説明

2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)を製造するための改良法

【課題】2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)を製造するための改良法を提供する。
【解決手段】塩化水素及び液相フッ素化触媒の存在下、液相反応において、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)をフッ化水素と反応させることにより2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)を製造することができる。塩化水素は、外部の供給源から約100psig以上の圧力で反応に添加する。HCFC−244bbは、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン−1(HFO−1234yf)の製造における中間体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年8月8日付けで出願され、参照により本明細書中に援用する、米国特許仮出願番号61/087,206の利益を請求する。
【0002】
発明の分野
本発明は、2−クロロー1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)を製造するための改良法に関し、より特定的には、塩化水素及び液相フッ素化触媒の存在下、液相反応容器中で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)をフッ化水素と反応させることによりHCFC−244bbを製造するための改良法に関する。HCFC−244bbは、地球温暖化係数の低い冷媒である2,3,3,3−テトラフルオロプロペン−1(HFO−1234yf)の製造における中間体である。
【背景技術】
【0003】
フルオロカーボンをベースとする流体は、冷媒、エアロゾル推進剤、発泡剤、熱移動媒体、及び気体誘電体をはじめとする数多くの用途において、産業界で広範に使用されている。これらの流体のうち一部について地球温暖化係数が比較的高いことなどをはじめとするその使用に関係すると疑われる環境上の問題のために、オゾン層破壊の可能性が全くないうえ、温室効果と地球温暖化の可能性が最も低い流体を使用することが望ましい。したがって、上述の用途に関して環境にやさしい材料を開発することに高い関心が寄せられている。オゾン層を破壊することなく地球温暖化係数が低いテトラフルオロプロペンは、この必要性を満足する可能性があるものと認識されている。しかし、このクラスの化学物質の毒性、沸点、そして他の物理的特性は異性体ごとに大きく異なっている。価値ある特性を有するテトラフルオロプロペンのひとつは、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)である。HFO−1234yfは、冷媒、熱移動媒体、推進剤、起泡剤、発泡剤、気体誘電体、滅菌剤担体、重合媒体、微粒子除去流体、担体流体、バフ研磨剤、置換乾燥剤、及び動力サイクル作動流体として、有効であることが分かっている。したがって、テトラフルオロプロペン、特に2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための新規な製造法に対する必要性が存在する。
【0004】
米国特許第2,931,840号明細書においては、塩化メチルをCFHClとともに80℃で熱分解して、約15%のCFCF=CHを含有する生成物流れを与えている。HFO−1234yfは、また、ブチルエーテル中でCFCHFCHFをKOHによる脱フッ化水素化することにより(ケミカルアブストラクト(Chem. Abstr.)1961:349f)、また、米国特許第4,900,874号明細書においてはCFCFCHOHを水素と反応させることによっても作られている。
【0005】
連続的であり、かつ、容易に入手可能な原材料を使用する、HFO−1234yfの製造法を有することは都合がよいであろう。従来技術の方法はこれらの望ましい特徴のうちひとつ又はそれより多くを欠いているので、より都合のよい経路が望ましく、特に大規模製造に適用できる方法が望ましい。
【0006】
最近のHFO−1234yf製造方法において、諸工程のなかには、HCFO−1233xfをフッ化水素によりフッ素化して、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)を形成することを必要とするものがある。HCFO−1233xfを液相フッ素化してHCFC−244bbを製造する際、反応は厳密にはHFが二重結合に付加されるフッ化水素化反応であることから、HClはまったく生成されない。このHCl副生物の欠如は、CFC類(例えば、CFC−12)、HCFC類(例えば、HCFC−22、HCFC−142b)、及びHFC類(例えば、HFC−143a、HFC−245fa)を製造する他のよく知られた液相フッ素化反応と比較した場合に独特である。このことは、これらの反応が全体として、又は一部、ハロゲン交換を伴うからである。すなわち、Fは分子上でClに取って代わる。HClの形成により容易に達成される比較的高い圧力で液相フッ素化反応を実行することは都合がよい。HClは所望の反応条件において非凝縮性であるため、HClの形成により反応器中の混合が強められ、触媒ストリッパーのオーバーヘッドにおいて直ちにHClが現れ、フッ素化された生成物を達成するのに役立つ。HCFO−1233xfのHCFC−244bbへの反応においてはHClが生成されないことから、反応器中の混合は少なく、これにより転化が少なくなり、副生物の形成が促進される可能性がある。加えて、高い圧力をつくるのに役立ち、また、形成されるHCFC−244bbを実施するのに役立つHClが存在しないことから、反応器は制御するのがより困難である。
【0007】
本発明においては、HClをHF及びHCFO−1233xfとともに反応器に同時供給する。反応器と触媒ストリッパーは、上述したようなCFC類、HCFC類、及びHFC類を生成する典型的な液相フッ素化反応のように運転する。これにより数多くの利益がもたらされる。反応は比較的高圧で達成し実行することが可能となり、反応器中の混合が高められ、そして触媒ストリッパーのオーバーヘッドにおいて反応器は直ちにHClとともに生成物であるHCFC−244bbで満たされる。HCl同時供給は、本質的には不活性であり、フッ素化反応には関与せず、不要な副生物を殆ど、又はまったく生成しない。任意のHCl供給源を反応において使用することができる。好ましくは、HFO−1234yfを生成するための多工程方法において従前の工程からその場で生成されたHClを供給源として使用する。かかる工程の例は、1,1,2,3−テトラクロロプロペン又は1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパンを、任意であるが好ましくはフッ素化触媒の存在下で、HFによりフッ素化して、HCFO−1233xf中間体及びHClを形成することを伴う。次いで、この工程において生成されたHClのすべてか又はごく一部を、HCFC−244bbを生成する液相フッ素化反応器中に同時供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第2,931,840号明細書
【特許文献2】米国特許第4,900,874号明細書
【発明の概要】
【0009】
発明の要旨
本発明は、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを生成するための方法であって、液相反応容器中で塩化水素及び液相フッ素化触媒の存在下で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と反応させることを含み、その際、塩化水素を約100psig(689kPaゲージ圧)又はそれより高い圧力で外部供給源から反応中に添加する、前記方法を提供する。
【0010】
本発明は、また、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを生成する方法であって、(i)2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と液相反応において連続的に反応させ、液相フッ素化触媒の存在下で塩化水素を同時供給して、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを含む組成物を生成し、その際、塩化水素を約100psig(689kPaゲージ圧)又はそれより高い圧力で外部供給源から反応中に添加し;そして、次いで、(ii)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを生成するのに有効な条件下で2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを脱ハロゲン化水素化することを含む前記方法を提供する。
【0011】
本発明は、また、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを生成する方法であって、
a)1,1,2,3−テトラフルオロプロペンをフッ素化して2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを生成し;
b)2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と液相反応において反応させ、液相フッ素化触媒の存在下で塩化水素を同時供給して、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを含む組成物を生成し、その際、塩化水素を約100psig(689kPaゲージ圧)又はそれより高い圧力で外部供給源から反応中に添加し;そして、次いで、
c)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを生成するのに有効な条件下で2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを脱ハロゲン化水素化することを含む前記方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)を生成するための方法における第一工程は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)をフッ化水素と、塩化水素及び液相フッ素化触媒の存在下、液相反応容器中で反応させて、それによりHCFC−244bbを生成することを必要とする。好ましくは、反応は連続的に行う。
【0013】
HCFO−1233xfは、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの生成における中間体であり、このことは、参照によりその明細書を本明細書中に援用する米国出願20070007488及び20070197842に記載されているように、当技術分野において周知である。HCFO−1233xfを調製する方法においては、前駆体試薬をフッ化水素でフッ素化する。これは、例えば、CCl=CClCHClをHFにより気相又は液相接触フッ素化してHCFO−1233xfを得ることにより、行うことができる。かかる前駆体の反応生成物としては、HCFO−1233xf、未反応のHF、HCl、及び複数の成分部へと分離するのに利用可能な他の副生物が挙げられる。
【0014】
本発明を実施する際には、以下に説明するような液相触媒を、反応器を加熱する前にフッ素化反応器に充填する。フッ素化反応に適するあらゆる反応器を本発明において使用することができる。好ましくは、反応器は、ハステロイ−C、インコネル、モネル、及びフルオロポリマーでライニングした容器などの、HFの腐食性効果に耐性のある材料から構成する。かかる液相フッ素化反応器は、当技術分野において周知である。次いで、反応器が所望の温度に到達してから、HF、HCl、及びHCFO−1233xfを反応器に供給する。好ましい態様においては、反応は約30℃〜約200℃、好ましくは約50℃〜約150℃、更により好ましくは約75℃〜約125℃の温度で行う。反応の圧力は、温度、使用する塩化水素とフッ化水素の量、及びHCFO−1233xfの転化率に依存して変動する。都合の良い操作圧力は、約5psia(34kPa絶対圧)〜約200psia(1379kPa絶対圧)、好ましくは約30psia(207kPa絶対圧)〜約175psia(1207kPa絶対圧)、最も好ましくは約60psia(414kPa絶対圧)〜約150psia(1034kP絶対圧)である。
【0015】
好ましい態様においては、触媒は、HCFO−1233xfのモルパーセントに基づいて、約2%〜約80%、好ましくは約5%〜約50%、最も好ましくは約10%〜約20%の量で存在する。純度が少なくとも98%であるフッ素化触媒が好ましい。
【0016】
反応の化学量論に基づいて、必要とされるHF対HCFO−1233xfのモル比は、少なくとも、出発有機材料中の二重結合の数に等しく、過剰に存在するのが好ましい。好ましい態様においては、HF対HCFO−1233xfのモル比は、少なくとも約1:1〜約50:1、より好ましくは約1:1〜約30:1、最も好ましくは約2:1〜約15:1である。HF中に水が存在すると、触媒と反応して、触媒を不活性化してしまう。したがって、実質的に無水のHFが好ましい。「実質的に無水」とは、HFが水を約0.05重量%未満、好ましくは約0.02重量%未満含有することを意味する。しかし、当業者であれば、触媒中の水の存在は使用する触媒の量を増加することにより補償できることを認識するであろう。反応において使用するのに適するHFは、ニュージャージー州モリスタウンのハネウェル・インターナショナル社から購入することができる。
【0017】
液相フッ素化反応は、反応器中の圧力を、塩化水素を添加することのない同様な液相反応と比較して達成される圧力よりも高い圧力に上げる充分な量の塩化水素とともに行う。好ましい態様においては、HCl対HCFO−1233xfのモル比は、約0.1:1〜約10:1、より好ましくは約1:1〜約5:1、最も好ましくは約1:1〜約3:1である。塩化水素は、約100psig(689kPaゲージ圧)又はそれより高い圧力、好ましくは約100psig(689kPaゲージ圧)〜約500psig(3447kPaゲージ圧)の圧力、より好ましくは約120psig(827kPaゲージ圧)〜約300psig(2068kPaゲージ圧)の圧力で、外部供給源から反応に添加する。
【0018】
本発明においては、任意の液相フッ素化触媒を使用することができる。非排他的なリストとしては、ルイス酸、遷移金属のハロゲン化物、遷移金属の酸化物、第IVb属金属のハロゲン化物、第Vb族金属のハロゲン化物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。液相フッ素化触媒の比排他的な例としては、ハロゲン化アンチモン、ハロゲン化スズ、ハロゲン化タンタル、ハロゲン化チタン、ハロゲン化ニオブ、ハロゲン化モリブデン、ハロゲン化鉄、フッ素化されたハロゲン化クロム、フッ素化された酸化クロム、又はこれらの組み合わせが挙げられる。液相フッ素化触媒の非排他的な具体例としては、SbCl、SbCl、SbF、SnCl、TaCl、TiCl、NbCl、MoCl、FeCl、CrF、Cr、SbClのフッ素化種、SbClのフッ素化種、SnClのフッ素化種、TaClのフッ素化種、TiClのフッ素化種、NbClのフッ素化種、MoClのフッ素化種、FeClのフッ素化種、Crのフッ素化種、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
これらの触媒は、不活性化された場合は、当技術分野において既知の任意の手段により直ちに再生することができる。触媒を再生する一つの適する方法は、塩素の流れを触媒に流すことを含む。例えば、液相フッ素化触媒1ポンド(454グラム)ごとに約0.002ポンド/時(0.9072グラム/時)〜約0.2ポンド/時(90.72グラム/時)の塩素を液相反応に添加することができる。これは、例えば、約65℃〜約100℃の温度で、約1〜約2時間の間、又は連続的に行うことができる。
【0020】
得られるHCFC−244bb、並びにHF及びHClは、中和及び蒸留などの、当技術分野において既知の任意の分離又は精製の方法により、反応混合物から回収することができる。HCFC−244bbは、純粋な形態、あるいは、場合により部分的に純粋な形態か又は、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)の生成における中間として使用されるHCFC−244bb生成工程からの、溶出液全体を伴う純粋でない形態で使用することができる。本発明の方法は、バッチか又は連続的な様式のいずれかで実施することができる。連続的な方法においては、HCFO−1233xf、HCl、及びHFは、好ましくは、反応器が所望の温度に到達してから同時に反応器に供給する。フッ素化反応の温度及び圧力は、バッチ様式と連続的な様式のどちらの運転についても本質的には同じである。滞留時間又は接触時間は、約1秒間〜約2時間、好ましくは約5秒間〜約1時間、最も好ましくは約10秒間〜約30分間で変動する。前記の滞留時間においてフッ素化を成し遂げるために充分な量の触媒が存在しなければならない。連続的な様式の操作においては、HF、HCFC−244bb、及び塩化水素は反応器から連続的に取り出す。
【0021】
好ましい態様においては、本発明は多工程の方法に関し、これまでに説明したHCFC−244bbを生成するための方法の直前に、1,1,2,3−テトラフルオロプロペン(HCC−1230xa)又は1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HCC−240db)をフッ化水素により蒸気相フッ素化して、フッ化水素、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、及び塩化水素を含むを生成することにより2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)を生成するための先行方法工程を行う。好ましくはこの流れのすべて、より好ましくはこの流れの少なくとも一部を直接、液相反応に供給してHCFC−244bbを生成する。
【0022】
この反応は、蒸気相又は液相のフッ素化反応に適する任意の反応器中で行うことができる。好ましくは、反応器は、ハスタロイ、インコネル、モネル、及びフルオロポリマーでライニングした容器などの、フッ化水素及び触媒の腐食性作用に対して耐性のある材料から構成される。蒸気相法の場合は、反応器を蒸気相フッ素化触媒で充填する。当技術分野において既知の任意のフッ素化触媒をこの方法に使用することができる。適する触媒としては、これらに限定されないが、クロム、アルミニウム、コバルト、マンガン、ニッケル、及び鉄の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、これらの無機塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明に適する触媒の組み合わせとしては、非排他的に、Cr、Cr/Al、Cr/AlF、Cr/炭素、CoCl/Cr/Al、NiCl/Cr/Al、CoCl/AlF、NiCl/AlF、及びこれらの混合物が挙げられる。酸化クロム触媒/酸化アルミニウム触媒は、参照により本明細書中に援用する米国特許第5,155,082号明細書に記載されている。結晶質の酸化クロム又は非晶質の酸化クロムなどの、酸化クロム(III)が好ましいが、非晶質の酸化クロムが最も好ましい。酸化クロム(Cr)は、種々の粒子サイズで購入することができる商業的に入手可能な材料である。純度が少なくとも98%であるフッ素化触媒が好ましい。フッ素化触媒は過剰に存在するが、少なくとも反応を起こすのに充分な量で存在する。
【0023】
無水HFを反応器に供給している間、反応器をフッ素化反応温度まで予め加熱する。1,1,2,3−テトラクロロプロペン(HCC−1230xa)又は1,1,1,2,3−テトラクロロプロパン(HCC−240db)とHFとは、任意の都合の良い温度及び圧力で反応器に供給することができる。好ましい態様においては、HCC−1230xa又はHCC−240dbのいずれか、あるいはその両方とHFとを、反応器に導入する前に、予め気化させるか、約30℃〜約300℃の温度まで予め加熱する。別の態様においては、HCC−1230xa又はHCC−240dbとHFとを、反応器中で気化させる。HFとHCC−1230xa又はHCC−240dbの供給物は、次いで、所望のモル比に調節する。HF対HCC−1230xa又はHCC−240dbのモル比は、好ましくは約3:1〜約100:1、より好ましくは約4:1〜約50:1、最も好ましくは約5:1〜約20:1で変動する。
【0024】
蒸気相フッ素化反応は、約80℃〜約400℃の好ましい温度、より好ましくは約100℃〜約350℃、最も好ましくは約200℃〜約330℃で行う。反応器圧力は臨界的ではなく、大気圧を超える圧力、大気圧、又は減圧下であることができる。減圧圧力は、約5トル(0.0966psig)(0.67kPaゲージ圧)〜約760トル(14.69psig)(101.325kPaゲージ圧)であることができる。蒸気相フッ素化反応の間に、HCC−1230xa又はHCC−240dbとHFは、フッ素化触媒の存在下で蒸気相において反応する。反応体である蒸気は、約1〜120秒間、又は好ましくは約1〜20秒間、フッ素化触媒と接触させる。本発明の目的のために、「接触時間」は、触媒床が100%空隙率であると仮定して気体の反応体がその触媒床を通過するのに必要とされる時間を意味する。
【0025】
好ましい態様においては、プロセスフローは触媒床を下向きに通る。各々の使用の前に、触媒を乾燥させ、前処理し、活性化することが好ましい。また、長期間の使用の後には、触媒をそのまま反応器中において周期的に再生するのが有利である。前処理は、窒素又は他の不活性ガスの流れにおいて、触媒を約250℃〜約430℃に加熱することにより行うことができる。次いで、高い触媒活性を得るために非常に過剰な窒素ガスで希釈したHFの流れにより触媒を処理することにより、触媒を活性化することができる。触媒の再生は、O又は塩素などの酸化剤を用いるなど、当技術分野において既知の任意の手段により達成することができる。例えば、反応器のサイズに依存して、約100℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約375℃の温度で、約8時間〜約3日間、空気、又は窒素で希釈した空気を触媒上に通過させる。
【0026】
ひとつの態様においては、未反応の出発材料、HClを含む副生物、HF、及びHCFO−1233xfから構成されるフッ素化反応生成物の混合物から、蒸留などの当技術分野において既知の任意の手段により、HCFO−1233xfを回収してもよい。例えば、蒸留は、約300psig(2068kPaゲージ圧)未満、好ましくは200psig(1379kPaゲージ圧)未満、最も好ましくは150psig(1034kPaゲージ圧)未満の圧力で標準的な蒸留カラムにおいて行うのが好ましい。蒸留カラムの圧力は、本質的に操作圧力を決定する。約−40℃〜約25℃、好ましくは約−40℃〜約−20℃で蒸留カラムを操作することにより、HClを回収することができる。HCFO−1233xfは、約−10℃〜約60℃で蒸留カラムを操作することにより回収することができる。単一又は複数の蒸留カラムを使用することができる。流出液部分には、実質的にすべてのHClと反応において生成されたHCFO−1233xfが含まれ、底部部分には、HFと他の不純物が含まれる。
【0027】
しかし、より好ましい態様においては、HCFO−1233xf、HCl、及びHFを含むこの工程からの生成物流れを、蒸気相フッ素化反応から直接、HCFO−1233xfをHCFC−244bbへと転化するこれまでに説明した液相反応へと供給する。
【0028】
別の態様においては、生成されたHCFC−244bbを、次いで、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)を生成するのに有効な条件下で脱ハロゲン化水素化する。好ましくは、脱ハロゲン化水素化工程は、気相又は液相の接触反応を含む。
【0029】
HCFC−244bbの接触転化は、HCFC−244bbを脱ハロゲン化水素化して2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)を生成するのに有効な条件で行う。好ましくは、蒸気相において、より好ましくは、蒸気相において固定床反応器中で、HCFC−244bbの脱ハロゲン化水素化を行う。脱ハロゲン化水素化反応は、任意の適する反応容器又は反応器において行うことができるが、好ましくは、反応容器又は反応器は、ハステロイ、インコネル、インコロイ、及びモネルをはじめとするニッケルやその合金、又はフルオロポリマーでライニングした容器などの、塩化水素の腐食性作用に対して耐性のある材料(かかる材料が脱ハロゲン化水素化条件下で形成される範囲で)から構成されるものとし、脱ハロゲン化水素化触媒が詰め込まれた単一又は複数の管を使用してもよい。
【0030】
HCFC−244bbをHFO−1234yfへと脱塩化水素化するための触媒
触媒は、金属ハロゲン化物、ハロゲン化された金属酸化物、中性の(酸化されていない状態の)金属又は金属合金、又はバルクの形態若しくは担持された形態の活性炭であることができる。金属ハロゲン化物又は金属酸化物の触媒を使用する場合、好ましくは、一価、二価、又は三価の金属ハロゲン化物、金属酸化物、及びこれらの混合物/組み合わせであり、より好ましくは、一価又は二価の金属ハロゲン化物、及びこれらの混合物/組み合わせである。成分となる金属としては、これらに限定されないが、Cr3+、Fe3+、Mg2+、Ca2+、Ni2+、Zn2+、Pd2+、Li、Na、K、及びCsが挙げられる。成分となるハロゲンとしては、これらに限定されないが、F、Cl、Br、及びIが挙げられる。有用な一価又は二価の金属ハロゲン化物の例としては、これらに限定されないが、LiF、NaF、KF、CsF、MgF、CaF、LiCl、NaCl、KCl、及びCsClが挙げられる。ハロゲン化処理は、従来技術において知られているもののいずれかであればよく、特定的には、ハロゲン化の供給源としてHF、F、HCl、Cl、HBr、Br、HI、及びIを使用するものであることができる。
【0031】
中性、すなわちゼロ価の場合は、金属、金属合金、及びこれらの混合物を使用する。有用な金属としては、これらに限定されないが、Pd、Pt、Rh、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Cr、Mn、及び、合金又は混合物としての前述の金属の組み合わせが挙げられる。触媒は担持されていても、担持されていなくてもよい。有用な金属合金の例としては、これらに限定されないが、SS316、モネル400、インコネル825、インコネル600、及びインコネル625が挙げられる。
【0032】
HCFC−244bbは、純粋な形態か、部分的に精製された形態か、先行する工程からの反応器流出液の一部としてかのいずれかで反応器中に導入する。HCFC−244bbは、場合により、窒素、アルゴンなどのような不活性ガス希釈剤とともに供給してもよい。本発明の好ましい態様においては、反応器に入れる前にHCFC−244bbを予め気化させるか、又は予め加熱する。別の態様では、HCFC−244bbを反応器中で気化させる。有用な反応温度は、約100℃〜約700℃である。好ましい温度は約150℃〜約600℃、より好ましい温度は約200℃〜約550℃である。反応は、大気圧、大気圧を超える圧力、又は減圧下で行うことができる。減圧圧力は、約5トル(0.0966psig)〜約760トル(14.69psig)であることができる。HCFC−244bbの触媒との接触時間は、約0.5秒〜約120秒であることができるが、より長い時間、又はより短い時間であってもよい。
【0033】
好ましくは、このセクションにおいて説明したような脱フッ化水素化の態様において、HCFC−244bbの転化率は、少なくとも約10%、より好ましくは少なくとも約20%、更により好ましくは少なくとも約30%である。好ましくは、かかる態様において、HFO−1234yfに対する選択率は、少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約85%、更に好ましくは少なくとも約95%である。
【0034】
好ましい態様においては、プロセスフローは触媒床を下向き又は上向きに通る。また、長期間の使用の後には、触媒をそのまま反応器中において周期的に再生するのが有利である。触媒の再生は、O又は塩素などの酸化剤を用いるなど、当技術分野において既知の任意の手段により達成することができる。例えば、反応器のサイズに依存して、約100℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約375℃の温度で、約0.5時間〜約3日間、空気、又は窒素で希釈した空気を触媒上に通過させる。
【0035】
一般的には、脱ハロゲン化水素化反応工程からの流出液は、多段階の反応器配列において存在し得るあらゆる中間流出液を含むが、所望な程度の分離及び/又は他の処理を達成するために処理することができる。例えば、反応器流出液がHFO−1234yfを含む態様においては、流出液は一般的にHCl及び未反応のHCFC−244bbを含むことになる。反応生成物のうちこれらの成分の一部又は実質的にすべてを、中和又は蒸留などの当技術分野において既知の任意の分離又は精製方法により反応混合物から回収することができる。未反応のHCFC−244bbを完全に又は部分的に再循環して、所望のCFCF=CH(HFO−1234yf)の全体収率を改良できると期待される。場合により、しかし好ましくは、次いで塩化水素を脱塩化水素化反応の結果物から回収する。塩化水素の回収は慣用的な蒸留により行い、そこで留出液から回収する。
【0036】
別の態様では、HClは、水又は苛性のスクラッバーを用いることにより、回収又は除去することができる。水抽出装置を使用する場合は、HClを水溶液として取り出す。苛性のものを使用する場合は、HClを水溶液中の塩化物塩として単に系から取り出す。
【0037】
本発明の別の態様においては、HCFC−244bbの脱ハロゲン化水素化は、これらに限定されないが、KOH、NaOH、Ca(OH)、及びCaOを含む、強い苛性の溶液と高温で反応させることにより達成することもできる。この場合には、苛性溶液の強さは、約2重量%〜約100重量%、より好ましくは約5重量%〜約90重量%、最も好ましくは約10重量%〜約80重量%である。苛性溶液対HCFC−244bbのモル比は、好ましくは約1:1〜約2:1、より好ましくは約1.1:1〜約1.5:1、最も好ましくは約1.2:1〜約1.4:1である。この反応は、約20℃〜約100℃、より好ましくは約30℃〜約90℃、最も好ましくは約40℃〜約80℃の温度で行うことができる。上述のように、反応は、大気圧、大気圧を超える圧力、又は減圧下で行うことができる。減圧圧力は、約5トル(0.0966psig)(0.67kPaゲージ圧)〜約760トル(14.69psig)(101.325kPaゲージ圧)であることができる。加えて、溶媒又はAliquat336などの相移動触媒を場合により使用して、有機化合物が苛性溶液中に溶解するのを助けてもよい。この任意工程は、この目的のために当技術分野において周知の溶媒を用いて行うことができる。その後、抽出又は好ましくは蒸留などの、当技術分野において既知の任意の手段により、未反応の出発材料や副生物から構成される反応生成物混合物から、HFO−1234yfを回収してもよい。例えば、蒸留は、好ましくは、大気圧、大気圧を超える圧力、又は減圧下で標準的な蒸留カラムにおいて行うことができる。好ましくは、圧力は、約300psig(2068kPaゲージ圧)未満、好ましくは約200psig(1379kPaゲージ圧)未満、最も好ましくは約150psig(1034kPaゲージ圧)未満である。蒸留カラムの圧力により、本質的には蒸留の操作温度が決まる。好ましくは、このセクションにおいて説明したような脱フッ化水素化の態様においては、HCFC−244bbの転化率は、少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約75%、更により好ましくは少なくとも約90%である。好ましくは、かかる態様において、HFO−1234yfに対する選択率は、少なくとも約70%、より好ましくは約85%、更に好ましくは少なくとも約95%である。
【0038】
以下の非限定的な実施例は、本発明を説明するのに役立つ。
【実施例】
【0039】
実施例1
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)+HF→2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(HCFC−244bb)の連続的な液相フッ素化を、HClを連続的に供給しながら実証する。実験ためのフッ素化触媒はSbClである。
【0040】
触媒ストリッパーと、2インチ(5.08cm)内径の充填カラムと、系を連続反応様式で実行している場合に、飛沫同伴された触媒と一部の未反応のHCFO−1233xfを反応器に戻す機能をもつ凝縮器とを備えた、テフロン(商標)でライニングした液相反応器(テフロンはE.I. duPont de Nemours & Coの商標である)に、6500グラムのSbClを入れる。反応器は、内径2.75インチ(6.99cm)×長さ36インチ(91.4cm)であり、混合機/撹拌機は備えていない。この反応器を約85℃〜87℃に加熱する。次いで、1500グラムのHF、その後に1500グラムのClを添加することにより、触媒を活性化する。触媒のフッ素化により発生するHClは反応系の圧力を約100psig(689kPaゲージ圧)まで上昇させ、そこで制御する。連続的な気体のHF供給をまず開始する。これは1.1ポンド/時(499グラム/時)の速度でディップ管を通して液体触媒中にバブリングし、HFが1.0ポンド(454グラム)添加されたら、気体のHCl及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン供給を開始する。これらもまたディップ管により液体触媒に入る。HCl及びHCFO−1233xfはそれぞれ0.56ポンド/時(254グラム/時)及び1.0ポンド/時(454グラム/時)の速度で連続的に供給する。HF対1233xfのモル比は7.1:1であり、HCl対1233xfのモル比は2:1である。反応温度は85℃〜87℃に維持し、圧力は100psig(689kPaゲージ圧)に維持する。HClはこれらの条件で気体であり、不活性である(すなわち、反応しない)。HClは液体反応混合物中にバブリングするので、これにより混合が劇的に増し、高い蒸気圧のために反応器圧力を維持するのに役立つ。HClは触媒ストリッパーの頂部を通って反応系から出て、反応生成物であるHCFC−244bbをHClとともに得るのに役立つ。実験は50時間連続的に行う。この運転についてHCFO−1233xfの平均転化率は>90%であり、244bbに対する選択率は98%に到達する。
【0041】
実施例2
主としてHCFC−244bb、未反応のHF、及びHClを含有する実施例1において触媒ストリッパーの頂部を出る流れを、慣用的な蒸留カラムに供給し、そこでHClを回収、及び/又は、再循環して液相反応器に戻して、混合、圧力維持、及び生成物のキャリアにおいて助ける。
【0042】
実施例3
2000ガロン(7570リットル)の商業的規模の反応器に五塩化アンチモン触媒を充填する。HCFO−1233xfを連続的に反応容器中に供給する。HFは過剰に供給する。追加の成分として塩化水素を添加して、混合を助け、また、生成物を気化させる際の助けとなる。HCFC−244bb、HF、及び塩化水素が容器から出て、回収する。
【0043】
実施例4
この実験は、1,1,2,3−テトラクロロプロペン(TCP)+3HF→2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)+3HClの連続的な蒸気相フッ素化反応を説明する。この実験のためのフッ素化触媒はフッ素化されたCrであった。
【0044】
連続的な蒸気相フッ素化反応系は、N、HF、及び有機物の供給系、供給物気化器、過熱器からなる。内径4インチ(10.2cm)のモネル反応器、酸スクラッバー、乾燥機、及び生成物収集系を使用して反応を検討した。9415.2グラムの前処理したCr触媒を反応器に充填した。これは触媒約6.5リットルに等しい。次いで、反応器を一定温度の砂浴中に取り付けた後、Nパージを触媒上に流しながら、反応器を約235℃の反応温度まで加熱した。反応器は約3psigの圧力であった。HF供給をNとともに同時供給物として15分間(気化器及び過熱器を介して)反応器に導入して、Nの流れを停止した。HFの流速を1.4ポンド/時(635グラム/時)に調節してから、反応器への1,1,2,3−テトラクロロプロペン(TCP)供給を(気化器及び過熱器を介して)開始した。HF対TCPのモル比を15対1とするために、TCPの供給速度を約0.8ポンド/時で定常に保ち、HF供給1.4ポンド/時で定常に保った。一度反応が開始したら、触媒床の温度は250〜260℃に上昇した。250〜260℃、3psig、上記の供給速度における接触時間を計算すると、約16秒であった。500時間の運転時間をかけて収集された物質の平均組成は、HCFO−1233xfが約97.2GC面積%、244bbが1.6GC面積%、HFO−1231xf/HFC−245cbが0.6GC面積%、HCFC−1223xdが0.1GC面積%、HCFO−1231xfが0.08GC面積%であった。500時間後には、触媒が活性を失い始めたときにHCFO−1233xfに対する選択率が減少したので、フッ素化が不十分な中間体である2,3−ジクロロ−3,3−時フルオロプロペン(HCFO−1232xf)が見られ始めた。運転時間650時間後にHCFO−1233xfに対する選択率が約83%まで減少したときに、触媒活性の損失により反応を停止した。TCPの転化率は、運転を通じて>99%に維持された。
【0045】
実施例5
実施例4に説明した反応からの反応器流出液を慣用的な蒸留カラムに供給し、そこでHCl留出液を回収する。蒸留カラムの底部は、主として未反応のHFとHCFO−1233xfを含有し、これは追加の処理/精製のために後の工程に供給する。次いで、回収されるHClは、全体として又は部分的に、実施例1に説明したような液相反応系への同時供給HClの供給源として使用する。
【0046】
好ましい態様を参照しながら本発明を特定的に示し説明してきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更や修飾をなし得ることは当業者であれば直ちに認識するであろう。特許請求の範囲は、開示された態様、これまでに説明してきたこれらの代替的な態様、またこれらのすべての均等物を含むように解釈すべきものと意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化水素及び液相フッ素化触媒の存在下、液相反応において、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と反応させることを含み、その際、該塩化水素を外部の供給源から約100psig(689kPaゲージ圧)以上の圧力で反応に添加する、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンの製造方法。
【請求項2】
反応に供給される塩化水素の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンに対するモル比が、少なくとも0.1:1〜約10:1である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
(i)液相フッ素化触媒の存在下、液相反応において塩化水素を同時供給しながら、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と連続的に反応させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを製造し、その際、該塩化水素を外部の供給源から約100psig(689kPaゲージ圧)以上の圧力で反応に添加し;そして、(ii)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するのに有効な条件下で、該2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを脱ハロゲン化水素することを含む、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。
【請求項4】
a)1,1,2,3−テトラクロロプロペンをフッ素化して、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを製造し;
b)液相フッ素化触媒の存在下、液相反応において塩化水素を同時供給しながら、該2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と反応させて、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを含む組成物を製造し、その際、該塩化水素を外部の供給源から約100psig(689kPaゲージ圧)以上の圧力で反応に添加し;そして、
c)2,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するのに有効な条件下で、該2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを脱ハロゲン化水素することを含む、2,3,3,3−テトラフルオロプロペンの製造方法。

【公開番号】特開2010−43080(P2010−43080A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−184438(P2009−184438)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】