説明

2つの独立したワイヤウエブを使用してスライスするワイヤソーの新規概念、ワイヤソーデバイスおよびワイヤソーデバイスの動作方法

【課題】被加工物を鋸で切るためのワイヤソーデバイスを提供する。
【解決手段】ワイヤソーデバイス100は、第1の筐体部分106と、第1の筐体部分106から分離されている第2の筐体部分108とを含む筐体を支持するためのメインフレーム102を有する。第1の筐体部分106と第2の筐体部分108にはそれぞれ、ワイヤ20を案内するための少なくとも2つのワイヤガイドシリンダ122と、少なくとも1つの作業区域22を有し、少なくとも1つのワイヤウエブを形成するワイヤガイドアセンブリ120が収納されており、第2の筐体部分108内のワイヤガイドアセンブリ120は第1の筐体部分106内のワイヤガイドアセンブリから独立にメンテナンスされる。第1の筐体部分106内のワイヤガイドアセンブリ120と第2の筐体部分108内のワイヤガイドアセンブリ120はそれぞれ、ワイヤ20を案内するワイヤ管理ユニットを別個に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ワイヤソーデバイスおよびワイヤソーデバイスを動作させる方法に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、改善した高級な特性を有し、例えば、スクエアラ用、クロッパ用などにシリコンウエハを切断するためといった、シリコンまたは石英のブロックなどの硬い材料を切断する、または鋸で切るためのワイヤソーデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤソーデバイスは、シリコンなど、1個の硬く脆い材料から、ブロックまたはブリック、薄いスライス、例えば半導体ウエハを切断するために存在する。そのようなデバイスでは、伸ばされたワイヤがスプールから供給され、ワイヤを切断区域に案内するためのプーリによりワイヤが案内され、かつ張力を加えられる。鋸で切るために使用されるワイヤは、一般的に研磨材料を備える。1つのオプションとして、研磨材料を、スラリとして提供することができる。このことは、ワイヤが切断される材料に接触する直前に行うことができる。これにより、研磨物は、材料を切断するためにワイヤによって切断位置に運ばれる。別のオプションとして、研磨物は、ワイヤ上にコーティングを用いて提供することができる。例えば、ダイアモンド粒子を金属ワイヤ上に、例えばコーティングを用いて提供することができ、ダイアモンド粒子は、ワイヤのコーティング内に埋め込まれる。これにより、研磨物は、ワイヤにしっかりと連結される。
【0003】
一般的に、ワイヤソーデバイスの歩留りは、既に高度なレベルにある。しかし、特に光起電(PV)用途の高スループットで高歩留りを有するという要望の点から、さらなる改善の要望がある。
【0004】
これにより、PVウエハなどを鋸で切るためのワイヤが、張力を加えられ、非常に速い速度で動かされることを考えなければならない。ワイヤは、ワイヤ管理および/またはワイヤ張力調整を実現する1つまたは複数のプーリを介して、スプールとの間で供給される。プーリは、例えば、ワイヤの方向を変えることができる。プーリが存在することによって、例えば、プーリが直ちに停止することがプーリの慣性により妨げられる可能性がある緊急停止期間に、ワイヤ破損の可能性がより高くなる場合がある。ワイヤ破損は、ワイヤソーデバイス内の一瞬のプロセスであるが、負荷すなわち被加工物を完全に失うことになる可能性がある。
【0005】
ギガワットプラント用のPV容量要件のウエハを作ることならびに、PVモジュールの値($)/ワットを減少させるという継続的な要求によって、製造容量の増大が求められている。より多くの数のウエハを製造するための過去のプラントは、PVウエハを作るための複数のワイヤソーデバイスを設けることにより実現されてきた。しかし、メンテナンスおよびワイヤ破損は、依然としてスループットを定めており、歩留りを改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP09153051.9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数ワイヤスラリソーは、今日では、PV用途でウエハを製造するための、標準的かつ最も生産的なツールである。複数ワイヤスラリソーは、通例、独立型ツールとして設計される。ツールは、5つの主な機能グループ、すなわちスライスヘッド、スラリ管理、ワイヤ管理、冷却グループおよび電気キャビネット/制御ユニットを有する。PVウエハを製造するための、高スループットで所望の歩留りを達成するために、パラダイムの変化が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上に照らして、独立請求項1にしたがう被加工物用ワイヤソーデバイス、および独立請求項10にしたがうワイヤソーデバイスを動作する方法が提供される。本発明のさらなる態様、利点および特徴は、従属請求項、説明および添付の図面から明らかである。
【0009】
一実施形態によれば、被加工物を鋸で切るためのワイヤソーデバイスが提供される。ワイヤソーデバイスは、第1の筐体部分と、第1の筐体部分から分離されている第2の筐体部分とを含む筐体を支持するためのメインフレーム;第1のワイヤを案内するための少なくとも2つの第1のワイヤガイドシリンダを有し、少なくとも1つの第1の作業区域を有する少なくとも1つの第1のワイヤウエブを形成し、第1の筐体部分により収納される第1のワイヤガイドアセンブリ;第2のワイヤを案内するための少なくとも2つの第2のワイヤガイドシリンダを有し、少なくとも1つの第2の作業区域を有する少なくとも1つの第2のワイヤウエブを形成し、第2の筐体部分により収納される第2のワイヤガイドアセンブリ;第1のワイヤを案内するための第1のワイヤ管理ユニット;並びに第2のワイヤを案内するための第2のワイヤ管理ユニットを含む。
【0010】
一実施形態によれば、被加工物を鋸で切るためのワイヤソーデバイスが提供される。ワイヤソーデバイスは、第1の筐体部分と、第1の筐体部分から分離されている第2の筐体部分とを含む筐体を支持するためのメインフレーム;第1のワイヤを案内するための少なくとも2つの第1のワイヤガイドシリンダを有し、少なくとも1つの第1の作業区域を有する少なくとも1つの第1のワイヤウエブを形成し、第1の筐体部分により収納される第1のワイヤガイドアセンブリ;第2のワイヤを案内するための少なくとも2つの第2のワイヤガイドシリンダを有し、少なくとも1つの第2の作業区域を有する少なくとも1つの第2のワイヤウエブを形成し、第2の筐体部分により収納されており、第1の筐体部分および第2の筐体部分により、第1のワイヤガイドアセンブリから独立にメンテナンスされる第2のワイヤガイドアセンブリ;第1のワイヤを案内するための第1のワイヤ管理ユニット;並びに第2のワイヤを案内するための第2のワイヤ管理ユニットを含む。
【0011】
さらなる実施形態によれば、ワイヤソーデバイスを動作する方法が提供される。方法は、第1のワイヤガイドアセンブリを、第1のワイヤを案内するための少なくとも2つの第1のワイヤガイドシリンダにより動作させて、筐体の第1の部分内に少なくとも1つの第1の作業区分を有する少なくとも1つの第1のワイヤウエブを形成するステップと、第2のワイヤガイドアセンブリを、第2のワイヤを案内するための少なくとも2つの第2のワイヤガイドシリンダにより動作させて、筐体の第1の部分と独立である筐体の第2の部分内に少なくとも1つの第2の作業区分を有する少なくとも1つの第2のワイヤウエブを形成するステップとを含む。
【0012】
実施形態は、また、開示の方法を実行するための装置を対象とし、各記載の方法のステップを実施するための装置部分を含む。これらの方法のステップは、ハードウェア構成要素、適切なソフトウェアによりプログラムされたコンピュータ、この2つの任意の組合せまたは任意の他のやり方によって実施され得る。さらに、本発明にしたがう実施形態は、また、記載の装置が動作する方法を対象とする。本発明にしたがう実施形態は、装置のあらゆる機能を実行するための方法ステップを含む。
【0013】
本発明の上記の特徴を詳細に理解することが可能なように、上で簡単に要約された本発明のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって理解することができる。添付の図面は、本発明の実施形態に関連し、以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本明細書に記載される実施形態にしたがい、2つの独立なチャンバ部分、すなわち筐体部分内の2つの独立な切断区域を含むワイヤソーデバイスを示す図である。
【図2】本明細書に記載される実施形態にしたがい、2つの独立なチャンバ部分、すなわち筐体部分内の2つの独立な切断区域を含む別のワイヤソーデバイスを示す図である。
【図3】本明細書に記載される実施形態にしたがって配置され、お互いから分離されている2つの独立な切断区域を含むワイヤガイドアセンブリを示す図である。
【図4】別のやり方で配置され、本明細書に記載される実施形態にしたがい、お互いから分離されている2つの独立な切断区域を含むワイヤガイドアセンブリを示す図である。
【図5】さらに別のやり方で配置され、本明細書に記載される実施形態にしたがい、お互いから部分的に分離されている複数の作業区域を含むワイヤガイドアセンブリを示す図である。
【図6】本明細書に記載される実施形態にしたがって配置され、お互いから分離されている2つの独立な切断区域を含むワイヤガイドアセンブリであって、それらの間に2方向のオフセットを有するワイヤガイドアセンブリを示す図である。
【図7】本明細書に記載される実施形態にしたがい、2つの独立なチャンバ部分、すなわち筐体部分内の2つの独立な切断区域を含むさらに別のワイヤソーデバイスを示す図である。
【図8】本明細書に記載される実施形態にしたがってワイヤソーデバイスを動作させる方法を例示する流れ図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、一又は複数を添付図面に示す、本発明の様々な実施形態を詳細に参照する。図面の以下の説明の中では、同一の参照番号は同一の構成要素のことを言う。一般的に、個々の実施形態に関して、差異のみが記述される。各例は、本発明の説明のために提供されており、本発明を制限するものとして意図されてない。さらに、一実施形態の部分として例示または記載される特徴を、他の実施形態にまたは他の実施形態と一緒に使用して、もう一つの実施形態を生み出すことができる。本記載は、そのような変更形態および変形形態を含むことが意図される。
【0016】
図1は、ワイヤソーデバイス100を示す。ワイヤソーデバイス100は、メインフレーム102を含む。例えば、メインフレーム102は、ワイヤソーデバイス100の筐体および/または構成要素を支持する。典型的には、メインフレームは、剛性フレーム102であり、ワイヤソーデバイスが立つベースを含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる異なる実施形態によれば、本明細書のワイヤソーデバイスは、スラリを用いて、例えばシリコンまたは他の半導体材料といった、硬い材料を切断するため、またはダイアモンドワイヤなどを用いて切断するために使用することができる。過去において、1つのワイヤソーデバイス内の効果的な切断区域を増加させ、これによりデバイスのスループットを増加させる試みがなされてきた。しかし、特にウエハを作る機械にとって、歩留りおよび歩留りによるスループットが、ワイヤ破損に起因して低下する可能性がある。これにより、ワイヤソーデバイスの負荷全体が、もはや使用可能でない場合がある。本明細書に記載の実施形態によれば、効果的な切断区域が増加されるまたは高いレベルになる結果となる一方、独立したワイヤウエブが同じ機械に設けられる。典型的な実施形態によれば、独立したワイヤウエブを、別個に動作するように構成することができる。例えば、他のワイヤウエブがメンテナンスされる間、1つのワイヤウエブが1つまたは複数の被加工物を切断することができる。例えば、他のウエブを保守用に組み立てることができ、他のウエブに関する構成要素を保守用に修理または交換することができ、かつ/または被加工物を他のワイヤウエブからロードするもしくは他のワイヤウエブにロードする。図1に示すワイヤソーデバイス100は、第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120を有する。典型的には、ワイヤガイドアセンブリのそれぞれは、被加工物10を切断することができるワイヤウエブを提供するための、少なくとも2つのワイヤガイドシリンダ122を含む。典型的には、ワイヤ20は、少なくとも1つの作業区域22を提供する。下でより詳細に記載するように、例えば1つのワイヤウエブが2つの作業区域を提供することもできる。
【0017】
ワイヤソーデバイス100は、区画104を含む。スプール132および134は、それぞれの区画104内に設けられる。典型的な実施形態によれば、同様にワイヤ管理ユニットが、区画104内に設けられる。典型的には、ワイヤ管理ユニットは、ワイヤを取り扱って、ワイヤに張力を加えるように構成され、ワイヤは、ワイヤウエブに案内される。
【0018】
典型的な実施形態によれば、ワイヤガイドアセンブリ120に新しいワイヤを提供するために第1のスプール132を設けることができ、ワイヤガイドアセンブリ120から使用されたワイヤを巻き取るために第2のスプール134を設けることができる。一般的に、新しいワイヤが提供されるスプールは、使用されたワイヤが巻かれるスプール(例えば、第2のスプールタイプ)と異なるタイプ(例えば、第1のスプールタイプ)である。例えば、新しいワイヤが提供されるスプールは、ワイヤ製造業者からの使い捨てスプールであってよい。一方、そのようなスプールは、使用されたワイヤの高いワイヤ張力に耐えられない場合があるので、使用されたワイヤを受け取ることには不適当な可能性がある。1次から2次スプールソーイング期間にこれらの異なるスプールのタイプを支持するために、1次スプールシャフト(すなわち、1次ワイヤ取扱いセクションのスプールシャフト)が第1のタイプのスプールを担持してもよく、2次スプールシャフト(すなわち、2次ワイヤ取扱いセクションのスプールシャフト)が第2のタイプのスプール、すなわち第1のタイプと異なる第2のタイプを担持する。
【0019】
また、本明細書内の任意の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態において、ワイヤ管理セクションは、双方向ソーイングをサポートすることができる。本明細書において、双方向ソーイングは、双方向ソーイング期間に、最初にワイヤが1次スプールから2次スプールに移送され、その後ワイヤが2次スプールから1次スプールに戻され、再び1次スプールから2次スプールに移送されるなどのソーイングプロセスであると理解される。したがって、双方向ソーイングのために、(1次)スプール132は、ワイヤウエブにワイヤを提供し、ワイヤウエブから使用されたワイヤを受け取るようにもなされる。同様に、2次スプール134は、ワイヤウエブにワイヤを提供し、ワイヤウエブから使用されたワイヤの受け取りも行う。
【0020】
双方向ソーイングのために、コントローラは、1次スプールシャフトおよび2次スプールシャフトに作動コマンドを送り、作動コマンドは、第1のステップにおいて、第1のスプールシャフトに、ワイヤを第2のスプールに巻き戻させ、第2のステップにおいて、第2のスプールシャフトに、ワイヤを第1のスプールに巻き戻させる。
【0021】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるもう一つの実施形態によれば、第1のワイヤガイドアセンブリ120は、チャンバまたは筐体部分106内に設けられ、一方第2のワイヤガイドアセンブリは、チャンバまたは筐体部分108内に設けられる。ワイヤガイドアセンブリ120が設けられるチャンバまたは筐体部分は、切断チャンバとも呼ぶことができる。それぞれの切断チャンバ内で、ワイヤガイドアセンブリの独立で別個の動作を使用することを可能にするため、それぞれの切断チャンバ内のパラメータの制御は、独立に実行することができる。例えば、圧力、温度、湿度、および/または他のパラメータを、それぞれの筐体部分または切断チャンバ内で制御することができる。
【0022】
被加工物10は、典型的には、被加工物10用の支持テーブルまたは支持ビームによりワイヤソーデバイス100内で支持される。被加工物の切断は、被加工物10に対するワイヤウエブの相対運動により実行される。これにより、典型的には、被加工物10は、ワイヤガイドアセンブリ120によって提供されるワイヤウエブに対して動かされる。それでも、いくつかの場合では、ウエブまたはウエブと被加工物の両方を動かすことも可能であってよい。
【0023】
したがって、同様に、ワイヤ速度、支持テーブルまたは支持ビームの移動速度、スラリの流れ、および/またはスラリ状態のような他の動作状態を、別個のワイヤガイドアセンブリまたは切断機構用にそれぞれ独立に提供することができる。図1に示すように、第1のスラリタンク142および第2のスラリタンク142が設けられ、各スラリタンクは、ワイヤガイドアセンブリ120のうちの1つに対応する分配システム143にスラリを提供する。これにより、各分配システムがノズル144にスラリを提供し、ノズル144は、それぞれの切断区域または複数の切断区域にスラリを提供する。本明細書において例示的な参照はスラリになされるが、ダイアモンドワイヤを用いる切断の場合には、タンクおよび分配システムを、切断区域内に提供される冷却流体のために設けることもできる。すなわち、研磨材料を含み切断区域を冷却することを可能にするスラリは、冷却流体により置き換えることができる。なぜならば、ダイアモンドワイヤが使用される場合には、研磨材料は既にワイヤ上に設けられているからである。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるまた別の実施形態において、被加工物10の片側に示されるノズル144に加えて、被加工物の他の側にさらなるノズル144を同じ作業区域用に設けることができる。これにより、例えば、スラリまたは冷却流体を提供するためのノズルが2つのソーイング方向用に設けられるので、双方向ソーイングを適用することができる。
【0024】
図2は、ワイヤソーデバイス100のさらなる実施形態を例示する。例えば、図2は、いくつかの実施形態にしたがう、図1の上面図と考えることができる。ワイヤソーデバイス100は、メインフレーム102および筐体部分104を含む。図2に示される上面図では、ワイヤ20が、ワイヤガイドシリンダ122上に案内されることにより、ワイヤウエブとなる様子を見ることができる。これにより、少なくとも1つの作業区域が設けられ、被加工物10を、例えば半導体ウエハといった、スライスに切断することができる。図2に示されるワイヤガイドアセンブリ120は、筐体部分または切断チャンバ108内に設けられる。第2のワイヤガイドアセンブリを、例えば、図2に示す第1のワイヤガイドアセンブリの下に設けることができる。
【0025】
図2は、簡略化のために、1つのスプール134のみを示す。ワイヤ20は、1つまたは複数のプーリ136を含むワイヤ管理ユニットにより、ワイヤガイドシリンダ122および作業区域にそれぞれ提供される。
【0026】
本明細書に記載のように、ワイヤ管理ユニットは、ワイヤソーデバイス、例えばウエハを作るワイヤソーデバイスの切断区域または作業区域にワイヤを供給すること、およびワイヤソーデバイスの切断区域または作業区域からワイヤを供給することを扱うデバイスとして理解されることになる。典型的には、ワイヤソーは、ワイヤ移動方向にワイヤを移送および案内するため、少なくとも2つのワイヤガイドを含み、一方ワイヤ管理ユニットは、ワイヤの張力の制御を可能にする。さらに、ワイヤ管理ユニットにより提供されるワイヤは、切断区域内でワイヤウエブを形成する。しばしば、ワイヤウエブの一部は、単一のワイヤ管理ユニットにより形成されるウエブと考えられることになる。いくつかの実施形態によれば、1つよりも多いワイヤを設けることができ、そのため全体のワイヤウエブは、ワイヤウエブの1つよりも多い部分により形成される。ワイヤウエブは、ソーイングプロセスが実施される区域として画定される、1つよりも多い作業区域部分を含むことができることを理解されたい。したがって、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によれば、ワイヤウエブは、それぞれが異なるワイヤ管理ユニットからのワイヤにより形成される複数の区域を有することができる。
【0027】
例えばウエハを作るワイヤソーデバイスといった現代のワイヤソーデバイスには、例えばシリコン、石英などといった、半導体材料などの硬い材料を高速で切断するという要望がある。ワイヤ速度、すなわち、ワイヤソーデバイス、ワイヤ管理ユニットおよび鋸で切られる材料をそれぞれ通って動くワイヤの速度は、例えば、10m/s以上であってよい。典型的には、ワイヤ速度は、8から20m/sの範囲であってよい。しかし、25m/sまたは30m/s、またはさらに40m/s以上のより速いワイヤ速度も望ましい場合があり、特定の条件下で実現される。
【0028】
所望のワイヤ速度でワイヤを巻き戻したり巻いたりするために、スプールは、最大毎分数千回転の回転速度で回転する。例えば、ワイヤを巻き戻したり巻いたりするため、1000から2000rpmを実現することができる。ワイヤトラッキングすなわちワイヤがスプール134を離れる位置の補償、ワイヤに張力を加えること、および/またはワイヤ案内のために、プーリを設けることができる。理解されるように、本明細書に記載される他の実施形態内に示される全てのスプール用に、同様のプーリアセンブリを作業区域とスプールの間に設けることができる。特に双方向ソーイングでは、ワイヤ管理ユニット、すなわちそれぞれのスプールアセンブリを、巻き戻し側および巻く側用に、同様のやり方でまたは対称的なやり方でさえ設けることができる。
【0029】
ワイヤトラッキング用に、第1のプーリを、スプールの軸に平行な方向に、長手方向に移動可能である可動プーリとして設けることができる。可動プーリは、トラッキングシステムを取り付けることができ、スプールの片側から他方に移動するワイヤの位置に可動プーリが追従することを可能にし、そのためワイヤは、常にプーリに接線方向に入る。そのようなプーリは、例えば、参照によりここに本明細書に組み込まれる、特許文献1に記載されており、特に、特許文献1の図3Aおよび図3B上のトラッキングシステムの記載およびトラッキングシステムの対応する記載を参照のこと。しかし、ワイヤが時々かなりの張力となることを考慮すると、可動プーリが高いワイヤ張力に耐えることができるように、十分にしっかりと可動プーリを支持することは困難である。
【0030】
ワイヤソーデバイス100内に、ワイヤ管理ユニットがある。異なる実施形態によれば、ワイヤソーデバイスは、クロッパ、硬い材料をブリックに四角切り出しをするためのスクエアラ、被加工物をスライスするまたはウエハにするためのワイヤソーデバイス、または被加工物を複数のスライスまたはウエハに切断するための複数のワイヤソーデバイスであってよい。
【0031】
例えばスラリとともに細いワイヤ、または例えばダイアモンドコーティングといったコーティングとともにワイヤが使用される場合、上記のワイヤ管理ユニットは、特に有用である。したがって、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる実施形態において、ウエハを作るために、本明細書に記載のワイヤ取扱いセクションおよびワイヤソーデバイスは、約80μm〜約150μmの直径など、約200μmより小さな直径を有する細いワイヤに適合される。さらに、本明細書に記載のワイヤ取扱いセクションおよびワイヤソーデバイスは、コーティングされたワイヤ、例えば、ニッケルコーティングならびにニッケルコーティング内に埋め込まれたダイアモンド粒子を有するワイヤに適合される。そのようなワイヤは、典型的には、約80μm〜約150μmの直径などの、約200μm未満のコア直径を有することができる。細いワイヤにとって、ワイヤのねじれは、ワイヤの破損またはコーティングに損傷を与える恐れを増加させる可能性があり、そのためねじれのない動作が有利である。四角切り出し用途では、ワイヤ直径は、例えば250μmから350μmといった、約400μm以下であってよい。
【0032】
図3は、第1の実施形態を例示するワイヤソーデバイスの一部を示す。第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120が設けられる。区切り要素306により示されるように、ワイヤガイドアセンブリは、ワイヤガイドアセンブリがお互いから独立に動作することができるように、分離されている。典型的には、ワイヤソーデバイスは、2つの独立なチャンバまたは筐体部分を有することができる。例えば、図1および図3に例示されるように、独立なチャンバまたは筐体部分のうちの一方は、他方の上部上にあってよい。例えば区切り要素306により分離されている筐体部分のそれぞれの中に、ワイヤガイドシリンダ122を有するワイヤガイドアセンブリ120が設けられる。ワイヤ20は、ワイヤガイドシリンダ122上にワイヤウエブを形成する。上に記載したように、各切断チャンバもしくは筐体部分および/または各ワイヤガイドアセンブリは、それぞれ、独立なワイヤ管理を有することができる。これにより、ワイヤの制御、例えばワイヤの張力および切断区域へのワイヤ供給は、個々に実現することができる。典型的には、それぞれのワイヤガイドアセンブリ用に、供給用スプールおよび巻取用スプールがある。図1に関して記載したように、スラリ分配または冷却材分配も、個々のワイヤガイドアセンブリ120用に独立に実現することができる。例えば、複数の分配システムに分離されて存在することができる。これにより、いくつかの実施形態によれば、各分配システムが、それぞれタンク、ポンプ、配管または導管、およびスラリまたは冷却流制御を含むことができる。
【0033】
図3に示すように、被加工物10は、ワイヤガイドアセンブリ120のそれぞれ用に被加工物支持体310に提供される。被加工物支持体310内に矢印で示されるように、被加工物10は、ワイヤ20に対して下向きに動かすことができる。これにより、被加工物10の移動を、お互いから独立して実行することができる。したがって、図3に示す1つの作業区域内の鋸で切る動作は、図3に示す別の作業区域内の鋸で切る動作から独立して実行することができる。これにより、作業区域のうちの1つでのワイヤ破損の事象において、他の被加工物10はソーイングプロセスを継続することができ、処理される被加工物の損失が減る。さらに、部分のうちの1つを保守する必要がある、かつ/または切断した被加工物を未切断の被加工物と交換する場合、鋸で切ることを、他の部分の中で継続することができる。このことがツールの可用性を増し、これにより、スループットも増す。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のワイヤソーデバイスは、特にウエハを作るワイヤソーデバイスである。ウエハを作るワイヤソーデバイスにとって、ソーイングプロセスの中断は、特に困難であると考えることができる。したがって、機械の負荷をいくつかのより小さな部片に分離することは、ワイヤソーデバイスの歩留りに関して有利な場合がある。これは、例えばワイヤ破損で起こる可能性がある、1つの区域内の被加工物の損失が、必ずしも別の区域内の被加工物の損失をもたらさないためである。
【0034】
図4は、さらに別の実施形態を例示する。ここでは、第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120が設けられ、第1のワイヤガイドアセンブリ120と第2のワイヤガイドアセンブリ120は、区切り要素306により示されるようにこの場合も分離されている。図3と比較すると、図4に示す実施形態は、4つの被加工物11〜14を含む。これにより、2つの被加工物が被加工物支持体310に取り付けられ、2つのさらなる被加工物が第1の被加工物支持体から独立に制御することができる別の被加工物支持体310に取り付けられる。これにより、ワイヤソーデバイスのそれぞれの部分内で2つの被加工物を切断することが、お互いから独立に、かつ/または別個に実行することができる。
【0035】
図5に示す実施形態において、4つの被加工物は、被加工物支持体310のそれぞれにより支持されている。したがって、4つの被加工物が、第1のワイヤガイドアセンブリ120が設けられる、筐体部分内にある。4つのさらなる被加工物が、第2のワイヤガイドアセンブリ120が設けられる、別個の筐体部分内で切断される。図4および図5に示す実施形態は、ワイヤ20により形成され、それぞれ2つの作業区域を有するワイヤウエブを含む。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、1対のワイヤガイドシリンダ122が、上側作業区域および下側作業区域を備えるワイヤウエブを実現することができる。1つまたは複数の被加工物10〜18を、作業区域のそれぞれの中で処理することができる。
【0036】
さらに別の実施形態によれば、図6に示した例の場合は、第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120を、図3〜図5と比較して、再配置することができる。これにより、第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120は上下に重ねて配置することができ、水平方向にオフセットさせることができる。このことによって、被加工物12および被加工物13を、水平面内で少なくとも部分的に隣り合って配置させることが可能になる。これにより、ワイヤガイドデバイスにより使用される垂直の空間を減らすことができる。上で記載したように、第1のワイヤガイドアセンブリ120と第2のワイヤガイドアセンブリ120の間に区切り要素306がある。これにより、第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120の、独立で別個の動作を実現することができる。
【0037】
本明細書に記載の実施形態によれば、ワイヤガイドアセンブリとワイヤ管理ユニットの分離によって、ワイヤを案内するそれぞれの部分が筐体部分内に設けられる場合に、確実な動作が可能になる。これにより、ワイヤガイドアセンブリまたはワイヤ管理ユニットのうちの1つの筐体部分を開くことができて、操作者がこれらの構成要素に働きかけることができ、一方別の筐体部分は閉じられ、そのため、操作者にいかなる危険も与えることなく高速でワイヤを移送することができる。したがって、本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるいくつかの実施形態によれば、異なる筐体部分が別個の開孔および/またはアクセスドアを有し、そのため、ワイヤガイドアセンブリ、ワイヤ管理ユニットおよび他の構成要素は、依然として動作中の可能性があるが、密閉された環境で動作し、一方、他の構成要素を保守することができ、被加工物をロードまたはアンロードなどすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態にしたがい、図6に示すように、区切りユニット306およびそれぞれの筐体部分は、第1の筐体部分および第2の筐体部分内の構成要素の少なくとも部分が水平に隣り合うように配置されるように形作られる。図6に示すように、ワイヤガイドアセンブリは、支持テーブル610を有する。矢印によって示すように、1つの支持テーブル610がワイヤガイドアセンブリ120の作業区域上で下向きに移動し、一方別の支持テーブル610が同一のワイヤガイドアセンブリ120の別の作業区域に対し上向きに移動することが可能である。
【0039】
上で記載したように、いくつかの典型的な実施形態によれば、ワイヤガイドアセンブリ120の2つのワイヤガイドシリンダ122は、少なくとも1つの被加工物または2つの被加工物の部分を、切断期間にワイヤガイドシリンダ間の区域に配置することを可能にするために、例えば500、600、700またはさらに800mm以上といった、同じ程度に大きい直径を有することができる。
【0040】
本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができるもう1つの実施形態によれば、第1のワイヤガイドアセンブリ120および第2のワイヤガイドアセンブリ120は、必ずしもお互いの上部上に設けられなくてもよい。図7に示すように、第1のワイヤガイドアセンブリは、ワイヤガイドデバイス100の一方の側に設けられ、第2のワイヤガイドアセンブリは、ワイヤガイドデバイスの他方の側に設けられる。これにより、典型的には、ワイヤガイドアセンブリ120は、背中合せにかつ/またはワイヤソーデバイス100の対向する側に設けることができる。
【0041】
ワイヤソーデバイス100は、メインフレーム102および筐体部分104を含む。ワイヤは、対応する、例えば2つのワイヤガイドシリンダ122の上に案内されて、ワイヤウエブとなる。これにより、少なくとも1つの作業区域が設けられ、支持テーブル310により支持される被加工物10は、例えば半導体ウエハといったスライスに切断することができる。ワイヤガイドアセンブリ120は、筐体部分または切断チャンバ108内に設けられる。第2のワイヤガイドアセンブリを他の筐体部分108内に設けることができる。
【0042】
図8は、ワイヤソーデバイスを動作させる方法の典型的な実施形態を例示する。ここでは、ステップ802において、ワイヤソーデバイスの第1のワイヤガイドアセンブリを、筐体の第1の部分内で動作させることができ、第1のワイヤは、ワイヤウエブを形成する。ステップ804において、第2のワイヤガイドアセンブリを筐体の第2の部分内で動作させることができ、筐体の第2の部分は、筐体の第1の部分から独立である。上で記載したように、筐体部分は、お互いに独立して開閉することができ、そのため、ワイヤガイドアセンブリのアクセス開ポートまたはドアが開位置であるとき、1つのワイヤガイドアセンブリの確実な動作を実現することができる。さらなるステップ806および808において、温度、湿度、圧力、ワイヤ速度、被加工物支持テーブル速度、および/またはワイヤ張力などのパラメータは、ワイヤソーデバイスのそれぞれの部分で独立に制御することができる。さらに、ステップ810に示すように、ワイヤソーデバイスのそれぞれの部分は、典型的には共通のユーザインターフェイスを有する共通の制御ユニットにより制御することができる。
【0043】
上記が本発明の実施形態を対象とする一方、本発明の他のさらなる実施形態が、本発明の基本範囲から逸脱することなく考案することができ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲により決定される。
【符号の説明】
【0044】
10 被加工物
11 被加工物
12 被加工物
13 被加工物
14 被加工物
15 被加工物
16 被加工物
17 被加工物
18 被加工物
20 ワイヤ
22 作業区域
100 ワイヤソーデバイス、ワイヤガイドデバイス
102 メインフレーム
104 区画、筐体部分
106 筐体部分
108 筐体部分、切断チャンバ
120 ワイヤガイドアセンブリ
122 ワイヤガイドシリンダ
132 スプール、1次スプール
134 スプール、2次スプール
136 プーリ
142 スラリタンク
143 分配システム
144 ノズル
306 区切り要素、区切りユニット
310 被加工物支持体、支持テーブル
610 支持テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物(10)を鋸で切るためのワイヤソーデバイス(100)であって、
第1の筐体部分と、前記第1の筐体部分から分離されている第2の筐体部分とを含む筐体を支持するためのメインフレーム、
第1のワイヤガイドアセンブリ(120)であって、第1のワイヤ(20)を案内するための少なくとも2つの第1のワイヤガイドシリンダ(122)を有し、少なくとも1つの第1の作業区域(22)を有する少なくとも1つの第1のワイヤウエブを形成し、前記第1の筐体部分により収納される第1のワイヤガイドアセンブリ(120)、
第2のワイヤガイドアセンブリ(120)であって、第2のワイヤ(20)を案内するための少なくとも2つの第2のワイヤガイドシリンダ(122)を有し、少なくとも1つの第2の作業区域(22)を有する少なくとも1つの第2のワイヤウエブを形成し、前記第2の筐体部分により収納されており、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分によって、前記第1のワイヤガイドアセンブリから独立にメンテナンスされる、第2のワイヤガイドアセンブリ(120)、
前記第1のワイヤを案内するための第1のワイヤ管理ユニット、並びに
前記第2のワイヤを案内するための第2のワイヤ管理ユニット
を備えるワイヤソーデバイス(100)。
【請求項2】
前記第1のワイヤガイドアセンブリにスラリまたは冷却流体を分配するための第1のスラリまたは冷却流体分配システム、並びに
前記第2のワイヤガイドアセンブリにスラリまたは冷却流体を分配するための第2のスラリまたは冷却流体分配システム
をさらに備える、請求項1に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項3】
前記第1のスラリまたは冷却流体分配システムに提供されるスラリまたは冷却流体のための第1のスラリまたは冷却流体タンク、並びに
前記スラリまたは冷却流体分配システムに提供されるスラリまたは冷却流体のための第2のスラリまたは冷却流体タンク
をさらに備える、請求項2に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項4】
前記第1のワイヤガイドアセンブリが前記メインフレームの一方の第1の側に設けられ、前記第2のワイヤガイドアセンブリが前記メインフレームの他方の第2の側に設けられ、特に、前記第1の側と前記第2の側が対向する側である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項5】
前記第1のワイヤガイドアセンブリが前記第2のワイヤガイドアセンブリの上方に設けられている、請求項1ないし3のいずれか一項に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項6】
前記第1のワイヤガイドアセンブリが前記第2のワイヤガイドアセンブリに対して水平方向にオフセットされている、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも2つの第1のワイヤガイドシリンダ(122)の直径および前記少なくとも2つの第2のワイヤガイドシリンダ(122)の直径が250mm以上、典型的には300mm〜700mm、より典型的には500mm〜700mmである、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項8】
前記第1のワイヤガイドアセンブリが少なくとも2つの第1の作業区域を備えており、前記第2のワイヤガイドアセンブリが少なくとも2つの第2の作業区域を備えている、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項9】
特にユーザインターフェイスを有するコントローラであって、前記第1のワイヤガイドアセンブリおよび前記第2のワイヤガイドアセンブリを制御するコントローラ
をさらに備える、請求項1ないし8のいずれか一項に記載のワイヤソーデバイス。
【請求項10】
ワイヤソーデバイス(100)を動作させる方法であって、
第1のワイヤガイドアセンブリを、第1のワイヤ(20)を案内するための少なくとも2つの第1のワイヤガイドシリンダ(122)により動作させて、筐体の第1の部分内に少なくとも1つの第1の作業区域(22)を有する少なくとも1つの第1のワイヤウエブを形成するステップ、並びに
第2のワイヤガイドアセンブリを、第2のワイヤ(20)を案内するための少なくとも2つの第2のワイヤガイドシリンダ(122)により動作させて、前記筐体の前記第1の部分から独立している前記筐体の第2の部分内に、少なくとも1つの第2の作業区域(22)を有する少なくとも1つの第2のワイヤウエブを形成するステップであって、前記第1の筐体部分および前記第2の筐体部分により、前記第1のワイヤガイドアセンブリと前記第2のワイヤガイドアセンブリがお互いに独立してメンテナンスされるステップ
を含む方法。
【請求項11】
前記筐体の前記第1の部分内の温度、湿度および/または圧力を前記筐体の前記第2の部分内の温度、湿度および/または圧力から独立して制御するステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
典型的には1つのユーザインターフェイスを有する共通のコントローラによって、前記第1のワイヤガイドアセンブリおよび前記第2のワイヤガイドアセンブリの動作を制御するステップ
をさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記筐体の前記第2の部分内で被加工物を切断する間に前記筐体の前記第1の部分内の被加工物を交換するステップ、または前記筐体の前記第1の部分内で被加工物を切断する間に前記筐体の前記第2の部分内の被加工物を交換するステップ
をさらに含む、請求項10ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記筐体の前記第2の部分内で被加工物を切断する間に前記筐体の前記第1の部分内で構成要素またはワイヤウエブをメンテナンスするステップまたは前記筐体の前記第1の部分内で被加工物を切断する間に前記筐体の前記第2の部分内で構成要素またはワイヤウエブをメンテナンスするステップ
をさらに含む、請求項10ないし13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のワイヤガイドアセンブリが少なくとも2つの第1の作業区域(22)を提供し、第1の被加工物が前記少なくとも2つの第1の作業区域(22)の第1の作業区域に対して第1の方向に動かされ、別の被加工物が前記少なくとも2つの第1の作業区域(22)の第2の作業区域に対して前記第1の方向に反対である第2の方向に動かされる、請求項10ないし14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−94958(P2013−94958A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−236576(P2012−236576)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【出願人】(512272292)
【Fターム(参考)】