説明

18HSロールスタンドの中間ロールセットのためのクラスターアーム装置

【課題】 本発明は、18HSロールスタンドの中間ロールセットのためのクラスターアーム装置に関し、その際、操作側のチョックと作業側のチョックとの間に、前記中間ロールの側方に、旋回可能なクラスターアームが設けられており、これらクラスターアーム内において、側方の支持ローラが、ワークロールの支持のために、ロールスタンド内において一体にまとめられている。
【解決手段】 その際、チョック1とクラスターアーム2との間に、このクラスターアーム2と強固に結合された旋回ピン3が設けられており、この旋回ピンの軸線を中心に、このクラスターアーム2が旋回可能であり、クラスターアーム2のための固定機構、並びに、復帰ばね7を有する当接部片6が、コンパクトなユニットとして、クラスターアーム2とチョック1との間の領域内において、旋回ピン3に対して作用状態で設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、18HSロールスタンドの中間ロールセットのためのクラスターアーム装置
に関し、
その際、操作側のチョックと作業側のチョックとの間に、前記中間ロールの側方に、旋回可能なクラスターアームが設けられており、これらクラスターアーム内において、
側方の支持ローラが、ワークロールの支持のために、ロールスタンド内において一体にまとめられている。
【背景技術】
【0002】
18HSロールスタンドのための中間ロールセットのカセット式構造様式の場合、
操作側のチョックと作業側のチョックとの間に、前記中間ロールの側方(入り側および出側)に、旋回可能なクラスターアームが設けられており、これらクラスターアーム内において、側方の支持ローラが、ほっそりとしたワークロールの支持のために、ロールスタンド内において一体にまとめられている。これらクラスターアーム内において一体にまとめられた支持ローラの目的は、ワークロールの撓みを防止すること、および、中間ロールに対する、ワークロールの水平方向の位置移動(HS)を、この後ろに設けられた、支持ブリッジ位置調節を用いて実現することである。
【0003】
ロール交換の際、
引き戻された状態における支持ブリッジ位置調節の際に、これらクラスターアームが「自由である」場合、これらクラスターアームは、
所定の位置内へと移動され且つロールスタンドに対して中央に位置しなければならず、且つ従ってこれらワークロールがロールスタンドの中央に位置決めされねばならない。
【0004】
公知の構造の場合、
強固にクラスターアームと結合されている旋回軸は、完全にチョックを通ってこれらチョックの外側に至るまで案内され、且つ保持ブロックを用いて固く保持されており、従って、この旋回軸が、チョック内において回転可能である。所定の「中央位置」への、これらクラスターアームの復帰は、ばね積層体を介して、チョックを通って突出するクラスターアームの旋回軸が、即ちクラスターアームが所望された位置内へと押圧される、というやり方で実現される。この配設は、クラスターアームを有する中間ロールセットの組み立ての際、およびメンテナンスの際に、高い手間暇を必要とする。何故ならば、それぞれの取り外しの際に保持ブロックおよびばね積層体の除去が、および、これら保持ブロックおよびばね積層体の再組み付け、並びに、これらばね積層体の位置調節が、クラスターアームの中央の位置の調整のためにロール修理工場内において必要であるからである。
【0005】
付加的に、クラスターアームの取り外しのために、長い旋回軸が自由になるまで、両方のチョックは、完全に互いに離れるように移動され得る。
【0006】
このような様式の装置に関して、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の課題は、組み付け作業、およびメンテナンス作業を著しく容易にする、クラスターアーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、本発明に従い、18HSロールスタンドの中間ロールセットのためのクラスターアーム装置であって、
その際、操作側のチョックと作業側のチョックとの間に、前記中間ロールの側方に、旋回可能なクラスターアームが設けられており、これらクラスターアーム内において、
側方の支持ロールが、ワークロールの支持のために、ロールスタンド内において一体にまとめられている様式の上記クラスターアーム装置によって解決され、
このクラスターアーム装置が、
チョックとクラスターアームとの間に、このクラスターアームと強固に結合された旋回ピンが設けられており、この旋回ピンの軸線を中心に、このクラスターアームが旋回可能であること、
クラスターアームのための固定機構、並びに、復帰ばねを有する当接部片が、コンパクトなユニットとして、クラスターアームとチョックとの間の領域内において、旋回ピンに対して作用状態で設けられていることによって特徴付けられている。
【発明の効果】
【0009】
詳細には、その際、クラスターアームと強固に結合された旋回ピンが、固定機構として使用されるロック軸と協働すること、このロック軸が、
このチョックに固定され旋回可能なロック軸が旋入係合される場合に、このクラスターアームがこのチョックとの関連において軸線方向に固定されており、しかしながら、それにも拘らず旋回可能な状態に留まるように形成されていることが行われる。
【0010】
旋回可能なロック軸は、係合された状態において、固定ねじでもって固定可能である。
【0011】
固定ねじの弛緩の後、旋回可能なロック軸は旋出係脱可能であり、その際、クラスターアームが解放され、従って、チョックが軸線方向に引出され得る。
【0012】
更に、旋回ピンの外側の冠状部において、当接部片が固定されており、この当接部片がクラスターアームと共に旋回し、その際、外方へのこのクラスターアームの旋回運動がロック軸によって制限され、このロック軸に対して、この当接部片がこの場合に支持されていることが行われる。
【0013】
更に別の実施形態に従い、内方へのクラスターアームの旋回運動は、復帰ばねによって収容可能であり、その際、外方から如何なる力もこのクラスターアームに対して作用しない場合、この復帰ばねは、当接部片がロック軸に当接するまで、クラスターアームを戻し押圧する。
【0014】
この新しいコンセプトにおいて、クラスターアームの固定機構、並びに、復帰ばねを有する当接部片が、コンパクトなユニットとして、クラスターアームとチョックとの間の領域内において設けられており、且つ、しかも、それぞれに、両方の端部において設けられている。
【0015】
その際、クラスターアームの長い旋回軸の代わりに、2つの旋回ピンが、クラスターアームに強固に装着されている。このことは、組み付け作業、およびメンテナンス作業を容易にする。何故ならば、クラスターアームの解体のために、チョックが、単に短い行程でもって互いに離れるように移動されねばならないだけであるからである。
【0016】
クラスターアームと強固に結合された旋回ピンは、このチョックに固定され旋回可能なロック軸が旋入係合される場合に、このクラスターアームがこのチョックと軸線方向に固定されており、しかしながら、それにも拘らず旋回可能な状態に留まるように構成されている。
【0017】
次に、本発明を、図に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】チョックとの、クラスターアームの固定状態の図である。
【図2】復帰ばねでもっての固定および当接の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
チョック1とクラスターアーム2との間に、旋回ピン3が設けられており、この旋回ピンの軸線を中心に、このクラスターアーム2が旋回可能である。
【0020】
このクラスターアーム2と強固に結合された旋回ピン3は、このチョック1に固定され旋回可能なロック軸4が旋入係合される場合に、このクラスターアーム2がこのチョック1と軸線方向に固定されており、しかしながら、それにも拘らず旋回可能な状態に留まるように構成されている。
【0021】
この旋回可能なロック軸4は、係合された状態において、固定ねじ5でもって固定されている。
【0022】
固定ねじ5の弛緩の後、旋回可能なロック軸4は旋出係脱され、且つ、クラスターアーム2を解放し、従って、チョック1が軸線方向に引出され得る。
【0023】
旋回ピン3の外側の冠状部において、当接部片6が固定されており、この当接部片は、クラスターアーム2と共に旋回する。外方へのこのクラスターアーム2の旋回運動はロック軸4によって制限され、このロック軸に対して、この当接部片6がこの場合に支持されている。この位置は、このクラスターアーム2がロール交換の際に占めるべき位置である。
【0024】
内方へのクラスターアーム2の旋回運動は、復帰ばね7によって収容される。外方から如何なる力もこのクラスターアーム2に対して作用しない場合、この復帰ばね7は、当接部片6がロック軸4に当接するまで、クラスターアーム2を戻し押圧する。
【符号の説明】
【0025】
1 チョック
2 クラスターアーム
3 旋回ピン
4 ロック軸
5 固定ねじ
6 当接部片
7 復帰ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
18HSロールスタンドの中間ロールセットのためのクラスターアーム装置であって、
その際、操作側のチョックと作業側のチョックとの間に、前記中間ロールの側方に、旋回可能なクラスターアームが設けられており、これらクラスターアーム内において、
側方の支持ローラが、ワークロールの支持のために、ロールスタンド内において一体にまとめられている様式の上記クラスターアーム装置において、
チョック(1)とクラスターアーム(2)との間に、このクラスターアーム(2)と強固に結合された旋回ピン(3)が設けられており、この旋回ピンの軸線を中心に、このクラスターアーム(2)が旋回可能であること、
クラスターアーム(2)のための固定機構、並びに、復帰ばね(7)を有する当接部片(6)が、コンパクトなユニットとして、クラスターアーム(2)とチョック(1)との間の領域内において、旋回ピン(3)に対して作用状態で設けられていることを特徴とするクラスターアーム装置。
【請求項2】
クラスターアーム(2)と強固に結合された旋回ピン(3)が、固定機構として使用されるロック軸(4)と協働すること、
このロック軸が、
このチョック(1)に固定され旋回可能なロック軸(4)が旋回される場合に、
このクラスターアーム(2)がこのチョック(1)との関連において軸線方向に固定されており、しかしながら、それにも拘らず旋回可能な状態に留まるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクラスターアーム装置。
【請求項3】
旋回可能なロック軸(4)は、上記係合された状態において、固定ねじ(5)でもって固定可能であることを特徴とする請求項2に記載のクラスターアーム装置。
【請求項4】
固定ねじ(5)の弛緩の後、旋回可能なロック軸(4)は旋出係脱可能であり、
その際、クラスターアーム(2)が解放され、従って、チョック(1)が軸線方向に引出され得ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のクラスターアーム装置。
【請求項5】
旋回ピン(3)の外側の冠状部において、当接部片(6)が固定されており、この当接部片がクラスターアーム(2)と共に旋回し、その際、外方へのこのクラスターアーム(2)の旋回運動がロック軸(4)によって制限され、このロック軸に対して、この当接部片(6)がこの場合に支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のクラスターアーム装置。
【請求項6】
内方へのクラスターアーム(2)の旋回運動は、復帰ばね(7)によって収容可能であり、その際、外方から如何なる力もこのクラスターアーム(2)に対して作用しない場合、この復帰ばね(7)は、当接部片(6)がロック軸(4)に当接するまで、クラスターアーム(2)を戻し押圧することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のクラスターアーム装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−532024(P2012−532024A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518802(P2012−518802)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004062
【国際公開番号】WO2011/003561
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)