説明

2−フェノキシアセタールおよびそれからの相当する2−フェノキシカルボアルデヒドの製造方法

一般式(Ia)(式中、Rは水素、分岐もしくは非分岐のC〜C12アルキル部分、低電子の、ハロゲン、−NO、−CN、−CF、アシルまたは分岐もしくは非分岐のアルキル置換または非置換のC〜Cアリールもしくはヘテロアリール部分であり、Rは分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル部分であるかまたは両R部分が互いに直接にもしくはC〜C単位を介して結合しており、一つのYは常に水素であり、もう一つのYは−NO、−CNもしくは−CF部分またはフッ素もしくは塩素であるかまたは両Y部分はそれぞれ独立して−NO、−CNもしくは−CF部分またはフッ素もしくは塩素であり、Zは水素または−NO部分または分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル部分またはアシル部分である)の2−フェノキシアセタールの製造方法であって、一般式(II)(式中、RおよびRは式(Ia)について与えられた意味を有する)の2−ヒドロキシアセタール化合物を、塩基の存在下に、一般式(III)(式中、Yは式(I)について与えられた意味を有し、Xはフッ素、塩素、臭素またはNO基である)の置換芳香族化合物と反応させることによる製造方法が同様に記載される。2−フェノキシアセタールの酸加水分解による相当する2−フェノキシカルボアルデヒドの製造方法が同様に記載される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−フェノキシアセタールおよび相当する2−フェノキシカルボアルデヒドの新規製造方法に関する。これらの化合物は、医薬品有効成分の製造のための重要な中間体である。
【背景技術】
【0002】
今まで記載された2−フェノキシアセタールへの唯一の経路は、重要段階として、アルデヒドを製造するためのRosenmund反応を含む(図1)。当該目的のために必要とされる酸塩化物は、適切なフェノキシドとのα−ハロカルボン酸エスエルの反応、引き続く形成された2−フェノキシエステルの加水分解およびその後の塩化チオニルでの処理によって得られる。相当するアセタールは、アルデヒドを触媒量の酸の存在下にメタノールで処理することによって製造される。このような方法で、主として、電子に富む置換基(R=OMe、アルキル)を有する芳香族化合物が製造された[(非特許文献1)]。この方法の一欠点は、非常に多くの時間と労力を要する5段階合成経路である。
【化1】

【0003】
電子不足置換基を有する2−フェノキシカルボニル化合物は、はるかに苛酷な条件下に、相当するフェノキシドとα−ハロゲン化カルボニル化合物とから合成される。例えば、190〜200℃の高温[(非特許文献2)]かまたは長い反応時間[(非特許文献3)]がこの反応のために必要とされる。エーテル化のための一変形は、水素化ナトリウムでのフェノールの脱プロトン化を含む(図2)。欠点は、水素化ナトリウムの自己着火性およびそれに付随する安全対策の必要性である。所望のカルボアルデヒドを得るために、エステルの加水分解によって得られたカルボン酸をアルコールへ還元することが先ず必要であり、アルコールは次に標的生成物へ酸化される[(非特許文献4)]。この方法のさらなる欠点は、長い合成経路およびそれに付随する低収率(5段階にわたって32%)である。
【化2】

【0004】
電子不足置換基を有するアリールアルキルエーテルはまた、適切なハロゲン化アリールと脂肪族アルコールとの反応によって製造される(図3)。
【化3】

【0005】
典型的には、アルコールはアルカリ金属塩としてフッ化もしくは塩化アリールと直接反応されるか、またはアルカリ金属水素化物またはアルカリ金属ヘキサメチルジシラザンもしくはアルカリ金属第三ブトキシドなどの強塩基の添加によりその場で得られる。大規模でのアルカリ金属水素化物の使用は、それらの極めて高い水との反応性およびそれらの取り扱いの困難さのために望ましくなく、大きな安全性リスクとなる。
【0006】
さらなる可能性は、アルコールおよびハロゲン化アリールがトルエンなどの水非混和性溶媒に溶解され、求核試薬を脱プロトン化するために必要な塩基が水溶液中に存在する、二相系の使用である。使用される媒介物は、相間移動触媒、典型的にはハロゲン化第四級アンモニウムである。
【0007】
しかしながら、クロロ芳香族化合物の使用は、芳香族出発原料の望ましくない副反応のために大きく変動する収率につながる。例えば、不適当な反応条件を選択した場合には、例えば、ニトロフェノールが大規模でクロロニトロベンゼンから二次成分として形成される。
【0008】
それらのより高い反応性のために、フッ化アリールは、求核試薬としての第一級、第二級および第三級アルコキシドと反応し得る[第三級アルコールとの反応の例:(特許文献1)]。この文献によれば、第三級アルコールとの塩化アリールとの反応は、非常に小さい程度に成功するにすぎないか、全く成功しないかのどちらかである[(非特許文献5);(非特許文献6)]。非官能化第二級アルコキシドと塩化アリールとの反応の少ない例があるにすぎない。一反応が例として図4に示される[番匠(特許文献2)]。収率は86%であった。
【化4】

【0009】
求核置換による側鎖にアセタールとして保護されたカルボニル官能基を有するアリールアルキルエーテルの製造(図5)については、文献に一例があるにすぎない[(非特許文献7)]。この場合、以下に示される第一級アルコールは、塩素誘導体よりかなり反応性が高い、4−フルオロニトロベンゼンと反応された。所望の生成物は87%収率で得られた。ここでの問題も、塩基としての水素化ナトリウムの使用およびこの物質の安全な取り扱いのための複雑な関連対策である。
【化5】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1564201A1号明細書
【特許文献2】特開2002−255905号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Kwiecien、Polish J.Chem.2004、78、249−254ページ;Synth.Commun.2005、35、2223−2250ページ
【非特許文献2】Bischoff、Chem.Ber.1900、33、1603−1611ページ
【非特許文献3】Harfenist、J.Org.Chem.1971、36、1171−1175ページ
【非特許文献4】Yi、Bull.Korean Chem.Soc.2004、25、1003−1008ページ
【非特許文献5】Paradisi/Scorrano、J.Org.Chem.1983、48、3022−3026ページ
【非特許文献6】Seguchi、Yukagaku 1982、31、609−611ページ
【非特許文献7】Kawamatsu、Chem.Pharm.Bull.1984、32、2267−2278
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
2−フェノキシアセタールおよび相当する2−フェノキシカルボアルデヒドを向上した収率で製造するための新規な、より経済的で実行可能な方法を提供することが本発明の目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、2−フェノキシアセタールの合成経路を5または6工程から1工程に減らすことが可能である(図6)。当該目的のために必要とされる2−ヒドロキシアセタールは、工業的な量で容易に入手することができる。アルデヒドから進んだ全収率は、Yiの方法(図5)と比較して31%から55%へと高められた。さらに、Rosenmund反応またはSwern酸化などの、工業的規模で問題のある合成操作が回避される。第二級アルコールと4−クロロニトロベンゼンとの反応は今まで、非官能化アルコールについてのみ記載されてきた。
【化6】

【0014】
電子不足のフルオロ−およびクロロ芳香族化合物を2−ヒドロキシアセタール、2−フェノキシアセタールと穏和な条件下に意外にも反応させることができる方法が見いだされた。この場合、アルコール誘導体は強塩基の存在下に脱プロトン化され、次に所望のクロロ芳香族化合物と反応される。
【0015】
従って、本発明は、一般式(Ia)
【化7】

(式中、
は、水素、分岐もしくは非分岐のC〜C12アルキル基、非置換であるかまたはハロゲン、−NO、−CN、−CFまたはアシル基または分岐もしくは非分岐のアルキル基で置換されている電子不足のC〜Cアリールもしくはヘテロアリール基であり、
は分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基であるかまたは2つのR基は互いに直接にもしくはC〜C単位を介して結合しており、
Yは、一つのYは常に水素であり、もう一つのYは−NO、−CNもしくは−CF基またはフッ素もしくは塩素であるか、または2つのY基はそれぞれ独立してNO、CNもしくはCF基またはフッ素もしくは塩素であり、
Zは、水素または−NO基または分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基またはアシル基である)
の2−フェノキシアセタールの製造方法であって、一般式(II)
【化8】

(式中、
およびRはそれぞれ式(Ia)について定義された通りである)
の2−ヒドロキシアセタール化合物を、塩基の存在下に、一般式(III)
【化9】

(式中、
Yは式(I)について定義された通りであり、
Xはフッ素、塩素、臭素またはNO基である)
の置換芳香族化合物と反応させることによる製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
使用される塩基は、ナトリウムもしくはカリウムメトキシド−エトキシドもしくは第三ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、好ましくはカリウム第三ブトキシド、または炭酸ナトリウム、炭酸リチウムもしくは炭酸カリウムなどの固体アルカリ金属炭酸塩、好ましくは固体炭酸カリウムと組み合わせた水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどの固体アルカリ金属水酸化物であってもよい。
【0017】
具体的な手順は、無水溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)および特にジメチルホルムアミド(DMF)中に、1.1〜1.2当量の量のアルカリ金属アルコキシド、例えばカリウム第三ブトキシドを10〜50%、特に20〜30%溶液として最初に装入すること、およびこれに式(I)の2−ヒドロキシアセタール、例えば1,1−ジメトキシ−2−ヘキサノール(1.0当量)を計量供給することである。その後、DMFなどの溶媒中の30%溶液として1.05〜1.2当量の式(II)の置換芳香族化合物、例えば4−クロロニトロベンゼンが0.25〜2時間、特に0.5〜1時間の期間にわたって計量供給される。その後、撹拌が30〜60℃、特に40℃で、もう1〜6時間続行される。塩が洗い除かれた後、溶媒は、例えば蒸留によって除去することができる。収率は典型的には90〜95%であり、純度は90%超である。
【0018】
DMFに加えて、使用される溶媒はまた、DMFとトルエン、クロロベンゼンまたはキシレンとの混合物であってもよい。典型的には、DMF含有率は40重量%以上である。
【0019】
使用される塩基は好ましくは、固体アルカリ金属炭酸塩と組み合わせた、固体アルカリ金属水酸化物、例えば、固体水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムであってもよい。この場合、1〜2当量を使用することが好ましく、1.3〜1.6当量の固体形態の水酸化物を使用することが特に好ましい。アルカリ金属水酸化物/アルカリ金属炭酸塩比は、1:1および10:1の間で変わってもよい。使用される固体アルカリ金属水酸化物は、好ましくは固体水酸化カリウムであり、使用される固体アルカリ金属炭酸塩は、好ましくは固体炭酸カリウムである。
【0020】
固体炭酸カリウムと組み合わせて固体水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを使用する場合には、使用されるプロセス溶媒は典型的にはトルエンまたはクロロベンゼンであるが、他のハロゲン化または非ハロゲン化芳香族または脂肪族炭化水素もまた溶媒として有用であり得る。加えて、反応はまた、0.1〜1.0当量の極性の非プロトン性溶媒の存在下に行うことができる。この場合には、典型的にはジメチルアセトアミドまたはN−メチルピロリドンが使用される。手順は通常、全ての試薬および溶媒を混合すること、反応混合物を所望の温度に加熱することである。反応は典型的には、40〜100℃の温度で、より好ましくは60〜80℃の温度で行われる。反応時間は典型的には4〜14時間である。精製(workup)のために、水が典型的には塩を溶解させるために加えられ、有機相はまた水で繰り返し洗浄される。
【0021】
本発明による方法によって製造された2−フェノキシアセタールにおいて、Rは好ましくはCアルキルまたはフェニル基である。しかし、Rはまた、例えば、ハロゲン、−CN、−NO、−CF、アシルまたはアルキル基、例えばエチルもしくはイソプロピルで置換されたC〜Cアリールまたはヘテロアリール基であってもよい。フェニルなどの非置換アリール基、または分岐および非分岐のC〜C12アルキル基もまた可能である。
【0022】
は、分岐もしくは非分岐のC〜C12アルキル基、例えばメトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、第二もしくは第三ブトキシド、またはアミル基であってもよい。しかし、2つのR基はまた互いに直接にまたはC〜C単位を介して結合してもよい。その一例は、例えば、グリコール基である。
【0023】
は特にメチルまたはエチル基であり、一般式(II)の化合物は従って、2−アリールオキシジメチルアセタールまたは2−アリールオキシジエチルアセタールである。
【0024】
Yは、置換芳香族化合物のオルト位またはパラ位に存在してもよく、すなわち、式(I)中のYは常に水素である。もう一つのYは好ましくは−NO基である。別の場合、YはまたCNまたはCF基またはフッ素もしくは塩素であってもよい。Yはまた、オルト位またはパラ位のどちらかにあってもよく、それぞれ独立してNO、CNまたはCF基、あるいはフッ素もしくは塩素であってもよい。
【0025】
式(I)および(III)中、Zは水素または分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基、例えばメチル、エチルもしくはイソプロピル基であってもよい。式(I)および(II)中のZは好ましくは水素である。
【0026】
酸性加水分解によって、本発明に従って製造された2−フェノキシアセタールを相当する2−フェノキシカルボアルデヒドに変換することは容易に可能である。この加水分解は好ましくは、水および無機酸(37%HCl)またはギ酸などの有機酸を反応液に添加することによって2−フェノキシアセタールの製造直後に行われる。従って、本発明に従って得られた2−フェノキシアセタールからの相当する2−フェノキシカルボアルデヒドの製造は、本発明の主題の一部を同様に形成する。
【0027】
この経路によって得られた2−フェノキシアセタールおよびそのカルボアルデヒドは、医薬製品の前駆体として使用される、2−アルキル−5−ニトロベンゾフラン用の経済的関心のある出発原料である。
【0028】
従って、相当する2−フェノキシカルボアルデヒドの2−フェノキシアセタールは、本発明の主題の一部を同様に形成する。好ましい2−フェノキシアセタールは1,1−ジメトキシ−2−(4−ニトロフェノキシ)ヘキサンである。
【実施例】
【0029】
4−クロロニトロベンゼンからの1,1−ジメトキシ−2−(4−ニトロフェノキシ)ヘキサンの製造
【化10】

1リットルの平フランジ容器に、最初に室温で1.1当量のカリウム第三ブトキシドをDMF中の30%溶液として装入し、次に1.0当量の1,1−ジメトキシ−2−ヘキサノールを15分内に計量供給した。混合物を15分間撹拌し、次に25℃で、1.1当量の4−クロロニトロベンゼンを、1時間内にDMF中の30(重量)%溶液として計量供給した。混合物をその後40℃の温度でさらに4時間撹拌した。反応混合物をその後15℃に冷却し、同じ容量のメチル第三ブチルエーテルで抽出した。その後、組み合わせた有機相を毎回、有機相の容量の1/3に等しい容量の水で2回洗浄し、溶媒を減圧下に除去した。所望の生成物が93%純度および95%収率で茶色の油として得られた。
【0030】
4−フルオロニトロベンゼンからの1,1−ジメトキシ−2−(4−ニトロフェノキシ)ヘキサンの製造
【化11】

1リットルの平フランジ容器に、最初に1当量の1,1−ジメトキシ−2−ヘキサノールをトルエン中の30%溶液として装入し、1.05当量の4−フルオロニトロベンゼンを加えた。その後、0.33当量のN−メチルピロリドン、0.12当量の固体炭酸カリウムおよび1.5当量の固体水酸化カリウムを加えた。反応混合物を、撹拌しながら80℃に7時間加熱した。その後、混合物を55℃に冷却し、水を加えた。水相を除去し、有機相を水でさらに2回洗浄した。溶媒を除去した後、生成物が94%純度および92%収率で得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(Ia)
【化1】

(式中、
は、水素、分岐もしくは非分岐のC〜C12アルキル基、非置換であるかまたはハロゲン、−NO、−CN、−CFまたはアシル基または分岐もしくは非分岐のアルキル基で置換されている電子不足のC〜Cアリールもしくはヘテロアリール基であり、
は分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基であるかまたは2つのR基は互いに直接にもしくはC〜C単位を介して結合しており、
Yは、一つのYは常に水素であり、もう一つのYは−NO、−CNもしくは−CF基またはフッ素もしくは塩素であるか、または2つのY基はそれぞれ独立してNO、CNもしくはCF基またはフッ素もしくは塩素であり、
Zは、水素または−NO基または分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基またはアシル基である)
の2−フェノキシアセタールの製造方法であって、一般式(II)
【化2】

(式中、
およびRはそれぞれ式(Ia)について定義された通りである)
の2−ヒドロキシアセタール化合物を、塩基の存在下に、一般式(III)
【化3】

(式中、
Yは式(I)について定義された通りであり、
Xはフッ素、塩素、臭素またはNO基である)
の置換芳香族化合物と反応させることによる製造方法。
【請求項2】
請求項1に従って得られた式(Ia)の2−フェノキシアセタールが酸性加水分解に送られることを特徴とする一般式(Ib)
【化4】

(式中、
、ZおよびYはそれぞれ式(Ia)について定義された通りである)
の2−フェノキシカルボアルデヒドの製造方法。
【請求項3】
がCアルキル基であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記反応が溶媒としての無水ジメチルホルムアミド中で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
式(II)の2−ヒドロキシアセタール化合物が、一般式(III)の置換芳香族化合物との反応前にアルコキシドで前処理されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基がアルカリ金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基が、固体アルカリ金属炭酸塩、好ましくは炭酸カリウムと組み合わせた、固体アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
一般式(Ia)
【化5】

(式中、
は、水素、分岐もしくは非分岐のC〜C12アルキル基、非置換であるかまたはハロゲン、−NO、−CN、−CFまたはアシル基または分岐もしくは非分岐のアルキル基で置換されている電子不足のC〜Cアリールもしくはヘテロアリール基であり、
は、分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基であり、
Yは、一つのYは常に水素であり、もう一つのYは−NO、−CNもしくは−CF基またはフッ素もしくは塩素であり、
Zは、水素または−NO基または分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキル基またはアシル基である)
の2−フェノキシアセタール。
【請求項9】
Zが水素であり、一つのYがNO基であり、もう一つのYが水素であり、RがC〜Cアルキル基であり、Rがメチル基であることを特徴とする請求項8に記載の2−フェノキシアセタール。
【請求項10】
一般式(Ib)
【化6】

(式中、
、ZおよびYはそれぞれ式(Ia)について定義された通りである)
の2−フェノキシカルボアルデヒド。

【公表番号】特表2010−530861(P2010−530861A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512644(P2010−512644)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057303
【国際公開番号】WO2009/000651
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(506207853)サルティゴ・ゲーエムベーハー (35)
【Fターム(参考)】