説明

鼻炎抑制用塗布液

【構成】ドクダミの抽出物を主成分とした鼻炎抑制用塗布液又はドクダミのしぼり汁を主成分とした鼻炎抑制用塗布液である。ドクダミの抽出物は、ドクダミの葉,茎、芽、根等を乾燥させ、水によって抽出する。通常方法によって粉末化したものであってもよい。ドクダミのしぼり汁は、生のドクダミを通常の方法でしぼる。叩いたり、擦ったり、刻んだりしてしぼることもできる。いずれの場合にも、炎症部には、直接塗布することもできるし、フィルター等に滲み込ませて鼻孔に嵌めることもできる。
【効果】表1又は表2に示すように、人の鼻炎を抑制させる作用を有する。この鼻炎抑制用塗布液を使用すれば、安価な鼻炎抑制用塗布液を提供することができるため何人も簡単に入手することができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は鼻炎抑制用塗布液に関し、人の鼻炎の炎症部に塗布してその鼻炎を抑制させるために使用されるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鼻炎を抑制するものとして、様々な医薬組成物等が製造されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−047861号公報
【特許文献2】特開2003−081821号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる従来の鼻炎を抑制するための薬剤は、大がかりな設備を必要とする化学合成によって製造されていたため、製造コストが高額にならざるを得ず、よって、誰もが簡単に入手できないという不都合を有した。
【0005】
この発明の課題はかかる不都合を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る鼻炎抑制用塗布液においては、ドクダミの抽出物を主成分としたものであり、
【0007】
又、第2発明に係る鼻炎抑制用塗布液においては、ドクダミのしぼり汁を主成分としたものである。
【発明の効果】
【0008】
第1発明に係る鼻炎抑制用塗布液は、ドクダミの抽出物を主成分としたものであり、表1に示されるように、人の鼻炎を抑制させる作用を有している。
【0009】
又、第2発明に係る鼻炎抑制用塗布液は、ドクダミのしぼり汁を主成分としたものであり、表2に示されるように、人の鼻炎を抑制させる作用を有している。
【0010】
よって、第1発明又は第2発明に係る鼻炎抑制用塗布液を使用すれば、安価な鼻炎抑制用塗布液を提供することができるため何人も簡単に入手することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ドクダミの葉を乾燥させ、水によって抽出することが必要である。又は、ドクダミの葉,茎,根を叩いたり、擦ったり、刻んだりしてそのしぼり汁を得ることが必要である。
【0012】
以下、第1発明および第2発明にについて詳細に述べる。
【0013】
(第1発明について)
第1発明において、使用されるドクダミは、葉,茎、芽、根等いずれであってもよい。また、乾燥したものでも生のままでもよい。
【0014】
ドクダミの抽出物は抽出液のままでも、通常方法によって粉末化したものであってもよい。また、この抽出物を、炎症部に塗布する場合には、抽出液の場合にはそのまま若しくは水等によって希釈してもよい。この場合、図2に示すように、通気性のあるフィルター10,10 に滲みこませて使用すれば、使用しやすいものである。一方、粉末化したものの場合には、そのまま塗布してもよいし、水等に溶かして塗布することもできる。
【0015】
ドクダミの抽出物を得る方法であるが、これは通常の抽出方法に従って行えば良い。抽出操作に先立って、ドクダミの葉,茎、芽、根等を予め乾燥したり、粉砕したりすることもできる。また、抽出溶媒は、これらの被抽出物(ドクダミの葉,茎、芽、根等)の50〜100倍量(重量比)加える。そして、溶媒が半分位になり茶色になるまで浸漬する。浸漬時間は、加温下ならば数分〜数時間、室温下ならば数時間〜数日である。浸漬後は、濾して、不純物を除去する。粉末にする場合には、減圧乾固等して溶媒を除去すればよい。用いる溶媒としては、水,アルコール(エタノール)等が適している。得られた抽出物はそのまま炎症部への塗布に供してもよいし通常の方法により濃縮してもよい。また、粉末化して貯蔵性・保存性を上げることもできる。
【0016】
なお、抽出液は、スポイト等によって、鼻炎の炎症部に、1日1〜3回滴下すればよい。または、図2にようにフィルターに滲みこませて、鼻孔に嵌めればよい。鼻炎の予防,抑制,治療に対して速効的な効果を有する。
【0017】
(第2発明について)
第2発明において、使用されるドクダミは、葉,茎、芽、根等いずれであってもよい。いずれの場合にも、しぼり汁の含まれている生のものを使用する。
【0018】
ドクダミのしぼり汁は絞ったままでも、通常方法によって粉末化したものであってもよい。また、このしぼり汁を、炎症部に塗布する場合には、しぼり汁の場合にはそのまま若しくは水等によって希釈してもよい。一方、粉末化したものの場合には、そのまま塗布してもよいし、水等に溶かして塗布することもできる。なお、しぼり汁を液体状で使用するときは、図2に示すように、通気性のあるフィルター10,10 に滲みこませて使用すれば、使用しやすいものである。また、しぼった状態の葉等(しぼり汁が付いている状態の)を丸めてそのまま、炎症部に当てる(鼻孔に嵌める)こともできる。
【0019】
ドクダミのしぼり汁を得る方法であるが、これは通常の方法に従って行えば良い。ドクダミをしぼるに先立って、ドクダミの葉,茎、芽、根等を予め叩いたり、擦ったり、刻んだり 叩いたりすることもできる。しぼり汁を、濾して、不純物を除去する。粉末にする場合には、減圧乾固等して水分を除去すればよい。得られたしぼり汁はそのまま炎症部への塗布に供してもよいし通常の方法により濃縮してもよい。また、粉末化して貯蔵性・保存性を上げることもできる。液体状で使用するときは、図2に示すように、使用することもできる。
【0020】
なお、しぼり汁は、鼻炎の炎症部に、スポイト等によって、1日1〜3回滴下するか、または、図2にようにフィルターに滲みこませて、鼻孔に嵌めればよい。鼻炎の予防,抑制,治療に対して速効的な効果を有する。
【実施例】
【0021】
以下、実施例を挙げて説明するが、第一発明又は第2発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】
(第1発明の実施例)
図1に示すように、ドクダミの乾燥した茎・葉を細かく刻んだものD10〜20グラムを、容器10に入れる。そして、約1リットルの水Wを加える。熱湯でもよい。そして、水が半分位になり茶色に変色するまで浸漬する。浸漬後に、濾して、不純物を除去すれば、この発明のドトダミ抽出液(煎じ液)が得られる。なお、水(熱湯)を注いだ後、攪拌することもできる。
【0023】
この抽出液を、朝,昼,晩一日3回、鼻炎の炎症部に塗布し、その症状の変化を示したものが表1である。この表から明確なように、何れの塗布者においても鼻炎の症状が抑制されている。これらの塗布者以外においても、約50〜60人の人に同様に3〜5日間塗布させたところ、略全員におていて鼻炎の症状が抑制されている。
【0024】
表1
┌───┬──┬──┬─────┬──────┬───────┐
│塗布者│性別│年齢│使用前 │一日塗布後 │2日塗布後 │
│ │ │ │鼻炎の症状│鼻炎の症状 │鼻炎の症状 │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ A │男 │60│ ++ │ + │ + │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ B │女 │26│ ++ │ + │ + │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ C │女 │35│ ++ │ + │ − │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ D │男 │ 8│ ++ │ + │ + │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ E │女 │45│ ++ │ + │ + │
└───┴──┴──┴─────┴──────┴───────┘
++:重症,+:軽症,−:なし
*鼻炎の症状とは、くしゃみ,鼻水,頭痛等である。
【0025】
(第2発明の実施例)
生のドクダミの茎・葉・芽.根を適宜量だけ細かく刻む。刻んだものを、通常の方法でしぼる。しぼり汁を濾して、不純物を除去すれば、第2発明のドトダミのしぼり汁が得られる。なお、刻むかわりに、擦ったり、叩いたりしてもよい。
【0026】
このしぼり汁を、朝,昼,晩一日3回、鼻炎の炎症部に塗布し、その症状の変化を示したものが表2である。この表から明確なように、何れの塗布者においても鼻炎の症状が抑制されている。これらの塗布者以外においても、約50〜60人の人に同様に3〜5日間塗布させたところ、略全員におていて鼻炎の症状が抑制されている。また、図2に示すように、しぼり汁をフィルターに滲みこませて使用することもできる。図において、20,20 はしぼり汁を滲み込ませたフィルター(円柱状のフィルターでタバコのフィルターとして使用されている等),21は係止具である。この係止具21の両端には前記フィルター20,20 が固定されている。この係止具21は、これらのフィルター20,20 を鼻孔に内嵌めするときに鼻柱に挟むように外嵌め固定させるためのものである。なお、このフィルター20は、前記係止具21を用いことなく単独で使用することもできる。

【0027】
表2
┌───┬──┬──┬─────┬──────┬───────┐
│塗布者│性別│年齢│使用前 │一日塗布後 │2日塗布後 │
│ │ │ │鼻炎の症状│鼻炎の症状 │鼻炎の症状 │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ A │男 │60│ ++ │ + │ − │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ B │女 │26│ ++ │ + │ + │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ C │女 │35│ ++ │ + │ − │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ D │男 │ 8│ ++ │ + │ − │
├───┼──┼──┼─────┼──────┼───────┤
│ E │女 │45│ ++ │ + │ − │
└───┴──┴──┴─────┴──────┴───────┘
++:重症,+:軽症,−:なし
*鼻炎の症状とは、くしゃみ,鼻水,頭痛等である。
【産業上の利用可能性】
【0028】
安価な鼻炎抑制用塗布液を提供することができるため、鼻炎の流行時に利用である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は第1発明に係る鼻炎抑制用塗布液の製造状態を説明した図である。
【図2】図2は第1発明又は第2発明に係る鼻炎抑制用塗布液の使用方法を説明した図である。
【符号の説明】
【0030】
D … ドクダミの乾燥した茎・葉を細かく刻んだもの
W … 水
10 … 容器
20 … フィルター(ドクダミのしぼり汁を滲みこませたもの)
21 … 係止具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドクダミの抽出物を主成分とした鼻炎抑制用塗布液。
【請求項2】
ドクダミのしぼり汁を主成分とした鼻炎抑制用塗布液。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−182393(P2007−182393A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285(P2006−285)
【出願日】平成18年1月4日(2006.1.4)
【出願人】(506005134)
【Fターム(参考)】