説明

2次元コードパターン、2次元コード作成方法、2次元コード作成装置及び印刷媒体

【課題】 文書のレイアウトを損なうことなく、しかもコストアップ無しで印刷文書21に印刷した文書にさまざまな手書き入力装置を利用して手書きで加筆した情報を正確に取得し、元の電子文書にその情報を反映させることができる2次元コードパターンを提供する。
【解決手段】 文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷文書21の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードにおいて、印刷文書21に形成される第一の2次元コード22と、印刷文書21の所定領域40に形成され、第一の2次元コード22とは異なる態様とされる第二の2次元コード41を形成する。これにより、ペン型入力座標装置だけでなく、従来、ドットパターンを利用して手書き入力を行っていたパッド型座標入力装置やMFPなどにおいてもバーコードを利用して手書き入力を行うことができるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書の固有情報及び文書の位置情報を含む2次元コードパターンと、そのような2次元コードの作成方法、2次元コード作成装置、及び2次元コードが印刷された印刷媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙などの印刷媒体上に、符号化した座標情報を含む2次元コードを配置することによって、その印刷媒体上に形成された画像情報の位置や内容を特定する技術が知られている。従来の1次元バーコードが横(水平)方向のみにしか情報を持たなかったのに対し、2次元コードは水平と垂直の2方向に情報を有するので、より複雑な情報を表すことができる。
2次元コードをより有効に活用すべく、2次元コードとともに別の画像情報を読み取り、読み取った情報をコンピュータなどの処理装置に入力して処理する技術も提案されており、光学的に読み取り可能な2次元コードシンボルを紙面にマトリックス状に並べ、小型カメラを備えたペンで紙面に加筆すると同時に、カメラで2次元コードシンボルを読み取って座標情報を取得する技術が知られている(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、X座標、Y座標、コードの方向を表すパターンと、ホーミングパターンと呼ばれるその他のパターンより大きくて、コードの中心に配置されたパターンとからなり、それらは人の目にはみえないようにする技術が提案されている。
また、特許文献3には、ドットを所定の位置からずらすことにより、1ドットで2ビット以上の情報を有することができる2次元コードが開示されている。このような2次元コードは、水平垂直方向の座標情報を有し、紙全体に連続的にドットが印刷されており、これを読み取ることにより、2次元コードがどの座標情報を有しているかを取得するようにしている。
また、特許文献4には、ペン型座標入力装置で読み取るドットパターンに加えて、別のバーコードを文書に印刷し、それをパッド型手書き入力装置のコードリーダやMFPのスキャナを用いて読み取り、手書き入力を行うシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2000−293303公報
【特許文献2】米国特許第5661506号
【特許文献3】WO00/73981
【特許文献4】特開2002−312478公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1では、2次元コードの大きさが大きくなるため、広い範囲の紙面を光学ペンで撮影しなければならず、被写界深度などの問題で読み取った画像の品質が良くなく、2次元コードを連続的に読み取ることが難しくなる。また、2次元コードは筆記中の紙面をカメラで撮像し、デコードするために作られたものではなく、汎用の2次元コードであるため、デコード処理に時間がかかり、リアルタイムで処理を行うことが難しいという欠点がある。特に、特許文献1の目的の一つは連続的な加筆情報を取得することであるため、2次元コードを読み取り、座標位置を連続的に取得できなければ、加筆情報の不連続点が発生し、正しい加筆情報が得られないという欠点がある。
また特許文献2に提案されている2次元コードは、赤外インクなどの不可視インクを使用して印刷を行うようにしているため、一般の印刷装置を使用して印刷することができない。このため、ユーザが印刷したい文書の情報を印刷時に印刷媒体に埋め込むためには別のバーコードを重畳して印刷するなどの他の手段が必要になると共に、文書に加筆する前に必ずそのバーコードを読ませる必要があり、ユーザにとって不便になる。また、仮にバーコードを読む作業を忘れて別の文書に加筆を行うならば加筆情報と電子文書とのリンクが矛盾を起こして重大な問題となる。また、仮に可視インクで印刷したとしても他のパターンより大きいパターン(マーク)を使用しており、人の目につきやすく、文書や加筆の可読性が損なわれるといった問題がある。
【0004】
また、特許文献3では、2次元的に等間隔な点からドットをずらして配置することにより、1ドットに2ビット以上の情報を乗せ、6×6のドットでそのコードの位置情報を有する2次元コードを開示している。この技術は、位置をずらす量が30μmと非常に小さく、一般に普及しているレーザープリンタの解像度(1200dpi)では、紙送りの精度、感光体の回転速度のむら等により正しいずれ量を再現することが難しい。したがってこの2次元コードの場合も予めオフセット印刷等の印刷技術を利用して2次元コードを印刷した紙を用意する必要があるため、上記した特許文献2と同等の問題が発生する。
また、特許文献4は、ドットパターンを利用し、パッド型座標入力装置やMFPは別のバーコードを利用して手書きを入力するような構成となっている。このため、バーコードが大きくなり、文書のレイアウトが制限される、文書に表示される情報量が減る、バーコードが目障りになるなどの欠点あった。さらに、異なるコードを読み取る必要があるため、コードをデコードする装置が複数種類必要になりコストアップを招くといった欠点もあった。
そこで、本発明の目的は、文書のレイアウトを損なうことなく、しかも大幅なコストアップ無しで印刷媒体に印刷した文書にさまざまな手書き入力装置を利用して手書きで加筆した情報を正確に取得し、元の電子文書にその情報を反映させることができる2次元コードと、そのような2次元コードを作成するための2次元コード作成方法と2次元コード作成装置、2次元コードが記録された印刷媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードにおいて、前記印刷媒体に形成される第一の2次元コードと、前記印刷媒体の所定領域に形成され、前記第一の2次元コードとは異なる態様とされる第二の2次元コードと、からなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
【0006】
請求項7記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きくしかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードを作成する2次元コード作成方法において、前記印刷媒体に第一の2次元コードを作成するステップと、前記印刷媒体の所定領域に前記第一の2次元コードとは異なる態様の第二の2次元コードを作成するステップとを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、前記第二の2次元コードは、第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項11記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項14記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、しかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする。
【0007】
請求項15記載の発明は、文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードを作成する2次元コード作成装置において、前記印刷媒体に第一の2次元コードを作成する第一の2次元コード作成手段と、前記印刷媒体の所定領域に前記第一の2次元コードとは異なる態様の第二の2次元コードを作成する第二の2次元コード作成手段と、を備えることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする。
請求項17記載の発明は、前記第二の2次元コードは、第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項18記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項19記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項20記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項21記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、しかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする。
【0008】
請求項22記載の発明は、文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードが印刷された印刷媒体において、前記印刷媒体に形成される第一の2次元コードと、前記印刷媒体の所定領域に形成され、前記第一の2次元コードとは異なる態様とされる第二の2次元コードとが形成されていることを特徴とする。
請求項23記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする。
請求項24記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項25記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項26記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする。
請求項27記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする。
請求項28記載の発明は、前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きくしかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、文書が印刷される印刷媒体に第一の2次元コードを形成し、印刷媒体の所定領域に第一の2次元コードとは異なる態様とされる第二の2次元コードを形成するようにしている。これにより、ペン型入力座標装置だけでなく、従来、ドットパターンを利用して手書き入力を行っていたパッド型座標入力装置やMFPなどにおいてもバーコードを利用して手書き入力を行うことができるようになるので、印刷媒体に印刷した文書に手書きで加筆した場合においても、さまざまな手書き入力装置を利用して手書きで加筆した情報を正確に取得し、元の電子文書にその情報を反映させることができるようになる。
また、従来のようにバーコードの場合に比べて文書のレイアウトが制限されるのを最小限に抑えることができる。また、本発明によれば、コードをデコードする装置はドットパターンを読み取る読取装置だけでよいため、大幅なコストアップなしに実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る印刷文書の平面図である。
この図1において、第一の2次元コードである2次元コード22は複数の黒ドットで構成される光学的に読み取り可能なコードであり、縦横に規則的に配列された黒ドットを境界としてマトリクス状に並べられており、印刷文書21の印刷時には文書と2次元コード22のパターンが同時に印刷される。2次元コード22には、例えば印刷文書21の2次元コード22が印刷されている面における印刷された文書の原本となる電子文書の識別(ID)情報と2次元コード22の座標を意味する情報がエンコードされている。なお、図1においては説明上、文書は図示せず、行間や余白などの2次元コードのみが印刷された部分を示している。
例えば、図1の左上のコードシンボル(2次元コード)22aには「水平座標=95、垂直座標=10、文書ID=10」がエンコードされ、2次元コード22bには「水平座標=96、垂直座標=10、文書ID=10」、2次元コード22cには「水平座標=95、垂直座標=11、文書ID=10」、2次元コード22dには「水平座標=96、垂直座標=11、文書ID=10」とエンコードされている。
【0011】
図2は、2次元コードのドットの大きさ、及びドットの間隔を示した図であり、この図を用いて、2次元コードのドット及びコードの大きさについて説明する。2次元コード22及び境界を構成するドット23は、プリンタの最小ドット24の2×2単位で印字される。1200dpiのプリンタならば、プリンタの最小ドット径は21μmであるので、2次元コード22のドットの直径は理想的には42μmとなる。実際にはドットゲインがあるため直径はもう少し大きくなる。ドット直径の6倍の間隔を置いて水平・垂直方向にドット23を配置する位置を決定する。この場合、ドット配置位置にすべてのドットが存在する場合でもドットの占める面積率は理想的には2.8%、50%程度のドットゲインを見込んでも5%に満たない。この面積率は人の目には明るい灰色に見えるのでドットに邪魔されて文書が見えにくいとか、加筆した文字が見えにくいなどという問題は起こらない。
以上のようにコードの配置を決定すると2次元コード22は水平2mm、垂直3mm角の大きさを有し、水平座標=95ということは、2次元コードの左上の角が紙面の左上を原点として水平方向に190mmの位置にあるということを意味する。詳しくは後述するが、水平2mm、垂直3mm角の大きさは、A4サイズの用紙と相似の大きさであり、水平・垂直座標情報を格納するデータ長を有効に使うことが可能になる。
同様に垂直座標=10は、2次元コードの左上の角が紙面の左上を原点として垂直方向に30mmの位置にあるということを意味する。
文書IDは、元の電子文書の固有情報、例えば電子文書が格納されているデータベースの識別IDである。即ち、2次元コード22はその左上の角(垂直線H1と水平線V1の交点)が、紙面左上から水平190mm、垂直30mmの位置にあり、印刷されている文書はそのIDが「10」であるという情報を有する。
【0012】
図3は、2次元コードのデータ配置領域を示した図であり、この図を用いて2次元コード22に配置するデータの詳細に説明する。2次元コード22aはコード枠を構成するH1、H2、V1、V2に囲まれた7×11のセルを有する。セルとはドットを打つことのできる単位をいい、最大77個のドットを含む。
領域31は水平座標を表すデータを配置する領域であり4×2のセルを有する。1セルは1ビットに相当するので領域31は1バイトの容量を有する。
領域32は、垂直座標を表すデータを配置する領域であり、水平座標と同様に1バイトの容量を有する。A4サイズの用紙は水平210mm、垂直297mmの大きさがある。また2次元コード22の一つの大きさは、水平2mm、垂直3mmであるので水平方向には105段階、垂直方向には99段階のデータが必要になるが、1バイトで十分な容量を満たしている。用紙サイズがA3の場合には、水平297mm、垂直420mmの大きさであるので、水平方向に148段階、垂直方向に120段階のデータが必要になる。この場合も1バイトのデータ容量があれば十分である。同様にA2サイズの場合でも、水平420mm、垂直594mmの大きさであるので、水平方向に210段階、垂直方向に198段階のデータが必要であるが、この場合も1バイトのデータ容量で収まる。このように紙の縦横の長さの違いに応じて2次元コードの縦横の長さを決定すると水平・垂直座標を表すデータ長を同一の一定サイズに固定しても幅広いサイズの用紙に対応できるようになっている。
領域33は文書IDをあらわすデータを配置する領域であり、4×6の24ビット(=3バイト)の容量を有する。領域34〜37は誤り訂正用の符号を配置する領域であり、それぞれ1バイトずつの容量を有する。したがって誤り訂正用符号は合計4バイトで構成される。領域38、39はコードの上下方向を表すためのパターンで、領域38は3×1の黒ドット、領域39は2×1のドット無しのパターンでコードの上下を判別するのに使用される。
【0013】
図4は、各データのビット列がどのように配列されるかを示した図である。なお、この図3の領域31〜領域37に示されているで「1」はMSB、「8」はLSBをそれぞれ示している。
図5は本実施の形態としての文書管理システムの構成を示した図である。
この図に示す文書管理システムは、プリンタ1、複写機2、スキャナ3、情報処理装置4、記憶装置5、文書管理データベース6、ペン型座標入力装置7、パッド型座標入力装置8、情報処理装置9、2次元コード作成装置10より構成され、これらがネットワークを介して接続されている。
プリンタ1は印刷を行う印刷装置、スキャナ3は画像の読み取りを行う読取装置、複写機2は、例えばコピー、スキャナ、ファックス、プリンタなどの機能を備えた複合機とされる。情報処理装置4はペン型座標入力装置7及びパッド型座標入力装置8の制御を行い、情報処理装置9は記憶装置5の制御を行う。なお、ペン型座標入力装置7の構成は後述する。2次元コード作成装置10は2次元コードを作成する。なお、2次元コード作成装置10の詳細は後述する。
【0014】
次に、図5に示した文書管理システムにおいて、上記した2次元コード22を作成し、印刷すべき文書に重畳する印刷データとし、文書を印刷するまでの手順を、図6〜図9を用いて説明する。なお、2次元コード22の作成は、図5に示した情報処理装置4、9で文書11の印刷命令を実行したときに、情報処理装置4、9内のプリンタドライバで実行される。
この場合、プリンタドライバは、まず記憶装置5内の文書管理データベース6に問い合わせて印刷しようとする文書11のページ毎の文書IDを発行してもらう(S1)。文書IDを発行してもらったら、それと文書上の座標情報とを合わせてエンコードすべきデータを取得する(S2)。例えば、図7(a)に示す文書IDは「123456」、座標情報(X,Y)はmm単位(24,123)という具合である。次にデータをエンコードする(S3)。これにより、文書IDは、図7(b)に示すように、6桁の数字を3バイトのバイナリ値に変換する。また、水平座標は24/2=12、垂直座標は123/3=41と、水平・垂直それぞれ1バイトずつで収まるように変換する。座標情報はこのように2バイトのバイナリ値に変換し、文書IDと合わせて計5バイトのデータとする。そしてエンコードした後、エンコードデータを元に誤り訂正符号を追加する(S4)。図7(c)に示す例では、5バイトのデータに対して4バイトの誤り訂正符号を付加している。この誤り訂正符号にはリードソロモン符号を採用する。リードソロモン符号は、バイト単位の誤りを訂正できる強力な誤り訂正方式であり、誤り訂正符号長の半分以下の誤りを訂正することができる。なお、リードソロモン誤り訂正符号の詳細については、昭晃堂「符号理論(コンピュータ基礎講座18)」宮川、岩垂、今井共著など、多数の書籍に記されている。本実施の形態の場合には、図7(c)に示すように誤り訂正符号長が4バイトなので2バイトの誤り訂正が可能である。
【0015】
次に、このようにして作成したエンコードデータ及び誤り訂正符号データが所定範囲の座標かどうかの判別を行い、所定の範囲外と判別した場合、例えば図8(a)の左下点線で囲った領域40の外側と判別した場合は、ステップS6に進み、第一のマトリクス配置により2次元コード22の各セルに割り当てられる。なお、図8に示す印刷文書21については後述する。
一方、座標が所定の範囲内と判別した場合、例えば図8(a)の左下点線で囲った領域40の内側ならばステップS7に進み、第二のマトリクス配置により第二の2次元コードである2次元コード41を割り当てるようにしている。即ち、先に説明した2次元コード22とは異なるドットサイズやドット間隔、色を変えてデータを2次元コード41の各セルに割り当てるようにする。例えば、2次元コードのドットのサイズを先に図2に示したドットの2倍、ドット間隔を1.5倍として2次元コード41を生成する。図9は、所定領域における2次元コード41のドットの大きさ、及びドットの間隔を示した図であり、2次元コード41及び境界を構成するドット42の直径は、2倍の84μmとなり、ドット42、42間の間隔は1.5倍の378μmとなる。
そして、図6に示すステップS8において、1ページ分の2次元コードの作成が終了したかどうかの判別を行う。そして、1ページ終了したら次のステップS9において、全ページ終了したかどうかの判別を行い、全ページ終了したら処理を終えることになる。なお、ステップS8において1ページ分の2次元コードの作成が終了していないと判別した場合は、ステップS2に戻って処理を行う。またステップS9において全ページ分の2次元コードの作成が終了していないと判別した場合、ステップS1に戻って処理を行うようにする。
これにより、2次元コードがページ全体に配置されたマトリクスの画像を作成することができる。その後、プリンタ1や複写機2のプリンタ部を使用して印刷を行う。印刷が正常に終了したら文書管理データベース6内のID管理テーブルに正常に印刷された文書、ページ、文書ID等の情報の登録を行うようにする。
【0016】
図10は、上記2次元コードを作成し、印刷すべき文書に重畳する印刷データとし、文書を印刷するまでの一連の作業を作業者から見たフローである。
この場合、まず、図5に示す文書管理システムの記憶装置5に保存されている文書11を編集し(S11)、印刷命令を出して、プリンタ1や複写機2で文書の印刷を実行させる(S12)。印刷が正常に終了したならば(S13)、印刷に成功した文書IDを文書管理データベース6内のID管理テーブルに登録する(S14)。
図8は、2次元コード付きで印刷された文書の一例を示した図であり、図8(a)に示す印刷文書21は、例えば所定のフォーマットを有する帳票文書であり、背景には2次元コード22が印刷されている。印刷文書21の一部を拡大したものが図8(b)に示す図であり、2次元コード22のコード枠を兼ねるアライメントドットと、枠内に配置されるデータドットが示されている。
また、これまで説明した2次元コード22の作成は、ソフトウェア(プリンタドライバ)で作成するだけでなくハードウェア(図5に示す2次元コード作成装置10)を用いて作成することもできる。
ここで、2次元コードを作成し印刷すべき文書に重畳する印刷データとするための2次元コード作成装置10について説明する。
【0017】
図11は、2次元コード作成装置の機能ブロック図である。
この図11に示す2次元コード作成装置10は、文書ID取得手段51でまず記憶装置5内の文書管理データベース6に問い合わせて印刷しようとする文書11のページ毎の文書IDを発行してもらう。文書IDを発行してもらったら、それと文書上の座標情報とをあわせてエンコードすべきデータを座標データ生成手段52において作成する。例えば、文書IDは「123456」、座標情報はmm単位(24,123)という具合である。次にデータを符号化手段53においてエンコードする。文書IDは、先にも述べたように、6桁の数字を3バイトのバイナリ値に変換する。また、水平座標は24/2=12、垂直座標は123/3=41と、水平・垂直それぞれ1バイトずつで収まるように変換する。座標情報はこのように2バイトのバイナリ値に変換し、文書IDとあわせて計5バイトのデータとする。データをエンコードした後、誤り訂正符号追加手段54においてエンコードデータを元に誤り訂正符号を追加する。この場合も先と同様、リードソロモン符号を採用する。このようにして作成したエンコードデータ及び誤り訂正符号データは第一の2次元コード生成手段55において、所定の範囲以外の座標(図8の左下点線で囲った四角形の領域40の外側)を表すデータを有するエンコードデータ及び誤り訂正符号データを2次元コード22の各セルに割り当てて画像化する。このとき生成される画像は文書11のページ全体と同じ大きさを有し、四角形の領域40内には2次元コードは存在しない。また、第二の2次元コード生成手段56において、所定の範囲内の座標(図8の左下点線で囲った四角形の領域40の内側)を表すデータを有するエンコードデータ及び誤り訂正符号データを、先に説明したように図2に示した2次元コード22とは異なるドットサイズやドット間隔、色を変えて2次元コード41の各セルに割り当てて画像化する。例えば、図9に示したようにドットのサイズを2倍、ドット間隔を所定の範囲外の場合と比較して1.5倍として2次元コード41を生成するようにしている。
このとき生成される画像は図2の左下点線で囲った四角形の領域40と同じ大きさを有する。最後にコード合成手段57において、第一の2次元コード生成手段55と第二の2次元コード生成手段56で生成されたコード画像を四角形の領域40の部分で合成して1ページの2次元コード画像を作成する。このようにして、本発明の特徴である2つの態様が異なる2次元コード22、41がページ全体に配置されたマトリクスの画像ができあがる。図8に示した画像の四角形の領域40付近の拡大図を図12に示す。その後、プリンタ1や複写機2のプリンタ部を使用して印刷を行う。印刷が正常に終了したら文書管理データベース6内のID管理テーブルに正常に印刷された文書、ページ、文書ID等の情報の登録を行うようにすればよい。
【0018】
さて、2次元コードつきの文書は印刷できたので、次に筆記を行うとともに紙面の画像を撮像して2次元コードをデコードして座標情報を得るペン型座標入力装置7の概略構成を図5に示すブロック図を用いて説明する。
図5に示すペン型座標入力装置7は、人が手に持って筆記動作を行うことができる筆記具状の装置本体61を備えている。この装置本体61の先端部62には、筆記具63、即ち、ボールペン、シャープペンシルの先端部分等が取り付けられており、文書に加筆可能である。装置本体61側に設けられた画像読取装置64は、CCDなどの光電変換素子64aと、レンズなどからなる光学系64bとから構成され、印刷文書21上の画像を読み取るようにしている。なお、画像読取装置64には必要に応じて照明を設けることができる。CCDの読み取り解像度は320×240画素とする。
装置本体61には、マイコン65が搭載され、マイコン65には画像読取装置64が接続されている。マイコン65は、画像読取装置64で読み取った印刷文書21上の画像に基づいた各種処理を行う。即ち、読み取った2次元コード22をデコードし、2次元コードの紙面上の座標を検出する(詳細については後述する)。またマイコン65は、装置本体61の外部になるPCなどの情報処理装置4と接続可能であり、マイコン65内に蓄積したデータを情報処理装置4に出力可能である。なお、図6では画像読取装置64や、マイコン65などに電力を供給する電源、マイコン65と情報処理装置4とのインタフェースなどは図示を省略している。
【0019】
マイコン65は、図13に示すように、バス70を介してCPU71、ROM72、RAM73、2次元コード読取装置74が接続されている。ROM72には、図5に示すペン型座標入力装置7の動作を制御するプログラムやマイコン65を動作させるプログラムが予め内蔵されている。RAM73は画像読取装置64から読み取った画像や、コード読み取り中に生成される中間データ、2次元コードをデコードした際に得られる文書IDや座標などを一時的に保存する。
2次元コード読取装置74は、図14に示すように構成され、RAM73に記憶された画像から2次元コードを検出し、読み取って文書IDや座標を検出する作業を行う。なお、2次元コード読取装置74については後述する。
図5に示すマイコン65には、LCD表示装置66、LED67、あるいはブザー68が接続されている。これにより、マイコン65は、情報処理装置4から受信した情報をLCD表示装置66に表示したり、あるいは特定の情報を受信した場合にはLED67を点滅させたり、ブザー68を鳴らしたりして外部に通知することができるようになっている。
装置本体61には、ペン型座標入力装置7の先端部62が筆記面に接触しているかどうかを検出する圧力センサ69が設けられている。圧力センサ69は、先端部62が筆記面に接触することにより、筆記具63を介して伝達される圧力を感知し、感知した情報をマイコン65に伝送する。
このように構成されるペン型座標入力装置7を用い、印刷文書21上での先端部62の位置検出を連続的に行えば、印刷文書21上での先端部62の移動軌跡を求めることができる。また、ペン型座標入力装置7の先端部62が筆記面に接触しているかどうかを検出する圧力センサ69によって、紙面上に筆記を行ったときの筆記軌跡を忠実に求めることができる。もし2次元コードが存在しない文書にペン型座標入力装置7の読み取り対象ではない文書に加筆する場合、筆記中にもかかわらずコードを読み取ることが不可能であるので読み取り不能の表示をLCD表示装置66またはLED67を用いて行い、ユーザに通知する。
【0020】
次に、2次元コードの読み取りの動作について詳述する。
図14は2次元コード読取装置74の構成を示した図である。この2次元コード読取装置74は、先にも述べたように、図5に示したペン型座標入力装置7の内部のマイコン65に内蔵されている(図13参照)。
この図14に示す2次元コード読取装置74では、画像読取装置64で読み取られた紙面の画像(8ビット画像)がドット検出器81に入力され、ドット検出器81において2次元コード22のドット検出を行うようにする。コード枠検出器82では、ドット検出器81において検出されたドットから画像内にある複数の2次元コード22から一つの2次元コード22の枠とその位置を検出する。読み取った画像例を図15に示す。
コード枠検出器82において2次元コード22の位置を検出できたときは、データ取得器83において、2次元コード22の各白黒セルに応じて「0」または「1」のデータを取得し、2次元コード22のデータ配置規則に従ってデータの並べ替えを行う。
データ置換器84は、取得したデータに対して、連続筆記検出器91から出力される連続筆記中であるか否かの信号により、既知情報メモリ88から既知の文書IDを読み出し、データ置換器84において2次元コード22から取得したデータの文書IDに相当する部分を既知の文書IDで置き換える。
【0021】
連続筆記検出器91には、筆記検出器92の検出情報が入力される。筆記検出器92には、ペン型座標入力装置7による加筆時においてペン先に感じる圧力を検出する圧力センサ69の出力信号が入力され、筆記中か否かを判定する。そして筆記の状態が所定時間以上続いたときは連続筆記中であると判断し、それ以外の場合は連続筆記中ではないと判断して、その検出結果を連続筆記検出器91に出力する。
誤り訂正器85は、データ置換器84の出力に対して誤り訂正を行う。誤り訂正器85からは、誤り訂正が成功したか否かの判定情報と誤り訂正後のデータが出力される。この誤り訂正されたデータは文書IDと座標情報である。
誤り訂正器85から出力された誤り訂正の判定情報は、データ復号器86、ペン先座標算出器87、既知情報メモリ88へ入力され、それぞれの機器の制御に使用される。
データ復号器86では、誤り訂正の判定情報が誤り訂正成功であればデータ復号器86は動作する。誤り訂正失敗であればデータ復号器86は動作しない。ペン先座標算出器87は誤り訂正の判定情報が誤り訂正成功であり、且つ、筆記検出器92の出力が筆記中であれば、ペン先座標を算出して出力するが、誤り訂正失敗の場合や筆記中でない場合ならば現実にはありえない座標値(−1,−1)等を出力する。また、既知情報メモリ88では、誤り訂正が成功である場合、誤り訂正された情報の文書IDに相当する部分を新たに保存する。
【0022】
ここで、データ置換器84におけるデータ置き換えの具体例を図16に示す。
この場合、第一行目には正しいデータをエンコードして誤り訂正符号を生成した時のデータが示されている。また第二行目には画像から2次元コード22を抽出して2次元コードのドットからデータを再構成した観測データが示されている。ここで、観測データのY座標と、ID情報の1、2番目に誤りがあるとすると、この場合は誤りが三つあるため、後段の誤り訂正器85で誤り訂正を行う事ができなくなってしまう。
そこで、誤り訂正器85において誤り訂正を行う事ができなくなるのを防止するため、第三行目に示すように文書IDを既知情報メモリ88に記憶されている既知情報に置き換えるようにしている。これにより、ID情報の部分の誤りがなくなり、Y座標の1バイトだけが誤りとなり、誤り訂正が可能となって正しい座標情報、ID情報が得られるようにしている。
誤り訂正に成功したデータは、データ復号器86により、紙面上の座標情報と文書IDに復号される。紙面上のIDは、水平座標=24mm、垂直座標=123mm、文書ID=23となる。この座標及びデコードに成功した2次元コード22の画像上の座標を用いてペン先座標算出器87は、ペン先の紙面上での座標を算出する(詳細は後述)。これによりペン型座標入力装置7の先端部62の位置が確定する。
【0023】
次に、図17〜図19を用いてドット検出器の動作を説明する。
ドット検出を行う領域は、図17に示す領域102とされる。領域101は画像領域全体(320×240画素)であり、領域102は280×220画素の領域である。このようにドット検出を行う領域を、最外周の領域101でなく領域102において検出を行うようにしているのは、最外周の領域101では画像品質が良くなく正しいドット検出を行うことが難しいことと、リアルタイム処理のためにできるだけ無駄な処理をしたくないから、画像領域全体ではなくそれより小さい領域102においてドット検出を行うようにしている。ここで、図18に示す注目画素Zの周囲の斜線で記された画素(A〜H)には既に検出されたドットが存在せず、且つ、注目画素Zの画素値が周囲画素(I〜X)のどの画素値よりも所定の閾値Thよりも小さい場合に注目画素Zを2次元コード22のドットとであるとして検出する(入力画像が、黒=0、白=255を表すとする)。所定の閾値Thの設定であるが、閾値Thは小さければ小さいほどドットを検出しやすくなるが、同時にノイズもドットとして検出してしまい、検出したデータに誤りが起きる可能性がある。また、閾値Thが大きければノイズを検出せずに確実に誤りを減らすことができるがコード枠を検出することが難しくなり座標取得率が低下する。図19に閾値Thの大きさに応じた座標取得率を示す。文書IDを置き換えた場合と置き換えない場合との両方のデータを示しておく。
【0024】
次に、図20〜図22を用いて、コード枠検出器の構成について説明しておく。
図20はコード枠検出器の構成を示した図である。また図21はコード枠検出器の検出経路を示した図である。
図20に示すように、コード枠検出器82は、ドットを検出した画像から、或るドットXがコードのコーナーであるか否かを判定する第一コーナー検出器111と、その第一コーナーからドットで構成されるコード枠の8画素分を4方向に追跡して第二コーナー候補画素(B,D)を検出する第一ドット追跡器112とを備える。そして、第一ドット追跡器112で検出された第二コーナー候補画素が第二コーナーであるか否かを検出する第二コーナー検出器113と、第二コーナーからドットで構成されるコード枠の12画素分を第一ドット追跡器112のドット追跡方向(時計回り方向)に追跡して、第三コーナー候補画素(G,E)を検出する第二ドット追跡器114とを備える。さらにこの第二ドット追跡器114で検出された第三コーナー候補画素が第三コーナーであるか否かを検出する第三コーナー検出器115と、その第三コーナーからコード枠の8画素分を第二ドット追跡器114のドット追跡方向(時計回り方向)に追跡し第四コーナー候補画素(C,A)を検出する第三ドット追跡器116と、この第三ドット追跡器116で検出された第四コーナー候補画素が第四コーナー画素であるか否かを検出する第四コーナー検出器116と、さらに第一コーナーと第四コーナーとの間のコード枠を構成するドットを検出する第四ドット追跡器118とを備える。このコード枠検出器82により、最大2つの2次元コード22のコード枠を検出し、それを構成するドットの画像上の座標を検出することができる。
【0025】
ここで、第一コーナー検出器111の動作を、図22を用いて説明する。
第一コーナー検出器111は、図22(a)で示すようにドットが存在する注目画素の周囲で4つ以上のドットが存在するか否か検出する周囲ドット検出器121と、検出された周囲ドットから注目画素を点対称とする二組のドットペアを検出する点対称ペア検出器122から構成される。周囲ドット検出器121は、図22(b)に示す注目画素Nを中心とする17×17画素の中で注目画素Nの周囲に存在するドットを検出する。図22(b)の場合、A〜Fの6画素が存在する。これが周囲ドット画素として検出される。それらA〜Fのうちで、Nとの距離が近く、その中間点がNに近いものを二組検出する。例えば図22(b)の場合、(B,D)、(C,F)の二組がそれに相当する。A及びEはノイズであると判断され除去される。このようにして注目画素のドットN及び周囲の二組の点対称ペアが検出されると、注目画素Nは第一コーナーとして検出される。この第一コーナー検出器111が検出対象とする領域は、図18に示す180×120画素の領域103であり、画像領域101の縦横それぞれほぼ半分の大きさを有する。また、ドットを検索する方向は通常のラスター走査ではなく、図23に示すように内側から外側への渦巻き走査となる。この理由は、画像の中央付近が周囲と比較して画像の品質が優れていてドットの検出が確実に行われる確率が高いため、画像の中央またはその付近からコードパターンを検出するほうが短時間で検出できる可能性が高くなる。そのため、リアルタイム処理に非常に有利となる。
第一コーナー検出器111が動作する領域103が画像全体の領域101やドット検出器81の動作領域102より小さい理由は、コードパターンが領域102の中に存在する場合、コードパターンの最も画像の内側に存在するコーナーの存在範囲を領域103としているためである。
【0026】
次に、ドット追跡器の詳細を図24により説明する。まず、図24を用いて第一ドット追跡器112の詳細を説明する。図24は2次元コードのコーナー付近を構成するドットを示したものである。Xはコーナードット、その他のA〜Iはコード枠を構成するドットである。まず、XからDEFの方向へドットを追跡することにする。簡単のため、A〜I、Xをそれぞれ座標ベクトルとみなし、Y=2D−Xを計算する。
YはドットEの推定ベクトルである。A〜Dは第一コーナー検出器111で既に検出されているので既知である。Yの周囲5×5画素においてドットEを探索する。Eが存在すれば、Y=2E−Dを計算する。今度、YはドットFの推定ベクトルである。この追跡を7回繰り返して第二コーナー候補画素を検出する。
追跡方向は4方向(図21:X→A、X→B、X→C、X→D)存在し、検出された第二コーナー候補画素すべての情報を第二コーナー検出器に転送する。
第二コーナー検出器113は基本的な動作は第一コーナー検出器111と同一である。ただ、入力する注目画素となるドットが複数(最大4)存在する可能性があることである。その中で検出される第二コーナーは最大2である(図21:B、D)。
第二ドット追跡器114の基本的な動作は第一ドット追跡器112と同一である。異なるのは追跡を開始するドットは二つあり、各ドットあたり一つの方向の追跡を行う(図21:B→G、D→E)のと、各追跡あたりドット追跡操作を11回繰り返すことである。このようにして、第三コーナー候補画素(図21:G、E)を検出する。
【0027】
第三コーナー検出器115は第二ドット追跡器114で追跡できた第三コーナー候補画素(図21:G、E)が第三コーナーであるか否かを検出する。基本的な動作は前記第一、第二コーナー検出器111、113と同一である。第三コーナー検出器115が図21に示すG、Eを第三コーナーであると検出したとする。
第三ドット追跡器116は二つの方向(図21:G→C、E→A)にドット追跡を行うことである。追跡回数は第一ドット追跡器112と同じ7回、第四コーナー候補画素として図21:C、Aを検出する。
第四ドット追跡器118は第二ドット追跡器114と同一構成であり、図21に示すC→X、A→Xの方向に11回追跡してXに至る。Xはすでに第一コーナーであることがわかっているので、図21に示す追跡経路(1)、追跡経路(2)によりコード枠が検出されたことになる。このようにして2次元コードのコード枠を検出する。2次元コードのデコードの際にどちらのコードを使うかは、画像上のコード中心の水平座標が大きい方を優先する。このコードがデコードできなかった場合はもう一方のコードを使用してデコードを実行する。
上記第一ドット追跡器112、第二ドット追跡器114、第三ドット追跡器116、第四ドット追跡器118が追跡する画像領域は図18の領域104(260×200画素)である。ドットを検出した領域102より少しだけ小さいのは、第一、第二、第三、第四コーナー検出器111、113、115、117においてコーナー検出に使用するアルゴリズムがコーナードットを中心として17×17画素の領域を使用して、その範囲で点対称ペアドットを検出するためである。
【0028】
次に、図14に示すデータ取得器83を図25により説明する。
図25では、コード枠のコーナーの4点を除いてa1〜a7、b1〜b11、c1〜c7、d1〜d11とする。コードのデータを取得するには、これらを結ぶ水平線と垂直線の交点を検出する。つまり、a1とc1を結ぶ直線とb2とd2を結ぶ直線の交点の座標を検出する。そして、この交点の座標を中心にして3×3がその領域においてドットの有無を検出する。図25の場合はドット無しとなり取得されるデータは「0」となる。これをコード全データに対して行ってコードデータを取得し、データ配置規則(図4)に従ってデータを再構成する。
次に、図14に示すペン先座標算出器87について説明する。
ペン先座標算出器87は、図26に示すように、射影パラメータ算出器131とペン先座標変換器132とからなる。射影パラメータ算出器131には、画像上のコードコーナー座標と、それに対応する紙面上のコードコーナー座標が入力される。それらから射影パラメータを算出する。射影パラメータの算出方法を図27により詳述する。図27(a)は画像におけるコードのコーナー(As〜Ds)とペン型座標入力装置7の先端部62(Ps)の座標である。Psの座標は常に一定である。なぜならばペン型座標入力装置7では画像読取装置64と先端部62は固定されているからである。先端部62はペン型座標入力装置7の構成により画像読取装置64で撮像される画像内にある場合もあれば画像外である場合もありうる。画像外にある場合は、その座標は負の値あるいは画像の座標の最大値を越えることになる。
図27(b)は紙面におけるコードのコーナー(Ar〜Dr)とペン型座標入力装置7の先端部62(Pr)の座標である。コードのデコードによりArが決定されるので、その隣接コーナーであるBr〜Drは自動的に決まる。算出したいのはPrの座標である。射影変換式は図27(c)に示す式により画像座標から紙面座標への変換が行われる。変換係数b1〜b8は未知数であるが、コーナー座標の関係により8つの一次方程式が作られる。この連立方程式を解く事によりb1〜b8のパラメータが算出される。
ペン先座標変換器132はこのパラメータを用いてPsをPrに変換して紙面上の先端部62の座標を決定する。
【0029】
次に、2次元コード読取装置の他の実施例を図28に示す。なお、図14と同一部位には同一符号を付して説明は省略する。この図28に示す2次元コード読取装置は、第一誤り訂正器141、第二誤り訂正器142、選択器143が設けられている点が、図14に示した2次元コード読取装置と異なるものとされる。
第一誤り訂正器141及び第二誤り訂正器142の機能は、図14に示した誤り訂正器85と同一の機能を有する。選択器143は、連続筆記検出器91において連続筆記中であると判断された場合は、常に第二誤り訂正器142の出力を選択し、図14に示した2次元コード読取装置と同一の動作を行う。
一方、筆記検出器92の出力から筆記中であるが連続筆記中でないと判断した場合、即ち筆記開始時においては、選択器143は次のような動作を行う。第一誤り訂正器141の誤り訂正判定情報が誤り訂正成功の場合には、第一誤り訂正器141の出力が選択される。第一誤り訂正器141の誤り訂正判定情報が誤り訂正失敗の場合には、第二誤り訂正器142の出力が選択される。
このような処理を行うと、新しい加筆が行われる際に同一の文書への加筆ならば装置としての誤り訂正率が向上するので、図14に示した2次元コード読取装置より有利である。
【0030】
これまで説明してきた2次元コード読取装置74はハードウェアでコードの読み取りを行っているが、ソフトウェアで行ってもよく、この場合は2次元コード読取方法を実現するプログラムがマイコン65(図5参照)のROM72(図13参照)に格納される。そして、そのプログラムの命令が順次CPU71にロードされて命令の実行が行われ、2次元コード22の読み取り処理が行われることになる。その処理手順を図29(a)(b)に示すフローチャートに従って説明する。
まず、画像入力を行った後、図29(a)に示すように、画像内のドットを検出する(S21)。次に、2次元コードの位置を抽出するコード枠の検出を行った後(S22)、2次元コードの白黒に応じて「0」または「1」のデータを取得してデータの並べ替えを行う(S23)。この後、ステップS24において誤り訂正を行い、ステップS25において誤り訂正に成功したと判別したときはステップS26に進み、誤り訂正に成功したと判別しなかったとき、つまり誤り訂正に失敗したと判別したときは2次元デコード処理を終了することになる。
【0031】
破線で囲ったステップS24、S25の処理は、図29(b)に示すようになる。
まず、ステップS31において、取得したデータが連続検出中、即ち、ペン型座標入力装置7の先端部62が常に紙面に押し付けられているかどうかを判定し、連続検出中ならば、ステップS32において既知情報(文書ID)でデータ置き換えを行う。データ置き換えを行った後、ステップS33で誤り訂正を行う。ステップS34において誤り訂正が成功したと判別した場合は、ステップS35においてデコードされた既知情報(文書ID)を保存して誤り訂正処理を終えることになる。この後、図29(a)に示すステップS26に進み、元のデータ(座標情報)を復元し、続くステップS27においてペン型座標入力装置7の先端部62の紙面上における座標を算出する。
一方、図29(b)のステップS31において、取得したデータが連続検出中でなかった場合、つまり初めての加筆である場合、ステップS32のデータの置き換えは行わず、ステップS33において誤り訂正を行う。そしてステップS34において誤り訂正が成功したと判別した場合は、上記同様、ステップS35において文書ID(既知情報)を保存した後、図29(a)に示すステップS26において元のデータ(座標情報)を復元し、続くステップS27においてペン型座標入力装置7の先端部62の紙面上における座標を算出すればよい。
なお、ドットの検出、コード枠の検出、データ取得、誤り訂正、座標・文書ID復元、ペン先座標算出の各ステップは、図14に示すドット検出器81、コード枠検出器82、データ取得器83、誤り訂正器85、データ復号器86、ペン先座標算出器87の各機能をソフトウェアで実現している。
【0032】
また、2次元コード読み取り処理の他の処理手順を図30(a)(b)に示すフローチャートに従って説明する。
この図30に示すフローチャートは、図29に示したフローチャートと異なる点は、筆記中であって連続検出中でない場合、即ち筆記開始時に文書IDを置き換えずに誤り訂正を行い、誤り訂正ができなかった場合に文書ID部分の置き換えを行って誤り訂正を行うようにしている点である。つまり、図30(b)に示すステップS41において筆記中であると判別し、続くステップS42において連続検出中でないと判別された場合、ステップS43において、筆記開始時に文書IDを置き換えずに誤り訂正を行い、ステップS44において誤り訂正ができなかった場合に、ステップS45において文書ID部分の置き換えを行って誤り訂正を行うようにしている。これにより、同一文書への加筆時には、図30に示すように2次元コード読み取り処理を行ったほうが誤り訂正率を向上させることができるようになる。
なお、図30(a)に示す処理、及び図30(b)に示すステップS45〜S48の処理は、それぞれ図29(a)に示す処理、及び図29(b)に示すステップS32〜S35の処理と同じとされるので説明は省略する。
同一文書への加筆時には、図30に示すように2次元コード読み取り処理を行ったほうが誤り訂正率を向上させることができる。
【0033】
これまで2次元コードを読むことにより加筆座標を取得する装置、及びシステムについて述べた。そこで次に加筆した情報を取得し、原文書に重畳するシステム、及び方法を、図5に示した文書管理システムと図31に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、ここでは文書には2次元コードが付されて印刷されているものとする。
ここで、ペン型座標入力装置7で文書に加筆を行ったとすると、前述したように、文書上の2次元コード22が読み取られ、文書IDと座標情報がペン型座標入力装置7で取得される(S51)。コードシンボルの読み取りの詳細については後述する。加筆とともにリアルタイムで読み取られた文書IDや座標情報が情報処理装置4へ送信される。情報処理装置4は文書IDと座標情報を受け取ると、その文書IDを、文書管理データベース6を管理する情報処理装置9へ転送する(S52)。
情報処理装置9は受信した文書IDを元に、文書管理データベース6から現在加筆されている文書のページを特定する(S53)。ここで、例えば、特定された文書が図32に示す識別番号(ID)「123456」の「patent.doc」のページ1であるとする。この文書情報はペン型座標入力装置7へ送信され、ペン型座標入力装置7のLCD表示装置66には受信した文書情報が表示される。このようにしてファイルの実体が特定できたので、情報処理装置4は「patent.doc」をそれが関連付けられているアプリケーション(例えばワープロソフト)で開き、例えば情報処理装置4に接続された図示しないディスプレイに表示して編集状態とする(S54)。
編集状態とされた文書「patent.doc」に、ペン型座標入力装置7から次々送信されてくる座標情報を描画することになる。描画する方法としては、文書のウィンドウに新たな描画オブジェクトを開き、受信した座標を線でつないで描画することで実現することができる(S55〜S58)。
【0034】
加筆が終了した時点で(S59「Y」)、ペン型座標入力装置7は加筆終了の信号を情報処理装置4へ送信し、加筆終了の信号を受け取った情報処理装置4は、ウィンドウへの描画を終了する。このようにして文書「patent.doc」に一つのオブジェクトが加えられる(S60)。本実施例では加筆した情報をリアルタイムでコンピュータのディスプレイ上に表示し、実際に加筆した情報が正しく処理されているかどうかをすぐに確認できるのでユーザにとって大きなメリットになる。また、情報処理装置4では受信した座標情報を数列テキストとして同時に別ファイルとして保存する。文書が巨大な場合など、ユーザが後にアプリケーションを開いて加筆されたデータを確認したいときに素早く確認することが不可能な場合に、加筆されたデータのみを表示・確認させることができるので有効である。
また、これまで説明したペン型座標入力装置7を用いて手書きした内容を元の電子文書に関連付けるための方法や装置、システムについて説明したが、次に図5に示したパッド型座標入力装置8を用いてペン型座標入力装置7で行ったことと同等のことができることを説明する。
【0035】
以下、パッド型座標入力装置8の具体的な動作について説明する。
図33はパッド型座標入力装置8の概要を示す概観斜視図、図34はその概略側面図、図35はその真上からみた概略図、図36はそのハードウェア構成を示すブロック図である。このパッド型座標入力装置8は、図33に示すように、文書情報が予め印刷されている情報表示媒体である複数の普通紙201と、情報記憶装置を構成する電磁誘導式のデジタイザ(タブレット)202と、手書き入力用の電磁ペン203とにより構成されており、情報処理装置4(図5参照)に接続されている。
普通紙201は、A4判サイズの紙が用いられている。これらの普通紙201には、記憶装置5に格納されている各文書データが一画面単位で各々プリンタ1や複写機2により予め印刷されているとともに、後述するようにその印刷時に文書管理データベース6内の文書であることを示す文書IDと座標情報とが、図8に示す印刷文書21の左下点線で示した領域40に2次元コード41の形態で印刷されている。この領域40は、パッド型座標入力装置8の2次元コードリーダ204の読み取り領域に対応するものである。この2次元コード41のドットサイズやドット間隔は図9に示した寸法に従う。また、図8に示した領域40以外の領域においてもペン型座標入力装置7で読み取るための文書IDと座標情報をエンコードした2次元コード22が図2に示した寸法で紙全体に印刷されている。これら2次元コード22についての詳細は既に説明したとおりである。
デジタイザ202は、図36に示すように手書き入力部205を平板状の本体ボード206の表面に有し、情報蓄積媒体としてのメモリ207、情報処理装置4と通信するための通信インタフェース208、ワンチップCPU(Central Processing Unit)209等を本体ボード206内に内蔵する形で構成され、複数枚の普通紙201の上端にある保持辺201uの中央部を本体ボード206上に積層させた状態で交換自在に保持する媒体保持部としての保持用クリップ210と、積層された普通紙201の下端辺201dを押さえる格納用クリップ211とを備えている。本体ボード206上の下端辺側には格納用クリップ211に併設される形でLCD212が設けられている。また、格納用クリップ211の紙押さえ面部分(下面)には各普通紙201に印刷された2次元コード41を光学的に読み取る文書ID認識手段である2次元コードリーダ204が設けられている。
【0036】
デジタイザ202において、ワンチップCPU209には、手書き入力部205の検出回路214、メモリ207、通信インタフェース208、2次元コードリーダ204、LCD212等が接続されている。213は各部に電力を供給する本体電源である。また、デジタイザ202は、ワンチップCPU209が適切なプログラムに従って各種の情報処理を実行することにより、情報入力手段、情報格納手段、情報出力手段等の機能を果たす。
情報入力手段は、ハードウェアとして手書き入力部205やワンチップCPU209、検出回路214などを有しており、各種情報の手書き入力を受け付ける。つまり、本体ボード206上に積層された普通紙201上で電磁ペン203を通じて手書き入力部205に文字や線などが手書き入力されると、その入力パターンを検出回路214により検出する。ここに、電磁ペン203は手書き入力している時に電磁場を放射するアクティブなペンであり、手書き入力部205に対して手書き入力する時に検出回路214を通じて電磁誘導方式のデジタイザ202がその位置座標を検出する。この方式は、紙厚にして5mm程度は検出可能であり、或る程度の枚数の普通紙201を重ねてデジタイザ202の手書き入力部205上に置いた場合であっても、その最上位の普通紙201に対して電磁ペン203で手書き入力した内容を認識できるものである。
【0037】
情報格納手段は、メモリ207やワンチップCPU209を有しており、上述のように情報入力手段により受け付けられた手書き入力の各種情報を後述するように2次元コードリーダ204により認識された識別情報と関連付けてワンチップCPU209によりメモリ207に記憶させる。ここに、メモリ207としては例えば大容量のフラッシュメモリやハードディスク等が用いられている。
情報出力手段は、ワンチップCPU209や通信インタフェース208などを有しており、後述するように情報処理装置4に対してメモリ207に記憶された手書き入力の各種情報を伝送出力させる。この場合、通信インタフェース208としてはブルートゥース、赤外線ポート、RS232Cポート、イーサネット(登録商標)ポート、PCMCIAポートといった一般的なインタフェースが用いられている。
また、本実施の形態のデジタイザ202は持ち運んで任意の場所で使用することを主に想定しているので、本体電源213としては、本体ボード206内部に内蔵されて再充電可能な2次電池を用いるのが望ましい。このような本体電源213の消費電力を考慮し、本実施の形態では、保持用クリップ210に電源スイッチの機能を兼用させてあり、図37に示すように、本体ボード206上に複数枚の普通紙201を積層状態で載置して保持用クリップ210で保持することにより本体電源213が起動されて動作可能となるように設定されている。このような機能がワンチップCPU209による制御の下に電源起動手段により実行される。
図38はその処理制御を示すフローチャートであり、ステップS71において、保持用クリップ210に媒体(積層状態の普通紙201)が保持されたかどうかの判別を行い、保持されている判別したときに電源をオンにする(S72)。一方、保持されていないと判別したときに電源をオフにして(S73)、処理を終えることになる。
【0038】
このように構成されるパッド型座標入力装置8の使用方法について説明する。
まず、印刷文書201(普通紙201)を積層状態で、本体ボード206上に載置、保持用クリップ210で保持辺201uを固定保持するとともに、下端辺201d側は格納用クリップ211で止める。なお、保持辺201u部分が綴じられたものであってもよい。これにより、前述したように、電源が起動され、格納用クリップ211下面に内蔵されている2次元コードリーダ204が稼動し、最上位の普通紙201に印刷されている2次元コード6の情報を読み込み、その文書IDを認識する。この文書IDの認識に基づきその普通紙201に印刷されている文書の文書IDがLCD212に表示される。これにより、使用者は最上位の普通紙201に印刷されている文書が認識されていることがわかる。また、認識された文書IDはCPU209によってメモリ207に格納される。
このような状態で、使用者が電磁ペン203により印刷文書(普通紙)201上で手書き入力(加筆)すると、手書き入力部205が電磁ペン203の動きに伴う位置情報をその検出回路214により検出して、CPU209を介して加筆データとしてメモリ207に格納する。図33では、一例として丸やアンダラインが加筆情報Aとして加筆されている様子を示している。この格納処理に際して、前述した文書IDに関連付けて加筆座標データをメモリ207に格納する。
【0039】
次に、その下の2枚目の印刷文書(普通紙201)に加筆する場合を考える。この場合、使用者は最上位の普通紙201(1ページ目)をめくる。すると、手前部分では2ページ目の普通紙201が最上位となるので、格納用クリップ211の2次元コードリーダ204部分ではこの2ページ目の普通紙201に印刷されている2次元コード22を読み込むことができる。
そこで、2ページ目の文書IDを認識し、1ページ目の場合と同様に、その情報をメモリ207に格納する等の処理を行う。同時に、この2ページ目について電磁ペン203を利用して加筆があった場合、手書き入力部205、検出回路214等により加筆データとして認識し、その文書IDに関連付けて加筆データをメモリ207に格納する。
本動作の手順概要は図39のフローチャートに示している。
まず、2次元コードリーダ204で2次元コード22を含む画像を入力し、2次元コードをデコードして文書IDを読み取る(S81)。ステップS82において、読み取りが成功したかどうかの判別を行い、もし読み取りに失敗したらステップS83に進んで読み取り不能表示をLCD212に表示する。また、ステップS82において読み取りが成功したと判別したらステップS84に進んで、筆記座標の読み取りを開始し、筆記が終了するまで筆記座標を保存していく(S85〜S87)。ここで、ステップS85において所定の範囲の座標を読み取ったと判別した場合、ステップS88に進んで、文書ID、デバイスタイプ、保存していた筆記座標を情報処理装置4に送信して終了する。この所定の座標とは、例えばデータ送信を開始することを示すチェックボックスの領域である。
全ての作業が終了したら、情報処理装置4のそばにパッド型座標入力装置を置き、電磁ペン203で、図35の送信チェックボックス220にチェックを行う。その位置情報を検出回路214により検出して、CPU209を介してそれが送信用に予約された座標であることを認識し、メモリ207に格納されている文書IDとそれに関連付けられた座標情報とを通信インタフェース208により情報処理装置4に伝送出力する。そして、情報処理装置4は、パッド型座標入力装置8から受け取ったデータを情報処理装置9に転送する。情報処理装置9は、すでに述べたように、文書IDから元となる電子文書を特定し、受信した座標情報をその文書に追加して電子文書を更新する。
本実施例で説明したパッド型座標入力装置(座標取得装置)8は電磁誘導タブレットと電磁ペンを利用したものであるが、この方式に限らず、超音波式など座標を取得可能なその他のタブレット状の装置であってもよい。
【0040】
次に、パッド型座標入力装置8の2次元コードリーダ204の動作について説明する。2次元コードリーダ204は図40のような構成をとる。画像撮像器231は、図示しない光学系とCCDやCMOSなどの画像撮像素子及び画像撮像素子を制御するコントローラからなり、図8に示した印刷文書21の左下点線部分の領域40を撮影して白黒8ビット画像を出力する。光学系は画像撮像素子で撮像した画像内に2次元コードが複数個入るように設計され、ペン型座標入力装置7で読むことのできる2次元コード22をペン型座標入力装置7で読み取ったときの画像に近い画像を画像撮像器231で取得することができる。画像撮像素子の画素数はQVGAやCIF程度のものが必要である。コントローラは、画像撮像素子の撮像タイミング、シャッタースピード、ゲイン等の調整を行い、画像を白とび、或いは黒潰れしないような露出の画像を撮影できるようにする。画像撮像器231で撮影された画像は、ドット検出器232に入力され、画像内のドットを検出し、ドットを黒画素、それ以外を白画素とするドット画像を出力する。ドット画像はコード枠検出器233に入力され、2次元コードの枠を検出する。コード枠検出器233は検出した枠の座標(コード位置情報)とドット画像を出力する。コード位置情報とドット画像はデータ取得器234に入力される。データ取得器234はコード枠内のドットの有無により、「1」「0」のコードデータを取得し、データを整列させる。誤り訂正器235は、取得したデータの誤りを訂正する。誤り訂正を行った結果、誤りが無いか、または誤り訂正が可能な場合は、誤り訂正判定情報を「可」として出力するとともに、訂正したデータを出力する。誤りが訂正できない場合は、誤り訂正判定情報を「不可」として出力するとともに、訂正不能のデータを出力する。データ復号器236は訂正したデータから元の文書IDと座標情報を復号する。パッド型座標入力装置は別にデジタイザを有するので、データ復号器が出力するのは文書IDだけでよい。誤り訂正が「不可」の場合は、文書IDを復号できなかったとして、予め、エラー番号として設定されているID(例えば「−1」)を出力する。以上、ドット検出器232、コード枠検出器233、データ取得器234、誤り訂正器235、データ復号器236は、図14に示した対応する各器と同じ構成でよい。
【0041】
これまで説明してきた2次元コードリーダ204はハードウェアでコードの読み取りを行っているが、ソフトウェアで行ってもよく、この場合2次元コードリーダ204は、画像撮像器と書き込み可能なROMに書かれたプログラムを実行できるCPU及びRAMを持ったマイコンで実現できる。その処理手順を図41に示すフローチャートに従って説明する。
まず、画像入力を行った後、画像からドットを検出する(S91)。ドットが検出された画像から、2次元コードの位置を抽出するコード枠の検出を行う(S92)。その後、ステップS93において2次元コードの白黒に応じて「0」または「1」のデータを取得し、取得したデータの並べ替えを行う。次に、ステップS94において誤り訂正を行う。ステップS95において誤り訂正が成功したと判別した場合には、ステップS96において元のデータ(文書ID)を復元して処理を終えることになる。一方、ステップS95において誤り訂正が失敗したと判別した場合には、元のデータ(文書ID)を復元することなく処理を終えるようにする。ドットの検出、コード枠の検出、データ取得、誤り訂正、文書ID復元の各ステップは、図40に示したドット検出器232、コード枠検出器233、データ取得器234、誤り訂正器235、データ復号器236の各機能をソフトウェアで実現している。
また、パッド型座標入力装置の2次元コードリーダ204で2次元コード41を読み取る機能について説明した。
ここで、同じ2次元コードをMFP(図5に示す複写機2)のスキャナを使用して読み取ることを考える。
また、同様にスキャナ3も使用できる。スキャナ3はネットワークに接続されていて情報処理装置9からスキャナを動作させる。また、直接USB等のインタフェースを利用して接続されていてもよい。スキャナを使用して座標を取得することのメリットは、ペンタイプやパッドタイプとは異なり、専用のペン、あるいはタブレットが必要ないということである。ボールペンあるいは鉛筆で印刷文書201に記入するだけである。
【0042】
では、記入が終わった印刷文書201からスキャナ3を使って画像入力し、2次元コードをデコードして文書IDを得るまでを図42で説明する。なお、すべての手順は情報処理装置9で実行される。まず、記入が終わり送信チェックを行った印刷文書201をスキャナ3にセットして画像読み取りを行う(S101)。読み取られた印刷文書201の画像は記憶装置5(図5)の所定のフォルダに画像ファイルとして蓄え、次の処理へのキューに入る(S102)。情報処理装置9は所定のフォルダを監視していてキューの先頭にある画像から順番に次のステップ以降の処理を行う(S103)。キュー方式を使用するのはADF等を使用して多数の画像が入力されたとき、同時に複数の画像が処理されると情報処理装置9の負荷が非常に高くなり動作が不安定になりかねないし、処理の速度が遅くなるからである。スキャナから読み取られた画像の方向がわかっていないので、ステップS103において、画像を正立させる。ステップS103の画像正立処理の詳細について図43に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、読み取った画像についてOCR処理を行い、その結果を保存しておく(S111)。次に、ステップS112において、画像を90度ずつ回転させた後、ステップS111においてOCR処理を行い、それらの結果を保存しておく。このようにして4方向でOCR処理が行われたならば(S113「Y」)、次にステップS114においてOCR処理結果のひとつの尺度である確信度を用いて画像の方向を判定する(S114)。確信度とは認識した文字の確からしさであり、この画像方向判定に使用する数値は、各文字の確信度の平均である。この平均の確信度が最も大きい値を持つ方向で画像は正立すると判定して画像を正立させる。
【0043】
図42に戻り、図42のステップS104において、パッド型座標入力装置8の2次元コードリーダ204が読む領域を選択する。これは予め、決められた領域であるので容易に領域を選択することができる。次に選択した領域に対して2次元コードのデコードを行う(S105)。デコードの詳細はパッド型座標入力装置の2次元コードリーダですでに述べたものと同じでよい。特定の領域の2次元コード22をデコードする理由は以下のとおりである。その他の領域にある2次元コードは全面に印刷されるため、文書の見た目(平均濃度やドットの見え方)に大きく影響する。したがって、ドットのサイズは図2のようにできるだけ小さくしている。そのため、MFP(複写機2)のスキャナの通常の解像度600dpiではそのドットを読むことが不可能であるからである。
特定の領域40の2次元コード41は、ドットサイズを大きくし、ドット間隔も大きくしている。そのため、平均濃度はその他の領域と比較してほとんど変わらず、ドットが少し目立つ程度である。
デコードが成功して文書IDの取得ができたなら、デバイスタイプ、文書ID、座標情報(この場合は画像)を記憶装置5の所定のフォルダに保存して次の処理のキューに入れる。以降の処理は、文書ID及び座標情報を受信した情報処理装置9の文書処理プログラムの動作手順(図44)で行われる。本実施例の場合は、デバイスタイプはスキャナ、座標情報は画像となる。
まず、記憶装置5の所定のフォルダを監視してキューの先頭にあるデータ(デバイスタイプ、文書ID、座標情報(画像))を受信する(S121)。文書IDより、図32に示す文書管理データベース6を検索して電子文書を特定し(S122)、後の処理効率を考えて処理キューに入る(S123)。次に、電子文書情報取得ステップにおいて、キューの先頭にあるデータを取り出し、それを元に電子文書を画像化した画像化ファイルを取得する(S124)。
デバイスタイプがスキャナである(加筆情報が画像として取得できるタイプのデバイスである)ので、スキャナを用いて取得した画像をステップS125において、電子文書と重ね合わせができるように画像を補正する。
【0044】
位置補正について図45、図46を用いて説明する。まず、電子文書の理想マーカー位置4箇所を入力する(S131)。次に受信した画像からマーカーを検出する(S132)。検出方法として、図46(a)に示すAのマーカーを例に説明する。まず、図46(b)に示すように、斜め走査によりマーカーの左上の頂点となる黒画素(A0)を探索する。その黒画素の位置から右斜め下45度の方向で黒画素の終点(A1)を探索する。連続した黒画素の長さと理想のマーカーの長さを比較しほぼ等しければ、A0とA1の中点をMとし、垂直方向の黒画素の長さと水平方向の黒画素の長さを検出する。理想のマーカーの長さと比較し、それぞれがほぼ等しければAをマーカーと判定する。マーカーB、C、Dについても同様に行って4箇所のマーカーを検出する。これにより、理想マーカーと画像マーカーの位置の対応付けができた。次に、図46(c)に示すように、マーカーABCDからなる四角形を三角形ABC、三角形BCDの二つの三角形に分割し、それぞれアフィン変換を施して(図45のステップS133)、4箇所のマーカーを基準とした位置補正を完了する。
図44に戻り、ステップS125から出力された画像から加筆抽出を行う(S126)。加筆抽出の基本は、電子文書から加筆を抽出すべき領域情報を取得し、その領域に対応する部分を、電子文書を画像化した画像化ファイル及び位置補正済みの画像から切り出し、それぞれの領域で位置合わせを行って加筆部分だけを抽出する。抽出した加筆情報を画像オブジェクトとして元の電子文書に追加して電子文書を更新する(S127)。
【0045】
また、これまでの説明は2次元コードをすべて黒トナーやインクで印刷することを考えていたが、パッド型座標入力装置7やMFP2、スキャナ3で読み取らせる2次元コード41をカラーで印刷することも考えられる。人間の目に感知しにくい黄色で印刷する場合を考える。図6に示した2次元コードのエンコード処理における第二のマトリクス配置でイエローカラーのドットを画像に配置したり、図11に示した第二の2次元コード生成手段56において、同様にイエローカラーのドットを画像に配置したりすることで、図12に示す印刷文書21内の領域40をイエローカラーの2次元コード41で埋めることができる。この場合、カラーコードを読み取る場合に、パッド型座標入力装置8の2次元コードリーダ204やMFP2のスキャナはカラーセンサである必要がある。イエローで印刷した場合の2次元コードリーダ204の構成は図47に示すようになる。
この場合、図40に示した2次元コードリーダ204の画像撮像器231とドット検出器232との間に色画像検出器241を設け、画像入力時にカラーセンサで読み取ったカラー画像から、イエローを検出する色画素検出器241を設けるようにすればよい。
また、このような2次元コードリーダ204をソフトウェアにより実現する場合は、図48に示すようになり、先に図41に示したフローチャートに色画素検出を行うステップS90を追加するだけでよい。
これら色画素(イエロー画素)検出の方法は、下の両式を満たす画素を検出すればよい。
R−B>Thy
G−B>Thy
Thyは閾値である。色画素を検出した後、色画素として検出された画素だけを利用してドット検出を行えばよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る印刷文書の平面図。
【図2】2次元コードのドットの大きさ、及びドットの間隔を示す図。
【図3】2次元コードのデータ配置領域を示す図。
【図4】2次元コードへのデータの配置順序を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る文書管理システムの構成図。
【図6】2次元コードのエンコード処理を示したフローチャート。
【図7】データのエンコード処理と誤り訂正符号の付加処理の説明図。
【図8】2次元コードを付して印刷した文書の一例を示す図。
【図9】特定領域における2次元コードのドットの大きさ、及びドットの間隔を示す図。
【図10】文書印刷とデータベースへの登録方法を示す図。
【図11】2次元コード生成装置の構成を示したブロック図。
【図12】2次元コードのパターンを示す図。
【図13】マイコンの構成を示す図。
【図14】2次元コード読取装置の構成を示したブロック図。
【図15】2次元コードを読み取った画像の一例を示す図。
【図16】文書ID置き換えによる誤り訂正の可否を説明する図。
【図17】画像全体の領域と各検出器の処理領域を示す図。
【図18】ドット検出器の説明図。
【図19】文書IDの置き換えによる座標取得率の変化を示す図。
【図20】コード枠検出器の説明図。
【図21】コード枠の追跡経路の説明図。
【図22】コーナー検出器の説明図。
【図23】渦巻き走査の一例を示す図。
【図24】ドット追跡器の説明図。
【図25】データ取得器の説明図。
【図26】ペン先座標算出器の構成を示す図。
【図27】ペン先座標算出の説明図。
【図28】2次元コード読取装置の他の構成を示したブロック図。
【図29】2次元コードの読み取り処理の一例を示したフローチャート。
【図30】2次元コードの読み取り処理の他の例を示したフローチャート。
【図31】文書加筆時の文書更新、データベースの更新方法を示す図。
【図32】文書管理データベースに登録されている項目を示す図。
【図33】パッド型座標入力装置の外観斜視図。
【図34】パッド型座標入力装置の概略側面図。
【図35】パッド型座標入力装置を真上からみた概略図。
【図36】パッド型座標入力装置のハードウェア構成を示したブロック図。
【図37】パッド型座標入力装置の電源投入構造を示す概略側面図。
【図38】パッド型座標入力装置の電源投入動作を示したフローチャート。
【図39】パッド型座標入力装置を使用した筆記座標取得手順を示す図。
【図40】2次元コードリーダの構成を示したブロック図。
【図41】2次元コードリーダの読み取りフローチャート。
【図42】スキャナを使用して筆記座標を取得しデータを処理する手順を示す図。
【図43】画像の正立処理を示したフローチャート。
【図44】情報処理装置で受信したデータの処理手順を示す図。
【図45】位置補正の処理手順を示す図。
【図46】位置補正の説明図。
【図47】2次元コードリーダの他の構成を示したブロック図。
【図48】2次元コードリーダの他の読み取りフローチャート。
【符号の説明】
【0047】
1 プリンタ、2 複写機、3 スキャナ、4、9 情報処理装置、5 記憶装置、6 文書管理データベース、7 ペン型座標入力装置、8 パッド型座標入力装置、10 2次元コード作成装置、11 文書、51 文書ID取得手段、52 座標データ生成手段、53 符号化手段、54 誤り訂正符号追加手段、55 第一の2次元コード生成手段、56 第二の2次元コード生成手段、57 コード合成手段、70 バス、71 CPU、72 ROM、73 RAM、74 2次元コード読取装置、81、232 ドット検出器、82、233 コード枠検出器、83、234 データ取得器、84 データ置換器、85、235 誤り訂正器、86、236 データ復号器、87 ペン先座標算出器、88 既知情報メモリ、111 第一コーナー検出器、112 第一ドット追跡器、113 第二コーナー検出器、114 第二ドット追跡器、115 第三コーナー検出器、116 第三ドット追跡器、117 第四コーナー検出器、118 第四ドット追跡器、121 周囲ドット検出器、122 点対称ペア検出器、131 射影パラメータ算出器、132 ペン先座標変換器、141 第一誤り訂正器、142 第二誤り訂正器、143 選択器、201 普通紙、202 デジタイザ(タブレット)、203 電磁ペン、204 2次元コードリーダ、205 手書き入力部、206 本体ボード、207 メモリ、208 通信インタフェース、209 ワンチップCPU、210 保持用クリップ、211 格納用クリップ、212 LCD、213 本体電源、214 検出回路、231 画像撮像器、241 色画像検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードにおいて、前記印刷媒体に形成される第一の2次元コードと、前記印刷媒体の所定領域に形成され、前記第一の2次元コードとは異なる態様とされる第二の2次元コードと、からなることを特徴とする2次元コードパターン。
【請求項2】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする請求項1記載の2次元コードパターン。
【請求項3】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする請求項1記載の2次元コードパターン。
【請求項4】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項1記載の2次元コードパターン。
【請求項5】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする請求項1記載の2次元コードパターン。
【請求項6】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項1記載の2次元コードパターン。
【請求項7】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きくしかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする請求項1記載の2次元コードパターン。
【請求項8】
文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードを作成する2次元コード作成方法において、前記印刷媒体に第一の2次元コードを作成するステップと、前記印刷媒体の所定領域に前記第一の2次元コードとは異なる態様の第二の2次元コードを作成するステップとを有することを特徴とする2次元コード作成方法。
【請求項9】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする請求項8記載の2次元コード作成方法。
【請求項10】
前記第二の2次元コードは、第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする請求項8記載の2次元コード作成方法。
【請求項11】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項8記載の2次元コード作成方法。
【請求項12】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする請求項8記載の2次元コード作成方法。
【請求項13】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項8記載の2次元コード作成方法。
【請求項14】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、しかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする請求項8記載の2次元コード作成方法。
【請求項15】
文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードを作成する2次元コード作成装置において、前記印刷媒体に第一の2次元コードを作成する第一の2次元コード作成手段と、前記印刷媒体の所定領域に前記第一の2次元コードとは異なる態様の第二の2次元コードを作成する第二の2次元コード作成手段と、を備えることを特徴とする2次元コード作成装置。
【請求項16】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする請求項15記載の2次元コード作成装置。
【請求項17】
前記第二の2次元コードは、第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする請求項15記載の2次元コード作成装置。
【請求項18】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項15記載の2次元コード作成装置。
【請求項19】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする請求項15記載の2次元コード作成装置。
【請求項20】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項15記載の2次元コード作成装置。
【請求項21】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きく、しかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする請求項15記載の2次元コード作成装置。
【請求項22】
文書の固有情報と該文書の位置情報を有する2次元コードを、前記文書が印刷される印刷媒体の一部または全部に複数配置して形成される2次元コードが印刷された印刷媒体において、前記印刷媒体に形成される第一の2次元コードと、前記印刷媒体の所定領域に形成され、前記第一の2次元コードとは異なる態様とされる第二の2次元コードとが形成されていることを特徴とする印刷媒体。
【請求項23】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいことを特徴とする請求項22記載の印刷媒体。
【請求項24】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドット間隔が広いことを特徴とする請求項22記載の印刷媒体。
【請求項25】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項22記載の印刷媒体。
【請求項26】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、ドット間隔が広いことを特徴とする請求項22記載の印刷媒体。
【請求項27】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きいと共に、前記第一の2次元コードとはドットの色が異なることを特徴とする請求項22記載の印刷媒体。
【請求項28】
前記第二の2次元コードは、前記第一の2次元コードよりドットサイズが大きくしかもドット間隔が広いと共に、前記第一の2次元コードとは前記ドットの色が異なることを特徴とする請求項22記載の印刷媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2006−85679(P2006−85679A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−230154(P2005−230154)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】