Kita I., Sakamoto M.: Generation of hiccup by electrical stimulation in medulla of cats. Neurosci. Lett. 175: 67-70, 1994.
【非特許文献2】Batsel H.L., Lines A.J.: Bulbar respiratory neurons participating in the sniff reflex in the cat, J. Exper. Neurol 39:469-481,1973`
【非特許文献3】R. Benacka, Disorders of central regulation of breathing and their influencing by upper airway reflexes (in Slovak). Orbis Medince S; No. : 53 - 63, 2004,
【非特許文献4】R. Benacka and Z. Tomori, The sniff-like aspiration reflex evoked by electrical stimulation of the nasopharynx, Respir. Physiol. 102: 163-174, 1995.
【非特許文献5】J. Jakus, Z. Tomori and A. Stransky, Neural determinants of breathing, coughing and related motor behaviours, Monograph, Wist, Martin, 2004.
【非特許文献6】Sridhar R., Thach B.T. et al.: Characterization of successful and failed autoresuscitation in human infants including those dying of SIDS. Pediatr. Pulmon. 36:113-122, 2003.
【非特許文献7】St John W.M. , Bledsoe T.A., Sokol H.W: Identification of medullary loci critical for neurogenesis of gasping J. Appl. Physiol. 56: 1008-1019, 1984.
【非特許文献8】Z. Tomori, M. Kurpas, V. Doni. and R. BeAa.ka, Reflex reversal of apnoeic episodes by electrical stimulation of upper airway in cats, Respir. Physiol. 102: 175-185, 1995.
【非特許文献9】Z. Tomori, R. Benacka, V. Doni. and J. Jakus, Contribution of upper airway reflexes to apnoea reversal, arousal, and resuscitation, Monaldi Arch. Chest Dis. 55: 398-403, 2000.
【非特許文献10】Z. Tomori, R. Benacka and V. Doni., Mechanisms and clinicophysiological implications of the sniff- and gasp-like aspiration reflex, Respir. Physiol. 114: 83-98, 1998.
【非特許文献11】Z. Tomori and J.G. Widdicombe, Muscular, bronchomotor and cardiovascular reflexes elicited by mechanical stimulation of the respiratory tract, J. Physiol 200: 25-49, 1969.
【非特許文献12】Xie J., Weil M.H., Sun S., Yu T., Yang W.: Spontaneous gasping generates cardiac output during cardiac arrest, Crit. Care Med. 32: 238- 240, 2004.
【発明の概要】
【0011】
この発明の目的は、鼻に対する刺激を発生させるよう使用されることが出来る鼻刺激装置を提供することである。
【0012】
その為に、この発明は請求項1中に請求されている如き鼻刺激装置を提供する。
【0013】
このような装置の利点は、使用者を過度に邪魔することなく人体の顔に容易に装着されることが出来ることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
この発明は、この発明の幾つかの実施形態を示すとともに発明の範囲を限定しないことのみを意図している幾つかの図面を参照して詳細に説明される。この発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において、そしてその技術的に均等なものによって規定される。
【図1】図1は、この発明に従っている電子システムの概略的なブロックダイヤグラムを示している。
【図2】図2は、この発明において使用されることが出来る電子装置の例を示している。
【図3a】図3aは、この発明に従っている装置を身に付けている人の頭部を示している。
【図3b】図3bは、鼻の下のくぼみ(narsal philtre)に対して刺激を提供する為の実施形態を示している。
【図3c】図3cは、鼻咽頭部(nasopharyngeal)に対して刺激を提供する為の実施形態を示している。
【図4】図4は、刺激ユニットの行列構成を伴っている基板を示している。
【図5】図5は、図1の構成の代わりの構成を示している。
【図6】図6は、電子構成要素が設けられている可撓性基板を示している。
【図7】図7は、人の頭部及び首の部位の概略的な断面図である。
【図8】図8は、図7からの詳細である。
【図9a】図9aは、刺激信号の例を示している。
【図9b】図9bは、刺激信号の例を示している。
【図10】図10は、検出器及び刺激電子装置を伴っている可撓性容器の一部分を示している。
【図11】図11は、幾つかの実験結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明は、数ある中で、それを必要としている患者に自動蘇生(autoresuscitation)を誘引する為に適している装置に関係している。用語自動蘇生は、くんくんする(sniff)及び/又はあえぐ(gasp)様な呼吸反射作用(aspiration reflex)、又は種々の種における代わりの形態、非人間動物及び人の幼児において観察されている突発性あえぎ自動蘇生(spontaneous gasping autoresuscitation)により提供されているものと同様な、を導入することを介して人の組織体(human organism)の自然の代償機構(natural compensatory mechanism)の活性化による蘇生、を備えることに理解すべきである。この明細書において自己蘇生の導入を引用している時、用語蘇生(resuscitation)は使用されて良い。自己蘇生の導入から利益を得る患者は、a)呼吸システム,b)心臓欠陥システム,c)神経行動変化(neurobehavioral change),そしてd)精神障害(psychiatric disorder)の興奮(hyper)及び低下(hypo-)機能の如き、機能障害の為の体質(predisposition)にさらされている、及び/又は、を有している患者である。これらは、無呼吸(apnoea),短命な虚血性発作(transient ischemic attack)(TIA),ぜんそく(asthmatics)における気管支痙攣(bronchospasm),咽頭痙攣(laryngospasm),しゃっくり(hiccup),パーキンソン病に関係している震え(tremor associated with Parkinsons’ disease),てんかん性発作(epileptic seizure),失神型てんかん(absence type epilepsy),片頭痛(migraine),低血圧(hypotension),失神(syncope),へモハジックショック(haemorhagic shock)(血液の損失(loss of blood)),交代性片側麻痺(alternating hemiplegia),アルツハイマー病(Alzheimers disease),うつ(depression),神経性食欲不振(anorexia nervosa),過食症(bulimia),自閉症(autism),精神病的疾患(psychiatric disorder),睡眠麻痺(sleep paralysis),不眠症(insomnia),昏睡状態(comatose states)の1つ又はそれ以上を含む。
【0016】
呼吸中枢(inspiratory centre)の強力な活動を介して、「吸引反射作用(aspiration reflex)」が、脳幹の制御機能をセットし直すこと、同様に、あえぎ(gasping)により誘引された自動蘇生(autoresuscitation)の間の脳幹の活動を生じさせる、ことが信じられている。あえぎ又は引き起こされた(provoked)吸引反射作用の間の急速で強力な吸息運動(inspiratory effort)においては、脳幹中の呼吸中枢の活動が、心臓活動(cardiac activity),血圧,種々の神経性(neuropsychic)及び身体の駆動(somato-motor)機能も同様に、制御している中枢を含んでいる他の生命機能(vital function)の動作が上手くいかなくなっている中枢をリセットする。
【0017】
PCT/NL2006/000599中に指摘されている如く、如何なる理論によって願いが縛られることなく、吸引反射作用(aspiration reflex)を引き起こすことが、人体の障害(disorder)以下の5つのグループに関して手助けになるかもしれない。
【0018】
1.脳幹における呼吸ニューロン(inspiratory neuron)の瞬間的な不活動(transient inactivity)により生じる無呼吸(apnoea)及び呼吸低下(hypopnoea)においては、吸引反射作用(aspiration reflex)の引き起こしが、無呼吸(apnoea)又は呼吸低下(hypopnoea)を転換させ、そして突発性呼吸(spontaneous breathing)を回復させることが出来る。障害的な(obstructive)無呼吸(apnoea)を伴っている患者においては、脳幹における呼吸中枢の刺激は、気道(airway)の閉鎖を転換させ、そして通常の呼吸を回復させる。
【0019】
2.短命な虚血性発作(transient ischemic attack)(TIA),失神(syncope),低血圧(hypotension),片頭痛(migraine),そしてへモハジックショック(haemorhagic shock)を伴った患者においては、吸引反射作用(aspiration reflex)が、呼吸中枢(respiratory center)を介して、脳幹血管中枢(brainstem vasomotor center)を活動させて、脳及び心臓における周辺血管収縮(periferal vasoconstriction)及び血管拡張(vaso-dilatation)を引き起こし、その結果としての血圧の上昇及び結果として増大された脳及び心臓かん流(perfusion),病的な状態(pathological condition)の中断(interrupiting),停止(terminating)又は少なくとも緩和(alleviating)となる。
【0020】
3.気管支痙攣(bronchospasm),咽頭痙攣(laryngospasm),しゃっくり(hiccup),てんかん性発作(epileptic seizure),そして、パーキンソン病に関係している震え(tremor associated with Parkinsons’ disease)は、呼吸中枢からの網様体(reticular formation)を介し、脳幹及びその他の場所における関係する制御中枢に対する抑制影響(inhibitory influence)を提供している介在ニューロン(interneurons)を介して伝達された衝撃(impulse)により抑制される。
【0021】
4.交代性片側麻痺(alternating hemiplegia),睡眠麻痺(sleep paralysis),そして失神型てんかん(absence type epilepsy)においては、呼吸中枢(inspiratory centre)及び介在ニューロン(interneurons)を介した刺激が、網様体(reticular formation)の下降性部位(descending part)を活動させて運動ニューロン(motoneuron)を活動させ、発作(attack)を終了させるか又は少なくとも緩和させる。
【0022】
5.昏睡状態(comatose states),うつ(depression),不眠症(insomnia),アルツハイマー病(Alzheimers disease),神経性食欲不振(anorexia nervosa),過食症(bulimia),そして自閉症(autism)においては、呼吸中枢(inspiratory centre)及び介在ニューロン(interneurons)を介した刺激が、網様体(reticular formation)の上行部位(ascending part)に影響を与える。これは、うつ(depression),過食症(bulimia),神経性食欲不振(anorexia nervosa)を抑制又は開放を提供し、そして、精神集中(concentration)及び他の認識機能(cognitive function)を増大させる。これは、幾つかの昏睡状態(comatose states)を改善させ、アルツハイマー病(Alzheimers disease)及び自閉症(autism)を抑止し、そして、不眠症(insomnia)及び精神障害(psychiatric disorder)に良好な影響を有する。
【0023】
脳幹の呼吸ニューロンの蘇生刺激は、種々の脳幹中枢に影響を与える、吸引反射作用(aspiration reflex)又はその代替えが引き起こさせる、人の体の刺激を意味すると理解すべきである。このような刺激を介し、装置により取り扱い可能な状態に関係した脳の他の部位が影響される。吸引反射作用(aspiration reflex)及びその代替えは、通常の特徴として、あえぐ(gasp),くんくんする(sniff),ため息をする(sigh)又は増大された呼吸(augmented breath)の一つ又はそれ以上の以前又はそれらの間に生じるものと比べると、強く短い呼吸運動(inspiration effort)を有する。
【0024】
図1は、蘇生装置10のブロックダイヤグラムを示している。蘇生装置10は、容器11を有する。容器11中には、電子装置(electronics)12に連結されている蓄電池13が収容されている。蓄電池13は、心臓ペースメーカー中において一般的に使用されている如き、微細結晶化されているカソード(nanocrystaline cathode)を伴っているリチウムヨウ素(lithium iodine)を備えていることが出来る。電子装置12は、適切なワイヤー14を介して検出装置16に連結されているとともに、適切なケーブル15を介して刺激装置17にも連結されている。
【0025】
電子装置12は、アナログ回路,デジタル回路,又は適切なコンピュータプログラムにより指示される処理装置(processor)を伴っているコンピュータ構造、又はこれらの如何なる組み合わせにより、実施されることが出来る。図2は、コンピュータ構造を基にした実施形態を示している。
【0026】
図2中に示されている如く、電子装置12は、例えば、記憶装置21と連結されているマイクロプロセッサー20の形態の、制御装置を備えている。更に、マイクロプロセッサー20は、適切なワイヤー22を介して波動関数(wave function)発生器23に連結されていて、それは刺激装置17に対し連結可能なワイヤー15に連結されている出力を有している。
【0027】
記憶装置21は、異なった型式の幾つかの記憶ユニット(RAM, ROM,その他)として実施されてよい。記憶装置21は、プログラムの指示を貯蔵していて、マイクロプロセッサー20が1つ又はそれ以上の機能を行なうことを許容している。さらには、記憶装置21は、コンピュータ読み取り可能な記憶装置の如き所定の機能を貯蔵する為の如何なる適切な記憶装置であってよい。所定の機能は、数学機能(mathematical function)又は相関(correlation)であって良い。適切な機能は、所定のパラメータ値が所定の閾値と等しいか,より大きいか,又はより小さいかを
決定するのに適している機能でよい。彼の知識に基づいて、習熟した人々は、所定のパラメータ値の関数として回答が要求されていることを基にして適切な関数を決定することが出来る。例えば、その機能は、或る時間枠(time frame)に対する或る閾値以下の或るパラメータ値の不在に関係してよい。このような関数は、或る時間期間、例えば2秒及びそれ以上,5秒及びそれ以上、又は10秒又はそれ以上、の呼吸の不在を検出することと決定されて良い。
【0028】
記憶装置21中に貯蔵されている如きプログラムを基にして、マイクロプロセッサー20は、前記関数において検出装置16から得られた如き検出されたパラメータ値の数を処理することが出来る。このために、検出されたパラメータ値は、検出装置16から直接又は、その中に検出された測定値が既に負荷されている記憶装置21から、マイクロプロセッサー20中に負荷される。この関数は、記憶装置21からマイクロプロセッサー20中に負荷されるか、又は別の実施形態においては、所定の関数がマイクロプロセッサー20中に埋設されていてもよい。後者の実施形態においては、少なくとも1つの記憶装置が(部分的に)マイクロプロセッサー20中に一体化されている。
【0029】
検出装置16は、多数のパラメータ値を検出する為の如何なる適切な装置であってよい。この明細書において、「数(number)」は、他に特別にいわれない限り、1つ又はそれ以上である。使用において、検出装置16は、所定のパラメータ値に対応した所定のパラメータ値を表している、出力信号をワイヤー14上に提供する。所定のパラメータ値は、或る時間枠内で検出装置16により測定/決定された如きパラメータの値である。パラメータは、患者が自動蘇生(autoresuscitation)の導入の必要があるか無いかを決定する基になる如何なるパラメータであって良い。
【0030】
患者が自動蘇生(autoresuscitation)の導入の必要があるか無いかを決定するのに適切なパラメータは、それに限定されないが、筋肉活動に対応しているパラメータ,呼吸に対応しているパラメータ,又は、脳細胞を含んでいる神経細胞の電気活動又は咽頭(pharynx),耳又は人の体の上の如何なる他の適切な地点から記録された電気活動の如き大脳活動(cerebral activity)に従っているパラメータを含む。体温を測定する為の検出器,圧力を測定する為の検出器,そしてマイクロホンの如き音検出器のような他の検出装置も同様に適用させてよい。
【0031】
筋肉活動に対応しているパラメータは、それに限定されないが、筋肉の動き及び電気的活動を含む。筋肉の動きは、多数の加速計の如き、動きを検出する為に適したいかなる検出装置16により検出されてよい。筋肉の電気活動は、心電図(electrocardiogram)(ECG),神経電気図(electroneurogram)(ENG),収縮を示している活動図(actogram),その他を含んでいる、筋電図(electromyogram)(EMG)を検出する為に従来使用されている装置の如き当該技術分野において知られている如何なる適切な装置の使用により検出されてよい。一つの実施形態においては、検出装置16に連結されている検出電極により検出された筋電図(electromyogram)(EMG)を記録するよう検出装置16が構成されている。検出装置16は、人の横隔膜(diaphragm)に取り付けるのに適切であってよい。例えば、咽頭活動(phasic activity)の強度,周期,繰り返し能力(repeatability)を含むEMGデータは、マイクロプロセッサー20において処理される。
【0032】
呼吸に対応しているパラメータは、それに限定されないが、横隔膜(diaphragm),肋間筋肉(intercostal muscle),胸筋(musculus pectoralis),腹筋(abdominal muscle),上下気道の筋肉(muscles of upper and lower airways),そしてそこに含まれる他の筋肉の如き呼吸活動に含まれる筋肉の活動に従っているパラメータを含む。上述した如き筋肉活動に対応しているパラメータは、適切である、この発明に従っている装置の代わりの実施形態においては、呼吸活動に対応しているパラメータは、気道中及び/又は患者の気道の入口/出口の近傍における気体の流れ(gas flow)を備えてよい。患者の気道の入口/出口は通常、鼻外孔(nostril)及び/又は口又は幾つか患者においては気管チューブ(tracheal tube)を備える。当業者は、例えば、呼吸流量計(pneumotachograph)又は、サーミスタ(thermistor),Pt100,Pt1000,及びその他の如き温度計により、気体の流れを決定する為の適切な装置について詳しい。
【0033】
装置16のさらなる代わり実施形態は、検出される呼吸活動に対応しているパラメータが音を備えてよい。呼吸の間には、音が生じる、例えば、咽頭における空気の渦巻きにより生じる。呼吸音は、それに限定されないが、いびき(snoring),吸息(inspiratory)及び呼息(expiratory)のぜん音(stridor),うめき声(groaning),その他を含む。これらの音は、人の呼吸活動を検出する為に使用されて良い。音を検出する為の適切な検出装置16は、マイクロホン,コイル/磁石システムに連結された膜(membrane)又は、この膜(membrane)の動き又は移動を登録する能力を伴っている膜(membrane)を備えている如何なる他の装置である。このような音は、例えば、口,咽頭,及び耳の少なくとも1つにおいて検出されて良い。
【0034】
この発明のさらに代わりの、実施形態においては、電子脳造影図(encephalogram)が電子装置12によって使用されてよい。もしそうであるならば、検出装置16はまた、脳幹の電気活動を検出するよう構成されている。大脳活動(cerebral activity)は、例えば、人の頭蓋骨の皮膚又は耳において測定されることが出来る電界(electrical field)を創出する。あるいはこれらの信号は、人の咽頭(pharynx)から記録されてよい。咽頭(pharynx)の表面から電気活動を検出する為の適切な装置は、適切な増幅器及びフィルターに連結されている導電パッチ(conductive patch)である。当業者は、皮膚から脳の電気活動を決定する為の適切な装置に詳しい。
【0035】
或いは、検出装置16は、患者の血液中の酸素飽和度を測定する検出器に連結されている。酸素飽和度の測定は、無呼吸(apnoea)が存在するかどうかの良い指標である。この発明の状況においては、これは自身の鼻外孔(nostril)内において有意に行なうことが出来る。
【0036】
刺激装置17は、処理されたパラメータの関数として回答を提出するよう構成されている。刺激装置は、脳幹の呼吸中枢を刺激及び/又は再活動させるよう蘇生刺激(resuscitating stimulation)を提供するよう設計されている多数の刺激ユニットを備えていてよい。
【0037】
この発明に従えば、鼻刺激装置は脳幹の呼吸中枢の蘇生刺激(resuscitating stimulation)の為に使用されている。鼻刺激は、そこに適切な刺激が提供されることにより吸引反射作用(aspiration reflex)が引き起こされる、鼻の上又は近傍の1つ又はそれ以上の地点に対する刺激を提供するよう構成されている。このような地点は、例えば、鼻の下のくぼみの鍼地点GV26であってよい。
【0038】
刺激装置17は、機械的又は電気的刺激装置であってよい。電気的刺激装置は、分離された電源を含んでよい。適切な電源は、スパイク(spike)が使用された場合には、刺激の為の電圧選択を許容する、充電されたコンデンサーの列であってよい。この分離された電源は、代わりに、刺激装置17が容器11中の蓄電池13とワイヤー15を介して連結される場合にはなくてもよい。図4中に示されている如き波動発生器(wave generator)23は、刺激装置17の一部位であってよい。このような電源との組み合わせにおいては、波動発生器(wave generator)23は、例えば、異なった長さ,周波数,そして振幅のブロック波,湾曲(sinus)波,そしてスパイク、又はこれらの組み合わせの形状の、刺激装置17の為の所望の制御信号を創出するよう構成されている。
【0039】
刺激装置17はさらに、鼻の1つ又はそれ以上の鍼地点(acupuncture point)に対し電気的刺激を分配する為の1つ又はそれ以上の刺激電極を含む、又は、に連結されている。このような電極は、電子装置12から受信した制御信号を基にした適切な刺激信号を受信する。電極は、単一極、又は二極電極を含む複数極電極でよく、そして、鼻の中,上,又は近傍の、体の表面上に置かれるか、又は患者の体の種々の組織に留められ(anchored)て良い。鼻の上,中,又は近傍の、例えば鼻の下のくぼみ(narsal philtre)上の、地点の刺激の為に、電極は皮膚の上に置かれてよい。電極と皮膚の間には、導電ジェル又はペーストが使用されてよい。代わりに電極は、患者の皮膚に少なくとも部分的に突き刺さるよう構成されている針の形状であって良い。
【0040】
実施形態においては、刺激装置17は複数の刺激電極を備えている。複数の刺激電極を使用することにより、より複雑な刺激電流を体に対し提供することが出来る。これはまた、刺激される領域の精密な決定の可能性を提供する。もし複数の刺激電極が使用されたなら、これら電極間にいくらかの距離があることが好ましい。この距離により、電流は患者の体を通ってこの距離を移動する。これは、刺激効果を強化する。
【0041】
スパイクが制御信号の為に使用されたなら、時間(秒)の延長された期間に亘るスパイクの列以外に、スパイクの振幅(amplitude)及び持続期間(duration)、即ちエネルギーの量、における変化を行なうことが出来る(Benacka and Tomori,1995)。種々の周波数及び持続期間の湾曲した波,ブロック波,スパイク,スパイクの連なり(train),そしてこれらのいかなる組み合わせが、使用されることが出来る。目的にされた対応中枢により複雑にエネルギーを移動させる(transfer)のみならず、より複雑に刺激することは、所望の生理的反応(physiological response)を引き起こす為に好ましい。
【0042】
1つの実施形態においてマイクロプロセッサー20は、検出装置16によって検出された時のEMGが、検出装置16によって検出された時の10秒以上にわたる通常のEMG活動の不存在(中枢性無呼吸(central apnoea)又は空気の流れの停止により引き起こされた非常に強力なEMG活動(閉塞性無呼吸(obstructive apnoea))の如き、所定の基準を満たしていない場合には、波動関数発生器(wave function generator)を動作させるよう構成されている。次には、波動関数発生器(wave function generator)の動作が、その刺激電極に対し電気ワイヤーを介して案内される適切な周波数,持続期間,そして振幅の湾曲した波,ブロック波,スパイクの連なり(train),又はいかなる組み合わせの如き所定の波の形状の制御信号が発生させる。
【0043】
[鼻刺激装置]
図3aは、この発明に従っている鼻刺激装置の一実施形態を示している。
【0044】
示されている如き鼻刺激装置は、以下の特徴を備えている。鼻刺激装置は、人の頭に装着されることが出来る1つ又はそれ以上のバンドに連結されてよい鼻覆い52を備えている。縁付帽子(hat)又は縁無し帽子(cap)の如き、他の支持装置、を人の鼻に対し鼻覆い52を固定し頭からの鼻覆いの落下を阻止する為に、代わりに使用されることが出来る。鼻覆い52は、使用時には鼻外孔(nosril)の一方又は両方に接近して配置され、そして、空気の流れ(airflow)を感知するよう構成された第1検出装置16(1)を備えている。このような空気の流れ(airflow)感知器は、(例えば、サーミスタを介した)温度の変化,圧力変化,空気の流れ(airflow),音,その他における変化を測定することを基にすることが出来る。従って、検出装置16(1)は、人が依然として呼吸しているかどうかを感知するよう構成されている。検出装置16(1)は、感知された空気の流れに依存した呼吸信号を発生する。
【0045】
鼻刺激装置は、鼻覆い52により人の鼻に対し装着されているように示されているが、この発明はこの実施形態に限定されない。鼻刺激装置の少なく刺激装置17を鼻に対し取り付けるよう構成されている、鼻栓(nose plug),穴開け(piercing),ねじ(screw),爪(nail),ボルト(bolt),クリックシステム(click system),リベット(rivet),ホッチキスの針(staple),そしてバヨネット(bayonet)を含む如何なる保持装置が、代わりに使用されてよい。このような保持装置は、鼻外孔(nosril)の一つ又は鼻の骨又は鼻の如何なる他の適切な部位に対し取り付けられることが出来る。
【0046】
検出装置16(1)は、電子装置12及び蓄電池13を収容した容器11(図1)に対し連結される。それは、呼吸信号を電子装置12に対し送るよう構成されている。この呼吸信号の伝達は、ワイヤー50により行なわれることが出来る。しかしながら、ワイヤー無しの連結が代わりに使用されることが出来る。
【0047】
容器11は、バンド53に連結されているよう示されている。しかしながら、容器11は人の体の上の如何なる適切な場所に置いてよい。一つの実施形態においては、容器11及びその内部構成要素は、鼻覆い52内に一体化されている。検出装置16(1)は、このような実施形態においては、容器11中に配置されていてもよい。
【0048】
図3bは、人の鼻中に挿入されることが出来る、鼻栓54を伴った実施形態を示している。容器11は、可撓性材料から形成されていて、そして鼻外孔の形状に適用されるよう設計されている。容器11には貫通孔55が設けられていて、そこを通って人は呼吸することが出来る。呼吸感知器は容器11内に一体化されていて、貫通孔55を通った空気の流れを感知する。このような感知器は、流れ測定,温度測定,圧力測定,その他のような、呼吸活動の如何なる肉体的に基本となる指標に基くことが出来る。電子装置12はまた、容器11内に配置されている。
【0049】
刺激装置17は、例えば適切な配線により、これらの電極に連結されている。刺激装置17及び栓14の両方は、人の頭上への装着の為に、留め金(brace)又は腕木(bracket)56に連結されていることが出来る。使用者がこのような留め金(brace)又は腕木(bracket)56を彼/彼女の頭に適合させた時、栓54が鼻外孔中に位置したままになり、そして、刺激装置17は鼻の下のくぼみの所定の部分に対し押し付けられたままとなる。また他の実施形態は、システムが人の鼻の中又は上に装着された時に刺激装置17が鼻の下のくぼみの所定の部分に対し押し付けられるよう設計されてよい。
【0050】
容器11はまた、第2検出装置16(2)に連結されてよい。示されている実施形態においては、第2検出装置16(2)は、頚動脈(carotid)中の血液流れの脈拍を感知するために、頚動脈(carotid)に近い人の皮膚に固定されるよう構成されている。しかしながら、代わりに、第2検出装置16(2)は、前述した如く、脈拍を感知することが出来る人の体のいかなる部分上に配置されることが出来る。例えば、検出装置16(1)及び検出装置16(2)の両方が容器11中に収容されてよく容器11が鼻覆い52中に一体化出来る場合には、脈拍は鼻の中又は近傍において感知されてよい。
【0051】
図3bの実施形態においては、このような第2検出装置16(2)が容器11の部分であってよく、又は刺激装置17と伴に1つの単一ハウジング内に一体化されてよい。
【0052】
第2検出装置16(2)は、脈拍信号を、容器11の内側の電子装置12に伝達する。記憶装置21内に貯蔵されている適切なソフトウエアープログラムに基づいてプロセッサー20は次に、当該技術分野において習熟している人に知られている数学方程式(mathematical equation)を使用して心拍曲線(cardiogram)を発生することが出来る。
【0053】
プロセッサー20は、記憶装置21内に貯蔵されている適切なプログラムを使用して、第1検出装置16(1)から受信した呼吸信号及び第2検出装置16(2)から受信した脈拍信号が、人が無呼吸(apnoea)に襲われていることを指摘しているかどうかを決定するよう構成されている。もしそうであれば、プロセッサーは波動関数発生器(wave function generator)23の為に適切な出力信号を発生し、波動関数発生器(wave function generator)23は、この出力信号に基づいて、刺激装置17の為の適切な制御信号を発生する。
【0054】
刺激装置17は配線連結を介して電子装置12に連結されているように示されている。しかしながら、ワイヤレス連結を代わりに使用することが出来る。検出装置16(1)及び検出装置16(2)と同様に、刺激装置17は容器11中に収容されていてよく、そして容器11は鼻覆い52内に一体化されていることが出来る。図3b中に示されている実施形態においては、容器11及び刺激装置17は一つの装置内に物理的に一体化されていてよい。
【0055】
刺激装置17は、吸引反射作用(aspiration reflex)が引き起こされる場所である鼻の下のくぼみの1つ又はそれ以上の地点、例えば鼻の下のくぼみの鍼地点(acupuncture point)GV26、を刺激するよう構成されている。
【0056】
一つの実施形態においては、刺激装置17は鼻の下のくぼみ上の1つ又はそれ以上のこのような地点を機械的に刺激するよう構成されている機械的な刺激装置である。機械的な刺激手段は、即ち耳の選択された部分に対し弾性ナイロン繊維及び細長いポリビニールカテーテルによる接触、即ち圧力を提供するのに適している手段である。機械的な刺激はまた、ガス圧力パルスによっても提供されてよい。機械的な刺激を提供する為の他の適切な装置は、鍼(acupuncture),指圧(acupressure),電子鍼電子指圧(機械的及び電気的刺激の組み合わせ)装置を備えている。
【0057】
一つの実施形態においては、刺激装置は、鼻外孔の1つを介して鼻咽頭部(nasopharynrynx)に対し電気的,化学的,又は機械的刺激の少なくとも1つを分配する為に構成されている。図7中に示されている如く、人の体の咽頭は頭がい骨の下側から頚椎(cervical vertebra)C6までに位置している。咽頭(pharynx)は3つの部分に分割されてよく、鼻咽頭(nasopharynrynx)(矢印1及び2の間で鼻腔の後に概略位置している),口腔咽頭部(oropharynrynx)(矢印2及び3の間で口腔の後に概略位置している),そして咽頭口頭部(laryngopharynx)(矢印3及び4の間で咽頭の後に概略位置している)である。
【0058】
図8は、図7の部分を拡大して示している。蘇生刺激は、耳管(tuba auditiva)5を取り囲んでいる参照印A,B,C,Dにより取り囲まれている鼻咽頭(nasopharynrynx)の領域中に鼻外孔を介して執り行ってよい。蘇生刺激は、図8中には線により指摘されている自身の耳管(tuba auditiva)5の直近において執り行ってよい。刺激は、例えば、鼻外孔中に挿入されたホース(hose)を介して適切な空気パルス発生器により発生された空気パルスを介して提供されてよい。或いは、これは、適切なモーターに連結されていて鼻咽頭(nasopharynrynx)に接触している固体の可撓性の糸を介して行なわれることが出来、モーターは糸に適切な機械的衝撃(impulse)を提供する。電気的な刺激を、代わりに、導電ワイヤーを介し提供しても良い。
【0059】
図3cは、鼻咽頭(nasopharynrynx)に対し刺激を提供する為の1つの実施形態を示している。図の実施形態は、鼻栓の形状をしている容器11を備えている。容器11は、その使用時に、人の頭の上に装着され容器11を鼻外孔の内側に差し挟む(clamping)ために構成されている留め金(brace)/腕木(bracket)56に連結されている。容器11は、鼻栓が彼/彼女の鼻外孔中に挿入された時に人が鼻外孔を介して呼吸できるよう、貫通孔55を有している。小さなチューブ57が容器の後側から延出している。糸,ワイヤー,又は繊維58がチューブ57中を延びていて、これは適切なモーター(図示されていない)に連結されていて電子装置12により指示されている如く適切な機械的な動きにより鼻咽頭(nasopharyngel)領域を刺激するよう構成されている。或いは、ワイヤー58が、電子装置12による指示された時にワイヤー58に対し電気的な刺激信号を提供するよう構成されている刺激装置17内で電極44に連結されてよい。
【0060】
一つの実施形態においては、鼻刺激装置は、刺激行列(stimulation matrix)を備えている。図4は、刺激行列(stimulation matrix)40を示している。刺激行列(stimulation matrix)40は刺激装置17の部分又は刺激装置17に連結されている。図4中に示されている如く、刺激行列(stimulation matrix)40は、複数の刺激ユニット43(i),i=1,2,3、…,Iが設けられている基板43を有している。刺激ユニットは行列(matrix)形状に構成されている。示されている構成は、通常の行列パターン(matrix pattern)である刺激ユニット43(i)を備えている。しかしながら、この実施形態はこの構成に限定されない。不規則なパターンが代わりに使用されて良い。この実施形態においては、刺激ユニット43(i)は2次元パターン(two dimensional pattern)に構成されている。
【0061】
一つの実施形態においては、刺激ユニットが、鼻又は鼻の近傍領域に対し電気的な刺激を分配する為の刺激電極43(i)である。このような電極43(i)は、ワイヤ15を介して電子装置12から受信した制御信号に基づいて刺激装置17内の電極44からワイヤー14を介し適切な刺激信号を受信する。電極43(i)は、単一極又は二極電極を含んでいる多数電極であってよい。鼻の上、例えば鼻の下のくぼみ(narsal philtre)上、の鍼地点(acupuncture point)の刺激の為に、電極43(i)は、皮膚の上に置かれてよい。導電ゲル(gel)又はペースト(paste)が、皮膚と電極との間の導電媒体として使用されてよい。或いは、電極43(i)は、患者の皮膚に少なくとも部分的に突き刺さるよう構成された針の形状を有してよい。
【0062】
2次元行列形状に構成されている複数の刺激電極43(i)を使用することにより、より複雑な刺激電流を耳に対し提供することが出来る。これはまた、刺激される領域の精密な決定の可能性提供する。電極43(i)の間には、いくらかの距離が存在している。この距離のお蔭で、電流は患者の耳を介しその距離に渡り移動する。これは、刺激効果を増大させる。
【0063】
スパイクが制御信号の為に使用されたなら、時間(秒)の延長された期間に亘るスパイクの列以外に、スパイクの振幅(amplitude)及び持続期間(duration)、即ちエネルギーの量、における変化を行なうことが出来る(Benacka and Tomori,1995)。種々の周波数及び持続期間の湾曲した波,ブロック波,スパイク,スパイクの連なり(train),そしてこれらのいかなる組み合わせが、使用されることが出来る。目的にされた対応中枢により複雑にエネルギーを移動させる(transfer)のみならず、より複雑に刺激することは、所望の生理的反応(physiological response)を引き起こす為に好ましい。
【0064】
図9aは、電極12がその人が無呼吸(apnoea)の状態にあることを検出した時に刺激装置17により発生される刺激信号を示している。時間t0において、電極12は、関係している人が、無呼吸(apnoea)の高度な危険性を有しているというような呼吸をしていると決定する。電極12及び刺激装置17の組み合わせは、第1刺激信号が、第1遅延時間Twaitの後の時間t1でのみ発生される。図9a中に示されている如く、第1刺激信号は、時間t2まで所定の時間Tstim続くスパイク,パルス,又は波の連続(train)を有してよい。第1刺激の結果として呼吸が開始されなかったならば、第2刺激信号が待機時間Twaitの後の時間t3で発生される。再び、時間t4までの時間Tstim刺激信号が続く。第3の第2刺激信号が待機時間Twaitの後の時間t5で発生される。再び、時間t6までの時間Tstim刺激信号が続く。その他。
【0065】
図9a中に示されている如く、刺激装置17が刺激信号を発生させている時間の間、電極は、いつでも、刺激装置17を中断させ、そして、刺激装置17に一旦電極を停止させ、関係している人が呼吸を回復したことを決断する。図9a中に示されているパターンは、いったん刺激装置17が電極12からの引き金信号を受信すると刺激装置17により自動的に発生され、そして、それが中断信号を受信するまで続けられる。或いは、電極12は、全てのパルスの1つ1つの発生を制御するよう構成されていてよい。
【0066】
この発明に従うと、電極12及び刺激装置17の組み合わせは連続した刺激信号の間の待機時間Twaitを変更するよう構成されていてよい。適切な待機時間Twaitは、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、で変化して良いことが分かっている。更には、待機時間Twaitが、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、で変化してよい試験が示されている。特に、第1待機時間Twaitは、連続している刺激パルスの間の他の待機時間から外れていてよい、例えば図11参照。
【0067】
人が呼吸の中断後の10秒以内に呼吸を連続させず、後に刺激パターンを適用することが無呼吸期間(episode)を短縮することを導くことを同じ試験が示していることが見れる。
【0068】
図9bは、図9aのパルス形状パターン内の実際の刺激信号が、如何なる形状、即ち三角形状,湾曲(sinusoidal)形状,ブロック形状,その他、を有してよいことを示している。刺激パルス内の刺激信号の平均繰り返し周波数が1と500Hzとの間でよいことを試験が示している。無呼吸期間(episode)を妨害する成功結果が、略8と60Hzとの間の平均繰り返し周波数を伴って示されている。好ましい範囲は従って1乃至100Hzである。
【0069】
一つの実施形態においては、刺激ユニット43(i)が、人の体に対し機械的な刺激を提供するよう構成されている機械的刺激ユニットである。このような機械刺激ユニット43(i)は、電流により励起された時に機械的な動きを生じさせる電気歪構成要素により形成されて良い。このような機械的刺激ユニット43(i)は、針の形状を有していてよい。
【0070】
上で観察された如く、この発明に従った装置10は、それが如何なる外部検出装置又は刺激線を備えていないよう設計されてよい。図5中に示されている如く、装置10の容器11は、従って、例えば、検出装置16(2),電子装置12,蓄電池13,そして刺激装置17を収納している。蓄電池13は電子装置12に連結されているように示されていて、同様に、検出装置16(1)/16(2)及び刺激装置17にも連結されていてよい。検出装置16(1)は、鼻外孔の一つを通った空気の流れを感知する為に、容器11の外側に配置されているよう示されている。
【0071】
次に、容器11は、部分的に導電性である。例えば、容器11に、検出装置16(2)に連結されていて人の体の脈拍を検出するアンテナとして作用する導電性パッド33が設けられてよい。
【0072】
導電性容器11は同様に、鼻の下のくぼみ上で人の部位に電気刺激電流を案内するよう使用されている刺激装置17に連結されている刺激ユニット43(i)が設けられていてよい。
【0073】
容器11は、チタン又はプラチナのような導電性材料により形成されて良い。このような場合には、刺激ユニット43(i)自身も導電性である時、これらは導電性容器11´から電気的に分離されていなければならない。このことは、当該技術分野において習熟している人に知られている如何なる方法により行われることが出来る。
【0074】
一つの実施形態においては、電子装置12及び蓄電池13を収納している容器11は、可撓性材料により形成されている。適切な材料は、人の体によりよく耐性があることがわかっているのでシリコーン(silicone)である。しかしながら、人の体によりよく耐性がある他の可撓性生物適合性材料が代わりに使用されて良い。容器11は、両方が可撓性であり異なった人の異なった鼻に対し容易に適用できるよう鼻覆い52の一体的部位であることが出来る。容器11を可撓性生物適合性材料から形成することは、図3bの実施形態において特に利点がある。これはまた、刺激装置17が容器11の一体的部位である図3bの実施形態の為にも真実である。
【0075】
このような実施形態においては、蓄電池13もまた可撓性に作ってよい。或いは、多くの小さな蓄電池を実際に可撓性の蓄電池パック(pack)を形成するよう接続されてよい。電子装置12も同様に可撓性構成要素で作成してよく、または少なくとも電子構成要素が可撓性基板、例えば可撓性印刷配線板、上に設けられてよい。図6は、少なくとも1つの表面上に配置されている電子構成要素31を有しているこのような可撓性基板30を示している。図5中にしめされている如く、刺激装置17もまた容器11の内側に配置されてよく、そしてまた可撓性基板上の電子構成要素で作成されている。次に、刺激装置17は図6中に示されているようにも構成されてよい。電子装置12の電子構成要素は第1可撓性基板上に構成されていてよく、そして刺激装置17は第2可撓性基板上に構成されていてよい。しかしながら、これら第1及び第2基板は単一基板であってよい。蓄電池13もまたその基板上に設けられていてよい。図5中においてまた示されている如く、検出装置16´もまた容器11´中に配置されていて、そして第3可撓性基板上の電子構成要素で作成されても良い。次に、検出装置16´は図6中に示されているのと同様に配置されて良い。電子装置12´,検出装置16´,そして刺激装置17´の電子構成要素を伴っている基板は、別の基板であってよい。或いは、しかしながら、これらは一つの単一基板であってもよい。
【0076】
容器がシリコーンで形成されていて、刺激ユニットが刺激電極43(i)である実施形態においては、これらの刺激電極43(i)は、シリコーン容器11,11´中に電気的な導電性シリコーン部分として形成されることが出来る。これは、容器11,11´のシリコーン部分にチタン又はプラチナのようなドーピング物質を設けることにより実行されることが出来る。このような実施形態は図10中に示されている。図10は、感知器33及び刺激電極43(i)を伴った可撓性容器11,11´の断面の一部分を示している。この実施形態においては、容器11,11´及び感知器33及び刺激電極43(i)の両方がシリコーンで作られている。これらは、全て、シリコーン基板から作られていて、シリコーン基板では所定の部分が感知器33及び刺激電極43(i)になるようチタン又はプラチナのような適切なドーピング物質でドープ(dope)されている。
【0077】
適切な導電性ワイヤリングが、感知器33を検出装置16,16´に電気的に連結し、そして刺激電極43(i)を刺激装置17,17´に電気的に連結する為に、これら後者の部分に連結されている。
【0078】
このような装置は自動最適化(auto-optimizing)に作ることが出来る。電子装置12,12´は、吸引反射作用(aspiration reflex)が最もよく引き出されることが出来る地点で刺激が行なわれることが出来るよう、フィードバック測定を行えるよう構成されていることが出来る。
【0079】
一つの実施形態においては、電子装置は、適切な検知器を介して、吸引反射作用(aspiration reflex)の強度を登録する;これは例えば、鼻又は口を通った空気の流れを測定すること,音を測定すること,脈拍率,血圧,その他を測定することにより行なうことが出来る。刺激点のインピーダンスは最適点を探す為の案内であってよい。この場合には、装置は刺激の為の最適点を探す為にインピーダンス測定を使用してよい。
【0080】
電極12,12´は、刺激電極43(i)に対し形状又は増幅値又はその両方のいずれかで異なった型の刺激信号を送るよう構成されていることが出来る。刺激電極43(i)当たり異なった刺激信号の効果が検出装置16(1),16(2)により測定されることが出来、そして電子装置12により評価される。電子装置12は、刺激装置17に対する出力としてのその制御信号を修正することによりこれらの刺激信号を修正するようプログラムされていることが出来る。
【0081】
さらには、電子装置12は、刺激信号が刺激ユニット43(i)により刺激された鼻の領域上に手当たりしだいの刺激を創出するよう、手当たり次第にその発生した制御信号を変えるようプログラムされていることが出来る。これは、発生された刺激に対する体の適合を低下させ、そして、従って、装置10の効率を強化
する。
【0082】
電子装置12は検出装置16(1)から受信した呼吸信号を評価し、如何なる呼吸障害、例えば過換気(hyperventilation)の出現、も検出するようプログラムされていることが出来る。次に、この評価に基づいて、電極12,12´は、刺激装置17が呼吸障害をなくすよう鼻に対し適した刺激を創出するよう、刺激装置17に対し適切な信号を創出出来る。
【0083】
図11は、睡眠無呼吸(sleep apnoea)に襲われた人の外耳(auricle)に対し刺激を提供した幾つかの実験結果を示している。示されているパラメータに対する説明は以下のようである。
【0084】
・LEOG,REOG:左及び右眼球運動電図
(Left and Right Electro OculoGram)
・C3A1,C4A2:EEGの測定信号
・EMG:筋電図(Electro Myogram)
・FlowPTAF:呼吸信号
・Tho:胸郭運動(throax movement)
・Abd:腹筋運動(abdominal movement)
・SaO2:酸素飽和度(Oxygen sturation)
・ECG:心電図(electrocardiogram)
・RR:脈拍率(heart rate)
・LegEMG:脚で測定された筋電図
・Mrker:刺激の高い指示,刺激がない低い指示
(when high indicating a stimulation, when low indicating no stimulation)
図11は以下の設定を示している。患者が呼吸を停止している又は浅い呼吸を開始している,装置が鼻の下のくぼみに対し刺激信号を発生させている。刺激が1秒続く。刺激信号自体が8Hzの周波数を有している。2つの連続している刺激を分ける時間も1秒である。そして、t1−t0=4秒、tstim=1秒,そしてtwait=1秒。
【0085】
図11においては、目印チャンネル(marker channel)が、刺激が指定された(adressed)時を示している。この電気刺激の結果として、種々の電気的に引き出されたチャンネル中で結果(artefact)が示されている。全ての場合において、呼吸は、流れPTAFチャンネル中に見られる如く、1つ又はそれ以上の結果として再び開始された。
【0086】
この発明に従った方法は、これらに限定されないが、中枢性無呼吸(central apnoea),障害的な無呼吸(obstructive apnoea),混合型無呼吸(mixed type apnoea),の如き無呼吸(apnoea),短命な虚血性発作(transient ischemic attack)(TIA),低血圧(hypotension),失神(syncope),へモハジックショック(haemorhagic shock)(血液の損失(loss of blood)),気管支痙攣(bronchospasm),咽頭痙攣(laryngospasm),しゃっくり(hiccup),パーキンソン病に関係している震え(tremor associated with Parkinsons’ disease),てんかん性発作(epileptic seizure),失神型てんかん(absence type epilepsy),片頭痛(migraine),交代性片側麻痺(alternating hemiplegia),アルツハイマー病(Alzheimers disease),うつ(depression),神経性食欲不振(anorexia nervosa),過食症(bulimia),自閉症(autism),精神病的疾患(psychiatric disorder),不眠症(insomnia),昏睡状態(comatose states)の1つ又はそれ以上の治療の為に適している。
【0087】
上の例において提出された実施形態はこの発明を説明することのみを意図していて、添付の特許請求の範囲及びその技術的な均等のみにより限定されているこの発明の範囲を限定することを意図していない。
【技術分野】
【0001】
この発明は、鼻又は鼻に近い領域に対し、例えば鼻の下のくぼみの鍼地点(acupuncture point)GV26に対し、刺激信号を創出する為の電子システムに関係している。この領域は、刺激信号が人に吸引反射作用(aspiration reflex)を引き起こすよう選択される。
【背景技術】
【0002】
脳幹は、多数の生命の肉体機能を調整している中心機構を含んでいる。心肺システムの調整における損失は、多数の病的状況の結果となり、それらの幾つかは潜在的な生命の脅迫となる。
【0003】
特に睡眠中、日中でも、無呼吸に襲われた人々は、呼吸の不規則を示し、呼吸のしばしばの停止(無呼吸(aponea))、を示すという心肺システムの損失を有する。日中における無呼吸の出現は危険性が低い。何故ならば、意識した動作により自己管理できるからである。しかし夜間の無呼吸はより危険である。酸素不足により、患者は毎日の生活において非常に病的に感じる。無呼吸(aponea)の出現の間、血圧は低下し、続いて心臓がその機能を停止するかもしれず、不適切な脳の活動(perfusion),意識の損失,そして突然の死という結果になる。先進国における成人人口の少なくとも4%が睡眠無呼吸に罹っている。無呼吸(aponea)にはいくつかの型がある。一つの型は、中枢無呼吸(central aponea)であり、脳幹における呼吸中枢からの指令がなくなるによる呼吸筋肉(横隔膜を含む)の機能停止を含む。場合の略10%にこの型が生じている。もう1つの型は、障害呼吸停止(obstructive aponea)であり、場合の略80%にこの型が生じている。呼吸運動にもかかわらず、上気道の衰弱により肺に対する空気の供給がない。第3の型は、混合無呼吸であり、残りの患者に生じている。
【0004】
無呼吸は種々の方法による患者の刺激により無くすことが出来る。幼児においては、揺さぶりが、通常は赤子を眠りから起こし自動呼吸のプロセスを再始動させるのに十分であり、仮死からの蘇生を含む、息切れ(gasp)でさえ無くす。顔の輪郭にぴたりと沿ったマスクをして現在眠っている睡眠無呼吸に襲われた大人は、装置からの空気の僅かの過剰な圧力が連続して負荷されるされることが出来る(連続的な積極気道圧力−CPAP)。これは気道の開きを維持し自発呼吸による空気の供給を許容する。如何なる場合においても、これらの患者は彼等の呼吸装置に取り付けられて眠らなければならず、睡眠中の彼等の運動の自由を制限している。旅行中の睡眠無呼吸の患者は、呼吸装置を持ち歩く。中枢性無呼吸又は混合型睡眠無呼吸に罹っている患者は、CPAPによる治療が限界的に成功している。空気圧調整(BIPAP)が僅かにより良い成功率のみを提供している。
【0005】
1秒以上の酸素欠乏の呼吸により呼吸が停止することを猫による実験が示しており、血圧及び脈拍の急速な低下が伴う。鼻咽頭の機械的又は電気的な刺激がくんくんする(sniff)及びあえぐ(gasp)様な「呼吸反射作用(aspiration reflex)」を引き起こすことが出来る(Tomori and Widdicombe,1969,Benacka&Tomori 1995,Tomori et al. 1995,1998,2000)。再呼吸効果のお蔭で、血圧は通常に戻り、心臓のリズムは通常になり、呼吸及び精神活動機能は通常に戻る。麻酔をされた猫は、適切な血圧,脈拍,そして呼吸無しでの、長くとも3分間の後でさえも良好な状態にあるようにみえる。この実験は、同じ猫に対し、いかなる注目すべき悪い結果を伴うことなく10回以上繰り返すことが出来た。
【0006】
このような呼吸反射作用(aspiration reflex)の引き起こしは、猫における無呼吸の遮断の為の可能な手段として指摘されている(Tomori et al. 1991,1995,Benacka&Tomori 1995,Jakus et al.,2004)。或いは、同様な呼吸再開は、痙攣性刺激を含む、猫における鼻の下のくぼみの(電気)−鍼,(電気)−指圧又は機械刺激により引き起こされる、痙攣性刺激を含む、(Benacka&Tomori 1997)。
【0007】
この発明の優先権日に先立って刊行されていないPCT/NL2006/000599は、再呼吸肉体効果を得る為に引き起こされた呼吸反射作用(aspiration reflex)による脳幹の再呼吸刺激が人にも作用するという驚くべき発見を記載している。この文章はまた、引き起こされた呼吸反射作用(aspiration reflex)に続く脳幹の呼吸中枢の活動により人における無呼吸及び関連している心肺シンドロームを治療するするよう設計され幾つかの装置を記載している。
【0008】
PCT/NL2006/000599は、鼻の下のくぼみの鍼地点GV26を電気的又は機械的に刺激するよう設計された一般的な用語による鼻刺激装置を記載している。これは、患者の鼻の下に取り付けられた装置により、無呼吸の期間中に、流量計により空気の流れを検出して呼吸をモニターし、鼻の下の鍼地点GV26を刺激することを行なう。
【0009】
Janssen L.,et al.Respiratory and cardiac arrest under general anaesthesia;treatment by acupuncture of the narsal philtre,The Veterinary record,22 Sep 1979は、鼻の下の鍼地点GV26の鍼が、犬及び猫における現在の心拍停止及び生存サインの失効を伴ったanaesthetic無呼吸の幾つかの場合における43%の復活率を示していることを報告している。人に対するこのような実験はこの発明の発明者は知らない。さらに、犬及び猫における成功例が人に対する同様の成功例を全く保障しないことが分かっている。カッk所
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Arita H., Oshima T., Kita I., Sakamoto M.: Generation of hiccup by electrical stimulation in medulla of cats. Neurosci. Lett. 175: 67-70, 1994.
【非特許文献2】Batsel H.L., Lines A.J.: Bulbar respiratory neurons participating in the sniff reflex in the cat, J. Exper. Neurol 39:469-481,1973`
【非特許文献3】R. Benacka, Disorders of central regulation of breathing and their influencing by upper airway reflexes (in Slovak). Orbis Medince S; No. : 53 - 63, 2004,
【非特許文献4】R. Benacka and Z. Tomori, The sniff-like aspiration reflex evoked by electrical stimulation of the nasopharynx, Respir. Physiol. 102: 163-174, 1995.
【非特許文献5】J. Jakus, Z. Tomori and A. Stransky, Neural determinants of breathing, coughing and related motor behaviours, Monograph, Wist, Martin, 2004.
【非特許文献6】Sridhar R., Thach B.T. et al.: Characterization of successful and failed autoresuscitation in human infants including those dying of SIDS. Pediatr. Pulmon. 36:113-122, 2003.
【非特許文献7】St John W.M. , Bledsoe T.A., Sokol H.W: Identification of medullary loci critical for neurogenesis of gasping J. Appl. Physiol. 56: 1008-1019, 1984.
【非特許文献8】Z. Tomori, M. Kurpas, V. Doni. and R. BeAa.ka, Reflex reversal of apnoeic episodes by electrical stimulation of upper airway in cats, Respir. Physiol. 102: 175-185, 1995.
【非特許文献9】Z. Tomori, R. Benacka, V. Doni. and J. Jakus, Contribution of upper airway reflexes to apnoea reversal, arousal, and resuscitation, Monaldi Arch. Chest Dis. 55: 398-403, 2000.
【非特許文献10】Z. Tomori, R. Benacka and V. Doni., Mechanisms and clinicophysiological implications of the sniff- and gasp-like aspiration reflex, Respir. Physiol. 114: 83-98, 1998.
【非特許文献11】Z. Tomori and J.G. Widdicombe, Muscular, bronchomotor and cardiovascular reflexes elicited by mechanical stimulation of the respiratory tract, J. Physiol 200: 25-49, 1969.
【非特許文献12】Xie J., Weil M.H., Sun S., Yu T., Yang W.: Spontaneous gasping generates cardiac output during cardiac arrest, Crit. Care Med. 32: 238- 240, 2004.
【発明の概要】
【0011】
この発明の目的は、鼻に対する刺激を発生させるよう使用されることが出来る鼻刺激装置を提供することである。
【0012】
その為に、この発明は請求項1中に請求されている如き鼻刺激装置を提供する。
【0013】
このような装置の利点は、使用者を過度に邪魔することなく人体の顔に容易に装着されることが出来ることである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
この発明は、この発明の幾つかの実施形態を示すとともに発明の範囲を限定しないことのみを意図している幾つかの図面を参照して詳細に説明される。この発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において、そしてその技術的に均等なものによって規定される。
【図1】図1は、この発明に従っている電子システムの概略的なブロックダイヤグラムを示している。
【図2】図2は、この発明において使用されることが出来る電子装置の例を示している。
【図3a】図3aは、この発明に従っている装置を身に付けている人の頭部を示している。
【図3b】図3bは、鼻の下のくぼみ(narsal philtre)に対して刺激を提供する為の実施形態を示している。
【図3c】図3cは、鼻咽頭部(nasopharyngeal)に対して刺激を提供する為の実施形態を示している。
【図4】図4は、刺激ユニットの行列構成を伴っている基板を示している。
【図5】図5は、図1の構成の代わりの構成を示している。
【図6】図6は、電子構成要素が設けられている可撓性基板を示している。
【図7】図7は、人の頭部及び首の部位の概略的な断面図である。
【図8】図8は、図7からの詳細である。
【図9a】図9aは、刺激信号の例を示している。
【図9b】図9bは、刺激信号の例を示している。
【図10】図10は、検出器及び刺激電子装置を伴っている可撓性容器の一部分を示している。
【図11】図11は、幾つかの実験結果を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明は、数ある中で、それを必要としている患者に自動蘇生(autoresuscitation)を誘引する為に適している装置に関係している。用語自動蘇生は、くんくんする(sniff)及び/又はあえぐ(gasp)様な呼吸反射作用(aspiration reflex)、又は種々の種における代わりの形態、非人間動物及び人の幼児において観察されている突発性あえぎ自動蘇生(spontaneous gasping autoresuscitation)により提供されているものと同様な、を導入することを介して人の組織体(human organism)の自然の代償機構(natural compensatory mechanism)の活性化による蘇生、を備えることに理解すべきである。この明細書において自己蘇生の導入を引用している時、用語蘇生(resuscitation)は使用されて良い。自己蘇生の導入から利益を得る患者は、a)呼吸システム,b)心臓欠陥システム,c)神経行動変化(neurobehavioral change),そしてd)精神障害(psychiatric disorder)の興奮(hyper)及び低下(hypo-)機能の如き、機能障害の為の体質(predisposition)にさらされている、及び/又は、を有している患者である。これらは、無呼吸(apnoea),短命な虚血性発作(transient ischemic attack)(TIA),ぜんそく(asthmatics)における気管支痙攣(bronchospasm),咽頭痙攣(laryngospasm),しゃっくり(hiccup),パーキンソン病に関係している震え(tremor associated with Parkinsons’ disease),てんかん性発作(epileptic seizure),失神型てんかん(absence type epilepsy),片頭痛(migraine),低血圧(hypotension),失神(syncope),へモハジックショック(haemorhagic shock)(血液の損失(loss of blood)),交代性片側麻痺(alternating hemiplegia),アルツハイマー病(Alzheimers disease),うつ(depression),神経性食欲不振(anorexia nervosa),過食症(bulimia),自閉症(autism),精神病的疾患(psychiatric disorder),睡眠麻痺(sleep paralysis),不眠症(insomnia),昏睡状態(comatose states)の1つ又はそれ以上を含む。
【0016】
呼吸中枢(inspiratory centre)の強力な活動を介して、「吸引反射作用(aspiration reflex)」が、脳幹の制御機能をセットし直すこと、同様に、あえぎ(gasping)により誘引された自動蘇生(autoresuscitation)の間の脳幹の活動を生じさせる、ことが信じられている。あえぎ又は引き起こされた(provoked)吸引反射作用の間の急速で強力な吸息運動(inspiratory effort)においては、脳幹中の呼吸中枢の活動が、心臓活動(cardiac activity),血圧,種々の神経性(neuropsychic)及び身体の駆動(somato-motor)機能も同様に、制御している中枢を含んでいる他の生命機能(vital function)の動作が上手くいかなくなっている中枢をリセットする。
【0017】
PCT/NL2006/000599中に指摘されている如く、如何なる理論によって願いが縛られることなく、吸引反射作用(aspiration reflex)を引き起こすことが、人体の障害(disorder)以下の5つのグループに関して手助けになるかもしれない。
【0018】
1.脳幹における呼吸ニューロン(inspiratory neuron)の瞬間的な不活動(transient inactivity)により生じる無呼吸(apnoea)及び呼吸低下(hypopnoea)においては、吸引反射作用(aspiration reflex)の引き起こしが、無呼吸(apnoea)又は呼吸低下(hypopnoea)を転換させ、そして突発性呼吸(spontaneous breathing)を回復させることが出来る。障害的な(obstructive)無呼吸(apnoea)を伴っている患者においては、脳幹における呼吸中枢の刺激は、気道(airway)の閉鎖を転換させ、そして通常の呼吸を回復させる。
【0019】
2.短命な虚血性発作(transient ischemic attack)(TIA),失神(syncope),低血圧(hypotension),片頭痛(migraine),そしてへモハジックショック(haemorhagic shock)を伴った患者においては、吸引反射作用(aspiration reflex)が、呼吸中枢(respiratory center)を介して、脳幹血管中枢(brainstem vasomotor center)を活動させて、脳及び心臓における周辺血管収縮(periferal vasoconstriction)及び血管拡張(vaso-dilatation)を引き起こし、その結果としての血圧の上昇及び結果として増大された脳及び心臓かん流(perfusion),病的な状態(pathological condition)の中断(interrupiting),停止(terminating)又は少なくとも緩和(alleviating)となる。
【0020】
3.気管支痙攣(bronchospasm),咽頭痙攣(laryngospasm),しゃっくり(hiccup),てんかん性発作(epileptic seizure),そして、パーキンソン病に関係している震え(tremor associated with Parkinsons’ disease)は、呼吸中枢からの網様体(reticular formation)を介し、脳幹及びその他の場所における関係する制御中枢に対する抑制影響(inhibitory influence)を提供している介在ニューロン(interneurons)を介して伝達された衝撃(impulse)により抑制される。
【0021】
4.交代性片側麻痺(alternating hemiplegia),睡眠麻痺(sleep paralysis),そして失神型てんかん(absence type epilepsy)においては、呼吸中枢(inspiratory centre)及び介在ニューロン(interneurons)を介した刺激が、網様体(reticular formation)の下降性部位(descending part)を活動させて運動ニューロン(motoneuron)を活動させ、発作(attack)を終了させるか又は少なくとも緩和させる。
【0022】
5.昏睡状態(comatose states),うつ(depression),不眠症(insomnia),アルツハイマー病(Alzheimers disease),神経性食欲不振(anorexia nervosa),過食症(bulimia),そして自閉症(autism)においては、呼吸中枢(inspiratory centre)及び介在ニューロン(interneurons)を介した刺激が、網様体(reticular formation)の上行部位(ascending part)に影響を与える。これは、うつ(depression),過食症(bulimia),神経性食欲不振(anorexia nervosa)を抑制又は開放を提供し、そして、精神集中(concentration)及び他の認識機能(cognitive function)を増大させる。これは、幾つかの昏睡状態(comatose states)を改善させ、アルツハイマー病(Alzheimers disease)及び自閉症(autism)を抑止し、そして、不眠症(insomnia)及び精神障害(psychiatric disorder)に良好な影響を有する。
【0023】
脳幹の呼吸ニューロンの蘇生刺激は、種々の脳幹中枢に影響を与える、吸引反射作用(aspiration reflex)又はその代替えが引き起こさせる、人の体の刺激を意味すると理解すべきである。このような刺激を介し、装置により取り扱い可能な状態に関係した脳の他の部位が影響される。吸引反射作用(aspiration reflex)及びその代替えは、通常の特徴として、あえぐ(gasp),くんくんする(sniff),ため息をする(sigh)又は増大された呼吸(augmented breath)の一つ又はそれ以上の以前又はそれらの間に生じるものと比べると、強く短い呼吸運動(inspiration effort)を有する。
【0024】
図1は、蘇生装置10のブロックダイヤグラムを示している。蘇生装置10は、容器11を有する。容器11中には、電子装置(electronics)12に連結されている蓄電池13が収容されている。蓄電池13は、心臓ペースメーカー中において一般的に使用されている如き、微細結晶化されているカソード(nanocrystaline cathode)を伴っているリチウムヨウ素(lithium iodine)を備えていることが出来る。電子装置12は、適切なワイヤー14を介して検出装置16に連結されているとともに、適切なケーブル15を介して刺激装置17にも連結されている。
【0025】
電子装置12は、アナログ回路,デジタル回路,又は適切なコンピュータプログラムにより指示される処理装置(processor)を伴っているコンピュータ構造、又はこれらの如何なる組み合わせにより、実施されることが出来る。図2は、コンピュータ構造を基にした実施形態を示している。
【0026】
図2中に示されている如く、電子装置12は、例えば、記憶装置21と連結されているマイクロプロセッサー20の形態の、制御装置を備えている。更に、マイクロプロセッサー20は、適切なワイヤー22を介して波動関数(wave function)発生器23に連結されていて、それは刺激装置17に対し連結可能なワイヤー15に連結されている出力を有している。
【0027】
記憶装置21は、異なった型式の幾つかの記憶ユニット(RAM, ROM,その他)として実施されてよい。記憶装置21は、プログラムの指示を貯蔵していて、マイクロプロセッサー20が1つ又はそれ以上の機能を行なうことを許容している。さらには、記憶装置21は、コンピュータ読み取り可能な記憶装置の如き所定の機能を貯蔵する為の如何なる適切な記憶装置であってよい。所定の機能は、数学機能(mathematical function)又は相関(correlation)であって良い。適切な機能は、所定のパラメータ値が所定の閾値と等しいか,より大きいか,又はより小さいかを
決定するのに適している機能でよい。彼の知識に基づいて、習熟した人々は、所定のパラメータ値の関数として回答が要求されていることを基にして適切な関数を決定することが出来る。例えば、その機能は、或る時間枠(time frame)に対する或る閾値以下の或るパラメータ値の不在に関係してよい。このような関数は、或る時間期間、例えば2秒及びそれ以上,5秒及びそれ以上、又は10秒又はそれ以上、の呼吸の不在を検出することと決定されて良い。
【0028】
記憶装置21中に貯蔵されている如きプログラムを基にして、マイクロプロセッサー20は、前記関数において検出装置16から得られた如き検出されたパラメータ値の数を処理することが出来る。このために、検出されたパラメータ値は、検出装置16から直接又は、その中に検出された測定値が既に負荷されている記憶装置21から、マイクロプロセッサー20中に負荷される。この関数は、記憶装置21からマイクロプロセッサー20中に負荷されるか、又は別の実施形態においては、所定の関数がマイクロプロセッサー20中に埋設されていてもよい。後者の実施形態においては、少なくとも1つの記憶装置が(部分的に)マイクロプロセッサー20中に一体化されている。
【0029】
検出装置16は、多数のパラメータ値を検出する為の如何なる適切な装置であってよい。この明細書において、「数(number)」は、他に特別にいわれない限り、1つ又はそれ以上である。使用において、検出装置16は、所定のパラメータ値に対応した所定のパラメータ値を表している、出力信号をワイヤー14上に提供する。所定のパラメータ値は、或る時間枠内で検出装置16により測定/決定された如きパラメータの値である。パラメータは、患者が自動蘇生(autoresuscitation)の導入の必要があるか無いかを決定する基になる如何なるパラメータであって良い。
【0030】
患者が自動蘇生(autoresuscitation)の導入の必要があるか無いかを決定するのに適切なパラメータは、それに限定されないが、筋肉活動に対応しているパラメータ,呼吸に対応しているパラメータ,又は、脳細胞を含んでいる神経細胞の電気活動又は咽頭(pharynx),耳又は人の体の上の如何なる他の適切な地点から記録された電気活動の如き大脳活動(cerebral activity)に従っているパラメータを含む。体温を測定する為の検出器,圧力を測定する為の検出器,そしてマイクロホンの如き音検出器のような他の検出装置も同様に適用させてよい。
【0031】
筋肉活動に対応しているパラメータは、それに限定されないが、筋肉の動き及び電気的活動を含む。筋肉の動きは、多数の加速計の如き、動きを検出する為に適したいかなる検出装置16により検出されてよい。筋肉の電気活動は、心電図(electrocardiogram)(ECG),神経電気図(electroneurogram)(ENG),収縮を示している活動図(actogram),その他を含んでいる、筋電図(electromyogram)(EMG)を検出する為に従来使用されている装置の如き当該技術分野において知られている如何なる適切な装置の使用により検出されてよい。一つの実施形態においては、検出装置16に連結されている検出電極により検出された筋電図(electromyogram)(EMG)を記録するよう検出装置16が構成されている。検出装置16は、人の横隔膜(diaphragm)に取り付けるのに適切であってよい。例えば、咽頭活動(phasic activity)の強度,周期,繰り返し能力(repeatability)を含むEMGデータは、マイクロプロセッサー20において処理される。
【0032】
呼吸に対応しているパラメータは、それに限定されないが、横隔膜(diaphragm),肋間筋肉(intercostal muscle),胸筋(musculus pectoralis),腹筋(abdominal muscle),上下気道の筋肉(muscles of upper and lower airways),そしてそこに含まれる他の筋肉の如き呼吸活動に含まれる筋肉の活動に従っているパラメータを含む。上述した如き筋肉活動に対応しているパラメータは、適切である、この発明に従っている装置の代わりの実施形態においては、呼吸活動に対応しているパラメータは、気道中及び/又は患者の気道の入口/出口の近傍における気体の流れ(gas flow)を備えてよい。患者の気道の入口/出口は通常、鼻外孔(nostril)及び/又は口又は幾つか患者においては気管チューブ(tracheal tube)を備える。当業者は、例えば、呼吸流量計(pneumotachograph)又は、サーミスタ(thermistor),Pt100,Pt1000,及びその他の如き温度計により、気体の流れを決定する為の適切な装置について詳しい。
【0033】
装置16のさらなる代わり実施形態は、検出される呼吸活動に対応しているパラメータが音を備えてよい。呼吸の間には、音が生じる、例えば、咽頭における空気の渦巻きにより生じる。呼吸音は、それに限定されないが、いびき(snoring),吸息(inspiratory)及び呼息(expiratory)のぜん音(stridor),うめき声(groaning),その他を含む。これらの音は、人の呼吸活動を検出する為に使用されて良い。音を検出する為の適切な検出装置16は、マイクロホン,コイル/磁石システムに連結された膜(membrane)又は、この膜(membrane)の動き又は移動を登録する能力を伴っている膜(membrane)を備えている如何なる他の装置である。このような音は、例えば、口,咽頭,及び耳の少なくとも1つにおいて検出されて良い。
【0034】
この発明のさらに代わりの、実施形態においては、電子脳造影図(encephalogram)が電子装置12によって使用されてよい。もしそうであるならば、検出装置16はまた、脳幹の電気活動を検出するよう構成されている。大脳活動(cerebral activity)は、例えば、人の頭蓋骨の皮膚又は耳において測定されることが出来る電界(electrical field)を創出する。あるいはこれらの信号は、人の咽頭(pharynx)から記録されてよい。咽頭(pharynx)の表面から電気活動を検出する為の適切な装置は、適切な増幅器及びフィルターに連結されている導電パッチ(conductive patch)である。当業者は、皮膚から脳の電気活動を決定する為の適切な装置に詳しい。
【0035】
或いは、検出装置16は、患者の血液中の酸素飽和度を測定する検出器に連結されている。酸素飽和度の測定は、無呼吸(apnoea)が存在するかどうかの良い指標である。この発明の状況においては、これは自身の鼻外孔(nostril)内において有意に行なうことが出来る。
【0036】
刺激装置17は、処理されたパラメータの関数として回答を提出するよう構成されている。刺激装置は、脳幹の呼吸中枢を刺激及び/又は再活動させるよう蘇生刺激(resuscitating stimulation)を提供するよう設計されている多数の刺激ユニットを備えていてよい。
【0037】
この発明に従えば、鼻刺激装置は脳幹の呼吸中枢の蘇生刺激(resuscitating stimulation)の為に使用されている。鼻刺激は、そこに適切な刺激が提供されることにより吸引反射作用(aspiration reflex)が引き起こされる、鼻の上又は近傍の1つ又はそれ以上の地点に対する刺激を提供するよう構成されている。このような地点は、例えば、鼻の下のくぼみの鍼地点GV26であってよい。
【0038】
刺激装置17は、機械的又は電気的刺激装置であってよい。電気的刺激装置は、分離された電源を含んでよい。適切な電源は、スパイク(spike)が使用された場合には、刺激の為の電圧選択を許容する、充電されたコンデンサーの列であってよい。この分離された電源は、代わりに、刺激装置17が容器11中の蓄電池13とワイヤー15を介して連結される場合にはなくてもよい。図4中に示されている如き波動発生器(wave generator)23は、刺激装置17の一部位であってよい。このような電源との組み合わせにおいては、波動発生器(wave generator)23は、例えば、異なった長さ,周波数,そして振幅のブロック波,湾曲(sinus)波,そしてスパイク、又はこれらの組み合わせの形状の、刺激装置17の為の所望の制御信号を創出するよう構成されている。
【0039】
刺激装置17はさらに、鼻の1つ又はそれ以上の鍼地点(acupuncture point)に対し電気的刺激を分配する為の1つ又はそれ以上の刺激電極を含む、又は、に連結されている。このような電極は、電子装置12から受信した制御信号を基にした適切な刺激信号を受信する。電極は、単一極、又は二極電極を含む複数極電極でよく、そして、鼻の中,上,又は近傍の、体の表面上に置かれるか、又は患者の体の種々の組織に留められ(anchored)て良い。鼻の上,中,又は近傍の、例えば鼻の下のくぼみ(narsal philtre)上の、地点の刺激の為に、電極は皮膚の上に置かれてよい。電極と皮膚の間には、導電ジェル又はペーストが使用されてよい。代わりに電極は、患者の皮膚に少なくとも部分的に突き刺さるよう構成されている針の形状であって良い。
【0040】
実施形態においては、刺激装置17は複数の刺激電極を備えている。複数の刺激電極を使用することにより、より複雑な刺激電流を体に対し提供することが出来る。これはまた、刺激される領域の精密な決定の可能性を提供する。もし複数の刺激電極が使用されたなら、これら電極間にいくらかの距離があることが好ましい。この距離により、電流は患者の体を通ってこの距離を移動する。これは、刺激効果を強化する。
【0041】
スパイクが制御信号の為に使用されたなら、時間(秒)の延長された期間に亘るスパイクの列以外に、スパイクの振幅(amplitude)及び持続期間(duration)、即ちエネルギーの量、における変化を行なうことが出来る(Benacka and Tomori,1995)。種々の周波数及び持続期間の湾曲した波,ブロック波,スパイク,スパイクの連なり(train),そしてこれらのいかなる組み合わせが、使用されることが出来る。目的にされた対応中枢により複雑にエネルギーを移動させる(transfer)のみならず、より複雑に刺激することは、所望の生理的反応(physiological response)を引き起こす為に好ましい。
【0042】
1つの実施形態においてマイクロプロセッサー20は、検出装置16によって検出された時のEMGが、検出装置16によって検出された時の10秒以上にわたる通常のEMG活動の不存在(中枢性無呼吸(central apnoea)又は空気の流れの停止により引き起こされた非常に強力なEMG活動(閉塞性無呼吸(obstructive apnoea))の如き、所定の基準を満たしていない場合には、波動関数発生器(wave function generator)を動作させるよう構成されている。次には、波動関数発生器(wave function generator)の動作が、その刺激電極に対し電気ワイヤーを介して案内される適切な周波数,持続期間,そして振幅の湾曲した波,ブロック波,スパイクの連なり(train),又はいかなる組み合わせの如き所定の波の形状の制御信号が発生させる。
【0043】
[鼻刺激装置]
図3aは、この発明に従っている鼻刺激装置の一実施形態を示している。
【0044】
示されている如き鼻刺激装置は、以下の特徴を備えている。鼻刺激装置は、人の頭に装着されることが出来る1つ又はそれ以上のバンドに連結されてよい鼻覆い52を備えている。縁付帽子(hat)又は縁無し帽子(cap)の如き、他の支持装置、を人の鼻に対し鼻覆い52を固定し頭からの鼻覆いの落下を阻止する為に、代わりに使用されることが出来る。鼻覆い52は、使用時には鼻外孔(nosril)の一方又は両方に接近して配置され、そして、空気の流れ(airflow)を感知するよう構成された第1検出装置16(1)を備えている。このような空気の流れ(airflow)感知器は、(例えば、サーミスタを介した)温度の変化,圧力変化,空気の流れ(airflow),音,その他における変化を測定することを基にすることが出来る。従って、検出装置16(1)は、人が依然として呼吸しているかどうかを感知するよう構成されている。検出装置16(1)は、感知された空気の流れに依存した呼吸信号を発生する。
【0045】
鼻刺激装置は、鼻覆い52により人の鼻に対し装着されているように示されているが、この発明はこの実施形態に限定されない。鼻刺激装置の少なく刺激装置17を鼻に対し取り付けるよう構成されている、鼻栓(nose plug),穴開け(piercing),ねじ(screw),爪(nail),ボルト(bolt),クリックシステム(click system),リベット(rivet),ホッチキスの針(staple),そしてバヨネット(bayonet)を含む如何なる保持装置が、代わりに使用されてよい。このような保持装置は、鼻外孔(nosril)の一つ又は鼻の骨又は鼻の如何なる他の適切な部位に対し取り付けられることが出来る。
【0046】
検出装置16(1)は、電子装置12及び蓄電池13を収容した容器11(図1)に対し連結される。それは、呼吸信号を電子装置12に対し送るよう構成されている。この呼吸信号の伝達は、ワイヤー50により行なわれることが出来る。しかしながら、ワイヤー無しの連結が代わりに使用されることが出来る。
【0047】
容器11は、バンド53に連結されているよう示されている。しかしながら、容器11は人の体の上の如何なる適切な場所に置いてよい。一つの実施形態においては、容器11及びその内部構成要素は、鼻覆い52内に一体化されている。検出装置16(1)は、このような実施形態においては、容器11中に配置されていてもよい。
【0048】
図3bは、人の鼻中に挿入されることが出来る、鼻栓54を伴った実施形態を示している。容器11は、可撓性材料から形成されていて、そして鼻外孔の形状に適用されるよう設計されている。容器11には貫通孔55が設けられていて、そこを通って人は呼吸することが出来る。呼吸感知器は容器11内に一体化されていて、貫通孔55を通った空気の流れを感知する。このような感知器は、流れ測定,温度測定,圧力測定,その他のような、呼吸活動の如何なる肉体的に基本となる指標に基くことが出来る。電子装置12はまた、容器11内に配置されている。
【0049】
刺激装置17は、例えば適切な配線により、これらの電極に連結されている。刺激装置17及び栓14の両方は、人の頭上への装着の為に、留め金(brace)又は腕木(bracket)56に連結されていることが出来る。使用者がこのような留め金(brace)又は腕木(bracket)56を彼/彼女の頭に適合させた時、栓54が鼻外孔中に位置したままになり、そして、刺激装置17は鼻の下のくぼみの所定の部分に対し押し付けられたままとなる。また他の実施形態は、システムが人の鼻の中又は上に装着された時に刺激装置17が鼻の下のくぼみの所定の部分に対し押し付けられるよう設計されてよい。
【0050】
容器11はまた、第2検出装置16(2)に連結されてよい。示されている実施形態においては、第2検出装置16(2)は、頚動脈(carotid)中の血液流れの脈拍を感知するために、頚動脈(carotid)に近い人の皮膚に固定されるよう構成されている。しかしながら、代わりに、第2検出装置16(2)は、前述した如く、脈拍を感知することが出来る人の体のいかなる部分上に配置されることが出来る。例えば、検出装置16(1)及び検出装置16(2)の両方が容器11中に収容されてよく容器11が鼻覆い52中に一体化出来る場合には、脈拍は鼻の中又は近傍において感知されてよい。
【0051】
図3bの実施形態においては、このような第2検出装置16(2)が容器11の部分であってよく、又は刺激装置17と伴に1つの単一ハウジング内に一体化されてよい。
【0052】
第2検出装置16(2)は、脈拍信号を、容器11の内側の電子装置12に伝達する。記憶装置21内に貯蔵されている適切なソフトウエアープログラムに基づいてプロセッサー20は次に、当該技術分野において習熟している人に知られている数学方程式(mathematical equation)を使用して心拍曲線(cardiogram)を発生することが出来る。
【0053】
プロセッサー20は、記憶装置21内に貯蔵されている適切なプログラムを使用して、第1検出装置16(1)から受信した呼吸信号及び第2検出装置16(2)から受信した脈拍信号が、人が無呼吸(apnoea)に襲われていることを指摘しているかどうかを決定するよう構成されている。もしそうであれば、プロセッサーは波動関数発生器(wave function generator)23の為に適切な出力信号を発生し、波動関数発生器(wave function generator)23は、この出力信号に基づいて、刺激装置17の為の適切な制御信号を発生する。
【0054】
刺激装置17は配線連結を介して電子装置12に連結されているように示されている。しかしながら、ワイヤレス連結を代わりに使用することが出来る。検出装置16(1)及び検出装置16(2)と同様に、刺激装置17は容器11中に収容されていてよく、そして容器11は鼻覆い52内に一体化されていることが出来る。図3b中に示されている実施形態においては、容器11及び刺激装置17は一つの装置内に物理的に一体化されていてよい。
【0055】
刺激装置17は、吸引反射作用(aspiration reflex)が引き起こされる場所である鼻の下のくぼみの1つ又はそれ以上の地点、例えば鼻の下のくぼみの鍼地点(acupuncture point)GV26、を刺激するよう構成されている。
【0056】
一つの実施形態においては、刺激装置17は鼻の下のくぼみ上の1つ又はそれ以上のこのような地点を機械的に刺激するよう構成されている機械的な刺激装置である。機械的な刺激手段は、即ち耳の選択された部分に対し弾性ナイロン繊維及び細長いポリビニールカテーテルによる接触、即ち圧力を提供するのに適している手段である。機械的な刺激はまた、ガス圧力パルスによっても提供されてよい。機械的な刺激を提供する為の他の適切な装置は、鍼(acupuncture),指圧(acupressure),電子鍼電子指圧(機械的及び電気的刺激の組み合わせ)装置を備えている。
【0057】
一つの実施形態においては、刺激装置は、鼻外孔の1つを介して鼻咽頭部(nasopharynrynx)に対し電気的,化学的,又は機械的刺激の少なくとも1つを分配する為に構成されている。図7中に示されている如く、人の体の咽頭は頭がい骨の下側から頚椎(cervical vertebra)C6までに位置している。咽頭(pharynx)は3つの部分に分割されてよく、鼻咽頭(nasopharynrynx)(矢印1及び2の間で鼻腔の後に概略位置している),口腔咽頭部(oropharynrynx)(矢印2及び3の間で口腔の後に概略位置している),そして咽頭口頭部(laryngopharynx)(矢印3及び4の間で咽頭の後に概略位置している)である。
【0058】
図8は、図7の部分を拡大して示している。蘇生刺激は、耳管(tuba auditiva)5を取り囲んでいる参照印A,B,C,Dにより取り囲まれている鼻咽頭(nasopharynrynx)の領域中に鼻外孔を介して執り行ってよい。蘇生刺激は、図8中には線により指摘されている自身の耳管(tuba auditiva)5の直近において執り行ってよい。刺激は、例えば、鼻外孔中に挿入されたホース(hose)を介して適切な空気パルス発生器により発生された空気パルスを介して提供されてよい。或いは、これは、適切なモーターに連結されていて鼻咽頭(nasopharynrynx)に接触している固体の可撓性の糸を介して行なわれることが出来、モーターは糸に適切な機械的衝撃(impulse)を提供する。電気的な刺激を、代わりに、導電ワイヤーを介し提供しても良い。
【0059】
図3cは、鼻咽頭(nasopharynrynx)に対し刺激を提供する為の1つの実施形態を示している。図の実施形態は、鼻栓の形状をしている容器11を備えている。容器11は、その使用時に、人の頭の上に装着され容器11を鼻外孔の内側に差し挟む(clamping)ために構成されている留め金(brace)/腕木(bracket)56に連結されている。容器11は、鼻栓が彼/彼女の鼻外孔中に挿入された時に人が鼻外孔を介して呼吸できるよう、貫通孔55を有している。小さなチューブ57が容器の後側から延出している。糸,ワイヤー,又は繊維58がチューブ57中を延びていて、これは適切なモーター(図示されていない)に連結されていて電子装置12により指示されている如く適切な機械的な動きにより鼻咽頭(nasopharyngel)領域を刺激するよう構成されている。或いは、ワイヤー58が、電子装置12による指示された時にワイヤー58に対し電気的な刺激信号を提供するよう構成されている刺激装置17内で電極44に連結されてよい。
【0060】
一つの実施形態においては、鼻刺激装置は、刺激行列(stimulation matrix)を備えている。図4は、刺激行列(stimulation matrix)40を示している。刺激行列(stimulation matrix)40は刺激装置17の部分又は刺激装置17に連結されている。図4中に示されている如く、刺激行列(stimulation matrix)40は、複数の刺激ユニット43(i),i=1,2,3、…,Iが設けられている基板43を有している。刺激ユニットは行列(matrix)形状に構成されている。示されている構成は、通常の行列パターン(matrix pattern)である刺激ユニット43(i)を備えている。しかしながら、この実施形態はこの構成に限定されない。不規則なパターンが代わりに使用されて良い。この実施形態においては、刺激ユニット43(i)は2次元パターン(two dimensional pattern)に構成されている。
【0061】
一つの実施形態においては、刺激ユニットが、鼻又は鼻の近傍領域に対し電気的な刺激を分配する為の刺激電極43(i)である。このような電極43(i)は、ワイヤ15を介して電子装置12から受信した制御信号に基づいて刺激装置17内の電極44からワイヤー14を介し適切な刺激信号を受信する。電極43(i)は、単一極又は二極電極を含んでいる多数電極であってよい。鼻の上、例えば鼻の下のくぼみ(narsal philtre)上、の鍼地点(acupuncture point)の刺激の為に、電極43(i)は、皮膚の上に置かれてよい。導電ゲル(gel)又はペースト(paste)が、皮膚と電極との間の導電媒体として使用されてよい。或いは、電極43(i)は、患者の皮膚に少なくとも部分的に突き刺さるよう構成された針の形状を有してよい。
【0062】
2次元行列形状に構成されている複数の刺激電極43(i)を使用することにより、より複雑な刺激電流を耳に対し提供することが出来る。これはまた、刺激される領域の精密な決定の可能性提供する。電極43(i)の間には、いくらかの距離が存在している。この距離のお蔭で、電流は患者の耳を介しその距離に渡り移動する。これは、刺激効果を増大させる。
【0063】
スパイクが制御信号の為に使用されたなら、時間(秒)の延長された期間に亘るスパイクの列以外に、スパイクの振幅(amplitude)及び持続期間(duration)、即ちエネルギーの量、における変化を行なうことが出来る(Benacka and Tomori,1995)。種々の周波数及び持続期間の湾曲した波,ブロック波,スパイク,スパイクの連なり(train),そしてこれらのいかなる組み合わせが、使用されることが出来る。目的にされた対応中枢により複雑にエネルギーを移動させる(transfer)のみならず、より複雑に刺激することは、所望の生理的反応(physiological response)を引き起こす為に好ましい。
【0064】
図9aは、電極12がその人が無呼吸(apnoea)の状態にあることを検出した時に刺激装置17により発生される刺激信号を示している。時間t0において、電極12は、関係している人が、無呼吸(apnoea)の高度な危険性を有しているというような呼吸をしていると決定する。電極12及び刺激装置17の組み合わせは、第1刺激信号が、第1遅延時間Twaitの後の時間t1でのみ発生される。図9a中に示されている如く、第1刺激信号は、時間t2まで所定の時間Tstim続くスパイク,パルス,又は波の連続(train)を有してよい。第1刺激の結果として呼吸が開始されなかったならば、第2刺激信号が待機時間Twaitの後の時間t3で発生される。再び、時間t4までの時間Tstim刺激信号が続く。第3の第2刺激信号が待機時間Twaitの後の時間t5で発生される。再び、時間t6までの時間Tstim刺激信号が続く。その他。
【0065】
図9a中に示されている如く、刺激装置17が刺激信号を発生させている時間の間、電極は、いつでも、刺激装置17を中断させ、そして、刺激装置17に一旦電極を停止させ、関係している人が呼吸を回復したことを決断する。図9a中に示されているパターンは、いったん刺激装置17が電極12からの引き金信号を受信すると刺激装置17により自動的に発生され、そして、それが中断信号を受信するまで続けられる。或いは、電極12は、全てのパルスの1つ1つの発生を制御するよう構成されていてよい。
【0066】
この発明に従うと、電極12及び刺激装置17の組み合わせは連続した刺激信号の間の待機時間Twaitを変更するよう構成されていてよい。適切な待機時間Twaitは、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、で変化して良いことが分かっている。更には、待機時間Twaitが、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、で変化してよい試験が示されている。特に、第1待機時間Twaitは、連続している刺激パルスの間の他の待機時間から外れていてよい、例えば図11参照。
【0067】
人が呼吸の中断後の10秒以内に呼吸を連続させず、後に刺激パターンを適用することが無呼吸期間(episode)を短縮することを導くことを同じ試験が示していることが見れる。
【0068】
図9bは、図9aのパルス形状パターン内の実際の刺激信号が、如何なる形状、即ち三角形状,湾曲(sinusoidal)形状,ブロック形状,その他、を有してよいことを示している。刺激パルス内の刺激信号の平均繰り返し周波数が1と500Hzとの間でよいことを試験が示している。無呼吸期間(episode)を妨害する成功結果が、略8と60Hzとの間の平均繰り返し周波数を伴って示されている。好ましい範囲は従って1乃至100Hzである。
【0069】
一つの実施形態においては、刺激ユニット43(i)が、人の体に対し機械的な刺激を提供するよう構成されている機械的刺激ユニットである。このような機械刺激ユニット43(i)は、電流により励起された時に機械的な動きを生じさせる電気歪構成要素により形成されて良い。このような機械的刺激ユニット43(i)は、針の形状を有していてよい。
【0070】
上で観察された如く、この発明に従った装置10は、それが如何なる外部検出装置又は刺激線を備えていないよう設計されてよい。図5中に示されている如く、装置10の容器11は、従って、例えば、検出装置16(2),電子装置12,蓄電池13,そして刺激装置17を収納している。蓄電池13は電子装置12に連結されているように示されていて、同様に、検出装置16(1)/16(2)及び刺激装置17にも連結されていてよい。検出装置16(1)は、鼻外孔の一つを通った空気の流れを感知する為に、容器11の外側に配置されているよう示されている。
【0071】
次に、容器11は、部分的に導電性である。例えば、容器11に、検出装置16(2)に連結されていて人の体の脈拍を検出するアンテナとして作用する導電性パッド33が設けられてよい。
【0072】
導電性容器11は同様に、鼻の下のくぼみ上で人の部位に電気刺激電流を案内するよう使用されている刺激装置17に連結されている刺激ユニット43(i)が設けられていてよい。
【0073】
容器11は、チタン又はプラチナのような導電性材料により形成されて良い。このような場合には、刺激ユニット43(i)自身も導電性である時、これらは導電性容器11´から電気的に分離されていなければならない。このことは、当該技術分野において習熟している人に知られている如何なる方法により行われることが出来る。
【0074】
一つの実施形態においては、電子装置12及び蓄電池13を収納している容器11は、可撓性材料により形成されている。適切な材料は、人の体によりよく耐性があることがわかっているのでシリコーン(silicone)である。しかしながら、人の体によりよく耐性がある他の可撓性生物適合性材料が代わりに使用されて良い。容器11は、両方が可撓性であり異なった人の異なった鼻に対し容易に適用できるよう鼻覆い52の一体的部位であることが出来る。容器11を可撓性生物適合性材料から形成することは、図3bの実施形態において特に利点がある。これはまた、刺激装置17が容器11の一体的部位である図3bの実施形態の為にも真実である。
【0075】
このような実施形態においては、蓄電池13もまた可撓性に作ってよい。或いは、多くの小さな蓄電池を実際に可撓性の蓄電池パック(pack)を形成するよう接続されてよい。電子装置12も同様に可撓性構成要素で作成してよく、または少なくとも電子構成要素が可撓性基板、例えば可撓性印刷配線板、上に設けられてよい。図6は、少なくとも1つの表面上に配置されている電子構成要素31を有しているこのような可撓性基板30を示している。図5中にしめされている如く、刺激装置17もまた容器11の内側に配置されてよく、そしてまた可撓性基板上の電子構成要素で作成されている。次に、刺激装置17は図6中に示されているようにも構成されてよい。電子装置12の電子構成要素は第1可撓性基板上に構成されていてよく、そして刺激装置17は第2可撓性基板上に構成されていてよい。しかしながら、これら第1及び第2基板は単一基板であってよい。蓄電池13もまたその基板上に設けられていてよい。図5中においてまた示されている如く、検出装置16´もまた容器11´中に配置されていて、そして第3可撓性基板上の電子構成要素で作成されても良い。次に、検出装置16´は図6中に示されているのと同様に配置されて良い。電子装置12´,検出装置16´,そして刺激装置17´の電子構成要素を伴っている基板は、別の基板であってよい。或いは、しかしながら、これらは一つの単一基板であってもよい。
【0076】
容器がシリコーンで形成されていて、刺激ユニットが刺激電極43(i)である実施形態においては、これらの刺激電極43(i)は、シリコーン容器11,11´中に電気的な導電性シリコーン部分として形成されることが出来る。これは、容器11,11´のシリコーン部分にチタン又はプラチナのようなドーピング物質を設けることにより実行されることが出来る。このような実施形態は図10中に示されている。図10は、感知器33及び刺激電極43(i)を伴った可撓性容器11,11´の断面の一部分を示している。この実施形態においては、容器11,11´及び感知器33及び刺激電極43(i)の両方がシリコーンで作られている。これらは、全て、シリコーン基板から作られていて、シリコーン基板では所定の部分が感知器33及び刺激電極43(i)になるようチタン又はプラチナのような適切なドーピング物質でドープ(dope)されている。
【0077】
適切な導電性ワイヤリングが、感知器33を検出装置16,16´に電気的に連結し、そして刺激電極43(i)を刺激装置17,17´に電気的に連結する為に、これら後者の部分に連結されている。
【0078】
このような装置は自動最適化(auto-optimizing)に作ることが出来る。電子装置12,12´は、吸引反射作用(aspiration reflex)が最もよく引き出されることが出来る地点で刺激が行なわれることが出来るよう、フィードバック測定を行えるよう構成されていることが出来る。
【0079】
一つの実施形態においては、電子装置は、適切な検知器を介して、吸引反射作用(aspiration reflex)の強度を登録する;これは例えば、鼻又は口を通った空気の流れを測定すること,音を測定すること,脈拍率,血圧,その他を測定することにより行なうことが出来る。刺激点のインピーダンスは最適点を探す為の案内であってよい。この場合には、装置は刺激の為の最適点を探す為にインピーダンス測定を使用してよい。
【0080】
電極12,12´は、刺激電極43(i)に対し形状又は増幅値又はその両方のいずれかで異なった型の刺激信号を送るよう構成されていることが出来る。刺激電極43(i)当たり異なった刺激信号の効果が検出装置16(1),16(2)により測定されることが出来、そして電子装置12により評価される。電子装置12は、刺激装置17に対する出力としてのその制御信号を修正することによりこれらの刺激信号を修正するようプログラムされていることが出来る。
【0081】
さらには、電子装置12は、刺激信号が刺激ユニット43(i)により刺激された鼻の領域上に手当たりしだいの刺激を創出するよう、手当たり次第にその発生した制御信号を変えるようプログラムされていることが出来る。これは、発生された刺激に対する体の適合を低下させ、そして、従って、装置10の効率を強化
する。
【0082】
電子装置12は検出装置16(1)から受信した呼吸信号を評価し、如何なる呼吸障害、例えば過換気(hyperventilation)の出現、も検出するようプログラムされていることが出来る。次に、この評価に基づいて、電極12,12´は、刺激装置17が呼吸障害をなくすよう鼻に対し適した刺激を創出するよう、刺激装置17に対し適切な信号を創出出来る。
【0083】
図11は、睡眠無呼吸(sleep apnoea)に襲われた人の外耳(auricle)に対し刺激を提供した幾つかの実験結果を示している。示されているパラメータに対する説明は以下のようである。
【0084】
・LEOG,REOG:左及び右眼球運動電図
(Left and Right Electro OculoGram)
・C3A1,C4A2:EEGの測定信号
・EMG:筋電図(Electro Myogram)
・FlowPTAF:呼吸信号
・Tho:胸郭運動(throax movement)
・Abd:腹筋運動(abdominal movement)
・SaO2:酸素飽和度(Oxygen sturation)
・ECG:心電図(electrocardiogram)
・RR:脈拍率(heart rate)
・LegEMG:脚で測定された筋電図
・Mrker:刺激の高い指示,刺激がない低い指示
(when high indicating a stimulation, when low indicating no stimulation)
図11は以下の設定を示している。患者が呼吸を停止している又は浅い呼吸を開始している,装置が鼻の下のくぼみに対し刺激信号を発生させている。刺激が1秒続く。刺激信号自体が8Hzの周波数を有している。2つの連続している刺激を分ける時間も1秒である。そして、t1−t0=4秒、tstim=1秒,そしてtwait=1秒。
【0085】
図11においては、目印チャンネル(marker channel)が、刺激が指定された(adressed)時を示している。この電気刺激の結果として、種々の電気的に引き出されたチャンネル中で結果(artefact)が示されている。全ての場合において、呼吸は、流れPTAFチャンネル中に見られる如く、1つ又はそれ以上の結果として再び開始された。
【0086】
この発明に従った方法は、これらに限定されないが、中枢性無呼吸(central apnoea),障害的な無呼吸(obstructive apnoea),混合型無呼吸(mixed type apnoea),の如き無呼吸(apnoea),短命な虚血性発作(transient ischemic attack)(TIA),低血圧(hypotension),失神(syncope),へモハジックショック(haemorhagic shock)(血液の損失(loss of blood)),気管支痙攣(bronchospasm),咽頭痙攣(laryngospasm),しゃっくり(hiccup),パーキンソン病に関係している震え(tremor associated with Parkinsons’ disease),てんかん性発作(epileptic seizure),失神型てんかん(absence type epilepsy),片頭痛(migraine),交代性片側麻痺(alternating hemiplegia),アルツハイマー病(Alzheimers disease),うつ(depression),神経性食欲不振(anorexia nervosa),過食症(bulimia),自閉症(autism),精神病的疾患(psychiatric disorder),不眠症(insomnia),昏睡状態(comatose states)の1つ又はそれ以上の治療の為に適している。
【0087】
上の例において提出された実施形態はこの発明を説明することのみを意図していて、添付の特許請求の範囲及びその技術的な均等のみにより限定されているこの発明の範囲を限定することを意図していない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の鼻内又は鼻上に装着されるよう構成されている電子刺激システムであり:
容器(11,11´);
少なくとも人からの呼吸活動を検出し、そして、それに応じて検出信号を発生するよう構成された検出装置(16(1);16(2));
前記容器(11,11´)内に構成され、そして、前記検出装置に連結されており前記検出信号を処理するよう構成されている制御装置(20)を備えていて、前記制御装置が前記人が無呼吸になっていると決定した時に制御信号を発生する、電子装置(12;12´´):
前記電子装置(12;12´´)からの前記制御信号を受領し、そして刺激を発生するよう構成されている刺激装置(17,17´);
を備えていて、
人の鼻内又は鼻上に装着された時に、前記刺激装置(17)が鼻の下のくぼみ及び人の鼻咽頭部の少なくとも1つに刺激を提供するよう構成されているよう構成されている、ことを特徴としている電子刺激システム。
【請求項2】
前記システムは、人の鼻内又は鼻上に装着された時に、前記刺激装置(17)が鼻の下のくぼみの所定の部分に対し押圧されるよう構成されている、請求項1に従っている電子刺激システム。
【請求項3】
容器(11,11´)は外鼻孔内に挿入される鼻栓として設計されており、容器(11,11´)は前記検出装置及び前記刺激装置を備えていて、前記システムは、容器(11,11´)から延出していて鼻咽頭部の領域を刺激するよう構成されている糸,ワイヤ,そして繊維(58)の1つを備えている、請求項1に従っている電子刺激システム。
【請求項4】
前記容器(11,11´)は、前記システムが使用される時に前記容器を前記外鼻孔中に固定するよう留め金及び腕木の1つに連結されている、請求項3に従っている電子刺激システム。
【請求項5】
前記保持装置が、鼻栓,鼻覆い,穴開け,ねじ,爪,ボルト,クリックシステム,リベット,ホッチキスの針,そしてバヨネットの少なくとも1つである、請求項1又は2に従っている電子刺激システム。
【請求項6】
前記システムは、人の脈拍を検出し,それに対応して脈拍信号を発生し、そして、前記脈拍信号を前記電子装置(12)に伝達するよう構成された第2検出装置(16(2))を備えていて、電子装置(12)は前記脈拍信号に依存して前記制御信号を発生するよう構成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項7】
前記システムは、人の脳からの電気信号を検出し、そして、この電気信号から脳波(EEG)信号を発生するよう構成されている第3検出装置を備えていて、電子装置(12;12´)は前記脳波信号に依存して前記制御信号を発生するよう構成されている、請求項1乃至6のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項8】
前記第1検出装置(16(1))は、鼻又は口を介した呼吸により生じた空気の流れを検出するよう構成されている、請求項1乃至7のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項9】
前記第2検出装置(16(2))は、人の頚動脈,静脈,そして動脈の少なくとも1つにおける脈拍を検出するよう構成されている、請求項6に従っている電子刺激システム。
【請求項10】
前記第2検出装置(16(2))は、鼻の中,上,又は近傍における人の体の部分からの脈拍信号を発生するよう構成されている、請求項6に従っている電子刺激システム。
【請求項11】
前記容器(11)は、シリコーンのような、可撓性材料から形成されている、請求項1乃至10のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項12】
前記電子刺激システムは、2次元状行列形状に構成された複数の刺激ユニットを備えている、請求項1乃至11のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項13】
前記刺激システムは、自動最適化システムとして構成されている、請求項12に従っている電子刺激システム。
【請求項14】
前記刺激システムは、前記検出装置(16(1);16(2))からのフィードバック帰還信号に基づいた刺激を提供する最適な場所を特定するよう構成されている、請求項13に従っている電子刺激システム。
【請求項15】
前記刺激ユニット(43(i))は、電気刺激ユニット及び機械刺激ユニットの少なくとも1つとして構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項16】
前記刺激装置(17;17´)は、待機時間により分割されている刺激時間の間に複数の刺激信号を発生するよう構成されている、請求項1乃至15のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項17】
前記複数の刺激信号の夫々は、複数のパルス,複数の三角信号,複数の正弦信号,複数のブロック信号の1つの形状を有している、請求項16に従っている電子刺激システム。
【請求項18】
前記待機時間及び前記刺激時間の少なくとも1つは可変である、請求項16又は17に従っている電子刺激システム。
【請求項19】
前記待機時間は、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、である、請求項16乃至18のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項20】
前記刺激時間は、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、である、請求項16乃至19のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項21】
前記システムは、鼻外孔内の患者の血液における酸素飽和度を測定する検出器を備えている、請求項1乃至20のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項22】
少なくとも人からの呼吸活動を検出し、それによって検出信号を発生し;
前記検出信号を処理し、そして、前記制御装置が人が無呼吸になっていると決定した時に制御信号を発生し;
前記制御信号を受領して前記人の体に対し刺激を提供する;
人の体に対し刺激を提供する方法であり:
前記刺激を鼻の下のくぼみの所定部分に提供する、ことを特徴とする人の体に対し刺激を提供する方法。
【請求項23】
人の鼻内又は鼻上に装着されるよう構成されている電子刺激システムであり:
容器(11,11´);
少なくとも人からの呼吸活動を検出し、そして、それに応じて検出信号を発生するよう構成された検出装置(16(1);16(2));
前記容器(11,11´)内に構成され、そして、前記検出装置に連結されており前記検出信号を処理するよう構成されている制御装置(20)を備えていて、前記制御装置が前記人が、短命な虚血性発作(TIA),低血圧,失神,へモハジックショック(haemorhagic shock)(血液の損失),気管支痙攣,咽頭痙攣,しゃっくり,パーキンソン病に関係している震え,てんかん性発作,失神型てんかん,片頭痛,交代性片側麻痺,アルツハイマー病,うつ(depression),神経性食欲不振,過食症,自閉症,精神病的疾患(psychiatric disorder),不眠症,睡眠麻痺,そして、昏睡状態の中の1つの状態であると決定した時に制御信号を発生する、電子装置(12;12´´):
前記電子装置(12;12´´)からの前記制御信号を受領し、そして刺激を発生するよう構成されている刺激装置(17,17´);
を備えていて、
人の鼻内又は鼻上に装着された時に、前記刺激装置(17)が鼻の下のくぼみ及び人の鼻咽頭部の少なくとも1つに刺激を提供するよう構成されているよう構成されている、ことを特徴としている電子刺激システム。
【請求項1】
人の鼻内又は鼻上に装着されるよう構成されている電子刺激システムであり:
容器(11,11´);
少なくとも人からの呼吸活動を検出し、そして、それに応じて検出信号を発生するよう構成された検出装置(16(1);16(2));
前記容器(11,11´)内に構成され、そして、前記検出装置に連結されており前記検出信号を処理するよう構成されている制御装置(20)を備えていて、前記制御装置が前記人が無呼吸になっていると決定した時に制御信号を発生する、電子装置(12;12´´):
前記電子装置(12;12´´)からの前記制御信号を受領し、そして刺激を発生するよう構成されている刺激装置(17,17´);
を備えていて、
人の鼻内又は鼻上に装着された時に、前記刺激装置(17)が鼻の下のくぼみ及び人の鼻咽頭部の少なくとも1つに刺激を提供するよう構成されているよう構成されている、ことを特徴としている電子刺激システム。
【請求項2】
前記システムは、人の鼻内又は鼻上に装着された時に、前記刺激装置(17)が鼻の下のくぼみの所定の部分に対し押圧されるよう構成されている、請求項1に従っている電子刺激システム。
【請求項3】
容器(11,11´)は外鼻孔内に挿入される鼻栓として設計されており、容器(11,11´)は前記検出装置及び前記刺激装置を備えていて、前記システムは、容器(11,11´)から延出していて鼻咽頭部の領域を刺激するよう構成されている糸,ワイヤ,そして繊維(58)の1つを備えている、請求項1に従っている電子刺激システム。
【請求項4】
前記容器(11,11´)は、前記システムが使用される時に前記容器を前記外鼻孔中に固定するよう留め金及び腕木の1つに連結されている、請求項3に従っている電子刺激システム。
【請求項5】
前記保持装置が、鼻栓,鼻覆い,穴開け,ねじ,爪,ボルト,クリックシステム,リベット,ホッチキスの針,そしてバヨネットの少なくとも1つである、請求項1又は2に従っている電子刺激システム。
【請求項6】
前記システムは、人の脈拍を検出し,それに対応して脈拍信号を発生し、そして、前記脈拍信号を前記電子装置(12)に伝達するよう構成された第2検出装置(16(2))を備えていて、電子装置(12)は前記脈拍信号に依存して前記制御信号を発生するよう構成されている、請求項1乃至5のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項7】
前記システムは、人の脳からの電気信号を検出し、そして、この電気信号から脳波(EEG)信号を発生するよう構成されている第3検出装置を備えていて、電子装置(12;12´)は前記脳波信号に依存して前記制御信号を発生するよう構成されている、請求項1乃至6のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項8】
前記第1検出装置(16(1))は、鼻又は口を介した呼吸により生じた空気の流れを検出するよう構成されている、請求項1乃至7のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項9】
前記第2検出装置(16(2))は、人の頚動脈,静脈,そして動脈の少なくとも1つにおける脈拍を検出するよう構成されている、請求項6に従っている電子刺激システム。
【請求項10】
前記第2検出装置(16(2))は、鼻の中,上,又は近傍における人の体の部分からの脈拍信号を発生するよう構成されている、請求項6に従っている電子刺激システム。
【請求項11】
前記容器(11)は、シリコーンのような、可撓性材料から形成されている、請求項1乃至10のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項12】
前記電子刺激システムは、2次元状行列形状に構成された複数の刺激ユニットを備えている、請求項1乃至11のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項13】
前記刺激システムは、自動最適化システムとして構成されている、請求項12に従っている電子刺激システム。
【請求項14】
前記刺激システムは、前記検出装置(16(1);16(2))からのフィードバック帰還信号に基づいた刺激を提供する最適な場所を特定するよう構成されている、請求項13に従っている電子刺激システム。
【請求項15】
前記刺激ユニット(43(i))は、電気刺激ユニット及び機械刺激ユニットの少なくとも1つとして構成されている、請求項12乃至14のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項16】
前記刺激装置(17;17´)は、待機時間により分割されている刺激時間の間に複数の刺激信号を発生するよう構成されている、請求項1乃至15のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項17】
前記複数の刺激信号の夫々は、複数のパルス,複数の三角信号,複数の正弦信号,複数のブロック信号の1つの形状を有している、請求項16に従っている電子刺激システム。
【請求項18】
前記待機時間及び前記刺激時間の少なくとも1つは可変である、請求項16又は17に従っている電子刺激システム。
【請求項19】
前記待機時間は、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、である、請求項16乃至18のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項20】
前記刺激時間は、0秒と10秒との間,好ましくは0秒と5秒との間,より好ましくは0.5秒と2秒との間、である、請求項16乃至19のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項21】
前記システムは、鼻外孔内の患者の血液における酸素飽和度を測定する検出器を備えている、請求項1乃至20のいずれか1項に従っている電子刺激システム。
【請求項22】
少なくとも人からの呼吸活動を検出し、それによって検出信号を発生し;
前記検出信号を処理し、そして、前記制御装置が人が無呼吸になっていると決定した時に制御信号を発生し;
前記制御信号を受領して前記人の体に対し刺激を提供する;
人の体に対し刺激を提供する方法であり:
前記刺激を鼻の下のくぼみの所定部分に提供する、ことを特徴とする人の体に対し刺激を提供する方法。
【請求項23】
人の鼻内又は鼻上に装着されるよう構成されている電子刺激システムであり:
容器(11,11´);
少なくとも人からの呼吸活動を検出し、そして、それに応じて検出信号を発生するよう構成された検出装置(16(1);16(2));
前記容器(11,11´)内に構成され、そして、前記検出装置に連結されており前記検出信号を処理するよう構成されている制御装置(20)を備えていて、前記制御装置が前記人が、短命な虚血性発作(TIA),低血圧,失神,へモハジックショック(haemorhagic shock)(血液の損失),気管支痙攣,咽頭痙攣,しゃっくり,パーキンソン病に関係している震え,てんかん性発作,失神型てんかん,片頭痛,交代性片側麻痺,アルツハイマー病,うつ(depression),神経性食欲不振,過食症,自閉症,精神病的疾患(psychiatric disorder),不眠症,睡眠麻痺,そして、昏睡状態の中の1つの状態であると決定した時に制御信号を発生する、電子装置(12;12´´):
前記電子装置(12;12´´)からの前記制御信号を受領し、そして刺激を発生するよう構成されている刺激装置(17,17´);
を備えていて、
人の鼻内又は鼻上に装着された時に、前記刺激装置(17)が鼻の下のくぼみ及び人の鼻咽頭部の少なくとも1つに刺激を提供するよう構成されているよう構成されている、ことを特徴としている電子刺激システム。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2011−524780(P2011−524780A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514517(P2011−514517)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050357
【国際公開番号】WO2009/154457
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(509168483)ナソフレックス ビー.ブイ. (5)
【氏名又は名称原語表記】NASOPHLEX B.V.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際出願番号】PCT/NL2009/050357
【国際公開番号】WO2009/154457
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(509168483)ナソフレックス ビー.ブイ. (5)
【氏名又は名称原語表記】NASOPHLEX B.V.
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]