説明

1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む共沸混合物様組成物

クロロトリフルオロプロペン、ならびにC〜Cアルコール、C〜C炭化水素、ハロゲン化炭化水素、メチラール、メチルアセトン、水、ニトロメタン、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1種の成分から本質的になる、共沸混合物様混合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む組成物に関する。より具体的には、本発明は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを含む共沸混合物様組成物、およびその使用を提供する。
【背景技術】
【0002】
クロロフルオロカーボン類(「CFCs」)またはハイドロクロロフルオロカーボン類(「HCFCs」)を含むフルオロカーボン系流体は、工業用冷媒、発泡剤、熱伝達媒体、溶媒、ガス状誘電体および他の用途において望ましい特性を有する。これらの用途には、単一成分流体または共沸混合物様混合物、すなわち沸騰、蒸発時に実質的に分留しないもの、の使用が特に望ましい。
【0003】
残念ながら、地球温暖化およびオゾン層破壊などの起こり得る環境問題は、一部のこれらの流体の使用に起因しているため、現在その使用は制限されている。ハイドロフルオロオレフィン類(「HFOs」)は、その種のCFCs、HCFCsおよびHFCsに対する可能な代替品として提案されてきた。しかしながら、HFOsを含む、新規な、環境に安全で、分留しない混合物の同定は、共沸混合物の形成が容易に予測できないという事実のために、複雑である。したがって、産業界は、CFCs、HCFCsおよびHFCsに代わる、許容でき、環境上より安全な代替品である新規なHFO系混合物を絶えず求めている。本発明はとりわけこれらのニーズを満たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人らは、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(「HFO−1233zd」)を、C〜Cアルコール;C〜C炭化水素;シクロペンテン;1−クロロプロパン、2−クロロプロパンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素;水;ならびに場合によって、ニトロメタンからなる群から選択される第2の成分と混合すると、共沸混合物様組成物が形成されることを発見した。本発明の好ましい共沸混合物様混合物は、冷媒としての用途、断熱フォームの製造における発泡剤としての用途、ならびにエアゾール剤および他の噴霧可能な組成物におけるものを含め、多くの洗浄および他の用途の溶媒としての用途を含む、多くの用途にとって特に望ましい特徴を示す。特に、本出願人らは、これらの組成物が、相対的に低い地球温暖化係数(「GWPs」)、好ましくは約1000未満、より好ましくは約500未満、さらに好ましくは約150未満の地球温暖化係数を示す傾向があることを認識した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明の一態様は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、ならびに、C〜Cアルコール;C〜C炭化水素;シクロペンテン;1−クロロプロパン、2−クロロプロパンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素;水;ならびに場合によって、ニトロメタンからなる群から選択される第2の成分から本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物を含む。ある特定の好ましい実施形態において、本組成物は、共発泡剤、共溶媒、活性成分、ならびに潤滑剤、安定剤、金属不動態化剤、腐食防止剤および燃焼抑制物質などの添加剤の1種または複数をさらに含む。ある特定の好ましい実施形態において、ニトロメタンは安定剤として本混合物に含まれる。ある特定の実施形態において、ニトロメタンはまた、本組成物の共沸混合物様特性に寄与する。
【0006】
本発明の別の態様は、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を、少なくとも約15重量%含む発泡剤であって、場合によって、共発泡剤、充填剤、蒸気圧調整剤、火炎抑制物質および安定剤を含む発泡剤を提供する。
【0007】
本発明の別の態様は、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を含む、蒸気脱脂(vapor degreasing)、低温洗浄(cold cleaning)、ワイピング(wiping)、および同様の溶媒用途において使用される溶媒を提供する。
【0008】
本発明の別の態様は、本明細書において記載される共沸混合物様混合物、活性成分、ならびに場合によって、不活性成分および/または溶媒およびエアゾール噴射剤を含む噴霧可能な組成物を提供する。
【0009】
本発明のなお別の態様は、ポリウレタン系、ポリイソシアヌレート系またはフェノール樹脂系の気泡壁と、前記気泡壁構造内の少なくとも一部に配置される気泡ガスとを含む、独立気泡発泡体であって、前記気泡ガスが本明細書に記載される共沸混合物様混合物を含む、独立気泡発泡体を提供する。
【0010】
別の実施形態によると、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を含むポリオールプレミックスが提供される。
【0011】
別の実施形態によると、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を含む発泡性組成物が提供される。
【0012】
別の実施形態によると、(a)本願請求項1に記載の共沸混合物様組成物を含む発泡剤を、熱硬化性樹脂を含む発泡性混合物に添加する工程;(b)前記発泡性混合物を反応させ熱硬化性発泡体を製造する工程;および(c)前記反応の間に前記共沸混合物様組成物を揮発させる工程を含む、熱硬化性発泡体を製造する方法が提供される。
【0013】
別の実施形態によると、(a)本願請求項1に記載の共沸混合物様組成物を含む発泡剤を、熱可塑性樹脂を含む発泡性混合物に添加する工程;(b)前記発泡性混合物を反応させ熱可塑性発泡体を製造する工程;および(c)前記反応の間に前記共沸混合物様組成物を揮発させる工程を含む、熱可塑性発泡体を製造する方法が提供される。
【0014】
別の実施形態によると、熱可塑性ポリマーを含む気泡壁と、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を含む気泡ガスとを有する、熱可塑性発泡体が提供される。好ましくは、この熱可塑性発泡体は、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を有する気泡ガスを含み、そして、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートまたはこれらの組合せから選択される熱可塑性ポリマーで構築される気泡壁を含む。
【0015】
別の実施形態によると、熱硬化性ポリマーを含む気泡壁と、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を含む気泡ガスとを有する、熱硬化性発泡体が提供される。好ましくは、この熱硬化性発泡体は、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を有する気泡ガスと、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、またはこれらの組合せから選択される熱硬化性ポリマーを含む気泡壁とを含む。
【0016】
本発明の別の実施形態によると、本明細書において記載される共沸混合物様混合物を含む冷媒が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ある特定の実施形態によると、本発明は、HFO−1233zdと、C〜Cアルコール;C〜C炭化水素;シクロペンテン;1−クロロプロパン、2−クロロプロパンおよび1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから選択されるハロゲン化炭化水素;ニトロメタン;または水とを含む、好ましくは、これらから本質的になる共沸混合物様組成物を提供する。したがって、本発明は、好ましい実施形態において、CFCs、HCFCsおよびHFCsを実質的に含まず、非常に低い地球温暖化係数を有し、低いオゾン層破壊係数を有し、また、比較的一定の沸点特性を示す、共沸混合物様組成物を提供することにより、前述の欠点を克服する。
【0018】
本明細書において使用される場合、用語「共沸混合物様(azeotrope−like)」は、厳密に共沸の、または概して共沸混合物と同様に挙動する組成物に関連する。共沸混合物は、一定圧力および一定温度で液体組成と蒸気組成が等しい、2つ以上の成分の系である。実際、このことは、共沸混合物の成分が定沸騰性または実質的に定沸騰性であり、一般に相変化の間に熱力学的に分離することができないことを意味している。共沸混合物を沸騰または蒸発させることにより形成される蒸気組成物は、もとの液体組成物と同一、または実質的に同一である。したがって、共沸混合物様組成物の液相および気相中の成分の濃度は、組成物が沸騰し、さもなければ蒸発するとき、仮に変化するとしても最小限でのみ変化する。対照的に、非共沸混合物を沸騰または蒸発させると、液相中の成分の濃度は著しく変化する。
【0019】
本明細書において使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、共沸混合物様組成物の成分に関して、組成物が共沸混合物様の比率で示された成分を含み、追加の成分が新規な共沸混合物様系を形成しないことを条件に、追加の成分を含んでもよいことを意味する。例えば、2種の化合物から本質的になる共沸混合物様混合物は、追加の成分が混合物を非共沸にせず、かつ、片方または両方の化合物と共に共沸混合物を形成しないことを条件に、任意選択で1種または複数の追加の成分を含んでもよい、二成分共沸混合物を形成する。
【0020】
本明細書で用いられる用語「有効量」は、他方の成分と組み合わせると、本発明の共沸混合物様組成物が形成されるような各成分の量を指す。
【0021】
別段の定めがない限り、用語HFO−1233zdは、シス異性体、トランス異性体またはこれらの混合物を意味する。
【0022】
本明細書において使用される場合、共沸混合物様混合物の成分に関して、用語「シス−HFO−1233zd」は、共沸混合物様組成物中のHFO−1233zdのすべての異性体に対するシス−HFO−1233zdの量が、少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、さらに好ましくは少なくとも約99%、さらに好ましくは少なくとも約99.9%であることを意味する。ある特定の好ましい実施形態において、本発明の共沸混合物様組成物中のシス−HFO−1233zd成分は、本質的に純粋なシス−HFO−1233zdである。
【0023】
本明細書において使用される場合、共沸混合物様混合物の成分に関して、用語「トランス−HFO−1233zd」は、共沸混合物様組成物中のHFO−1233zdのすべての異性体に対するトランス−HFO−1233zdの量が、少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約98%、さらに好ましくは少なくとも約99%、さらに好ましくは少なくとも約99.9%であることを意味する。特定の好ましい実施形態において、本発明の共沸混合物様組成物中のトランス−HFO−1233zd成分は、本質的に純粋なトランス−HFO−1233zdである。
【0024】
本明細書において使用される場合、沸点のデータに関する用語「常圧(周囲圧力)」は、関連する媒体を取り囲む大気圧を意味する。一般に、常圧とは101.4kPa(14.7psia)であるが、+/−で3.4kPa(0.5psi)変動し得る。
【0025】
本発明の共沸混合物様組成物は、1種または複数の他の成分と有効量のHFO−1233zdを混ぜ合わせることにより、好ましくは流体形態で製造することができる。2種以上の成分を組み合わせて組成物を形成するための、当業界で公知の多種多様な方法のいずれかを、本方法において使用するために適合させることができる。例えば、HFO−1233zdおよびメタノールは、混合、ブレンド、さもなければ、手動でおよび/または機械によって、バッチ式のまたは連続的な反応および/またはプロセスの一部として、またはそのような工程の2つ以上の組合せによって、混ぜ合わせることができる。本明細書の開示に照らして、当業者は、過度の実験をしないで本発明による共沸混合物様組成物を容易に調製することができる。
【0026】
CFCCl=CFなどのフルオロプロペンは、様々な飽和および不飽和のハロゲン含有C3化合物の触媒気相フッ素化などの、米国特許第2,889,379号明細書;第4,798,818号明細書および第4,465,786号明細書(その各々は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている方法を含む、公知の方法によって製造することができる。
【0027】
同様に参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開第0 974 571 A2号公報は、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を、高温で気相中、クロム系触媒と接触させることによって、または液相中でKOH、NaOH、Ca(OH)またはMg(OH)のアルコール溶液と接触させることによって、1,1,1,3−クロロトリフルオロプロペンを調製することを開示している。最終生成物はおよそトランス異性体90重量%およびシス異性体10重量%である。好ましくは、シス異性体はトランス体から実質的に分離され、その結果として得られる好ましい1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの形態はよりシス異性体に富む。トランス異性体の沸点が約20℃であるのとは対照的に、シス異性体は約40℃の沸点を有するので、この2種は、当業界で公知の蒸留法のいずれによっても容易に分離することができる。しかしながら、好ましい方法はバッチ蒸留である。この方法によると、シスおよびトランスの1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの混合物は再沸騰器(リボイラー)に装填される。トランス異性体は、再沸騰器にシス異性体を残して、塔頂留出物中に除去される。蒸留は連続蒸留においても運転することができ、ここではトランス異性体が塔頂留出物中に除去され、シス異性体は底部に除去される。この蒸留工程は、約99.9+%の純粋なトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび99.9+%の純粋なシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを与えることができる。
【0028】
好ましい一実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のHFO−1233zdおよびC〜Cアルコールを含む。好ましくはC〜Cアルコールは、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールからなる群から選択される。ある特定の好ましい実施形態において、HFO−1233zdはトランス−HFO−1233zdである。ある特定の他の実施形態において、HFO−1233zdはシス−HFO−1233zdである。
【0029】
シス−HFO−1233zd/メタノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびメタノールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約78から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約22重量%のメタノール、より好ましくは、約85から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約15重量%のメタノール、さらにより好ましくは約88から約99.5重量%シス−HFO−1233zdおよび約0.5から約12重量%のメタノールから本質的になる。
【0030】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/メタノール組成物は、常圧(常圧を定義することが必要)で約35.2±1℃の沸点を有する。
【0031】
トランス−HFO−1233zd/メタノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびメタノールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約70から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約30重量%のメタノール、より好ましくは、約90から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約10重量%のメタノール、さらにより好ましくは約95から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約5重量%のメタノールから本質的になる。
【0032】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メタノール組成物は、すべて常圧で測定して、17℃から約19℃、より好ましくは約17℃から約18℃、さらにより好ましくは約17℃から約17.5、および最も好ましくは約17.15℃±1℃の沸点を有する。
【0033】
シス−HFO−1233zd/エタノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびエタノールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約65から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約35重量%のエタノール、より好ましくは、約79から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約21重量%のエタノール、さらにより好ましくは約88から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約12重量%のエタノールから本質的になる。
【0034】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/エタノール組成物は、常圧で約37.4℃±1℃の標準沸点を有する。
【0035】
トランス−HFO−1233zd/エタノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびエタノールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約85から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約15重量%のエタノール、より好ましくは、約92から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約8重量%のエタノール、さらにより好ましくは約96から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約4重量%のエタノールから本質的になる。
【0036】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/エタノール組成物は、常圧で約18.1℃±1℃の標準沸点を有する。
【0037】
シス−HFO−1233zd/イソプロパノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびイソプロパノールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約85から約99.99重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.01から約15重量%のイソプロパノール、より好ましくは、約88から約99.99重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.01から約12重量%のイソプロパノール、さらにより好ましくは約92から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約8重量%のイソプロパノールから本質的になる。
【0038】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/イソプロパノール組成物は、常圧で約38.1℃±1℃の標準沸点を有する。
【0039】
トランス−HFO−1233zd/イソプロパノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびイソプロパノールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約90から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約10重量%のイソプロパノール、より好ましくは、約94から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約6重量%のイソプロパノール、さらにより好ましくは約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%のイソプロパノールから本質的になる。
【0040】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/イソプロパノール組成物は、常圧で約17.9℃±1℃の標準沸点を有する。
【0041】
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のHFO−1233zdおよびC〜C炭化水素を含む。好ましくは、C〜C炭化水素は、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンテン、n−ヘキサンおよびイソヘキサンからなる群から選択される。ある特定の好ましい実施形態において、HFO−1233zdはトランス−HFO−1233zdである。ある特定の他の実施形態において、HFO−1233zdはシス−HFO−1233zdである。
【0042】
トランス−HFC−1233zd/n−ペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびn−ペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約65から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約35重量%のn−ペンタン、より好ましくは、約84から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約16重量%のn−ペンタン、さらにより好ましくは約92から約99.5重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.5から約8重量%のn−ペンタンから本質的になる。
【0043】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/n−ペンタン組成物は、すべて常圧で測定して、約17℃から約19℃、より好ましくは約17℃から約18℃、さらにより好ましくは約17.3℃から約17.6℃、および最も好ましくは17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0044】
シス−HFO−1233zd/n−ペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびn−ペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約20から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約80重量%のn−ペンタン、より好ましくは、約50から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約50重量%のn−ペンタン、さらにより好ましくは約60から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約40重量%のn−ペンタンから本質的になる。
【0045】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/n−ペンタン組成物は、常圧で約35℃±1°Cの標準沸点を有する。
【0046】
トランス−HFC−1233zd/イソペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびイソペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約60から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約40重量%のイソペンタン、より好ましくは、約70から約95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約5から約30重量%のイソペンタン、さらにより好ましくは約80から約90重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約10から約20重量%のイソペンタンから本質的になる。
【0047】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/イソペンタン組成物は、すべて常圧で測定して、約15℃から約18℃、より好ましくは約16℃から約17℃、さらに好ましくは約16.7℃から約16.9℃、および最も好ましくは約16.8℃±1℃の沸点を有する。
【0048】
トランス−HFC−1233zd/ネオペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびネオペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約5から約70重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約30から約95重量%のネオペンタン、より好ましくは、約15から約55重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約45から約85重量%のネオペンタン、さらにより好ましくは約20から約50重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約50から約80重量%のネオペンタンから本質的になる。
【0049】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/ネオペンタン組成物は、すべて常圧で測定して、約7.7℃から約8.4℃、より好ましくは約7.7℃から約8.0℃、および最も好ましくは7.7℃±1℃の沸点を有する。
【0050】
シス−HFO−1233zd/ネオペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびネオペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約5から約50重量%のシス−HFO−1233zdおよび約50から約95重量%のネオペンタン、より好ましくは、約20から約45重量%のシス−HFO−1233zdおよび約55から約80重量%のネオペンタン、さらにより好ましくは約30から約40重量%のシス−HFO−1233zdおよび約60から約70重量%のネオペンタンから本質的になる。
【0051】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/ネオペンタン組成物は約8℃±1℃の標準沸点を有する。
【0052】
トランス−HFC−1233zd/シクロペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびシクロペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%のシクロペンタン、より好ましくは約97から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約3重量%のシクロペンタン、さらにより好ましくは約98から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約2重量%のシクロペンタンから本質的になる。
【0053】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/シクロペンタン組成物は常圧で約17.5℃±1℃の標準沸点を有する。
【0054】
シス−HFO−1233zd/シクロペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびシクロペンタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約42から約99重量%のシス−HFO−1233zdおよび約1から約58重量%のシクロペンタン、より好ましくは、約50から約95重量%のシス−HFO−1233zdおよび約5から約50重量%のシクロペンタン、さらにより好ましくは約60から約93重量%のシス−HFO−1233zdおよび約7から約40重量%のシクロペンタンから本質的になる。
【0055】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/シクロペンタン組成物は常圧で約34.7℃±1℃の標準沸点を有する。
【0056】
トランス−HFO−1233zd/シクロペンテン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびシクロペンテンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%のシクロペンテン、より好ましくは、約97から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約3重量%のシクロペンテン、さらにより好ましくは約98から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約2重量%のシクロペンテンから本質的になる。
【0057】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/シクロペンテン組成物は常圧で約18.1℃±1℃の標準沸点を有する。
【0058】
トランス−HFC−1233zd/n−ヘキサン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびn−ヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約95から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約5重量%のn−ヘキサン、より好ましくは、約97から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約3重量%のn−ヘキサン、さらにより好ましくは約97.2から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約2.8重量%のn−ヘキサンから本質的になる。
【0059】
好ましくは、本発明のトランスHFO−1233zd/n−ヘキサン組成物は常圧で約17.4℃±1℃の標準沸点を有する。
【0060】
シス−HFO−1233zd/n−ヘキサン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびn−ヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約80から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約20量%のn−ヘキサン、より好ましくは、約90から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約10重量%のn−ヘキサン、さらにより好ましくは約95から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約5重量%のn−ヘキサンから本質的になる。
【0061】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/n−ヘキサン組成物は、常圧で約39℃±1℃の標準沸点を有する。
【0062】
トランス−HFC−1233zd/イソヘキサン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびイソヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約94.4から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約5.6重量%のイソヘキサン、より好ましくは、約96から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約4重量%のイソヘキサン、さらにより好ましくは約97から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約3重量%のイソヘキサンから本質的になる。
【0063】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/イソヘキサン組成物は、すべて常圧で測定して、約17℃から約19℃、より好ましくは約17℃から約18℃、さらに好ましくは約17.3℃から約17.6℃、および最も好ましくは17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0064】
シス−HFO−1233zd/イソヘキサン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびイソヘキサンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約70から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約30重量%のイソヘキサン、より好ましくは、約85から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約15重量%のイソヘキサン、さらにより好ましくは約93から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約7重量%のイソヘキサンから本質的になる。
【0065】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/イソヘキサン組成物は約37℃±1℃の標準沸点を有する。
【0066】
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のHFO−1233zdおよびハイドロハロカーボンを含む。好ましくは、ハイドロハロカーボンは1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、およびトランス−1,2−ジクロロエチレン(トランス−1,2−DCE)からなる群から選択される。ある特定の好ましい実施形態において、HFO−1233zdはトランス−HFO−1233zdである。ある特定の他の実施形態において、HFO−1233zdはシス−HFO−1233zdである。
【0067】
トランス−HFC−1233zd/1−クロロプロパン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよび1−クロロプロパンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約96から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約4重量%の1−クロロプロパン、より好ましくは、約98から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約2重量%の1−クロロプロパン、さらにより好ましくは約99から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約1重量%の1−クロロプロパンから本質的になる。
【0068】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/1−クロロプロパン組成物は常圧で約18℃±1℃の標準沸点を有する。
【0069】
トランス−HFC−1233zd/2−クロロプロパン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよび2−クロロプロパンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約94から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約6重量%の2−クロロプロパン、より好ましくは、約97から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約3重量%の2−クロロプロパン、さらにより好ましくは約99から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約1重量%の2−クロロプロパンから本質的になる。
【0070】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/2−クロロプロパン組成物は、常圧で約17.8℃±1℃の標準沸点を有する。
【0071】
トランス−HFC−1233zd/HFC−365mfc共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は、有効量のトランス−HFO−1233zdおよびHFC−365mfcを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約89から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約11重量%のHFC−365mfc、より好ましくは、約92.5から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約7.5重量%のHFC−365mfc、さらにより好ましくは約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%のHFC−365mfcから本質的になる。
【0072】
トランス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCE共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびトランス−1,2−DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)を含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約60から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約40重量%のトランス−1,2−DCE、より好ましくは約75から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約25重量%のトランス−1,2−DCE、さらにより好ましくは約95から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約5重量%のトランス−1,2−DCEから本質的になる。
【0073】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCE組成物は、すべて常圧で測定して、約17℃から約19℃、より好ましくは約17.5℃から約18.5℃、さらに好ましくは約17.5℃から約18℃、および最も好ましくは17.8℃±1℃の沸点を有する。
【0074】
シス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCE共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびトランス−1,2−DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)を含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約42から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約58重量%のトランス−1,2−DCE、より好ましくは約55から約99.5重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.5から約45重量%のトランス−1,2−DCE、さらにより好ましくは約65から約99重量%のシス−HFO−1233zdおよび約1から約35重量%のトランス−1,2−DCEから本質的になる。
【0075】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/トランス−1,2−DCE組成物は常圧で約37.0℃±1℃の沸点を有する。
【0076】
トランス−HFC−1233zd/メチラール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびメチラールを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%のメチラール、より好ましくは約97から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約3重量%のメチラール、さらにより好ましくは約98.5から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約1.5重量%のメチラールから本質的になる。
【0077】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メチラール組成物は、常圧で約17.3℃±1℃の標準沸点を有する。
【0078】
トランス−HFO−1233zd/酢酸メチル共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよび酢酸メチルを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約90から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約10重量%の酢酸メチル、より好ましくは約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%の酢酸メチル、さらにより好ましくは約98.5から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.1から約1.5重量%の酢酸メチルから本質的になる。
【0079】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/酢酸メチル組成物は常圧で約17.5℃±1℃の標準沸点を有する。
【0080】
トランス−HFC−1233zd/水の共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよび水を含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約70から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約30重量%の水、より好ましくは約86から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約14重量%の水、さらにより好ましくは約90から約99.95重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.05から約10重量%の水から本質的になる。
【0081】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/水組成物は、常圧で約17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0082】
トランス−HFC−1233zd/ニトロメタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zdおよびニトロメタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約98から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約2重量%のニトロメタン、より好ましくは約99から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約1重量%のニトロメタン、さらにより好ましくは約99.9から約99.99重量%のトランス−HFO−1233zdおよび約0.01から約0.1重量%のニトロメタンから本質的になる。
【0083】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/ニトロメタン組成物は、常圧で約17.4℃±1℃の標準沸点を有する。
【0084】
シス−HFO−1233zd/ニトロメタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のシス−HFO−1233zdおよびニトロメタンを含む。より好ましくは、これらの二成分共沸混合物様組成物は、約95から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約5重量%のニトロメタン、より好ましくは約97から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約3重量%のニトロメタン、さらにより好ましくは約99から約99.9重量%のシス−HFO−1233zdおよび約0.1から約1重量%のニトロメタンから本質的になる。
【0085】
好ましくは、本発明のシス−HFO−1233zd/ニトロメタン組成物は、常圧で約39℃±1℃の標準沸点を有する。
【0086】
トランス−HFC−1233zd/トランス−1,2−DCE/メタノール共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1233zd、メタノールおよびトランス−1,2−DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)を含む。より好ましくは、これらの三成分共沸混合物様組成物は、約80から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05から約15重量%のメタノールおよび約0.05から約10重量%のトランス−1,2−DCE、さらにより好ましくは約90から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05から約9重量%のメタノールおよび約0.05から約5重量%のトランス−1,2−DCE、最も好ましくは約95から約99.9重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05から約5重量%のメタノールおよび約0.05から約3重量%のトランス−1,2−DCEから本質的になる。
【0087】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1223zd/メタノール/トランス−1,2−DCE組成物は常圧で約16.6℃±1℃の沸点を有する。
【0088】
トランス−HFC−1233zd/メタノール/n−ペンタン共沸混合物様組成物
好ましい実施形態において、共沸混合物様組成物は有効量のトランス−HFO−1223zd、メタノールおよびn−ペンタンを含む。より好ましくは、これらの三成分共沸混合物様組成物は、約55から約99.90重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.05から約10重量%のメタノールおよび約0.05から約35重量%のn−ペンタン、さらにより好ましくは約79から約98重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.1から約5重量%のメタノールおよび約1.9から約16重量%のn−ペンタン、最も好ましくは約88から約96重量%のトランス−HFO−1233zd、約0.5から約4重量%のメタノールおよび約3.5から約8重量%のn−ペンタンから本質的になる。
【0089】
好ましくは、本発明のトランス−HFO−1233zd/メタノール/n−ペンタン組成物は、すべて約96.5kPa(約14psia)の圧力で測定して、約17℃から約19℃、より好ましくは約17℃から約18℃、さらに好ましくは約17.1℃から約17.6℃、および最も好ましくは約17.4℃±1℃の沸点を有する。
【0090】
本発明の共沸混合物様組成物は、これらに限定されないが、潤滑剤、安定剤、金属不動態化剤、腐食防止剤、燃焼抑制物質などを含む、様々な任意の添加剤をさらに含むことができる。適切な安定剤の例は、ジエン系化合物および/またはフェノール化合物、および/または芳香族エポキシド、アルキルエポキシド、アルケニルエポキシドおよびこれらの2種以上の組合せからなる群から選択されるエポキシドを含む。好ましくは、これらの任意の添加剤は、組成物の基本的な共沸混合物様特性に影響を与えない。
【0091】
発泡剤
本発明の別の実施形態において、本明細書において記載された少なくとも1種の共沸混合物様混合物を含む発泡剤が提供される。ポリマーフォーム(発泡体)は概して、熱可塑性発泡体および熱硬化性発泡体という2つの一般的な種類からなる。
【0092】
熱可塑性発泡体は、Throne,Thermoplastic Foams(熱可塑性発泡体),1996,Sherwood Publishers,Hinkley,OhioまたはKlempnerおよびSendijarevic,Polymeric Foams and Foam Technology(高分子発泡体と発泡技術),2nd Edition 2004,Hander Gardner Publications Inc,Cincinnati,OH.に記載されるものを含み、当業界で公知の方法のいずれかによって一般に製造される。例えば、押出し加工した熱可塑性発泡体は、圧力下で押出機内に形成された溶融ポリマー中の発泡剤の溶液を、常温または常圧で、または場合によって、発泡体の膨張を助ける減圧で、動くベルト上にオリフィスを通させる、押出法によって調製することができる。発泡剤は気化し、ポリマーを膨張させる。ポリマーは膨張すると同時に、最大膨張に対応する時に寸法安定性を維持するのに十分な強度を与える条件で冷却される。押出し加工した熱可塑性発泡体の製造に使用されるポリマーは、ポリスチレン、ポリエチレン(HDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)およびLLDPE(直鎖低密度ポリエチレン))、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン酢酸ビニルおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。核剤(例えばタルク)、難燃剤、着色剤、加工助剤(例えばワックス)、架橋剤、浸透性調整剤などを含むが、これらに限定されない、多種の添加剤が、発泡体(フォーム)加工および特性を最適化するために、場合によって溶融ポリマーの溶液に加えられる。架橋を増加する照射、フォームスキンの品位を向上させる表面フィルムの積層、フォーム(発泡体)寸法の要件を達成する仕上げおよび設計、および他の工程などの追加の加工ステップも製造工程に含むことができる。
【0093】
一般に、発泡剤は、広範囲の量の本発明の共沸混合物様組成物を含むことができる。しかしながら、発泡剤は、少なくとも約15重量%の本発明の発泡剤を含むことが一般に好ましい。ある特定の好ましい実施形態において、発泡剤は少なくとも約50重量%の本組成物を含む。また、ある特定の実施形態において、発泡剤は本質的に本共沸混合物様組成物からなる。ある特定の好ましい実施形態において、発泡剤は、本共沸混合物様混合物に加えて、1種または複数の共発泡剤、充填剤、蒸気圧調整剤、火炎抑制物質、安定剤および類似の補助剤を含む。
【0094】
ある特定の好ましい実施形態において、発泡剤は、本発明の共沸混合物様混合物を含む物理的な(すなわち揮発性)発泡剤として特徴づけられる。一般に、ブレンドした混合物に存在する発泡剤の量は、最終発泡体(フォーム)生成物の所望のフォーム密度、および工程の圧力および溶解限度によって決定される。例えば、重量部での発泡剤の比率は、ポリマー100重量部当たり、約1から約45重量部、より好ましくは約4から約30重量部の範囲内の発泡剤であり得る。発泡剤は、共沸混合物様組成物と混合される、トリクロロフルオロメタン(CFC−11)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)などのクロロフルオロカーボン;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)などのハイドロクロロフルオロカーボン;1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)および1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)などのハイドロフルオロカーボン;プロパン、ブタン、イソブタン、シクロペンタン、二酸化炭素、塩素化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトンおよびこれらの混合物などの炭化水素を含む追加の成分を含むことができる。
【0095】
ある特定の実施形態において、発泡剤は化学発泡剤として特徴づけられる。化学発泡剤は、押出機内の温度および圧力状態にさらされると、分解して、ガス、一般には、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、水素、アンモニア、一酸化二窒素、これらの混合物を遊離する物質である。存在する化学発泡剤の量は所望の最終フォーム密度に依存する。重量部での化学発泡剤ブレンド全体の比率は、ポリマー100重量部当たり、約1から約15重量部、より好ましくは約1から約10重量部の範囲内の発泡剤であり得る。
【0096】
ある特定の好ましい実施形態において、分散剤、気泡安定剤、界面活性剤および他の添加剤も本発明の発泡剤組成物に組み込むことができる。界面活性剤は任意であるが、気泡安定剤として役立つために加えられるのが好ましい。いくつかの代表的な材料は、DC−193、B−8404およびL−5340という名称で販売されており、これらは、概して、本明細書において参照により組み込む米国特許第2,834,748号明細書、同第2,917,480号明細書および同第2,846,458号明細書で開示されたものなどのポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーである。発泡剤混合物用の他の任意の添加剤には、リン酸トリ(2−クロロエチル)、リン酸トリ(2−クロロプロピル)、リン酸トリ(2,3−ジブロモプロピル)、リン酸トリ(1,3−ジクロロプロピル)、リン酸ジアンモニウム、種々のハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニルなどの難燃剤、火炎抑制物質を含む。
【0097】
熱硬化性発泡体に関して、一般に、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらの組合せを含むが、これらに限定されない、いかなる熱硬化性ポリマーを使用することができる。一般に、これらの発泡体(フォーム)は、本発明の共沸混合物様組成物を含む1種または複数の発泡剤、および場合によって、気泡安定剤、溶解性強化剤、触媒、難燃剤、補助発泡剤、不活性充填剤、染料などを含むがこれらに限定されない他の添加剤の存在下で、化学的に反応性である成分と一緒にすることによって製造される。
【0098】
本発明に記載される組成物のような共沸混合物を使用するポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの調製に関して、当業界で周知の方法のいずれかを使用することができ、SaundersおよびFrisch,Volumes I and II Polyurethanes Chemistry and Technology(ポリウレタンの化学と技術)(1962)John Wiley and Sons,New York,N.Y.を参照されたい。一般に、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、イソシアネート、ポリオールまたはポリオールの混合物、発泡剤または発泡剤の混合物、ならびに触媒、界面活性剤、および場合によって、難燃剤、着色剤、または他の添加剤などの他の物質を組み合わせることによって調製される。
【0099】
多くの用途で、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームの成分を予備ブレンドした配合物の形態で提供することが好都合である。最も一般的には、フォーム(発泡体)配合物は、2つの成分に予備ブレンドされる。第1の成分は、イソシアネート、ならびに場合によって、ある種の界面活性剤および発泡剤を含み、一般に「A」成分と称される。第2の成分は、ポリオールまたはポリオール混合物、界面活性剤、触媒、発泡剤、難燃剤および他のイソシアネートと反応する成分を含み、一般に「B」成分と称される。したがって、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォームは、小規模の調製用においては手混合によって、または好ましくは機械混合技法によって、A側およびB側成分を一緒にすることによって容易に調製され、ブロック、スラブ、ラミネート、現場加工パネル(pour−in−place panels)および他の品目、スプレー施工フォーム、フロス(froths)、などを形成する。任意選択で、他の原料、例えば、難燃剤、着色剤、発泡補助剤、水および他のポリオールも、混合ヘッドまたは反応部位に第3の成分流として加えることができる。しかしながら、これらは上記のように、1つのB成分にすべて組み込むのが最も都合が良い。
【0100】
脂肪族および芳香族ポリイソシアネートを含む任意の有機ポリイソシアネートを、ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム合成において使用することができる。好ましい種類は芳香族ポリイソシアネートである。典型的な脂肪族ポリイソシアネートは、トリ、テトラおよびヘキサメチレンジイソシアネートなどのアルキレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4、4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などであり;典型的な芳香族ポリイソシアネートは、m−およびp−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、2,4−および2,6−トルエンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ビトイレンイソシアネート(bitoylene isocyanate)、ナフチレン1,4−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタンなどを含む。
【0101】
好ましいポリイソシアネートは、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、特に、メチレンビス(フェニルイソシアネート)を約30から約85重量%含む混合物であり、混合物の残りは、2より多い官能基を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートを含む。
【0102】
ウレタンフォームの製造において使用される典型的なポリオールは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと縮合した2,4−および2,6−トルエンジアミンの混合物に基づくものなどの芳香族アミノ系ポリエーテルポリオールを含むが、これらに限定されない。これらのポリオールは、現場加工発泡成形品(pour−in−place molded foams)に有用性がある。別の例は、エトキシ化および/またはプロポキシ化アミノエチル化ノニルフェノール誘導体に基づくものなどの芳香族アルキルアミノ系ポリエーテルポリオールである。これらのポリオールは、一般に吹付け施工ポリウレタンフォームに有用性がある。別の例は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと縮合したスクロース誘導体および/またはスクロースおよびグリセリン誘導体の混合物に基づいたものなどのスクロース系ポリオールである。
【0103】
ポリウレタン変性ポリイソシアヌレートフォームにおいて使用されるポリオールの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたはプロピレングリコールなどのポリオールから形成されるフタレート型またはテレフタレート型エステルの複合混合物に基づくものなどの、芳香族ポリエステルポリオールを含むが、これらに限定されない。これらのポリオールは硬質積層ボードストック(rigid laminated boardstock)において使用されており、スクロース系ポリオールなどの他のタイプのポリオールとブレンドしてもよく、また上記のような他のポリウレタンフォーム用途にも使用することができる。
【0104】
ポリウレタンフォームの製造において使用される触媒としては、一般に、第三アミンがあり、例えば、アルキル基がメチル、エチル、プロピル、およびブチル等である、N−アルキルモルホリン、N−アルキルアルカノールアミン、N,N−ジアルキルシクロヘキシルアミン、ならびにアルキルアミン、これらの異性体形、および複素環式アミン等があるが、これらに限定されない。代表的な例としては、トリエチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリアミルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチルピペラジン、ピペラジン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、2−メチルピペラジン、N,N−ジメチルエタノールアミン、テトラメチルプロパンジアミン、メチルトリエチレンジアミンなど、およびこれらの混合物があるが、これらに限定されない。
【0105】
任意選択で、非アミンポリウレタン触媒が使用される。このような触媒の典型的なものは、ビスマス、鉛、スズ、チタン、アンチモン、ウラン、カドミウム、コバルト、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウムおよびなどの有機金属化合物である。例示として含まれるのは、硝酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸鉛、安息香酸鉛、塩化第二鉄、三塩化アンチモン、およびグリコール酸アンチモンである。好ましい有機スズ化合物の種類としては、カルボン酸の第一スズ塩(例えば、オクタン酸第一スズ、2−エチルヘキサン酸第一スズ、およびラウリン酸第一スズなど)、およびカルボン酸のジアルキルスズ塩(例えば、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、およびジオクチルスズジアセテートなど)がある。
【0106】
ポリイソシアヌレートフォームの製造においては、過剰のA成分とのブレンドをポリイソシアヌレート−ポリウレタンフォームに転化させるために三量化触媒を使用する。使用する三量化触媒は、当業者に公知のいかなる触媒であってもよく、例えば、グリシン塩と第三アミン三量化触媒、アルカリ金属カルボン酸塩、および種々のタイプの混合物があるが、これに限定されない。このような種類のうちで好ましい化学種は、酢酸カリウム、オクタン酸カリウム、およびN−(2−ヒドロキシ−5−ノニルフェノール)メチル−N−メチルグリシネートである。
【0107】
本ブレンド中に、分散剤、気泡安定剤、および界面活性剤を組み込むことができる。界面活性剤は、一般には、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第2,834,748号明細書、第2,917,480号明細書、および第2,846,458号明細書に開示されているようなポリシロキサンポリオキシアルキレンブロックコポリマーである。
【0108】
ブレンド用の他の任意の添加剤には、リン酸トリス(2−クロロエチル)、リン酸トリス(2−クロロプロピル)、リン酸トリス(2,3−ジブロモプロピル)、リン酸トリス(1,3−ジクロロプロピル)、リン酸ジアンモニウム、種々のハロゲン化芳香族化合物、酸化アンチモン、アルミニウム三水和物、ポリ塩化ビニルなどの難燃剤を含むことができる。他の任意の原料は0から約3パーセントの水を含むことができ、これはイソシアネートと化学反応して二酸化炭素を生成する。この二酸化炭素は補助発泡剤として働く。
【0109】
また、本発明において開示される発泡剤または発泡剤ブレンドが混合物に含有されている。概して言えば、ブレンドされた混合物において存在する発泡剤の量は、最終ポリウレタンまたはポリイソシアヌレートフォーム製品の所望のフォーム(発泡体)密度によって決定される。重量部での発泡剤ブレンド全体の比率は、ポリオール100重量部当たり、約1から約45重量部、より好ましくは約4から約30重量部の範囲内の発泡剤であってもよい。
【0110】
製造されるポリウレタンフォームの密度は、約8.0kg/m(約0.5ポンド/立方フィート)から約640.7kg/m(約40ポンド/立方フィート)まで、好ましくは約16.0kg/m(約1.0ポンド/立方フィート)から約320.4kg/m(約20.0ポンド/立方フィート)まで、最も好ましくは約24.0kg/m(約1.5ポンド/立方フィート)から約96.1kg/m(約6.0ポンド/立方フィート)までの間で変化し得る。得られる密度は、A成分および/またはB成分中に存在する、あるいはフォームの製造時に加えられる、本発明において開示される発泡剤または発泡剤混合物の量の関数である。
【0111】
発泡体(フォーム)および発泡性組成物
本発明のある特定の実施形態は、ポリウレタン系、ポリイソシアヌレート系またはフェノール樹脂系の気泡壁と、少なくとも一部の気泡内に配置される気泡ガスとを含む発泡体(フォーム)を含み、ここで、当該気泡ガスは本明細書に記載される共沸混合物様混合物を含む。ある特定の実施形態において、フォームは押出し加工した熱可塑性発泡体である。好ましい発泡体(フォーム)は、約8.0kg/m(約0.5ポンド/立方フィート)から約961.1kg/m(約60ポンド/立方フィート)、好ましくは約16.0から320.4kg/m(約1.0から20.0ポンド/立方フィート)、最も好ましくは約24.0から96.1kg/m(約1.5から6.0ポンド/立方フィート)の範囲の密度を有する。フォーム(発泡体)密度は、発泡剤または発泡剤混合物(すなわち共沸混合物様混合物と、二酸化炭素、化学発泡剤または他の共発泡剤などの補助発泡剤との混合物)の、溶融ポリマー中に存在する量の関数である。これらのフォーム(発泡体)は一般に硬質であるが、末端使用の要件に合わせて様々な等級の柔軟性に製造することができる。フォーム(発泡体)には独立気泡構造(closed cell structure)、連続(連通)気泡構造(open cell structure)、または連続および独立気泡構造の混合物があり得るが、独立気泡構造が好ましい。これらのフォームは、断熱、浮遊(flotation)、包装、空隙充填、工芸および装飾、ならびに衝撃吸収を含む様々な周知の用途に使用されるが、これらに限定されない。
【0112】
他の実施形態において、本発明は発泡性組成物を提供する。本発明の発泡性組成物は、一般に、ポリウレタン、ポリイソシアヌレートおよびフェノール樹脂系の組成物のような発泡体(フォーム)を形成することができる1種または複数の成分と、本明細書において記載される少なくとも1つの共沸混合物様混合物を含む発泡剤とを含む。ある特定の実施形態において、発泡性組成物は熱可塑性物質、特に熱可塑性ポリマーおよび/または樹脂を含む。熱可塑性発泡体成分の例は、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリオレフィン、およびこれらから形成されたフォーム(発泡体)、好ましくは低密度フォーム(発泡体)を含む。ある特定の実施形態において、熱可塑性発泡性組成物は押出し可能な組成物である。
【0113】
ある特定の実施形態において、そのようなフォーム(発泡体)を製造する方法が提供される。発泡剤が形成される順序および手法および/または発泡性組成物に加えられる順序および手法が、一般に本発明の実施可能性に影響しないことは、特に本明細書に含まれる開示を考慮すれば、当業者によって認識されよう。例えば、押出し可能な発泡体(フォーム)の場合には、発泡剤の様々な成分を前もって混合することが可能である。ある特定の実施形態においては、発泡性組成物の成分は押出成形装置への導入に先立って混合されないか、または押出成形装置内の同一の場所に加えられない。したがって、ある特定の実施形態においては、発泡剤の1種または複数の成分を、発泡剤の1種または複数の他の成分の添加の場所の上流にある、押出機内の第1の場所に導入することが望ましく、このようにしてこれらの成分は押出機内で合体するおよび/またはより効果的に動作すると予測される。ある特定の他の実施形態においては、発泡剤の2種以上の成分は、前もって混ぜ合わされ、直接または、発泡性組成物の他の部分にその後さらに加えられるプレミックスの一部として、発泡性組成物に一緒に導入される。
【0114】
噴霧可能な組成物
好ましい実施形態において、本発明の共沸混合物様組成物は、噴霧可能な組成物において溶媒として使用することができ、単独でまたは他の公知の噴射剤と組み合わせて使用することができる。溶媒組成物は、本発明の共沸混合物様組成物を含み、より好ましくは、本発明の共沸混合物様組成物から実質的になり、また、さらに好ましくは、本発明の共沸混合物様組成物からなる。ある特定の実施形態において、噴霧可能な組成物はエアゾール(エアロゾル)である。
【0115】
ある特定の好ましい実施形態において、上記のような溶媒、活性成分、および場合によって、不活性成分、溶媒などの他の成分を含む噴霧可能な組成物が提供される。
【0116】
噴霧される適切な活性材料には、脱臭剤、香水、ヘアスプレー、洗浄溶媒、潤滑剤、殺虫剤などの化粧品物質、ならびに抗喘息薬などの医療物質が含まれるが、これらに限定されない。医療物質という用語は、本明細書においてはその最も広範囲の意味で使用され、治療、診断、鎮痛および同様の処置に関連して有効である、または少なくとも有効であると考えられる、ありとあらゆる物質を含み、したがって例えば薬物および生物活性物質を含むであろう。
【0117】
溶媒および洗浄組成物
本発明の別の実施形態において、本明細書において記載された共沸混合物様組成物は、ワイピング(wiping)、蒸気脱脂(vapor degreasing)または他の手段による各種基材から鉱油、ロジン系フラックス、シリコーン油、潤滑剤などの様々な汚れを洗浄するのに、溶媒として使用することができる。ある特定の好ましい実施形態において、洗浄組成物はエアゾール(エアロゾル)である。
【実施例】
【0118】
本発明が以下の実施例においてさらに例証されるが、例示することを意図するものであって、決して限定するものではない。関連する実施例において、書籍“Ebulliometric Measurements”(Reinhold、1945年)にSwietolslowskiによって記載されている、一般型の沸点測定装置を使用した。
【0119】
実施例1
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計またはサーミスターをさらに備えた沸点測定装置を使用した。約10ccのトランス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でメタノールを加えていった。メタノールを加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。0を超え約51重量パーセントまでのメタノールでは、組成物の沸点は約1.3℃未満の変化である。表1に示す二成分混合物の沸点は、約0.02℃未満の変化であった。したがって、この組成物は、これらの範囲にわたり共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示した。結果を適合させるために、2台のそのような沸点測定装置を並べて設置し、その1台は純粋溶媒を含み、他の1台はトランス−HFO−1233zdを用いて設置し、第2の成分を前述のように加えた。2つの温度の違いも測定した。
【0120】
【表1】

【0121】
実施例2
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計またはサーミスターをさらに備えた沸点測定装置を使用した。約35gのトランス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でn−ペンタンを加えていった。n−ペンタンをトランス−HFO−1233zdに加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。0を超え約30重量パーセントまでのn−ペンタンでは、組成物の沸点は約0.8℃未満の変化である。表2に示す二成分混合物の沸点は、約0.02℃未満の変化であった。したがって、この組成物は、これらの範囲にわたり共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示した。
【0122】
【表2】

【0123】
実施例3
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計またはサーミスターをさらに備えた沸点測定装置を使用した。約17gのトランス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でイソペンタンを加えていった。イソペンタンをトランス−HFO−1233zdに加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。約0を超え約30重量パーセントまでのイソペンタンでは、組成物の沸点は約0.8℃以下の変化であった。表3に示す二成分混合物の沸点は、約0.2℃未満の変化であった。したがって、この組成物は、これらの範囲にわたり共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示した。
【0124】
【表3】

【0125】
実施例4
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計またはサーミスターをさらに備えた沸点測定装置を使用した。約17gのネオペンタンを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でトランス−HFO−1233zdを加えていった。トランス−HFO−1233zdをネオペンタンに加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。表4に示すように、約19から約49重量パーセントのトランス−HFO−1233zdを含む組成物には0.1℃以下の沸点の変化が見られた。したがって、この組成物は、少なくともこれらの範囲にわたり共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示した。
【0126】
【表4】

【0127】
実施例5
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計またはサーミスターをさらに備えた沸点測定装置を使用した。約18gのトランス−HFO−1233を沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でトランス−1,2−DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)を加えていった。トランス−1,2−DCEをトランス−HFO−1233に加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。約0.01を超え約53重量パーセントまでのトランス−1,2−DCEでは、組成物の沸点の変化は0.7℃以下であった。表4に示す二成分混合物の沸点は、約0.3℃未満の変化であった。したがって、この組成物は、これらの範囲にわたり共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示した。
【0128】
【表5】

【0129】
実施例6〜23
上記の実施例1〜5に記載された基本手順を実施例6〜23で繰り返した。成分濃度の所与の範囲にわたり、沸点の変化が1℃以下である共沸混合物様の挙動が観察された。結果を下記に要約する:
【0130】
【表6】

【0131】
【表7】

【0132】
【表8】

【0133】
【表9】

【0134】
【表10】

【0135】
【表11】

【0136】
【表12】

【0137】
【表13】

【0138】
【表14】

【0139】
【表15】

【0140】
【表16】

【0141】
【表17】

【0142】
【表18】

【0143】
【表19】

【0144】
【表20】

【0145】
【表21】

【0146】
【表22】

【0147】
【表23】

【0148】
【表24】

【0149】
【表25】

【0150】
【表26】

【0151】
【表27】

【0152】
【表28】

【0153】
【表29】

【0154】
【表30】

【0155】
【表31】

【0156】
実施例24
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。約10ccのトランス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量で、ニトロメタンを加えていった。ニトロメタンを加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。
【0157】
【表32】

【0158】
実施例25
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。約10ccのトランス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量で水を加えていった。水を加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。0を超え約30重量パーセントまでの水では、組成物の沸点は常圧で約0.5℃未満の変化である。
【0159】
【表33】

【0160】
実施例26
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。ある量のシス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でニトロメタンを加えていった。ニトロメタンをシス−HFO−1233に加えると、温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。この組成物は、約95から99.9重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.1から約5重量パーセントのニトロメタンの範囲にわたって共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示す。より顕著な共沸混合物および/または共沸混合物様の特性は、約97から99.9重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.1から約3重量パーセントのニトロメタンの範囲にわたって;さらにより顕著には約99から99.9重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.1から約1重量パーセントのニトロメタンの範囲にわたって現れる。
【0161】
実施例27
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。ある量のシス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でn−ペンタンを加えていった。n−ペンタンをシス−HFO−1233に加えると温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。この組成物は、約20から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約80重量パーセントのn−ペンタンの範囲にわたって共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示す。より顕著な共沸混合物および/または共沸混合物様の特性は、約50から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約50重量パーセントのn−ペンタンの範囲にわたって;さらにより顕著には約60から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約40重量パーセントのn−ペンタンの範囲にわたって現れる。
【0162】
実施例28
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。ある量のシス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でネオペンタンを加えていった。ネオペンタンをシス−HFO−1233に加えると、温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。この組成物は、約5から50重量パーセントのシス−1233zdおよび約50から約95重量パーセントのネオペンタンの範囲にわたって共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示す。より顕著な共沸混合物および/または共沸混合物様の特性は、約20から45重量パーセントのシス−1233zdおよび約55から約80の重量パーセントのネオペンタンの範囲にわたって;さらにより顕著には約30から40重量パーセントのシス−1233zdおよび約60から約70重量パーセントのネオペンタンの範囲にわたって現れる。
【0163】
実施例29
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。ある量のシス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でn−ヘキサンを加えていった。n−ヘキサンをシス−HFO−1233に加えると、温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。この組成物は、約80から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約20重量パーセントのn−ヘキサンの範囲にわたって共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示す。より顕著な共沸混合物および/または共沸混合物様の特性は、約90から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約10重量パーセントのn−ヘキサンの範囲にわたって;さらにより顕著には約95から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約5重量パーセントのn−ヘキサンの範囲にわたって現れる。
【0164】
実施例30
上部に凝縮器を備えた真空ジャケット付き管で構成され、水晶温度計をさらに備えた沸点測定装置を使用した。ある量のシス−HFO−1233zdを沸点測定装置に装填し、次いで、少量ずつ測った増加量でイソヘキサンを加えていった。イソヘキサンをシス−HFO−1233に加えると、温度降下が観察され、二成分系の最小沸点共沸混合物が形成されたことを示した。この組成物は、約70から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約30の重量パーセントのイソヘキサンの範囲にわたって共沸混合物および/または共沸混合物様の特性を示す。より顕著な共沸混合物および/または共沸混合物様の特性は、約85から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約15重量パーセントのイソヘキサンの範囲にわたって;さらにより顕著には約93から99.5重量パーセントのシス−1233zdおよび約0.5から約7重量パーセントのイソヘキサンの範囲にわたって現れる。
【0165】
実施例31
約2重量%のメタノールと、98重量%のトランス−HFO−1233zdとを含有する共沸混合物様混合物をエアゾール缶に装入する。エアゾール弁を適所に捩じり、弁を通してHFC−134aを加え、缶内で約137.9kPa(約20psig)の圧力を達成する。次いで、この混合物を表面上に噴霧し、この共沸混合物がエアロゾルとして有用であることを実証する。
【0166】
実施例32〜57
下表に特定された共沸混合物様混合物をトランス−HFO−1233zdおよびメタノールの代わりに使用すること以外は、実施例31の工程を、実施例32〜57に対して全般的に繰り返す。任意選択で、エアゾール剤は異なる共エアゾール剤を有しまたは共エアゾール剤を有さず、任意選択で、脱臭剤、香料、ヘアスプレー、洗浄溶剤、潤滑剤、殺虫剤および医療物質からなる群から選択される少なくとも1種の活性成分を有する。類似した結果が実証される。
【0167】
【表34】

【0168】
実施例58
約2重量%のメタノールと、98重量%のトランス−HFO−1233zdとを含有する混合物をエアゾール缶に装入する。エアゾール弁を適所に捩じり、弁を通してHFC−134aを加え、缶内で約137.9kPa(約20psig)の圧力を達成する。次いで、混合物をハンダフラックスで汚れた金属試験片上に噴霧する。フラックスは除去され、試験片は視覚的に清浄である。
【0169】
実施例59〜84
下表に特定された共沸混合物様混合物をトランス−HFO−1233zdおよびメタノールの代わりに使用し、また、HFC−134aの代わりに異なる共エアゾールを使用し、または共エアゾールを使用しないこと以外は、実施例58の工程を、実施例59〜84に対して全般的に繰り返す。任意選択で、洗浄剤としてこの共沸混合物を施用する方法は、噴霧法の代わりに蒸気脱脂またはワイピングがある。任意選択で、共沸混合物洗浄剤は原液(ニート)で施用される。任意選択で、洗浄される物質は、ハンダフラックスから鉱油、シリコーン油または他の潤滑剤に変えた。類似した結果が各場合に実証されている。
【0170】
【表35】

【0171】
実施例85
98重量%のトランス−HFO−1233zdと、約2重量%のメタノールとを含有する混合物を調製し、シリコーン油をこのブレンドと混合し、溶媒を蒸発させ、シリコーン油の薄い被覆を試験片に残す。このことは、各種基材にシリコーン油を堆積(付着)させるのにこの溶媒ブレンドを使用することができることを示す。
【0172】
実施例86〜111
トランス−HFO−1233zdおよびメタノールの代わりに下表で特定された共沸混合物様混合物を使用すること以外は、実施例85の工程を、実施例85〜111に対して全般的に繰り返す。
【0173】
【表36】

【0174】
実施例112
98重量%のトランス−HFO−1233zdと、約2重量%のメタノールとを含有する混合物を調製し、鉱油をこのブレンドと混合する。鉱油は、ブレンド全体にわたって均一に分散する。このことは、溶媒としてこの共沸混合物様組成物を使用することができることを示す。
【0175】
実施例113〜138
トランス−HFO−1233zdおよびメタノールの代わりに下表で特定された共沸混合物様混合物を使用すること以外は、実施例112の工程を、実施例113〜138に対して全般的に繰り返す。
【0176】
【表37】

【0177】
実施例139
約97重量パーセントのトランス−1233zdおよび約3重量パーセントのトランス−1,2−DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)の共沸混合物様混合物を調製する。この混合物を発泡剤として使用して、独立気泡ポリウレタンフォームおよび独立気泡ポリイソシアネートフォームを調製する。結果として得られるフォームの気泡ガスを分析し、共沸混合物様混合物の少なくとも一部を含むことがわかる。
【0178】
実施例140〜153
トランス−HFO−1233zdおよびトランス−1,2−DCE(トランス−1,2−ジクロロエチレン)の代わりに下表において特定された共沸混合物様混合物を使用すること以外は、実施例139の工程を、実施例140〜153に対して全般的に繰り返す。
【0179】
【表38】

【0180】
実施例154
約2重量パーセントのメタノールと、98重量%のトランス−HFO−1233zdとを含有する混合物を調製した。いくつかのステンレス鋼試験片を鉱油で汚した。次いで、これらの試験片をこれらの溶媒ブレンドに浸した。ブレンドは、短期間でオイルを除去した。試験片は視覚的に観察し、清浄に見えた。
【0181】
実施例155〜180
トランス−HFO−1233zdおよびメタノールの代わりに下表において特定された共沸混合物様混合物を使用すること以外は、実施例154の工程を、実施例155〜180に対して全般的に繰り返す。
【0182】
【表39】

【0183】
実施例181
98重量%のトランス−HFO−1233zdと、2重量%のメタノールとを含有する溶媒ブレンドを調製した。Kester 1544 Rosin Soldering Flux(ロジンはんだフラックス)をステンレス鋼試験片に付け、およそ149〜204℃(およそ300〜400°F)に加熱した。これは、プリント回路基盤の製造で電子部品をはんだ付けするために通常用いられるウェーブはんだ器(流動はんだ)との接触をシミュレートしている。次いで、試験片を溶媒混合物に浸漬し、すすぎなしで15秒後に取り出した。その結果、試験片は目視検査で清浄であることを示した。
【0184】
実施例182〜207
トランス−HFO−1233zdおよびメタノールの代わりに下表において特定された共沸混合物様混合物を使用すること以外は、実施例181の工程を、実施例185〜207に対して全般的に繰り返す。
【0185】
【表40】

【0186】
このように本発明のいくつかの特定の実施形態を記載してきたが、様々な変更、修正および改善は当業者にとって容易であろう。そのような変更、修正および改善はこの開示によって明白になり、特に本明細書において述べられなかったが、この説明の一部であることが意図され、本発明の精神および範囲内にあるものと意図される。したがって、前述の説明は例証としてのみであり限定するものではない。以下の特許請求の範囲に定義される通りおよびその均等物のみに、本発明は限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンならびにメタノール、エタノールおよびイソプロパノールからなる群から選択されるC〜Cアルコールから本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物。
【請求項2】
前記共沸混合物様混合物が約70から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約30重量%のメタノールから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記共沸混合物様混合物が約78から約99.9重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約22重量%のメタノールから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記共沸混合物様混合物が約85から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約15重量%のエタノールから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記共沸混合物様混合物が約65から約99.9重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約35重量%のエタノールから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記共沸混合物様混合物が約90から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約10重量%のイソプロパノールから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記共沸混合物様混合物が約85から約99.9重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約15重量%のイソプロパノールから本質的になる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンならびにn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、ネオペンタン、シクロペンタンおよびシクロペンテンからなる群から選択されるC〜C炭化水素から本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物。
【請求項9】
前記共沸混合物様混合物が約65から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約35重量%のn−ペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記共沸混合物様混合物が約20から約99.5重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.5から約80重量%のn−ペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記共沸混合物様混合物が約60から約99.95重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.05から約40重量%のイソペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記共沸混合物様混合物が約60から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約40重量%のネオペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項13】
前記共沸混合物様混合物が約5から約50重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約40重量%のネオペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項14】
前記共沸混合物様混合物が約95から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約5重量%のシクロペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項15】
前記共沸混合物様混合物が約42から約99重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約1から約58重量%のシクロペンタンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項16】
前記共沸混合物様混合物が約95から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約5重量%のシクロペンテンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項17】
前記共沸混合物様混合物が約95から約99.99重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.01から約5重量%のn−ヘキサンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項18】
前記共沸混合物様混合物が約80から約99.5重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.5から約20重量%のn−ヘキサンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項19】
前記共沸混合物様混合物が約94.4から約99.99重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.01から約5.6重量%のイソヘキサンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項20】
前記共沸混合物様混合物が約70から約99.5重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.5から約30重量%のイソヘキサンから本質的になる、請求項8に記載の組成物。
【請求項21】
1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンならびに1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンおよびトランス−1,2−ジクロロエチレンからなる群から選択されるハロゲン化炭化水素から本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物であり、
但し、前記ハロゲン化炭化水素がトランス−1,2−ジクロロエチレンであり、前記1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンがトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンである場合、前記共沸混合物様混合物は約101.4kPa±3.4kPa(約14.7psia±0.5psi)の圧力で約17℃から19℃の沸点を有する、前記組成物。
【請求項22】
前記共沸混合物様混合物が約96から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約4重量%の1−クロロプロパンから本質的になる、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記共沸混合物様混合物が約94から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約6重量%の2−クロロプロパンから本質的になる、請求項21に記載の組成物。
【請求項24】
前記共沸混合物様混合物が約89から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約11重量%の1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンから本質的になる、請求項21に記載の組成物。
【請求項25】
前記共沸混合物様混合物が約75から約99.99重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.01から約25重量%のトランス−1,2−ジクロロエチレンから本質的になる、請求項21に記載の組成物。
【請求項26】
前記共沸混合物様混合物が約42から約99.9重量%のシス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約58重量%のトランス−1,2−ジクロロエチレンから本質的になる、請求項21に記載の組成物。
【請求項27】
トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンならびにメチラールおよびメチルアセトンからなる群から選択される第2の成分から本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物であり、
但し、前記トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンが前記混合物の少なくとも90重量%の量で存在する、前記組成物。
【請求項28】
前記共沸混合物様混合物が約95から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約5重量%のメチラールから本質的になる、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記共沸混合物様混合物が約90から約99.9重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび約0.1から約10重量%のメチルアセトンから本質的になる、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、メタノール、ならびにn−ペンタンおよびトランス−1,2−ジクロロエチレンから選択される第3の成分から本質的になる、三成分共沸混合物様混合物を含む組成物。
【請求項31】
前記共沸混合物様混合物が、約55から約99.90重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、約0.05から約10重量%のメタノールおよび約0.05から約35重量%のn−ペンタンから本質的になる、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記共沸混合物様混合物が、約80から約99.90重量%のトランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、約0.05から約15重量%のメタノールおよび約0.05から約10重量%のトランス−1,2−ジクロロエチレンから本質的になる、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよび水から本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物。
【請求項34】
シス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよびニトロメタンから本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物。
【請求項35】
トランス−1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンおよびニトロメタンから本質的になる、二成分共沸混合物様混合物を含む組成物。

【公表番号】特表2012−506944(P2012−506944A)
【公表日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534665(P2011−534665)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/062146
【国際公開番号】WO2010/062572
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】