説明

1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製方法

本発明は、1,3−ジクロロ−2−ペンタノンから相間移動触媒の存在下で塩基と反応させることによる1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製方法を提供する。この反応は、有機溶媒の存在下又は不存在下で及び連続法又は回分法で行い得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンから1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを塩基を用いて加熱しながら処理すると1−アセチル−1−クロロシクロプロパンが得られることが、知られている。しかし、このような操作は許容可能な収率が得られないことが一般的に認められている。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、
(a)3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを準備し;
(b)相間移動触媒を準備し;
(c)塩基類であってこれらの共役酸が約8から約15の水中pK値を有するものである塩基類からなる群から選択される塩基の水溶液を準備し;
(d)3,5−ジクロロ−2−ペンタノン、相間移動触媒及び前記溶液を有機溶媒の不存在下で室温よりも高い温度で混合し;及び
(e)1−アセチル−1−クロロシクロプロパンを分離する
ことからなる1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明の方法は、回分方式で又は連続的に実施し得る。
【0005】
本発明の方法で使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムが挙げられる。ナトリウム金属塩基が、一般に好ましい。水酸化物アニオン塩基が好ましい。水酸化ナトリウムが最も好ましい。3,5−ジクロロ−2−ペンタノンの完全な転化を達成するために、調製は一般に3,5−ジクロロ−2−ペンタノンの量に対して少なくとも1モル当量の塩基で行われる。3,5−ジクロロ−2−ペンタノン1モル当たり、好ましくは1.1から1.5モル当量の塩基、さらに好ましくは約1.1から約1.2モル当量の塩基が使用される。塩基の濃度は、一般に水酸化ナトリウムの重量で約5%から約50%、好ましくは約10%から約30%、さらに好ましくは約20%から約25%である。連続法は、一般的に、塩基が水酸化ナトリウムである場合には後者の範囲又は塩基濃度が使用される。
【0006】
本発明の方法は、有機溶媒の存在下又は不存在下で実施し得る。本発明の方法が有機溶媒の不存在下で塩基として水酸化物を使用して実施される場合には、生成物は反応混合物から比較的短い時間内に取り出さなければならないか又は過剰の塩基が存在する場合には、反応混合物の過剰の塩基は生成物の分解を最小限にするために中和しなければならない。しかし、有機溶媒の不存在下であっても弱塩基、例えば炭酸塩又はリン酸塩を使用する場合には、生成物は反応混合物中に長時間存在することができる。過剰の水酸化物塩基の存在下で及び有機溶媒なしでは、生成物は一般に、反応の完結が例えば液体クロマトグラフィー(LC)又はガスクロマトグラフィー(GC)分析により検出された後に直ちに取り出される。
【0007】
反応は、一般に混合の完結後に約0.1分から約600分行う。一般に、溶媒の不存在下では、約1から約3モル%の触媒及び約1から約1.5モル当量の水酸化物塩基(20から25%濃度)が使用される場合には、反応は混合後約0.1分から約5分で完結する。溶媒が加えられる場合には、反応は混合後約0.2分から約5分で完結する。水酸化物塩基が炭酸塩又はリン酸塩アニオン塩基で置換される場合には、反応は約15分から約120分を要する。有機溶媒が使用される場合には、後者の反応時間は約30分から約300分の時間まで延長し得る。
【0008】
溶媒の不存在下で及び水酸化物塩基が使用される場合には、反応は一般に反応の完結を確認後に約1分から約15分で停止される。炭酸塩又はリン酸塩が使用される場合には、有機溶媒の使用にもかかわらず、反応は一般に反応の完結を確認後に約1分から約120分で停止し得る。
【0009】
本発明はまた、
(a)3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを準備し;
(b)相間移動触媒を準備し;
(c)塩基類であってこれらの共役酸が約8から約15の水中pK値を有するものである塩基類からなる群から選択される塩基の水溶液を準備し;
(d)3,5−ジクロロ−2−ペンタノン、前記相間移動触媒及び前記の塩基の水溶液を有機溶媒(有機溶媒は実質的に水に不混和性であり及び溶媒は実質的に前記方法の反応条件に影響されないものである)の存在下で室温よりも高い温度で混合し;及び
(e)1−アセチル−1−クロロシクロプロパンを分離する
ことからなる1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製方法を提供する。
【0010】
有機溶媒の存在は、過剰の塩基による生成物の分解を相当に遅らせる。従って、これは反応を延長された長さの時間行うことを可能にする。従って、反応が、混合が終わった時点で、有機溶媒の存在下で実施される場合には、反応は、例えばGC又はLCで調べられるように反応が完結するまで加熱される。次いで、過剰の塩基が酸で中和され、生成物が反応混合物から分別蒸留により分離される。
【0011】
適切な溶媒としては、モノハロベンゼン、ジハロベンゼン、例えば1,2−ジクロロベンゼン、ジアルキルエーテル(この場合、前記エーテルのアルキル基は同一であってもよいし又は異なっていてもよく及びアルキル基はC1からC12、好ましくはC1からC8である);及びアルキルアリールエーテルが挙げられる。本発明の方法に適した溶媒としては、25℃(室温)で溶媒約0g/水100mLから約3g/水100mL;好ましくは約0.01g/水100mLから約1g/水100mLの水混和性を有する溶媒が挙げられる。反応は、好ましくは3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを溶解する有機溶媒の存在下で行ってもよい。
【0012】
相間移動触媒の不存在下で実施される反応は別の最適反応条件下でさえも不十分な収率を与えることから、相間移動触媒がこの方法に必要である。相間移動触媒は、当業者に公知の目的に適した触媒であり得る。水混和性及び水不混和性の触媒を使用し得る。一般に、テトラアルキルアンモニウムハライド及びアリールトリアルキルアンモニウムハライドが使用される。好ましくは、相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムハライド及びメチルトリアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される。最も好ましくは、相間移動触媒は、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド及び/又はメチルトリブチルアンモニウムクロリドである。
【0013】
触媒の量は広く変化させ得る。一般に、約0.1から約10モル%が使用される。好ましくは、約1から約5モル%が使用される。モル%という用語は、モルでの3,5−ジクロロ−2−ペンタノンの%としての触媒の化学量論量を意味する。例えば、1モルの3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを反応させた場合には、この場合には約0.03モル(3モル%)の触媒が使用されるであろう。3,5−ジクロロペンタノンと相間移動触媒との重量:重量の比は、一般に約10:1から約100:1、好ましくは約10:1から約30:1、さらに好ましくは約12:1から約16:1である。
【0014】
溶媒は、一般に、生成物を溶媒から分別蒸留で分離することができるように常圧での溶媒の沸点が常圧での1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの沸点と異なるように選択される。好ましい溶媒は1,2−ジクロロベンゼンである。
【0015】
反応の温度は反応の遂行に著しい影響を及ぼす。水酸化物が塩基として使用される場合には、反応剤を互いにより高い温度で接触させると収率が高い。低い温度では、所望の生成物の収率を実質的に低下させる副反応が増大する。弱塩基、例えば炭酸塩及びリン酸塩が使用される場合には、反応は低い温度では非常に遅く、従って反応は反応の合理的な速度を達成するために還流下で実施されることが好ましい。反応を室温よりも高い温度で行う場合には、反応剤は場合により常圧で約50℃から約100℃の温度に加熱してもよい。このような予備加熱が行われる場合には、最適温度は約80℃から約100℃である。
【0016】
調製は連続的に行ってもよい。当業者には、生成物の連続的取り出し及び副生成物の分離を可能にする適切な容器で調製を行い得ることが理解されるであろう。一般に、混合物は、反応剤を流れ反応装置中で有機溶媒の不存在下に混合することによって調製される。この後に、短い混合時間、一般に約0.1分から約60分、好ましくは約0.2分から約10分、最も好ましくは約0.5分から約2分が可能であり、この後に生成物が分離される。次いで、分離工程では、混合物が水蒸気蒸留装置に送られ、ここで1−アセチル−1−クロロシクロプロパンが水と共に共沸蒸留され、次いで凝縮される。残りの塩及び相間移動触媒は、水蒸気蒸留装置の水の中に捕集される。
【0017】
反応は、場合により有機溶媒の存在下で連続的に行ってもよい。次いで、生成物は、最初の共沸蒸留の後に、有機溶媒から分留される。
【0018】
(実施例)
【実施例1】
【0019】
還流冷却管及び磁気攪拌棒を備えた三ツ口丸底フラスコに、水性NaOH(38.5g、23%、0.221モル)を加え、95℃に加熱した。これに、滴加ロート中で90℃に加熱された3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(28.5g、98%純度、0.18モル)とメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336の市販の形態、2.0g、0.005モル)との混合物を、5秒未満で迅速に加えた。次いで、攪拌を開始し、反応混合物を95℃で3分間攪拌した。次いで、フラスコを氷水浴に浸した。これに、秤量した量の内部標準(パラ−キシレン)を加え、しっかり閉じて5分間攪拌した。次いで二層を分離させ、有機層をGCに注入した。収率は、1−アセチル−1−クロロシクロプロパンとパラ−キシレンの間の所定の応答係数を使用して算出し、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として84.6%であることが認められた。
【実施例2】
【0020】
還流冷却管及び磁気攪拌棒を備えた三ツ口丸底フラスコに、水性NaOH(47.0g、23%、0.27モル)を加え、95℃に加熱した。これに、滴加ロート中で90℃に加熱された3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(28.5g、98%純度、0.18モル)とメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336の市販の形態、1.19g、0.0029モル)との混合物を、5秒未満で迅速に加えた。次いで、攪拌を開始し、反応混合物を95℃で2分間攪拌した。次いで、水性塩酸(28.0g、9.8%、0.075モル)を加えることによって反応を停止させた。次いで、生成物を、反応混合物から常圧で水との共沸混合物として蒸留した。蒸留物に、秤量した量の内部標準(パラ−キシレン)を加え、しっかり閉じて攪拌した。次いで二層を分離させ、有機層をGCに注入した。収率は、1−アセチル−1−クロロシクロプロパンとパラ−キシレンの間の所定の応答係数を使用して算出した。収率は、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として83.0%であることが認められた。
【実施例3】
【0021】
還流冷却管及び磁気攪拌棒を備えた三ツ口丸底フラスコに、水性NaOH(32.4g、25%、0.20モル)、1,2−ジクロロベンゼン(20.1g)及びメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336の市販の形態、1.0g、0.0025モル)を加え、90℃に加熱した。これに、3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(28.5g、98%純度、0.18モル)を滴加ロートから3時間にわたって加えた。添加終了後に、反応混合物を90℃で1時間処理し、次いで室温に冷却した。収率は、実施例1のように内部標準としてパラ−キシレンを使用して調べ、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として84%であることが認められた。
【実施例4】
【0022】
還流冷却管及び磁気攪拌棒を備えた三ツ口丸底フラスコに、水性炭酸ナトリウム(62.1g、47%、0.21モル)を加え、95℃に加熱した。これに、滴加ロート中で90℃に加熱された3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(28.5g、98%純度、0.18モル)とメチルトリブチルアンモニウムクロリド(2.06g、75%水溶液、0.0066モル)との混合物を、5秒未満で迅速に加えた。次いで、攪拌を開始し、反応混合物を95℃で15分間攪拌した。次いで、フラスコを氷水浴に浸した。これに、秤量した量の内部標準(パラ−キシレン)を加え、しっかり閉じて5分間攪拌した。次いで二層を分離させ、有機層をGCに注入した。収率は、1−アセチル−1−クロロシクロプロパンとパラ−キシレンの間の所定の応答係数を使用して算出し、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として82.9%であることが認められた。約1.5%の3,5−ジクロロ−2−ペンタノンが未反応であることが認められた。
【実施例5】
【0023】
還流冷却管及び磁気攪拌棒を備えた三ツ口丸底フラスコに、水性リン酸カリウム(58.4g、0.275モル)、水(58.4g)を加え、100℃に加熱した。これに、滴加ロート中で100℃に加熱した3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(28.5g、98%純度、0.18モル)とメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336の市販の形態、2.08g、0.0051モル)との混合物を、5秒未満で迅速に加えた。次いで、攪拌を開始し、反応混合物を100℃で20分間攪拌した。次いで、フラスコを氷水浴に浸し、40gの水で希釈して固形物全部を溶解した。収率は、実施例1のようにして調べ、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として85.1%であることが認められた。
【実施例6】
【0024】
89℃に予熱された3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(640g/分、95.5%純度、3.94モル/分)とメチルトリオクチルアンモニウムクロリド(Aliquat 336の市販の形態、46.3g/分、0.114モル/分)との混合物を含有する流れと、92℃に予熱された水性水酸化ナトリウム(23%溶液、999g/分、5.74モル/分)の流れとを同時に、スターティックミキサーを充填した直径1インチ、長さ3メートルの管に供給した。この管型反応器内の反応混合物の平均滞留時間は約1分であると測定された。管型反応器の一端から出る反応混合物を水蒸気蒸留カラムに直接に導入した。生成物は水との共沸混合物として蒸留し、塩、触媒及び不純物は上記蒸留カラムの底に残った。管型反応器で形成された生成物の収率は、次のようにして測定した:最初に、系を上記の流量下で定常状態に達成させた。次いで、管型反応器の他方の一端から出る反応混合物を、若干の冷水を入れた回収ポットに短時間迂回させ(水蒸気蒸留カラムに送る代わりに)、同じ時間で、この時間内に管型反応器に入った3,5−ジクロロ−2−ペンタノンの量を書き留めた。回収ポット内の生成物の量を実施例1に記載のようにして調べ、生成物の収率は3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として82%であることが認められた。
【実施例7】
【0025】
3リットルジャケット付き円筒形ガラス反応器3個を、反応器においてある一定の量(level)に達した後に、この量が浸漬管の位置を基準として一定であるように反応器同士の間のポンプが反応器の内容物を浸漬管を経由して次の反応器に送るような方法で浸漬管を介して直列に接続した。第二の反応器及び第三の反応器に、操作中に生成物を蒸留するために蒸留ヘッド及び凝縮器を取り付けた。操作を開始するために、第一の反応器ジャケット温度を106から107℃に設定し、3,5−ジクロロ−2−ペンタノン(98.8%純度)と75%水性メチルトリブチルアンモニウムクロリド(MTBCl)との15:1の重量比の攪拌混合物をポンプで2.0ml/分の流量で送り、同時に47%炭酸カリウム水溶液を同じ反応器にポンプで3.6ml/分の流量で送った。これらの条件下で、第1の反応器に入る3,5−ジクロロ−2−ペンタノン:炭酸カリウム:MTBClのモル比は、1.0:1.1:0.033であった。第一の反応器内の量が972mlに達したときに、反応器1と反応器2の間のポンプが得られたスラリーを第二の反応器に送り始めた。第一の反応器内の量は、ポンプに至る浸漬管の位置で約972mlに維持した。このようにして、3つの反応器がある一定の時間後に満たされた。第二の反応器及び第三の反応器のジャケット温度は、第一の反応器のジャケット温度よりも約15℃高く保った。スラリーが第二の反応器及び第三の反応器に入るに連れて、生成物は水と共に共沸混合物として蒸留された。大部分の生成物が反応器2から蒸留され、残りの生成物が反応器3から蒸留中に回収された。1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの収率は、3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを基準として86%であることが認められた。
【0026】
本発明を例示の目的で上記に詳細に説明したが、このような詳細は、例示の目的のためだけであり、種々の改変は特許請求の範囲によって限定され得る場合を除いて、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によってなし得るということを理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを準備し;
(b)相間移動触媒を準備し;
(c)塩基類であってこれらの共役酸が約8から約15の水中pK値を有するものである塩基類からなる群から選択される塩基の水溶液を準備し;
(d)3,5−ジクロロ−2−ペンタノン、前記相間移動触媒及び前記溶液を有機溶媒の不存在下で室温よりも高い温度で混合し;及び
(e)1−アセチル−1−クロロシクロプロパンを分離する
ことからなる1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製方法。
【請求項2】
水溶液が3,5−ジクロロ−2−ペンタノンに対して少なくとも1モル当量の塩基を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
塩基が水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
塩基の水溶液が約5重量%から約50重量%の水酸化ナトリウムを含有する水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
塩基の水溶液が約10重量%から約30重量%の水酸化ナトリウムを含有する水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
塩基の水溶液が約20重量%から約25重量%の水酸化ナトリウムを含有する水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
相間移動触媒がテトラアルキルアンモニウムハライド及びアリールトリアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
相間移動触媒がテトラブチルアンモニウムハライド及びメチルトリアルキルアンモニウムハライドからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
相間移動触媒がメチルトリオクチルアンモニウムクロリド及び/又はメチルトリブチルアンモニウムクロリドである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
連続法として実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
3,5−ジクロロ−2−ペンタノン及び触媒が別々に又は混合物として塩基の水溶液の流れに導入される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
3,5−ジクロロ−2−ペンタノン及び/又は触媒及び/又は塩基の水溶液が反応器に導入される前に約70℃から約100℃の温度に予熱される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
分離工程において、混合物が水蒸気蒸留装置に導入される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
混合後及び水蒸気蒸留装置に導入される前の時間が約0.1分から約60分である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
混合後及び水蒸気蒸留装置に導入される前の時間が約0.2分から約10分である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
混合後及び水蒸気蒸留装置に導入される前の時間が約0.5分から約2分である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
3,5−ジクロロ−2−ペンタノンと相間移動触媒の重量比が約10:1から約100:1である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
比が10:1から30:1である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
比が12:1から16:1である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
方法が回分法として実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
混合時間が約0.1分から約600分である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
塩基が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
(a)3,5−ジクロロ−2−ペンタノンを準備し;
(b)相間移動触媒を準備し;
(c)塩基類であってこれらの共役酸が約8から約15の水中pK値を有するものである塩基類からなる群から選択される塩基の水溶液を準備し;
(d)3,5−ジクロロ−2−ペンタノン、前記相間移動触媒及び前記の塩基の水溶液を有機溶媒(有機溶媒は実質的に水に不混和性であり及び溶媒は実質的に方法の反応条件に影響されないものである)の存在下で室温よりも高い温度で混合し;及び
(e)1−アセチル−1−クロロシクロプロパンを分離する
ことからなる1−アセチル−1−クロロシクロプロパンの調製方法。
【請求項24】
溶媒が1−アセチル−1−クロロシクロプロパンと異なる温度で沸騰する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
溶媒が1,2−ジクロロベンゼンである、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
塩基が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム及びリン酸カリウムである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記方法が連続的に実施される、請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2007−532545(P2007−532545A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507371(P2007−507371)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/010773
【国際公開番号】WO2005/100288
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(506018237)バイエル・クロツプサイエンス・エル・ピー (16)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】